JP2000337977A - 電動パワーステアリング用トルクセンサ - Google Patents

電動パワーステアリング用トルクセンサ

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JP2000337977A
JP2000337977A JP15187499A JP15187499A JP2000337977A JP 2000337977 A JP2000337977 A JP 2000337977A JP 15187499 A JP15187499 A JP 15187499A JP 15187499 A JP15187499 A JP 15187499A JP 2000337977 A JP2000337977 A JP 2000337977A
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Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
Yoshiyuki Ideno
義之 出野
Kenichi Azuma
賢一 東
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大容量のメモリを使用せずにトルクセンサの
故障や劣化に関連するデータを確実に収集することので
きるトルクセンサを提供すること。 【解決手段】 トルクセンサの故障解析に利用可能なデ
ータを検出するデータ検出手段(A)と、データ検出手
段(A)で検出されたデータを一時記憶する一時記憶手
段(B)と、一時記憶手段(B)に記憶されたデータの
うち補助操舵力指令が規定値を超えたときのデータのみ
を保存用メモリ(C)に書き込む解析用データ書き込み
手段(D)を設ける。補助操舵力指令が規定値を超えた
ときのデータ、即ち、運転者によるハンドル操作が実際
に行われたときのデータのみを保存用メモリ(C)に書
き込むことにより、故障解析に不要なデータを排除し、
有用なデータのみを保存して保存用メモリ(C)の容量
を節約する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動パワーステア
リング用トルクセンサの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンドルに作用する運転者の操舵力を検
出し、この操舵力に応じた力を指令値として補助操舵装
置の電動機を駆動することによって補助操舵力を得るよ
うにした自動車用の電動パワーステアリングが公知であ
る。一般に、この種の電動パワーステアリングでは、ハ
ンドルに作用する操舵力の検出手段として磁歪式トルク
センサ等が利用されている。
【0003】磁歪式トルクセンサのトルク検出部は、公
知のように、ハンドル軸の外周にその軸心に対して約4
5度の角度で斜交して取りつけられた一対の磁気異方性
部材と、この磁気異方性部材の各々に取りつけられた一
対の検出コイル、および、これらの検出コイルの各々に
対応して設けられた一対の励磁コイルによって構成され
る。そして、ハンドルの操作に伴ってハンドル軸に生じ
る微小な捩れを磁気異方性部材の透磁率の変化として検
出し、透磁率の変化に対応する電気信号に適切な処理を
加えてパワーステアリング用コントローラ(以下、単に
EPSコントローラという)に出力することにより、運
転者によるハンドルの操舵力および操舵量に応じて補助
操舵装置を作動させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この磁歪式トルクセン
サには、温度環境等の変化に起因するトルク検出部の温
度ドリフト等を吸収する中点電圧調整機能や、トルク検
出部の感度特性の変化等を吸収して適切な補助操舵力指
令を得るためのゲイン調整機能等が設けられているが、
これらのものはトルクセンサの出力を最適化するための
自動補正を行うことを目的とするものであり、トルクセ
ンサ自体の故障や経年変化による性能の劣化を検出する
ことはできない。
【0005】また、トルクセンサに関連する検査データ
を収集する特性検査装置を備えたトルク測定装置が特開
平6−174577号として提案されているが、この特
性検査装置によって収集される検査データは、トルクセ
ンサの中点電圧や感度特性の調整のために利用される一
過性のものに過ぎず、最終的に特性検査装置に保存され
るのは、検査データに基づいて算出された特性補正用の
データのみである。つまり、この特性検査装置も、前記
と同様、トルクセンサの出力を最適化するための自動補
正を行うものに過ぎず、トルクセンサ自体の故障や経年
変化による性能の劣化を検出する目的には向かない。
【0006】パワーステアリングに関連した運転操作の
内容を直接的に記憶する装置としては、特開平9−20
261号に開示されるようなパワーステアリング装置が
提案されている。しかし、このものは、有限のメモリ内
に運転操作の内容に関連した最近のデータのみを循環的
に書き込むようにしているので、保存されたデータの中
にトルクセンサの故障や劣化に関連するデータが必ずし
も含まれているといった保証はない。そこで、もし、こ
のメモリを利用してトルクセンサの故障や劣化状態の解
析を行おうとすれば、長期間に亘るデータを保存するた
めに膨大なメモリ容量が必要となり、また、データの解
析作業にも多大な時間がかかるといった問題が生じる。
また、運転操作の内容に関連したデータの書き込み作業
はEPSコントローラを兼ねる制御回路のマイクロプロ
セッサによって行われ、しかも、運転者のハンドル操作
とは関わりなく所定のサンプリング周期毎に強制的に書
き込み作業が実施されるようになっているので、EPS
コントローラの側の処理と書き込み作業とが重複したよ
うな場合にはマイクロプロセッサの処理が過負荷状態と
なる可能性がある。
【0007】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、大容量のメモリを使用しなくてもトル
クセンサの故障や劣化に関連するデータを確実に収集す
ることができ、また、制御回路等に過大な負荷をかける
ことなく、トルクセンサの故障や劣化に関連するデータ
を安定的に保存することのできる電動パワーステアリン
グ用トルクセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明が前記課
題を解決するために採用した手段の概略を示すクレーム
対応図である。
【0009】図1に示すように、本発明は、トルクセン
サの故障解析に利用可能なデータを検出するためのデー
タ検出手段(A)と、データ検出手段(A)により検出
されたデータを一時記憶するための一時記憶手段(B)
と、一時記憶手段(B)に記憶されたデータのうち補助
操舵力指令が規定値を超えたときのデータのみを保存用
メモリ(C)に書き込む解析用データ書き込み手段
(D)と、前記補助操舵力の実質的な指令値が零となっ
ているか否かを判別し、補助操舵力の実質的な指令値が
零となっている期間にだけ解析用データ書き込み手段
(D)の書き込み動作を許容する書き込みタイミング制
御手段(E)とを備えたことを特徴とする構成を有す
る。この構成により、補助操舵力指令が規定値を超えた
ときのデータ、即ち、運転者によるハンドル操作が実際
に行われたときのデータのみを保存用メモリ(C)に書
き込むようにしているので、保存用メモリ(C)の記憶
容量が少ない場合であってもトルクセンサの故障や劣化
