JP2007230085A - 記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造上の課題や記録品位の低下を招くことなく放熱効率を高める
【解決手段】記録ヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子H1103が形成された素子基板H1110と、エネルギー発生素子H1103に対応して設けられるインクの吐出口H1107と、エネルギー発生素子H1103にインクを供給するためのインク流路H1102と、を形成するための、素子基板H1110上に設けられるオリフィスプレートH1124と、素子基板H1110との間に素子基板H1110を冷却するための冷却液が流れる冷却液流路H1131を、インク流路H1102とは独立して形成するための、オリフィスプレートH1124と隣接して素子基板H1110上に設けられる冷却用プレートH1125とを有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録ヘッドおよび記録装置に関し、特に、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドなどの、発熱部を有する記録ヘッドに関する。
従来より、複数のインク吐出口から記録データに基づいて選択的にインク滴を吐出させ、そのインク滴を紙などの記録媒体の記録面に付着させて画像を記録するインクジェット記録ヘッド、およびそれを用いたインクジェット記録装置が実用に供されている。このようなインクジェット記録装置において一般的なシリアルスキャンタイプでは、インクジェット記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向(副走査方向)、および交差する主走査方向に移動するキャリッジ部に搭載されている。
インクジェット記録ヘッドでは、記録素子基板に形成されたエネルギー発生素子に駆動制御信号が供給される。エネルギー発生素子として発熱抵抗素子が用いられる場合、発熱抵抗素子は、プリント配線基板を通して伝えられる駆動制御信号に応じて発熱し、インクが加熱され、膜沸騰現象が生じて、インクに気泡が発生する。そして、気泡の膨張に伴って、インク滴がインク吐出口から吐出され、吐出されたインク滴が記録媒体に着弾して、画像が形成される。
したがって、インクの膜沸騰現象を利用するインクジェット記録方式においては、インクや記録素子基板を含む記録ヘッド自体の温度管理が重要となる。そのため、記録ヘッドの温度をモニタリングし、その温度に見合った駆動条件を設定するなどの制御が行われている。記録ヘッドを保護し、記録品位の低下を防止するために、記録ヘッドの温度が所定の閾値を越えたときに、記録動作を一時的に中断させて、記録ヘッドを冷却させることもある。
このようなインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置においては、近年、銀塩写真に匹敵する高画質・高精細な記録への要求が高まっている。そのため、例えば、染料濃度の異なる、フォトプリント用のシアン、マゼンタ、ブラック、イエローのインクを用いることのできる記録装置が提供されている。フォトシアンおよびフォトマゼンタをさらに含む、6色のインクに対応する記録装置が用いられることもある。これらの場合、各色のインクに対応した記録素子基板が一体に組込まれた記録ヘッドが用いられる。しかし、このようなフォトグレードプリントに対応した記録装置においては、使用するインクの種類が多くなり、また、記録速度を考慮した場合、1色のインク当たりのノズル数や記録幅をある程度確保することが必要となる。そのため、インク吐出時に、記録素子基板の温度が著しく上昇する。
記録ヘッドの昇温を抑えるためには、発熱抵抗素子の発生する熱エネルギーのインクへの伝達効率を改善し、あるいは、記録ヘッドの放熱能力を上げる必要がある。
熱エネルギー伝達効率を改善する場合、発熱抵抗素子とインクとの間の距離を小さくすること、つまり発熱抵抗素子上の保護膜を薄くすることが効果的である。放熱能力を改善するには、記録ヘッドに放熱用部材を設ける方法が考えられる(特許文献1,2参照)。後者の方法によれば、記録ヘッドからの放熱性を高めることによって、難しい制御等によらずに記録ヘッドを冷却することが可能となる。
特開平9−254391号公報 特開2001−105582号公報
しかし、保護膜を薄くする方法では、電極配線として用いられるアルミニウム層のカバレッジやピンホール欠陥などの問題、さらには、駆動IC部の保護膜としての信頼性に問題が生じる。そこで、発熱抵抗素子近傍の保護膜のみを薄くすることも考えられるが、この方式では保護膜を2層に構成する必要がある。そのため、成膜チャンバーが余計に必要となったり、1層目および2層目の膜をパターニングするためのマスクおよび工程が増えたりするなど、製造上の問題が生じる。
