JP5698182B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に予め定められた系統に従って１段階から複数段階まで演出態様が段階的に変化するステップアップ演出を実行する遊技機に関する。

パチンコ遊技機は、遊技領域に打ち出された遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機として大当たり抽選を行っており、該抽選に当選することで大当たり遊技状態に制御される。また、大当たりの種類として通常大当たりと、これより有利な確率変動大当たりとがあり、確率変動大当たりとなったときには、大当たり遊技状態が終了した後の遊技状態が、次の大当たり抽選確率が通常よりも高くなる確率変動状態に制御される。このような大当たり遊技状態や確率変動状態の発生は、特図ゲームと呼ばれる液晶表示器などの変動表示装置で図柄を変動表示させ、そこに所定の出目の図柄（一般的には、同一種類の図柄）を導出させることによって報知される。

パチンコ遊技機における特図ゲームは、図柄を変動表示させ、これを停止させたときの出目の図柄で大当たり抽選の結果を報知するので、その開始から終了までには一定の時間を要するものとなっている。そこで、特図ゲームの開始から結果が表示されるまでの期間においては、大当たりに対する遊技者の期待感を高めさせる様々な演出が行われるものとなる。このような特図ゲームに対する遊技者の期待感を高めさせる演出としては、リーチの発生後に最終停止図柄の変動態様を通常の態様とは異なる態様とするリーチ表示演出や、図柄の変動表示とは別のキャラクタの表示などによる予告演出などが挙げられる。

ところで、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に高めるためには、期待度の低い演出からより期待度の高い演出へと移行して実行されることが望まれる。そこで、大当たりに対する遊技者の期待感を高めさせる演出として、変動表示装置において図柄の可変表示を開始させてから当該可変表示の表示結果を導出表示させるまでの間に行う予告演出として、複数のキャラクタを所定タイミングで次々と切り替えていき、より多くの段階まで切り替えが行われるほど大当たりの期待度が高くなるステップアップ予告演出を実行するものがある。

ステップアップ予告演出は、大当たりに対する期待度が徐々に高くなっていく演出であるため、大当たりに対する遊技者の期待感を高めるには非常に効果的である。もっとも、演出の内容が淡々と変わっていくだけで変化に乏しいと、演出の内容的には面白みが感じられなくなってしまう。そこで、ステップアップ予告演出の内容を所定のタイミングで分岐させるパチンコ遊技機が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００９−２４７５７２号公報

特許文献１のパチンコ遊技機では、ステップアップ予告演出の分岐により、演出がステップアップしていく場合の態様が豊富になって、演出の内容的な面白みを増すことができるものとなっている。しかしながら、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に高めるというステップアップ予告演出の趣旨が、演出がステップアップする際におけるステップアップ予告演出の分岐に活かされておらず、遊技の興趣の向上が十分に図れない面があった。

本発明は、開始前演出を実行した後にステップアップ演出を実行する場合において、何れのステップアップ演出に移行されるかに対して遊技者に期待感を持たせ、遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、
始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を変動表示させ、表示結果を導出する変動表示装置（可変表示装置９）に、特定表示結果（大当たり）が導出されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態（第１大当たり遊技状態）に制御する遊技機（パチンコ遊技機１）であって、
前記始動条件の成立に基づいて、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する特定決定手段（ＣＰＵ５６：大当たり抽選、大当たり種別抽選）と、
前記変動表示装置において識別情報を変動表示させ、前記特定決定手段の決定結果に応じて該変動表示の表示結果を導出させる変動表示演出（飾り図柄の変動表示）を実行させる変動演出実行手段（表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵ）と、
前記変動表示演出が実行されている間に、予め定められた系統に従って１段階（第１段階）から複数段階（第４段階）まで演出態様が段階的に変化するステップアップ演出（ステップアップ予告）を、前記特定遊技状態に制御される場合に該特定遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出態様が変化するように実行するステップアップ演出実行手段（表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵ）と、
遊技者により操作される操作手段（チャンスボタン１６）とを備え、
前記ステップアップ演出実行手段は、
前記ステップアップ演出として、第１ステップアップ演出（ステップアップ予告Ａ（図４（ａ）））と、該第１ステップアップ演出とは演出態様が異なる第２ステップアップ演出（ステップアップ予告Ｂ（図４（ｂ）））とを含む複数種類のステップアップ演出を実行可能であって、
前記特定遊技状態に制御されない場合に前記第２ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記第２ステップアップ演出を実行する割合の比が、前記特定遊技状態に制御されない場合に前記第１ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記第１ステップアップ演出を実行する割合の比よりも高くなるように実行する（数式２）とともに、
前記変動表示演出が実行されている間の予め定められた開始前演出期間（ステップアップ予告Ａ、Ｂの第１、第２段階の実行に相当する期間（図６））において前記ステップアップ演出とは異なる所定の開始前演出（分岐演出（図４（ｃ）））を実行するとともに、前記開始前演出期間における前記操作手段の操作に応じて、前記開始前演出を実行した後に前記ステップアップ演出を実行する移行ステップアップ演出実行手段（表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵ）を含み、
前記移行ステップアップ演出実行手段は、前記開始前演出を実行した後に前記第１ステップアップ演出を実行する手段と、前記開始前演出を実行した後に前記第２ステップアップ演出を実行する手段とを含み（分岐演出→ステップアップ予告Ａと分岐演出→ステップアップ予告Ｂの選択（図７））、
前記ステップアップ演出実行手段は、前記第１ステップアップ演出とも前記第２ステップアップ演出とも異なる種類の前記ステップアップ演出として、前記開始前演出が実行されずに１段階から複数段階まで演出態様が段階的に変化する第３ステップアップ演出（ステップアップ予告Ｃ（図５（ａ）））をさらに実行可能であるとともに、前記第３ステップアップ演出を、前記第１ステップアップ演出と前記第２ステップアップ演出のうち少なくとも一方と同時に実行可能である、
ことを特徴とする。

上記遊技機では、特定決定手段により特定遊技状態に制御する旨が決定されると、これに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態に遊技状態が制御されるものとなっているが、変動表示装置において識別情報が変動表示され、特定決定手段の決定結果に応じた表示結果が導出される変動表示演出が実行される。つまり、遊技者は、特定遊技状態に制御されるか否かが、変動表示装置に導出された表示結果によって分かるものとなる。

このように変動表示装置に変動表示の表示結果が導出されて特定遊技状態に制御されるか否かが分かるまでには一定の期間があるが、遊技者は、変動表示の開始から終了までの期間において、特定遊技状態に制御されることを期待している。上記遊技機では、予め定められた系統に従って演出態様が段階的に変化するステップアップ演出を実行し、この一定の期間に亘って遊技者の感じる期待感を効果的に高めさせるものとしている。

このステップアップ演出には、第１ステップアップ演出と、これとは演出態様が異なる第２ステップアップ演出とが含まれているが、特定遊技状態に制御されない場合に第２ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に第２ステップアップ演出を実行する割合の比が、特定遊技状態に制御されない場合に第１ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に第１ステップアップ演出を実行する割合の比よりも高くなるように、該第１ステップアップ演出と第２ステップアップ演出とを実行する。つまり、第１ステップアップ演出と第２ステップアップ演出を比較すると、後者の方が前者よりも特定遊技状態に制御される期待度が高いものとなっている。

また、ステップアップ演出は、これとは異なる所定の開始前演出を実行した後に実行する場合があるが、この開始前演出を実行した後に第１ステップアップ演出を実行する場合と第２ステップアップ演出を実行する場合とがある。すなわち、開始前演出が実行されている時点では、第１ステップアップ演出と第２ステップアップ演出の何れかが実行されるかが未だ遊技者には分からないものとなる。ここで、開始前演出の実行後に第２ステップアップ演出が実行される場合には特定遊技状態に制御される期待度が高いものとなるので、開始前演出が実行されている間に何れのステップアップ演出に移行されるかについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。

上記遊技機において、
前記移行ステップアップ演出実行手段は、前記開始前演出期間における前記操作手段の操作に応じて、前記開始前演出を実行した後に前記第１ステップアップ演出と前記第２ステップアップ演出の何れかを実行するものとすることができる（図１０）。

このように開始前演出の実行が終了した後に何れのステップアップ演出に移行するかについて遊技者の操作を介入させることで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。

ここで、
前記移行ステップアップ演出実行手段は、
前記開始前演出を実行した後に前記第１ステップアップ演出を実行するか、前記開始前演出を実行した後に前記第２ステップアップ演出の何れを実行するかを、前記開始前演出期間が終了するまでに決定する移行ステップアップ演出決定手段（分岐演出→ステップアップ予告Ａと分岐演出→ステップアップ予告Ｂの選択（図７））を含み、
前記移行ステップアップ演出決定手段により前記第２ステップアップ演出を実行する旨が決定されているときであっても、前記開始前演出期間における前記操作手段の操作が所定の条件を満たさなかったときには、前記開始前演出を実行した後に前記第１ステップアップ演出を実行するものとすることができる（図１０（ｅ）〜（ｇ））。

この場合、開始前演出を実行した後に第２ステップアップ演出を実行する旨が決定されていても、遊技者が開始前演出期間において操作手段に対して所定の条件を満たす操作をしない限り、開始前演出の実行後に特定遊技状態に制御される期待度が高い第２ステップアップ演出が実行されることはなくなってしまう。これにより、遊技者に操作手段の操作を促すことができるものとなる。

上記遊技機において、
前記移行ステップアップ演出実行手段は、前記開始前演出を実行した後に、前記第１ステップアップ演出または前記第２ステップアップ演出を、該第１ステップアップ演出または該第２ステップアップ演出の第Ｍ段階（Ｍ≠１）の演出から実行するものとすることができる（分岐演出後は、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第２段階または第３段階から実行（図６））。

ここでは、開始前演出が実行された後に第１ステップアップ演出と第２ステップ演出の何れが実行されることになろうとも、第Ｍ段階からの実行が担保されるので、遊技者の期待感を高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。

この場合において、
前記ステップアップ演出実行手段が、前記開始前演出を実行することなく前記第１ステップアップ演出を実行する手段と、前記開始前演出を実行することなく前記第２ステップアップ演出を実行する手段とを含む通常ステップアップ演出実行手段をさらに備える場合には、
前記移行ステップアップ演出実行手段は、前記通常ステップアップ演出実行手段により前記第１ステップアップ演出または前記第２ステップアップ演出を実行する場合に該第１ステップアップ演出または該第２ステップアップ演出の第Ｍ−１段階の演出までを実行することとなる期間内（ステップアップ予告Ａ、Ｂの第１、第２段階の実行に相当する期間（図６））において、前記開始前演出を実行するものであることが好ましい。

この場合、開始前演出を実行した後に第１ステップアップ演出または第２ステップアップ演出を実行する場合でも、開始前演出を実行せずに第１ステップアップ演出または第２ステップアップ演出を実行する場合と、ステップアップ演出の中で実行する段階の演出を合わせるよう時間調整を容易に行えることができるものとなる。

上記遊技機は、
前記変動表示演出が実行されている間に、前記ステップアップ演出とは異なる特別演出（特別予告演出（図５（ｂ）））を実行する手段であって、
前記特定遊技状態に制御されない場合に前記特別演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記特別演出を実行する割合の比が、前記特定遊技状態に制御されない場合に前記ステップアップ演出の第Ｎ段階（Ｎ≠１）の演出までを実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記ステップアップ演出の第Ｎ段階（Ｎ≠１）の演出までを実行する割合の比よりも高くなるように（数式２）、前記特別演出を実行する特別演出実行手段（表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵ）をさらに備えるものとしてもよい。ここで、
前記変動表示装置が、複数の変動表示部で識別情報を変動表示させるものであって、該複数の変動表示部のうちの一部の変動表示部で識別情報の変動表示を停止させた後に他の一部の変動表示部で識別情報の変動表示を停止させることにより表示結果を導出するものである場合（飾り図柄は、左→右→中の順で停止）には、
前記ステップアップ演出実行手段は、前記一部の変動表示部で識別情報の変動表示が停止される以前に、前記ステップアップ演出の実行を完了し（ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃは、何れも左図柄の停止前に第４段階まで完了）、
前記特別演出実行手段は、前記ステップアップ演出実行手段によりステップアップ演出の第Ｎ段階以前の所定段階の演出まで実行されて該所定段階よりも後の段階の演出が実行されなかったときに、前記所定段階の演出の実行を終了したタイミングから前記一部の変動表示部で識別情報の変動表示が停止されるタイミングまでの間に、前記特別演出を実行するものとすることができる（特別演出は、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第３段階を完了するタイミングやステップアップ予告Ｃの第３段階を完了するタイミングよりも後のタイミングで実行開始（図６））。

ステップアップ演出は、第Ｎ段階以前の所定段階の演出までが実行されて該所定段階よりも後の段階の演出が実行されないと、該所定段階よりも後の段階の演出までが実行されたときよりも特定遊技状態に制御される期待度が低くなってしまう。もっとも、ステップアップ演出の所定段階よりも後の演出が実行されなかったときでも、第Ｎ段階よりも後の段階の演出までが実行されたときよりも特定遊技状態に制御される期待度が高い（当然のこととして、所定段階までが実行されたときよりも期待度が高い）特別演出が実行される場合があり得るので、遊技者の期待感を持続させることができるものとなる。

