JP2006026950A - 液体吐出ヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

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忠喜 稲本
Kazunari Ishizuka
一成 石塚
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Yohei Sato
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Abstract

【課題】リード封止剤の剥れが生じて液体がリード端子部に浸入しないようにする。
【解決手段】ベース板H1200に、吐出口H1116から液滴を吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生部を有するヘッド基板H1100と、ヘッド基板H1100を囲む開口部H1401を有する支持板H1400と、ヘッド基板H1100の接続端子H1114に接続されて吐出エネルギー発生部に駆動信号および駆動電力を伝達するためのリード端子H1303を有する電気配線基板H1300とが接着されている。そして、リード端子H1303と接続端子H1114との接続部分を覆うリード封止剤H1120と、ベース板H1200上のヘッド基板H1100と支持板H1400の開口部H1401との隙間を埋めるチップ周囲封止剤H1119とが、電気配線基板H1300に設けた穴H1123あるいは切り欠きを通して接着されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体を吐出することにより記録を行う液体吐出ヘッドおよび画像形成装置に関する。
インクジェットプリンタは、いわゆるノンインパクト方式の画像形成装置であって、プリント時における騒音がほとんど生じない特徴を持ち、高速プリントおよび種々のプリント媒体に対してプリントすることが可能である。このようなことから、一般的なプリンタの他にワードプロセッサやファクシミリ、複写機などのプリント機構を担う装置としても広く採用されている。
従来の特許文献1に開示されたプリントヘッドについて、図9〜図11を参照しつつ説明する。
プリントヘッドH5001は、ヘッド基板H5100、ベース板H5200、電気配線基板H5300、支持板H5400などから構成されている。ベース板H5200には、ヘッド基板H5100にインクを供給するための複数のインク供給路H5201が形成されており、ヘッド基板5100のインク通路H5212がベース板H5200のインク供給路H5201にそれぞれ対応して接着されている。支持板H5400は、ヘッド基板H5100の外形寸法より大きな開口部H5401を有し、ヘッド基板5100と電気配線基板H5300とがほぼ同一平面で電気的に接続できるようにベース板H5200に接着されており、この支持板H5400に電気配線基板H5300が接着されている。
プリントヘッドの製造工程において、ベース板H5200上のヘッド基板H5100と支持板5400の開口部H5401とで形成された空間にチップ周囲封止剤H5119を流し込む。このとき、電気配線基板H5300のリード端子H5303の両側端に隣接する部位にひさしH5315を設けたものを用いれば、リード端子H5303の下へチップ周囲封止剤H5119が流れ込み易くなる。これによりヘッド基板H5100の側面と接続端子H5114およびリード端子H5303の下部が封止される。
ついで、リード端子H5303の上部については、リード封止剤をリード端子を覆うように塗布したのち硬化させて封止する。
特開2002−79675号公報
液体吐出ヘッドの封止においては、一般的な電子部品の封止に比べて以下の特殊性がある。
例えば、吐出される記録液がインクの場合、導電性のインクがミストになってリード封止剤で封止されたリード端子およびその接続部周囲をアタックする。また、インクの吐出により吐出口周囲に付着するインク滴や紙カス、ごみ等を取り除きインクの吐出を安定して行うため、吐出口を含む面をゴムブレードによりふき取ることを記録の合間に絶えず行っている。このゴムブレード拭きはリード封止剤上にもかかるため、リード封止剤は機械的ストレスを受ける。
つまり、リード封止剤には上記のようなインクのアタックや機械的ストレスが加わるため、電気配線基板表面から剥れが生じるおそれがある。
今後の高速記録化に向けて、オリフィスプレート面積が大きくなり、オリフィスプレート全面を均一にふき取るためにブレードの材質を硬くした場合、インク拭き動作中にTAB表面からリード封止剤が剥れ、インクがリード端子部に浸入し、腐食する等の原因となる可能性がある。また、剥れてめくれたリード封止剤がちぎれてオリフィスプレートに付着してしまうことも考えられる。さらに、インクが改良されて従来にないインク溶剤の使用、強アルカリ化等があった場合にも、電気配線基板表面からリード封止剤が剥れ、インクがリード端子部や接続部に浸入し、腐食等の原因となる。
