JP2003154261A - 成型吸着体及びその製造方法 - Google Patents

成型吸着体及びその製造方法

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JP2003154261A
JP2003154261A JP2001354126A JP2001354126A JP2003154261A JP 2003154261 A JP2003154261 A JP 2003154261A JP 2001354126 A JP2001354126 A JP 2001354126A JP 2001354126 A JP2001354126 A JP 2001354126A JP 2003154261 A JP2003154261 A JP 2003154261A
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adsorbent
molded
alumina
binder
particles
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JP2001354126A
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English (en)
Inventor
Masahiro Matsuoka
正洋 松岡
Eiji Abe
英二 安部
Mokichi Nakano
茂吉 中野
Hiroyasu Suenaga
広恭 末永
Kohei Murakami
孝平 村上
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Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 平均直径3〜50nmの繊維状又は柱状
のアルミナ及び/又はアルミナ水和物からなる結合材と
吸着体粒子とからなる成型吸着体であって、当該成型吸
着体の結合材由来のアルミナ成分(Al23)が1〜2
5質量%であることを特徴とする成型吸着体及びその製
造方法。 【効果】 本発明によれば、成型前の吸着材と同等以上
の吸着性能を有し、十分な機械的強度を有する成型吸着
体が得られる。本発明の吸着成型体は製造方法が簡単で
あり、また加工性にも優れているため、ハニカム状等の
複雑な形状とすることが可能であり、工業的な規模で容
易に生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体及び液体の分
離、精製、貯蔵等に用いる成型吸着体及びその製造方法
に関し、特に、成型前の吸着材が有する吸着性能を成型
後も保持すると共に、高い機械的強度を有する成型吸着
体に関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、合
成ゼオライト等の吸着材は、ガスや液体の精製、或は微
量成分の捕集等を目的として、化学工業、食品工業、石
油工業等の分野で、空気浄化、排ガス処理、水質浄化等
に使用されている。特に最近では、都市ガスや天然ガス
等の貯蔵において、これらの吸着材を利用して低い圧力
で多量に都市ガス等を貯蔵する研究がなされている。
【0003】吸着材は、吸着させる対象物質に適した大
きさの細孔を数多く有することが必要であり、一般に細
孔の平均径と比表面積が吸着性能の指標とされている。
【0004】実際に吸着材を使用する際には、様々な形
状に成型することが要求される。例えば、粒状、円柱
状、円筒状、板状、ハニカム状等である。
【0005】吸着材を成型する際には、一般的に、粉末
状の吸着材と結合材とを混練して成型する。使用する結
合材は、強い結合力を備えると共に、混練や成型におい
て取扱いが容易であること、得られる混練物の加工性が
優れていることが要求される。
【0006】成型後の吸着体は、成型前の吸着材と同等
の吸着性能を持つことが望ましいが、実際には成型後の
吸着体の吸着性能は大幅に低下する。結合力の強い結合
材を使用するほど吸着性能の低下が著しくなるが、これ
は、使用する結合材が吸着材の細孔を被覆して吸着性能
を阻害するためと考えられる。
【0007】一方、吸着材として用いられる活性炭の製
造においては、石炭等の原料炭素材を水蒸気又は薬品で
賦活処理することにより、細孔が形成される。活性炭を
成型する際には、コールタールピッチ等が結合材として
使用される。
【0008】活性炭を吸着材とする成型吸着体の賦活処
理は、成型前の粉末状炭素材を賦活した後に成型する方
法と、成型した後に賦活する方法とがある。前者の場合
には、前述のように賦活処理により形成した細孔が結合