を具体的に表すデータを効率よく保存収集することがで
きる。また、補助操舵力の実質的な指令値が零となって
いる期間、つまり、トルクセンサのマイクロプロセッサ
が補助操舵力の演算処理から開放され、マイクロプロセ
ッサの処理能力に余裕がある期間に保存用メモリ(C)
に対するデータの書き込み作業を行うようにしているの
で、トルクセンサのマイクロプロセッサを利用してデー
タの収集や書き込み作業を行うような場合であっても、
マイクロプロセッサに過負荷や誤動作が発生することが
ない。
【0010】更に、前記保存用メモリ(C)に右旋回用
の記憶領域(a)と左旋回用の記憶領域(b)とを設
け、前記解析用データ書き込み手段(D)には、ハンド
ルの操作方向を検出し、その操作方向が右方向であれば
前記右旋回用の記憶領域(a)を選択して前記一時記憶
手段(B)のデータを書き込む一方、前記操作方向が左
方向であれば前記左旋回用の記憶領域(b)を選択して
前記一時記憶手段(B)のデータを書き込むデータ記憶
領域選択機能(f)を設けることにより、ハンドルを右
方向に操作したときに検出されたデータとハンドルを左
方向に操作したときに検出されたデータとを独立させて
識別可能に保存できるようにした。
【0011】また、前記保存用メモリ(C)を上書き用
のメモリ(C1)と永久保存用の不揮発メモリ(C2)
とによって構成すると共に、前記解析用データ書き込み
手段(D)には、前記一時記憶手段(B)に記憶された
データの大きさを判定し、その大きさが設定範囲内であ
れば上書き用のメモリ(C1)を選択して前記一時記憶
手段(B)のデータを上書きして書き込む一方、前記一
時記憶手段(B)に記憶されたデータの大きさが設定範
囲を超えていれば前記永久保存用の不揮発メモリ(C
2)に追加して書き込むデータ記憶メモリ選択機能
(g)を設けることにより、特徴のないデータは最近の
ものを1つだけ保持し、かつ、問題のありそうなデータ
に関しては後に参照可能なように長期間に亘って保持で
きるようにした。
【0012】データ検出手段(A)によって検出するデ
ータとしては、補助操舵力指令のピーク値,ハンドル操
作開始時点の補助操舵力指令の値,ハンドル操作終了時
点の補助操舵力指令の値,ハンドルの操作時間,トルク
センサの温度,トルクセンサを構成する電気部品の出力
電圧,トルクセンサの電源電圧等がある。
【0013】解析用データ書き込み手段(D)および書
き込みタイミング制御手段(E)はトルクセンサ用のマ
イクロプロセッサによって構成することができる。
【0014】更に、前記永久保存用の不揮発メモリ(C
2)に書き込まれたデータを選別または集計して出力す
るためのデータ処理機能(F)をトルクセンサ用のマイ
クロプロセッサに付加することにより、トルクセンサ自
体の故障や経年変化による性能の劣化を容易に解析する
ことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】図2は本発明を適用した一実施形
態の磁歪式トルクセンサ1の回路構成の要部を簡略化し
て示すブロック図である。
【0016】磁歪式トルクセンサ1のトルク検出部2
は、磁歪性を有するハンドル軸の外周にその軸心に対し
て約45度の角度で斜交して取りつけられた一対の磁気
異方性部材(図示せず)と、この磁気異方性部材の各々
に取りつけられた一対の検出コイル3a,3b、およ
び、検出コイル3a,3bの各々に対応して設けられた
一対の励磁コイル4a,4bによって構成される。
【0017】励磁コイル4a,4bには、交流電源とな
る発振回路5および電流増幅回路となるバッファ6を介
して励磁電流が供給されるようになっている。また、検
出コイル3a,3bの各々は、ハンドルの操作に伴って
ハンドル軸に生じる微小な捩れを磁気異方性部材の透磁
率の変化として検出し、これを電圧信号として出力す
る。検出コイル3a,3bから出力された電圧信号は、
整流回路7a,7bで整流されて比較回路8に入力さ
れ、比較回路8は2つの電圧信号の偏差、つまり、ハン
ドルに作用する操舵力の大きさと操舵方向に関する情報
を求め、更に、ローパス・フィルタ等で構成される平滑
回路9で電圧偏差からノイズの影響を除去し、ゲイン調
整回路10に渡す。
【0018】ゲイン調整回路10は、トルク検出部2の
感度の特性変化を吸収して適切な指令値が得られるよう
に補助操舵力の出力ゲインを調整するゲイン調整機能を
備え、トルクセンサ用の制御回路11に配備されたマイ
クロプロセッサ(以下、単にCPUという)12によっ
て出力ゲインの値を制御される。
【0019】また、中点電圧調整回路13は、温度変化
等によってトルク検出部2に生じる電圧ドリフトを吸収
し、ハンドルに作用する操舵力が「0」であるときにトル
クセンサ1から出力される補助操舵力の指令値Tが実
質的に「0」になるように指令値Tの中点電圧を調整す
る中点電圧調整機能を有し、前記と同様、トルクセンサ
用の制御回路11に配備されたCPU12によって中点
電圧の値を制御される。
【0020】中点電圧調整回路13から出力された補助
操舵力の指令値Tは、図示しないパワーステアリング
用コントローラ(EPSコントローラ)に入力され、こ
れを受けたEPSコントローラは、指令値Tを目標値
として補助操舵装置の電動機の駆動トルクをフィードバ
ック制御し、運転者によるハンドルの操舵力および操舵
量に応じた力で補助操舵装置を作動させる。従って、補
助操舵装置に与えられる駆動力は、運転者がハンドルに
与えた操舵力と比例した力となり、この補助操舵力によ
って自動車の旋回操作がパワーアシストされることにな
る。
【0021】この実施形態では、ハンドルに作用する操
舵力が「0」であるときに中点電圧調整回路13から出力
される補助操舵力の指令値Tが中点電圧2.5ボルト
と一致するように設定されており、この2.5ボルトの
出力が実質的な補助操舵力の指令値「0」に相当する。つ
まり、中点電圧調整回路13からの出力Tが中点電圧
と同じ2.5ボルトであるときにEPSコントローラか
ら補助操舵装置の電動機に与えられる実質的なトルク指
令値が「0」となる。この状態で、補助操舵装置には電動
機による補助操舵力が作用せず、従って、電動パワース
テアリングによるパワーアシストも実施されない状態と
なる。
【0022】アナログ電圧発生回路14は、トルク検出
部2等に異常が生じた場合に補助操舵力の指令値T
代えてHi(例えば5ボルト)またはLo(例えば0ボ
ルト)の電圧を出力することによってEPSコントロー
ラ側に異常の発生を知らせるためのもので、トルクセン
サ用の制御回路11に配備されたCPU12が検出部2
等の異常を検出することにより、自動的に駆動される。
【0023】電圧監視回路15はデータ検出手段(A)
の一部を構成し、トルクセンサ1の温度Tを検出する
温度センサ16からの温度検出信号やトルクセンサ1の
電源電圧V、および、トルクセンサ1の一部を構成す
る平滑回路7や他の電気部品17の出力電圧V、更に
は、中点電圧調整回路13から出力される補助操舵力の
指令値T等を読み込めるようになっている。
【0024】CPU12には、電圧監視回路15等から
読み込んだデータを記憶する一時記憶手段(B)として
十分な数のレジスタが配備されており、また、CPU1
2の内部メモリには、右旋回用の記憶領域(a)と左旋
回用の記憶領域(b)とを有する上書き用の書き込み領
域19(上書き用のメモリ(C1))が設けられてい
る。
【0025】図13に示すのは上書き用の書き込み領域
19の一例を示す概念図であり、図13の例では、右旋
