JP5173273B2 - インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5173273B2
JP5173273B2 JP2007161431A JP2007161431A JP5173273B2 JP 5173273 B2 JP5173273 B2 JP 5173273B2 JP 2007161431 A JP2007161431 A JP 2007161431A JP 2007161431 A JP2007161431 A JP 2007161431A JP 5173273 B2 JP5173273 B2 JP 5173273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
inkjet head
sealant
electrode
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007161431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009000830A (ja
Inventor
浩司 原田
功 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007161431A priority Critical patent/JP5173273B2/ja
Priority to US12/135,977 priority patent/US8011778B2/en
Priority to CNA2008101114606A priority patent/CN101328398A/zh
Publication of JP2009000830A publication Critical patent/JP2009000830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5173273B2 publication Critical patent/JP5173273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14072Electrical connections, e.g. details on electrodes, connecting the chip to the outside...
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1601Production of bubble jet print heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1621Manufacturing processes
    • B41J2/1623Manufacturing processes bonding and adhesion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、記録紙に対してインクを吐出することにより記録を行う、インクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドに用いられる封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置に関するものである。
一般的に、インクジェット記録装置は、吐出口から記録紙に対してインクを吐出することにより記録を行う記録装置であり、吐出口からインクを吐出口するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドに対してインクを供給する供給系とから構成されている。
上述したようなインクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、記録時における騒音がほとんど生じないという特徴を有する。また高速な記録や、様々な記録メディアに対する記録が可能であるため、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録機構を担う装置として広く採用されている。
インクジェット記録装置を用いた記録方法のうち代表的なものとしては、電気熱変換素子を用いた方法がある。この方法は、吐出素子基板の吐出口付近に設けられた加圧室に電気熱変換素子を設け、これに駆動信号となる電気パルスを印加することによりインクに熱エネルギーを与え、インクの発泡(沸騰)の圧力を利用して微小な吐出口からインクを吐出させる。これにより、記録紙に記録を行うものである。上述した電気パルスは外部から配線基板等を用いて印加されるもので、配線基板と吐出素子基板とは、インナーリードボンディング(ILB)等により電気的な接続がとられている。このような電気接続部は、吐出時に充満するインクのミスト等による電気的な接続を担う電極及び配線の腐食、ショートを防ぐために、封止剤又は接着剤により封止されている。
インクジェットヘッドに用いられる封止剤又は接着剤には、先ず、硬化時の加熱による材料自体の劣化や異種材料間の膨張差により生じる部材の反り等を抑えるために、低温での硬化性が要求される。さらに、膨張差の異なる複数の異種材料間での接着信頼性を維持しなければならない。また、電気的な接続を担う電極及び配線の腐食、ショート及び封止剤の吸水により加速されるマイグレーション等から生じる接続不良を抑える電気的な封止信頼性をもっていなければならない。上記をアルカリ性及び極性溶媒が含有され、各色により異なる性質を示すインクに接するという、通常の封止剤とは異なる非常に過酷な条件において、維持し続けることが要求される。以上に述べたように、インクに接液する環境で低温硬化性、接着信頼性、電気的な封止信頼性を両立することが封止剤又は接着剤の大きな課題となっている。
特許文献1には、オキセタン樹脂を含む封止剤が開示されている。また特許文献2においては、オキセタン樹脂を用いたインクジェットヘッドが開示されている。これらの文献では、オキセタン樹脂として1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンが例示されている。しかしながら、文献1においては通常の電子デバイス用途の封止剤であるため、インクに接するような厳しい環境での性能について何ら言及されていない。また、文献2においては、耐インク性の評価として膨潤率のみで評価しており、封止剤硬化物からインクへの溶出分の影響について何ら言及されておらず、また、膨潤率評価の可否基準を5%としている。それ以上の低膨潤(低吸水性)の領域については一切記載されていない。