材により被覆されるために吸着性能が著しく低下し、成
型した後に再度賦活処理を行う必要がある。後者の場合
には、結合材によって賦活の進行が阻害されるので、粉
末状で賦活するよりも過度の賦活を行う必要がある。し
かし、過度の賦活は炭素材の重量減少を招き、成型体の
密度が低下する。この結果、仮に比表面積(単位重量当
りの表面積)について粉末状で賦活した場合と同等の値
が得られたとしても、単位体積当りの表面積(以下、体
積比表面積)は減少する。
【0009】更に、成型吸着体は、使用に際して破壊や
損耗を起こさない機械的強度を備えていることも要求さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、結合材を加えて成型しても成型前の吸着体粒子の吸
着性能を保持し、かつ大きな機械的強度を持つ成型吸着
体及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高性能の
成型活性炭を開発するために、好ましい結合材を模索し
た結果、特定性状を有するアルミナゾルが結合材として
優れていることを発見した。
【0012】本発明で結合材として用いるアルミナゾル
は、これを乾燥すると強度の高いアルミナ成型体が得ら
れることは知られていた。しかしながら、その繊維長は
高々10μmであり、繊維長よりも大きな粒径を持つ吸
着材に対して少量の添加で結合材としての優れた性能を
発揮できることは、従来全く知られていなかった。
【0013】本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、かか
るアルミナゾルを結合材として使用すれば、活性炭に限
らず一般の成型吸着体を製造する上でも非常に有効であ
ることを見出した。更に、かかるアルミナゾルと吸着体
粒子とを混練、成型等を行って製造した成型吸着体であ
って、特定の量のアルミナ成分を含む成型吸着体は、成
型前の吸着材粒子の吸着性能を保持し、しかも十分な機
械的強度を有することを見出し、本発明を完成するに到
った。
【0014】上記目的を達成する本発明は、以下に記載
するものである。 〔1〕 平均直径3〜50nmの繊維状又は柱状のアル
ミナ及び/又はアルミナ水和物からなる結合材と吸着体
粒子とからなる成型吸着体であって、当該成型吸着体の
結合材由来のアルミナ成分(Al23)が1〜25質量
%であることを特徴とする成型吸着体。 〔2〕 吸着体粒子表面が繊維状又は柱状のアルミナ及
び/又はアルミナ水和物で覆われてなる〔1〕記載の成
型吸着体。 〔3〕 成型吸着体中の吸着体粒子の割合が72〜99
質量%である〔1〕又は〔2〕に記載の成型吸着体。 〔4〕 吸着体粒子の嵩密度をρ1(g/cm3)、成型
吸着体の密度をρ2(g/cm3)としたとき、ρ1<ρ2
である〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載の成型吸着体。 〔5〕 吸着体粒子の単位体積当りの比表面積をS
1(m2/cm3)、成型吸着体の単位体積当りの比表面
積をS2(m2/cm3)としたとき、S1<S2である
〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載の成型吸着体。 〔6〕 吸着体粒子が活性炭である〔1〕乃至〔5〕の
何れかに記載の成型吸着体。 〔7〕 吸着体粒子に、分子式がAl23・1.05〜
1.30H2Oで表され、かつ平均直径3〜50nmの
繊維状又は柱状のアルミナ水和物からなるアルミナゾル
を結合材として加え、混練、成型する、成型吸着体の製
造方法。 〔8〕 吸着体粒子が活性炭である〔7〕に記載の製造
方法。
〔9〕 吸着体粒子が賦活前の活性炭であり、成型後に
賦活するものである〔7〕に記載の製造方法。 〔10〕 吸着体粒子が芳香族スルホン酸系のポリマー
を出発原料とした活性炭である〔7〕乃至
〔9〕の何れ
かに記載の製造方法。 〔11〕 吸着体粒子100重量部に対して、アルミナ
水和物を1〜40重量部加える〔7〕乃至〔10〕の何
れかに記載の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の成型吸着体を構成するア
ルミナ及び/又はアルミナ水和物の形状は、平均直径が
重量平均値で3〜50nmの繊維状又は柱状である。ま
た、その長さは形状が繊維状又は柱状であれば特に限定
されないが、重量平均値で30〜10000nmの範囲
であるのが好ましい。
【0016】本発明の成型吸着体を構成する吸着体粒子
としては、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、合成ゼ