回用の記憶領域(a)におけるVのフィールドにハン
ドル右操作時の補助操舵力指令のピーク値が書き込ま
れ、また、VSRのフィールドにはハンドル右操作開始
時点の補助操舵力指令の値が書き込まれるようになって
いる。また、VERのフィールドにはハンドル右操作終
了時点の補助操舵力指令の値が書き込まれ、更に、T
のフィールドにはハンドル右操作の継続時間が、そし
て、TMRのフィールドにはハンドル右操作時における
トルクセンサ1の温度が書き込まれるようになってい
る。同様に、VCRのフィールドにはハンドル右操作時
における平滑回路7や他の電気部品17の出力電圧が書
き込まれ、また、VTRのフィールドにはハンドル右操
作時におけるトルクセンサ1の電源電圧が書き込まれる
ようになっている。
【0026】一方、上書き用の書き込み領域19におけ
る左旋回用の記憶領域(b)のVのフィールドにはハ
ンドル左操作時の補助操舵力指令のピーク値が書き込ま
れ、また、VSLのフィールドにはハンドル左操作開始
時点の補助操舵力指令の値が書き込まれるようになって
いる。また、VELのフィールドにはハンドル左操作終
了時点の補助操舵力指令の値が書き込まれ、更に、T
のフィールドにはハンドル左操作の継続時間が、そし
て、TMLのフィールドにはハンドル左操作時における
トルクセンサ1の温度が書き込まれるようになってい
る。同様に、VCLのフィールドにはハンドル左操作時
における平滑回路7や他の電気部品17の出力電圧が書
き込まれ、また、VTLのフィールドにはハンドル左操
作時におけるトルクセンサ1の電源電圧が書き込まれる
ようになっている。
【0027】更に、CPU12には、書き換え可能な不
揮発性メモリ18が接続され、その内部に、永久保存用
の書き込み領域20(永久保存用の不揮発性メモリ(C
2))を構成する右旋回用の記憶領域(a)と左旋回用
の記憶領域(b)とが設けられている。
【0028】図14に示すのは永久保存用の書き込み領
域20の一例を示す概念図であり、図14の例では、右
旋回用の記憶領域(a)におけるn個の各レコードに、
ハンドル右操作時の補助操舵力指令のピーク値Vとハ
ンドル操作開始時点の補助操舵力指令の値VSRおよび
ハンドル操作終了時点の補助操舵力指令の値VERとハ
ンドル操作の継続時間Tが上書きせずに追加して書き
込まれるようになっている。
【0029】同様に、永久保存用の書き込み領域20の
左旋回用の記憶領域(b)におけるn個の各レコードに
は、ハンドル左操作時の補助操舵力指令のピーク値V
とハンドル操作開始時点の補助操舵力指令の値VSL
よびハンドル操作終了時点の補助操舵力指令の値VEL
とハンドル操作の継続時間Tが上書きせずに追加して
書き込まれる。
【0030】但し、永久保存用の書き込み領域20のレ
コードには電圧監視回路15等のデータ検出手段(A)
によって検出されたデータが全て記憶されるわけではな
く、実際に記憶されるのは、その検出タイミングで検出
された幾つかのデータの値が予め決められた設定範囲を
超えたもの、つまり、何らかの異常があると判定された
データを含む検出タイミングで検出されたデータに限ら
れ、その他のデータ、つまり、全く異常が認められない
検出タイミングで検出されたデータに関しては、前述の
上書き用の書き込み領域19上に逐次更新して書き込ま
れるようになっている。
【0031】また、ハンドル操作時におけるトルクセン
サ1の温度TMR,TMLや他の電気部品17の出力電
圧VCR,VCLおよびトルクセンサ1の電源電圧V
TR,VTLに関してはハンドルの操作方向との関わり
は希薄であるので、ここでは記憶領域の節約のため、右
旋回時と左旋回時との区別はせず、何らかの異常がある
と判定された最近のデータ1組のみを図14に示すよう
な共通の記憶領域(c)に保存するようにしている。無
論、図13に示した上書き用の書き込み領域19の例と
同様にして、右旋回時のデータTMR,VCR,VTR
と左旋回時のデータTML,VCL,VTLとを区別し
て前者を永久保存用の書き込み領域20の右旋回用の記
憶領域(a)に、また、後者を永久保存用の書き込み領
域20の左旋回用の記憶領域(b)に保存するようにし
てもよい。
【0032】図4〜図11は、データ記憶領域選択機能
(f)とデータ記憶メモリ選択機能(g)を有する解析
用データ書き込み手段(D)および書き込みタイミング
制御手段(E)を兼ねるCPU12によって実施される
データ収集処理の概略を示すフローチャート、また、図
12は収集したデータを読み出す際にCPU12が実施
するデータ選別集計処理の概略を示すフローチャートで
ある。
【0033】また、図3はハンドル操作に対応してトル
クセンサ1から出力される補助操舵力指令値Tの変化
の一例を示す概念図で、ハンドルを右に回してから左に
切り返した場合の指令値Tの変化を横軸を時間軸にと
って示している。前述した通り、ハンドルに作用する操
舵力が「0」であるときにトルクセンサ1の中点電圧調整
回路13から出力される補助操舵力の指令値Tが中点
電圧2.5ボルトであり、この2.5ボルトの出力が実
質的な補助操舵力の指令値「0」に相当する。つまり、中
点電圧調整回路13からの出力Tが2.5ボルトであ
るときにEPSコントローラから補助操舵装置の電動機
に与えられる実質的なトルク指令値が「0」となって、こ
の状態で、補助操舵装置には電動機による補助操舵力が
作用せず、電動パワーステアリングによるパワーアシス
トも実施されない。また、ハンドルを右方向に操作した
場合には指令値Tが2.5ボルトを超える値となっ
て、Tの現在値と中点電圧2.5ボルトとの偏差に応
じた力で補助操舵装置による右旋回方向のパワーアシス
トが実施される一方、ハンドルを左方向に操作した場合
には指令値Tが2.5ボルト未満の値となって、T
の現在値と中点電圧2.5ボルトとの偏差に応じた力で
補助操舵装置による左旋回方向のパワーアシストが実施
される。
【0034】以下、これらの図面を参照して、データ収
集に関連したCPU12の処理動作の主要部について詳
細に説明する。
【0035】データ収集処理を開始したCPU12は、
まず、1回のハンドル操作に関わる異常検出の有無を記
憶するフラグF1〜F7の各々を初期値0、即ち、異常
検出なしの状態を示す値に初期化し(ステップa1)、
経過時間計測用の2つのタイマTa,Tbをリセットし
て(ステップa2)、補助操舵力指令値の現在値T
読み込み(ステップa3)、この現在値Tが中点電圧
の許容バンド幅の下限2.5−αボルトを下回っている
か(ステップa4)、もしくは、この現在値T が中点
電圧の許容バンド幅の上限2.5+αボルトを上回って
いるか否かを判別する(ステップa5)。なお、フラグ
F1は、ハンドル操作時の補助操舵力指令のピーク値が
設定範囲を超えた場合、つまり、補助操舵力指令のピー
ク値に異常があると判定された場合にセットされるフラ
グであり、また、フラグF3はハンドル操作終了時点の
補助操舵力指令の値に異常があると判定された場合にセ
ットされるフラグである。また、フラグF5,F6,F
7は、夫々、トルクセンサ1の温度異常,平滑回路7や
他の電気部品17の出力電圧の異常,トルクセンサ1の
電源電圧の異常が検出された場合にセットされるフラグ
である。本実施形態においては、1回のハンドル操作の
終了時点でフラグF1〜F7のうち少なくとも1つのフ
ラグがセットされていることが確認された場合、つま
り、何らかの異常が検出された場合に限って、今回のハ
ンドル操作で検出された各種のデータを永久保存用の書