放熱用部材を設ける場合、インクが記録ヘッドの吐出口から飛翔する際には、記録媒体上にサテライトドットを形成するような微小インクミストが発生するため、そのインクミストが放熱用部材に付着し続けるおそれがある。インクミストが多量に付着すると、インクミストが記録媒体上に落下して、記録画像を汚す場合がある。インクミストが記録媒体上に落下せずに、プラテンや記録媒体の排出ローラ上に落下して付着すると、記録媒体の裏面の汚れや記録装置本体の汚れが発生し、記録品位の低下を招く。
本発明の目的は、製造上の課題や記録品位の低下を招くことなく放熱効率を高めることのできる記録ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の記録ヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が形成された素子基板と、エネルギー発生素子に対応して設けられるインクの吐出口と、エネルギー発生素子にインクを供給するためのインク流路と、を形成するための、素子基板上に設けられるオリフィスプレートと、素子基板との間に素子基板を冷却するための冷却液が流れる冷却液流路を、インク流路とは独立して形成するための、オリフィスプレートと隣接して素子基板上に設けられる冷却用プレートとを有している。
本発明によれば、インク流路に隣接して冷却液流路が設けられているので、冷却液流路に冷却液を導入することによって、エネルギー発生素子で発生し素子基板に伝達した熱の除熱が可能となる。また、フィンなどの複雑な形状の放熱用部材を用いる必要がないため、インクミストが記録媒体上に落下して記録品位の低下を招くこともない。冷却用プレートは記録媒体対向面にオリフィスプレートと隣接して設けられるので、製造上の問題も少ない。したがって、本発明によれば、製造上の課題や記録品位の低下を招くことなく放熱効率を高めることのできる記録ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供することが可能となる。
(第1の実施形態)以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる記録ヘッドを搭載したヘッドカートリッジの斜視図である。図2は、図1に示すヘッドカートリッジの分解斜視図である。記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、記録ヘッドH1001に着脱自在に設けられたインクタンクH1901,H1902,H1903,H1904とで構成されている。記録ヘッドカートリッジH1000は、インクジェット記録装置の本体(図示せず)に設けられたキャリッジ(図示せず)の位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっている。インクタンクH1901はブラックのインク用、インクタンクH1902はシアンのインク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク用、インクタンクH1904はイエローのインク用である。インクタンクは他色の組合せでもよく、インクタンク数は4つ未満または5つ以上でもよい。インクタンクH1901,H1902,H1903,H1904は、それぞれが独立して記録ヘッドH1001に対して着脱自在、すなわち交換可能となっており、インクジェット記録装置使用時のランニングコストが低減される。
次に記録ヘッドH1001について、さらに詳細に説明する。本実施形態で用いられる記録ヘッドH1001は、インクジェット方式のうち、電気熱変換体で発生した熱エネルギーによって、電気信号に応じた膜沸騰をインクに生じさせる方式のものであり、また、いわゆるサイドシュータ型を採用している。図3は、記録ヘッドの分解斜視図である。図4は、記録ヘッドのさらに詳細な分解斜視図である。
図3を参照すると、記録ヘッドH1001は、記録素子ユニットH1002と、インク供給ユニットH1003と、タンクホルダーH2000とから構成されている。図4を参照すると、記録素子ユニットH1002は、第一の記録素子基板H1100と、第二の記録素子基板H1101とを備えている。記録素子ユニットH1002はまた、支持プレートH1200と、フレキシブル配線基板H1300と、電気コンタクト基板H2200と、FPC(フレキシブル配線基板)保持プレートH1400とを備えている。インク供給ユニットH1003は、インク供給部材H1500と、流路形成部材H1600と、ジョイントゴムH2300と、フィルターH1700と、シールゴムH1800とから構成されている。
図5Aは、第一の記録素子基板の部分拡大斜視図、図5Bは、第一の記録素子基板の平面図、図6は、図5Aの6−6線に沿った第一の記録素子基板の断面図である。図5Bでは、支持プレートH1200は、第一の記録素子基板H1100に対応する部分のみが示されている。第二の記録素子基板H1101は、後述する吐出口列が色毎に複数列形成されている点を除いて第一の記録素子基板H1100と同様であるため、以下では、第一の記録素子基板H1100を中心に説明する。