オライト、活性白土、多孔性樹脂等の各種吸着体粒子を
例示でき、特に限定する要因は見当らない。
【0017】活性炭については、椰子殻、木材、石炭、
石油ピッチ、骨材等の炭素質原料を炭化、賦活して得ら
れるものを使用することができる。しかしながら、これ
らの多くは、原料を微粉砕するために大きな設備を必要
とし、また、灰分を除去するために酸洗や中和の工程を
必要とすることが多い。更に、品質や生産量等が変動す
るために、工業的に一定の品質とすることが難しく、特
に高品質で大量に生産する場合には問題になることがあ
る。
【0018】工業的に安定して生産することができる原
料活性炭としては、芳香族スルホン酸系のポリマーを原
料として得られる活性炭を挙げることができる。
【0019】芳香族スルホン酸系ポリマーの原料として
は、ナフタレンスルホン酸;アントラセンスルホン酸;
フェナントレンスルホン酸;メチルナフタレンスルホン
酸;ジメチルナフタレンスルホン酸;クレオソート油、
アントラセン油、タール及びピッチ等の多環芳香族化合
物の混合物をスルホン化したもの;トルエンスルホン
酸、キシレンスルホン酸;フェノールスルホン酸又はこ
れらの塩、及びこれらの混合物を用いることができる。
【0020】これらの原料からポリマーを得るには、ホ
ルマリン、パラホルムアルデヒド、あるいはその他のア
ルデヒド類や、ヘキサメチレンテトラミン等を用いて縮
合する。
【0021】芳香族スルホン酸系ポリマーは、高濃度の
水溶液として合成されるので、濃度及び粘度を調製した
後、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥することによ
り、粉末状のポリマーとすることができる。この噴霧乾
燥には、加熱ガスとして空気を使用することができるの
で、操作は簡単であり、安全に行うことができる。
【0022】得られる粉末状のポリマーは、真球に近い
球状の粒子とすることができ、また、その平均粒径を1
00μm以下とすることができる。
【0023】この微粉状ポリマー粒子は、窒素等の不活
性ガス雰囲気で加熱して炭化処理を行うことにより、粉
末状の炭素材とすることができる。芳香族スルホン酸系
のポリマーは熱硬化性であり、炭化処理において不融化
処理を必要とせず、粉末状ポリマーを直接そのままの形
状で炭素材とすることができる。炭化処理は、回転炉、
固定炉、流動床炉等を用いて行うことができる。処理温
度は、400〜1200℃、好ましくは500〜100
0℃である。400℃未満の温度では揮発分の除去が不
十分となり、また、1200℃を越える温度では炭素の
結晶化が進むので、いずれの場合においても後工程であ
る賦活処理が困難となる。粉末状炭素材は、賦活処理す
ることにより、粉末状の活性炭とすることができる。
【0024】本発明で使用する吸着体粒子の平均粒径と
しては、1〜100μmが好ましく、1〜30μmが特
に好ましい。
【0025】本発明の成型吸着体は、上記の吸着体粒子
と、平均直径が3〜50nmの繊維状又は柱状のアルミ
ナ水和物からなるアルミナゾルとを混練、成型すること
により製造することができる。
【0026】このアルミナ水和物の製造方法に関して
は、公表公報WO97/32817号に詳しく記載され
ているが、概略以下の通りである。
【0027】イオン交換水に硝酸等の酸を加え、これに
アルミナを添加して、90〜150℃の温度で水熱処理
を行う。このとき、水、酸及びアルミナの割合を所定の
範囲とすることにより、Al23の結晶水を1.05〜
1.30の範囲とすることができる。アルミナ水和物の
形状は、Al23の結晶水が1.05よりも小さくなる
につれて繊維状から板状へと変化し、粒径が大きくな
る。また、1.30を越えるにつれて、アルミナ水和物
の形状が小さな繊維状の凝集体となる。従って、Al2
3の結晶水を1.05〜1.30の範囲とすることに
より、平均直径が3〜50nmの繊維状又は柱状のアル
ミナ水和物を得ることができる。
【0028】即ち、本発明で結合材として使用するアル
ミナ水和物は、分子式がAl23・1.05〜1.30
2Oで表されるものである。本発明で使用するアルミ
ナゾルは、かかるアルミナ水和物の分散液であり、これ
にアンモニア等を加えてpHを調製したもの、あるいは
他の添加剤を加えたものも含む。
【0029】上記の方法により、アルミナ水和物は、分
散性が高く、沈降性のないゾル状物質として得られる。
アルミナ水和物の濃度は15〜60質量%とすることが
できる。通常は30質量%程度の高濃度で製造したアル
ミナゾルを、結合剤として使用する段階で、適宜水で希
釈して使用する。