き込み領域20に追加して記憶する一方、いずれのフラ
グもセットされなかった場合、つまり、格別の異常が検
出されなかった場合には、このハンドル操作で検出され
た各種のデータを上書き用の書き込み領域19に上書き
することにより、最近のデータ1セットのみを保存する
ようにしている。
【0036】ステップa4およびステップa5の判別処
理において判別結果が共に偽となった場合には、補助操
舵力の指令値Tの値が2.5±αボルトの範囲内にあ
ること、つまり、ハンドルが操作されていないことを意
味するので、CPU12は、ステップa3〜ステップa
5の処理を繰り返し実行しつつ、ハンドルが運転者によ
って何れかの方向に操作されるのを待機する。
【0037】一方、ステップa5もしくはステップa4
の判別結果の何れかが真となった場合は、補助操舵力の
指令値Tの値が2.5±αボルトの範囲内にある状
態、つまり、ハンドルに外力が作用していない状態か
ら、何れかの方向にハンドルが操作されて補助操舵力の
実質的な指令値が増大したことを意味する。
【0038】そこで、ステップa5の判別結果が真とな
った場合、つまり、指令値Tの値が2.5+αボルト
を超えてハンドルの右方向操作が検出された場合には、
CPU12は回転方向記憶レジスタCにハンドルの右操
作を記憶する値0をセットし(ステップa6)、また、
ステップa4の判別結果が真となってハンドルの左方向
操作が検出された場合には、回転方向記憶レジスタCに
ハンドルの左操作を記憶する値1をセットする(ステッ
プa7)。
【0039】このようにしてハンドル操作の開始を検出
したCPU12は、次いで、経過時間計測用のタイマT
aをスタートさせ(ステップa8)、タイマTaの計測
値を逐次確認しながら(ステップa9)、該タイマTa
の計測値が設定値Txに達するまで待機する(ステップ
a10)。図3にハンドル右操作検出時のタイマTaの
スタートタイミングをP1、また、ハンドル左操作検出
時のタイマTaのスタートタイミングをQ1で示す。
【0040】そして、タイマTaの計測値が設定値Tx
に達したことがステップa10の判別処理で検出される
と、CPU12は、ハンドル操作開始後Tx経過時点に
おける補助操舵力指令値Tの値を読み込み(ステップ
a11)、その値を補助操舵力指令ピーク値記憶レジス
タR1およびハンドル操作開始時点補助操舵力指令値記
憶レジスタR2に一時記憶する(ステップa12)。図
3にハンドル右操作開始時点の補助操舵力指令値の一例
をVSR、また、ハンドル左操作開始時点の補助操舵力
指令値の一例をVSLとして示す。
【0041】次いで、CPU12は補助操舵力指令値T
の現在値を読み込み(ステップa13)、補助操舵力
指令ピーク値記憶レジスタR1に記憶された補助操舵力
指令値と中点電圧との偏差に比べ、補助操舵力指令値T
の現在値と中点電圧との偏差の方が大きいか否か、即
ち、ハンドルの右操作開始時点もしくは左操作開始時点
の状態に比べて実質的な補助操舵力指令値の大きさ、要
するに、中点電圧を基準として求められる指令値T
偏差の絶対値が増大しているか否かを判別し(ステップ
a14)、実質的な補助操舵力指令値の大きさが増大し
ていれば、該時点における補助操舵力指令値Tの値を
補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR1に更新して記
憶する(ステップa15)。
【0042】CPU12は前記と同様にしてステップa
13〜ステップa15の処理を繰り返し実行し、その直
前の時点で補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR1に
記憶された補助操舵力指令値と中点電圧との偏差に比べ
て補助操舵力指令値Tの現在値と中点電圧との偏差の
方が大きいか否かを判別し、補助操舵力指令値Tの現
在値と中点電圧との偏差の方が大きい場合に限って、現
時点における補助操舵力指令値Tの値を補助操舵力指
令ピーク値記憶レジスタR1に更新して記憶していく。
中点電圧を基準とする指令値Tの偏差の絶対値が単調
増加する間はステップa14の判別結果が真となってレ
ジスタR1のデータの更新処理が継続して行われ、中点
電圧を基準とする指令値Tの偏差が減少を開始した瞬
間にステップa14の判別結果が偽となって前述したス
テップa13〜ステップa15のループ処理が終了する
ので、結果的に、今回のハンドル操作が右方向であった
場合には補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR1に補
助操舵力指令の最大値となるピーク値が、また、今回の
ハンドル操作が左方向であった場合には、補助操舵力指
令の最小値となるピーク値が保存されることになる。図
3にハンドル右操作時における補助操舵力指令値のピー
ク値(最大値)の一例をVで、また、ハンドル左操作
時における補助操舵力指令値のピーク値(最小値)の一
例をVとして示す。
【0043】このようにしてハンドル操作時の補助操舵
力指令のピーク値の検出を終えたCPU12は、次い
で、補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR1に記憶さ
れたピーク値から中点電圧を減じた値の絶対値が予め設
定された低トルク規定値を超えているか否かを判別する
(ステップa16)。低トルク規定値は、トルクセンサ
1の出力Tの変化が運転者の積極的なハンドル操作に
基づくものであるのか、振動やキックバック等の外乱に
起因するものであるのかを判定するための設定値であ
る。つまり、ピーク値から中点電圧を減じた値の絶対値
が低トルク規定値を超えていれば運転者による実質的な
ハンドル操作が行われたことを意味し、また、この絶対
値が低トルク規定値を超えていなければ、今回検出され
たトルク印加が振動やキックバック等による一時的なも
の、つまり、運転者によるハンドル操作以外の外乱に起
因したものであると判定される。
【0044】そこで、ステップa16の判別結果が偽と
なった場合、つまり、今回検出されたトルク印加が外乱
による一時的なものであると判定された場合には、CP
U12は、補助操舵力指令の現在値Tを読み込み(ス
テップa24)、その値が2.5±αボルトの中点電圧
の許容バンド幅内に復帰するのを待機してから(ステッ
プa25)、再びステップa1〜ステップa2の初期化
処理を実施し、前記と同様にしてステップa3〜ステッ
プa5の待機処理を繰り返し実行して、運転者によるハ
ンドル操作を待つ待機状態に入る。
【0045】一方、ステップa16の判別結果が真とな
った場合には、運転者によるハンドル操作が実際に行わ
れたことを意味するので、CPU12は以降のデータ収
集処理を実施し、ピーク値R1以外のデータに関する検
出作業を継続して行う。
【0046】そこで、CPU12は、まず、補助操舵力
指令のピーク値R1から中点電圧を減じた値の絶対値、
即ち、中点電圧を基準とする実質的な補助操舵力指令値
のピーク値が、予め決められた異常検出のための設定値
の範囲を超えているか否か、つまり、補助操舵力指令の
ピーク値に何らかの異常があるか否かを判別し(ステッ
プa17)、設定値の範囲を超えている場合には、異常
ありと判定して、ピーク値の異常を記憶するフラグF1
に1をセットする(ステップa18)。また、このピー
ク値が予め決められた異常検出のための設定値の範囲内
にある場合にはフラグF1はセットされない。
【0047】次いで、CPU12は補助操舵力指令の現
在値Tを読み込み(ステップa19)、その値が2.
