JP5170187B2 - ゼオライトビーズ成形体、及びこれを用いた吸着除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体、そのゼオライトビーズ成形体を用いたフロン冷媒中の水を吸着除去する方法に関するものである。さらに詳しくは、乾燥脱水用あるいは吸着分離用として工業的に広く用いられ、フロン冷媒中の水を吸着除去するにおいて有用となるフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体、その製造方法及びこのゼオライトビーズ成形体を用いた水を吸着除去する方法に関するものである。
通常、ゼオライト成形体は、ゼオライト粉末に粘土系バインダーおよび成形助剤として増粘剤あるいは分散剤などを添加し、ビーズ、ペレットなど目的に応じた形状に造粒成形される。
ゼオライト結晶と非吸着成分の粘土系バインダーを用いて製造される吸着剤において、優れた吸着性能を発揮させるためにはいかにバインダー成分を低減させるかがポイントとなる。しかしながら、吸着剤用途によってはその用途に応じて要求される物性及び特性が異なることがあり、特に水分除去を目的とした乾燥剤用途の場合、振動、加熱再生など過酷な条件下で使用されるため、成形体中のゼオライト格子の膨張収縮による破砕、割れ、剤のこすれによる剥離、粉化などの面で剤の性能が不十分となるという課題があった。
この課題に対し、成形体の物理的強度を向上させるためにバインダー量を多くして成形する試みがなされていたが、バインダー量が増加するに比例して水分吸着量が低下してしまい乾燥能力が満足されない吸着剤になってしまうと共に、バインダーが不均一に分散してしまい、強度物性、水分吸着量共にバラツキの大きい成形体となってしまう恐れがあった。
一般的に、乾燥脱水用途の剤では、吸着速度より吸着能力が要求されるため、細孔容積を過剰に大きくする必要性は低く、従って、少ないバインダー量で、より緻密で空隙率の比較的低い成形体にして物理的強度を付与すればよいのである。
乾燥脱水剤用途に用いられるゼオライト種は、乾燥される物質の分子径によって決定され、A型ゼオライトあるいはフォージャサイト型ゼオライトが工業的に多く用いられる。そのために、2.8オングストロームの分子径を有する水分子のみ吸着するには有効細孔径3オングストロームの3A型ゼオライトが有効とされているが、さらに高い吸着容量を求められる場合、4A型ゼオライトあるいはフォージャサイト型ゼオライトが用いられ、これらは乾燥される物質を吸着しないことを指標として選択される。
以下、3A型ゼオライトを例にして説明する。
3A型ゼオライト成形体は、次のようにして製造されている。まず、合成ナトリウムA型ゼオライト粉末を塩化カリウム水溶液中で、該ゼオライト中のナトリウムイオンの35%以上をカリウムイオンで交換し、有効細孔径が3オングストロームの3A型ゼオライト粉末にする。次いで、洗浄・ろ過後、この粉末に粘土系結合剤および成形助剤として増粘剤あるいは分散剤などを添加し、転動あるいは押出しなどの造粒成形法によって目的に応じた形状に成形される。このような方法で製造される3A型ゼオライト成形体においての問題点は、バインダーである粘土成分を少ない添加量でいかに均一に分散し、強度、水分吸着性能を維持させるかにあった。
本発明は、このようなゼオライト成形体における従来の課題を克服し、中でも乾燥脱水剤用途に要求される、強い物理的強度と優れた水分吸着性能をあわせもつ、3A型ゼオライトや4A型ゼオライト等のゼオライトがビーズ状に成形された成形体、及びこのゼオライトビーズ成形体を用い、フロン冷媒中の水を吸着除去する方法を提供することも本発明の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ゼオライトと、1次粒子系が1μm以下の粘土バインダーに、水で溶解せしめた縮合リン酸塩を加え、これらを嵩密度が0.8〜1.0kg/リットルになるよう混練・捏和した後、転動造粒法によってビーズ状に成形、次いで整粒、乾燥後、活性化することで物理的強度が強く、かつ、水分吸着性能に優れたゼオライトビーズ成形体が容易に得られることを見いだした。さらに、このようなゼオライトビーズ成形体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどの冷媒と接触させることで、冷媒自体を分解させることがほとんどなく、これに含まれる水などを効率的に吸着しうることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体に用いられるゼオライトとしては、前記したように、乾燥対象物質の分子径の面からA型ゼオライトが好ましく用いられる。
