JP2004209967A - 記録素子基板、液体噴射ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極パッドとバンプとの接続箇所が破損することを抑制する。
【解決手段】 吐出口H1107からインクを吐出するためのエネルギーを発生する電気熱変換素子H1103が配された第1の記録素子基板H1100と、第1の記録素子基板H1100に設けられた凹部内に配され電気熱変換素子H1103と電気的に導通する電極パッドH1104と、第1の記録素子基板H1100の外部から電極パッドH1104へ電力を供給する電極リードH1013と、電極パッドH1104と電極リードH1013とを電気的導通を伴って接続するスタッドバンプH1105と、凹部内に電極パッドH1104とスタッドバンプH1105との電気的な接続部分を囲むと共にスタッドバンプH1105を覆わないように充填された第1の封止樹脂材料H1307とを有する。
【選択図】 図12

Description

本発明は、吐出口から液体を液滴として吐出する液体噴射ヘッドおよびその記録素子基板、液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
一般的な液体を吐出する液体噴射へッドに用いられる記録素子基板は、図15(a)〜図15(c)に示すような構成である。また、この記録素子基板は、図16に示すように、フレキシブルフィルム配線基板と電気的に接続された状態となっている。
このような液体噴射へッドの記録素子基板J1100は、図15(a)〜図15(c)に示すように、その裏面からインクを供給するためのインク供給口J1102が貫通して形成されている。また、Si基板J1110の表面には、インクに吐出エネルギーを付与するための電気熱変換素子(不図示)がインク供給口J1102の両側にそれぞれ複数配列されている。また、Si基板J1110上には、吐出基板J1109が設けられ、この吐出基板J1109に、複数の吐出口J1107が、複数の電気熱変換素子にそれぞれ対向するようにそれぞれ形成されている。そして、Si基板J1110の表面の両端部には、複数の電気熱変換素子にそれぞれ電気的に接続された複数の電極パッドJ1104が配設されている。
図16に示すように、記録素子ユニットJ1002は、記録素子基板J1100に設けられた複数の電極パッドJ1104と、これら電極パッドJ1104上に電気的に接合されたスタッドバンプJ1105と、フレキシブルフィルム配線基板J1300に設けられた複数の電極リードJ1013とが、例えばシングルポイントボンディング等によってそれぞれ電気的に接続されて構成されている。
そして、記録素子基板J1100の周囲には、第1の封止樹脂材料J1307が充填されており、電気的な接続部分は、インクによる腐食や外力による断線から保護するために、接続部分全体を第2の封止樹脂材料J1308によって被覆されて保護されている。これら第1および第2の封止樹脂材料J1307,J1308は、一般的な熱硬化型樹脂が用いられており、硬化後に堅固な剛性が確保されている。
以上のような記録素子基板としては、例えば、特許文献1,2,3等に開示されている。
特開平10−776号公報 特開2001−130001号公報 特開2002−19120号公報
しかしながら、上述した従来のインクジェット記録ヘッドの製造方法には、以下のような課題があった。
すなわち、従来のインクジェット記録ヘッドの製造方法では、記録素子基板の電極パッド上に設けられたスタッドバンプと、フレキシブルフィルム配線基板に設けられた電極リードとが、200℃前後に加熱された状態で、500℃前後に加熱させたヒートツールを用いて、全ての接続個所を一括して電気的に接続するギャングボンディング、または各接続個所を1本ずつ電気的に接続するシングルポイントボンディングなどによって電気的に接続されていた。
このため、従来のインクジェット記録ヘッドの製造方法では、ボンディング後に、フレキシブルフィルム配線基板が常温に降温する際に生じる電極リードおよびベースフィルムの熱収縮による機械的な負荷が、記録素子基板や、スタッドバンプと電極パッドとの電気的な接続部分である接合箇所にかかることで、記録素子基板の電極パッドからスタッドバンプが剥離したり、記録素子基板が破損したりすることがあった。
そのため、本発明者は、創意工夫を行った結果、スタッドバンプと電極パッドとの接続面周囲を覆うように封止樹脂材を充填させることにより、接続個所を補強することが可能であることを見出した。しかしながら、封止樹脂材の充填量の調節が非常に困難であるという問題がある。充填量が少ない場合には、全接合個所を充分に覆うことができなくなり、充填量が多い場合には、スタッドバンプを完全に覆い尽くしてしまい電気的な接続がとれなくなる不都合が発生した。
そこで、本発明は、記録素子基板の電極パッドと、この電極パッド上に接合されたバンプとの電気的な接続部分を完全に覆うことなくその周辺を封止する封止樹脂材料の充填量の調節を可能とすることで、電気的な接続部分や記録素子基板が、電極リードの熱収縮によって破損することを抑えることができる液体噴射へッド、それに用いられる記録素子基板、および液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る液体噴射ヘッドは、吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドであって、吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板と、記録素子基板に設けられた凹部内に配されエネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、記録素子基板の外部から電極パッドへ電力を供給する電極リードと、電極パッドと電極リードとを電気的導通を伴って接続するバンプと、凹部内に電極パッドとバンプとの電気的な接続部分を囲むと共にバンプを覆わないように充填された封止樹脂材料とを有する。
