JP5167583B2 - パターン形成方法、およびパターン形成用シート - Google Patents

パターン形成方法、およびパターン形成用シート Download PDF

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Description


本発明は、金型転写により、基材表面をパターニングする方法、および、パターン形成用のシートに関するものである。
近年、光学分野、半導体分野などの各種分野で、微細構造を形成する技術の重要性が高まっている。光学分野では高精度な微細構造形成技術が、また半導体分野においては高精度な微細構造形成技術に加えて、半導体集積回路の集積度向上のために加工寸法の微細化が要求されている。
そのため、微細加工の代表的技術であるフォトリソグラフィーにおいても、解像度を上げて微細寸法を高精度で制御しなければならなくなっており、露光波長の短波長化の試み等が検討され、現在までにArFレーザーを用いて最小線幅100nmの解像度が達成されている。更には、電子線、X線を用いた数10nmの解像度、いわゆるナノ構造体の形成技術も実用化が近づいている。
しかしながら、露光波長の短波長化による解像度の向上は、露光機自体の初期費用や、使用するマスク価格の高騰を招き、その結果、コスト面で非常に不利となる。また照射スポット径が小さいため、大面積で微細構造を形成するには生産性が低いのが現状である。
そこで、近年、微細構造を容易に賦形する技術としてインプリントリソグラフィーがChouらによって提唱されている(非特許文献1参照)。インプリントリソグラフィーとは、金型上のパターンを樹脂に転写する技術であり、熱式と光式の二種類の方式がある。熱式とは熱可塑性樹脂をガラス転移温度Tg以上融点Tm未満に加熱して、そこに凹凸形状のパターンを有する金型を押し付けることで、また、光式とは、光硬化性樹脂に金型を押し付けた状態で光を照射して硬化させることで金型上のパターンを樹脂に転写する技術である。これらの技術は、金型作製のための初期費用はかかるものの、一つの金型から微細構造体を多数複製することができるので、結果としてフォトリソグラフィーと比べて安価に微細構造を賦形できる技術である。
一方、パターンの微細化や、高精度化のみでなく、高度な構造制御が重要になってきており、任意の場所に機能材料を高精度に配列させて新たな機能を創出させる検討も進んでいる。例えば、光拡散性を有する相(光拡散相)と実質的に透明な相(透明相)を交互に配列させて集光機能を発現させた光学機能性シート(例えば特許文献1及び2参照)や、基材上に導電性材料をパターン状に配列することによって電磁波シールド性を有する透明なシート材料(特許文献3参照)などが提案されている。
チョウら(S.Y.Chou et al.),「アプライド・フィジックス・レター(Appl.Phys.Lett.)」,米国,アメリカ物理学会,1995年,第67巻,第21号,p.3314 特開2002−214411公報(第3−24頁) 特開2002−277613公報(第2−5頁) 特開2003−103696公報(第4−15頁)
しかしながら、これら任意の場所に機能材料を高精度に配列させるためには、例えばリソグラフィーや、エッチングなどにより一方の相を先に形成した後、相間の空隙に機能材料を充填したりするなどの方法が採られるが、材料に制限をうけたり、非常に煩雑な工程を多数経由しなければならず、生産性が低く工業的には困難である。また、光式のインプリントリソグラフィーを用いた場合には、光硬化性材料に機能材料を混合させることで、金型転写により機能材料をパターン状に配列することは可能であるが、使用できる樹脂が光硬化性材料のみであり、混合させる材料も光硬化性材料が感光する波長の光をよく透過するものであるという条件があるなど、用いる材料が制限をうける。
そこで本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を克服し、簡単で安価に基材上の機能材料をパターニングするための方法、およびパターン形成用シートを提供せんとすることにある。
本発明は、かかる目的を達成するために次の手段を採用するものである。すなわち、本発明のパターン形成方法は、少なくとも、基材層と、該基材層の片側又は両側に形成された表面層からなる積層体に、金型転写することによって表面層をパターニングするパターン形成方法であって、積層体を構成する基材層及び表面層が、熱可塑性を示す樹脂を主たる成分とし、表面層のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たし、該金型は、金型凸部高さHが表面層膜厚Lより大きく、且つ金型凹部断面積S2が表面層断面積S1より大きい表面形状を有し、積層体の表面層に押しあて金型凸部により表面層を貫通させることで表面層をパターニングすることを特徴とする。
また、本発明のパターン形成方法は、以下の(1)〜()の特徴を具備するものである。
(1) 少なくとも、金型および/または積層体を加熱する工程を含むこと