図5Aを参照すると、第一の記録素子基板H1100は、素子基板H1110を備えている。素子基板H1110は、例えば、厚さ0.5〜1mmのシリコン基板からなっている。素子基板H1110には、長溝状の貫通孔からなる第一のインク供給路H1112が、シリコンの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどで形成されている。素子基板H1110の記録媒体と対向する面(以下、記録媒体対向面H1123という。)には、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子H1103が、成膜技術によって形成されている。エネルギー発生素子H1103は、第一のインク供給路H1112を挟んだ両側にそれぞれ一列ずつ設けられている。図面では、エネルギー発生素子H1103は記録媒体対向面H1123上に露出しているが、実際には保護膜(図示せず)によって被覆されている。
素子基板H1110の記録媒体対向面H1123には、エネルギー発生素子H1103と対向してオリフィスプレートH1124が設けられている。オリフィスプレートH1124は樹脂材料からなり、フォトリソ技術によって形成される。オリフィスプレートH1124は、インクを吐出する吐出口H1107を形成している。吐出口H1107は、フォトリソ技術によって形成される。吐出口H1107はオリフィスプレートH1124の長手方向に、各エネルギー発生素子H1103に対応して複数個設けられ、図5Aに示すように、吐出口群H1108を形成している。
オリフィスプレートH1124は、素子基板H1110との間で、エネルギー発生素子H1103にインクを供給するインク流路H1102を形成している。インク流路H1102から供給されたインクがエネルギー発生素子H1103の近傍に流入すると、エネルギー発生素子H1103の加熱によって膜沸騰を生じ、一部が気泡となる。吐出口H1107は、エネルギー発生素子H1103に対向して設けられているため、インクは、発生した気泡によって、吐出口H1107から吐出される。
エネルギー発生素子H1103への電力は、成膜技術により形成された、アルミニウム等の電気配線(図示せず)によって供給される。電気配線に電力を供給する電極部H1104が、エネルギー発生素子H1103の両外側に配列されている。電極部H1104には、金(Au)等の導電性金属からなるバンプ(図示せず)が形成されている。
図5Aを参照すると、素子基板H1110の記録媒体対向面H1123にはさらに、オリフィスプレートH1124と隣接して、かつ、オリフィスプレートH1124を取り囲むように、冷却用プレートH1125が設けられている。冷却用プレートH1125は、素子基板H1110との間で、素子基板H1110を冷却する冷却液が流れる冷却液流路H1131を、インク流路H1102とは独立して形成している。したがって、第一の記録素子基板H1100の内部や表面で、第一のインク流路H1102を流れるインクと冷却液流路H1131を流れる冷却液とが混合することはない。冷却用プレートH1125は樹脂材料からなり、フォトリソ技術によって、オリフィスプレートH1124および吐出口H1107と同時に形成される。
素子基板H1110の少なくとも冷却液流路H1131が形成されている部位には、冷却液流路H1131内を流れる冷却液に対する耐性を有し、第一の記録素子基板H1100を保護する保護膜(図示せず)が形成されている。保護膜は、エネルギー発生素子H1103や電気配線と同時に、成膜技術によって、素子基板H1110上に直接形成される。あるいは、冷却用プレートH1125を形成する際に、有機材料や樹脂材料を用いてフォトリソ技術により形成してもよい。
図5A,5B,7を参照すると、素子基板H1110には、素子基板H1110を貫通し、かつ、冷却液流路H1131と連通する第一の冷却液供給路H1132が形成されている。第一の冷却液供給路H1132はシリコンの結晶方位を利用した異方性エッチングで形成される。第一の冷却液供給路H1132は、吐出口群H1108の列の長手方向両端に一つずつ、計2箇所設けられている。第一の冷却液供給路H1132の一方は、記録装置に設けられた循環ポンプ(図示せず)の吐出側に、第一の冷却液供給路H1132の他方は、循環ポンプの吸込み側に接続されている。冷却液は片端の第一の冷却液供給路H1132から冷却液流路H1131内に導入され、他端の第一の冷却液供給路H1132から、素子基板H1110の外へ排出され、循環ポンプによって循環する。第一の冷却液供給路H1132は3つ以上設けられていてもよい。この場合、第一の冷却液供給路の少なくとも一つはポンプの吐出側に、他の第一の冷却液供給路はポンプの吸込み側に接続される。
図示は省略するが、第二の記録素子基板H1101はシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを吐出させる記録素子基板であり、3個の吐出口群が並列して形成されている。各色のインク供給路を挟んだ両側に、エネルギー発生素子およびインク吐出口が形成されている。第一の記録素子基板H1100と同様、シリコン基板にインク供給路、電気熱変換素子、電気配線、電極部などが形成されており、その上に、フォトリソ技術によって、樹脂材料からなるオリフィスプレートおよび冷却用プレートが形成されている。