以上のように構成された本発明に係る液体噴射ヘッドによれば、凹部内に充填された封止樹脂材料が、電極パッドとバンプとの電気的な接続部分を囲むと共にバンプを覆わないよう設けられている。そして、本発明の液体噴射ヘッドによれば、封止樹脂材料が硬化後も弾性を有しているため、記録素子基板の電極パッドと、この電極パッド上に接合されたバンプとの電気的な接続部分が、電極リードの熱伸縮によって発生する機械的外力に耐えることが可能になる。このため、本発明に係る液体噴射ヘッドによれば、記録素子基板や、バンプと電極パッドとの接続部分が破損することが抑制され、動作信頼性が向上される。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドは、封止樹脂材料が硬化後も弾性を有する熱硬化型樹脂材料であって、更にこの封止樹脂材料の上方に硬化後に剛性を有する他種の熱硬化型樹脂材料がバンプと電極リードとを埋めるように塗布されることが好ましい。これによって、バンプと電極リードとの接続部分が破損することが更に抑えられる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドが備えるバンプは、電極リードとの電気的な接続部分が、凹部内から突出されることが好ましい。凹部内に充填された封止樹脂材料は、凹部の底面からの充填高さが、凹部の底面からの高さとほぼ同じになる。このため、バンプは、電極リードとの電気的な接続部分が、凹部内から突出されることで、凹部の底面からの高さが、バンプの高さよりも低く設定されることになり、封止樹脂材料によってバンプが完全に覆い尽くされてしまうことが回避される。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドは、バンプが記録素子基板に複数設けられ、凹部がバンプに対応してこのバンプを囲むように複数設けられており、凹部が、隣接する他の凹部と連通溝を介して連通され、且つ、少なくとも1つ以上の凹部が記録素子基板の外周端に連通されることが好ましい。このように、各凹部同士が連通溝を介して連通されることにより、各凹部内に封止樹脂材料を充填する際に、例えば、記録素子基板の外周端側から供給された封止樹脂材料が、記録素子基板の外周側から徐々に記録素子基板の中央部に向かって各凹部内を順次、満たしながら流れていくので、凹部内から溢れてしまうことが抑制される。また、記録素子基板の例えば中央部またはその近傍に位置する凹部と記録素子基板の外周端とを連通させる連通溝が設けられることで、充填量が更に良好に制御される共に、封止樹脂材料の充填速度が向上される。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドが備える封止樹脂材料は、熱硬化型シリコーン変性エポキシ樹脂であってもよい。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドが備える他種の封止樹脂材料は、熱硬化型エポキシ樹脂であってもよい。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドが備えるバンプには、電極パッドとの接続部分近傍に、親水性を有する親水領域が設けられ、電極リードとの接続部分近傍に、疎水性を有する疎水領域が設けられることが好ましい。これによって、凹部内に充填された封止樹脂材料が、バンプと電極パッドとの接続部分近傍の親水領域を覆う一方で、バンプと電極リードとの接続部分近傍の疎水領域を覆うことが抑制される。したがって、バンプと電極リードとの良好な電気的な接続が確保される。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドが備えるバンプは、電極パッドの主面に平行な断面積が、電極パッドとの接続部分近傍よりも、電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されることが好ましい。これによって、バンプの断面積が大きくなる部分で、封止樹脂材料の流れが規制されるため、封止樹脂材料が、バンプと電極リードとの接続部分に進入することが防止される。したがって、バンプと電極リードとの良好な電気的な接続が確保される。
また、本発明に係る記録素子基板は、吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドに用いられ、電極リードにより供給される電力によって吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板であって、記録素子基板に設けられた凹部内に配されエネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、記録素子基板の外部から電極リードを介して電極パッドへ供給される電力を受け、電極パッドとの接続部分近傍に、親水性を有する親水領域が設けられ、電極リードとの接続部分近傍に、疎水性を有する疎水領域が設けられているバンプとを有する。
また、本発明に係る記録素子基板は、電極パッドの主面に平行な断面積が、電極パッドとの接続部分近傍よりも、電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されることが好ましい。
また、本発明に係る記録素子基板は、吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドに用いられ、電極リードにより供給される電力によって吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板であって、記録素子基板に設けられた凹部内に配されエネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、記録素子基板の外部から電極リードを介して電極パッドへ供給される電力を受け、電極パッドの主面に平行な断面積が、電極パッドとの接続部分近傍よりも、電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されているバンプとを有する。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、液体を吐出する吐出口および液体を吐出口に導く流路を形成するノズル部材と、吐出口から吐出する液体が供給される供給口とを有する記録素子基板と、
記録素子基板が組み込まれるための開口部と、この開口部近傍に設けられ記録素子基板に電気的に接続するための電極リードとを有し、液体を吐出するための電気パルスを記録素子基板に印加するためのフレキシブルフィルム配線基板と、
記録素子基板を支持する支持部材と、
記録素子基板を支持部材に当接させるための開口部を有し、フレキシブルフィルム配線基板と支持部材との間に介在されて、フレキシブルフィルム配線基板を支持する支持板と、
フレキシブルフィルム配線基板の開口部と、支持板の開口部と、記録素子基板の外周部とからなる凹部内に充填される第1および第2の封止樹脂材料とを備える液体噴射ヘッドの製造方法であって、
記録素子基板を支持部材に接着固定するとともに、フレキシブルフィルム配線基板を支持板に接着固定する第1の工程と、
硬化後も弾性を有する熱硬化型樹脂材料である第1の封止樹脂材料を、凹部内に充填するとともに、記録素子基板に設けられた電極パッドとバンプとの電気的な接続部分を囲むように設けられた第1の封止樹脂材料貯留部内に充填して硬化させる第2の工程と、
記録素子基板の電極パッドを、バンプを介して、フレキシブルフィルム配線基板の電極リードにそれぞれ電気的に接続する第3の工程と、
硬化後に剛性を有する熱硬化型樹脂材料である第2の封止樹脂材料によって、記録素子基板とフレキシブルフィルム配線基板との電気的な接続部分を被覆する第4の工程と
を有する液体噴射ヘッドの製造方法。