(2) 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的貯蔵弾性率E1’が1×10〜2×10Paであること。
) 積層体を構成する表面層の、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0J/gであること。
) 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的損失弾性率E1”が1×10〜1.8×10Paであること。
) 積層体の基材層と表面層との剥離強度が50mN/cm以上であること。
(6) 成形されたパターンの凸部の断面積A’と金型凹部断面積S2との比A’/S2が、0.92以上であること。
また、本発明のパターン形成用シートは、少なくとも、基材層と、該基材層の片側又は両側に形成された表面層からなる積層体であって、積層体を構成する基材層及び表面層が、熱可塑性を示すポリエステル樹脂を主たる成分とし、表面層のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たすことを特徴とする。
また、本発明のパターン形成用シートは、以下の(7)〜(10)の特徴を具備するものである。
(7) 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的貯蔵弾性率E1’が1×10〜2×10Paであること
(8) 積層体を構成する表面層の、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0J/gであること。
(9) 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的損失弾性率E1”が1×10〜1.8×10Paであること。
(10) 積層体の基材と表面層との剥離強度が50mN/cm以上であること。
本発明によれば、煩雑な工程を経ることなく、簡単かつ安価な方法で、基材上に機能材料をパターン状に形成することが可能となる。さらに、その形成に適したパターン形成用シートを提供できる。
本発明者らは、基材上に機能材料をパターン状に形成する方法、およびパターン形成用シートについて鋭意検討し、基材の片側又は両側に形成された表面層に凹凸形状を有する金型を押し付けて、表面層を貫通させることよって上記課題を解決し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明のパターン形成方法(および、本発明のパターン形成用シートを用いてパターン形成する方法)は、少なくとも、基材層と、該基材層の片側又は両側に形成された表面層からなる積層体(および、本発明のパターン形成用シート)に、金型転写することによって表面層をパターニングするパターン形成方法であって、積層体を構成する基材層及び表面層が、熱可塑性を示す樹脂を主たる成分とし、表面層のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たし、該金型は、金型凸部高さHが表面層膜厚Lより大きく、且つ金型凹部断面積S2が表面層断面積S1より大きい表面形状を有し、積層体の表面層に押しあて金型凸部により表面層を貫通させることで表面層をパターニングすることを特徴とする。
以下、本発明のパターン形成方法、および本発明のパターン形成用シートを用いてパターン形成する方法を、いずれも単にパターン形成方法とよぶ。また、積層体および本発明のパターン形成用シートを、いずれも単に積層体とよぶ。
本発明のパターン形成方法の原理を図1を用いて説明する。
基材12上に表面層11を積層させた積層体1および/または転写すべきパターン形状を反転させた凹凸形状を有する金型2を加熱し(図1(a))、積層体1と金型2を接近させ、そのまま所定圧力でプレス、所定時間保持する(図1(b))。次にプレスした状態を保持したまま降温する。最後にプレス圧力を解放して金型2から成形品3を離型する(図1(c))。
本発明のパターン形成方法は、積層体1の表層に設けた表面層11をプレス時の金型凸部21の侵入によって貫通させ、基材部4上にパターン5を形成させることが特徴である。
ここで、本発明における「貫通」の定義を図2を用いて説明する。本発明における「貫通」とは、表面層11を金型凸部21の侵入部分で断裂させ、図2(a)の様に基部4上にパターン5を形成することを示す
本発明のパターン形成方法において、金型凸部の侵入により表面層11を貫通させるためには、金型2の金型凸部21の高さHが、該積層体1の表面層11の膜厚Lより大きいことが必要である。ここでいう表面層11の膜厚Lとは、図3(a)に示すように、積層体1の断面を観察したときに、積層体1膜面方向xに対して垂直方向zに法線を引き、その法線lが表面層11を横切る距離のことを示す。なお、表面層11の膜厚Lが位置により異なる場合は、その最大値でもって表面層11の膜厚Lとする。また、金型凸部21の高さHとは、図3(b) に示すように、金型2の断面を観察したときに、金型凹部22の最下点を通るように金型の面方向の線lを引き、金型凸部21の頂点からその線までの最短距離でもって表す。なお、金型凸部21の高さHが位置により異なる場合は、その最小値でもって金型凸部21の高さHとする。金型凸部21の高さHが表面層11の膜厚Lより小さい場合、金型凸部22が基材層12まで到達することができないため、貫通することができない。