図1に、電子実装に封止剤又は接着剤を用いた従来のインクジェットヘッドの構成の一例を示す。また、図2には、図1に示したインクジェットヘッドのA−A’断面における電気接続部近傍の拡大図を示す。吐出素子基板101は吐出口105、エネルギー発生素子、電子回路素子(不図示)を有し、吐出口105と同じ面に駆動電極107を備えている。この駆動電極107と配線基板102の接続電極108とが電気的に接続されている(以下、表面電極構成と言う)。また、吐出素子基板101は接着剤A131により支持部材103と固定され、且つ、吐出素子基板101の側面と支持部材103との隙間も封止剤110により封止されている。駆動電極107及び接続電極108の接続部は封止剤A110及び封止剤B111により封止され、インクから保護されている。このような構成では、電極部でのショート、マイグレーション等を防ぐために封止剤は厚く形成されている。そして、封止剤の厚さが決まることで必然的に吐出口と記録紙までの最短距離が決定される。通常、インク吐出時の着弾精度は記録紙までの距離(紙間距離)が短いほど向上するため、封止剤厚が薄化された構成での電気的な封止信頼性の確保が印字品質向上への大きな課題となっている。さらに、記録ヘッドの使用時には、紙詰まり等によって、封止部への記録媒体等の接触があり得る。そのため、記録媒体に対向する位置に封止部が設けられる構成においては、機械的強度も要求される。
また、特許文献3には、吐出素子基板の吐出口と反対側の面に駆動電極を形成し、支持基板上に形成された接続電極と電気的な接続をとる構成(以下、裏面電極構成と言う)が提案されている。図3に特許文献3に開示されるヘッド構成の断面図を示す。プリントヘッド218の吐出口238の形成された面の裏面にインク供給口242が形成されており、その近傍に駆動電極284を有し、電気配線が形成された支持基板220の表面の接続電極285とはんだバンプ200を介して電気的に接続されている。そして、支持基板220とプリントヘッド218を装着するために使用される、はんだバンプ200が、インク供給口242のまわりにリングを形成し、このはんだリングがインク供給口242に対する流体境界として働く。用いるインクによっては、流体境界として機能しているはんだを腐食させはんだリングに隙間が生じ、内部の電極接続部までインクが染み込み、インクリークを引き起こしたりする。さらに電気接続部の腐食により電気的な接続不良を引き起こしたりする恐れがあるため、両電極とバンプとの接続後に封止剤(接着剤)を用いてアンダーフィルにより流体隔壁を形成する方法が開示されている。
特開2002−208652号公報 特開2002−302536号公報 特開平11−192705号公報
しかしながら、上述した構成の場合、例えばインク供給口の開口部近傍にバンプが形成される場合、バンプを被覆する封止剤はインク供給口に垂れ込んで詰まらせないように塗布されるため、封止領域は非常に狭く、インクまでの封止剤厚は極端に薄くなる。このような状態でインクに常に接するため、封止剤自体の吸インク(吸水)により電極間でのマイグレーションを起こしたり、もしくは接着面積が狭いため、接着力の低下から封止剤が剥れることでショートしたりする虞がある。上記の理由から接着性及び電気的な封止信頼性を維持するのは非常に困難である。
すでに述べてきたように、インクジェットヘッドに用いられる封止剤又は接着剤には、アルカリ性及び極性溶媒が含有され、各色により異なる性質を示すインクに接するという過酷な環境で、下記諸特性を維持することが大きな課題となっている。
(a)低温硬化性
インクジェットヘッド構成部材には複数の異種材料が用いられるため、硬化時の加熱による材料自体の劣化や異種材料間の膨張差により生じる部材の反り等を抑えるために、低温での硬化性が必要となる。
(b)接着信頼性
有機・無機材料、貴金属等の複数の異種材料より構成され、膨張率の異なる部材間での接着信頼性を維持しなければならない。
(c)電気的な封止信頼性
電気的な接続を担う電極及び配線の腐食、ショート及び吸インクにより加速されるマイグレーション等から生じる接続不良を抑えることが必須である。
更には、表面電極構成、または裏面電極構成でのインクジェットヘッドのそれぞれおいて、封止材料に要求される薄化した状態での接着信頼性、且つ、電気的な封止信頼性の確保には大きな課題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することにある。
本発明の一側面としては、少なくとも、下記一般式(I)で表わされる構造のオキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン重合開始剤と、を含むことを特徴とするインクジェットヘッド用封止剤である。

(上記一般式(I)において、R はアルキル基を示す。R は−(CH −(pは0又は1)を示す。R は水素原子又はアルキル基を示す。)
さらに本発明の別の側面は、インクを吐出する吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために用いられるエネルギー発生素子が形成された基板と、前記エネルギー発生素子を駆動するための信号を授受する第1の電極と、を有する吐出素子基板と、前記電極と接続される第2の電極を備えた、前記エネルギー発生素子を駆動するための駆動信号を送るための配線部材と、を有し、前記第1の電極と第2の電極との接続部が封止部材により封止されるインクジェットヘッドにおいて、前記封止部材は、少なくとも、上記一般式(I)で表わされる構造のオキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン重合開始剤と、を含む組成物の硬化物であることを特徴とするインクジェットヘッドである。
本発明によれば、低温硬化が可能で、アルカリ性及び極性溶媒が含有されたインクに接するという過酷な環境でも、接着信頼性及び封止信頼性を高い次元で維持することが可能となるインクジェットヘッド用封止剤又は接着剤を提供することができる。
また、本発明のインクジェットヘッド用封止剤を用いることにより、従来は電気的な封止性の観点から、厚塗りが必要とされていた封止剤を薄化することが可能となる。これにより、例えば表面電極構成では紙間の距離を縮めることができ、印字品質を向上させることができる。また、裏面電極構成においても、封止剤のインクまでの封止剤厚が薄くても高い接着信頼性及び封止信頼性を得ることが可能であり、微小領域での塗布精度が緩和され、生産性も向上する。
上記効果により、安価で高い信頼性を有するインクジェットヘッドを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
なお、インクジェットヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。そして、このインクジェットヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「インク」または「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