例えば、エチレンプラント用には3A型ゼオライト、フロン冷媒の乾燥脱水用、有機溶媒中の水分除去には3A型あるいは4A型ゼオライト、又、深冷分離前処理あるいは複層ガラス用などにはフォージャサイト型ゼオライトが一般的に用いられている。従来、カーエアコン用冷媒1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、「HFC−134a」という)等のフロン冷媒にはフロン吸着分解を懸念して3A型ゼオライトが使用されてきた。しかしながら、HFC−134aの分子サイズは4.7×5.1×5.6オングストロームと大きく有効細孔径4オングストロームの4A型ゼオライトでも基本的に吸着されることはない。従って、何らかの成形体に形状を整える場合に用いられる粘土バインダーに由来する固体酸特性あるいは不純物金属カチオンが影響するものと考えられる。一般的に、酸性白土、ベントナイト、セピオライト、カオリン等に代表される粘土鉱物は固体酸特性を持っていることがフロン分解の原因と考えられる。
ここで、本発明のゼオライトビーズ成形体について3A型ゼオライトビーズ成形体を例にして述べれば、合成ナトリウムA型ゼオライト粉末を塩化カリウム水溶液中で、該ゼオライト中のナトリウムイオンの35%以上をカリウムイオンで交換し、有効細孔径を3オングストロームにした3A型ゼオライト粉末が原料として用いられる。そして、本発明のゼオライトビーズ成形体は、このようなゼオライトとカオリン型粘土バインダー及び無機系分散剤からなる成形体であり、その成形体の平均的な粒径の耐圧強度は、8kgf以上であり、かつ、水分吸着量は20重量%以上となる。
本発明のゼオライトビーズ成形体の形状としてはビーズ状であればよく、球状、楕円状などなんら限定されることはない。転動造粒法には、プレート型、パン型あるいは撹拌羽根を具備した撹拌造粒機などを用いた例が挙げられるが、本発明のゼオライトビーズ成形体の製造方法としては羽根撹拌造粒機を用いた方法が好ましい。ビーズ径に関しては、使用の目的に応じた大きさであればよいが、成形体強度がビーズ径に比例すること、成形のしやすさ、あるいは操作性を考慮し、通常、乾燥脱水用の剤では1.5〜3.0mm程度の直径を有した成形体が好ましく用いられる。
本発明のゼオライトビーズ成形体に用いられるカオリン型粘土は、バインダーとして成形体中のゼオライト粒子間に存在するものであり、特に成形体の強度を向上させるため成形体密度を高く、ゼオライトビーズ成形体中に存在する空隙の比率、すなわち、空隙率を低くするには1次粒子径が1μm以下のものが好ましく、例えば、ジョージアカオリン粘土等が挙げられる。これらは、1種単独のみならず、2種以上が混合されていてもよい。
さらに、無機系分散剤としては、水に対する溶解度が高く、その水溶液がアルカリ性を示すものが好ましく用いられる。このような無機系分散剤としては、縮合リン酸塩が挙げられ、さらにはピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウムなどが、特にピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムが好ましく用いられる。これらは単独のみならず、2種以上の混合物で使用しても問題ない。
尚、本発明において、分散剤が無機系の縮合リン酸塩であるのは、1つには分散剤の粘性にある。例えば、特公昭39−21821号公報に記載の有機系の分散剤であるリグニンスルフォン酸塩などに代表されるものは、分子量10000以上の高分子量のものが多く、粘性が強いために成形される剤の自重と遠心力を利用して造粒成形する撹拌転動造粒方法では部分的なママコ状態を形成しやすく、造粒成形が困難となってしまう。また、成形されたビーズ状の成形体同士が付着して、形状が歪になったり、成形装置への付着が激しくなり,好ましくないのである。さらに成形体を最終的に焼成活性化する工程において燃焼による急激な発熱によりゼオライトに熱衝撃を与え、吸着性能を阻害するばかりでなく、細孔を形成することにより成形体の緻密度が低下して強度物性を損なうことになる。これに対し、無機系の分散剤は、粘性が高くないため造粒性に優れ、また、焼成活性化処理後においても成形体中のゼオライト粒子の間に残存するため得られる成形体の緻密性にも優れている。
本発明のゼオライトビーズ成形体におけるゼオライトとカオリン型粘土及び無機系分散剤である縮合リン酸塩との比率は、ゼオライト100重量部に対し、カオリン型粘土20〜30重量部、縮合リン酸塩4〜10重量部が好ましい範囲である。尚、縮合リン酸塩4〜10重量部とは、五酸化リン(P)基準で約2〜5重量部に相当する量である。
