JP4575601B2 - 中空構造の電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化により中空構造の電子デバイスの製造方法に関し、特に中空構造の圧電変換デバイスを短時間に得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光デバイス、電子デバイス又は光電子デバイスなどは、周囲の温度変化及び湿度変化などの外部環境の変化に性能及び耐久性が大きく影響を受けやすい。そのため、液状樹脂などで封入したり、パッケージ化して、外部環境から保護した状態で使用されている。封入方法としては、箱状構造に入れ込む気密封止と樹脂で全体を覆い込む樹脂封止に大別される。
【0003】
樹脂封止については、トランスファー成形法、注形法、侵積法、滴下法などデバイスに密着して覆い込む方法が知られている。例えば、特開2000−264955には、耐湿性、耐熱性に優れた(A)1分子中に少なくとも1個のオキシラン環及び/又はオキセタン環を有する化合物;(B)オニウム塩;(C)有機過酸化物;及び(D)水酸化物を除くアルカリ性充填剤を含むカチオン重合性樹脂組成物が記載されており、この組成物は中空部分を形成せずにデバイスを封止することを目的としている。しかし、圧電変換素子、例えば表面弾性波フィルタなどのように、振動を伝播することが機能を発揮するのに必須の素子については、パッケージ内に中空部を設ける必要があり、このような樹脂封止は適用できなかった。
【0004】
ここで、気密封止では、金属を用いた封止法が主流であったが、近年は、樹脂やセラミックスなどの中空パッケージ内にデバイスを固定し、ケース上部を石英ガラス、セラミックス板などの光透過性の材料で蓋をし、接着性組成物で固定する方法が増加している。図3及び4に、従来の気密封止法の工程を示す。しかし、このような方法では、ワイヤーボンディング法でデバイスの電極と基板のランドを接合した後、その周囲に中空構造のパッケージを形成するため、個々の部材を予め加工する工程、基板と蓋の整合性、基板と蓋の封止剤が必要であり、更に構造上の理由からパッケージの体積を小さくすることは困難であった。
【0005】
そこで、より簡便に気密封止を行うため、次のような試みがなされていた。例えば、特開昭52−91647には、外周器の微小部を残して合成樹脂で加熱封止し、残る未封止部を液状合成樹脂で加熱封着することによって、美麗良好に中空封止する方法が記載されている。また、特開昭54−154972には、プラスチツク樹脂のシ−ト材料から中空部を形成した成形品を用い、電子部品体を連続的にモ−ルドする方法が記載されている。更に、特開平11−199651には、透明や半透明のガラス板などで、デバイス用中空パッケージを気密封止するために用いられる接着剤で、極めて耐湿性に優れ、かつ低応力化がなされており、加熱することなしに、迅速に硬化可能であり、良好な作業性を有する樹脂組成が記載されている。しかしながら、これらの方法はいずれも工程数が多く、時間及びコスト面で経済性が悪いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、中空構造の電子デバイスの製造方法、特に、中空構造の圧電変換素子を包含する構造体、圧電変換素子を包含する中空構造の電子デバイスを簡便に製造し得る方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に用いる電子デバイスは、基板と、基板の上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子とを、紫外線硬化型封止剤により形成される横壁で封止した中空構造の電子デバイスである。
【0008】
本発明に用いる素子は、圧電変換素子であることが好ましい。また、該素子は、表面弾性波フィルタであることが好ましい。本発明に用いる封止剤は、その粘度が、50〜200Pa・sであることが好ましい。更に、本発明に用いる封止剤は、(A)1分子中に少なくとも1個のオキシラン環及び/又はオキセタン環を有する化合物を少なくとも3種;(B)粒子径が0.1〜50μmの微粒子の充填材;(C)粒子径が0.1μm未満の超微粒子;及び(D)カチオン系硬化剤を含むことが好ましい。ここで、封止剤中の(A)成分に含まれる単官能性のモノマーは、15重量%以下であることが好ましい。なお、電子デバイスの中空構造は、該素子の発生させる振動を、その中空部により伝播し得る構造であることも好ましい。
【0009】
製造方法の一例は、基板上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子の周縁に、紫外線硬化型封止剤を描画し、紫外線照射し、80〜150℃で加熱して、電子デバイスを封止する横壁を形成する、中空構造の電子デバイスの製造方法である。
【0010】
本発明の製造方法の例は、基板上に、紫外線硬化型封止剤をデバイスとほぼ同じ大きさに描画し、紫外線照射し、基板上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子を該封止剤中に載置し、それらを上から80〜150℃で加熱圧着して、該電子デバイス周縁を紫外線硬化型封止剤で封止する、中空構造の電子デバイスの製造方法である。