以下に、本発明におけるインクジェットヘッドに用いる封止剤又は接着剤について説明する。
本発明におけるインクジェットヘッドに用いる封止剤又は接着剤の一例は、少なくとも、ビフェニル骨格を有するオキセタン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、カチオン重合開始剤を含んでいる。
本発明で用いるビフェニル骨格を有するオキセタン樹脂としては、一般式(I)で表わされる化合物が挙げられる。これらの中でも反応性や硬化物の靭性等の物性面から、特に一般式(III)で示される樹脂が好適に用いられる。
(上記一般式(I)において、Rはアルキル基を示す。Rは−(CH−(pは0又は1)を示す。Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
脂環式エポキシ樹脂としては、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。またはシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。または、シクロペンテンオキサイド構造含有化合物、またはビニルシクロヘキサン構造を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるビニルシクロヘキサンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。例えば、以下のようなものが挙げられる。
水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート。6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート。3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート。2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン。ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド。エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等。
これらの中でも粘度、反応性の面より一般式(II)で表わされる樹脂が好適に用いられる。
上記オキセタン樹脂の配合量としては、樹脂100質量部に対して、10〜90部が望ましい。10部未満であると、吸インク率(後述)はあまり低下せず、耐マイグレーション性(後述)の向上にも充分な効果が得られない。また、90部を超えると未反応のオキセタン樹脂が残るため、接液性(後述)が向上せず、インクへ溶出し、インクの物性を変えてしまう恐れがある。この中でも特に、吸インク率の低下、接液性及び耐マイグレーション性の向上に格段の効果が見られる60〜80部が好ましい。
カチオン重合開始剤には熱カチオン重合開始剤、光カチオン重合開始剤、またはその両方を共に用いても良い。光カチオン硬化剤を用いた場合、封止剤は光により常温で硬化出来るため、膨張差による応力も発生しないため、接着性に有利に働く。また、光の適切な照射量を選ぶことで封止剤表面を瞬時に硬化させることも可能となり、余分な場所への入り込みを抑えることも可能となる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。市販されているものとしては、三新化学工業より上市されているサンエイドSI−60L(商品名)、サンエイドSI−80L(商品名)、サンエイドSI−100L(商品名)が挙げられる。また旭電化工業より上市されているCP−66(商品名)、CP−77(商品名)などが挙げられる。あるいは芳香族オニウム塩と還元剤との併用などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩などが挙げられる。また、J.POLYMER SCI:Symposium No.56 383−395(1976)に記載の芳香族オニウム塩を用いることも可能である。またチバガイギー社より上市されているイルガキュアー261(商品名)、旭電化工業より上市されているSP−150(商品名)、SP−170(商品名)、等が挙げられる。また、日本シーベルヘグナーより上市されているトリアジンA、トリアジンPMS、トリアジンPP、トリアジンB、ローディアジャパンより上市されているPhotoiniciator 2074等があげられる。
また、本発明の封止剤には必要に応じて様々な添加剤を用いることができる。例えば密着性向上剤としてシランカップリング剤、若しくは、粘度調整のためのフィラー等である。
シランカップリング剤としては、カチオンに対して反応性が高いものが望ましい。例えば、脂環式エポキシ型であるA−186(日本ユニカー社製)、オキセタン型であるTESOX(東亜合成社製)などが好適に用いられる。本発明では、特にシランカップリング剤を添加により、吸インク率の低下、接液性及び耐マイグレーション性の向上が見られている。
更に、本発明の封止剤は粘度が非常に低いため、フィラーの添加により封止剤としての性能を損なわない範囲で粘度を調整することで、様々な部位に幅広く用いることができる。
以下、実施例、及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、「部」は「重量部」を意味する。
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
まず本発明のインクジェットヘッド用封止剤の実施例として表1および以下の組成の封止剤を調合した。
実施例1及び実施例2では、樹脂分として下記例示化合物(1)に示すビフェニル骨格を有するオキセタン樹脂及び下記例示化合物(2)に示す脂環式エポキシの配合量の異なるものを用いた。更にシランカップリング剤を添加したものを実施例3及び実施例4とした。
比較例として、樹脂分が例示化合物(1)のみのものを比較例1、また、例示化合物(2)のみのものを比較例2に示している。比較例3では、例示化合物(2)と例示化合物(3)の混合物を用いた。
表1に示した全ての封止剤を100℃1時間+180℃1時間で硬化させ、硬化物について以下のような試験により吸インク率、接液性、耐イオンマイグレーション性を評価した。
《吸インク率評価》
各実施例と各比較例との封止剤の硬化物を、インク(i)に浸漬したまま、PCT(プレッシャークッカー装置)において121℃で、10時間保存し、保存前と保存後の重量変化率を測定した。
インク(i):純水/グリセリン/ダイレクトブラック154(水溶性黒色染料)=65/30/5(質量比)
以下は重量変化率の評価基準である。
◎:1%未満
○:1%以上、2%未満
△:2%以上、4%未満