次に本発明のゼオライトビーズ成形体の製造方法について説明する。
その製造方法としては、ゼオライト粉末と無水基準でゼオライト粉末100重量部に対して20〜30重量部のカオリン型粘土とに、水に溶解等して分散せしめた縮合リン酸塩をゼオライト粉末100重量部に対して4〜10重量部を加え、嵩密度が0.8〜1.0kg/リットルになるよう混合、混練した後、羽根撹拌等による転動造粒法によってビーズ状に成形される。
ここで添加される粘土バインダーであるカオリン型粘土は、種類によってSi、Al含有量あるいはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属など不純物の含有量が多少異なるだけで、基本的にはSi/Alモル比が2.0の板状晶のアルミノシリケートであって、何れの粘土においても造粒成形性、成形体の物理的性質は同等であり問題ではない。
本発明のゼオライトビーズ成形体の製造方法は、ゼオライト粉末とカオリン型粘土、さらに水に溶解せしめた縮合リン酸塩を混合混練する工程、混練物をビーズ状に成形する工程、成形体を乾燥し、焼成活性化する工程から構成されており、以下、順に説明する。
<混合混練工程>
本発明のゼオライトビーズ成形体の製造方法において用いられるゼオライト粉末としては、A型ゼオライトが好ましく用いられ、水分のみを選択的に吸着除去する目的には有効細孔径の小さい3A型、4A型のA型ゼオライトが好ましく用いられる。
例えば、3A型ゼオライト粉末は、公知の方法、すなわちアルミン酸ナトリウムおよびケイ酸ナトリウムとから合成されたナトリウムA型ゼオライト粉末を塩化カリウム水溶液中で、ゼオライト中のナトリウムイオンの35%以上をカリウムイオンで交換し、有効細孔径が3オングストロームの3A型ゼオライト粉末とすることができる。
ゼオライト粉末とカオリン型粘土、そして造粒成形に必要な水分で溶解せしめた無機系分散剤は、容器に入れられた後、均一になるよう混合混練され、嵩密度が0.8〜1.0kg/リットルになるよう十分捏和される。混合混練された混合物の嵩密度が0.8kg/リットルよりも小さい場合は圧密効果が不充分で混合物粒子間に気泡が存在し、緻密な成形体を形成することが困難となることがある。
用いられるカオリン型粘土の量としては、成形体の物理的強度を高く、さらに高い水分平衡吸着容量を維持するためにゼオライト粉末100重量部に対して20〜30重量部の範囲が好ましい。30重量部を超えるとゼオライト分が相対的に減少して、得られる成形体の水分吸着量が低下することがあり、20重量部以下になると物理的強度が低下し、乾燥脱水吸着剤としての使用目的に耐え難いものになることがある。
さらに、本発明の方法において用いられる縮合リン酸塩の量としては、ゼオライト粉末100重量部に対して五酸化リン基準で2〜5重量部を水に溶解して添加するのが好ましい。
ゼオライト粉末とカオリン型粘土バインダー、そして縮合リン酸塩とを混合混練するために添加される水の量は、カオリン型粘土バインダー等の性状、あるいは配合量によって異なるが、最終的に加えられる量としては、ゼオライト粉末100重量部に対して40〜60重量部の範囲の量が好ましい。従って、縮合リン酸塩が10重量部を超えると添加水分だけでは溶解できず、スラリー状態で混合することになり、混合混練物を均一分散できず一様な成形体強度が得られないことがある。
縮合リン酸塩中の五酸化リンは、一般的に乾燥・脱水剤として用いられることが多く、水分吸着性能を有するが、付随するナトリウム分あるいはカリウム分が非吸着質であることから10重量部を超える量を添加するとゼオライト分を減少させることになり、水分平衡吸着量が低下して好ましくない。一方、4重量部未満になると添加効果が不十分で物理的強度が満足なものとならないことがある。
<成形工程>
上記の混合混練工程において、十分捏和され嵩密度が0.8〜1.0kg/リットルにされた混合物は羽根撹拌等による転動造粒法によって、ビーズ形状に成形される。
ここで本発明の方法において用いられる造粒方法としては転動造粒法が好ましく用いられ、さらに羽根撹拌によるものが好ましく用いられる。これは、通常の転動造粒に比して羽根撹拌することで強い剪断力が与えられ、縮合リン酸塩に分散された粘土バインダーが、さらに均一にゼオライト粒子に分散付着し、ゼオライト粒子間に存在して空隙を塞ぎ、緻密な成形体に形成できるからである。