一方、インクジェット記録ヘッドでは、印字を行わないときは通常ゴムなど柔軟性のキャップを押さえ付け外部と遮断することで、吐出口からのインクが蒸発するのを防ぎ、増粘したインクや析出した色材による吐出口詰まりが起きないようにすることで、常に安定な印字ができる状態に保たれている。
そこで、リード封止剤との接着を良くするために、電気配線基板の表面全部に接着向上処理を行ってしまうと、ゴムキャップ当接部で増粘したインクなどでゴムキャップが容易に剥がしにくくなる。
ひさしが無い電気配線基板を用いた場合、リード封止剤端部はチップ周囲封止剤と接着しているため、上記した剥れに対しては強い構成となっている。しかし、前記したように、チップ周囲封止剤を流れ込ませる工程で流れ込みにくく時間がかかるという問題があるし、チップ周囲封止剤のへこみ形状が残るのでゴムブレード拭きの当りが悪いという欠点がある。
また、ひさしを設けたタイプの電気配線基板を用いた場合、チップ周囲封止剤の流れ込み性がよく工程時間の短縮は期待できるものの、リード封止剤の端部は電気配線基板上にあるので、前記したブレード拭きにより剥れやすいという未解決の課題がある。
本発明は、前記未解決の課題に鑑みてなされたものであって、リード封止剤の剥れが生じて液体がリード端子部に浸入することがないようにすることを目的としている。
上記目的を達成する本発明の液体吐出ヘッドは、ベース板と、前記ベース板の表面に取り付けられ、かつ液滴が吐出される吐出口と、前記吐出口から液滴を吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生部と、前記吐出エネルギー発生部に接続する接続端子とを有するヘッド基板と、前記ヘッド基板を囲む開口部を有し、前記ベース板の表面に取り付けられた支持板と、前記支持板の表面に取り付けられ、かつ前記ヘッド基板の前記接続端子に接続されて前記吐出エネルギー発生部に駆動信号および駆動電力を伝達するためのリード端子を有する電気配線基板と、前記電気配線基板表面の前記リード端子を含む端部と前記ヘッド基板の前記接続端子を含む端部との接続部分を覆うリード封止剤と、前記ベース板上の前記ヘッド基板と支持板の開口部との隙間を埋めるチップ周囲封止剤とからなる液体吐出ヘッドにおいて、前記電気配線基板に、前記リード封止剤と前記チップ周囲封止剤とが接着するための切り欠きもしくは穴を設けたことを特徴とする。
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
電気配線基板に設けられた穴あるいは切り欠きを通してリード封止剤がチップ周囲封止剤に接合している。その結果、リード封止剤が剥れて液体がリード端子部に浸入して腐食するおそれがない。
本発明に係る液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置について、シリアルタイプのインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。
図1および図2にシリアルタイプのインクジェットプリンタの概略構成を示す。プリンタ本体M1000に収納、保持されるプリント動作機構は、プリント媒体(図示せず)をプリンタ本体M1000内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、この自動給送部M3022から1枚ずつ送出されるプリント媒体を所望のプリント位置へと導くと共に、プリント位置から排出部M3030へとプリント媒体を導く搬送部M3029と、プリント位置に搬送されたプリント媒体に所定のプリントを行うプリント部M4000と、このプリント部M4000などに対する回復処理を行う回復部M5000とから構成されている。
プリント部M4000は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジH1000(図3参照)とを備えている。
図3および図4に示すように、プリント部M4000の一部を構成するヘッドカートリッジH1000は、インクを貯溜するインクタンクH1900が搭載されるタンクホルダH1500と、このタンクホルダH1500を介してインクタンクH1900から供給されるインクをプリント情報に応じて吐出口H1216から吐出させるプリントヘッドH1001とを有する。
ヘッドカートリッジH1000に対しては、写真用の高画質なカラープリントを可能とするため、例えば黒色、淡シアン色、淡マゼンタ色、シアン色、マゼンタ色および黄色の各色独立のインクタンクH1900が用意されており、各インクタンクH1900に設けられ、ヘッドカードリッジH1000に対して係止し得る弾性変形可能な取り外し用レバーH1901を操作することにより、それぞれがプリントヘッドH1001のタンクホルダH1500に対して取り外し可能となっている。
プリントヘッドH1001は、図4に示すように、ヘッド基板H1100、ベース板H1200、電気配線基板H1300、支持板H1400などから構成され、タンクホルダH1500は、流路形成部材H1600、フィルタH1700、シールゴムH1800などから構成されている。