×:4%以上
《接液性評価》
各実施例と各比較例との封止剤の硬化物を、上記インク(i)よりダイレクトブラック154を除いたクリアインクに浸漬したまま、PCT(プレッシャークッカー装置)において121℃で10時間保存した。そして、クリアインクの抽出液の外観及び吸光度を測定した。吸光度の測定には、U−3300 spectrophotometer (HITACHI製)を使用し、200〜400nmの吸光度を測定した。以下absは、[保存後のクリアインク抽出液の吸光度から、硬化物を浸漬していないクリアインクの吸光度を差し引いた数値を示している。]
◎:abs 1 未満
○:abs 1 以上、abs2 未満
×:abs 2 以上
《耐イオンマイグレーション性》
ニッケル上に金メッキした擬似電極(以後、Ni/Au電極)を間隔100μmで2本並べて形成した基板に、電極表面からの厚さが100μmとなるように封止剤を塗布し、両電極を被覆する。このサンプルを上記インク(i)中に浸漬し、両電極に25Vの電圧を印加したまま、60℃、湿度90%中で保存する。この両電極間において、マイグレーションにより負極側に金属析出物が形成され、その一端が逆の電極に到達し、ショートする迄の保存時間を評価した。
○:1000時間以上
△:500時間以上 1000時間未満
×:500時間未満
上記の吸インク率、接液性、及び耐イオンマイグレーション性の評価結果を表2に示した。
比較例1では、接液性が悪く、モノマー由来と思われる吸収が観察されたことから、反応性が悪く、未反応物が溶出していたと考えられる。比較例2でも、吸インク率、接液性、耐イオンマイグレーション性は非常に悪かった。このように比較例1及び2で例示した、例示化合物1及び2を単独で用いても封止剤として好ましいものは得られなかった。また、比較例3においても程度の差はあるものの、他の比較例と同様であった。更に、耐イオンマイグレーション性評価において、上記の比較例1〜3では1000時間保持できるものは無かった。
これら比較例の結果に対し、実施例1〜4では吸インク率、接液性共に良好な結果が得られ、特に実施例3及び実施例4のシランカップリング剤を添加した例については格段の向上が見られた。
以上により、ビフェニル骨格を有するオキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂との重量の総和に対して、ビフェニル骨格を有するオキセタン樹脂が、40重量部以上80重量部以下であることがとりわけ好適であることが分かる。
また、実施例1〜4の封止剤は、25℃、5rpmの粘度が10Pa・s以下となり、非常に低粘度である。そのため、配線等の電極部の隙間等を短時間で埋めることを可能とし、封止信頼性及び生産性を向上させるだけでなく、フィラー等の添加により、広範囲に粘度を調整できるため、様々な使用部位に用いることが可能である。
(インクジェットヘッド)
次に、封止剤により電極部を保護するインクジェットヘッドの一例として、インクジェットヘッドに本発明の封止剤を用いて電極部を封止する場合の実施形態を説明する。また以降特に断りがない限り、塗布時、硬化前のもの、組成物を表すもの接着剤、封止剤とし、接合部材としてインクジェットヘッドの一部に組み込まれたもの、硬化後のものを接着部材(接合部材)、封止部材と呼ぶ。
(インクジェットヘッドの第1の例)
図4は本発明を一形態としてのインクジェットヘッドの一例の外観を示す斜視図である。また、図5はB−B’による断面の電気接続部近傍を拡大して示す模式的断面図である。
インクジェットヘッドH1000は、吐出素子基板H1100を有している。吐出素子基板H1100は、その表面に吐出口H1101と、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子(不図示)と、それらを駆動するための電子回路素子(不図示)とが形成されている。吐出素子基板H1100の表面(吐出口が形成されている側の面)に設けられている駆動電極H1102は、吐出素子基板H1100に対して電気制御信号と駆動信号を供給する配線部材H1300が有する接続電極H1302と電気的に接続されている。以降のインクジェットヘッドの例において、エネルギー発生素子を駆動する電気信号授受する電極のうち、吐出素子基板(吐出口、エネルギー発生素子を有するシリコン等の基板)側に設けられているものを駆動電極と呼称することとする。また、駆動電極と接続される電極で、配線部材(TAB、プリント配線基板等)側に設けられているもの接続電極と呼称することとする。吐出素子基板H1100は、エネルギー発生素子へと連なる流路にインクを供給する第1のインク供給口を有する。吐出素子基板H1100は、第2のインク供給口H1602を有する支持部材H1200と、第1のインク供給口H1601と第2のインク供給口H1602が互いに連通するように第1の接着部材H1401により固定されている。また、配線基板H1300は第2の接着部材H1301により支持部材H1200に固定接合されている。駆動電極H1102及び接続電極H1302の接続部は、第1の封止部材H1500及び第2の封止部材H1501に被覆され、インクから保護されている。このとき、第1の封止部材H1500に、例えば本発明の一例のインクジェットヘッド用封止剤を用いることができる。
図6(a)〜(c)は、第1例のインクジェットヘッドにおいて、封止部材により電極部を被覆する工程を含む製造方法の一例を説明する為の模式的断面図であり、図5と同様の断面で見た図である。以下に工程ごとに説明する。
〔工程1:吐出素子基板H1100と支持部材H1200とを接着する工程〕
図6(a)に示されるように、支持部材H1200上の所定の位置に、第1の接着剤H1401Aを転写により塗布した後、吐出素子基板H1100を第1のインク供給口H1601と第2のインク供給口H1602とが連通するように圧着する。続いて所定の硬化条件により第1の接着剤H1401Aを硬化させ、吐出素子基板H1100と支持部材H1200とを接着する。硬化後接着剤H1401は、接着部材H1401となる。
〔工程2:吐出素子基板H1100と配線基板H1300を電気的に接合する工程〕
図6(b)に示されるように、吐出素子基板H1100表面の駆動電極H1102と配線基板H1300の接続電極H1302とが接続可能となるような位置に、配線基板H1300を支持部材H1200上に第1の接着部材H1301を用いて接着する。次にインナーリードボンディング(ILB)を用いて駆動電極H1102と接続電極H1302の電気的な接続をとる。
〔工程3:電極接続部位を封止剤を用いて被覆する工程〕
図6(c)に示されるように、吐出素子基板H1100の側面、支持部材H1200、及び配線基板H1300に囲まれた隙間部分、及び接続電極部に、第2の封止剤H1501Aをディスペンスにより塗布し、所定の硬化条件で硬化させる。続いて、本発明の一例のインクジェットヘッド用封止剤を第1の封止剤H1500Aとして、吐出素子基板H1100のノズル部(吐出口近傍)を被覆しないように接続電極部近傍に塗布し、所定の硬化条件で硬化させ、封止部材H1500とする。これにより電気接続部を完全に被覆する。