【0030】結合剤としての作用は比較的少量で発現
し、成型吸着体に必要な機械的強度と成型に適した可塑
性を与える。即ち、十分な機械的強度を得るためには、
吸着体粒子100重量部に対して、アルミナ水和物の添
加量を1重量部以上とし、吸着体粒子が吸着材としての
特性を十分に発揮するためには、40重量部以下とす
る。中でも、3〜30重量部とすることが好ましい。
【0031】上記のようにAl23の結晶水は1.05
〜1.30であるので、上記の混合割合で得られた成型
吸着体中のアルミナ及びアルミナ水和物として含まれる
アルミナ成分は、Al23として1〜25質量%であ
る。従って、成型吸着体中に含まれる吸着体粒子の割合
は、72〜99質量%とすることができる。
【0032】吸着体粒子とアルミナゾルとの混練は、ス
クリュー型やロール型の一般的な混練機を用いて行うこ
とができる。
【0033】また、成型は、プレス成型や押出し成型等
の、一般的な成型機を用いることが可能であり、用途に
応じて粒状、円柱状、円筒状、板状、ハニカム状等の成
型体とすることができる。
【0034】混練及び成型を良好に行うためには、混練
物の固形分濃度を50〜60質量%程度とすることが好
ましい。
【0035】得られた成型吸着体は、100℃以上の温
度で乾燥することが好ましく、更に350〜500℃で
焼成することが特に好ましい。乾燥、焼成することによ
り、機械的強度の高い成型吸着体を得ることができる。
乾燥、焼成処理を行う装置としては、固定炉、回転炉、
流動床炉等を用いることができる。
【0036】吸着材の原料として活性炭を用いる場合に
は、賦活処理を行なうことが好ましい。賦活処理は、成
型前または後のいずれに行ってもよいが、成型前後いず
れも行ってもよい。
【0037】賦活処理の方法としては、例えば水蒸気や
炭酸ガス等の賦活性ガスを用いる場合には、700〜1
200℃、好ましくは850〜1000℃の温度で、1
0分〜6時間、好ましくは1〜3時間処理する。あまり
高温で長時間の処理は、装置の耐熱性や耐食性から好ま
しくない。賦活処理を行う装置としては、回転炉、固定
炉、流動床炉等を用いることができる。
【0038】賦活処理前の粉末状炭素材を吸着材原料と
する場合には、粉末状炭素材に濃度を調整したアルミナ
ゾルを加えて混練、成型し、乾燥、焼成処理等を行った
後、賦活処理を行って、成型吸着体としてもよい。粉末
状炭素材とアルミナゾルとの混合割合は、通常の吸着体
粒子を用いる場合と同様とする。
【0039】乾燥、焼成処理と賦活処理とは同一の装置
で行ってもよい。
【0040】結合材として添加したアルミナ水和物は、
乾燥、焼成処理等により結晶水が失われるが、本発明の
成型吸着体は結合材に由来するアルミナ成分(Al
23)として1〜25質量%含まれていればよい。成型
吸着体に含まれるアルミナ成分は、アルミナ水和物であ
ってもよく、その一部又は全部が無水のアルミナであっ
てもよい。
【0041】上記アルミナゾルを結合材として使用した
ときの強い結合力は、非常に細長い形状のアルミナ水和
物が相互に絡み合うことにより、吸着体粒子の表面で連
続的な三次元網目構造を形成することにより生じる。こ
の構造により、繊維長より大きな粒径の吸着体粒子を強
固な成型体にする。
【0042】また、アルミナ水和物の直径が非常に小さ
く分散性が高いために、成型吸着体としたときにきめ細
かく分散した網目構造を形成し、少量でも吸着体粒子を
強力に捕捉することができる。
【0043】更に、成型吸着体中の吸着体粒子は表面が
細かい網目構造で覆われているので、これによって細孔
が閉塞されることはなく、吸着材の比表面積は低下しな
い。
【0044】成型の際には圧縮力が働いて吸着体粒子間
の空隙が少なくなるので、成型吸着体の密度は、粉末状
の吸着材原料の嵩密度よりも大きくなる。即ち、吸着材
原料の嵩密度をρ1(g/cm3)、成型吸着体の密度を
ρ2(g/ cm3)とすると、ρ1<ρ2となる。
【0045】また、実際に成型吸着体の体積比表面積を
測定すると、吸着体粒子の細孔が閉塞されないうえ、網
目構造自体の比表面積も大きいので、吸着材原料の体積
比表面積よりも大きな値が得られる。即ち、吸着材原料
の体積比表面積をS1(m2/cm3)、成型吸着体の体
積比表面積をS2( m2/cm3)とすると、S1<S2
なる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により詳述する。
【0047】[結合材]イオン交換水636mlに、比
重1.38の硝酸を45.5g、アルミナ319gを加
え、135℃で36時間水熱処理してアルミナ水和物を
合成した。得られたアルミナゾルは、結晶水が1.14
