JP2009001214A - 電動式動力舵取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動式動力舵取装置の故障に係るデータを、制御回路に過剰の負荷をかけることなく記憶させ、制御系の安定化を図る
【解決手段】車両の操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えた電動式動力舵取装置。この舵取装置は、前記操舵系、電動モータ又は制御装置において生じた異常に係るデータを、前記電動モータを駆動制御していないときに、電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段に記憶させる。
【選択図】図2
【解決手段】車両の操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えた電動式動力舵取装置。この舵取装置は、前記操舵系、電動モータ又は制御装置において生じた異常に係るデータを、前記電動モータを駆動制御していないときに、電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段に記憶させる。
【選択図】図2
Description
本発明は車両の操舵力を電動モータの発生トルクによって補助(パワーアシスト)するようにした電動式動力舵取装置(パワーステアリング装置)に関し、特にかかる装置に使用する電動モータを制御するための制御装置(コントローラ)に関する。
車両の舵取り(ステアリング)を補助(パワーアシスト)するための電動式動力舵取装置(パワーステアリング装置)は、モータ及びこれを制御する制御装置(コントローラ)の性能等が上がり、中小型だけでなく大型の車両にも広く利用されている。
ところで、この種の制御装置には、電動式動力舵取システムの故障を検出すると(例えば舵取りトルクの異常をセンサによって検出すると)、その故障に係るデータを、その故障を解析するために記憶、蓄積させておく。例えば、特許文献1には、そのような手段としてEEPROMを利用し、故障に係るデータを、その故障発生時にEEPROMに書き込んでいる。
特開平05−000674
しかしながら、その故障に係るデータをリアル・タイムに書き込むときは、当然ながら、車両のイグニッション・スイッチはONになっており、舵取りを補助するための電動モータが駆動している、または、故障時制御を実施していることから、これを制御するコントローラにとっては、制御負荷のかかった状態で更にEEPROMに書き込むための演算処理等を行わなければならず、一層の負担を負うことになる。従って、処理時間に遅れが生じたり、またはある制御処理が不能に至る等の不都合も生じ易い。この問題は、電動式動力舵取システムに大きなパワーを必要とする大型の車両では顕著になる。またコントローラの制御プログラムを設計する際のアルゴリズムを複雑化させる問題も生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、請求項1に記載のごとく、本発明に係る電動式動力舵取装置は、車両の操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えており、前記制御装置は、前記操舵系、電動モータ又は制御装置において生じた異常に係るデータを、前記電動モータを駆動制御していないときに、電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段に記憶させる。
また、請求項2または3に記載の如く、本発明に係る電動式動力舵取装置は、前記異常に係るデータを、揮発性記憶手段に記憶させ、その後、前記電動モータを駆動制御していないときに、又はイグニッション・スイッチがOFFであるときに、前記不揮発性記憶手段に記憶させる。
また、請求項4に記載の如く、前記制御装置は、前記異常に係るデータを前記不揮発性記憶手段に記憶する際、そのデータの異常内容を、当該不揮発性記憶手段内に記憶されている異常内容と比較し、当該不揮発性記憶手段に記憶されていない場合にのみ、前記不揮発性記憶手段に記憶する。
本発明に係る電動式動力舵取装置は、車両の操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、この制御モータを制御する制御装置とを備えており、前記制御装置は、前記操舵系、電動モータ又は制御装置において生じた異常に係るデータを、前記電動モータを駆動制御していないときに、電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段に記憶させるので、制御回路に過剰の負荷がかかることがなく、その結果、制御系を安定に動作させることができる。即ち、処理時間に遅れが生じる等の不都合を生じることがない。更に、コントローラの制御プログラムを設計する際のアルゴリズムを複雑化させることもないから、コスト面でも有利である。
また、本発明の制御装置は、不揮発性記憶手段内に記憶されている異常内容と異常検出時の異常内容との比較を行い、異常検出時の異常内容が不揮発性記憶手段に記憶されていないときだけ不揮発性記憶手段に異常検出時の異常内容を記憶し、異常検出時の異常内容が不揮発性記憶手段の記憶している異常内容と同一であるときには前記不揮発性記憶手段に記憶しないので、記憶容量および書き込み回数を少なくすることができ、装置の機能、性能の向上を図ることができる。
以下、本発明による電動式動力舵取装置を、図示の実施例を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電動式動力舵取装置の概略の構成を示す。同図において、1はステアリングホイールであって、その操舵力がステアリングシャフト2を介してステアリングギヤ3に伝達され、転舵輪を転舵させる。ステアリングシャフト2には減速歯車4を介して電動モータ5の出力軸5aが連結され、電動モータ5は制御手段としての制御回路7を有する制御装置6によって駆動制御される。
図1は、本発明に係る電動式動力舵取装置の概略の構成を示す。同図において、1はステアリングホイールであって、その操舵力がステアリングシャフト2を介してステアリングギヤ3に伝達され、転舵輪を転舵させる。ステアリングシャフト2には減速歯車4を介して電動モータ5の出力軸5aが連結され、電動モータ5は制御手段としての制御回路7を有する制御装置6によって駆動制御される。