上記の工程1において、第1の接着剤H1401の塗布に転写を用いているが、生産性を考慮し、ディスペンス、印刷等の一般的に用いられる塗布方法を用いても良い。
また、工程2において、駆動電極H1102と接続電極H1302との接続にILBを用いているが、金属バンプ、ワイヤーボンディング、異方導電性接着剤等の一般的に用いられる接続方法を用いても良い。
更に、工程1及び工程3において、本発明のインクジェットヘッド用封止剤を第1の封止剤H1500Aのみに用いているが、本発明の封止剤の使用はこれに限ったものではない。例えば、第1の封止剤H1500A、且つ、第2の封止剤H1501Aの各々に本発明の封止剤を粘度を調整して用いた場合、主材が同じ樹脂から成るため、第1の封止剤と第2の封止剤との界面の接着性が向上し、信頼性を向上させることができる。同様に、第1の接着剤としても本発明の封止剤を用いることで、界面との接着性の向上だけでなく、複数の封止剤、装置の削減等の生産性も大きく向上する。
また上述の構成のインクジェットヘッドは、封止部材1500と記録媒体とが、対向するように記録装置に搭載することができる。そのような場合には、封止部材H1500の硬度が高いことが好ましい。上述の例では、封止部材H1500には、オキセタン環を持つ樹脂の硬化物を使用しているため、十分な硬度を有すると考えられる。これは、硬化の際のオキセタン環の開環に伴って生成するメチレン鎖が、従来封止用いられてきたエポキシより多く、類似の骨格を持つエポキシ樹脂に対して、硬化物の脆さが改善されると考えられる。このとき、硬化物のショアD硬度が20より大きいと好適であり、30以上であるとさらに好適である。
次に、吐出素子基板における吐出口の裏面にて電気的な接続が成される裏面電極構成のインクジェットヘッドの一形態を構成2として示す。この構成2のインクジェットヘッドに本発明の封止剤を用いて電極部を封止する場合の本発明の第二の実施形態を説明する。
(インクジェットヘッドの第2の例)
図7は、本発明の封止剤を用いることができるインクジェットヘッドの第2の例を示す外観斜視図である。また、図8は、C−C’による断面の電気接続部近傍の拡大図である。
インクジェットヘッドH2100においては、先に示した第1の例と同様に、吐出素子基板H2101が設けられている。吐出素子基板H2101は、基板H2401、エネルギー発生素子(不図示)、及び、吐出口H2403を有するノズル部H2402から構成されている。基板H2401には、基板の表面から裏面に向かって基板を貫通する貫通配線H2112が設けられ、基板の裏面に形成される駆動電極H2113へと配線が繋がっている。吐出素子基板H2101は、表面に接続電極H2202を備えた配線部材付支持部材H2201と、駆動電極H2113と接続電極H2202とが対向するように、基板の裏面側で、接着部材H2301を介して接合されている。そして、吐出口H2403は、基板H2401が有する第1のインク供給口H2102および配線部材付支持部材H2201が有する第2のインク供給口H2204と連通するように設けられている。ここで、接着部材H2301は吐出素子基板H2101と配線部材付支持部材H2201とを接合するのみならず、駆動電極H2113、接続電極H2202及び配線H2203を被覆し、インクからの隔離という封止部材の役割も担っている。また配線部材付支持部材については、支持部材の中に配線が張り巡らされている形態も許容する。
図9(a)〜(c)は、インクジェットヘッドの第2の例において、接着剤により吐出素子基板と支持部材との接合、及び、電極部の封止を行う工程を含む製造方法を説明するための模式的断面図であり、図8と同様の断面でみた図である。
図9(a)に示すように、配線部材付支持部材H2201の所定の位置に、接着剤H2301Aとして本発明のインクジェットヘッド用封止剤を印刷により塗布する。
続いて、図9(b)に示すように、吐出素子基板H2101の駆動電極H2113上に形成された金属バンプ接着剤H2302と配線部材付支持部材H2201の接続電極H2202とが接続されるように対向して配置した後、圧着する。この圧着により、接着剤H2301Aは最初の塗布状態よりも押し出されて拡がり、接続部位及び配線H2203が隙間無く被覆される。次に、所定の硬化条件で接着剤H2301Aを硬化させ、接着部材H2301とする。その硬化収縮により電極部の接続が維持される。これにより吐出素子基板H2101と配線付支持部材H2201との接合、及び、電極部の接続が成され、接続部位も完全に封止される。
上記の工程において、接着剤H2301の塗布に印刷を用いているが、ディスペンス等の一般的に用いられる塗布方法を用いても良い。また、接着剤の必要な塗布量、塗布厚を得るために、適宜フィラー等の添加により粘度を調整することができる。
(インクジェットヘッドにおける実施例(実施例5〜8)及び比較例(比較例4〜5))
先に説明したインクジェットヘッドの第一の例において、第1の封止剤Hに、実施例1〜4及び比較例1〜2の組成の封止剤(表1に記載)を用いて、実施例5〜8及び比較例4〜5のインクジェットヘッドを作製した。本実施例及び本比較例においては、電極部からの封止剤厚を同じ厚さとし、封止剤の硬化条件を100℃1時間+180℃1時間とした。
(インクジェットヘッドにおける実施例(実施例9〜12)及び比較例(比較例6〜7))
先に説明したインクジェットヘッドの第2の例において、第1の封止剤に、実施例1〜4及び比較例1〜2の組成の封止剤(表1に記載)を用いて、実施例5〜8及び比較例4〜5のインクジェットヘッドを作製した。本実施例及び本比較例においては、電極部からの封止剤厚を同じ厚さとし、封止剤の硬化条件を100℃1時間+180℃1時間とした。
《信頼性評価》
実施例5〜12及び比較例4〜7のインクジェットヘッドの接着信頼性及び電気的な接続信頼性を評価する為に、先に述べたインク(i)を充填し、60℃、2ヶ月保存した。その後、インクジェット記録装置に装着し、A4版の1万枚の印字評価を行った。
実施例5〜8及び比較例4〜5の結果を表3に、実施例9〜12及び比較例6〜7の結果を表4に示した。
比較例4〜5では、印字開始から7千枚未満で印字が止まった。これに対し、実施例5〜8では、1万枚の印字終了後も印字品位に問題は無く、良好な印字品位で安定した印字が可能であった。
また、比較例6〜7においても、5千枚未満で印字が止まったのに対し、実施例9〜12では1万枚の印字後も印字品位に問題は無く、良好であった。
比較例4〜7では、印字中の電圧の印加によりマイグレーションが進行した、若しくは、インク保存により封止剤の接着性が低下し、封止剤が剥れた等の理由によりショートしたと推測される。