図7は、記録素子基板が支持された支持プレートの断面図である。同図は、図5Bの7−7線から見た断面図である。支持プレートH1200は、第一の記録素子基板H1100を保持固定しており、例えば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al23)材料で形成されている。支持プレートH1200は、アルミナに限らず、第一の記録素子基板H1100の材料と同等の線膨張率を有し、かつ、第一の記録素子基板H1100の材料と同等もしくは同等以上の熱伝導率を有する材料で作ることができる。支持プレートH1200を形成する材料の他の例として、シリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が挙げられる。
支持プレートH1200は、支持プレートH1200を貫通し、第一のインク供給路H1112と連通して、インク流路H1102にインクを供給する第二のインク供給路H1212を有している。図示しないが、第二の記録素子基板H1101にも、シアン、マゼンタ、イエローのインクを供給するインク供給路が互いに隣接して形成されている。支持プレートH1200はまた、支持プレートH1200を貫通し、第一の冷却液供給路H1132と連通して、冷却液流路H1131に冷却液を供給する第二の冷却液供給路H1232を有している。記録素子基板H1100は、第一のインク供給路H1112と第二のインク供給路H1212とが、および第一の冷却液供給路H1132と第二の冷却液供給路H1232とがそれぞれ略一致するように、支持プレートH1200に接着固定されている。接着に用いられる接着剤は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性のあるものが望ましく、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が用いられる。接着層の厚みは50μm以下が望ましい。
冷却液は、循環ポンプによって矢印C方向に循環し、素子基板H1110の表面を冷却する。記録ヘッドH1001の動作に伴って記録素子基板H1100の冷却液流路H1131で暖められた冷却液は、記録ヘッドH1001から離れた位置で熱交換され、記録素子基板H1100の表面を冷却するように、再び冷却液流路H1131に向けて循環する。本実施形態では、冷却液流路内を循環する冷却液は純水等であり、インクとは異なる液体である。
再び図4を参照すると、フレキシブル配線基板H1300は、第一の記録素子基板H1100および第二の記録素子基板H1101に、インクを吐出するための電気信号を印加する。フレキシブル配線基板H1300には、各記録素子基板H1100,H1101が組込まれる、記録素子基板H1100,H1101の外形寸法より大きな開口部H1301a,H1301bが形成されている。開口部H1301a,H1301bには、各記録素子基板H1100,H1101の電極部H1104と電気的に接続される電極端子H1302が設けられている。電極部1104と電極端子H1302とは熱超音波圧着法などで電気的に接合され、フレキシブル配線基板H1300と各記録素子基板H1100,H1101は、電気的に接続される。フレキシブル配線基板H1300は、支持プレートH1200の側面に沿って折り曲げられ、支持プレートH1200の側面に、エポキシ樹脂を主成分とした厚さ10〜100μmの熱硬化接着剤で接着されている。折り曲げられたフレキシブル配線基板H1300の端部には、電極端子部H1303が形成されている。電極端子部H1303は、異方性導電フィルム等を用いた熱圧着によって、電気コンタクト基板H2200の外部信号入力端子H2201と電気的に接続され、プリンタ本体からの電気信号を受け取る。電極端子H1302と電極端子H1303とは、連続した銅箔の配線パターン(図示せず)によって電気的に接続している。記録素子基板H1100,H1101とフレキシブル配線基板H1300との電気接続部分は、インクによる腐食や外的衝撃から保護するため、封止剤(図示せず)によって封止されている。
FPC保持プレートH1400は、記録素子基板H1100,H1101とフレキシブル配線基板H1300とが平面的に電気接続されるように設けられている。FPC保持プレートH1400は、厚さ0.5〜1mmの一枚の板状部材からなり、アルミナ等のセラミックや、Al、SUSなどの金属材料で形成されている。FPC保持プレートH1400は、支持プレートH1200に接着剤によって接着されている。フレキシブル配線基板H1300の裏面は、接着剤によってFPC保持プレートH1400に接着固定されている。FPC保持プレートH1400には開口部H1401a,H1401bが設けられ、その内側に記録素子基板H1100,H1101が装着されている。
インク供給部材H1500は、インクタンクH1901〜H1904から記録素子ユニットH1002にインクを導く部品であり、流路形成部材H1600が超音波溶着されて、インク流路を形成している。流路形成部材H1600およびインク供給部材H1500には、第二の冷却液供給路H1232と連通する冷却液流路(図示せず)、および第二のインク供給路H1212と連通するインク流路(図示せず)が設けられている。冷却液は記録ヘッド内に貯蔵されていてもよいし、インクジェット記録装置本体内に貯蔵されていてもよい。インク供給ユニットH1003は、第二の冷却液供給路H1232および第二のインク供給路H1212が、内部液体のリークを生じることなく記録素子ユニットH1002と連通するように、ジョイントゴムH2300を介して、ビスH2400で固定されている。