上記遊技機において、
前記ステップアップ演出実行手段は、前記複数種類のステップアップ演出のうちの一の種類のステップアップ演出（ステップアップ予告Ｂ）と、該一の種類のステップアップ演出とは異なる他の種類のステップアップ演出（ステップアップ予告Ｃ（図５（ａ）））とを並行して実行する並行ステップアップ演出実行手段（表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵ：ステップアップ予告Ｂとステップアップ予告Ｃは、相互に干渉せずに並行して実行することが可能（図５（ｂ）、図６（ａ）））を備えるものとしてもよい。この場合において、
前記並行ステップアップ演出実行手段は、
前記他の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出を、前記一の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出を開始し得るタイミングよりも後となり該一の種類のステップアップ演出の第Ｘ＋１段階の演出を終了し得るタイミングよりも前となる期間において実行し（ステップアップ予告Ｃの第ｎ段階は、ステップアップ予告Ｂの第ｎ段階が開始した後から第ｎ＋１段階が終了する前に実行（図６））、
前記一の種類のステップアップ演出の第Ｘ＋１段階の演出を、前記他の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出を開始し得るタイミングよりも後となり該他の種類のステップアップ演出の第Ｘ＋１段階の演出を終了し得るタイミングよりも前となる期間において実行する（ステップアップ予告Ｂの第ｎ＋１段階は、ステップアップ予告Ｃの第ｎ段階が開始した後から第ｎ＋１段階が終了する前に実行（図６））ものとすることができる。

この場合、一の種類のステップアップ演出の段階の変化と他の種類のステップアップ演出の段階の変化とが、実行タイミングを変えながら並行して現れていくので、ステップアップ演出全体としての演出態様が豊富になるとともに、演出の内容に面白みが増すこととなる。

なお、前記一の種類のステップアップ演出と前記他の種類のステップアップ演出の何れも、前記第１、第２ステップアップ演出とは異なるステップアップ演出としてもよい。或いは、前記一の種類のステップアップ演出及び前記他の種類のステップアップ演出を、それぞれ前記第１ステップアップ演出及び前記第２ステップアップ演出（或いは、それぞれ前記第２ステップアップ演出及び前記第１ステップアップ演出）としてもよい。

また、前記一の種類のステップアップ演出は、前記第１ステップアップ演出または前記第２ステップアップ演出の何れか一方とするが、前記他の種類のステップアップ演出は、前記第１ステップアップ演出及び前記第２ステップアップ演出の何れとも異なるものとしてもよい。或いは、前記他の種類のステップアップ演出は、前記第１ステップアップ演出または前記第２ステップアップ演出の何れか一方とするが、前記一の種類のステップアップ演出は、前記第１ステップアップ演出及び前記第２ステップアップ演出の何れとも異なるものとしてもよい。

この場合において、
前記並行ステップアップ演出実行手段は、
前記他の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出までを実行した場合のうちで前記特定遊技状態に制御される場合の割合は、前記一の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出までを実行した場合のうちで前記特定遊技状態に制御される場合の割合よりも高く、
前記一の種類のステップアップ演出の第Ｘ＋１段階の演出までを実行した場合のうちで前記特定遊技状態に制御される場合の割合は、前記他の種類のステップアップ演出の第Ｘ段階の演出までを実行した場合のうちで前記特定遊技状態に制御される場合の割合よりも高くなるように、
前記一の種類のステップアップ演出と前記他の種類のステップアップ演出とを実行することが好ましい（数式３）。

この場合、一の種類のステップアップ演出の第１段階、他の種類のステップアップ演出の第１段階、一の種類のステップアップ演出の第２段階、他の種類のステップアップ演出の第２段階、…と、新たな段階が実行される毎に特定遊技状態に制御される期待度が高くなっていく。これにより、遊技者の期待感をより効果的に高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、一の種類のステップアップ演出の第ｎ段階は他の種類のステップアップ演出の第ｎ段階の予告としての、他の種類のステップアップ演出の第ｎ段階は一の種類のステップアップ演出の第ｎ＋１段階の予告としての意味を有することとなるので、これら２つの系統の演出を並行して行うことにより演出効果がいっそう高まるものとなる。

ここでは、さらに、
前記並行ステップアップ演出実行手段は、前記一の種類のステップアップ演出の第Ｙ段階の演出まで実行して第Ｙ＋１段階の演出を実行しなかったときでも、前記他の種類のステップアップ演出実行手段により前記他の種類のステップアップ演出の第Ｚ段階（Ｚ＞Ｙ）の演出を実行したときには、前記一の種類のステップアップ演出の第Ｚ＋１段階の演出を実行し得るものとすることができる（図１１）。

また、さらに、
前記並行ステップアップ演出実行手段は、前記他の種類のステップアップ演出の第Ｖ段階の演出まで実行して第Ｖ＋１段階の演出を実行しなかったときでも、前記一の種類のステップアップ演出実行手段により前記一の種類のステップアップ演出の第Ｗ段階（Ｗ＞Ｖ＋１）の演出を実行したときには、前記他の種類のステップアップ演出の第Ｗ段階の演出を実行し得るものとすることができる（図１１の変形例）。

この場合、例えば、一の種類のステップアップ演出の第Ｙ段階の演出まで実行して第Ｙ＋１段階の演出を実行しないと、一の種類のステップアップ演出だけで見れば特定遊技状態に制御される期待度はあまり高くならない。もっとも、並行して実行されている他の種類のステップアップ演出が第Ｚ段階まで進めば、実際には実行されなかった一の種類のステップアップ演出の第Ｙ＋１段階が実行されたときよりも特定遊技状態に制御される期待度が高くなる。このような場合において、一の種類のステップアップ演出の第Ｙ＋１段階の演出が実行されないまま第Ｚ＋１段階の演出を行うことで、遊技者に意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。

本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。 図１のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。 （ａ）は、大当たり判定用テーブルを示す図であり、（ｂ）、（ｃ）は、大当たり種別判定用テーブルを示す図である。 ステップアップ予告Ａ、Ｂと、分岐演出の実行態様を示す図である。 ステップアップ予告Ｃと、特別予告演出の実行態様を示す図である。 各種演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。 飾り図柄の変動表示が行われている間に実行すべき演出を選択するためのテーブルである。 主基板の制御部により実行される２ｍｓタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。 表示制御基板の表示制御ＣＰＵにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 分岐演出から移行してステップアップ予告Ｂの第４段階まで実行することが選択された場合におけるステップアップ予告の実行例を示す図である。 ステップアップ予告Ｂの第４段階までを実行することが選択されるとともに、ステップアップ予告Ｃの第４段階までを実行することも選択された場合におけるステップアップ予告の実行例を示す図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。

図１は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機１を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機１は、縦長の方形状に形成された外枠（図示せず）と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機１は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠２を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠（図示せず）と、機構部品等が取り付けられる機構板（図示せず）と、それらに取り付けられる種々の部品（後述する遊技盤６を除く）と、を含む構造体である。

図１に示すように、パチンコ遊技機１は、額縁状に形成されたガラス扉枠２を有する。ガラス扉枠２の下部表面には打球供給皿（上皿）３がある。打球供給皿３の前面には、チャンスボタン１６が設けられている。チャンスボタン１６は、可変表示装置９などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。

打球供給皿３の下部には、打球供給皿３に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿４、回転操作することにより遊技領域７に遊技球を発射する打球操作ハンドル（操作ノブ）５が設けられている。また、ガラス扉枠２の背面には、遊技盤６が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤６は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤６の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域７が形成されている。

遊技領域７の中央付近には、液晶表示装置（ＬＣＤ）により構成される可変表示装置９とを備えている。可変表示装置９の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ２５ａ〜２５ｃと、役物２６とが設けられている。遊技領域７の可変表示装置９よりも下側には、２つの始動入賞口１４ａ、１４ｂが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口１４ｂには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置（アタッカー）１５が設けられている。可変入賞装置１５が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口１４ｂへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。

始動入賞口１４ａ、１４ｂの下方には、大入賞口２１が開放状態とされる特別可変入賞装置２０が設けられている。特別可変入賞装置２０が閉鎖状態となっているときには、大入賞口２１に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置２０が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置９を見て遊技を進めている場合には、大入賞口２１が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置２０の両側には、７セグメントＬＥＤにより構成される特別図柄表示器１０ａ、１０ｂとが設けられている。特別図柄表示器１０ａ、１０ｂでは、７セグメントＬＥＤによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。

特別図柄表示器１０ａは、始動入賞口１４ａへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行い、特別図柄表示器１０ｂは、始動入賞口１４ｂへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器１０ａまたは１０ｂで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器１０ｂで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに表示される表示結果のうち特定表示結果（大当たり図柄）には、第１特定表示結果（確率変動大当たり図柄）と、第２特定表示結果（確変昇格大当たり図柄）と、第３特定表示結果（突然確変大当たり図柄）と、第４特定表示結果（時短大当たり図柄）とが含まれる。第１特定表示結果、第２特定表示結果、第３特定表示結果、第４特定表示結果以外の表示結果は、ハズレ図柄となる。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの表示結果の態様は、７つのセグメントの点灯／非点灯の組み合わせにより、２＾７−１＝１２７通りある（＾は、べき乗を表し、７セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの表示結果として除かれるため、１だけマイナスされている）。第１特定表示結果、第２特定表示結果、第３特定表示結果、第４特定表示結果には、「０」〜「９」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない７つのセグメントの点灯／非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに第１特定表示結果（確率変動大当たり図柄）を表示した後には、後述する第１大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第１大当たり遊技状態の終了後に、通常遊技状態（或いは、確率変動状態とならない時短状態）よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。また、次の大当たり（種類を問わず）が発生するまでの間、時短状態（特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態）に遊技状態が制御される（時短状態の制御は、第１大当たり遊技状態が開始された時点で開始される）。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに第２特定表示結果（確変昇格大当たり図柄）を表示した後には、後述する第１大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第１大当たり遊技状態の終了後に、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。また、次の大当たり（種類を問わず）が発生するまでの間、時短状態（特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態）に遊技状態が制御される（時短状態の制御は、第１大当たり遊技状態が開始された時点で開始される）。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに第３特定表示結果（突然確変大当たり図柄）を表示した後には、後述する第２大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第２大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり（種類を問わず）が発生するまでの間、時短状態（特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態）に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。

特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに第４特定表示結果（時短大当たり図柄）を表示した後には、後述する第１大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第１大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり発生までの大当たり確率を通常とする（確率変動状態の大当たり確率よりも低くなる）通常遊技状態に制御される。時短状態には、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおいて１００回の変動表示が行われるまでの間だけ制御される（時短状態の制御は、第１大当たり遊技状態が開始された時点で開始される）。なお、通常遊技状態において何れかの種類の大当たりが発生することを、初当たりという。

また、可変表示装置９では、横方向に３つ並べられた飾り図柄表示領域９ａ〜９ｃにて飾り図柄（例えば、「０」〜「９」の１０種類）を縦方向にスクロールさせる変動表示を行っている。可変表示装置９は、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器１０ａ、１０ｂで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止（仮停止）していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。

また、可変表示装置９においては、飾り図柄を変動表示させ、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果に応じた飾り図柄を停止させる変動表示の他に、キャラクタの表示などによる演出（後述するステップアップ演出や特別予告演出などの各種演出）が行われる。さらに、可変表示装置９は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、大当たりラウンド演出を行うためにも用いられる。

なお、第１特定表示結果（確率変動大当たり図柄）の表示によっても、第２特定表示結果（確変昇格大当たり図柄）の表示によっても、第１大当たり状態から確率変動状態への制御（＋時短）という遊技状態の制御には全く変わりがない。もっとも、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに第１特定表示結果（確率変動大当たり図柄）が表示されたときには、この時点で可変表示装置９に表示される飾り図柄を「１」または「７」で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知される。

これに対して、第２特定表示結果（確変昇格大当たり図柄）が表示されたときには、この時点では可変表示装置９に表示される飾り図柄を第４特定表示結果（時短大当たり図柄）が表示されたときと同様に「１」または「７」以外の図柄で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知されない。第４特定表示結果（時短大当たり図柄）が表示されたときには、可変表示装置９に表示される飾り図柄を「１」または「７」以外の図柄で揃える。確率変動状態に制御される旨は、大当たりラウンド演出において行われる確変昇格演出によって報知される。

第３特定表示結果（突然確変大当たり図柄）が表示されたときには、可変表示装置９に表示される飾り図柄を特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにハズレ図柄が表示されたときと同様の３つの飾り図柄が揃っていない態様にするものとなっている。なお、突然確率大当たりによって制御される第２大当たり遊技状態は、後述するように大入賞口２１の開放が極短期間で終了し、大当たりラウンド演出も実行されずに次の変動表示の開始までハズレ図柄を表示したままとしておく。もっとも、第２大当たり遊技状態が終了して次の変動表示が開始されたときには、確率変動状態に制御されていることとなる。