この制御装置6には、操舵トルクセンサ8から出力され、操舵方向を含む操舵トルク検出値を示す操舵トルク信号TSと、車両の車速を検出する車速センサ9から出力され、車速検出値を示す車速信号Vとが入力されている。なお、操舵トルクセンサは、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクを例えばトーションバーの捩じれ角変位として検出するポテンショメータで構成される。
図2は、本発明に係る電動式動力舵取装置を、その機能に着目したブロック系統図で示したものである。図示において、舵取装置制御装置は、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、制御装置とを備える。この制御装置は、少なくとも前記操舵トルク検出手段の操舵トルク検出値に基づいて前記電動モータを制御する制御手段と、前記操舵トルク検出手段の異常の有無を検出する第1の異常検出手段、前記電動モータの異常の有無を検出する第2の異常検出手段および前記制御手段の異常の有無を検出する第3の異常検出手段のうちの少なくとも1つの異常検出手段とを有する。
図示の制御装置は、揮発性記憶手段と電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段とを有し、揮発性記憶手段に、前記異常検出手段により異常が検出されたときに、その異常に係るデータを記憶する。このデータは、その後、電動モータが駆動制御されていないときに、不揮発性記憶手段に転送され記憶される。
図3は、図1の制御装置6とその関連構成要素を示すブロック系統図である。同図に示すように、制御装置6は、制御回路7、制御装置の各部に電源を供給する電源回路61、操舵トルクセンサ8の異常の有無を検出する第1の異常検出手段としてのセンサ異常検出回路62及びモータ駆動回路76の異常の有無を検出する第2の異常検出手段としてのモータ異常検出回路63から成る。また、制御回路7は、制御回路7の異常の有無を検出する第3の異常検出手段としての制御回路異常検出回路70aを有するマイクロコンピュータ70、操舵トルク信号TSを増幅する増幅器71、増幅された操舵トルク信号TSをA/D変換するA/D変換器72、車速センサ信号Vをマイクロコンピュータ70が処理できる信号に変換する波形整形回路73、不揮発性記憶手段であるEEPROM74及びマイクロコンピュータ70の指令に応じて電動モータ5を駆動するモータ駆動回路75から成る。
また、図示において、SWは制御装置6を起動するためのスイッチ、BATは起動スイッチSWを介して制御装置6に電力を供給する車両バッテリー、10は例えば運転席の近傍に配置された記憶消去要求回路である。記憶消去要求回路10は、制御回路7で使用されている不揮発性記憶手段(EEPROM)74ではその記憶内容が自然に消去されることがなく、その記憶内容を消去する場合には記憶消去要求信号を送ってマイクロコンピュータ70を動作させて消去する必要があることを考慮して設けられたものである。
図示実施例では、マイクロコンピュータ70と不揮発性記憶手段であるEEPROM74との間に、揮発性記憶手段であるRAM75を設ける。このRAMは、各異常検出手段で検出された異常に係るデータを、異常の発生したときに、一時的に記憶するためのバッファ・メモリとして機能する。なお、このRAMはマイクロコンピュータが使用するメイン・メモリの一部を使用するものであってもよい。
揮発性記憶手段であるRAM75に一時的に記憶された、異常に係るデータは、電動モータが駆動制御されていないときに、後述する手順に従い、不揮発性記憶手段であるEEPROM74に記憶される。電動モータは、イグニッション・スイッチ(IGスイッチ)がOFFでれば駆動制御されないから、このスイッチを検知して、駆動モータの非制御状態を検知する。図示実施例では、IGスイッチ検出回路11でIGスイッチのON,OFFを検知し、OFFのときに信号IGをマイクロコンピュータ70に出力する。この検出回路11は制御装置の内部に設けることも、外部に設けることもできる。図示実施例では、外部に設けている。
なお、電動モータの非制御状態は、モータ駆動制御の終了を検知することによっても可能であるので、例えば、モータ駆動回路76あるいはモータ異常検出回路63に、そのような検知機能をもたせるようにしてもよい。
次に、マイクロコンピュータ70の動作を、図3及び図4(本発明の実施例の動作を示すフローチャート)を参照して説明する。起動スイッチSWをオンとすると、マイクロコンピュータ70は電動モータ5駆動のための動作を開始する。まず、ステップ1で、マイクロコンピュータ70は、制御手段としての制御回路7が正常か否かを判別するために制御回路異常検出回路70aでセルフチェック等のチェックを行なう。
制御回路7が正常の場合にはステップ2へ移行し、増幅器71及びA/D変換器72を介して操舵トルク信号TSを読み込むと共に、操舵トルクセンサ8が正常か否かをセンサ異常検出回路62の出力信号により判別する。操舵トルクセンサ8が正常と判別したときには、ステップ3で、読み込まれた操舵トルク信号TSに基づいて、電動モータ5を制御するためのモータ制御値を演算する。次に、ステップ4で、電動モータ5が正常か否かをモータ駆動回路75の出力信号を入力したモータ異常検出回路63の出力信号により判別し、電動モータ5が正常な場合には、ステップ5で、上記演算されたモータ制御値に基づいた信号をモータ駆動回路76に出力することにより電動モータ5を駆動する。ステップ5のモータ駆動の処理が終了するとステップ1に戻り、再度電動モータ5駆動のための動作を行う。
ステップ1で制御回路7が正常でない場合、ステップ6へ移行して制御手段異常処理を行う。ステップ6の制御手段異常処理が終了すると、ステップ9へ移行し、揮発性記憶手段であるRAM75に異常内容(検出データ)を記憶する。次いでステップ10において、イグニッション・スイッチ検出回路11でイグニッション・スイッチがOFFか否かを判別する。イグニッション・スイッチがOFFの場合にはステップ11に移行して、RAM75に記憶した制御手段の異常内容が不揮発性記憶手段であるEEPROM74に既に記憶されている内容か否かを判別し、既に記憶されている内容の場合にはステップ1に戻る。制御手段異常の内容がEEPROM74に記憶されていない新たな異常内容の場合にはステップ12へ移行して、上記新たな異常内容をEEPROM74に記憶する。なお、ステップ10でイグニッション・スイッチがONの場合はOFFになるまで待機する。このように、装置に異常が発生したとき、その異常履歴がEEPROM74に順次格納される。したがって、EEPROM74の異常履歴を読み出すことにより、電動式動力舵取装置の異常解析を容易に行うことができる。しかも、新たな制御手段異常の内容がEEPROM74に既に記憶されている内容と同一の場合には記憶は行われず、EEPROM74に対する書込みが行われないため、その記憶容量を少なくすることができるとともに許容書込み回数が比較的少ないEEPROM74の保護を行うことができる。