上述した本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法によれば、第1の封止樹脂材料よってそれぞれ補強された状態で、記録素子基板の電極パッドとフレキシブルフィルム配線基板の電極リードとをバンプを介して電気的に接合することによって、フレキシブルフィルム配線基板の電極リードの熱伸縮などによる変形によって記録素子基板や、電極パッドとバンプとの接続部分が破損することが抑えられる。そして、この液体噴射ヘッドの製造方法によれば、記録素子基板や、バンプと電極パッドとの接続部分が破損することが抑えられるため、生産性が向上される。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法では、記録素子基板とフレキシブルフィルム配線基板との全ての接続個所を一括して電気的に接続してもよい。すなわち、ギャングボンディングによって接続が行われる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法では、記録素子基板とフレキシブルフィルム配線基板との各接続個所を1本ずつ電気的に接続してもよい。すなわち、シングルポイントボンディングによって接続が行われる。
上述したように本発明によれば、記録素子基板に設けられた凹部内に充填された封止樹脂材料が、電極パッドとバンプとの電気的接続部分を囲むと共にバンプを覆わないよう設けられることによって、接続部分が補強され、電極リードの熱伸縮などによる変形で、記録素子基板や電極パッドとバンプとの接続部分が破損することを抑えることができる。したがって、本発明によれば、液体噴射ヘッドの動作信頼性を確保し、生産性を向上することができる。
本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のインクジェット記録ヘッドの詳細な構成については、後述するが、まず記録素子ユニットの要部の構成について説明する。
図12は、本実施形態に係る記録素子ユニットが有する第1の記録素子基板を示す断面図である。なお、記録素子ユニットの要部の構成について、第1の記録素子基板を例にして説明するが、後述する第2の記録素子基板も同様に構成されているため、説明を省略する。
図12に示すように、第1の記録素子基板H1100の主面上に設けられた電極パッドH1104上に、略樽状のスタッドバンプH1105が接合されている。
ノズル部材である吐出基板H1109には、スタッドバンプH1105の周囲に、スタッドバンプH1105を囲むように略矩形状をなす凹部である第1の封止樹脂材料貯留部H1014が形成されている。
この第1の封止樹脂材料貯留部H1014は、Si基板H1110の主面からの高さt3(吐出基板H1109の厚み)が、電極パッドH1104の主面からのスタッドバンプH1105の高さt2よりも低く形成されている。フレキシブルフィルム配線基板H1300は、Si基板H1110の主面から電極リードH1013の下面までの高さt1が、スタッドバンプH1105の高さt2よりも高くされており、t1>t2>t3の関係を満たして構成されている。すなわち、スタッドバンプH1105は、記録素子基板H1100の外部からインク吐出用のエネルギーとして供給される電力を電極パッドH1104へ介在して導くための電極リードH1013との電気的な接続部分である上部が、第1の封止樹脂材料貯留部H1014内から突出されている。したがって、吐出基板H1109と電極リードH1013の下面との間に所定の間隙が確保されている。
このように構成することにより、第1の封止樹脂材料貯留部H1014内に第1の封止樹脂材料H1307が充填される際に、第1の封止樹脂材料H1307が電極リードH1013に到達することが規制されるので、スタッドバンプH1105と電極リードH1013とが電気的に接続される前に、第1の封止樹脂材料H1307が電極リードH1013の下面に沿って伝わり、この接続面間に介在してしまうことで電気的な接続不良となることが抑えられている。
さらに、図13に示すように、各スタッドバンプH1105を囲む第1の封止樹脂材料貯留部H1014間が連通溝H1015を介して連通されている。また、吐出基板H1109の外周側に位置する第1の封止樹脂材料貯留部H1014には、第1の記録素子基板H1100の外周端面に連通されるように連通溝H1016が形成されており、全ての第1の封止樹脂材料貯留部H1014内に第1の封止樹脂材料H1307を連続的に充填させることが可能となる。
また、第1の記録素子基板H1100の一側端の中央部近傍に位置する第1の封止樹脂材料貯留部H1014には、第1の記録素子基板H1100の外周端面に連通させるように連通溝H1017を形成することにより、第1の封止樹脂材料貯留部H1014内から第1の封止樹脂材料H1307が溢れることが更に抑えられるとともに、充填速度を速めて、充填効率を向上することができる。
この第1の封止樹脂材料貯留部H1014は、吐出口H1107を有する吐出基板H1109を延長させて形成されても良いし、第1の封止樹脂材料貯留部H1014の高さを、更に細かく調節する必要がある場合などには、吐出基板H1109上に、第1の封止樹脂材料貯留部の一部を構成する他の部材が別途設けられても良い。
次に、上述したスタッドバンプの他の構成について、図面を参照して説明する。
図14(a)に示すように、第2の実施形態に係るスタッドバンプH1120は、電極リードH1013との接続部分近傍である上部に疎水性を有する疎水領域H1121が設けられ、電極パッドH1104との接続部分近傍である下部に親水性を有する親水領域H1122が設けられている。スタッドバンプは、外周面が、疎水性膜および親水性膜によってそれぞれ被覆されることで、疎水領域H1121および親水領域H1122が形成されている。
したがって、このスタッドバンプH1120によれば、第1の封止樹脂材料貯留部H1014内に第1の封止樹脂材料H1307が充填され過ぎた場合であっても、疎水領域H1121の疎水性によって、第1の封止樹脂材料H1307が上部側に進行するのを抑制することができる。
続いて、第3の実施形態のスタッドバンプについて、図面を参照して説明する。
図14(b)に示すように、第3の実施形態に係るスタッドバンプH1130は、電極リードH1013との接続部分側に位置する上部の外径が、電極パッドH1104との接続部分側に位置する下部の外径よりも大きくされた大径部H1131を有する略楔状に形成されている。すなわち、スタッドバンプH1130は、電極パッドH1104の主面に平行な断面積が、電極パッドH1104との接続部分近傍よりも、電極リードH1013との接続部分近傍が大きく形成されている
そして、大径部H1131の下端は、電極パッドH1104の主面に垂直な、スタッドバンプH1130の高さt2の途中に位置され、第1の封止樹脂材料貯留部H1014の高さとほぼ等しくされている。
したがって、このスタッドバンプH1130によれば、第1の封止樹脂材料貯留部H1014内に第1の封止樹脂材料H1307が充填され過ぎた場合であっても、大径部H1131の下端面によって第1の封止樹脂材料H1307がスタッドバンプH1130の上面まで覆ってしまうようなことを抑制することができる。