《紙ジャム試験》
実施例5〜8のインクジェットヘッドを、図10に示すように、搬送される被記録媒体H3000と、第1の封止剤H1501とが、対向するように、記録装置に搭載し、紙を重送させる紙ジャム試験を行った。
結果、実用上問題のあるような封止剤の傷は見られなかった。
従来のインクジェットヘッドの一形態を示す斜視図である。 図1のA−A’断面における基板長手方向端部の拡大図である。 従来における表面電極構成のインクジェットヘッドの電気接続部近傍の拡大図である。 本発明の表面電極構成(インクジェットヘッドの第1の例)のインクジェットヘッドの形態を示す斜視図である。 図4のB−B’断面における基板長手方向端部の拡大図である。 本発明の表面電極構成(インクジェットヘッドの第1の例)における製造方法を説明するための図で、(a)工程1、(b)工程2、(c)工程3の電気接続部近傍の拡大図である。 本発明の裏面電極構成(インクジェットヘッドの第2の例)のインクジェットヘッドの形態を示す外観斜視図である。 図7のC−C’断面における基板長手方向端部の拡大図である。 本発明の裏面電極構成(インクジェットヘッドの第2の例)における製造方法を説明するための図で、(a)接合前、(b)接合後の電気接続部近傍の拡大図である。 本発明のインクジェット記録装置の一例の部分的な拡大図である。
符号の説明
H1000 H2100 記録ヘッド
H1100 H2101 吐出素子基板
H1101 H2403 吐出口
H1102 H2113 駆動電極
H1200 支持部材
H1300 配線部材
H1302 H2202 接続電極
H1500 第1の封止剤
H2201 配線付支持部材
H2301 接着剤

Claims (9)

  1. 少なくとも、下記一般式(I)で表わされる構造のオキセタン樹脂と、
    脂環式エポキシ樹脂と、カチオン重合開始剤と、を含むことを特徴とするインクジェットヘッド用封止剤。

    (上記一般式(I)において、R はアルキル基を示す。R は−(CH −(pは0又は1)を示す。R は水素原子又はアルキル基を示す。)
  2. 前記脂環式エポキシ樹脂が一般式(II)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド用封止剤。
  3. シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド用封止剤。
  4. 記オキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂との重量の総和に対して、前記オキセタン樹脂が、40重量部以上80重量部以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用封止剤。
  5. インクを吐出する吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために用いられるエネルギー発生素子が形成された基板と、前記エネルギー発生素子を駆動するための信号を授受する駆動電極と、を有する吐出素子基板と、
    前記駆動電極と接続される接続電極を備えた、前記エネルギー発生素子を駆動するための駆動信号を供給するための配線部材と、
    を有し、
    前記駆動電極と前記接続電極との接続部が封止部材により封止されるインクジェットヘッドにおいて、
    前記封止部材は、少なくとも、下記一般式(I)で表わされる構造のオキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン重合開始剤と、を含む組成物の硬化物であることを特徴とするインクジェットヘッド。

    (上記一般式(I)において、R はアルキル基を示す。R は−(CH −(pは0又は1)を示す。R は水素原子又はアルキル基を示す。)
  6. 前記脂環式エポキシ樹脂が一般式(II)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記基板の前記エネルギー発生素子が設けられている面の裏面に、前記駆動電極が設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェットヘッド。
  8. インクを吐出する吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために用いられるエネルギー発生素子が形成された基板と、前記エネルギー発生素子を駆動するための信号を授受する駆動電極と、を有する吐出素子基板と、前記駆動電極と接続される接続電極を備えた、前記エネルギー発生素子を駆動するための駆動信号を供給するための配線部材と、を有し、前記駆動電極と前記接続電極との接続部が封止部材により封止されるインクジェットヘッドを有し、前記インクジェットヘッドにより吐出されるインクを被記録媒体に付与することで記録を行う記録装置において、
    前記接続部と、前記吐出口が設けられた面とが、前記被記録媒体に対向する位置に配置され、
    前記封止部材は、少なくとも、下記一般式(I)で表わされる構造のオキセタン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン重合開始剤と、を含む組成物の硬化物であることを特徴とするインクジェット記録装置。

    (上記一般式(I)において、Rはアルキル基を示す。Rは−(CH−(pは0又は1)を示す。Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
  9. 前記硬化物のショアD硬度が20より大きいことを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
JP2007161431A 2007-06-19 2007-06-19 インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 Active JP5173273B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007161431A JP5173273B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US12/135,977 US8011778B2 (en) 2007-06-19 2008-06-09 Sealant for ink jet head, ink jet head, and ink jet recording apparatus
CNA2008101114606A CN101328398A (zh) 2007-06-19 2008-06-19 用于喷墨头的密封剂、喷墨头和喷墨记录设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007161431A JP5173273B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009000830A JP2009000830A (ja) 2009-01-08
