JP5169450B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、詳細には、電動パワーステアリング装置の故障解析データを記録する電動パワーステアリング装置に関する。
乗用車やトラック等の車両の操舵力を軽減するため、操舵補助モータによって操舵を補助する、いわゆる電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置がある。電動パワーステアリング装置では、操舵補助モータの駆動力を、減速機を介してギヤまたはベルト等の伝送機構により、ステアリングシャフトまたはラック軸に補助力を付与するようになっている。かかる電動パワーステアリング装置は、操舵補助トルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティー比の調整で行っている。
電動パワーステアリング装置においては、その駆動制御において種々のデータが発生し、必要なデータを電動パワーステアリング装置に備えた不揮発性メモリに記録している。このような電動パワーステアリング装置におけるデータの記録に関する技術として、たとえば、保存用メモリを上書き用のメモリと永久保存用の不揮発メモリとによって構成し、データの大きさが設定範囲を超えた場合、つまり、何らかの異常が生じている可能性が大きい場合に限って永久保存用の不揮発メモリに追加保存して、異常や故障の解析に有用なデータを長期間に亘って保持するようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上述したように、従来の電動パワーステアリング装置においては、故障が発生した場合には、電動パワーステアリング装置内の不揮発メモリに故障解析用データ(故障記録データ)が自動的に記憶されるようになっている。かかる故障解析用データは、フリーズフレームデータとも呼ばれ、電子制御装置が何らかの原因で故障が発生した場合に、故障の発生原因を解析し易くするために、ソフトウェアの入出力信号や制御アルゴリズム演算過程のデータ等を保存しておく情報のことである。
しかしながら、故障解析用データは、高速かつ確実に保存する必要があるため、他のソフトウェア機能を一時的に停止してでも優先して処理しなければならない。このため、ソフトウェア全体の処理負荷が急激に増加して最大レベルに達してしまうという問題がある。
図8は、従来の故障解析用データの故障検出時の保存方法を説明するための図である。同図において、301は参照用メモリ、302は故障解析用メモリを示している。参照用メモリ302には、センサで検出されたデータやCPUの演算結果のデータ等が一時的に記憶される。故障検出時には、参照用メモリ301に格納されているデータを、故障解析用メモリ302にコピーする。この場合、データ量が多いほど、長い期間、全体の処理をロックすることになるため、必然的に負荷が増すことになる。従来の方法では、コピー要素が10〜20バイト程度なら処理負荷がそれほど大きくないが、数100バイト程度になると、ソフトウェアのリアルタイム性や処理負荷の関係でシステム的に問題が生じる場合がある。
図9は、故障検出時のソフトウェアの処理負荷の従来技術を説明するためのタイミングチャートである。同図では、所定周期T1内でTask(タスク)1〜4を実行し、Task2に故障解析用データの保存処理が組み込まれている場合を説明する。
同図において、従来では、故障解析用データを保存する場合には、例えば、時刻t1で、Task2の故障診断機能により故障を検出した場合には、時刻t2で故障解析用データ保存処理を開始し、時刻t3で故障解析用データ保存処理が終了する。この場合、従来の方法では、故障解析用データの保存処理に長期間のT2の時間を要する。このため、Task2の処理負荷が増大し、後行の処理(Task3,Task4)が設計通りのタイミングで処理できなくなるため、Task3、4の処理の遅れの影響により、Task1が規定のタイミングで起動/処理できない状況が発生する場合がある。この結果、設計通りのタイミングで処理できないことで、操舵補助処理(以下、「アシスト処理」と称する)が破綻してアシスト停止に発展する可能性がある。
特開2000−337977号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ソフトウェアの処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを高速かつ確実に保存することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、車両のステアリング系に発生する操舵トルクおよび前記車両の速度に基づいて演算した操舵補助指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリング装置において、前記操舵補助モータを制御する制御手段と、前記制御手段のワークエリアとして使用され、センサデータや前記制御手段の演算結果等が格納されるランダムアクセスメモリと、前記電動パワーステアリングの故障を検出する故障検出手段と、を備え、前記ランダムアクセスメモリは、少なくとも2つのメモリ領域を有し、一方のメモリ領域を通常処理に使用し、前記故障検出手段で異常を検出した場合には、他方のメモリ領域を通常処理に使用する領域に切り替え、前記一方のメモリ領域を故障解析用データの保存領域とすることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記2つのメモリ領域の切り替えは、メモリ領域を配列定義してアドレス指定するインデックス方式、固定アドレスに対して所定値を加減算するオフセット方式、または物理的なメモリ領域を選択するバンク方式で行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記故障解析用データを記録するための不揮発性記憶手段を備え、前記制御手段は、空き時間に、前記ランダムアクセスメモリに保存された故障解析用データを前記不揮発性記憶手段に保存することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記故障検出手段で故障が検出される毎に、通常処理を行う領域と故障解析用データの保存領域を、前記一方のメモリ領域と前記他方のメモリ領域とで交互に切り替えることが望ましい。
この発明によれば、車両のステアリング系に発生する操舵トルクおよび前記車両の速度に基づいて演算した操舵補助指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリング装置において、前記操舵補助モータを制御する制御手段と、前記制御手段のワークエリアとして使用され、センサデータや前記制御手段の演算結果等が格納されるランダムアクセスメモリと、前記電動パワーステアリングの故障を検出する故障検出手段と、を備え、前記ランダムアクセスメモリは、少なくとも2つのメモリ領域を有し、一方のメモリ領域を通常処理に使用し、前記故障検出手段で異常を検出した場合には、他方のメモリ領域を通常処理に使用する領域に切り替え、前記一方のメモリ領域を故障解析用データの保存領域とすることとしたので、ソフトウェアの処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを高速かつ確実に保存することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる電動パワーステアリング装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
図1は、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。図1において、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギヤ3、ユニバーサルジョイント4aおよび4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクTを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助する操舵補助モータ20が、減速ギヤ3を介してコラム軸2に連結されている。ここで、操舵補助モータ20は、例えば、ブラシレスモータやブラシモータである。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から内蔵の電源リレー13を経て電力が供給され、イグニションキー11からイグニション信号が供給される。また、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいて、操舵補助モータ20の電流指令値を演算し、操舵補助モータ20の電流検出値と電流指令値とに基づいて、操舵補助モータ20の電流検出値が電流指令値に追従するように操舵補助モータ20を駆動制御する。
図2は、図1のコントロールユニット30のハードウェア構成を示す図である。コントロールユニット30は、図2に示すように、MCU(マイクロコントロールユニット)100と、FETプリドライバ回路110と、モータ駆動回路(インバータ)120と、電流検出回路130と、位置検出回路140等を備えている。
MCU100は、CPU(制御手段)101、ROM102、RAM103、EEPROM(不揮発性メモリ)104、A/D変換器105、インターフェース106、バス107等を備えている。CPU101は、ROM102に格納されたプログラムを実行して電動パワーステアリング装置を制御する。
ROM102は、CPU101が実行する各種プログラムを格納する。具体的には、ROM102には、操舵補助(アシスト)を行う操舵補助モータ20を制御するアシスト処理(操舵補助処理)を実行するためのプログラム、電動パワーステアリング装置の故障を検出するための故障検出処理を実行するためのプログラム、および故障検出時の故障解析用データの保存処理を実行するためのプログラム等が格納されている。