成形物の形状については本発明の特徴を具備しておれば何ら限定されるものではなく、球状、楕円状などに成形されたものでよく、例えば7〜10メッシュの大きさのビーズ成形体とすることができる。さらに物理的強度、特に摩耗強度を要求される場合、真球度の高いビーズ成形体であることが望ましく、成形した球状品を公知の方法、例えばマルメライザー成形器を用いて任意の回転数、時間条件で整粒して成形体表面を滑らかにすることが一般的に行なわれる方法である。
又、成形、整粒されるビーズの径は用途によって大きさを変えることが容易であり、必要に応じて、篩等による分級で大きさを揃えればよい。
<活性化工程>
このようにして成形された成形体は乾燥、焼成・活性化され、添加されたカオリン型粘土バインダーは焼結されるとともに水分が脱着される。乾燥、活性化の方法としては公知の方法を用い実施することができ、例えば、熱風乾燥機、電気マッフル炉、管状炉、回転炉などを用いればよい。
焼成・活性化の温度としては得られる成形体の物理的強度を安定的に保持し、成形体中の水分を完全に脱着させるためにカオリン型粘土の焼結温度である600℃以上の温度で実施することが好ましく、さらに、650〜700℃の温度で実施することが好ましい。
本発明のゼオライトビーズ成形体を用いてフロン冷媒中の水を吸着除去する方法としては、本発明のゼオライトビーズ成形体を対象のフロン冷媒中に接触させ、公知の方法により除去すればよく、使用量、温度といった条件は適宜決めることができる。特に本発明のゼオライトビーズ成形体は、その優れた強度物性、水分吸着特性ゆえ、長期にわたる使用も可能である。
このように、本発明の方法により得られるゼオライトビーズ成形体は、乾燥脱水用あるいは吸着分離用として広く用いられ、例えば自動車用フロン冷媒であるHFC−134aやこれを含む混合冷媒中、有機溶媒中あるいは空気中の水分除去、また、地球温暖化の環境問題である二酸化炭素の吸着など吸着分離剤分野の用途に有用である。
本発明のゼオライトビーズ成形体の物理的強度が強い理由は、バインダーとして1次粒子径が1μm以下の板状晶カオリン型粘土を用いる点、および凝集した粘土バインダーを分散させるために縮合リン酸塩を無機系分散剤として用いる点、また、羽根撹拌造粒法で成形することによって強い剪断力を与えてこれら粘土バインダーをさらに均一に分散することにある。すなわち、縮合リン酸塩に分散された粘土バインダーがより均一にゼオライト粒子に分散付着し、ゼオライト粒子間に存在して空隙を塞ぎ、緻密な成形体になることによるものと考えられる。
さらに水分平衡吸着性能を維持できる点は、比較的少ない粘土バインダー量で成形されること、また、無機系分散剤中の五酸化リンが水分吸着能力を有すること等に起因するものと考えられる。
また、カーエアコン用フロン冷媒HFC−134aの乾燥用途に優れる点はフロンを分解すると考えられる粘土バインダー中の固体酸特性あるいは不純物金属カチオンの影響を添加した無機系分散剤の抑制効果によるものと考えられる。
しかしながら、このような推測はなんら本発明を拘束するものではない。
本発明によれば以下の効果を奏する。
(1)本発明のゼオライトビーズ成形体は、耐圧強度及び、水分平衡吸着量共に高く、優れた吸着剤物性を有した成形体である。
(2)本発明の製造方法によれば、優れた性能を有したゼオライトビーズ成形体を容易に得ることができる。
(3)本発明の吸着除去する方法は、フロン冷媒を分解することなく、含まれる水を効率的に吸着しうる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、各評価は以下に示した方法によって実施した。
(1)嵩密度
JIS−K−3362の見かけ密度測定器を用いた方法に準じ、混練捏和後の混合物を容積Vmlのポリエチレン製のカップ(W1)に受け、山盛りになったところで直線状のヘラですり落とした後、混合物の入ったカップの重量(W2)を1g単位まで読み取り、次式により嵩密度を算出した。
嵩密度(kg/リットル)=(W2−W1)/V
(2)耐圧強度
焼成・活性化したビーズ成形体を冷却後、1.7〜2.8mmの3段階の篩にて水分を吸着しないよう素早く篩い分け、その内の平均サイズ(2.0〜2.4mm)のもの25個を硬度計(藤原製作所製、型式:KHT−20)で一個ずつ測定した。測定は、直径5mmの圧子によって一定速度で成形体に加重を加える方式によるもので、成形体が破砕された時の加重量を耐圧強度(kgf)とし、得られた値の平均値を各実施例、比較例の耐圧強度とした。
(3)水分平衡吸着量
焼成・活性化したビーズ成形体を冷却後、温度25℃、相対湿度80%のデシケーター中で16時間以上放置して完全に水和した。次いで、マッフル炉中で900℃、1時間焼成し、成形体に吸着された水分平衡吸着量を測定した。
(4)フロン分解性試験