また、特別図柄表示器１０ａまたは１０ｂにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置９にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ２５ａ〜２５ｃの点灯や役物２６の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機１において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。

可変表示装置９の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口１４ａ、１４ｂに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの開始条件（例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了）が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板３１のＲＡＭ５５（図２参照）に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部１１ａ、１１ｂが設定されている。

特別図柄保留記憶表示部１１ａは、４つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口１４ａへの有効始動入賞（本実施形態では、保留記憶数が４未満のときの始動入賞）がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に１つ追加し、特別図柄表示器１０ａにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン（今回開始した変動表示に対応していたもの）を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを１つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を１つ減らす。特別図柄保留記憶表示部１１ｂについても、同様に、始動入賞口１４ｂへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを１つ増やし、特別図柄表示器１０ｂにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを１つ減らす。

ＲＡＭ５５（図２参照）には、特別図柄表示器１０ａにおける特別図柄の始動条件が成立（打球が始動入賞口１４ａへ入賞）したときに主基板３１のＣＰＵ５６（図２参照）により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する４つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部１１ａは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数（保留記憶数）を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件（例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了）が成立していない数値データが予め定められた上限数として４個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部１１ｂについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。

上記した始動入賞口１４ａ、１４ｂに入った入賞球は、それぞれ遊技盤６の背面に導かれ、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂ（図２参照）によって検出される。可変入賞装置１５は、ソレノイド７１（図２参照）によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド７１により可変入賞装置１５が開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口１４ｂに入賞し易くなり（始動入賞し易くなり）、遊技者にとって有利な状態となる。

また、特別可変入賞装置２０は、ソレノイド７２（図２参照）により可動して大入賞口２１に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口２１に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口２１が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置２０から遊技盤６の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ６３（図２参照）で検出される。遊技盤６の背面には、大入賞口２１内の経路を切り換えるためのソレノイド７３（図２参照）も設けられている。

特別可変入賞装置２０は、第１大当たり遊技状態において、大入賞口２１の開放から一定時間経過するまで、または所定個数（例えば、１０個）の遊技球が入賞するまで大入賞口２１を開放状態とする。大入賞口２１が開閉されてから一定期間（例えば、第１大当たり遊技状態においては３０秒、第２大当たり遊技状態においては０．５秒）経過するまで、または所定個数（例えば、１０個）の打球が大入賞口２１に入賞するまでが１ラウンドである。大当たり遊技状態は、このような大入賞口２１の開放が所定回数（例えば、１５回）に亘って繰り返して提供される遊技状態である。

特別可変入賞装置２０は、また、第２大当たり遊技状態において、大入賞口２１を極めて短い時間（例えば、０．２〜０．５秒程度）で２回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態が、この第２大当たり遊技状態である。第２大当たり遊技状態は、大入賞口２１の開放が極めて短い期間しか行われないため、打球が１つも大入賞口２１に入賞しないまま終了して、確率変動状態に制御されることとなる場合も多く、第２大当たり遊技状態に制御されたこと自体が遊技者に気づかれない場合も多い。

また、遊技領域７の左側には、「１５」及び「２」と付された一対のＬＥＤからなるラウンド数表示器１９が設けられている。このラウンド数表示器１９は、発生される大当たり遊技状態のラウンド数を表示するものである。一方、遊技領域７の右側には、「○」及び「×」と付された一対のＬＥＤからなる普通図柄表示器１２が設けられている。この普通図柄表示器１２は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報（例えば、「○」及び「×」）を変動表示可能なものである。

ゲート２８ａ、２８ｂを遊技球が通過したことがゲートスイッチ６１（図２参照）で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板３１（図２参照）に搭載されるＲＡＭ５５（図２参照）の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、ＲＡＭ５５（図２参照）の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、４個となっている。普通図柄表示器１２において普通図柄の表示状態が変化（「○」および「×」が交互に点灯）する変動表示を開始できる状態（前回の普通図柄表示器１２における変動表示の終了）であれば、普通図柄表示器１２において普通図柄の変動表示が開始される。

普通図柄表示器１２の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数（この実施の形態では４つ）のＬＥＤを有する普通図柄保留記憶表示器１３が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器１３は、ゲート２８ａ、２８ｂを遊技球が通過したことがゲートスイッチ６１で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するＬＥＤを１つ増やす。普通図柄表示器１２にて普通図柄（例えば、「○」及び「×」）の変動表示が開始される毎に点灯しているＬＥＤを１減らす。

普通図柄表示器１２にて、○と×の付された左右のランプ（点灯時に図柄が視認可能になる）が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間（例えば、時短状態であれば２．９秒、時短状態でなければ２９．２秒）継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器１２における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置１５が所定時間（例えば、時短状態であれば２．９秒、時短状態でなければ１．４秒）だけ開放状態になる。

普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート２８ａ、２８ｂを遊技球が通過し、ゲートスイッチ６１で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い（例えば、３５／３６）が、時短状態でなければ低い（例えば、１／３６）となっている。時短状態は、このように可変入賞装置１５が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに（或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで）、遊技を進められる状態となっている。

ゲート２８ａの左方及び下方、並びにゲート２８ｂの下方及び右方には、それぞれ入賞口２９ａ〜２９ｄが設けられている。入賞口２９ａ〜２９ｄに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ６４ａ（図２参照）で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口１４ａ、１４ｂ、大入賞口２１への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート２８ａ、２８ｂを遊技球が通過しても行われない。

遊技盤６の遊技領域７の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口３０が設けられている。また、遊技領域７の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する２つのスピーカ２７が設けられている。遊技領域７の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ４０、枠ランプ左４１および枠ランプ右４２が設けられている。

また、図１には示していないが。パチンコ遊技機１には打球操作ハンドル５を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域７に発射する打球発射装置４５（図２参照）が設けられている。打球発射装置４５から発射された遊技球は、遊技盤６に遊技領域７を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域７に入り、その後、遊技領域７を下りてくる。始動入賞口１４ａ、１４ｂ、大入賞口２１、入賞口２９ａ〜２９ｄのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口３０から排出されるものとなっている。

図２は、本実施形態に係るパチンコ遊技機１の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板３１には、プログラムに従ってパチンコ遊技機１を制御する基本回路５３が搭載されている。基本回路５３は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するＲＯＭ５４、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのＲＡＭ５５、プログラムに従って遊技の信号を制御するＣＰＵ５６、及び表示制御基板８０等に制御信号を送信するＩ／Ｏポート部５７を含む。

この実施の形態では、ＲＯＭ５４、ＲＡＭ５５、ＣＰＵ５６及びＩ／Ｏポート部５７を含む基本回路５３は、１チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路５３を構成する１チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機１の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、ＲＡＭ５５に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機１の電源が遮断されている間も保持される。

なお、ＣＰＵ５６はＲＯＭ５４に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、ＣＰＵ５６が実行する（または、処理を行う）ということは、具体的には、ＣＰＵ５６がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板３１以外の他の基板に搭載されているＣＰＵについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板３１に搭載されるＣＰＵ５６、ＲＯＭ５４、ＲＡＭ５５、Ｉ／Ｏポート部５７、等の周辺回路のことである。

また、ゲートスイッチ６１、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂ、カウントスイッチ６３、入賞口スイッチ６４、余剰球受皿４がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ（図示しない）、カウントスイッチ短絡信号（図示しない）、からの信号を基本回路５３に与えるスイッチ回路３２、可変入賞装置１５を開閉するソレノイド７１、特別可変入賞装置２０を開閉するソレノイド７２、大入賞口２１内に設けられたシーソーを可動するソレノイド７３、等を基本回路５３からの指令に従って駆動するソレノイド回路３３、電源投入時に基本回路５３をリセットするためのシステムリセット回路（図示しない）、基本回路５３から与えられるデータに従って、第１、第２大当たり遊技状態の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路３４、も主基板３１に搭載されている。

また、電源起動時において内部状態（ＲＡＭ５５）をリセットするリセットスイッチ９３、及び電源のＯＮ／ＯＦＦ切り替えを行うメインスイッチ９４も、主基板３１に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路５３へと送る。これらのスイッチ９３、９４は、パチンコ遊技機１の内部に設けられている。

また、主基板３１に搭載されたＣＰＵ５６は、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの表示制御、普通図柄表示器１２、およびラウンド数表示器１９の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器１３の発光制御を行う。

主基板３１に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ（ＣＰＵ５６及びＲＯＭ５４、ＲＡＭ５５等の周辺回路）は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット５０、遊技盤６に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置４４、を制御する払出制御基板３６に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル５を操作することにより打球発射装置４５を駆動制御して遊技球を遊技領域７に向けて発射制御する発射制御基板３７に発射制御信号を送信する。

さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板８０に演出制御コマンド（演出制御信号）を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板８０に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ（表示制御用ＣＰＵ（図示しない）、ＲＡＭ（図示しない）、ＲＯＭ（図示しない）、Ｉ／Ｏポート部（図示しない）、等の周辺回路）は、可変表示装置９の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータには、パチンコ遊技機１の電源が遮断されている間にバックアップバッテリから電力が供給されず、そのＲＡＭに記憶されたデータは、パチンコ遊技機１の電源が遮断されると消去される。

表示制御用ＣＰＵは、ＲＯＭに格納されたプログラムに従って動作し、主基板３１から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置９の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するＶＤＰ（図示しない）により可変表示装置９の表示制御を行う。表示制御用ＣＰＵは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタＲＯＭ（図示しない）から必要なデータを読み出す。キャラクタＲＯＭは、可変表示装置９に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。

そして、表示制御用ＣＰＵは、キャラクタＲＯＭから読み出したデータをＶＤＰに出力する。ＶＤＰは、表示制御用ＣＰＵからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置９の表示制御を行うＶＤＰ（図示しない）が表示制御基板８０に搭載されている。また、ＶＤＰは、表示制御用ＣＰＵとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにＶＲＡＭ（図示しない）をマッピングしている。ＶＤＰは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置９に表示するための画像データを生成し、ＶＲＡＭに展開する。ＶＲＡＭは、ＶＤＰによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置９に出力する。なお、可変表示装置９の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当たりラウンド演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。

また、表示制御基板８０には、スイッチ回路（図示しない）を介してチャンスボタン１６が接続されており、チャンスボタン１６の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置９において実行しているときには、チャンスボタン１６の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置９における画像の表示を制御するものとしている。

また、この実施の形態では、表示制御基板８０に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板７０にスピーカ２７の駆動信号を出力することによりスピーカ２７の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板３５に役物、ランプ・ＬＥＤの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機１に設けられた役物、ランプ・ＬＥＤの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板８０に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板３１から送信される可変表示装置９の表示制御、ランプ・ＬＥＤの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド（制御信号）に基づいて可変表示装置９、スピーカ２７、パチンコ遊技機１に設けられるランプ・ＬＥＤ等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。

以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１における特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置９における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か（大当たり抽選）、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか（大当たり種別抽選）、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするか（変動パターンの決定）は、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおける特別図柄の変動表示の開始条件が成立したときに決定される。

まず、大当たりの決定について説明する。図３（ａ）は、ＲＯＭ５４に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図３（ａ）の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数（ランダムＲ：０〜６５５３５）の値とに基づいて決定される。通常時（非確率変動時）においては、大当たり判定用乱数の値が１０００〜１０５９、１３３２０〜１３４７７であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が１０２０〜１５１９、１３３２０〜１５００４であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。

次に、大当たり種別の決定について説明する。図３（ｂ）及び図３（ｃ）は、ＲＯＭ５４に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、図３（ｂ）は、特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、図３（ｃ）は、特別図柄表示器１０ａで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。

特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数（ランダムＱ：０〜９）の値が０、３、５または７であれば確率変動大当たりと決定し、１であれば確変昇格大当たりと決定し、９であれば突然確変大当たりと決定し、２、４、６または８であれば時短大当たりと決定する。

一方、特別図柄表示器１０ａで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数（ランダムＱ：０〜９）の値が３、５または７であれば確率変動大当たりと決定し、１であれば確変昇格大当たりと決定し、０または９であれば突然確変大当たりと決定し、２、４、６または８であれば時短大当たりと決定する。

ところで、確率変動状態では、３０分の１の確率で大当たりとなるが、新たな大当たりが発生するまで特別図柄の変動表示が実行される回数の制限なく、時短状態に制御される。時短状態では、可変入賞装置１５が開放状態にある割合が非常に高く、特別図柄表示器１０ａよりも優先される特別図柄表示器１０ｂにて特別図柄の変動表示を行わせるための始動入賞口１４ｂの入賞による保留記憶が途切れることが少ない。また、第１大当たり遊技状態に制御されている間の時間は非常に長いので、ほとんど例外なく、第１大当たり遊技状態が終了するまでに始動入賞口１４ａの入賞による保留記憶も、始動入賞口１４ｂの入賞による保留記憶を何れも一杯になる。