RAM103は、CPU101がプログラムを実行する場合にそのワークエリアとして使用され、センサデータ(操舵トルクT、車速V、操舵補助モータ20の電流検出値Im、モータ回転角信号θ等)、処理過程で必要とするデータ、および処理結果等のデータが一時的に記憶されるものである。RAM103は、第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bを備えており、後述するように、故障検出時にその使用が切り替えられる(図3〜図7参照)。
EEPROM104は、電源遮断後においても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであり、CPU101が、電動パワーステアリング装置の制御で使用する制御データや故障解析用データ等が格納される。なお、ここでは、不揮発性メモリとして、EEPROMを使用することとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、FLASH−ROM等の他の不揮発性メモリを使用することにしてもよい。
A/D変換器105は、トルクセンサ10からの操舵トルクT、電流検出回路130からの操舵補助モータ20の電流検出値Im、および位置検出回路140からのモータ回転角信号θ等を入力し、デジタル信号に変換する。インターフェース106は、車速センサ12からの車速V(パルス)をCAN通信で受け取るためのものである。
上記構成において、CPU101が、ROM102に格納されたプログラムを実行することにより、故障検出手段およびメモリ切替手段として機能する。
FETプリドライバ回路110は、主MCU100から入力されるUVW各相のPWM制御信号を、各相正負の通電信号(Up、Un、Vp、Vn、Wp、Wn)に変換して、モータ駆動回路120に出力する。
モータ駆動回路120は、一対のFETスイッチング素子からなるブリッジ回路をU相用、V相用、W相用として3相分備えており、各FETスイッチング素子には還流ダイオードが並列接続されている。このブリッジ回路には、バッテリ14から電源リレー13を介して直流電圧が印加される。各FETスイッチング素子の制御端子(ゲート端子)には、FETプリドライバ回路110から通電信号が入力される。モータ駆動回路120に印加される直流電圧は、モータ駆動回路120内のFETスイッチング素子のスイッチング動作によって3相の交流電圧に変換され、それにより操舵補助モータ20が駆動される。このブリッジ回路には、シャント抵抗R1、R2が接続されている。このシャント抵抗R1、R2に電流検出回路130が接続され、これによって、操舵補助モータ20の電流検出値Imを検出するようになっている。
位置検出回路140は、位置センサ21からの出力信号をモータ回転角信号θとして、A/D変換器105に出力する。
つぎに、図3〜図7を参照して、故障検出時の故障解析用データの保存処理について説明する。本実施例では、CPU101は、正常状態では、RAM103の第1の領域103aを通常処理に使用している。通常処理では、CPU101が、アシスト処理等を実行する場合に、第1の領域103aに対して、センサデータ、処理過程で必要とするデータ、および処理結果等のデータのリード(R)/ライト(W)が行われる。そして、故障が検出された場合には、第2のメモリ領域103bを通常処理に使用する領域に切り替え、第1のメモリ領域103aを故障解析用データの保存領域に切り替えることにより、CPU101(ソフトウェア)の処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを高速かつ確実に保存している。
図3は、故障解析用データの保存処理に関するMCU100の機能構成図である。同図において、MCU100は、アシスト処理等を実行する制御部201と、センサデータに基づいて、故障を検出する故障検出部202と、RAM103の第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bの切り替えを行うメモリ切替部203等を備えている。
故障検出部202は、センサデータに基づいて、電動パワーステアリング装置の故障を検出するものであり、故障を検出した場合に、故障検出信号をメモリ切替部203に出力する。ここでは、センサデータに基づいて故障を検出することとしたが、故障検出は、センサデータに基づく故障検出に限られず、メモリ(ROM102、EEPROM104)、CPU101等の故障を検出することにしてもよい。
制御部201は、通常処理を行う場合に、RAM103に対して、センサデータ、処理過程で必要とするデータ、および処理結果等のデータのリード(R)/ライト(W)を行う。
メモリ切替部203は、故障検出部202から入力される故障検出信号に基づいて、RAM103の第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bの切り替えを行う。第1および第2のメモリ領域103a、103bの切り替えを行う場合のメモリアクセス方式としては、例えば、メモリ領域を配列定義してアドレス指定するインデックス方式、固定アドレスに対して所定値を加減算するオフセット方式、または物理的なメモリ領域を選択するバンク方式等を使用することができる。インデックス方式を使用した場合の実施例については後述する(図6−1〜図6−6参照)。