ヘッド基板H1100は、ベース板H1200に接着固定されており、ベース板H1200にはヘッド基板H1100にインクを供給するためのインク供給路H1201が形成されている。さらに、ベース板H1200には、開口部H1401を有する支持板H1400が接着固定されており、この支持板H1400には、ヘッド基板H1100に対して電気配線基板H1300が電気的に接続するように、電気配線基板H1300が接着固定されている。
電気配線基板H1300は、ヘッド基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、ヘッド基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、プリンタ本体M1000からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダH1500の背面側に位置決め固定されている。
インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固着され、インクタンクH1900から流路形成部材H1600に至るインク流路H1501を形成している。インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルタH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
流路形成部材H1600、フィルタH1700およびシールゴムH1800などが一体的に組み付けられるタンクホルダH1500と、ヘッド基板H1100、ベース板H1200、電気配線基板H1300および支持板H1400などから構成されるプリントヘッドH1001とを接着剤などを介して結合することにより、ヘッドカートリッジH1000を構成している。
図2に示すように、ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001には、ヘッドカートリッジH1000をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、ヘッドカートリッジH1000のタンクホルダH1500と係合し、ヘッドカートリッジH1000を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、ヘッドカートリッジH1000との係合部にはばね付勢されるヘッドセットプレート(図示せず)を有し、このばね力によってヘッドカートリッジH1000を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっており、これらヘッドセットレバーM4007、ヘッドセットレバー軸、ヘッドセットプレートなどが着脱手段として機能している。
キャリッジM4001のヘッドカートリッジH1000との別の係合部には、図示しないコンタクトFPC(Flexible Print Cable)が設けられ、コンタクトFPC上のコンタクト部とヘッドカートリッジH1000に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、プリントのための各種情報の授受やヘッドカートリッジH1000への電力の供給などを行い得るようになっている。
コンタクトFPCのコンタクト部H1301とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力と図示しないヘッドセットレバーばねによる押圧力とによって、コンタクト部H1301とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。コンタクトFPCは、キャリッジM4001の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続されている。
プリントヘッドH1001について、図4〜図6を参照してさらに詳細に説明する。
ベース板H1200は、厚さが例えば0.5〜10mmのアルミナ(Al2 3 )で形成されている。しかしこれに限らず、ベース板H1200を構成する材料としては、ヘッド基板H1100の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつヘッド基板H1100の材料の熱伝導率と同等またはそれ以上の熱伝導率を有する材料であればよく、例えばシリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO2 )、窒化珪素(Si3 4 )、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうち何れであってもよい。ベース板H1200には、ヘッド基板H1100に複数のインクを供給するための各々のインク供給路H1201が形成されており、ヘッド基板H1100のインク通路H1112がベース板H1200のインク供給路H1201にそれぞれ対応し、かつヘッド基板H1100はベース板H1200に対して所定位置に精度良く接着固定される。