米国冷凍協会の試験法(ASRE法)でシールドチューブテストと呼ばれる加速試験法でフロンの分解率を評価した。シールドチューブテストとは、内容積40ml程度の耐圧密閉ガラス容器にHFC−134aを約2g、乾燥剤を約1g封入し、175℃に加熱して30日以上放置した後、剤に吸着されたフッソイオンの量を測定して冷媒の分解を評価した。
実施例1
合成ナトリウムA型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、SiO/Al=2.0)を塩化カリウム水溶液と接触させナトリウムイオンの40%をカリウムイオンに交換して3A型ゼオライト粉末を調製した。この3A型ゼオライト粉末100重量部に対して、ジョージアカオリン粘土30重量部、50重量部の水に溶解させたP基準で3重量部のピロリン酸ナトリウムをミックスマーラー混練機(新東工業社製、型式:MSG−05S)で混合混練し、充分に捏和した。得られた捏和物の嵩密度を前記の方法によって測定した結果、0.92kg/リットルであった。
この捏和物を羽根攪拌式造粒機ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、型式:FM−75)で直径1.7mm〜2.8mmのビーズ形状に攪拌造粒成形し、マルメライザー成形器(不二パウダル社製、型式:Q−1000)を用いて整粒した後、乾燥した。
次いでマッフル炉(アドバンテック社製、型式:KM−600)を用いて空気流通下において650℃雰囲気中5時間焼成して粘土を焼結させるとともに活性化した。
得られた3A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡吸着量、フロン分解性を前記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005170187
表1において、粘土の量とは、ゼオライト100重量部に対する重量部を示し、分散剤の量とはゼオライト100重量部に対するP及びAlの重量部を示す。また、使用した分散剤の種類においては、Naはピロリン酸ナトリウムを、Na10はトリポリリン酸ナトリウムを、KO7はピロリン酸カリウムを示す。
実施例2〜11
表1に示したジョージアカオリン粘土の添加量、また無機系分散剤の種類あるいは添加量以外は実施例1と同様な操作によって3A型ゼオライトビーズ成形体を調製した。用いた3A型ゼオライト粉末のSiO/Alモル比は2.0、カリウムイオン交換率は40%であり、得られた捏和物の嵩密度を前記の方法により測定した結果、0.88〜0.99の範囲であった。造粒成形後、得られた3A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡吸着量、フロン分解性を前記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
実施例12
合成ナトリウムA型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、SiO/Al=2.0)100重量部に対して、ジョージアカオリン粘土30重量部、50重量部の水に溶解させたP基準で4重量部のトリポリリン酸ナトリウムを、ミックスマーラー混練機(新東工業社製、型式:MSG−05S)で混合混練し、充分に捏和した。得られた捏和物の嵩密度を前記の方法によって測定した結果、0.94kg/リットルであった。
この捏和物を羽根攪拌式造粒機ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、型式:FM−75)で直径1.7mm〜2.8mmのビーズ形状に攪拌造粒成形し、マルメライザー成形器(不二パウダル社製、型式:Q−1000)を用いて整粒した後、乾燥した。
次いでマッフル炉(アドバンテック社製、型式:KM−600)を用いて空気流通下において650℃雰囲気中5時間焼成して粘土を焼結させるとともに活性化した。
得られた4A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡吸着量、フロン分解性を前記の方法で測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005170187
表2において、粘土の量とはゼオライト100重量部に対する重量部を示し、水酸化アルミニウムの量とはゼオライト100重量部に対するAlの重量部を示し、分散剤の量とはゼオライト100重量部に対するPの重量部を示す。また、分散剤の種類においては、Na10はトリポリリン酸ナトリウムを、Naはピロリン酸ナトリウムを示す。
実施例13〜16