5±αボルトの中点電圧の許容バンド幅内に復帰するま
で待った後(ステップa20)、経過時間計測用のタイ
マTbをスタートさせ(ステップa21)、該タイマT
bの計測値を確認しながら設定時間Tyが経過するまで
待機し(ステップa22,ステップa23)、設定時間
Ty経過時点の補助操舵力指令値Tの値を読み込んで
(ステップa26)、ハンドル操作終了時点補助操舵力
指令値記憶レジスタR3に一時記憶し(ステップa2
7)、経過時間計測用のタイマTa,Tbの計時動作を
停止させる(ステップa28)。図3にハンドル右操作
終了時点の補助操舵力指令値の一例をVER、また、ハ
ンドル左操作終了時点の補助操舵力指令値の一例をV
ELとして示す。
【0048】次いで、CPU12は、ハンドル操作終了
時点補助操舵力指令値記憶レジスタR3に一時記憶され
ている補助操舵力指令値の値が2.5±αボルトの中点
電圧の許容バンド幅内にあるか否かを判別する(ステッ
プa29)。ステップa20の判別結果が真となった段
階で指令値Tの値が2.5±αボルトの中点電圧の許
容バンド幅内に入っていることは既に確認されているの
で、それから微小時間Ty経過後のステップa26の処
理で読み込まれたハンドル操作終了時点補助操舵力指令
値記憶レジスタR3の値も、当然、2.5±αボルトの
中点電圧の許容バンド幅内に入っている筈であり、も
し、ステップa29の判別結果が偽となるとすれば、中
点電圧調整回路13等に何らかの異常があるものと考え
られる。従って、ステップa29の判別結果が偽となっ
た場合、CPU12はハンドル操作終了時点の補助操舵
力指令値の異常を記憶するフラグF3に1をセットする
(ステップa30)。また、ハンドル操作終了時点補助
操舵力指令値記憶レジスタR3の値が2.5±αボルト
の中点電圧の許容バンド幅内に入っている場合にはフラ
グF3はセットされない。
【0049】次いで、CPU12は、経過時間計測用の
タイマTaの計測値、即ち、ハンドル操作によって増大
した実質的な補助操舵力指令値の絶対値が中点電圧の許
容バンド幅を超えて微小時間Txを経過した時点から該
実質的な補助操舵力指令値の絶対値が中点電圧の許容バ
ンド幅に復帰して微小時間Tyが経過する時点までの所
要時間を読み込み(ステップa31)、その値をハンド
ル操作継続時間記憶レジスタR4に一時記憶する(ステ
ップa32)。図3にハンドル右操作時のハンドル操作
継続時間の一例をT、また、ハンドル左操作時のハン
ドル操作継続時間の一例をTとして示す。
【0050】次いで、CPU12は、データ検出手段
(A)の一部を構成する電圧監視回路15および温度セ
ンサ16を介してトルクセンサ1の現在温度Tを読み
込み(ステップa33)、その値をトルクセンサ温度記
憶レジスタR5に一時記憶した後(ステップa34)、
トルクセンサ温度記憶レジスタR5の値が予め決められ
た異常検出のための設定値の範囲を超えているか否か、
要するに、トルクセンサ1の温度に何らかの異常がある
か否かを判別する(ステップa35)。そして、異常検
出のための設定値の範囲を超えていれば、異常ありと判
定してトルクセンサ1の温度の異常を記憶するフラグF
5に1をセットする(ステップa36)。また、トルク
センサ温度記憶レジスタR5の値が予め決められた異常
検出のための設定値の範囲内にある場合にはフラグF5
はセットされない。
【0051】次いで、CPU12は、データ検出手段
(A)の一部を構成する電圧監視回路15を介し、更
に、平滑回路7や他の電気部品17の出力電圧Vの現
在値を読み込んで(ステップa37)、出力電圧記憶レ
ジスタR6に一時記憶した後(ステップa38)、その
値が予め決められた異常検出のための設定値の範囲を超
えているか否か、要するに、平滑回路7や他の電気部品
17の出力電圧に何らかの異常があるか否かを判別する
(ステップa39)。そして、異常検出のための設定値
の範囲を超えていれば、異常ありと判定して平滑回路7
や他の電気部品17の出力電圧の異常を記憶するフラグ
F6に1をセットする(ステップa40)。また、出力
電圧記憶レジスタR6の値が予め決められた異常検出の
ための設定値の範囲内にある場合にはフラグF6はセッ
トされない。
【0052】次いで、CPU12は、データ検出手段
(A)の一部を構成する電圧監視回路15を介してトル
クセンサ1自体の電源電圧Vを読み込み(ステップa
41)、電源電圧記憶レジスタR7に一時記憶した後
(ステップa42)、その値が予め決められた異常検出
のための設定値の範囲を超えているか否か、要するに、
トルクセンサ1の電源電圧に何らかの異常があるか否か
を判別する(ステップa43)。そして、異常検出のた
めの設定値の範囲を超えていれば、異常ありと判定して
トルクセンサ1の電源電圧の異常を記憶するフラグF7
に1をセットする(ステップa44)。また、電源電圧
記憶レジスタR7の値が予め決められた異常検出のため
の設定値の範囲内にある場合にはフラグF7はセットさ
れない。
【0053】次いで、データ記憶メモリ選択機能(g)
の機能実現手段となるCPU12は、フラグF1〜F7
の全てに0がセットされているか否か、即ち、今回の1
回分のハンドル操作で検出されたデータに異常と認めら
れるようなものが1つでも有るか否かを判別する(ステ
ップa45)。
【0054】そして、ステップa45の判別結果が真と
なった場合、つまり、今回の1回分のハンドル操作で検
出されたデータに異常と認められるようなものが全くな
く、これら全てのデータを上書き用の書き込み領域19
に上書きしても構わないと判定された場合には、データ
記憶領域選択機能(f)の機能実現手段となるCPU1
2は、更に、回転方向記憶レジスタCの値が0であるか
否か、要するに、今回のハンドル操作が右方向であった
のか左方向であったのかを判別する(ステップa4
6)。
【0055】そして、ステップa46の判別結果が真と
なった場合、つまり、今回のハンドル操作が右方向であ
った場合には、データ記憶領域選択機能(f)の機能実
現手段となるCPU12は、図13に示されるような上
書き用の書き込み領域19から右旋回用の記憶領域
(a)を選択し、該右旋回用の記憶領域(a)の各フィ
ールドV,VSR,VER,T,TMR,VCR
TRの各々に補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR
1,ハンドル操作開始時点補助操舵力指令値記憶レジス
タR2,ハンドル操作終了時点補助操舵力指令値記憶レ
ジスタR3,ハンドル操作継続時間記憶レジスタR4,
トルクセンサ温度記憶レジスタR5,出力電圧記憶レジ
スタR6,電源電圧記憶レジスタR7の各データを上書
きして保存する(ステップa47)。
【0056】また、ステップa46の判別結果が偽とな
った場合、つまり、今回のハンドル操作が左方向であっ
た場合には、データ記憶領域選択機能(f)の機能実現
手段となるCPU12は、図13に示されるような上書
き用の書き込み領域19から左旋回用の記憶領域(b)
を選択し、該左旋回用の記憶領域(b)の各フィールド
VL,VSL,VEL,T,TML,VCL,V
TLの各々に補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタR
1,ハンドル操作開始時点補助操舵力指令値記憶レジス
タR2,ハンドル操作終了時点補助操舵力指令値記憶レ
ジスタR3,ハンドル操作継続時間記憶レジスタR4,
トルクセンサ温度記憶レジスタR5,出力電圧記憶レジ
スタR6,電源電圧記憶レジスタR7の各データを上書
きして保存する(ステップa48)。
【0057】そして、このようにして1回のハンドル操