支持板H1400は、厚さが例えば0.5〜1mmのアルミナにて形成されているが、ベース板H1200と同様に、ヘッド基板H1100と同等の線膨張率を有し、かつその熱伝導率と同等またはそれ以上の熱伝導率を有する材料であれることが好ましい。この支持板H1400は、ベース板H1200に接着固定されたヘッド基板H1100の外形寸法よりも大きな開口部H1401を有し、この開口部H1401にはめ込まれたヘッド基板H1100と電気配線基板H1300とをほぼ同一平面で電気的に接続できるように、ベース板H1200に接着されており、この支持板H1400に電気配線基板H1300の裏面が接着固定される。電気配線基板H1300は、ヘッド基板H1100における吐出エネルギー発生部に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、ヘッド基板H1100を組み込むための開口部H1302と、ヘッド基板H1100の接続端子H1114に対応するリード端子H1303と、その配線端部に位置してプリンタ本体M1000からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。
ヘッド基板H1100は、図5に示すように、厚さが0.5〜1mmのシリコン基板H1111の上に成膜技術を用いて吐出エネルギー発生部、インク室H1115、吐出口H1116などを形成したものである。シリコン基板H1111には、これを貫通する長孔状のインク通路H1112が形成されている。このインク通路H1112は、シリコン基板H1111の結晶方位を利用して異方性エッチングにより形成される。つまり、このシリコン基板H1111の表面の結晶方位が<100>、厚さ方向の結晶方位が<111>の場合、KOH、TMAH、ヒドラジンなどのアルカリ系エッチング液を用いて異方性エッチングを行うことにより、約54.7度の角度の傾斜面を持ったインク通路H1112が形成される。このインク通路H1112の両側には、インク通路H1112の長手方向に沿って所定間隔で2列に並ぶ複数(たとえば片側128個)の電気熱変換体H1113が相互に半ピッチずらした状態で形成され、吐出エネルギー発生部を構成している。
シリコン基板H1111には、これら電気熱変換体H1113および接続端子H1114の他、電気熱変換体H1113と接続端子H1114とを導通する図示しない電気配線などが設けられており、これら接続端子H1114を介して図示しない駆動ICから電気熱変換体H1113に対する駆動信号が駆動電力と共に与えられる。このシリコン基板H1111上には、インク通路H1112に連通するインク室H1115を介して電気熱変換体H1113とそれぞれ正対する複数の吐出口H1116を有する上板部材H1117が形成される。すなわち、この上板部材H1117とシリコン基板H1111との間にはインク通路H1112と個々のインク室H1115とに連通するインク路H1118が形成され、これらは吐出口H1116と同様にフォトリソグラフィ技術により上板部材H1117と共に形成される。上板部材H1117の接続端子H1114側には、これら接続端子H1114の配列方向に沿って延在する溝状の堰部H1121が形成されており、後述するリード封止剤H1120を接続端子H1114とリード端子H1303との接続部分に塗布する際に、リード封止剤H1120がこの堰部H1121に流れ込んで吐出口H1116側に流出するのを防止するようになっている。
インク通路H1112から各インク室H1115内に供給されるインクは、対応するインク室H1115内の電気熱変換体H1113に駆動信号が与えられることにより、電気熱変換体H1113の発熱に伴って沸騰し、これにより発生する気泡の圧力によって吐出口H1116から吐出される。
図8に示すように、支持板H1400には、ヘッド基板H1100を囲む矩形の開口部H1401が形成され、この開口部H1401とベース板H1200およびヘッド基板H1100の側面で形成される溝部にはインクやゴミ等からヘッド基板側面を保護するためのチップ周囲封止剤H1119が充填されている。支持板H1400の厚みtは、電気配線基板H1300のリード端子H1303がヘッド基板H1100の端縁と接触しないように、ベース板H1200の表面からヘッド基板H1100の接続端子H1114の上端までの高さhよりも厚く設定されている。
上述したプリントヘッドの製造工程を簡単に説明すると、まずベース板H1200の表面の所定位置にヘッド基板H1100を接着剤を用いて一体的に接合し、ベース板H1200のインク供給路H1201とシリコン基板H1111のインク通路H1112とを連通させる。ここで用いられる接着剤は、低粘度で薄い接着層(例えば50μm以下)を形成することができ、かつ硬化後に比較的高い硬度を持った耐インク性のあるものが好ましく、例えばエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化性接着剤を使用することができる。ベース板H1200に形成されたインク供給路H1201の周囲に塗布され、インク供給路H1201から外部にインクが漏洩しないようにする。同様に、ヘッド基板H1100を囲むように支持板H1400をベース板H1200の表面に接着剤を用いて接合する。