インク供給部材H1500は、樹脂成形により形成されている。樹脂材料には、形状的剛性を向上させるため、ガラスフィラーを5〜40%混入することが望ましい。インクタンクH1901〜H1904と係合するジョイント部(図示せず)には、外部からのゴミの進入を防ぐフィルターH1700が、溶着により接合されている。ジョイントからのインクの蒸発を防止するために、シールゴムH1800が装着されている。インク供給部材H1500は、着脱自在のインクタンクH1901〜H1904を保持する機能も有し、インクタンクH1901〜H1904の爪(図示せず)と係合する穴(図示せず)を有している。
インクタンクH1901〜H1904には、記録ヘッドH1001に供給されるインクが貯蔵されている。インクタンクH1901が記録ヘッドH1001に装着されると、インクタンクH1901に設けられたインク供給路(図示せず)が、記録ヘッドH1001のジョイント部に設けられたフィルターH1700と圧接される。インクタンクH1901に貯蔵されたブラックインクは、インク供給路から、記録ヘッドH1001のインク流路を介して、支持プレートH1200を通り、第一の記録素子基板H1100に供給される。インクは、第一のインク流路H1112に流入し、エネルギー発生素子H1103から与えられる熱エネルギーによって、吐出口H1107から記録媒体(記録用紙)に向けて吐出される
以上説明した記録ヘッドを用いて、印字検討を行った。記録素子基板H1100に冷却液流路H1131を設けた場合は、設けない場合と比べて大きな差が見られた。すなわち、記録ヘッドの温度は所定の閾値を越えず、記録動作が一時的に中断することもなく、従来技術と比べて印字速度の向上が図られた。記録素子基板H1100の電気熱変換素子の形成面を冷却液で直接冷却するため、記録ヘッド全体の温度が安定し、膜沸騰によって発生する気泡の大きさが一定となったため、印字品位も安定化した。
(第2の実施形態)本実施形態では、冷却液流路内を循環する液体としてインクを用いている。すなわち、記録素子基板H1100、H1101の冷却液として、インクを用いている。インク流路H1102に導かれて吐出されるインクと、冷却液流路H1131に導かれて記録素子基板H1100の冷却に寄与するインクは、記録ヘッドのインク供給ユニット内で混合する。上記以外の構成は、第1の実施形態で示したものと同様である。
冷却液流路H1131はインク流路H1102とは独立して設けられており、記録素子基板H1100内において両方の流路H1131、H1102を流れるインク同士が混合することはない。しかし、冷却液流路H1131内を循環したインクは、エネルギー発生素子H1103の発する熱によって温度が上昇している。温度が上昇したインクがただちにインク流路H1102に導入され吐出されると、記録素子基板H1100の冷却効果が低下するだけでなく、膜沸騰の発生が不安定となり、発生する気泡の大きさが一定しない可能性がある。したがって、冷却用のインクと吐出用のインクとが混合する位置は、必ずしもインク供給ユニット内である必要はないが、記録素子基板H1100からできる限り離れた部位とすることが望ましい。
本実施形態では、冷却液流路内を循環する液体としてインクを用いているため、冷却液専用の貯液部を設ける必要がなく、記録ヘッドやインクジェット記録装置全体の大型化を防止できる。
本実施形態で示した記録ヘッドを用いて、印字検討を行ったところ、第1の実施形態と同様、記録動作の中断が生じず、印字速度の向上が図られた。また、膜沸騰によって発生する気泡の大きさが一定となり、印字品位も安定化した。
(第3の実施形態)図8は、第一の記録素子基板の部分拡大斜視図、図9は、図8の9−9線に沿った第一の記録素子基板の断面図である。図10は、記録素子基板が保持固定された支持プレートの断面図である。図10は、図7と同じ方向から見た断面図である。本実施形態では、オリフィスプレートH1124aが冷却用プレートと一体に形成されている。本実施形態は、特に良好なワイピング動作が得られることに特徴がある。すなわち、インクジェット記録装置の印字動作時には、良好な印字結果を得るために、一定の頻度で記録ヘッドの吐出口付近をクリーニングする、いわゆるワイピングが行われる。これは吐出口近傍に付着した印字に寄与しないインクをインクジェット記録装置本体に取り付けられたワイパーで拭う動作である。オリフィスプレートと冷却用プレートとが一体に形成されていると、ワイピング動作時にワイパーによって拭われたインクが、オリフィスプレートと冷却用プレートとの隙間に入り込むことがない。したがって、隙間に入り込んだインクが水分の蒸発と共に増粘して、不具合が引き起こされることもない。上記以外の構成は、第1,第2の実施形態と同様とした。