図4は、メモリ切替部203のメモリ領域の切り替えを説明するための模式図である。同図において、メモリ切替部203は、正常状態では、第1のメモリ領域103aを選択する。制御部103は、第1のメモリ領域103aを使用して、通常処理を行う(S1)。すなわち、第1のメモリ領域103aは単純なデータの受け渡し領域として使用される。
メモリ切替部203は、故障検出部202で故障が検出されて故障検出信号が入力された場合には、通常処理を行う領域を第2のメモリ領域103bに切り替える。制御部103は、第2のメモリ領域103bを使用して、通常処理を行う(S2)。第1のメモリ領域103aは、データが更新されなくなり、第1のメモリ領域103aに格納されている故障発生時のデータを故障解析用データとして、制御部201の空き時間等にEEPROM104に格納する。これにより、コントロールユニット30の電源をOFFしても、後で故障解析用データを確認することが可能となる。
故障が軽微でフェールセーフ処理でリカバリーされた後に、さらに、故障が検出された場合には、通常処理を行う領域を第1のメモリ領域103aに切り替える。制御部103は、第1のメモリ領域103aを使用して、通常処理を行う(S3)。第2のメモリ領域103bは、データが更新されなくなり、第2のメモリ領域103bに格納されている故障発生時のデータを故障解析用データとして、制御部201の空き時間にEEPROM104に格納する。リカバリー後、さらに、故障が検出された場合には、第2のメモリ領域103を通常処理を行う領域に、第1のメモリ領域103aを故障解析用データの保存領域に切り替える(S2)。このように、故障を検出する毎に、通常処理を行う領域と故障解析用データの保存領域とを、第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bとで交互に切り替えることで、故障解析用データを繰り返し保存することが可能となる。また、制御部201の空き時間に、故障解析用データをEEPROM104に格納することにより、制御部201の処理負荷を軽減することができる。
図5は、図3のMCU100の動作の概略を説明するためのフローチャートである。図5を参照して、図3のMCU100の動作の概略を説明する。同図において、まず、IGがオンされると(ステップS11)、初期診断が実行される(ステップS12)。初期診断の終了後、センサデータが故障検出部202に入力されると共に、RAM103の第1のメモリ領域103aに格納される(ステップS13)。故障検出部202では、センサデータに基づいて、故障の検出を行う(ステップS14)。故障検出部202は、故障を検出したか否かを判断し(ステップS15)、故障診断部202で故障が検出されない場合は(ステップS15の「No」)、制御部201は、RAM1の第1のメモリ領域103を使用して通常処理を行って、制御演算を行い(ステップS16)、操舵補助モータ20の電流指令値を出力する(ステップS17)。そして、IGがOFFされていない場合には(ステップS18の「No」)、ステップS13に戻り、IGがOFFされた場合には(ステップS18の「Yes」)、操舵補助モータ20を停止させるための所定の停止処理を行って(ステップS19)、当該フローを終了する。
他方、ステップS15において、故障検出部202で故障が検出された場合は(ステップS15の「Yes」)、上述した故障解析データの保存処理を行った後(ステップS20)、フェールセーフ処理を行う(ステップS21)。フェールセーフ処理では、故障が軽微な場合にはリカバー処理を行って、ステップS16に移行する。他方、故障が重大な場合には操舵補助モータ20を停止させるための所定の停止処理を行う。
つぎに、図6−1〜図6−5を参照して、上述の故障解析データの保存処理において、メモリ切替部203がインデックス方式を使用して、RAM103の第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bの切り替えを行う場合の実施例を説明する。
図6−1において、本来1次元配列であるアドレス空間を擬似的に多次元配列することにより、同一構成のメモリ空間を複数作成し、これらの配列に対してインデックスによって高速に切り替え、リード/ライトアクセスできるようにRAM103を構成する。Mem[0]、Mem[1]、WriteIndex、ReadIndexを用意する(以下の説明では、第1の領域103aをMem[0]=M0、第2の領域103bをMem[1]=M1,WriteIndex=WI、ReadIndex=RIとする。
初期状態では、WI=0,RI=0を設定し、M0、M1のメモリ空間は適切な値で初期化されている。WIとRIに設定された値によってMem[0]とMem[1]のアクセスを切り替えることができる。
図6−2に示すように、故障解析用データを保存しない場合には(正常状態)、WI=0,RI=0をセットし、M0を単純なデータの受け渡し領域とする。
図6−3に示すように、故障解析用データを保存する場合には(故障検出部202での故障検出時)、まず、WI=1、RI=0をセットし、M1のデータ更新に切り替え、M0のデータを保持する。故障解析用データの保存処理によりも優先順位の高い処理がなければ、WI、RIを同時に切り替えてもよい。