作に関わる各種データの検出と保存に関わる処理を終え
たCPU12は、再びステップa1〜ステップa2の初
期化処理を実施し、前記と同様にしてステップa3〜ス
テップa5の待機処理を繰り返し実行して、運転者によ
るハンドル操作を待つ待機状態に入る。そして、ハンド
ルの右操作または左操作が検出される度に前記と同様に
して各種データの検出と保存に関わる処理が実行され
る。
【0058】一方、前述したステップa45の判別結果
が偽となった場合、つまり、今回の1回分のハンドル操
作で検出されたデータに異常と認められるものが1つ以
上あり、これらのデータを異常や故障の解析に必要とさ
れるデータとして長期間に亘って保存する必要があると
判定された場合には、データ記憶メモリ選択機能(g)
の機能実現手段となるCPU12は、図14に示される
ような不揮発性メモリ18側の永久保存用の書き込み領
域20をデータの書き込み先として選択し、更に、回転
方向記憶レジスタCの値が0であるか否か、要するに、
今回のハンドル操作が右方向であったのか左方向であっ
たのかを判別する(ステップa49)。
【0059】そして、ステップa49の判別結果が真と
なった場合、つまり、今回のハンドル操作が右方向であ
った場合には、データ記憶領域選択機能(f)の機能実
現手段となるCPU12は、図14に示されるような永
久保存用の書き込み領域20の右旋回用の記憶領域
(a)を選択してデータの保存作業を行うことになる。
【0060】そこで、データの保存先を決めるため、C
PU12は、まず、永久保存用の書き込み領域20のレ
コードアドレスを特定する指標iの現在値を不揮発性メ
モリ18から読み込む(ステップa50)。なお、指標
iの初期値は0であり、更新された指標iの値は不揮発
性メモリ18に保持されるようになっている。
【0061】指標iの現在値を読み込んだCPU12
は、次いで、その値を1インクリメントし(ステップa
51)、該指標iの現在値が予め決められたデータの保
存可能個数nを超えているか否かを判別する(ステップ
a52)。そして、指標iの現在値がデータの保存可能
個数nを超えていなければ該指標iの現在値をそのまま
保持する一方、該指標iの現在値がデータの保存可能個
数nを超えている場合には、改めて指標iの値を1に再
設定する(ステップa53)。
【0062】次いで、CPU12は、指標iの現在値で
特定される書き込み領域20のレコードiの各フィール
ドVHi,VSRi,VERi,TRiの各々に補助操
舵力指令ピーク値記憶レジスタR1,ハンドル操作開始
時点補助操舵力指令値記憶レジスタR2,ハンドル操作
終了時点補助操舵力指令値記憶レジスタR3,ハンドル
操作継続時間記憶レジスタR4の各データを書き込む
(ステップa54)。指標iの現在値は書き込み処理の
都度に更新されるので、前述した上書き用の書き込み領
域19の場合とは違い、一旦書き込まれたデータは不揮
発性メモリ18内に半永久的に保持されることになる。
但し、指標iの現在値がデータの保存可能個数nを超え
た場合には改めて先頭のレコードからデータが書き込ま
れることになるので、上書きされた部分のデータは削除
される。なお、図14の例ではデータの保存可能個数n
の値は2に設定されている。
【0063】また、ステップa49の判別結果が真とな
った場合、つまり、今回のハンドル操作が左方向であっ
た場合には、データ記憶領域選択機能(f)の機能実現
手段となるCPU12は、図14に示されるような永久
保存用の書き込み領域20の左旋回用の記憶領域(b)
を選択してデータの保存作業を行うことになる。
【0064】この場合、CPU12は、永久保存用の書
き込み領域20のレコードアドレスを特定する指標jの
現在値を不揮発性メモリ18から読み込んだ後(ステッ
プa56)、その値を1インクリメントし(ステップa
57)、該指標jの現在値が予め決められたデータの保
存可能個数nを超えているか否かを判別する(ステップ
a58)。そして、指標jの現在値がデータの保存可能
個数nを超えていなければ該指標jの現在値をそのまま
保持する一方、該指標jの現在値がデータの保存可能個
数nを超えている場合には、改めて指標jの値を1に再
設定する(ステップa59)。
【0065】次いで、CPU12は、指標jの現在値で
特定される書き込み領域20のレコードn+jの各フィ
ールドVLn+j,VSLn+j,VELn+j,T
Ln+ の各々に補助操舵力指令ピーク値記憶レジスタ
R1,ハンドル操作開始時点補助操舵力指令値記憶レジ
スタR2,ハンドル操作終了時点補助操舵力指令値記憶
レジスタR3,ハンドル操作継続時間記憶レジスタR4
の各データを書き込む(ステップa60)。指標jの現
在値は書き込み処理の都度に更新されるので、前記と同
様、一旦書き込まれたデータは不揮発性メモリ18内に
半永久的に保持されることになる。但し、指標jの現在
値がデータの保存可能個数nを超えた場合には改めて先
頭のレコードからデータが書き込まれることになるの
で、上書きされた部分のデータは削除される。
【0066】また、トルクセンサ1の温度および他の電
気部品17やトルクセンサ1の電源電圧の変動に関して
は、一般的に、長期使用による性能低下等に起因した異
常や故障が多く、また、その性能低下は緩慢であって、
ハンドルの回転方向によって変化が生じる可能性も低
い。従って、本実施形態においては、図14に示される
ような書き込み領域20の記憶領域(c)、つまり、2
n+1〜2n+3の各アドレスのレコードの各々に、ハ
ンドルの回転方向に関わりなく、トルクセンサ温度記憶
レジスタR5,出力電圧記憶レジスタR6,電源電圧記
憶レジスタR7の最新のデータを1組のみ保存して、デ
ータの記憶容量を節約するようにしている(ステップa
61)。無論、先に述べた各データと同様に、ハンドル
の回転方向を考慮してデータを保存したり、複数のデー
タを追加して保存するようにすることも可能である。
【0067】このようにして永久保存用の書き込み領域
20に対するデータの書き込み作業を終えたCPU12
は、再びステップa1〜ステップa2の初期化処理を実
施し、前記と同様にしてステップa3〜ステップa5の
待機処理を繰り返し実行し、運転者によるハンドル操作
を待つ待機状態に入る。そして、ハンドルの右操作また
は左操作が検出される度に前記と同様にして各種データ
の検出と保存に関わる処理が実行される。
【0068】永久保存用の書き込み領域20に対するデ
ータの書き込み作業は、補助操舵力指令値Tが2.5
±αボルトの中点電圧の許容バンド幅内に復帰した状
態、つまり、CPU12が補助操舵力の演算処理から開
放された状態で実施されるので、トルクセンサ用のCP
U12を利用してデータの収集や書き込み作業を行うよ
うな場合であっても、CPU12に過負荷や誤動作が発
生することはない。
【0069】また、振動やキックバック等の外乱に起因
するトルク印加の影響を排除し、補助操舵力指令ピーク
値記憶レジスタR1に記憶されたピーク値から中点電圧
を減じた値の絶対値が予め設定された低トルク規定値を
超えた場合にだけ、つまり、ステップa16の判別処理
によって運転者によるハンドル操作が確認された場合に
だけ、上書き用の書き込み領域19または永久保存用の
書き込み領域20に対するデータの書き込み作業を実施
するようにすると共に、特に、永久保存用の書き込み領
域20に対しては、ステップa45の判別処理で何らか
のデータ異常が検出された場合に限ってデータの書き込
み作業を実施するようにしているので、書き込み領域2
0の記憶容量等が少ない場合であっても、トルクセンサ
1の故障や劣化を具体的に表すデータのみを効率よく保
存収集することができる。