特別図柄表示器１０ａで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の２／５（＝４／１０）であるのに対して、特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の１／２（＝５／１０）もある。つまり、一旦確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりが発生すると、それに基づく第１大当たり遊技状態が終了してから、さらに遊技者が多くの遊技球を獲得することができる第１大当たり遊技状態を介して次も確率変動状態となる割合が高いものとなる。

次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件が成立したとき（すなわち、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が開始するとき）に、特別図柄の変動表示の結果（大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別）に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。

変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレの３種類がある。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチ当たりの２種類がある。突然確変大当たりとすることが決定された場合には、突然確変の１種類であるが、これは、飾り図柄の変動に関しては非リーチハズレと基本的に同じものになる。

ここで、ノーマルリーチ（ノーマルリーチハズレまたはノーマルリーチ当たり）、スーパーリーチ（スーパーリーチハズレまたはスーパーリーチ当たり）は、何れも変動表示の過程において１番目、２番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない（最終的に停止される図柄は異なる）変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。

一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となる演出表示（ここで、後述するリーチ演出表示を行うものとしてもよい）が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。

もっとも、保留記憶の数が３以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される（４となったときには、３となったときよりも一層短縮される）。非リーチハズレとノーマルリーチハズレでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチハズレでは一旦リーチ表示態様を出現させてから変動表示の結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。

また、スーパーリーチハズレの変動パターンでは、リーチ表示態様が表示された後のリーチ演出が一部省略されて、飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。もっとも、スーパーリーチハズレの変動パターンで短縮された変動時間は、ノーマルリーチハズレよりも短くなることはない。

変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチの場合に選択される変動パターンは、それぞれ１種類だけである。ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン（１コマ前、１コマ後、２コマ後）がある。

なお、可変表示装置９における飾り図柄の変動表示は、何れの変動パターンが選択された場合であっても、左→右→中の順で停止される。左と右の飾り図柄が停止され、未だ中の飾り図柄が停止されていない時点で、左と右の飾り図柄が同じ種類の図柄で揃っている表示態様が、リーチ表示態様である。もっとも、左、中、右の３つの飾り図柄が停止される順番は、変動パターンの種類に関わらずに同じとなっていても、変動表示の開始から左、中、右の各々の飾り図柄が停止されるまでの時間は、変動パターンの種類によって異なっている。

変動表示の開始から最終的な終了までの時間が同じ変動パターンであっても、変動表示の開始から左や右の各々の飾り図柄が停止されるまでの時間が異なる場合もある。例えば、左の飾り図柄が最初に停止されるまでの時間が一定の時間以上となる変動パターンが幾つかある（当たり、ハズレとも）。詳細を後述するステップアップ演出は、左の飾り図柄が最初に停止されるまでの時間が一定の時間以上となる変動パターンが選択されたときに実行されるものとなっている。

ところで、特別図柄表示器１０ａにおける特別図柄の変動表示と、特別図柄表示器１０ｂにおける特別図柄の変動表示では、変動パターンの種別、種類に違いがなく、その変動表示の結果が同じもの同士を比較すれば、変動パターン種別の選択確率にも違いはない。もっとも、特別図柄表示器１０ａにおいて特別図柄の変動表示を行う場合は、特別図柄表示器１０ｂの場合よりも、確変昇格大当たりの確率が高く、突然確変大当たりの確率が低くなっている。これを加味すると、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの何れにおいて特別図柄の変動表示を行うかによって、変動パターンの種別、種類の選択に違いが生じてくる。

例えば、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの何れで特別図柄の可変表示を行う場合でも、ハズレの比率は変わらないので、大当たり抽選の結果がハズレである場合にスーパーリーチハズレが選択される割合は変わらない。これに対して、大当たり抽選の結果が大当たりである場合、特別図柄表示器１０ａで特別図柄の可変表示を行う場合、特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の可変表示を行う場合よりも、突然確変大当たりとなる確率が低いので、スーパーリーチ当たりが選択される確率が相対的に高い。従って、特別図柄表示器１０ａで特別図柄の変動表示を行う方が、特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の変動表示を行うときよりも、スーパーリーチで変動表示が実行されることが多くなりやすい。

前述したとおり、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置９において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置９における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。

上記したように、特別図柄の変動パターンは、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果がハズレ、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、時短大当たり、突確大当たりの何れであるかに応じて振り分けられる。もっとも、その結果が出現するまでに選択された変動パターンに応じて一定の時間を要するものとなる。また、ハズレのリーチあり、突確大当たり以外の大当たりの変動パターンでリーチが出現するまでにも一定の時間を要するものとなる。これらの時間を経過するまで飾り図柄の変動表示だけでは、遊技者は、飾り図柄の変動表示の結果が大当たりとなるかを知ることはできない。

しかし、飾り図柄の変動表示が行われている間に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりになるかどうかが分からないからと言って、遊技者がこれを期待していない訳ではない。保留記憶により次以降に行われる変動で確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなるか分からないからと言って、遊技者がこれを期待していない訳ではない。

そこで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１では、飾り図柄の変動表示が行われている間において、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す各種演出が実行されるものとなっている。このような確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出として、飾り図柄の変動表示においてリーチ表示態様が出現する可能性があることを示すリーチ予告演出がある。

リーチ予告演出は、リーチ表示態様が出現する可能性を示す予告ではあるが、リーチ表示態様が出現すれば確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることがあるのに対して、リーチ表示態様が出現しなければ確率変動大当たり、確変昇格大当たり及び時短大当たりとなることはない。従って、リーチ予告演出は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出であるとも言うことができる。もっとも、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１におけるリーチ予告演出は、本発明に特有のものではないので、詳細な説明は省略する。

また、飾り図柄の変動表示が行われている間において確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出として、第１段階から第４段階までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化するステップアップ予告が含まれる。ステップアップ予告には、演出の段階が変化する系統が互いに異なるステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、ステップアップ予告Ｃの３種類があり、また、分岐演出を経てからステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂの何れかに進むものがある。さらに、上記のリーチ予告演出ともステップアップ予告とも異なる演出として、特別予告演出がある。

まず、これらの各種演出の実行態様について説明する。図４は、ステップアップ予告Ａ、Ｂと、分岐演出の実行態様を示す図である。図５は、ステップアップ予告Ｃと、特別予告演出の実行態様を示す図である。これらの実行態様を示す画面は、変動表示される飾り図柄の背景の画像として可変表示装置９に表示される。ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃ、分岐演出、特別予告演出の何れも、何れの飾り図柄も停止されていないときにおいて実行されるため、図４、図５に示すような画面が遊技者に視認しづらくなるようなことはない。

ステップアップ予告Ａは、図４（ａ）に示すように、第１段階から第４段階まで「一」→「二」→「三」→「四」の順に演出の内容が発展していく演出である。例えば、第１段階は、「一」が可変表示装置９の中央に表示され、「二」の一部が可変表示装置９の左端に表示されている。第１段階から移行して第２段階の演出を実行する場合は、左端に一部が表示されていた「二」が可変表示装置９の中央まで右方向に移動してきて、そこで止まるものとなる。このとき、次の段階を示す「三」の一部が可変表示装置９の左端に表示される。第２段階から移行して第３段階の演出を実行する場合、第３段階から移行して第４段階の演出を実行する場合も同様である。但し、第４段階を示す「四」が可変表示装置９の中央に表示された場合、次の段階を示すものが表示されることはない。

ステップアップ予告Ｂは、図４（ｂ）に示すように、第１段階から第４段階まで「１」→「２」→「３」→「４」の順に演出の内容が発展していく演出である。例えば、第１段階は、「１」が可変表示装置９の中央に表示され、「２」の一部が可変表示装置９の右端に表示されている。第１段階から移行して第２段階の演出を実行する場合は、右端に一部が表示されていた「２」が可変表示装置９の中央まで左方向に移動してきて、そこで止まるものとなる。このとき、次の段階を示す「３」の一部が可変表示装置９の右端に表示される。第２段階から移行して第３段階の演出を実行する場合、第３段階から移行して第４段階の演出を実行する場合も同様である。但し、第４段階を示す「４」が可変表示装置９の中央に表示された場合、次の段階を示すものが表示されることはない。

分岐演出は、図４（ｃ）に示すように、ステップアップ予告Ａを示す「一」が可変表示装置９の左側に、ステップアップ予告Ｂを示す「１」が可変表示装置９の右側に表示され、両者が押し合いをするような画面となっている。分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行させるには、遊技者は、分岐演出が行われている期間が終了するまでにチャンスボタン１６を所定回数以上操作しなければならない（但し、後述するように分岐演出→ステップアップ予告Ａの実行が選択されている場合は、チャンスボタン１６の操作に関わらずにステップアップ予告Ｂには移行しない）。図示はしないが、分岐演出が実行されている間には、チャンスボタン１６の操作を促すメッセージなどが可変表示装置９に表示される。

分岐演出が行われている期間において遊技者がチャンスボタン１６を操作する度に、ステップアップ予告Ｂを示す「１」が可変表示装置９の中央に寄ってきて、その分だけステップアップ予告Ａを示す「一」が左に移動して表示される。分岐演出の実行期間が終了したときに、例えば、後述するように分岐演出→ステップアップ予告Ａの実行が選択されているかチャンスボタン１６の操作が所定回数以上なかったときには、ステップアップ予告Ａの段階のうちで分岐演出に続けて実行される段階の文字（図では、「二」）が可変表示装置９の中央まで右方向に移動して表示されるものとなる。

ステップアップ予告Ｃは、図５（ａ）に示すように、第１段階から第４段階まで可変表示装置９に表示されるキャラクタ及び該キャラクタが所持していた旗の形態が変化していくことで演出の内容が発展していく演出である。例えば、第１段階では、可変表示装置９の左端に表示されたポールの脇に旗を持ったキャラクタが表示される。第２段階では、キャラクタが持っている旗をポールのロープに結びつける。第３段階では、ロープに結びつけた旗をポールの半分まで揚げる。第４段階では、ロープに結びつけた旗をポールの一番上まで揚げる。

特別予告演出は、図５（ｂ）に示すように、可変表示装置９の右から左に流れ星が流れていくことで実行される演出である。特別予告演出を実行するのに要する時間は、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの各々の１段階分の演出を実行するのに要する時間よりも短いものとなっている。

なお、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ及び分岐演出は、それぞれ上記のような態様で行われるために画面が相互に干渉してしまうものとなっており、これらが互いに並行して実行されることはない。一方、ステップアップ予告Ｃは、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ及び分岐演出の画面とあまり干渉せずに画面を表示し得るものであるが、並行して実行可能なのは、ステップアップ予告Ｂのみとなっている。また、特別予告演出は、次に説明するように実行タイミングが重複しない分岐演出を除き、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの何れとも並行して実行できるものとなっている。

次に、各種演出の実行タイミングについて説明する。図６は、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの各段階、分岐演出、及び特別予告演出の各々が実行されるタイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、変動パターンとして、左の飾り図柄が停止されるまでの時間が一定の時間以上であって、且つ一定の時間以上であるものの中では最も短いものが選択されているものとして説明する。

図６において、飾り図柄の変動表示は、タイミングｔ０で開始し、タイミングｔ１２で左の飾り図柄が停止し、タイミングｔ１３で右の飾り図柄が停止し、タイミングｔ１４で中の飾り図柄も停止して変動表示が終了するものとする。ステップアップ予告Ａの第１段階とステップアップ予告Ｂの第１段階は、飾り図柄の変動表示が開始したタイミングｔ０よりも少し後のタイミングｔ１からタイミングｔ３までの期間で実行され得る。

ステップアップ予告Ａの第２段階とステップアップ予告Ｂの第２段階は、第１段階を終了したタイミングｔ３からタイミングｔ５までの期間で実行され得る。ステップアップ予告Ａの第３段階とステップアップ予告Ｂの第３段階は、第２段階を終了したタイミングｔ５からタイミングｔ７までの期間で実行され得る。ステップアップ予告Ａの第４段階とステップアップ予告Ｂの第４段階は、第３段階を終了したタイミングｔ７からタイミングｔ１０までの期間で実行され得る（タイイングｔ７〜ｔ１０の時間間隔は、タイミングｔ１〜ｔ３、ｔ３〜ｔ５、ｔ５〜ｔ７の時間間隔と同じ）。

分岐演出は、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第１段階と第２段階を実行し得る期間と同じタイミングｔ１からｔ５までの期間で実行され得る。分岐演出が実行された後は、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂに移行するが、タイミングｔ５からｔ７間での期間はαの演出が、タイミングｔ７からｔ１０までの期間はβの演出が実行される。ここで、αの演出とβの演出の組み合わせは、ステップアップ予告Ａの第２段階と第３段階、ステップアップ予告Ａの第３段階と第４段階、ステップアップ予告Ｂの第２段階と第３段階、ステップアップ予告Ｂの第３段階と第４段階の何れかである。タイミングｔ１からｔ５まで分岐演出が実行された後に、タイミングｔ５からｔ７までの期間、タイミングｔ７からｔ１０までの期間で演出が行われないということはない。