【0011】
本発明の製造方法によれば、封止剤は、その粘度が、50〜200Pa・sであることが好ましい。また、本発明に用いる封止剤は、(A)1分子中に少なくとも1個のオキシラン環及び/又はオキセタン環を有する化合物を少なくとも3種;(B)粒子径が0.1〜50μmの微粒子の充填材;(C)粒子径が0.1μm未満の超微粒子;及び(D)カチオン系硬化剤を含むことが好ましい。ここで、封止剤中の(A)成分に含まれる単官能性のモノマーは、15重量%以下であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の電子デバイスに用いる素子には、圧電変換素子を用いることができる。ここで、圧電変換素子とは、圧電効果や電歪効果を利用して、機械量を電気量に、またその逆の変換をする素子をいう。前者としては、例えば、力及び加速度センサ、圧力センサ、超音波センサ、マイクロフォン、振動ピックアップ、圧電点火素子が挙げられる。また、後者、すなわち、圧電アクチュエータとしては、微小変位素子、VTRヘッド制御、バイモルフ、プリンタヘッド、圧電ブザー、圧電スピーカ、加湿器、圧着器などが挙げられる。また、電気量をいったん機械量に変換し、また電気量に戻すものとして、超音波診断、魚群探知機用の探触子、セラミックフィルタ、表面波フィルタ、超音波顕微鏡用のプローブ、自動車用バックソナー、圧電トランスなどが挙げられる。圧電変換素子のうち、表面弾性波素子が好ましい。
【0013】
本発明の封止剤組成物の粘度は、50〜200Pa・sであることが好ましい。
【0014】
本発明で用いる(A)成分は、分子中に少なくとも1個のオキシラン環及び/又はオキセタン環を有する化合物少なくとも3種の混合物である。封止作業や形成が簡便なため、(A)成分自体が常温で液状、又は常温で固体の(A)成分を希釈剤で希釈し、若しくは液状オキシラン環含有化合物と併用して、全体として常温で液状を呈することが好ましい。(A)成分自体は、常温で液状であることがより好ましい。なお、ここで常温で液状とは、25〜40℃で流動性を有するものをいう。また、(A)成分に含まれる単官能性モノマーは、15%以下であることが好ましい。本発明の(A)成分は、全部の成分を一度に混合することができる。この(A)成分は、混合しただけでは、重合しないため、紫外線(UV)照射時、又は加熱時に重合させる。
【0015】
オキシラン環を有する化合物としては、代表的には、エポキシ樹脂のような分子中に2個を越える数のオキシラン環を有する低分子又は高分子の化合物のほか、分子中に1個又は2個以上のオキシラン環を有する反応性希釈剤、オキシラン環を有するシラン化合物やシロキサン化合物が挙げられる(A)成分として用いるエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である場合、平均分子量は350〜450が好ましい。また、(A)成分として用いるエポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂である場合、平均分子量350〜900が好ましい。
【0016】
本発明の(A)成分に用いるエポキシ樹脂としては、常温で液状のエポキシ樹脂、分岐状多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、常温で固体から超高粘性のエポキシ樹脂など公知の化合物を用いることができる。また、基材への接着性を向上させるため、シラン化合物を少量を配合して用いることができる。
【0017】
オキセタン環を含有する化合物としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、多官能性オキセタン含有化合物、多オキセタン化合物を用いることができる。特に、1.4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンのようなオキセタン含有化合物が好ましい。
【0018】
本発明においては、このような(A)成分の3種以上を選択して用いることにより、封止剤組成物を硬化して得られる硬化物のガラス転移点を、70〜200℃の範囲で任意に変えることができる。ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、多官能オキセタン化合物などが好ましく、単官能性モノマーの併用は(A)成分の15重量%以下、好ましくは10重量%以下とすることが更に好ましい。特に、(3′,4′−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(エポキシ等量:135、粘度:0.03Pa・s)のような脂環式エポキシ樹脂、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン(分子量:335、粘度:0.002Pa・s)のようなオキセタン樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:185、粘度:0.9Pa・s)のようなビスフェノールA型樹脂、及び三環式エポキシ樹脂〔エポキシ等量:212、固体(25℃)〕のような多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0019】