【0070】不揮発性メモリ18の書き込み領域20に
保存されたデータは、データ処理機能の機能実現手段を
構成するCPU12によって実施されるデータ選別集計
処理(図12参照)を経て、外部のデータ読み込み装置
または表示装置等に出力される。
【0071】データ選別集計処理を開始したCPU12
は、まず、データの並べ替え処理を実施する命令が不揮
発性メモリ18にセットされているか否かを判別する
(ステップb1)。この命令は、予め不揮発性メモリ1
8に登録しておいてもよいし、または、外部のデータ書
き込み装置を用いて任意に不揮発性メモリ18に設定す
るようにしてもよい。並べ替え作業のアルゴリズムの指
定に関しても同様である。
【0072】ステップb1の判別結果が真となった場
合、つまり、替え処理を実施する命令が不揮発性メモリ
18にセットされている場合には、CPU12は、指定
されたアルゴリズムに従って永久保存用の書き込み領域
20の右旋回用の記憶領域(a)の各レコード1〜nの
データの並べ替え作業を実施し(ステップb2)、ま
た、同様にして書き込み領域20の左旋回用の記憶領域
(b)の各レコードn+1〜2nのデータの並べ替え作
業を実施する(ステップb3)。並べ替え作業のアルゴ
リズムとしては、例えば、補助操舵力指令ピーク値記憶
フィールドVHi(VLn+j),ハンドル操作開始時
点補助操舵力指令値記憶フィールドVSRi(V
SLn+j),ハンドル操作終了時点補助操舵力指令値
記憶フィールドV Ri(VELn+j),ハンドル操
作継続時間記憶フィールドTRi(TLn+ )のうち
何れか1つのフィールドを指定して、そのフィールドの
データの大きさに従って降べき順または昇べき順にレコ
ードを並べ替えるといったものがある。
【0073】次いで、CPU12は、出力レコード特定
指標kの値を0に初期化し(ステップb4)、該指標k
の値を1インクリメントした後(ステップb5)、指標
kの現在値が右旋回用の記憶領域(a)および左旋回用
の記憶領域(b)を合わせた全体のレコード数2nを超
えているか否かを判別する(ステップb6)。指標kの
現在値が全体のレコード数2nを超えていなければ、C
PU12は、更に、データの選別処理を実施する命令が
不揮発性メモリ18にセットされているか否かを判別す
る(ステップb7)。この命令は、予め不揮発性メモリ
18に登録しておいてもよいし、または、外部のデータ
書き込み装置を用いて任意に不揮発性メモリ18に設定
するようにしてもよい。選別作業のアルゴリズムの指定
に関しても同様である。
【0074】そして、ステップb7の判別結果が偽とな
った場合、つまり、選別処理を実施する命令が不揮発性
メモリ18にセットされていない場合には、CPU12
は、指標kの現在値に対応するレコードのデータをその
まま出力する(ステップb9)。ステップb2およびス
テップb3の並べ替え処理が実施された場合には、既に
その段階でレコードの並べ替えが行われているので、指
標kの値に従ってレコードの先頭から順にデータを出力
しても、並べ替えられたデータの順序が乱れることはな
い。
【0075】また、ステップb7の判別結果が真となっ
た場合、つまり、選別処理を実施する命令が不揮発性メ
モリ18にセットされている場合には、CPU12は、
指定されたアルゴリズムに基づいて、指標kの現在値に
対応するレコードのデータが選別条件を満たすか否かを
判別する(ステップb8)。そして、条件を満たす場合
に限って、このレコードのデータを外部のデータ読み込
み装置または表示装置等に出力する(ステップb9)。
【0076】選別作業のアルゴリズムとしては、例え
ば、補助操舵力指令ピーク値記憶フィールドVHi(V
Ln+j),ハンドル操作開始時点補助操舵力指令値記
憶フィールドVSRi(VSLn+j),ハンドル操作
終了時点補助操舵力指令値記憶フィールドVERi(V
ELn+j),ハンドル操作継続時間記憶フィールドT
Ri(TLn+j)のうち何れか1つのフィールドを指
定して、そのフィールドのデータの大きさ、または、中
点電圧との偏差の大きさが予め決めた設定値以上となっ
ているか否かといった判別基準を適用することができ
る。
【0077】無論、複数の条件を設定してANDやOR
の論理演算を行うようにしてもよい。条件の設定の仕方
によっては右旋回用の記憶領域(a)または左旋回用の
記憶領域(b)のデータのみを抽出することも可能であ
る。適当な選別条件を指定して目的とする分析作業に関
連するデータのみを抽出することにより、異常や故障の
分析を容易に進めることが可能となる。
【0078】CPU12は、指標kの現在値が2nを超
えるまでの間、前記と同様にしてステップb5〜ステッ
プb9の処理を繰り返し実行し、書き込み領域20の右
旋回用の記憶領域(a)および左旋回用の記憶領域
(b)の各レコードのデータを順に出力してゆく。そし
て、指標kの現在値が2nを超えてステップb6の判別
結果が真となり、かつ、その値が2n+3を超えない状
況下では(ステップb10)、ステップb7およびステ
ップb8の判別処理が共に省略され、記憶領域(c)に
記憶された各データ、つまり、トルクセンサ1の温度に
関連したデータと、電気部品17の出力電圧に関連した
データ、および、トルクセンサ1の電源電圧に関連した
データの各々が、そのまま外部のデータ読み込み装置ま
たは表示装置等に出力される(ステップb9)。
【0079】そして、指標kの現在値が、記憶領域
(c)を含めた書き込み領域20の最後のレコードアド
レスに相当する値2n+3を超えると(ステップb1
0)、記憶領域(c)を含む全てのデータの出力が完了
し、CPU12はデータの選別および集計に関する全て
の処理を終了する。
【0080】前述したように、ハンドルの回転方向を考
慮してトルクセンサ1の温度に関連したデータと電気部
品17の出力電圧に関連したデータおよびトルクセンサ
1の電源電圧を永久保存用の書き込み領域の記憶領域
(a)または(b)に他のデータと共に保存することも
可能であり、そのような場合には、トルクセンサ1の温
度に関連したデータや電気部品17の出力電圧およびト
ルクセンサ1の電源電圧に対して選別条件を設定してデ
ータを抽出したりデータの並べ替え作業を行ったりする
こともできる。
【0081】また、上書き用の書き込み領域19には最
も最近に検出されたハンドル右操作時のデータとハンド
ル左操作時のデータとが各々1組だけ保存されているの
で、格別な選別や集計作業は省略し、これらのデータを
そのまま外部のデータ読み込み装置または表示装置等に
出力すようにしている。
【0082】以上、データ選別集計処理の簡単な一例に
ついて述べたが、データの並べ替えや抽出に関連したフ
ァイル操作の技術に関しては既に様々なものが公知であ
り、本発明においても、それらのものを任意に組み合わ
せて適用することが可能である。
【0083】
【発明の効果】本発明の電動パワーステアリング用トル
クセンサは、トルクセンサの故障解析に利用可能なデー
タの収集に当たり、補助操舵力指令が規定値を超えたと
きのデータ、即ち、運転者によるハンドル操作が実際に
行われたときのデータのみを保存用メモリに書き込むよ
うにしているので、保存用メモリの記憶容量が少ない場
合であっても、トルクセンサの異常や故障の解析に有効
なデータのみを効率よく収集保存することができる。
【0084】しかも、補助操舵力の実質的な指令値が零
となっている期間、つまり、トルクセンサのマイクロプ
ロセッサが補助操舵力の演算処理から開放されてマイク
ロプロセッサの処理能力に余裕がある期間にデータの書
き込み作業を行うようにしているので、トルクセンサの
マイクロプロセッサを利用してデータの収集や書き込み