本実施形態で示した記録ヘッドを用いて、印字、およびワイピング検討を行った。第1,第2の実施形態と同様、記録動作の中断が生じず、印字速度の向上が図られた。また、膜沸騰によって発生する気泡の大きさが一定となり、印字品位も安定化した。ワイピング検討を行った結果、拭われたインクが、オリフィスプレートと冷却用プレートの隙間に入り込んでしまうことがなく、良好な結果が得られた。
本発明の第1の実施形態にかかる記録ヘッドを搭載した記録ヘッドカートリッジの斜視図である。 図1に示す記録ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 図1に示す記録ヘッドの分解斜視図である。 図1に示す記録ヘッドの分解斜視図である。 第一の記録素子基板の部分拡大斜視図である。 第一の記録素子基板の平面図である。 図5の6−6線に沿った第一の記録素子基板の断面図である。 記録素子基板が保持固定された支持プレートの断面図である。 本発明の第3の実施形態における第一の記録素子基板の部分拡大斜視図である。 図8の9−9線に沿った第一の記録素子基板の断面図である。 本発明の第3の実施形態における、記録素子基板が保持固定された支持プレートの断面図である。
符号の説明
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 第一の記録素子基板
H1101 第二の記録素子基板
H1102 インク流路
H1103 エネルギー発生素子
H1107 吐出口
H1110 素子基板
H1112 第一のインク流路
H1123 記録媒体対向面
H1124,H1124a オリフィスプレート
H1125 冷却用プレート
H1131 冷却液流路
H1132 第一の冷却液供給路
H1200 支持プレート
H1232 第二の冷却液供給路
H1800 インクタンク

Claims (9)

  1. インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が形成された素子基板と、
    前記エネルギー発生素子に対応して設けられるインクの吐出口と、前記エネルギー発生素子にインクを供給するためのインク流路と、を形成するための、前記素子基板上に設けられるオリフィスプレートと、
    前記素子基板との間に該素子基板を冷却するための冷却液が流れる冷却液流路を、前記インク流路とは独立して形成するための、前記オリフィスプレートと隣接して前記素子基板上に設けられる冷却用プレートと、
    を有する記録ヘッド。
  2. 前記素子基板は、該素子基板を貫通し前記冷却液流路と連通する第一の冷却液供給路を有している、請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記素子基板を支持する支持プレートを有し、
    該支持プレートは、該支持プレートを貫通し前記第一の冷却液供給路と連通する第二の冷却液供給路を有している、
    請求項1または2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記冷却液は前記インクとは異なる液体である、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  5. 前記冷却液は前記インクと同一の液体である、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  6. 前記オリフィスプレートと前記冷却用プレートとは一体に形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  7. 前記エネルギーは熱エネルギーである、請求項1から6のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  8. 前記素子基板は少なくとも2つの前記第一の冷却液供給路を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  9. 請求項8に記載の記録ヘッドと、
    前記冷却液を循環させる循環ポンプと、
    を有し、
    少なくとも2つの前記第一の冷却液供給路の少なくとも一つは前記ポンプの吐出側に、他の前記第一の冷却液供給路は前記ポンプの吸込み側に接続されている記録装置。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132095A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Canon Inc 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2012000978A (ja) * 2010-05-19 2012-01-05 Canon Inc 液体吐出ヘッド
US11331915B2 (en) 2017-03-15 2022-05-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection dies

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