であり、重量平均直径9nm、重量平均長さ150nm
の繊維状であった。これをイオン交換水で希釈して、ア
ルミナ水和物の濃度を10質量%としたものを結合材と
した。
【0048】[椰子殻活性炭]比表面積が約1000m
2/gの市販の椰子殻活性炭を微粉砕し、平均直径が約
10μmの粉末状活性炭とした。
【0049】[芳香族スルホン酸系ポリマー]純度95
質量%のナフタレン1280gに濃度98質量%の硫酸
を1050g加え、160℃で2時間スルホン化した
後、未反応のナフタレンと反応生成水を減圧下で留去し
た。次いで、濃度35質量%のホルマリン857gを加
え、105℃で5時間縮合反応を行った。これをアンモ
ニアで中和した後、濾過により固形分を除いて、β‐ナ
フタレンスルホン酸アンモニウム塩の縮合物(ポリマー
水溶液)を得た。
【0050】[粉末状ポリマー]このポリマー水溶液を
水で希釈し、固形分濃度を30質量%に調製した。この
ときの粘度は200cPであった。この水溶液を、二流
体ノズルを備えたスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥
し、平均粒径約10μmの球状の造粒物(粉末状ポリマ
ー)を得た。
【0051】[ポリマー原料の粉末状炭素材]粉末状ポ
リマーを、回転炉を用いて窒素ガスの雰囲気下で炭化処
理を行い、粉末状炭素材を得た。昇温速度は、室温から
400℃までは3℃/分、400℃から1000℃まで
は10℃/分とし、1000℃で60分間保持した後冷
却した。
【0052】[ポリマー原料の粉末状活性炭]得られた
粉末状炭素材を、回転炉を用いて水蒸気雰囲気下850
℃で1時間賦活処理を行い、粉末状活性炭を得た。
【0053】各物性値は以下の方法で測定した。
【0054】[密度]成型体の重量を体積で除して求め
た。成型前の吸着材については嵩密度であり、乾燥した
試料を10ccのメスシリンダーに入れてタッピング
し、試料の容積が変化しなくなったところで容積を測定
し、試料重量を試料容積で除した値である。
【0055】[比表面積]日本ベル(株)製 高精度全
自動ガス吸着試験装置BELSORP28を用い、液体
窒素温度での窒素吸着量からBET法により求めた。
【0056】[体積比表面積]上記の方法により求めた
比表面積に、密度を乗じて求めた。
【0057】[強度]木屋式硬度計を用いて成型体の径
方向に圧縮したときの破壊強度を強度とした。
【0058】実施例1 吸着材として、芳香族スルホン酸系ポリマーから得られ
た活性炭(吸着材A)及び椰子殻活性炭(吸着材B)を
用意した。また、結合材として、本発明のアルミナゾル
(結合材A)、コールタールピッチ(結合材B)及びフ
ェノール樹脂(結合材C)の3種類を用意した。吸着材
と結合材を所定の割合で混合し、ロール型混練機で十分
に混練した後、プレス成型機で直径25mm、長さ20
mmの円柱状に成型した。得られた成型体を回転炉を用
いて、400℃で約1時間乾燥、焼成した。得られた成
型吸着体の比表面積、密度、体積比表面積及び強度を表
1に示す。
【0059】なお、結合材Aは、アルミナ水和物の濃度
が10質量%であり、表の結合材の量は混練物中におけ
る結合材の割合を示している。従って、「50質量%」
は、吸着材100重量部に対して結合材100重量部で
あり、アルミナ水和物としては10重量部である。
【0060】実施例2(成型後賦活) 粉末状吸着材として、芳香族スルホン酸系ポリマーから
得られた賦活前の粉末状炭素材(吸着材C)を用意し、
実施例1と同様にして混練、成型を行った。得られた成
型体を回転炉を用いて、400℃で約1時間乾燥、焼成
した後、更に水蒸気雰囲気下850℃で1時間賦活処理
を行い、成型吸着体とした。得られた成型吸着体の比表
面積、密度、体積比表面積及び強度を表1に示す。
【0061】表1の結果に示されるように、結合材とし
て本発明のアルミナゾル(結合材A)を用いた場合に
は、成型吸着体の密度及び体積比表面積は、粉末状吸着
材原料以上の値を得ることができる。これに対して、他
の結合材(結合材B及びC)を用いた場合には、密度に
ついては結合材Aに比べれば小さく、また体積比表面積
は大きく低下することがわかる。また、強度について
は、少なくとも15kg以上となることが実用上望まし
いが、アルミナゾル(結着材A)を用いた場合には十分
な強度が得られている。
【0062】