本実施形態のスタッドバンプH1130における大径部H1131と、上述した第2の実施形態のスタッドバンプH1120における疎水領域H1121および親水領域H1122とを組み合わせて用いることがより好ましい。
以下、本発明に係る実施形態のインクジェット記録ヘッドの詳細な構成について説明する。なお、以下説明するインクジェット記録ヘッドが備える記録素子ユニットには、上述したスタッドバンプH1105、第1の封止樹脂材料貯留部H1014、連通溝H1015,H1016,H1017が適用されている。
図1は、本発明に係る実施形態のインクジェット記録ヘッドを示す斜視図であり、図2は、図1におけるA−A断面図であり、図3は、図1におけるB−B断面図である。
図1および図6に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドH1001(以下、記録ヘッドH1001)は、形状および外形寸法が異なる複数の第1および第2の記録素子基板H1100,H1101(本実施形態では、便宜上2個の例で説明する。)と、これら各記録素子基板H1100,H1101を支持する第1のプレートH1200と、各記録素子基板H1100,H1101に電気パルスを印加するためのフレキシブルフィルム配線基板H1300とを備えて構成されている。
各第1および第2の記録素子基板H1100,H1101には、その表面側の吐出基板H1109に、インクを吐出するための吐出口H1107が、吐出エネルギー発生素子である電気熱変換素子H1103に対応して2列にわたって複数開口されている。各第1および第2の記録素子基板H1100,H1101の裏面側の中央には、吐出口H1107から吐出するインクが供給されるインク供給口H1102が、吐出口H1107の配列方向の長さとほぼ等しい長さをもって貫通して形成されている。
また、第1および第2の記録素子基板H1100,H11011の両端部には、電気熱変換素子H1103にそれぞれ電気的に接続された複数の電極パッドH1104が設けられている。これらの各電極パッドH1104には、一般的に行われている金線を用いたスタッドバンプH1105がそれぞれ電気的に接合されている。これら第1および第2の記録素子基板H1100,H1101は、その裏面側がインク供給部材H1500の第1のプレートH1200上に近接して配設され、バラツキが数μm〜数十μm程度とされる高精度で所定の位置に接着固定されている。なお、図において、吐出口H1107および電極パッドH1104は、例示的に数個しか示していないが、実際の製品では数十〜数百個配設されている。
フレキシブルフィルム配線基板H1300は、図2および図3に示すように、ベースフィルムH1304上に、配線H1305およびレジスト層H1306が積層されて形成されている。
フレキシブルフィルム配線基板H1300には、図6に示すように、第1および第2の記録素子基板H1100,H1101をそれぞれ露出させるための2つの開口部H1301a,H1301bがそれぞれ設けられている。そして、これら開口部H1301a,H1301bの周辺には、2個の各記録素子基板H1100,H1101を電気的に実装するために、各各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104と電気的に接続される電極リードH1013が、電極パッドH1104の個数と同数設けられている。図3に示すように、これらの電極リードH1013は、各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104にスタッドバンプH1105を介して電気的に接続されている。
このように電気的に接続する際には、電極接続部を150℃〜200℃程度に加熱した状態で、任意の荷重と超音波振動を所定の時間付与し、電極パッドH1104上の金バンプと、フレキシブルフィルム配線基板H1300の金めっきされた電極リードH1013との接触面間に金−金の結合を生じさせることによって行われる。
本実施形態では、各接続個所を1本ずつ電気的に接続するシングルポイントボンディングを用いたが、その他の接続方法として、例えば、熱圧着ユニットを用いて全ての接続部分を一括して接続するギャングボンディングを用いてもよい。シングルポイントボンディング、ギャングボンディング等の接続方式は、適用する生産ラインに応じて適宜選択されればよい。
上述した記録ヘッドH1001は、フレキシブルフィルム配線基板H1300の電極リードH1013と各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104とをスタッドバンプH1105を介して電気的に接続する前に、先ずフレキシブルフィルム配線基板H1300の開口部H1301a,H1301bと第2のプレートH1400の開口部10と各記録素子基板H1100,H1101の周囲とによって形成される凹部、および各記録素子基板H1100,H1101の周囲、各記録素子基板H1100,H1101に設けられた電極パッドH1104とスタッドバンプH1105との接合部分をそれぞれ保護するために、第1の封止樹脂材料H1307を塗布し硬化させる。
この第1の封止樹脂材料H1307としては、例えば、熱硬化型シリコーン変性エポキシ樹脂材料(日本レック株式会社製:NR200C)等のような硬化後においても弾性を有する熱硬化型樹脂材料によって被覆して保護する。本実施形態では、100℃で1〜3時間予備加熱し、その後150℃で3時間ポストキュアすることによって、第1の封止樹脂材料H1307を硬化させた。
このように各記録素子基板H1100,H1101の周囲、および各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104とスタッドバンプH1105との接合部分の周囲が第1の封止樹脂材料H1307によってそれぞれ補強された状態で、フレキシブルフィルム配線基板H1300の電極リードH1013と各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104とをスタッドバンプH1105を介して電気的に接続する。
次いで、各記録素子基板H1100,H1101とフレキシブルフィルム配線基板H1300との電気的な接続部分の上部(電極リードH1013を挟み、フレキシブルフィルム配線基板H1300から吐出基板H1109を含む領域)を、第2の封止樹脂材料H1308によって被覆して保護する。
この第2の封止樹脂材料H1308としては、例えば、熱硬化型エポキシ樹脂材料(松下電工株式会社製:CV5420D)のような硬化後に堅固になり、比較的大きな機械的強度を有する熱硬化型樹脂材料によって被覆して保護する。本実施形態では、第2の封止樹脂材料H1308を150℃で1時間反応させることで硬化させた。硬化条件は、各々が用いるデバイスの熱によるダメージを考慮し各々で決めればよい。