表2に示したジョージアカオリン粘土の添加量、無機系分散剤の種類あるいは添加量以外は実施例12と同様な操作によって4A型ゼオライトビーズ成形体を調製した。用いた4A型ゼオライト粉末のSiO/Alモル比は2.0であり、得られた捏和物の嵩密度を前記の方法により測定した結果、0.90〜0.99の範囲であった。造粒成形後、得られた4A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡吸着量、フロン分解性を前記の方法で測定した。その結果を表2に示す。
比較例1〜5
表3に示したジョージアカオリン粘土の添加量、無機系分散剤を使用しなかった以外は実施例1と同様な操作によって3A型ゼオライトビーズ成形体を調製した。用いた3A型ゼオライト粉末のSiO/Alモル比は2.0、カリウムイオン交換率は40%であり、得られた捏和物の嵩密度を前記の方法により測定した結果、0.83〜0.95の範囲であった。造粒成形後、得られた3A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡吸着量、フロン分解性を前記の方法で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0005170187
表3において、粘土の量とはゼオライト100重量部に対する重量部を示す。
比較例6〜8
表4に示した分散剤の種類、添加量以外は実施例1と同様な操作によって3A型ゼオライトビーズ成形体を調製した。用いた3A型ゼオライト粉末のSiO/Alモル比は2.0、カリウムイオン交換率は40%であり、ジョージアカオリン粘土を30重量部添加して混合混練した。得られた捏和物の嵩密度を前記の方法により測定した結果、0.80から0.84kg/リットルの範囲であった。造粒成形後、得られた3A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度、水分平衡を前記の方法で測定した。その結果を表4に示した。
Figure 0005170187
実施例4において、分散剤の量とはゼオライト100重量部に対する分散剤の重量部を示し、表4中のサンエキスはリグニンスルフォン酸ナトリウムを表す。
以上の実施例と比較例を比べると、実施例の方が得られた3A型あるいは4A型ゼオライトビーズ成形体の耐圧強度が著しく強く、また、水分平衡吸着量が高いことが分かる。殊にゼオライト粉末に対して同量の粘土バインダーを使用した場合の縮合リン酸塩を添加した効果が明らかである。縮合リン酸塩を添加しなかった場合や、有機系分散剤であるリグニンスルフォン酸ナトリウムを添加した場合と比較すれば、その効果は明らかであった。
また、実施例で得られたゼオライトビーズ成形体を用いてフロン分解試験を実施した結果において、フロンの分解率は比較例の結果と比較して極めて小さく、フロンが殆ど分解していないことが分かる。

Claims (8)

  1. ゼオライト粉末、カオリン型粘土及び縮合リン酸塩からなり、耐圧強度が8.2kgf以上であることを特徴とするフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  2. 耐圧強度が8.2kgf以上9.5kgf以下であることを特徴とする請求項1に記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  3. ゼオライト及び、当該ゼオライト100重量部に対して20〜30重量部のカオリン型粘土と4〜10重量部の縮合リン酸塩からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  4. ゼオライトがA型ゼオライトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  5. 縮合リン酸塩が、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム及びピロリン酸カリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  6. フロン冷媒が1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフロン冷媒乾燥用ゼオライトビーズ成形体を用い、フロン冷媒から水を吸着除去する方法。
  8. フロン冷媒が1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)である請求項7に記載のフロン冷媒から水を吸着除去する方法。
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