JP5173273B2 true JP5173273B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=40136784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007161431A Active JP5173273B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8011778B2 (ja)
JP (1) JP5173273B2 (ja)
CN (1) CN101328398A (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201031737A (en) * 2009-02-03 2010-09-01 Henkel Corp Encapsulant for inkjet print head
JP5631054B2 (ja) * 2010-05-12 2014-11-26 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JP5780917B2 (ja) * 2011-10-25 2015-09-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録ヘッド用配線保護封止剤、並びに、それを用いたインクジェット記録ヘッド及びその製造方法
JP5858813B2 (ja) 2012-02-06 2016-02-10 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP5863493B2 (ja) * 2012-02-13 2016-02-16 キヤノン株式会社 液体吐出記録ヘッド
JP6066747B2 (ja) * 2012-03-02 2017-01-25 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法及びこの製造方法により製造された液体吐出ヘッド
CN105377747B (zh) * 2013-07-24 2017-12-08 Jsr株式会社 微流体装置及其制造方法、流路形成用感光性树脂组合物
WO2016052212A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 株式会社ダイセル ナノインプリント用光硬化性組成物
CN114621634B (zh) * 2016-12-09 2023-07-14 株式会社Lg化学 封装组合物、包括该组合物的有机电子器件及其制造方法
JPWO2021010226A1 (ja) * 2019-07-17 2021-01-21

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3061944B2 (ja) * 1992-06-24 2000-07-10 キヤノン株式会社 液体噴射記録ヘッド、その製造方法及び記録装置
JP3397478B2 (ja) * 1993-11-26 2003-04-14 キヤノン株式会社 インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット装置
US6291545B2 (en) * 1995-06-13 2001-09-18 Canon Kabushiki Kaisha Fluorine-containing epoxy resin composition readily soluble in solvent
US5980026A (en) * 1995-06-14 1999-11-09 Canon Kabushiki Kaisha Process for production of ink jet head
JPH09132657A (ja) * 1995-09-04 1997-05-20 Canon Inc 基材の表面処理方法及び該方法を用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法
JPH09239992A (ja) * 1996-03-12 1997-09-16 Canon Inc 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び該ヘッドを有する液体噴射記録装置
US6123410A (en) * 1997-10-28 2000-09-26 Hewlett-Packard Company Scalable wide-array inkjet printhead and method for fabricating same
US6409931B1 (en) * 1998-01-26 2002-06-25 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing ink jet recording head and ink jet recording head
DE60015884T2 (de) * 1999-09-20 2005-03-17 Canon K.K. Alkylsiloxanenthaltende Epoxidharzzusammensetzung, Verwendung als Oberflächenmodifizierungsmittel, Tintenstrahldruckkopf und Flüssigkeitsstrahlaufzeichnungsgerät
JP4575601B2 (ja) 2001-01-09 2010-11-04 ナミックス株式会社 中空構造の電子デバイスの製造方法
JP2002302536A (ja) 2001-04-03 2002-10-18 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法
US6750290B2 (en) * 2001-04-19 2004-06-15 Canon Kabushiki Kaisha Epoxy resin composition, method of improving surface of substrate, ink jet recording head and ink jet recording apparatus
JP2003073481A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Brother Ind Ltd 活性エネルギー線硬化型組成物、それを含有するインク及びそのインクを使用するプリンタ