さらにその後、フレキシブルフィルム配線基板H1300には、記録装置側から記録ヘッドH1001に記録情報などの電気信号を伝達するための外部入力端子H2201が設けられている電気コンタクト基板H2200が電気的に接続される。なお、このフレキシブルフィルム配線基板H1300と電気コンタクト基板H2200は、同一基板によって一体に構成されても勿論よい。そして、このフレキシブルフィルム配線基板H1300は、インク供給部材H1500に沿うように折り曲げられ貼り付けることにより、記録ヘッドH1001が作製される。
図4から図11は、本発明が適用される好適なヘッドカートリッジ、記録ヘッド、インクタンク、およびそれぞれの関係を説明するための説明図である。以下、各構成要素について、図面を参照して説明する。
本実施形態の記録ヘッドH1001は、図4に示すように、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素であり、記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、この記録ヘッドH1001に対して着脱自在に設けられたインクタンクH1900(H1901,H1902,H1903,H1904)とを備えて構成されている。
この記録ヘッドカートリッジH1000は、記録装置内に載置されているキャリッジ(不図示)に対して着脱可能とされており、キャリッジに装着された際にキャリッジ側の位置決め部材によって所定の位置に位置決めされ電気的に接続されて保持される。
インクタンクH1901は、ブラックのインク用、インクタンクH1902はシアンのインク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク用、インクタンクH1904はイエローのインク用である。このように、インクタンクH1901,H1902,H1903,H1904のそれぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となり、それぞれのインクタンクが独立して交換可能とされていることで、記録装置における記録のランニングコストが低減される。
次に、記録ヘッドH1001について、さらに詳しく記録ヘッドを構成しているそれぞれの構成要素毎に順を追って説明する。
(1)記録ヘッド
記録ヘッドH1001は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うインクジェット記録ヘッドである。
記録ヘッドH1001は、図5に示すように、記録素子ユニットH1002と、インク供給ユニットH1003と、タンクホルダH2000とを備えて構成される。
さらに、図6に示すように、記録素子ユニットH1002は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101と、第1のプレートH1200と、フレキシブルフィルム配線基板H1300と、電気コンタクト基板H2200と、第2のプレートH1400とを有して構成されている。また、インク供給ユニットH1003は、インク供給部材H1500と、流路形成部材H1600と、ジョイントゴムH2300と、フィルタH1700と、シールゴムH1800とを有して構成されている。
(1−1)記録素子ユニット
図7は、第1の記録素子基板H1100の構成を説明するために一部分解して示す斜視図である。なお、図7および図8には、上述した第1の封止樹脂材料貯留部H1014、連通溝H1015,H1016,h1017を図示しないが、これらの構成が、第1および第2の記録素子基板H1100,H1101の吐出基板H1109にそれぞれ適用されている。
第1の記録素子基板H1100は、ブラックインクを吐出するための記録素子基板であり、例えば、厚さ0.5mm〜1mm程度のSi基板H1110に、インク流路として長溝状の貫通口からなるインク供給口H1102が、Siの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの処理によって形成されている。
第1の記録素子基板H1100には、インク供給口H1102を挟んだ両側に、電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列され、電気熱変換素子H1103と、この電気熱変換素子H1103に電力を供給するアルミニューム(Al)等の電気配線とが成膜技術によって形成されている。
さらに、第1の記録素子基板H1101には、電気配線に電力を供給するための電極パッドH1104が、吐出口H1107の配列方向に直交する両側端に沿って配設されている。各電極パッドH1104には、金(Au)等によってスタッドバンプH1105が形成されている。そして、Si基板H1110上には、電気熱変換素子H1103に対応したインク流路を形成するためのインク流路壁H1106と吐出口H1107が、樹脂材料でフォトリソグラフィ技術によって形成され、吐出口列H1108が設けられている。したがって、電気熱変換素子H1103に対向して吐出口H1107が設けられているため、インク流路H1102から供給されたインクは、電気熱変換素子H1103により発生した気泡によって吐出される。
また、図8は、第2の記録素子基板H1101の構成を説明するために一部分解した斜視図である。第2の記録素子基板H1101は、3色のインクを吐出するための記録素子基板であり、3個のインク供給口H1102が並列して形成されており、それぞれのインク供給口H1102を挟んだ両側に電気熱変換素子H1103と吐出口H1107が設けられている。もちろん、第1の記録素子基板H1100と同様に、Si基板H1110にインク供給口H1102や電気熱変換素子H1103、電気配線、電極パッドH1104などが形成されており、その上に樹脂材料でフォトリソグラフィ技術によりインク流路や吐出口H1107が形成されている。
そして、第1の記録素子基板H1100と同様に電気配線に電力を供給するための電極パッドH1104上には、Au等のスタッドバンプH1105が形成されている
次に、第1のプレートH1200は、例えば、厚さ0.5mm〜10mm程度のアルミナ(Al23)材料で形成されている。なお、第1のプレートH1200の材料としては、アルミナに限られることなく、第1の記録素子基板H1100を形成する材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつ、第1の記録素子基板H1100を形成する材料の熱伝導率と同等または同等以上の熱伝導率を有する材料で形成されてもよい。また、第1のプレートH1200の材料としては、例えば、シリコーン(Si)、窒化アルミニューウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうちいずれであってもよい。