本発明において、反応性希釈剤を用いてもよい。例えば、1分子中に1個又は2個以上のオキシラン環を有する、常温で比較的低粘度の化合物を用いてもよく、目的に応じて、オキシラン環以外に、他の重合性官能基又は不飽和カルボン酸残基を有していてもよい。このような反応性希釈剤としては、モノ、ジ若しくはトリエポキシド化合物などを用いることができる。
【0020】
本発明に用いる(B)成分の微粒子の充填材は、粒径0.1から50μmの粒度範囲が好ましく、更に好ましくは0.2から10μmがより好ましい。(B)成分の微粒子の充填材は、線膨張率及び吸水率を低下させるものを用いることができる。(B)成分として、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ボロン、炭化ケイ素のようなのような公知の充填材を用いることができる。無機酸化物が好ましく、二酸化珪素ケイ素粉末が特に好ましい。(B)成分の粒子の形状は、素子及び基板を傷つかない形状、例えば真球状、球状などが好ましい。また、(B)成分には、塩素イオン残留量が少ないものが好ましい。色合いはどのようなものでも用いることができる。
【0021】
本発明の(B)成分の配合量は、50〜80重量%が好ましく、60〜80重量%がより好ましい。
【0022】
(C)成分の超微粒子の充填材は、粒径0.1μm未満が好ましく、粒径50nm以下の超微粒子粉末(ナノパウダー)が更に好ましい。最も好ましくは、2〜50nmである。(B)成分の充填材として用い得る材料の超微粒子粉末を用いることができる。例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ボロン、炭化ケイ素のような無機酸化物が挙げられる。特に、二酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化アルミニウムが好ましい。粒子の形状は、どのような形状でも用いることができ、真球状、球状、多面体、不定形、それらの混合物が好ましい。(C)成分の純度は99.5%以上が好ましい。色合いはどのようなものでも用いることができる。(C)成分の超微粒子の充填材は、塗布した封止剤の形状を保ち、所望の塗布領域を越えて滲み出すことを防止する。
【0023】
本発明の(C)成分の配合量は、0.1〜2重量%が好ましく、0.2〜2重量%がより好ましい。
【0024】
本発明の封止剤組成物に、特定の粒径分布を有する、例えば1種類以上の粒径範囲を有する充填材を含むという本発明の充填材に係る特徴を阻害しない範囲で、(B)又は(C)成分に用いた以外の充填剤を配合することができる。このとき、添加した充填材のpHを全て合せると、弱酸性から塩基性であることが好ましい。
【0025】
本発明に用いる(D)成分カチオン系硬化剤は、加熱又は光照射によって(A)成分中のオキシラン環及び/又はオキセタン環を開環させることにより、(A)成分を網状構造化して組成物を硬化させるため、ヨウ化塩、硫化塩、ホウ化塩、オニウム塩のようなカチオン重合触媒を用いることができるが、特にオニウム塩が好ましい。潜在性触媒として組成物中に配合して用いることができ、加熱及び/又はUV照射によって、封止剤組成物を短時間で硬化させることができるものが好ましい。また、任意に光増感剤を添加してもよい。例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系などの公知の光増感剤を用いることができる。ベンジル(ジベンゾイル)が好ましい。
【0026】
本発明の(D)成分の配合量は、0.1〜10重量%、特に0.2〜1重量%が好ましい。
【0027】
本発明の封止剤組成物は、(A)成分が15〜40重量部であるとき、(B)及び(C)成分の合計量が60〜85重量部であるような割合であり、更に(D)成分を適切な量で含む、UV硬化型封止剤が好ましい。
【0028】
本発明において、更に、(E)成分として、他の成分の機能を阻害しないように、着色剤を配合してもよい。着色剤のpHが6以上である着色剤が好ましい。このような着色剤としては、カーボンブラック、黒色酸化鉛、Cu系複合酸化物のような黒色顔料、べんがら若しくはコバルトブルーのような彩色系の無機着色剤、クロモフタール系、キナクリドン系若しくはフタロシアニン系のような有機顔料などが例示され、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また、任意に2−メチル−4−エチルイミダゾールのような硬化促進剤などを添加することができる。
【0029】
本発明の封止剤は、公知の方法で製造することができる。このとき、全成分を一度に混合して、製造することもできる。
【0030】
本発明の封止剤は、粘度50〜200Pa・sが好ましく、ガラス転移点は、70〜200℃、更に80〜200℃が好ましい。また、長期間貯蔵する場合は、冷暗所(温度0〜−40℃)に保管することが好ましい。
【0031】