図6−4に示すように、WI=1,RI=1をセットし、M1を単純なデータの受け渡し領域とする。これにより、M0が更新されなくなり、M0に故障解析用データの取得が完了となる。M0に取得した故障解析用データを、制御部201の空き時間に所定の方法でEEPROM104に保存することで、一度、コントロールユニット30の電源をOFFしても、後で故障解析用データを確認することが可能となる。
また、故障解析用データを繰り返し保存するとき、例えば、故障検出→故障解析用データ保存→故障確定前に復帰→故障検出→故障解析用データ保存する場合には、図6−5に示すように、WIとRIを変化させれば、最新の故障解析用データを何度でも簡単に取得することができる。同図において、まず、(1)WI=0,RI=0を設定し、M0を単純なデータの受け渡し領域とする。(2)故障検出部202で故障を検出した場合には、WI=1、RI=0を設定し、M1のデータ更新に切り替え、M0のデータを保持する。なお、M0に保持したデータは、制御部201の処理が空いている間に、EEPROM104に格納する。この後、(3)、(4)WI=1,RI=1をセットし、M1を単純なデータの受け渡し領域とする。制御部201の処理が空いている間に、M0に書き込んだデータをEEPROM104に格納する。
つぎに、故障確定前に復帰した後に、(5)故障検出部202で故障を検出した場合には、WI=0、RI=1を設定し、M0のデータ更新に切り替え、M1のデータを保持する。なお、M0に保持したデータは、制御部101の空き時間にEEPROM104に格納する。そして、(6)WI=0,RI=0を設定し、第1の領域であるM0を単純なデータの受け渡し領域とする。この後、異常を検出した場合は、(1)に戻る。M0とM1を切り替えるだけで、最新の故障解析用データを何度でも取得することができる。
このように、WIとRIの2つのインデックス変数を操作するだけで、大量の故障解析用データを高速かつ確実に保存することが可能となる。この方式を用いれば故障解析用データの要素数が多いほど効果を発揮する。周期入出力のタイミングによっては、配列アクセスのための複数インデックスを同時操作しても目的を果たすことが可能となる。また、周期入出力のタイミングによっては、配列アクセスのためのインデックスが1つでも充分目的を果たすことが可能となる。
図7は、本実施例において、故障検出時のCPU101(ソフトウェア)の処理負荷を説明するためのタイミングチャートである。同図では、所定周期T1内でTask(タスク)1〜4を実行し、Task2に故障解析用データの保存処理が組み込まれている場合を説明する。
同図において、故障解析用データを保存する場合には、例えば、時刻t1で、Task2の故障検出機能により故障を検出した場合には、時刻t2で故障解析用データ保存処理を開始し、時刻t3で故障解析用データ保存処理が終了する。この場合、本実施例では、RAM103の第1および第2のメモリ領域103a、103bの切り替えを行うだけであるので、従来では故障解析用データの保存処理に長期間T2(図9参照)要していたが、本実施例では、短期間のT3で済み、後行の処理(Task3,Task4)を設計通りのタイミングで処理できる。すなわち、ソフトウェアの処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを高速かつ確実に保存することができ、設計通りのタイミングで処理できるようになる。したがって、本来の診断/制御の効果を発揮することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、操舵補助モータ20を制御する制御部201と、制御部201のワークエリアとして使用され、センサデータやその演算結果等が格納され、第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bを有するRAM103と、電動パワーステアリング装置の故障を検出する故障検出部202と、正常状態では、第1のメモリ領域103aを通常処理に使用する領域として選択し、故障検出部202で故障を検出した場合には、第2のメモリ領域103bを通常処理に使用する領域に切り替え、第1のメモリ領域103aを故障解析用データの保存領域とするメモリ切替部203とを備えているので、ソフトウェア(CPU)の処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを高速かつ確実に保存することが可能となる。
また、メモリ切替部203は、第1および第2のメモリ領域103a、103bの切り替えを、メモリ領域を配列定義してアドレス指定するインデックス方式、固定アドレスに対して所定値を加減算するオフセット方式、または物理的なメモリ領域を選択するバンク方式で行うこととしたので、第1および第2のメモリ領域103a、103bの切り替えを簡単な方法で行うことが可能となる。
また、故障解析用データを記録するためのEEPROM104を備え、制御部202の空き時間に、RAM103に保存された故障解析用データをEEPROM104に保存することとしたので、ソフトウェア(CPU)の処理負荷を増加させることなく、故障解析用データを永続的に保存することが可能となる。