第1のプレートH1200には、第1の記録素子基板H1100にブラックインクを供給するためのインク供給口H1201aと、第2の記録素子基板H1101にシアン、マゼンタ、イエローのカラーインクを供給するためのインク供給口H1201bとがそれぞれ形成されている。各記録素子基板H1100,H1101のインク供給口H1102が第1のプレートH1200の各インク供給口H1201a,H1201bにそれぞれ対応し、かつ、第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101は、それぞれ第1のプレートH1200に対して位置高精度に位置決めされて接着固定される。
接着するために用いられる第1の接着剤(不図示)は、低粘度で硬化温度が比較的低く、短時間で硬化し、硬化後に、比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性を有するものが望ましい。このような第1の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が用いられ、接着層の厚みが50μm以下にされることが望ましい。
フレキシブルフィルム配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、それぞれの各記録素子基板H1100,H1101を組み込むための複数の開口部H1301a,H1301bをそれぞれ有している。これら開口部H1301a,H1301bの縁部には、各記録素子基板H11000,H1101の電極パッドH1104にそれぞれ対応する電極リードH1013がそれぞれ設けられている。また、フレキシブルフィルム配線基板H1300の一端部には、記録装置が備える制御部(不図示)からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H2201を有する電気コンタクト基板H2200に、電気的に接続される電極端子部H1303が設けられている。フレキシブルフィルム配線基板H1300は、電極リードH1031と電極端子H1303とが、連続する銅箔の配線パターンを介して電気的に接続されている。
フレキシブルフィルム配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101は、それぞれ電気的に接続されている。接続方法は、例えば、各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104とフレキシブルフィルム配線基板H1300の電極端子H1302とが熱超音波圧着法によって電気的に接合されている。
第2のプレートH1400は、例えば、厚さ0.5mm〜1mm程度の一枚の板材からなり、例えばアルミナ等のセラミックや、Al、ステンレス(SUS)などの金属材料によって形成されている。第2のプレートH1400は、第1のプレートH1200に接着固定された第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101の各外形寸法よりも大きな各開口部H1401a,H1401bをそれぞれ有している。
また、第2のプレートH1400は、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101とフレキシブルフィルム配線基板H1300とを平面で電気的に接続できるように、第1のプレートH1200上に第2の接着剤(不図示)によって接着されており、フレキシブルフィルム配線基板H1300の裏面が第3の接着剤(不図示)によって接着固定されている。
第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101とフレキシブルフィルム配線基板H1300との電気的な接続部分は、第1の封止樹脂材料H1307および第2の封止樹脂材料H1308によって封止され、電気的な接続部分がインクによる腐食や外的衝撃から保護されている。第1の封止樹脂材料H1307は、図3に示すように、主にフレキシブルフィルム配線基板H1300の電極リードH1013と各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104との接合部分の裏面側、各記録素子基板H1100,H1101の外周部を封止し、第2の封止樹脂材料H1308は、接続部分の表側を封止している。
さらに、フレキシブルフィルム配線基板H1300の端部には、記録装置が備える制御部からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H2201を有する電気コンタクト基板H2200が、異方性導電フィルム等を用いた熱圧着によって電気的に接続されている。
そして、フレキシブルフィルム配線基板H1300は、第1のプレートH1200の一側面に沿って折り曲げられ、第1のプレートH1200の側面に第3の接着剤によって接着されている。この第3の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が使用され、厚さ10μm〜100μm程度に塗布されている。
(1−2)インク供給ユニット
インク供給部材H1500は、例えば、樹脂材料によって成形されている。樹脂材料としては、形状的な剛性を向上させるために、ガラスフィラーを5%〜40%程度混入した樹脂材料を使用することが望ましい。
図6および図9に示すように、インク供給部材H1500は、インクタンクH1900から記録素子ユニットH1002にインクを導くためのインク供給ユニットH1003の一構成部品であり、流路形成部材H1600を超音波溶着することにより、インク流路H1501が形成されている。また、インクタンクH1900に係合されるジョイントH1517には、外部から塵埃等の異物が進入することを防止するためのフィルタH1700が、溶着によって接合されている。また、このジョイントH1517には、ジョイントH1517からインクが蒸発することを防止するために、シールゴムH1800が装着されている。
また、インク供給部材H1500は、インクタンクH1900側の第1および第2の爪H1909,H1910がそれぞれ係合される第1および第2の係合穴H1503,H1504が設けられており、インクタンクH1900が着脱自在に保持されている。
また、インク供給部材H1500は、記録ヘッドカートリッジH1000を、記録装置が備えるキャリッジの所定の装着位置に案内するための装着ガイドH1601と、記録ヘッドカートリッジH1000をヘッドセットレバーによってキャリッジに装着固定するための係合部H1508とを有している。
また、インク供給部材H1500は、キャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジの走査方向)のX突き当て部H1509と、Y方向(記録媒体の搬送方向)のY突き当て部H1510と、Z方向(インク滴の吐出方向)のZ突き当て部H1511とを備えている。