【表1】 ──────────────────────────────────── 吸着材 結合材 比表面積 密度 体積比表面積 強度 (質量%) (m2/g) (g/cm3) (m2/cm3) (kg) ──────────────────────────────────── A ― ―― 934 0.683 638 ―― A A 50 860 0.865 744 31 A B 20 584 0.803 469 12 A C 20 440 0.866 381 8 ──────────────────────────────────── B ― ―― 957 0.630 603 ―― B A 50 874 0.870 760 26 B B 20 590 0.780 460 11 B C 20 430 0.810 348 9 ──────────────────────────────────── C A 50 929 0.765 711 25 ────────────────────────────────────
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、成型前の吸着材と同等
以上の吸着性能を有し、実用的に十分な機械的強度を有
する成型吸着体が得られる。
【0064】本発明の吸着成型体は製造方法が簡単であ
り、また加工性にも優れているため、ハニカム状等の複
雑な形状とすることが可能であり、工業的な規模で容易
に生産することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 茂吉 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社総合研究所内 (72)発明者 末永 広恭 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社総合研究所内 (72)発明者 村上 孝平 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G066 AA05B AA20D AC31A BA02 BA07 BA09 BA16 BA20 BA25 BA26 DA01 DA07 FA01 FA25 FA33 FA37

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均直径3〜50nmの繊維状又は柱状
    のアルミナ及び/又はアルミナ水和物からなる結合材と
    吸着体粒子とからなる成型吸着体であって、当該成型吸
    着体の結合材由来のアルミナ成分(Al23)が1〜2
    5質量%であることを特徴とする成型吸着体。
  2. 【請求項2】 吸着体粒子表面が繊維状又は柱状のアル
    ミナ及び/又はアルミナ水和物で覆われてなる請求項1
    記載の成型吸着体。
  3. 【請求項3】 成型吸着体中の吸着体粒子の割合が72
    〜99質量%である請求項1又は2に記載の成型吸着
    体。
  4. 【請求項4】 吸着体粒子の嵩密度をρ1(g/c
    3)、成型吸着体の密度をρ2(g/cm3)としたと
    き、ρ1<ρ2である請求項1乃至3の何れかに記載の成
    型吸着体。
  5. 【請求項5】 吸着体粒子の単位体積当りの比表面積を
    1(m2/cm3)、成型吸着体の単位体積当りの比表
    面積をS2(m2/cm3)としたとき、S1<S2である
    請求項1乃至4の何れかに記載の成型吸着体。
  6. 【請求項6】 吸着体粒子が活性炭である請求項1乃至
    5の何れかに記載の成型吸着体。
  7. 【請求項7】 吸着体粒子に、分子式がAl23・1.
    05〜1.30H2Oで表され、かつ平均直径3〜50
    nmの繊維状又は柱状のアルミナ水和物からなるアルミ
    ナゾルを結合材として加え、混練、成型する、成型吸着
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 吸着体粒子が活性炭である請求項7に記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 吸着体粒子が賦活前の活性炭であり、成
    型後に賦活するものである請求項7に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 吸着体粒子が芳香族スルホン酸系のポ
    リマーを出発原料とした活性炭である請求項7乃至9の
    何れかに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 吸着体粒子100重量部に対して、ア
    ルミナ水和物を1〜40重量部加える請求項7乃至10
    の何れかに記載の製造方法。
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