ステップ2で操舵トルクセンサ8が正常でない場合にはステップ7でセンサ異常処理を行い、この処理の終了後ステップ9へ移行して上述と同様の処理を行う。ステップ4で電動モータ5が正常でない場合にはステップ8でモータ異常処理を行い、この処理の終了後ステップ9へ移行して上述と同様の処理を行う。
なお、上記実施例では、第3の異常検出手段としての制御回路異常検出回路をマイクロコンピュータ70内に設けたが、この回路をマイクロコンピュータ
70の外または制御回路7の外に設けてもよい。このような制御回路異常検出回路は、専用回路で構成しても、また別のマイクロコンピュータで構成してもよい。また、EEPROM74は制御回路7に設けた場合を示したが、制御回路7の外の制御装置6内に設けてもよい。
70の外または制御回路7の外に設けてもよい。このような制御回路異常検出回路は、専用回路で構成しても、また別のマイクロコンピュータで構成してもよい。また、EEPROM74は制御回路7に設けた場合を示したが、制御回路7の外の制御装置6内に設けてもよい。
5 電動モータ
6 制御装置
7 制御回路(制御手段)
8 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
11 IGスイッチ検出回路
62 センサ異常検出回路(第1の異常検出手段)
63 モータ異常検出回路(第2の異常検出手段)
70a 制御回路異常検出回路(第3の異常検出手段)
74 EEPROM(不揮発性記憶手段)
75 RAM(揮発性記憶手段)
6 制御装置
7 制御回路(制御手段)
8 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
11 IGスイッチ検出回路
62 センサ異常検出回路(第1の異常検出手段)
63 モータ異常検出回路(第2の異常検出手段)
70a 制御回路異常検出回路(第3の異常検出手段)
74 EEPROM(不揮発性記憶手段)
75 RAM(揮発性記憶手段)
Claims (4)
- 車両の操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、この電動モータを制御する制御装置とを備えた電動式動力舵取装置において、前記制御装置は、前記操舵系、電動モータ又は制御装置において生じた異常に係るデータを、前記電動モータを駆動制御していないときに、電気的書込み及び消去が可能な不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする電動式動力舵取装置。
- 前記制御装置は、前記異常に係るデータを、揮発性記憶手段に記憶させ、その後、前記電動モータを駆動制御していないときに、前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする、請求項1に記載の電動式動力舵取装置。
- 前記制御装置は、前記異常に係るデータを、揮発性記憶手段に記憶させ、その後、イグニッション・スイッチがOFFであるときに、前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする、請求項1に記載の電動式動力舵取装置。
- 前記制御装置は、前記異常に係るデータを前記不揮発性記憶手段に記憶する際、そのデータの異常内容を、当該不揮発性記憶手段内に記憶されている異常内容と比較し、当該不揮発性記憶手段に記憶されていない場合にのみ、前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動式動力舵取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007165972A JP2009001214A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 電動式動力舵取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007165972A JP2009001214A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 電動式動力舵取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009001214A true JP2009001214A (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=40318080
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007165972A Pending JP2009001214A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 電動式動力舵取装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009001214A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009269458A (ja) * | 2008-05-07 | 2009-11-19 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
JP2010195125A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
JP2012116214A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Hitachi Automotive Systems Ltd | ブレーキ制御装置 |
JP2013123304A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Denso Corp | モータ制御装置、これを用いた電動パワーステアリング装置および車両制御装置 |
-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007165972A patent/JP2009001214A/ja active Pending
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