また、インク供給部材H1500は、記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H2200を位置決め固定する端子固定部H1512を有し、この端子固定部H1512およびその周囲に、複数のリブが設けられ、端子固定部H1512が設けられた面の剛性を高めている。
(1−3)記録ヘッドユニットとインク供給ユニットとの結合
上述の図5に示したように、記録ヘッドH1001は、記録素子ユニットH1002をインク供給ユニットH1003に結合し、さらにタンクホルダH2000に結合することで完成する。結合は以下のように行われる。
記録素子ユニットH1002のインク供給口(第1のプレートH1200のインク供給口H1201)と、インク供給ユニットH1003のインク供給口(流路形成部材H1600のインク供給口H1601)とをインクが漏洩しないように連通させるため、ジョイントゴムH2300を介してそれぞれの部材を圧着するようビスH2400で固定する。このとき、同時に、記録素子ユニットH1002は、インク供給ユニットH1003のX方向、Y方向、Z方向の基準位置に対してそれぞれ高精度に位置決めされて固定される。
そして、記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H2200は、インク供給部材H1500の一側面に対して、端子位置決め穴H1309(2ヶ所)に端子位置決めピンH1515(2ヶ所)を係合させることによって、所定の位置に位置決めされて固定される。固定方法としては、例えば、インク供給部材H1500に設けられた端子結合ピンH1516を加締めることによって固定されるが、その他の固定手段を用いて固定されてもよい。完成図を図10に示す。
さらに、インク供給部材H1500のタンクホルダH2000との結合穴および結合部をタンクホルダH2000に嵌合させ結合することにより記録ヘッドH1001が完成する。完成図を図11に示す。
(2)記録ヘッドカートリッジの説明
上述の図4は、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する記録ヘッドH1001とインクタンクH1901、H1902、H1903、H1904との装着状態を説明するための図である。
各インクタンクH1901,H1902,H1903,H1904の内部には、対応する色のインクがそれぞれ収容されている。また、図9に示すようにそれぞれのインクタンクには、インクタンク内のインクを記録ヘッドH1001に供給するためのインク供給口H1907が形成されている。例えばインクタンクH1901が記録ヘッドH1001に装着されると、インクタンクH1901のインク供給口H1907が記録ヘッドH1001のジョイント部H1520に設けられたフィルタH1700に圧接され、インクタンクH1901内のブラックインクがインク供給口H1907から記録ヘッドH1001のインク流路H1501を介して第1のプレートH1200を通り第1の記録素子基板H1100に供給される。
そして、電気熱変換素子H1103と吐出口H1107が設けられた発泡室内にインクが供給され、電気熱変換素子H1103に与えられる熱エネルギーによって記録媒体である記録用紙に向けて吐出される。
上述したように、本実施形態の記録ヘッドH1001によれば、硬化後でも弾性を有する第1の封止樹脂材料H1307が、フレキシブルフィルム配線基板H1300の開口部1301a,H1301bと、第2のプレートH1400の開口部H1401a,H1401bと、各記録素子基板H1100,H1101の外周部とからなる凹部内、および各記録素子基板H1100,H1101の電極パッドH1104とスタッドバンプH1105との電気的な接続部分の周囲に設けられたことによって、フレキシブルフィルム配線基板H1300の電極リードH1013の熱伸縮などによる変形で、記録素子基板H1100,H1101や電極パッドH1104とスタッドバンプH1105との接続部分が破損することを抑えられる。そして、記録ヘッドH1001によれば、動作信頼性を確保し、生産性を向上することができる。
本発明に係る実施形態のインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。 図1におけるインクジェット記録ヘッドのA−A断面図である。 図1におけるインクジェット記録ヘッドのB−B断面図である。 インクジェット記録ヘッドが組み込まれた記録ヘッドカートリッジにインクタンクが装着された形態を示す斜視図である。 記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。 記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。 第1の記録素子基板を一部分解して示す斜視図である。 第2の記録素子基板を一部分解して示す斜視図である。 インクタンクを装着した記録へッドカートリッジの断面図である。 記録へッドカートリッジのインク供給ユニットを示す断面図である。 前記記録ヘッドカートリッジを示す斜視図である。 本実施形態に係る記録素子ユニットの要部を示す断面図である。 記録素子ユニットを示す平面図である。 本実施形態に係るスタッドバンプの他の構成を説明するための図であり、(a)が第2の実施形態に係るスタッドバンプの側面図、(b)が第3の実施形態に係るスタッドバンプの側面図である。 従来の一般的な記録素子基板を示す図であり、(a)が記録素子基板を吐出口側から示す平面図、(b)が記録素子基板の側面図、(c)が記録素子基板をインク供給口側から示す平面図である。 図15に示した記録素子基板がフレキシブルフィルム配線基板に電気的に接続された状態を示す平面図である。
符号の説明
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1002 記録素子ユニット
H1003 インク供給ユニット
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1102 インク供給口
H1103 電気熱変換素子
H1104 電極パッド
H1105 スタッドバンプ
H1107 吐出口
H1109 吐出基板
H1110 Si基板
H1013 電極リード
H1014 第1の封止樹脂材料貯留部
H1015,H1016,H1017 連通溝
H1200 第1のプレート
H1300 フレキシブルフィルム配線基板
H1301a,H1301b 開口部
H1304 ベースフィルム
H1305 配線
H1306 レジスト層
H1307 第1の封止樹脂材料
H1308 第2の封止樹脂材料
H1400 第2のプレート
H1401a,H1401b 開口部
H1500 インク供給部材
H2201 外部入力端子
H2200 電気コンタクト基板

Claims (14)

  1. 吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドであって、
    前記吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板と、