そののち、この支持板H1400に電気配線基板H1300を接着固定するが、このとき、ヘッド基板H1100の接続端子H1114に対して電気配線基板H1300のリード端子H1303が接続可能な範囲で位置決めされ、TAB実装技術により電気接続される。
電気配線基板H1300は、図7に示すように、開口部H1302側へ突出するリード端子H1303の両側のひさしH1322に穴H1323、H1324、H1325、H1326を設けたTABを用いる。また変形例として図6に示すように、開口部H1302側へ突出するリード端子H1303の両側のひさしH1322に切り欠きH1333、H1334、H1335、H1336を設けたTABを用いる。
次いで、ベース板H1200上のヘッド基板H1100と支持板H1400の開口部H1401で形成される空間にチップ周囲封止剤H1119を流し込む。このとき、リード端子H1303の下部にはヘッド基板側面の開口部より充填したチップ周囲封止剤を流し込むことで行われる。
このとき、電気配線基板H1300のリード端子H1303の両側に穴1323、1324、1325、1326を設けたものを用いれば、毛管作用によってリード端子下へのチップ周囲封止剤H1119が流れ込み、各穴1323〜1326あるいは各切り欠き1333〜1336を通して、工程時間の短縮が図れる。このチップ周囲封止剤により、少なくとも、ヘッド基板H1100の側面と接続端子H1114および、リード端子H1303の下部が封止される。
なお、チップ周囲封止剤の硬化はこの段階で行っても良いし、次に述べるリード封止剤H1120の塗布が終わった時点で同時に行ってもよい。
次いで、リード端子H1303の上部については、リード封止剤H1120をリード端子H1303を覆うように塗布した後、硬化し封止する。このときのリード封止材H1120の塗布をリード端子1303の両側の一方の穴あるいは切り欠きから開始し、他方の穴あるいは切り欠きで終了する。
本発明において、リード封止剤とチップ周囲封止剤のいずれかは、熱硬化一液型のエポキシ樹脂または常温硬化二液型のエポキシ樹脂あるいは常温硬化型のシリコーン樹脂を用いる。
なお、インクジェット記録方式としては、本発明では特に限定はしないが、液体の吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光など)を備え、この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させるインクジェット方式で特に有効である。かかる方式によれば、プリントの高密度化および高精細化が達成できるからである。
電気配線基板として、図7に示すようなリード端子の両側端部に隣接する部位に穴を設けたTABを用いた。
このTABを用いて、インクジェット記録ヘッドを上述した方法で作成した。チップ周囲封止剤の回りこみ性はひさし有りタイプのTABと比べて同等であった。リード封止剤が穴を通してチップ周囲封止剤と接合している様子が確認できた(図8参照)。
この様にして作成したインクジェット記録ヘッドについて、ブレード耐久試験、およびインク浸漬(PCT)後のブレード耐久試験を行った。
ブレード耐久試験は、H−NBR製のブレードを使用し、上板部材を拭き続け、封止剤が剥れるまでのブレード拭き回数を評価した。インク浸漬(PCT)後のブレード耐久試験では、インク浸漬として、pH11に調整されたインク中にインクジェット記録ヘッドを入れ、120℃・2気圧で10時間処理を行った後ブレード耐久試験を行った。
これらの結果については、他の実施例、比較例と共に表1に示した。
電気配線基板として、図6に示すようなリード端子の両側端部に隣接する部位に切り欠きを設けたTABを用いた。
このTABを用いて、実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成した。チップ周囲封止剤の回りこみ性はひさし有りタイプのTABと比べて同等であった。リード封止剤が切り欠きを通してチップ周囲封止剤と接合している様子が確認できた。
実施例1と同様に評価を行った。
(比較例1)
図9に示すひさしのあるタイプのTABを用いインクジェット記録ヘッドを作成した。
(比較例2)
ひさしが無いタイプのTABを用いてインクジェット記録ヘッドを作成した。
これら比較例のインクジェット記録ヘッドについても実施例1と同様の試験を行った。
〔表1〕に示すように、本実施例のヘッドの作製においてチップ周囲封止剤がリード端子下部に充填する時間は従来のひさし有りタイプのもの(比較例1)と同等であった。また、インク拭きブレード耐久試験の結果では、封止剤の剥れ性は(比較例2)と同等であった。
すなわち、本発明によればチップ周囲封止剤のリード端子下への回り込み性を損なうことなく、リード封止剤の剥れ防止ができる。
また、本発明によれば、製造時のタクトを落とすことなく、今後の高速印字化や高印字品位化に向けても、信頼性の高い液体吐出ヘッドを得ることができる。
Figure 2006026950