また、ステップアップ予告Ｃの第１段階は、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第１段階が開始されるタイミングｔ１よりも後のタイミングｔ２から、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第１段階が終了したタイミングｔ３よりも後で該第２段階が終了するタイミングｔ５よりも前のタイミングｔ４までの期間で実行され得る。ステップアップ予告Ｃの第２段階は、第１段階を終了したタイミングｔ４から、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第２段階が終了したタイミングｔ５よりも後で該第３段階が終了するタイミングｔ７よりも前のタイミングｔ６までの期間で実行され得る。

ステップアップ予告Ｃの第３段階は、第２段階を終了したタイミングｔ６から、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第３段階が終了したタイミングｔ７よりも後で該第４段階が終了するタイミングｔ１０よりも前のタイミングｔ８までの期間で実行され得る。ステップアップ予告Ｃの第４段階は、第３段階を終了したタイミングｔ８から、ステップアップ予告Ａ、Ｂの第４段階が終了したタイミングｔ１０よりも後で左の飾り図柄が停止するタイミングｔ１２よりも前のタイミングｔ１１までの期間で実行され得る。

また、特別予告演出は、ステップアップ予告Ｃの第４段階が開始されるタイミングｔ８よりも後でステップアップ予告Ａ、Ｂの第４段階が終了する前のタイミングｔ１０よりも前のタイミングｔ９から、左の飾り図柄が停止するタイミングｔ１２よりも前のステップアップ予告Ｃの第４段階が終了するタイミングと同じタイミングｔ１１までの期間で実行され得る。

なお、ステップアップ予告には、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの何れについても、第１段階だけを実行して終了するものと、第１段階と第２段階を順に実行して終了するものと、第１段階から第３段階までを順次実行して終了するものと、第１段階から第４段階までを順次実行して終了するものとがある。ステップアップ予告は、その系統及び最終的に実行された演出の段階に応じて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が異なる演出となるが、これについての詳細は後述する。

ステップアップ予告や特別予告演出を実行するか否かは、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが決定するものとなっている。また、飾り図柄の変動表示についても、具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板３１のＣＰＵ５６によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、及び変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが決定するものとなっている。

これらの決定を表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが行えるようにするため、始動入賞口１４ａまたは１４ｂに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数により大当たりとなるか否か（さらに、大当たり種別乱数により決定される大当たりの種別を含んでいてもよい）、及び変動種別判定用乱数の値により選択される変動パターンの種別、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類と該始動入賞後の保留記憶数と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。

また、特別図柄表示器１０ａまたは１０ｂにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞と、この変動表示において大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンとを示す開始時コマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。

また、特別図柄表示器１０ａまたは１０ｂに第１特定表示結果〜第６特定表示結果が導出されて、大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。

さらに、パチンコ遊技機１の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにＲＡＭ５５に記憶されていれば該電源遮断時の状態（始動入賞口１４ａ、１４ｂの保留記憶がある場合もあり）から、ＲＡＭ５５がクリアされていれば初期状態（始動入賞口１４ａ、１４ｂの何れの保留記憶の数も０）から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、始動入賞口１４ａ、１４ｂの保留記憶数と遊技状態とを特定可能な情報を含む起動時コマンドが、主基板３１のＣＰＵ５６から表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信されるものとなっている。

以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機において、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵは、開始時コマンドを受信すると、後に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置９において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置９に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。

まず、ステップアップ予告や特別予告演出の説明に先立って、停止すべき飾り図柄の組み合わせ選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に停止されることとなる飾り図柄の組み合わせは、主基板３１のＣＰＵ５６によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、各回の変動表示が開始されるときに、すなわち開始時コマンドを受信したときに、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが決定するものとなっている。

例えば、確率変動大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、３つとも「１」または「７」の同じ種類の図柄となり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、３つとも「１」または「７」以外の同じ種類の図柄となる。ノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレが決定されているときには、左と右の飾り図柄が同じ種類の図柄となり、中の飾り図柄がこれとは異なる種類の図柄となる。非リーチハズレが決定されているときには、３つの飾り図柄の何れもが互いに異なる種類の図柄となる。

次に、ステップアップ予告及び特別演出予告の実行について説明する。表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵは、各回の変動表示が開始されるときに、すなわち開始時コマンドを受信したときに、当該開始時コマンドが示す変動パターンが左の飾り図柄の停止までに一定の時間以上を要する変動パターンであるときに、当該変動表示において実行する演出を決定する。そして、この変動表示の開始時の決定に従って、当該変動表示においてステップアップ予告や特別予告演出を実行するものとしている。

図７は、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが各変動表示の開始時において、当該飾り図柄の変動表示が実行されている間に実行すべき演出を選択するためのテーブルである。飾り図柄の変動表示が実行されている間に実行すべき演出は、当該変動表示の結果が確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たり（以下、この図の説明において単に「大当たり」）となるか、或いはハズレとなるかに応じて選択される。

なお、図７において示す確率は、変動パターンに関わらず大当たりとなる場合全体に対して各々の演出が選択される割合、変動パターンに関わらずハズレとなる場合全体に対して各々の演出が選択される割合を示している。表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵの処理としての決定確率は、図７に示す各割合を、大当たりとなる場合全体に対して左の飾り図柄の停止までに一定の時間以上を要する変動パターンが選択される割合、或いはハズレとなる場合全体に対して左の飾り図柄の停止までに一定の時間以上を要する変動パターンが選択される割合で除した値となる。

ここで、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂは、互いに並行して実行できない演出であるので、これらの何れを何段階まで実行するか、或いは何れも実行しないかの選択は、１回の乱数抽選で纏めて行われる。

また、ステップアップ予告Ｃは、ステップアップ予告Ｂと並行して実行され得る演出であるので、これを何段階まで実行するか、或いは実行しないかの選択は、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂの実行の選択とは別の抽選で行われる。但し、ステップアップ予告Ｃを何段階まで実行するか、或いは実行しないかの選択が行われるのは、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、及び分岐演出→ステップアップ予告Ｂの何れもが実行すべき演出として選択されなかったときか、ステップアップ予告Ｂが実行すべき演出として選択された場合に限られる。

また、特別予告演出は、何れのステップアップ予告とも並行して実行され得る演出であるので、これを実行するか否かの選択は、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂの実行の選択とも、ステップアップ予告Ｃの実行の選択とも別の抽選で行われる。特別予告演出を実行するか否かの選択には、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂの実行の選択や、ステップアップ予告Ｃの実行の選択による制限はない。

図７に示すように、ステップアップ予告Ａの第１段階だけを実行することは、大当たりの場合にはＳＡＨ１の割合でハズレの場合にはＳＡＭ１の割合で選択される。ステップアップ予告Ａの第２段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＡＨ２の割合でハズレの場合にはＳＡＭ２の割合で選択される。ステップアップ予告Ａの第３段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＡＨ３の割合でハズレの場合にはＳＡＭ３の割合で選択される。ステップアップ予告Ａの第４段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＡＨ４の割合でハズレの場合にはＳＡＭ４の割合で選択される。

また、ステップアップ予告Ｂの第１段階だけを実行することは、大当たりの場合にはＳＢＨ１の割合でハズレの場合にはＳＢＭ１の割合で選択される。ステップアップ予告Ｂの第２段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＢＨ２の割合でハズレの場合にはＳＢＭ２の割合で選択される。ステップアップ予告Ｂの第３段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＢＨ３の割合でハズレの場合にはＳＢＭ３の割合で選択される。ステップアップ予告Ｂの第４段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＢＨ４の割合でハズレの場合にはＳＢＭ４の割合で選択される。

また、分岐演出を実行した後にステップアップ予告Ａの第３段階までを実行する（α、βの演出としてステップアップ予告Ａの第２段階、第３段階を実行する）ことは、大当たりの場合にはＰＡＨ３の割合でハズレの場合はＰＡＭ３の割合で選択される。分岐演出を実行した後にステップアップ予告Ａの第４段階までを実行する（α、βの演出としてステップアップ予告Ａの第３段階、第４段階を実行する）ことは、大当たりの場合にはＰＡＨ４の割合でハズレの場合はＰＡＭ４の割合で選択される。

また、分岐演出を実行した後にステップアップ予告Ｂの第３段階までを実行する（α、βの演出としてステップアップ予告Ｂの第２段階、第３段階を実行する）ことは、大当たりの場合にはＰＢＨ３の割合でハズレの場合はＰＢＭ３の割合で選択される。分岐演出を実行した後にステップアップ予告Ｂの第４段階までを実行する（α、βの演出としてステップアップ予告Ｂの第３段階、第４段階を実行する）ことは、大当たりの場合にはＰＢＨ４の割合でハズレの場合はＰＢＭ４の割合で選択される。なお、分岐演出を実行した後にステップアップ予告Ｂの第３段階または第４段階までを実行することが選択されていても、分岐演出が実行されている間にチャンスボタン１６が所定回数以上操作されなければ、分岐演出が終了した後には、ステップアップ予告Ａの第３段階または第４段階までが実行されることとなる。

また、ステップアップ予告Ｃの第１段階だけを実行することは、大当たりの場合にはＳＣＨ１の割合でハズレの場合にはＳＣＭ１の割合で選択される。ステップアップ予告Ｃの第２段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＣＨ２の割合でハズレの場合にはＳＣＭ２の割合で選択される。ステップアップ予告Ｃの第３段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＣＨ３の割合でハズレの場合にはＳＣＭ３の割合で選択される。ステップアップ予告Ｃの第４段階までを実行することは、大当たりの場合にはＳＣＨ４の割合でハズレの場合にはＳＣＭ４の割合で選択される。

さらに、特別予告演出を実行することは、大当たりの場合にはＳＰＨの割合でハズレの場合にはＳＰＭの割合で選択される。上記した選択割合のＳＡＨ１〜ＳＡＨ４、ＳＡＭ１〜ＳＡＭ４、ＳＢＨ１〜ＳＢＨ４、ＳＢＭ１〜ＳＢＭ４、ＰＡＨ３〜ＰＡＨ４、ＰＡＭ３〜ＰＡＭ４、ＰＢＨ３〜ＰＢＨ４、ＰＢＭ３〜ＰＢＭ４、ＳＣＨ１〜ＳＣＨ４、ＳＣＭ１〜ＳＣＭ４、ＳＰＨ、ＳＰＭには、以下の数式１〜数式３に示す関係がある。

上記の数式１に示す関係により、最初からステップアップ予告Ａを実行した場合でも分岐演出から移行してステップアップ予告Ａを実行した場合（但し、チャンスボタン１６の操作は要件を満たさずにステップアップ予告Ｂではなくステップアップ予告Ａが実行された場合を除く）でも、最終的に第何段階まで実行してステップアップ予告Ａを完了したかが同じであれば、大当たりとなる期待度は同じであるということになる。最初からステップアップ予告Ｂを実行した場合と分岐演出から移行してステップアップ予告Ｂを実行した場合とについても、同様である。

また、上記の数式２に示す関係により、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れも、より多くの段階まで実行して完了した方が大当たりとなる期待度は高くなるが、ステップアップ予告Ｂを第１段階、第２段階、第３段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ａを第２段階、第３段階、第４段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度以上となる。また、特別予告演出が実行された場合の大当たりとなる期待度は、完了までに実行された段階に関わらずにステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂだけが実行された場合の大当たりとなる期待度よりも高いということになる。

さらに、上記の数式３に示す関係により、ステップアップ予告Ｃを第１段階、第２段階、第３段階、第４段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ｂを第１段階、第２段階、第３段階、第４段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度よりも高くなる。ステップアップ予告Ｂを第２段階、第３段階、第４段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ｃを第１段階、第２段階、第３段階の各々まで実行して完了したときの大当たりとなる期待度よりも高くなる。また、特別予告演出が実行された場合の大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行して完了した場合の大当たりとなる期待度以上ということになる。

上記の数式２、数式３では、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの実行を完了した場合において最終的に実行された段階での大当たり期待度の関係を示すものであったが、例えば、ステップアップ予告Ａの第１段階が実行されているときは、第１段階だけを実行して完了する場合、第２段階までを実行して完了する場合、第３段階までを実行して完了する場合、第４段階までを実行して完了する場合の何れも考えられる。

もっとも、ステップアップ予告Ｂを第１段階、第２段階、第３段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ａを第２段階、第３段階、第４段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度以上となることには変わりがない。

また、ステップアップ予告Ｃを第１段階、第２段階、第３段階、第４段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ｂを第１段階、第２段階、第３段階、第４段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度よりも高くなることには変わりがない。ステップアップ予告Ｂを第２段階、第３段階、第４段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ｃを第１段階、第２段階、第３段階の各々を実行しているとき（最終的にどの段階まで実行されるか分からない）の大当たりとなる期待度よりも高くなることには変わりがない。

ところで、ステップアップ予告Ｃを何段階まで実行するか、或いは実行しないかの選択は、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂの実行の選択とは別の抽選で行われるものとなっている。このため、例えば、ステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時に、ステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行することが選択されることもある（両者の段階の関係は、これに限るものではない）。

ステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行することが選択された場合、特別予告演出の実行を考えないものとすると、１番遅く実行されることとなるのは、ステップアップ予告Ｃの第４段階である。このような場合、１番遅く実行される段階を含むステップアップ予告Ｃは、第１段階から第４段階まで順次全て実行するが、ステップアップ予告Ｂは、第１段階を実行した後に第２、第３段階を実行しないで（或いは、第１、第２段階を実行した後に第３段階を実行しないで）、次に第４段階を実行するものとすることができる。ステップアップ予告Ｂを第３段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第３、第４段階まで実行することが選択された場合も同様とすることができる。

或いは、ステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第３段階まで実行することが選択された場合、特別予告演出の実行を考えないものとすると、１番遅く実行されることとなるのは、ステップアップ予告Ｂの第４段階である。このような場合、１番遅く実行される段階を含むステップアップ予告Ｂは、第１段階から第４段階まで順次全て実行するが、ステップアップ予告Ｃは、第１段階を実行した後に第２段階を実行しないで、次に第３段階を実行するものとすることができる。

このようにステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行することが選択された場合、或いはステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第３段階まで実行することが選択された場合などにおける間の段階の省略は、このようなステップアップ予告Ｂ、Ｃについての実行の選択があった場合に所定の割合で行うものとすることができる。

以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ９３をＯＮ状態とした状態でメインスイッチ９４をＯＮ状態としてパチンコ遊技機１を起動すると、ＲＡＭ５５の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。

一方、リセットスイッチ９３をＯＦＦ状態でメインスイッチ９４をＯＮ状態としてパチンコ遊技機１を起動した場合は、ＲＡＭ５５のデータが壊れているかどうかを診断し、ＲＡＭ５５のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機１の電源をＯＦＦしたときのデータが正常なままで残っている場合には、ＲＡＭ５５に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機１の電源をＯＦＦしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。また、パチンコ遊技機１の起動時には、ＲＡＭ５５に残っていたデータのうちの遊技状態と始動入賞口１４ａ、１４ｂについての保留記憶数を参照し、これに基づいて起動時コマンドを生成し、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵへと送信する。

パチンコ遊技機１において遊技を進行させるための処理は、２ｍｓ毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル５の操作に基づく遊技領域７への遊技球の発射だけは、２ｍｓ毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。

図８は、ＣＰＵ５６が実行するメイン処理にて２ｍｓ毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、ＣＰＵ５６は、レジスタの退避処理（ステップＳ２１）を行った後、ステップＳ２２〜Ｓ３６の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、ＣＰＵ５６は、まず、スイッチ回路３２を介して、ゲートスイッチ６１、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂ、カウントスイッチ６３、クリアスイッチ６５、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定するスイッチ処理を行う（ステップＳ２２）。

次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う（ステップＳ２３）。ＣＰＵ５６は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理（ステップＳ２４）及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う（ステップＳ２５）。

更に、ＣＰＵ５６は、特別図柄プロセス処理を行う（ステップＳ２６）。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器１０ａ、１０ｂ、可変表示装置９、特別可変入賞装置２０、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。

また、普通図柄プロセス処理を行う（ステップＳ２７）。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器１２の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器１２の表示制御および可変入賞装置１５の開閉制御が実行される。

次いで、ＣＰＵ５６は、特別図柄プロセス処理でＲＡＭ５５の送信コマンドキューの先頭に入れられた可変表示装置９等において各種演出を行うためのコマンドを先頭から１つ取り出し、これを表示制御基板８０に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う（ステップＳ２８）。また、普通図柄プロセス処理でＲＡＭ５５の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う（ステップＳ２９）。

更に、ＣＰＵ５６は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う（ステップＳ３０）。

また、ＣＰＵ５６は、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂ、カウントスイッチ６３等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する（ステップＳ３１）。具体的には、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂ、カウントスイッチ６３等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板３６に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板３６に搭載されている払出制御用ＣＰＵは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置４４を駆動する。

そして、ＣＰＵ５６は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する（ステップＳ３２）。記憶処理においては、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂの検出信号に基づいて大当たり判定用乱数等の各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ６２ａ、６２ｂの別に保留記憶させる。

また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する（ステップＳ３３）。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路３３に駆動指令を行う（ステップＳ３４）。可変入賞装置１５、特別可変入賞装置２０、を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口２１内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路３３は、駆動指令に応じてソレノイド７１〜７３を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ（ステップＳ３５）、割込許可状態に設定する（ステップＳ３６）。

次に、ステップＳ２６の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、ＣＰＵ５６は、まず、遊技盤６に設けられている始動入賞口１４ａ、１４ｂに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ６２ａ、６２ｂがオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口１４ａ、１４ｂに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。

始動口スイッチ通過処理では、オンとなった始動口スイッチ６２ａ、６２ｂに対応する始動入賞口１４ａ、１４ｂの保留記憶数を判定する。また、大当たり判定用乱数大当たり、種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、及び変動パターン判定用乱数を抽出し、当該始動入賞に基づく変動表示で大当たりとなるか否か（さらに、大当たりの種別を判定してもよい）、及び当該始動入賞に基づく変動表示で選択される変動パターンの種別を判定する。

そして、始動入賞口１４ａの始動入賞であったか始動入賞口１４ｂの始動入賞であったかに応じて始動入賞コマンドを生成して、ＲＡＭ５５のコマンド送信キューに順番に挿入する。なお、始動口スイッチ６２ａ、６２ｂの両方がオンしていたときには、上記の処理を始動入賞口１４ａ、１４ｂのそれぞれに対して順番に行い、それぞれの始動入賞コマンドが順にコマンド送信キューに挿入される。

その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。

特別図柄通常処理：特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。ＣＰＵ５６は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数（保留記憶数）を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が０でなければ、特別図柄の変動表示の結果、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か（特定表示結果とするか否か）を決定し、大当たりとする場合には、大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。始動入賞口１４ａ、１４ｂの何れについても保留記憶カウンタの値が０でないときには、始動入賞口１４ｂの保留記憶から優先して大当たり等の決定が行われる。

変動パターン設定処理：特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにおける特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ（ダウンタイマにより構成される）にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器１０ａまたは１０ｂに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すとともに選択した変動パターンを示す開始時コマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理（ステップＳ２８）で表示制御基板８０に対して送信される状態に設定する。

特別図柄変動処理：変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。

特別図柄停止処理：特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示す図柄停止コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理（ステップＳ２８）で表示制御基板８０に送信される状態に設定する。

大入賞口開放前処理：大当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口２１のラウンド数を設定した後、大入賞口２１を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド７２を駆動して大入賞口２１を開放状態として特別可変入賞装置２０を開放状態とする。また、大入賞口２１の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。

大入賞口開放中処理：第１大当たり遊技状態中および第２大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理（ステップＳ２８）で表示制御基板８０に送信される状態に設定する処理や、大入賞口２１の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。

大当たり終了処理：第１大当たり遊技状態または第２大当たり遊技状態が終了したことを示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理（ステップＳ２８）で表示制御基板８０に送信される状態に設定する。

一方、表示制御基板８０などのサブ側の各種基板においては、主基板３１の基本回路５３から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置９において飾り図柄を変動表示させたり、ステップアップ予告や特別予告演出などの各種演出を実行したり、第１大当たり遊技状態に制御されているときに大当たりラウンド演出を実行する処理を行う。図９は、表示制御基板８０の表示制御用ＣＰＵが実行するメイン処理を示すフローチャートである。

このメイン処理では、まず、表示制御基板８０に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるＲＡＭのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う（ステップＳ７０１）。次に、所定時間（例えば３３ｍｓ（可変表示装置９の１フレーム期間））毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が１となっているかどうかを判定し（ステップＳ７０２）、タイマ割り込みフラグの状態が１となるまでステップＳ７０２の処理を繰り返して行う。

タイマ割り込みフラグの状態が１となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを０にクリアし（ステップＳ７０３）、主基板３１の基本回路５３から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する（ステップＳ７０４）。

次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置９において飾り図柄を変動表示させたり、大当たりラウンド演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する（ステップＳ７０５）。また、コマンドの解析結果に基づいて、ステップアップ予告や特別予告演出などの演出を実行させる予告制御プロセス処理を実行する（ステップＳ７０６）。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して（ステップＳ７０７）、ステップＳ７０２の処理に戻る。

以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１におけるステップアップ予告の実行を、具体的な例に基づいて説明する。図１０では、分岐演出から移行してステップアップ予告Ｂの第４段階まで実行することが選択された場合を示して説明する。一方、図１１では、ステップアップ予告Ｂの第４段階までを実行することが選択されるとともに、ステップアップ予告Ｃの第４段階までを実行することも選択された場合を示して説明する。

分岐演出から移行してステップアップ予告Ｂの第４段階まで実行することが選択された場合、まず、図１０（ａ）に示すように、ステップアップ予告Ａを示す「一」とステップアップ予告Ｂを示す「１」とが押し合いをする画面が可変表示装置９に表示される。この分岐演出が実行されている間において、遊技者がチャンスボタン１６を連打して、その操作回数が一定回数以上となると、図１０（ｂ）に示すように、ステップアップ予告Ｂを実行すべく画面が右から左へと移動して可変表示装置９に表示される。そして、図１０（ｃ）に示すように、「３」が可変表示装置９の中央に表示されてステップアップ予告Ｂの第３段階が実行された後、図１０（ｄ）に示すように、「４」が中央に表示されてステップアップ予告Ｂの第４段階が実行されるものとなる。

一方、分岐演出が実行されている間において、遊技者がチャンスボタン１６を全く操作しないか、操作しても分岐演出が終了するまでに一定回数以上操作されていないと、図１０（ｅ）に示すように、ステップアップ予告Ａを実行すべく画面が左から右へと移動して可変表示装置９に表示される。そして、図１０（ｆ）に示すように、「三」が可変表示装置９の中央に表示されてステップアップ予告Ａの第３段階が実行された後、図１０（ｇ）に示すように、「四」が中央に表示されてステップアップ予告Ａの第４段階が実行されるものとなる。

ステップアップ予告Ｂの第４段階までを実行することが選択されるとともに、ステップアップ予告Ｃの第４段階までを実行することも選択された場合、最も遅くに実行されるのはステップアップ予告Ｃの第４段階であるので、ステップアップ予告Ｃは、何れにしても全ての段階を実行するものと決定される。一方、ステップアップ予告Ｂは、第１段階、及びステップアップ予告Ｂの第４段階と一部重なる第４段階以外の第２段階および／または第３段階の実行を省略するか否かが決定される。ここでは、第３段階の実行を省略することが決定されたものとする。

このような場合、まず、図１１（ａ）に示すように、可変表示装置９の中央に「１」が表示されてステップアップ予告Ｂの第１段階が実行される。次に、ステップアップ予告Ｂの第１段階が実行されたままの状態で、図１１（ｂ）に示すように、可変表示装置９の左端においてポールの脇に旗を持つキャラクタの画像が表示されて、ステップアップ予告Ｃの第１段階が実行される。次に、ステップアップ予告Ｃの第１段階が実行されたままの状態で、図１１（ｃ）に示すように、可変表示装置９の中央に「２」が表示されてステップアップ予告Ｂの第２段階が実行される。さらに、ステップアップ予告Ｂの第２段階が実行されたままの状態で、図１１（ｄ）に示すように、キャラクタが持っていた旗をポールのロープに結びつける画像が表示されて、ステップアップ予告Ｃの第２段階が実行される。

その後、図１１（ｅ）に示すように、ステップアップ予告Ｃの第２段階が実行されたままの状態で、本来であればステップアップ予告Ｂの第３段階が実行されるタイミングとなるが、ここでは、第３段階の実行を省略することとなっているので、可変表示装置９からステップアップ予告Ｂの画像が表示消去され、ステップアップ予告Ｂは第２段階までの実行で完了されたものと見えるようにする。なお、図１１（ｅ）では、本来であればステップアップ予告Ｂの第３段階が実行されるタイミングであることを分かり易く示すため、「３」に×をつけて示しているが、このような画像が可変表示装置９に表示されるものではない。

次に、図１１（ｆ）に示すように、ステップアップ予告Ｂの何れの段階も実行されていないままの状態で、キャラクタがロープに結びつけた旗をポールの半分まで揚げる画像が表示され、ステップアップ予告Ｃの第３段階が実行される。その後、図１１（ｇ）に示すように、ステップアップ予告Ｃの第３段階が実行されたままの状態で、可変表示装置９の中央まで右から「４」が移動して表示され、第３段階の実行されていなかったステップアップ予告Ｂの第４段階が実行される。そして、図１１（ｈ）に示すように、ステップアップ予告Ｂの第４段階が実行されたままの状態で、キャラクタがロープに結びつけた旗をポールの一番上まで揚げる画像が表示されて、ステップアップ予告Ｃの第４段階が実行されるものとなる。

以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１では、始動入賞口１４ａ、１４ｂへの始動入賞に基づいて特別図柄表示器１０ａ、１０ｂにて行われた特別図柄の変動表示の表示結果が確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりで確定すると、第１大当たり遊技状態に制御される。また、大当たりの種類が確率変動大当たり、確変昇格大当たりであった場合には、第１大当たり遊技状態が終了した後に、次の大当たり決定確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。突然確変大当たりであった場合には、第２大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御される。