    前記記録素子基板に設けられた凹部内に配され、前記エネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、
    前記記録素子基板の外部から前記電極パッドへ電力を供給する電極リードと、
    前記電極パッドと前記電極リードとを電気的導通を伴って接続するバンプと、
    前記凹部内に前記電極パッドと前記バンプとの電気的な接続部分を囲むと共に前記バンプを覆わないように充填された封止樹脂材料と
    を有することを特徴とする液体噴射へッド。
  2. 前記封止樹脂材料は硬化後も弾性を有する熱硬化型樹脂材料であって、更に当該封止樹脂材料の上方に硬化後に剛性を有する他種の熱硬化型樹脂材料が前記バンプと前記電極リードとを埋めるように塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射へッド。
  3. 前記バンプは、前記電極リードとの電気的な接続部分が、前記凹部から突出されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射へッド。
  4. 前記バンプは前記記録素子基板に複数設けられ、前記凹部は前記バンプに対応して当該バンプを囲むように複数設けられており、前記凹部が、隣接する他の凹部と連通溝を介して連通され、且つ、少なくとも1つ以上の前記凹部が前記記録素子基板の外周端に連通されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射へッド。
  5. 前記封止樹脂材料は、熱硬化型シリコーン変性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体噴射へッド。
  6. 前記他種の封止樹脂材料は、熱硬化型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の液体噴射へッド。
  7. 前記バンプには、前記電極パッドとの接続部分近傍に、親水性を有する親水領域が設けられ、前記電極リードとの接続部分近傍に、疎水性を有する疎水領域が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体噴射へッド。
  8. 前記バンプは、前記電極パッドの主面に平行な断面積が、前記電極パッドとの接続部分近傍よりも、前記電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体噴射へッド。
  9. 吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドに用いられ、電極リードにより供給される電力によって前記吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板であって、
    前記記録素子基板に設けられた凹部内に配され、前記エネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、
    前記記録素子基板の外部から前記電極リードを介して前記電極パッドへ供給される電力を受け、前記電極パッドとの接続部分近傍に、親水性を有する親水領域が設けられ、前記電極リードとの接続部分近傍に、疎水性を有する疎水領域が設けられているバンプと
    を有することを特徴とする記録素子基板。
  10. 前記電極パッドの主面に平行な断面積が、前記電極パッドとの接続部分近傍よりも、前記電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されていることを特徴とする請求項9に記載の記録素子基板。
  11. 吐出口から液体を吐出する液体噴射へッドに用いられ、電極リードにより供給される電力によって前記吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配された記録素子基板であって、
    前記記録素子基板に設けられた凹部内に配され、前記エネルギー発生素子と電気的に導通する電極パッドと、
    前記記録素子基板の外部から前記電極リードを介して前記電極パッドへ供給される電力を受け、前記電極パッドの主面に平行な断面積が、前記電極パッドとの接続部分近傍よりも、前記電極リードとの接続部分近傍が大きく形成されているバンプと
    を有することを特徴とする記録素子基板。
  12. 液体を吐出する吐出口および前記液体を前記吐出口に導く流路を形成するノズル部材と、前記吐出口から吐出する前記液体が供給される供給口とを有する記録素子基板と、
    前記記録素子基板が組み込まれるための開口部と、前記開口部近傍に設けられ前記記録素子基板に電気的に接続するための電極リードとを有し、前記液体を吐出するための電気パルスを前記記録素子基板に印加するためのフレキシブルフィルム配線基板と、
    前記記録素子基板を支持する支持部材と、
    前記記録素子基板を前記支持部材に当接させるための開口部を有し、前記フレキシブルフィルム配線基板と前記支持部材との間に介在されて、前記フレキシブルフィルム配線基板を支持する支持板と、
    前記フレキシブルフィルム配線基板の前記開口部と、前記支持板の前記開口部と、前記記録素子基板の外周部とからなる凹部内に充填される第1および第2の封止樹脂材料とを備える液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記記録素子基板を前記支持部材に接着固定するとともに、前記フレキシブルフィルム配線基板を前記支持板に接着固定する第1の工程と、
    硬化後も弾性を有する熱硬化型樹脂材料である前記第1の封止樹脂材料を、前記凹部内に充填するとともに、前記記録素子基板に設けられた電極パッドとバンプとの電気的な接続部分を囲むように設けられた第1の封止樹脂材料貯留部内に充填して硬化させる第2の工程と、
    前記記録素子基板の前記電極パッドを、前記バンプを介して、前記フレキシブルフィルム配線基板の前記電極リードにそれぞれ電気的に接続する第3の工程と、
    硬化後に剛性を有する熱硬化型樹脂材料である前記第2の封止樹脂材料によって、前記記録素子基板と前記フレキシブルフィルム配線基板との電気的な接続部分を被覆する第4の工程と
    を有する液体噴射ヘッドの製造方法。
  13. 前記記録素子基板と前記フレキシブルフィルム配線基板との全ての接続個所を一括して電気的に接続する請求項12に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  14. 前記記録素子基板と前記フレキシブルフィルム配線基板との各接続個所を1本ずつ電気的に接続する請求項12または13に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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