作業を行うような場合であっても、マイクロプロセッサ
に過負荷や誤動作が発生する心配がなく、必要とされる
データを確実に保存することができる。
【0085】更に、保存用メモリを上書き用のメモリと
永久保存用の不揮発メモリとによって構成し、データの
大きさが設定範囲を超えた場合、つまり、何らかの異常
が生じている可能性が大きい場合に限って永久保存用の
不揮発メモリに追加保存するようにしているので、異常
や故障の解析に有用なデータを長期間に亘って確実に保
持することができる。
【0086】また、永久保存用の不揮発メモリに書き込
まれたデータを選別または集計して出力するためのデー
タ処理機能を備えているので、永久保存用の不揮発メモ
リに保存されたデータの中から異常や故障の解析に必要
とされる条件を備えたデータ、例えば、補助操舵力指令
のピーク値が過大なもの,ハンドル操作開始時点の補助
操舵力指令の値が異常なもの,ハンドル操作終了時点の
補助操舵力指令の値が適切な中点電圧の範囲に復帰しな
いもの等を効率よく抽出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が課題を解決するために採用した手段の
概略を示すクレーム対応図である。
【図2】本発明を適用した一実施形態の磁歪式トルクセ
ンサの回路構成の要部を簡略化して示すブロック図であ
る。
【図3】ハンドル操作に対応してトルクセンサから出力
される補助操舵力指令値の変化の一例を示す概念図であ
る。
【図4】トルクセンサ用のCPUによって実施されるデ
ータ収集処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】データ収集処理の概略を示すフローチャートの
続きである。
【図6】データ収集処理の概略を示すフローチャートの
続きである。
【図7】データ収集処理の概略を示すフローチャートの
続きである。
【図8】データ収集処理の概略を示すフローチャートの
続きである。
【図9】データ収集処理の概略を示すフローチャートの
続きである。
【図10】データ収集処理の概略を示すフローチャート
の続きである。
【図11】データ収集処理の概略を示すフローチャート
の続きである。
【図12】トルクセンサ用のCPUによって実施される
データ選別集計処理の概略を示すフローチャートであ
る。
【図13】上書き用の書き込み領域の一例を示す概念図
である。
【図14】永久保存用の書き込み領域の一例を示す概念
図である。
【符号の説明】
1 トルクセンサ 2 トルク検出部 3a,3b 検出コイル 4a,4b 励磁コイル 5 発振回路 6 バッファ 7a,7b 整流回路 8 比較回路 9 平滑回路 10 ゲイン調整回路 11 トルクセンサ用の制御回路 12 マイクロプロセッサ(CPU) 13 中点電圧調整回路 14 アナログ電圧発生回路 15 電圧監視回路 16 温度センサ 17 他の電気部品 18 不揮発性メモリ 19 上書き用の書き込み領域(上書き用のメモリ) 20 永久保存用の書き込み領域(永久保存用の不揮発
性メモリ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 賢一 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 2F051 AA01 AB05 AC01 BA03 3D033 CA03 CA11 CA16 CA17 CA20 CA21 CA31 CA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルに作用する操舵力を検出し、補
    助操舵力指令としてパワーステアリング用コントローラ
    に出力する電動パワーステアリング用トルクセンサであ
    って、 前記トルクセンサの故障解析に利用可能なデータを検出
    するためのデータ検出手段と、前記データ検出手段によ
    り検出されたデータを一時記憶するための一時記憶手段
    と、前記一時記憶手段に記憶されたデータのうち補助操
    舵力指令が規定値を超えたときのデータのみを保存用メ
    モリに書き込む解析用データ書き込み手段と、前記補助
    操舵力の実質的な指令値が零となっているか否かを判別
    し、補助操舵力の実質的な指令値が零となっている期間
    にだけ前記解析用データ書き込み手段の書き込み動作を
    許容する書き込みタイミング制御手段とを備えたことを
    特徴とする電動パワーステアリング用トルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記保存用メモリに右旋回用の記憶領域
    と左旋回用の記憶領域とを設けると共に、 前記解析用データ書き込み手段には、ハンドルの操作方
    向を検出し、その操作方向が右方向であれば前記右旋回
    用の記憶領域を選択して前記一時記憶手段のデータを書
    き込む一方、前記操作方向が左方向であれば前記左旋回
    用の記憶領域を選択して前記一時記憶手段のデータを書
    き込むデータ記憶領域選択機能を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の電動パワーステアリング用トルクセン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記保存用メモリを上書き用のメモリと
    永久保存用の不揮発メモリとによって構成すると共に、 前記解析用データ書き込み手段には、前記一時記憶手段
    に記憶されたデータの大きさを判定し、その大きさが設
    定範囲内であれば前記上書き用のメモリを選択して前記
    一時記憶手段のデータを上書きして書き込む一方、前記
    一時記憶手段に記憶されたデータの大きさが設定範囲を
    超えていれば前記永久保存用の不揮発メモリに追加して
    書き込むデータ記憶メモリ選択機能を設けたことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の電動パワーステア
    リング用トルクセンサ。
  4. 【請求項4】 前記データ検出手段は、補助操舵力指令
    のピーク値,ハンドル操作開始時点の補助操舵力指令の
    値,ハンドル操作終了時点の補助操舵力指令の値,ハン
    ドルの操作時間,トルクセンサの温度,トルクセンサを
    構成する電気部品の出力電圧,トルクセンサの電源電圧
    のうち少なくとも1以上のデータを検出するように構成
    されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    何れか一項に記載の電動パワーステアリング用トルクセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記解析用データ書き込み手段および前
    記書き込みタイミング制御手段がトルクセンサ用のマイ
    クロプロセッサによって構成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の電動パ
    ワーステアリング用トルクセンサ。
  6. 【請求項6】 前記永久保存用の不揮発メモリに書き込
    まれたデータを選別または集計して出力するためのデー
    タ処理機能を前記トルクセンサ用のマイクロプロセッサ
    に付加したことを特徴とする請求項3記載の電動パワー
    ステアリング用トルクセンサ。
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