ここで、可変表示装置９では、特別図柄表示器１０ａ、１０ｂの表示結果に関わらず飾り図柄の変動表示が実行され、その一連の変動表示を経て、可変表示装置９には、飾り図柄の変動表示の表示結果として特別図柄表示器１０ａ、１０ｂに導出された表示結果に対応した飾り図柄が停止される。つまり、遊技者は、第１大当たり遊技状態に制御されるか否かが、可変表示装置９に導出された飾り図柄の変動表示の表示結果によって分かるものとなる。

このように可変表示装置９に飾り図柄の変動表示の表示結果が導出されて第１大当たり遊技状態に制御されるか否かが遊技者に分かるようになるまでには、選択された変動パターンに応じて一定の期間が生じるものとなる。ここで、遊技者は、飾り図柄の変動表示の表示結果が可変表示装置９に導出されるまでの期間において、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを示す図柄が停止されることを期待している。

この飾り図柄の変動表示が行われている期間における遊技者の期待感を高めさせるため、特に左の飾り図柄が停止されるまでに一定の時間以上がある変動パターンが選択された場合には、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出として、第１段階から第４段階までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化するステップアップ予告を実行し得るものとしている。

このステップアップ予告には、「一」→「二」→「三」→「四」の順に演出の内容が発展していくステップアップ予告Ａと、「１」→「２」→「３」→「４」の順に演出の内容が発展していくステップアップ予告Ａとは並行して実行し得ないステップアップ予告Ｂとが含まれている。ここで、同じ段階まで実行されたとするならば、ステップアップ予告Ｂの方がステップアップ予告Ａよりも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度を高くするものとなっている。

ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂは、飾り図柄の変動表示が開始されてから直ぐに何れかが実行される場合もあるが、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂの実行に先立って、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れが実行されるかの煽りを行う分岐演出が実行される場合がある。分岐演出が実行されている間は、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れの段階も実行されることはなく、分岐演出の実行が終了した後に、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの所定の段階の演出が選択に従って実行されるものとなっている。

分岐演出の実行は、分岐演出からステップアップ予告Ａに移行すること、或いは分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行することを、最初からステップアップ予告Ａやステップアップ予告Ｂを実行することと同じ抽選より選択することによって行われる。分岐演出からステップアップ予告Ａに移行すること、或いは分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行することの選択割合も、分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行する場合の方が確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度を高くするように定められている。

これにより、分岐演出を実行した後に移行するステップアップ予告にステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂという２つの系統があることで演出の態様が豊富になるだけではなく、分岐演出が実行されている間にステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れに移行されるかについての期待感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。

また、分岐演出が実行されている間には、チャンスボタン１６の操作を促すメッセージが可変表示装置９に表示される。分岐演出からステップアップ予告Ａに移行することが選択された場合には、遊技者によるチャンスボタン１６の操作に関わらずに分岐演出の終了後にステップアップ予告Ａが実行される。一方、分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行することが選択された場合であっても、分岐演出が実行されている間における遊技者によるチャンスボタン１６の操作が所定回数に達しなければ、ステップアップ予告Ｂに移行せず、ステップアップ予告Ａに移行して実行されるものとなる。

このように分岐演出の終了後にステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れに移行するかについて遊技者を介入させることで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行することが選択されている場合であっても、遊技者がチャンスボタン１６を所定回数以上操作しなければ確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高いステップアップ予告Ｂには移行しないので、遊技者にチャンスボタン１６の操作を促すことができるものとなる。

また、分岐演出の実行が終了してステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂに移行する場合、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂの第１段階から改めて実行されることはなく、第２段階または第３段階から実行されるものとなる。このように分岐演出が実行された後に移行されるのがステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れとなろうとも、第２段階からの実行が担保されるので、遊技者の期待感を高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。しかも、分岐演出が終了した後のステップアップ予告は、必ず２つの段階が実行されるので、第３段階または第４段階までの実行が担保され、さらに遊技者の期待感を高めさせることができる。

また、分岐演出は、飾り図柄の変動表示が開始されてから直ぐにステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れかが実行される場合において、その第１段階と第２段階とが実行される期間と同じ期間において実行されるものとなっている。これにより、分岐演出を経ずにステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂが実行される場合と、分岐演出を経てステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂが実行される場合とで、各段階の演出を実行する時間の制御が容易に行えるものとなる。

また、この実施の形態のパチンコ遊技機１におけるステップアップ予告には、ステップアップ予告Ａ、Ｂの他に、ステップアップ予告Ｃが含まれている。ステップアップ予告Ｃの実行態様は、ステップアップ予告Ａ、Ｂ及び分岐演出の実行態様とはほとんど干渉しないものであり、ステップアップ予告Ｂを実行することが選択された場合に、ステップアップ予告Ｃを実行することも併せて選択される場合があり得る。

このようにステップアップ予告Ｂを実行することとステップアップ予告Ｃを実行することとが併せて選択された場合に、ステップアップ予告Ｃの第１段階は、ステップアップ予告Ｂの第１段階が開始したよりも後に開始され、ステップアップ予告Ｂの第２段階が開始した後から終了する前に終了するものとなっている。ステップアップ予告Ｃの第２段階、第３段階、第４段階についても、同様である。このようにステップアップ予告Ｂの段階の変化とステップアップ予告Ｃの段階の変化とが、実行タイミングを変えながら並行して現れていくので、演出の態様が豊富になるとともに、演出の内容に面白みが増すこととなる。

しかも、ステップアップ予告Ｂの各段階とステップアップ予告Ｃの各段階には、ステップアップ予告Ｂの第１段階、ステップアップ予告Ｃの第１段階、ステップアップ予告Ｂの第２段階、ステップアップ予告Ｃの第２段階、…と、新たな段階が実行される度に、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高くなっていくという関係がある。

これにより、遊技者の期待感をより効果的に高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、ステップアップ予告Ｂの第ｍ段階（ｍ＝１，２，３，４）は、ステップアップ予告Ｃの第ｍ段階の予告としての、ステップアップ予告Ｃの第ｎ段階（ｎ＝１，２，３）は、ステップアップ予告Ｂの第ｎ＋１段階の予告としての意味を有することとなる。ステップアップ予告Ｂとステップアップ予告Ｃとを並行して行うことによる演出効果がいっそう高まるものとなる。

さらに、ステップアップ予告Ｂとステップアップ予告Ｃとを並行して実行することが選択された場合は、ステップアップ予告Ｃでは第１段階から第４段階までの全て実行されるのに対して、ステップアップ予告Ｂでは第１段階（または第２段階）を終了した後に、第２段階及び第３段階（または第３段階）を実行することなく第４段階が実行されることがある。或いは、ステップアップ予告Ｂでは第１段階から第４段階までの全て実行されるのに対して、ステップアップ予告Ｃでは第１段階を終了した後に、第２段階を実行することなく第３段階が実行されることがある。

この場合、例えば、ステップアップ予告Ｂの第１段階の演出まで実行して第２段階の演出を実行しないと、ステップアップ予告Ｂだけで見れば確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度はあまり高くならない。もっとも、並行して実行されているステップアップ予告Ｃが第４段階まで進めば、実際には実行されなかったステップアップ予告Ｂの第２段階（及び第３段階）が実行されたときよりも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高くなる。このような場合において、ステップアップ予告Ｂの第２段階（及び第３段階）の演出が実行されないまま第４段階の演出を行うことで、遊技者に意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。

ところで、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの何れも、第４段階より前の所定の段階まで実行されて該所定の段階よりも後の段階が実行されないと、該所定の段階よりも後の段階が実行されなかったときよりも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が低くなってしまう。もっとも、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、またはステップアップ予告Ｃの実行の選択とは別に、特別予告演出を実行するか否かの選択が行われている。特別予告演出は、ステップアップ予告の中では最も確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が高いステップアップ予告Ｃの第４段階が実行された場合以上に、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が高いものとなっている。

このようにステップアップ予告Ａ、Ｂ、及びステップアップ予告Ｃが第４段階より前の所定の段階まで実行されて該所定の段階よりも後の段階が実行されなくなってしまったときでも、なおも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が高い特別予告演出が実行される場合があり得るので、遊技者の期待感を持続させることができるものとなる。

ところで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機１では、始動入賞口１４ａの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器１０ａで、始動入賞口１４ｂの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器１０ｂで実行されるものとなっている。始動入賞口１４ａ、１４ｂのそれぞれの入賞に対してＲＡＭ５５に保留記憶バッファが別々に設けられ、特別図柄保留記憶表示部１１ａ、１１ｂも別々に設けられている。可変入賞装置１５が設けられ、いわゆる電チューサポートが行われるのは始動入賞口１４ｂだけであるが、始動入賞口１４ａの始動入賞による保留記憶と、始動入賞口１４ｂの始動入賞による保留記憶の双方があるときには、始動入賞口１４ｂに対応した保留記憶が優先して特別図柄表示器１０ｂで特別図柄の変動表示を行わせるものとなっている。

ここで、いわゆる電チューサポートのない始動入賞口１４ａに遊技球が入賞しても、電チューサポートのある始動入賞口１４ｂに遊技球が入賞しても、遊技状態とが同じであれば、大当たり確率に違いはない。電チューサポートのない始動入賞口１４ａへの始動入賞に基づいて大当たりしたときには、第１大当たり遊技状態（３０秒、１５ラウンド）を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は４／１０、第２大当たり遊技状態（０．２〜０．５秒、２ラウンド）を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は２／１０である。

これに対して、電チューサポートのある始動入賞口１４ｂへの始動入賞に基づいて大当たりしたときに第１大当たり遊技状態（３０秒、１５ラウンド）を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は５／１０であり、第２大当たり遊技状態（０．２〜０．５秒、２ラウンド）を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は１／１０である。時短状態においては、電チューサポートにより始動入賞口１４ｂに入賞しやすくなり、確率変動状態に制御されても第１大当たりに制御されずに遊技球が増えず、遊技者を落胆させてしまうという状態を低減させることができ、遊技者の利益を高めさせることができる。

本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。

上記の実施の形態では、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの何れも、第１段階から第４段階まで演出の内容がステップアップしていくものとなっていたが、ステップアップ予告の種類毎に、ステップアップすることの可能な最大の段階数が異なっていてもよい。例えば、ステップアップ予告Ａ、Ｂは、最大で第４段階までステップアップすることができるものとするが、ステップアップ予告Ｃは、最大でも第３段階までしかステップアップしないものとしてもよい。

また、ステップアップ予告Ａは、最大で第５段階までステップアップするが、ステップアップ予告Ｂは、最大でも第４段階までしかステップアップしないものとしてもよい。ここで、ステップアップ予告Ａが第５段階まで実行されることは、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることが決定されている場合に限り選択され、その選択確率も極めて低いものとするものとしてもよい。この場合、稀にしか実行されないステップアップ予告Ａの第５段階は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの確定を示す演出となるが、ステップアップ予告Ａの第４段階までとステップアップ予告Ｂの第４段階までとを比べると、同じ段階まで実行されたときの大当たり期待度は、ステップアップ予告Ｂの方が高いものとすることができる。

上記の実施の形態では、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの何れも、左の飾り図柄が最初に停止するタイミングまでに最終の第４段階までの実行を完了するものとなっていたが、左の飾り図柄の次に右の飾り図柄が最初に停止するタイミングまでに最終の段階までの実行を完了するものであってもよい。但し、上記した確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの確定を示すが稀にしか実行されないステップアップ予告Ａの第５段階は、左の飾り図柄が最初に停止するまで、或いは左の飾り図柄が最初に停止するまでのタイミングでの実行の例外とすることができる。

上記の実施の形態では、ステップアップ予告には、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃの３系統だけがあり、また、分岐演出から移行して実行できるステップアップ予告は、ステップアップ予告Ａ、Ｂの２系統だけであった。もっとも、実行できるステップアップ予告の種類は、これだけに限られるものではなく、より多くの系統のステップアップ予告が用意されているものとしてもよい。

また、ステップアップ予告Ｂは、ステップアップ予告Ｃとは並行して実行され得るが、ステップアップ予告Ａは、ステップアップ予告Ｃとは並行して実行され得なかった。もっとも、ステップアップ予告Ａもステップアップ予告Ｃと並行して実行され得るものとしても、ステップアップ予告Ａと並行して実行可能な他のステップアップ予告（ここでは、ステップアップ予告Ｄとする）が用意されているものとしてもよい。ステップアップ予告Ａの各段階とステップアップ予告Ｄの各段階の実行タイミング及び大当たりとなる期待度の関係は、ステップアップ予告Ｂの各段階とステップアップ予告Ｃの各段階の実行タイミング及び大当たりとなる期待度の関係と同様のものとすることができる。