本発明の封止剤及び電子デバイスは、耐熱性に優れる。例えば、本発明の封止剤組成物及び電子デバイスは、UV硬化後、220〜260℃の温度に耐える。
また、本発明の電子デバイスは、封止性(気密性)に優れている。例えば、樹脂組成物を硬化させて得た硬化試料を粉砕してポリテトラフルオロエチレン瓶に入れ、20mlの純水を注ぎ、プレッシャークッカー試験器中に121℃、2気圧の条件で20時間加熱し、抽出液のpHと電気伝導度を測定したが、変化は見られない。更に、本発明の電子デバイスは、耐湿性にも優れている。例えば、温度60℃、相対湿度90%の条件下に恒温恒湿槽に放置したところ、1000時間後にも変化は見られない。
【0032】
本発明の封止剤組成物は、硬化後のボイドの形成を防止するために、予め脱泡されていてもよい。また、他の添加剤を任意に加えてもよい。
【0033】
本発明による中空構造の電子デバイスは、5mm以下の大きさが好ましく、特に2mm以下の大きさが好ましい。
【0034】
本発明の製造方法の実施の一例によれば、図1に示すように、基板1上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子3の周縁に、UV硬化型封止剤を描画して、円筒体2を形成し、UV照射し、80〜150℃で加熱して、硬化させて、素子3を封止する横壁2を形成することにより、電子デバイスを封止し、中空部4を有し、基板1に載置された素子3を包括する中空構造の電子デバイスを製造することができる。
【0035】
本発明の製造方法の実施の他の例によれば、図2に示すように、基板1上に、UV硬化型封止剤を円筒体2状に描画し、UV照射して、軽く硬化させる。基板1上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子3を、円筒体2の中空部分にはまるように、円筒体2中に載置し、それらを上から80〜150℃で加熱しながら圧着して、素子3周縁をUV硬化型封止剤で封止することにより、中空部4を有し、基板1に載置された素子3を包括する中空構造の電子デバイスを製造することができる。
【0036】
また、本発明の製造方法によれば、封止剤のUV硬化により、横壁2表面に耐圧構造の膜を形成することができる。また、それと同時に、毛管現象による内部への樹脂の進入を抑制することができる。
【0037】
本発明の製造方法によれば、封止剤の描画又は素子及び横壁の位置合わせ方法は、慣用の方法を用いることができる。そのなかで、ディスペンス法、孔版、転写などの方法が好ましい。ディスペンス法では、円筒体を一つづつドーナツ状に描画して、その上から中空部分に素子が入るように素子をのせて作成することが望ましい。孔版印刷、転写のような方法では、基板上に本発明の封止剤組成物を、素子の形状に合わせて輪郭や四隅を点で描画した後、各点の間をつなぐように再描画するなどしてもよく、同時に複数個塗布し、対応する複数個の素子をのせ、硬化させた後に分割して、形成することが望ましい。また、いずれの方法においても、素子を基板に配置してから描画してもよい。
【0038】
本発明の製造方法に用いる素子のサイズは、5mm以下の大きさが好ましく、特に2mm以下の大きさが好ましい。本発明の製造方法に用いる素子は、蓋にあたる天板を有するか、フリップチップ方式若しくはビームリード方式、或いは表面実装型の素子などの素子が好ましい。しかし、これ以外の形式の素子であっても、封止する前又は後で、蓋となる天板をつけることで対応し得る。
【0039】
本発明の製造方法では、UVは、強度1500〜2500mJが好ましく、強度1700〜1900mJで照射することがより好ましい。
【0040】
本発明の製造方法によれば、UVを照射した後、低温で加熱して硬化させることができる。このときの温度は、80〜150℃が好ましく、110〜130℃がhい。
【0041】
本発明の製造方法によれば、素子を、軽く硬化させた封止剤及び基板に加熱しながら圧着させることができる。このときの温度は、80〜150℃が好ましく、く、100〜120℃がより好ましい。荷重は、1バンプ当たり30〜80gが好ましい。
【0042】
本発明の中空の電子デバイスは、表面波フィルタ、セラミックスフィルタ、セラミックス発信子、水晶振動子、超音波診断、魚群探知機用の探触子、超音波顕微鏡用のプローブ、自動車用バックソナー、圧電トランスなどの中空構造が必要とされ、かつ小型化が求められる部品の分野に用いることができる。また、2GHz以上の動作速度を有する半導体として用いることもできる。
【0043】
【実施例】
本発明を、下記の実施例により詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0044】
実施例中で用いる樹脂として、次のものを用いる。脂環式エポキシ樹脂は、(3′,4′−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いた(エポキシ等量:135、粘度:0.03Pa・s)。オキセタン樹脂は、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンを用いた(分子量:335、粘度:0.002Pa・s)。ビスフェノールA型樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた(エポキシ等量:185、粘度:0.9Pa・s)。多官能エポキシ樹脂は、三環式エポキシ樹脂を用いた〔エポキシ等量:212、固体(25℃)〕。