また、故障検出部202で故障を検出する毎に、通常処理を行う領域と故障解析用データの保存領域を、第1のメモリ領域103aと第2のメモリ領域103bとで交互に切り替えることとしたので、故障解析用データを繰り返し保存することが可能となる。
なお、上記実施例では、RAM103の領域を2つの領域に分割することとしたが、分割する領域数はこれに限られるものではなく、3つ以上の領域に分割することにしてもよい。
また、故障検出処理をCPU101で実行することとしたが、故障検出を行うデバイスを別個に設ける構成としてもよい。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、故障解析用データを保存する場合に有用である。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。 図1のコントロールユニットのハードウェア構成を示す図である。 故障解析用データの保存処理およびアシスト処理に関するMCUの機能構成図である。 メモリ切替部におけるRAMのメモリ領域の切替を説明するための模式図である。 電動パワーステアリング装置の動作の概略を説明するためのフローチャートである。 メモリ切替部がインデックス方式を使用して、RAMのメモリ領域の切替を行う場合の実施例を説明するための説明図(その1)である。 メモリ切替部がインデックス方式を使用して、RAMのメモリ領域の切替を行う場合の実施例を説明するための説明図(その2)である。 メモリ切替部がインデックス方式を使用して、RAMのメモリ領域の切替を行う場合の実施例を説明するための説明図(その3)である。 メモリ切替部がインデックス方式を使用して、RAMのメモリ領域の切替を行う場合の実施例を説明するための説明図(その4)である。 メモリ切替部がインデックス方式を使用して、RAMのメモリ領域の切替を行う場合の実施例を説明するための説明図(その5)である。 本実施例の故障検出時の故障解析用データ保存処理におけるソフトウェアの処理負荷を説明するためのタイミングチャートである。 従来の故障検出時の故障解析用データ保存方法を説明するための図である。 従来の故障検出時の故障解析用データ保存におけるソフトウェアの処理負荷を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギヤ
4a、4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 バッテリ
20 操舵補助モータ
30 コントロールユニット
100 MCU(マイクロコントロールユニット)
101 CPU(制御手段)
102 ROM
103 RAM
103a 第1のメモリ領域
103b 第2のメモリ領域
104 EEPROM
105 A/D変換器
106 インターフェース
107 バス
110 FETプリドライバ回路
120 モータ駆動回路(インバータ)
130 電流検出回路
140 位置検出回路

Claims (4)

  1. 車両のステアリング系に発生する操舵トルクおよび前記車両の速度に基づいて演算した操舵補助指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵補助モータを制御する制御手段と、
    前記制御手段のワークエリアとして使用され、センサデータや前記制御手段の演算結果等が格納されるランダムアクセスメモリと、
    前記電動パワーステアリング装置の故障を検出する故障検出手段と、
    を備え、
    前記ランダムアクセスメモリは、少なくとも2つのメモリ領域を有し、一方のメモリ領域を通常処理に使用し、前記故障検出手段で故障が検出された場合には、他方のメモリ領域を通常処理に使用する領域に切り替え、前記一方のメモリ領域を故障解析用データの保存領域とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記2つのメモリ領域の切り替えは、メモリ領域を配列定義してアドレス指定するインデックス方式、固定アドレスに対して所定値を加減算するオフセット方式、または物理的なメモリ領域を選択するバンク方式で行うことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記故障解析用データを記録するための不揮発性記憶手段を備え、
    前記制御手段は、空き時間に、前記ランダムアクセスメモリに保存されている故障解析用データを前記不揮発性記憶手段に保存することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記故障検出手段で故障が検出される毎に、通常処理を行う領域と故障解析用データの保存領域とを、前記一方のメモリ領域と前記他方のメモリ領域とで交互に切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置。
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