また、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂと並行して実行可能なステップアップ予告Ｃまたはステップアップ予告Ｄの各段階は、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂの同一の段階よりも前に開始されるとともに同一の段階が終了するよりも前に終了されるものとしてもよい。この場合、ステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂの各段階についての大当たり期待度は、ステップアップ予告Ｃまたはステップアップ予告Ｄについての同じ段階についての大当たり期待度よりも高くなるものとすることができる。

また、分岐演出から移行しても実行され得るステップアップ予告Ｂの各段階と、これと並行して実行されるステップアップ予告Ｃの各段階とが実行される期間は、前者の方が早くなるように設定されていたが、後者の方が早くなるように設定してもよい。この場合、ステップアップ予告Ｂの各段階での大当たりとなる期待度と、ステップアップ予告Ｃの各段階での大当たりとなる期待度との関係を、上記の実施の形態の場合と逆にすることができる。

また、ステップアップ予告Ｂは、ステップアップ予告Ｃと並行して実行し得る演出であるとともに、分岐演出から移行して実行し得る演出であったが、分岐演出から移行して実行し得るステップアップ予告は、他の系統のステップアップ予告とは並行して実行し得ないものとしてもよい。例えば、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃ（及びＤ）の何れとも系統の異なるステップアップ予告Ｅ（但し、各段階の実行タイミング及び大当たりとなる期待度は、ステップアップ予告Ａ、Ｂと同じ）を用意し、これとステップアップ予告Ｃとが並行して実行され得るものとしてもよい。

また、分岐演出を経ずに実行されることとなる場合には、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂが互いに並行して実行されることがあってもよい（例えば、可変表示装置９を上限に画面分割してステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂを並行して実行する等）。この場合、ステップアップ予告Ｂの各段階は、ステップアップ予告Ａの同一の段階よりも後に開始されるとともにステップアップ予告Ａの次の段階が終了するよりも前に終了されるものとすることができる。

さらに、ステップアップ演出の段階数は、上記のような４段階に限るものではなく、左の飾り図柄が最初に停止するタイミング（或いは、左の飾り図柄の次に右の飾り図柄が最初に停止するタイミング）までに最終段階まで実行を完了することができるものであれば、２以上の任意の段階数を適用することができる。最大で実行可能な段階数が互いに異なる複数系統のステップアップ予告を用意することもできる。

上記の実施の形態では、分岐演出が終了してステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂに移行する場合は、必ず第２段階または第３段階から開始して２段階分の演出を行うものとしていた。もっとも、分岐演出が終了してステップアップ予告Ａまたはステップアップ予告Ｂに移行する場合でも、第１段階から開始することがあってもよく、１段階分の演出だけで実行を完了することがあってもよい。

上記の実施の形態では、分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行して実行することが選択された場合において、分岐演出が行われている期間にチャンスボタン１６が所定回数以上操作されたことを条件としてステップアップ予告Ｂに移行し、チャンスボタン１６が所定回数以上操作されていなければステップアップ予告Ａに移行するものとしていた。もっとも、ステップアップ予告Ｂに移行させるために必要な条件は、これに限るものではない。

例えば、分岐演出が実行されている期間においてチャンスボタン１６が１回操作される度に抽選を行い、この抽選に当選したことを条件として、ステップアップ予告Ｂに移行させるものとすることができる。また、遊技者の操作手段は、チャンスボタン１６のような形態のもの以外も適用することができ、例えば、ジョイスティックのような形態のものも適用することができる。ここで、ジョイスティックの操作で可変表示装置９に表示されている画面に照準を合わせるように構成している場合、ジョイスティックの操作に応じて画面の所定位置に照準が合わせられたことを条件として、ステップアップ予告Ｂに移行させるものとすることもできる。

また、分岐演出からステップアップ予告Ａ、Ｂへの移行は、何れもチャンスボタン１６の操作を要件としないものとすることができる。すなわち、分岐演出からステップアップ予告Ａに移行して実行することが選択されれば必ずステップアップ予告Ａに移行し、分岐演出からステップアップ予告Ｂに移行して実行することが選択されれば必ずステップアップ予告Ｂに移行するものとすることができる。この場合は、分岐演出が実行されている間のチャンスボタン１６の操作を促すメッセージの表示は必要ない。

上記の実施の形態では、特別予告演出を実行するか否かの選択は、ステップアップ予告Ａ、ステップアップ予告Ｂ、分岐演出→ステップアップ予告Ａ、分岐演出→ステップアップ予告Ｂの実行の選択とも、ステップアップ予告Ｃの実行の選択とも別の抽選で行われていた。すなわち、ステップアップ予告Ａ、Ｂが何段階まで実行されたときでも、ステップアップ予告Ｃが何段階まで実行されたときでも、特別予告演出を実行し得るものとなっていた。また、ステップアップ予告Ａ、Ｂ、Ｃが全く実行されないときでも、特別予告演出を実行し得るものとなっていた。

もっとも、ステップアップ予告Ａ、Ｂを第３段階以前の所定の段階（第１段階でもよい）まで実行することが選択されたこと、及びステップアップ予告Ｃを実行しないか第３段階以前の所定の段階（第１段階まで）まで実行することが選択されたことを条件として、特別予告演出を実行するか否かの選択を行うものとしてもよい。或いは、ステップアップ予告Ａ、Ｂについての実行の選択は条件としないが、ステップアップ予告Ｃを第３段階以前の所定の段階（第１段階までよい）まで実行することが選択されたことを条件として、特別予告演出を実行するか否かの選択を行うものとしてもよい。

上記の実施の形態では、例えば、ステップアップ予告Ｂを第４段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行することが選択された場合、１番遅く実行される段階を含むステップアップ予告Ｃは、第１段階から第４段階まで順次全て実行するが、ステップアップ予告Ｂは、第１段階を実行した後に第２、第３段階を実行しないで（或いは、第１、第２段階を実行した後に第３段階を実行しないで）、次に第４段階を実行することができるものとなっていた。すなわち、選択されたステップアップ予告の途中の段階を省略することで、例えば、ステップアップ予告Ｂが第１、第２段階を実行した後に第３段階を実行しなくても、ステップアップ予告Ｃが第４段階まで実行されるなら、ステップアップ予告Ｂの第４段階を実行し得るものとしていた。

これに対して、ステップアップ予告Ｂを第２段階まで実行することが選択されると同時にステップアップ予告Ｃを第４段階まで実行することが選択された場合、ステップアップ予告Ｂはその選択に従って第２段階まで実行した後に第３段階は実行しないものとしてもよい。一方、ステップアップ予告Ｃは、第４段階まで実行されることとなっているので、ステップアップ予告Ｃの第３段階が行われた後にステップアップ予告Ｂの第４段階が行われ得るようにしてもよい。

上記の実施の形態では、分岐演出は、ステップアップ予告Ａを示す「一」とステップアップ予告Ｂを示す「１」が押し合いをする画面が表示されて実行されるものとなっていた。しかしながら、分岐演出の実行態様は、このようななものに限られない。ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの何れかに必ず移行する前座の意味としての演出となるならば、分岐演出は、ステップアップ予告Ａとステップアップ予告Ｂの画面の内容とは全く無関係な内容の画面を表示して実行することもできる。

上記の実施の形態では、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果に関わらず、変動パターンとして疑似連を選択することはなかった。これに対して、変動パターンとして一定の割合で疑似連を選択できるようにしてもよい。ここで、疑似連とは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置９で飾り図柄が変動表示されるが、１回分の特別図柄の変動表示（すなわち、１回の始動入賞）に対して、飾り図柄表示領域９ａ〜９ｃの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止（図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい）させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を１回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。

例えば、疑似連の変動パターンとして再変動表示の異なる疑似連１回、疑似連２回、疑似連３回、疑似連４回（大当たり確定）があるものとした場合において、疑似連２回が選択される場合全体のうちで確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たり（以下、この段落において単に「大当たり」）時に選択される割合は、疑似連１回が選択される場合全体のうちで大当たり時に選択される割合よりも高いものとなる。疑似連３回と疑似連２回、疑似連４回と疑似連３回にも同様の関係がある。つまり、疑似連の変動パターンは、再変動表示の回数が増えていくほど大当たりとなる期待度が高くなっていくものであり、演出の段階が進むほど大当たりとなる期待度が高くなっていくステップアップ予告と同じ性質を有している。

そこで、疑似連の変動パターンにおける飾り図柄の変動表示の開始（再開）から仮停止（最終停止）までの各回の変動表示（例えば、疑似連１回では、この意味での変動表示が２回となる）をステップアップ予告の各段階と見立てて、上記の実施の形態におけるステップアップ予告Ｂとステップアップ予告Ｃの関係のように、疑似連の変動パターンにおける各回の変動表示とステップアップ予告とがタイミングをずらしながら実行されていくものとすることができる。

例えば、ステップアップ予告の第１段階は、疑似連において最初に飾り図柄の変動表示が開始された後１回目の仮停止よりも前に開始され、１回目の仮停止から変動表示が開始された後２回目の仮停止よりも前に終了させられるものとする。ステップアップ予告の第２段階は、１回目の仮停止から変動表示が開始された後２回目の仮停止よりも前（但し、第１段階の終了以後）に開始され、２回目の仮停止から変動表示が開始された後３回目の仮停止よりも前に終了させられるものとする。ステップアップ予告の第３段階、第４段階についても同様とする。

また、ステップアップ予告の第１段階における大当たり期待度は、１回目の仮停止からの変動表示の再開が行われていない場合（疑似連の変動パターンでない場合あり）における大当たり期待度よりも高く、１回目の仮停止から変動表示が開始された後２回目の仮停止よりも前の変動表示が行われている場合における大当たり期待度よりも低いものとすることができる。第２段階における大当たり期待度は、１回目の仮停止から変動表示が開始された後２回目の仮停止よりも前の変動表示が行われている場合における大当たり期待度よりも高く、２回目の仮停止から変動表示が開始された後３回目の仮停止よりも前の変動表示が行われている場合における大当たり期待度よりも低いものとすることができる。第３段階、第４段階における大当たり期待度についても同様である。

ここで、疑似連４回の変動パターンが選択された場合においてステップアップ予告が実行される場合、例えば、ステップアップ予告の第１、第２段階を実行した後に第３段階を実行せず、３回目の仮停止から変動表示が開始された後にステップアップ予告の第４段階を実行するということも可能となる。この場合も、上記の実施の形態においてステップアップ予告Ｂの第２段階までを実行した後に第３段階を実行しないが、ステップアップ予告Ｃの第３段階が実行された後にステップアップ予告Ｂの第４段階の演出を行う場合と同様の効果を得ることができる。

１ パチンコ遊技機
９ 可変表示装置
１０ａ、１０ｂ 特別図柄表示器
２５ａ〜２５ｃ 装飾ランプ
２６ 役物
３１ 主基板
５４ ＲＯＭ
５５ ＲＡＭ
５６ ＣＰＵ
８０ 表示制御基板

Claims (1)

1. 始動条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を変動表示させ、表示結果を導出する変動表示装置に、特定表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
   前記始動条件の成立に基づいて、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する特定決定手段と、
   前記変動表示装置において識別情報を変動表示させ、前記特定決定手段の決定結果に応じて該変動表示の表示結果を導出させる変動表示演出を実行させる変動演出実行手段と、
   前記変動表示演出が実行されている間に、予め定められた系統に従って１段階から複数段階まで演出態様が段階的に変化するステップアップ演出を、前記特定遊技状態に制御される場合に該特定遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出態様が変化するように実行するステップアップ演出実行手段と、
   遊技者により操作される操作手段とを備え、
   前記ステップアップ演出実行手段は、
   前記ステップアップ演出として、第１ステップアップ演出と、該第１ステップアップ演出とは演出態様が異なる第２ステップアップ演出とを含む複数種類のステップアップ演出を実行可能であって、
   前記特定遊技状態に制御されない場合に前記第２ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記第２ステップアップ演出を実行する割合の比が、前記特定遊技状態に制御されない場合に前記第１ステップアップ演出を実行する割合に対する該特定遊技状態に制御される場合に前記第１ステップアップ演出を実行する割合の比よりも高くなるように実行するとともに、
   前記変動表示演出が実行されている間の予め定められた開始前演出期間において前記ステップアップ演出とは異なる所定の開始前演出を実行するとともに、前記開始前演出期間における前記操作手段の操作に応じて、前記開始前演出を実行した後に前記ステップアップ演出を実行する移行ステップアップ演出実行手段を含み、
   前記移行ステップアップ演出実行手段は、前記開始前演出を実行した後に前記第１ステップアップ演出を実行する手段と、前記開始前演出を実行した後に前記第２ステップアップ演出を実行する手段とを含み、
   前記ステップアップ演出実行手段は、前記第１ステップアップ演出とも前記第２ステップアップ演出とも異なる種類の前記ステップアップ演出として、前記開始前演出が実行されずに１段階から複数段階まで演出態様が段階的に変化する第３ステップアップ演出をさらに実行可能であるとともに、前記第３ステップアップ演出を、前記第１ステップアップ演出と前記第２ステップアップ演出のうち少なくとも一方と同時に実行可能である、
   ことを特徴とする遊技機。

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