本明細書において「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターンなどを形成したり、または媒体の加工を行う場合をも包含する。また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革などのインクを受容可能な物をも含むものである。さらに、「液体」とは、上記「プリント」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、プリント媒体に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成またはプリント媒体の加工あるいは液体の処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化など)に供され得る液体を含む。
従って、プリントに関して用いることが可能なあらゆる液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッドに適用できる。
インクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。 図1に示したインクジェットプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。 ヘッドカートリッジにインクタンクを組み込んだ状態の斜視図である。 図3に示したヘッドカートリッジを斜め下方から見た分解斜視図である。 一実施の形態におけるヘッド基板の模式破断斜視図である。 一実施例における電気配線基板の模式斜視図である。 他の実施例における電気配線基板の模式斜視図である。 一実施の形態におけるプリンヘッドの主要部の模式部分断面図である。 従来のプリントヘッドの模式斜視図である。 図9のA−A線に沿う模式断面図である。 図10のB−B線に沿う模式断面図である。
符号の説明
H1100 ヘッド基板
H1111 シリコン基板
H1112 インク通路
H1113 電気熱変換体
H1114 接続端子
H1115 インク室
H1116 吐出口
H1117 上板部材
H1118 インク路
H1119 チップ周囲封止剤
H1120 リード封止剤
H1121 堰部
H1122 ひさし
M1000 プリンタ本体
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 プリント部
M4001 キャリッジ
M5000 回復部
H1200 ベース板
H1201 インク供給路
H1300 電気配線基板
H1301 コンタクト部(外部信号入力端子)
H1302 開口部
H1303 リード端子
H1400 支持板
H1401 開口部
H1500 タンクホルダ
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材

Claims (6)

  1. ベース板と、
    前記ベース板の表面に取り付けられ、かつ液滴が吐出される吐出口と、前記吐出口から液滴を吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生部と、前記吐出エネルギー発生部に接続する接続端子とを有するヘッド基板と、
    前記ヘッド基板を囲む開口部を有し、前記ベース板の表面に取り付けられた支持板と、前記支持板の表面に取り付けられ、かつ前記ヘッド基板の前記接続端子に接続されて前記吐出エネルギー発生部に駆動信号および駆動電力を伝達するためのリード端子を有する電気配線基板と、
    前記電気配線基板表面の前記リード端子を含む端部と前記ヘッド基板の前記接続端子を含む端部との接続部分を覆うリード封止剤と、
    前記ベース板上の前記ヘッド基板と支持板の開口部との隙間を埋めるチップ周囲封止剤とからなる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記電気配線基板に、前記リード封止剤と前記チップ周囲封止剤とが接着するための切り欠きもしくは穴を設けたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記リード封止剤と前記チップ周囲封止剤のいずれかは、熱硬化一液型のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記リード封止剤と前記チップ周囲封止剤のいずれかは、常温硬化二液型のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記リード封止剤と前記チップ周囲封止剤のいずれかは、常温硬化型のシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記吐出エネルギー発生部に、電気熱変換体が用いられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5いずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを搭載し、前記液体吐出ヘッドから吐出される液滴によってプリント媒体に画像を形成する画像形成装置。
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