【0045】
また、実施例中で用いる微粒子の充填材として、粒径0.1〜50μmの二酸化ケイ素粉末を用いた。粒子径が0.1μm未満の超微粒子として、粒径26nm、BET面積110m2、純度99.9%、pH4の二酸化ケイ素粉末を用いた。
【0046】
実施例中、カチオン系硬化剤として、オニウム塩を用いた。光増感剤として、ジベンゾイルを用いた。過酸化物として、t−ブチルペルオキシベンゾエートを用いた。イミダゾールとして、2−メチル−4−エチルイミダゾールを用いた。
【0047】
参考例1
素子は、大きさ2mm角、バンプ数16個で、バンプ高さ40μmのフリップチップ構造のフィルターを用い、基板は、スズめっき銅張り基板を用いた。このフィルターを基板にはんだ接続した。その後、デイスペンス法を用いて、フィルターの周囲に、表1中の参考例1の組成を有する封止剤を、フィルター周縁部を囲むように、幅300μmの線幅で描画した。その後、UV硬化炉、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製「HP−6」内で、UVを1800mJ照射し、120℃60分間熱硬化させた。硬化させたものを、超音波走査顕微鏡(米SONIX社製)を用いて、封止樹脂の内部流れ込みの状況を観察した。硬化条件及び結果を表2に示す。また、横壁形成領域を設定し、その領域からにじみ出た距離を、ブリード距離とした。
【0048】
参考例2
参考例2の封止剤組成物を用いた以外は、参考例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0049】
実施例1〜3
素子は、金製の引きちぎりスタッドバンプを使用したフィルター(Test Element Group:TEG)を用いた。バンプの先に熱硬化性導電接着剤を転写した。基板側に、表1中の実施例1〜3の組成を有する封止剤組成物を孔版で印刷した。基板は、金をフラッシュメッキした銀−パラジウム配線されたセラミックス基板を用いた。ボンダー(松下電気産業(株)製パナサートFCB−2M)を用い、素子を基板側に実装した。素子、封止剤及び基板に、UV1800mJ照射後、120℃60分熱硬化させ、本発明の電子デバイスを得た。性能試験の結果を、表2に示す。
【0050】
比較例1〜3
表1に示すように、比較例1及び2は、(B)及び(C)成分を含み、(A)成分は2種のみであり、また、(D)カチオン系硬化剤の代わりに、メチルナジック酸無水物を含む熱硬化性組成物を用いた以外は、参考例1と同様にして測定した。比較例3は、(A)成分は1種のみであり、更に(C)成分を含まないUV硬化性組成物を用いた以外は、参考例1と同様にして測定した。性能試験の結果を表2に示す。樹脂のにじみ出し距離は測定できなかった。天板を剥がすとフィルター表面、基板全面に樹脂が流れ出していた。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
表2から明らかなように、本発明の封止剤組成物はブリード距離が短く、横壁形成領域からほとんどはみ出さずに硬化している。そのため、本発明の製造方法によれば、中空構造のデバイスを簡便に製造することができる。これに比較して、比較例1〜3の封止剤組成物は測定不能なほどブリードした。比較例1〜3では横壁形成領域以外のデバイス内部にも封止剤組成物が入り込み、中空部を形成することができなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の中空構造の電子デバイス及びその製造方法によれば、工程数少なく簡便に製造でき、またそこで用いる本発明の封止剤組成物は成形性、耐熱性、耐湿性に優れるため、高い生産性を達成しつつ、低コストで、本発明の短小軽薄な中空構造の電子デバイスを簡便に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す工程概略図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例を示す工程概略図である。
【図3】従来技術の一例を示す工程概略図である。
【図4】従来技術の他の例を示す工程概略図である。
【符号の説明】
1 基板
2 封止部、横壁、円筒体、封止剤
3 電子デバイス、素子、チップ、圧電変換素子
4 中空部
11 基板
12 封止剤
13 電子デバイス、素子、チップ、圧電変換素子
14 ワイヤ
15 ケース
16 壁、横壁、蓋
Claims (1)
- 基板上に、紫外線硬化型封止剤をデバイスとほぼ同じ大きさに描画し、紫外線照射し、基板上面に対し相対する電極部及び回路を有する素子を該封止剤中に載置し、それらを上から80〜150℃で加熱圧着して、該電子デバイス周縁を紫外線硬化型封止剤で封止する、中空構造の電子デバイスの製造方法。
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