JP2003105077A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Brother Ind Ltd 活性エネルギー線硬化型組成物、それを含有するインク及びそのインクを使用するプリンタ
US6846520B2 (en) * 2002-01-17 2005-01-25 Canon Kabushiki Kaisha Epoxy resin composition, surface treatment method, liquid-jet recording head and liquid-jet recording apparatus
US6869541B2 (en) * 2002-02-21 2005-03-22 Canon Kabushiki Kaisha Epoxy resin composition, surface treating method, ink-jet recording head, and ink-jet recording apparatus
US7118199B2 (en) * 2003-02-06 2006-10-10 Canon Kabushiki Kaisha Liquid jet recording head
JP4402468B2 (ja) * 2003-02-06 2010-01-20 キヤノン株式会社 液体噴射記録ヘッド
TWI340763B (en) 2003-02-20 2011-04-21 Nippon Kayaku Kk Seal agent for photoelectric conversion elements and photoelectric conversion elements using such seal agent
JP4713269B2 (ja) * 2005-08-08 2011-06-29 ソニー株式会社 液体吐出型記録ヘッドの製造方法
EP1801142B1 (en) * 2005-12-16 2016-02-24 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition,resin cured product, and liquid discharge head

Also Published As

Publication number Publication date
CN101328398A (zh) 2008-12-24
JP2009000830A (ja) 2009-01-08
US20080317942A1 (en) 2008-12-25
US8011778B2 (en) 2011-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5173273B2 (ja) インクジェットヘッド用封止剤、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US8876257B2 (en) Sealant, inkjet recording head using sealant, and method for manufacturing the same
US7654637B2 (en) Photoimageable nozzle members and methods relating thereto
US8158336B2 (en) Process for making a micro-fluid ejection head structure
JP4548684B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2005132102A (ja) インクジェットヘッドおよび該ヘッドを備えるインクジェットプリント装置
US8439483B2 (en) Liquid ejection head and method of producing the same
US20060230614A1 (en) Liquid discharge head and method for manufacturing the same
JP5005069B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JP2015085591A (ja) インクジェット記録ヘッド用封止剤およびインクジェット記録ヘッド
US6830646B2 (en) Radiation curable resin layer
JP2007331334A (ja) インクジェット記録ヘッド及びその製造方法、並びに、インクジェット記録ヘッド用配線保護封止剤
US7571979B2 (en) Thick film layers and methods relating thereto
JP2007313831A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP4996097B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2006297827A (ja) インクジェット記録ヘッド
WO1995009085A1 (fr) Tete a jet d'encre et appareil a jet d'encre equipe de celle-ci
JP5754378B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
US6783918B2 (en) Radiation curable resin layer
US20090255438A1 (en) Thermally curable encapsulant composition for inkjet print cartridge
JP2006312312A (ja) 液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JP2006026950A (ja) 液体吐出ヘッドおよび画像形成装置
JP2006187948A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP6584207B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP2006159737A (ja) インクジェット記録ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100409

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5173273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160111

Year of fee payment: 3