また、本発明のパターン形成方法における金型2は、金型凹部22の断面積S2が、表面層11の断面積S1より大きいことを特徴とする。ここでいう、金型凹部22の断面積S2とは、金型2の断面を観察したときに、隣接する金型凸部間に形成される金型凹部面積のことであり、表面層11の断面積S1とは隣接する金型凸部のくり返し単位(ピッチ)W×膜厚Lで与えられる値のことである。なお、ピッチとは金型凸部21の幅w1と金型凹部の幅w2の和で表され、ピッチの長さ単位が位置により異なる場合はその最小値でもって表す。なお、金型凹部22の断面積S2が位置により異なる場合は、その最小値でもって金型凹部22の断面積S2とする。
金型凸部21の侵入をうけたときに、表面層11は金型凸部21によって排除されると共に、金型凹部22へと導かれて貫通する。しかしながら、金型凹部22の断面積S2が表面層11の断面積S2より小さい場合、金型凸部21の侵入によって排除された表面層11全てを金型凹部22内へと導入することができないため、基材層12まで到達することができずに貫通することができない。本発明において、表面層11の断面積S1より、金型凹部22の断面積S2を大きくすることによって、表面層11を貫通させることが可能となり、その結果、基材上に表面層をパターン状に形成することができる。
つまり、本発明のパターン形成方法における金型2は、金型凸部の高さHが該積層体の表面層11の膜厚Lより大きく、かつ金型凹部の断面積S2が表面層11の断面積S1より大きくすることによって、金型凸部21で表面層11を貫通させることが可能となり、その結果、基材上に表面層をパターン状に形成することができる。
本発明のパターン形成方法に好ましく用いられる金型2の横断面図を 図4(a)〜(f)に例示する。図4は、金型凸部の好ましい形状を例示したものである。好ましい金型凸部21の形状としては、矩形(図4(a))、台形(図4(b))、三角形(図4(c))、これらが変形したもの(図4(d)、(e)、(f))、およびこれらの混在したもの等が挙げられるが、これら以外の形状も用いることができる。図4では隣接する金型凸部間に平坦部が形成されている例を示したが、隣接する金型凸部間が平坦でなくてもよく、さらには隣接金型凸部の裾が連結していてもよいまた、金型凹部の形状についても、上記金型凸部と同様に、矩形、台形、三角形、釣鐘型、またはこれらが変形したもの等の形状を好ましく用いることができる。
図5および図6は、金型2をその面と平行に切断した場合の断面における、金型凸部21と金型凹部22の好ましい形状および配置を例示する模式図である。図5および図6に示すように金型凸部21および金型凹部22の形状としては、線状、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を好ましく用いることができる。図5(a)〜(c)は金型凸部21および金型凹部22がストライプ状、図5(d)(e)はそれぞれ金型凹部22が円形状、三角形状、図5(f)は金型凹部22が四角形状(金型凸部21は格子状)、図5(g)は金型凸部21と金型凹部22からなる千鳥格子状、図5(h)は金型凹部22六角形状、図6(a)〜(d)はそれぞれ図5(d)(e)(f)(h)の金型凸部21と金型凹部22が反転した場合を、それぞれ例示するものである。これら金型凸部21と金型凹部22は、図示した場合のように整列していてもよく、またランダムに配列していたり、異なる形状が混在していてもよい。
ここで、金型凸部21の幅、金型凹部22の幅は、図4(a)の場合、それぞれw1、w2の長さでもって表される。なお、図4(b)等のようにその長さ単位が高さ位置により異なる場合はそれぞれ平均値でもって表す。なお、金型凸部21の幅w1は、図5(a)〜(c)のストライプ状パターンの場合は単位長さの短い方向で測定する。図5(d)〜(h)の場合は単位長さが最も短いところを金型凸部の幅w1とする。また、図6(a)の様に金型凸部21が円形の場合はその直径を、楕円の場合はその短径を、図6(b)〜(d)の様に三角形・四角形などの多角形の場合はその内接円の直径を、金型凸部21の幅w1とすればよい。
また、金型2の面方向断面において、金型凸部21の面積S2’と金型凹部12の面積S2”の比率は任意である。
金型の材質としては、ガラス、シリコン、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)など各種材料を利用でき、特に限定されるものではないが、その中でもステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの耐久性に富んだ金属材質が好ましい。
金型は上述の材質をそのまま用いても構わないが、金型転写後に成形品を離型しやすいように、金型2表面を表面処理剤で処理し、易滑性を付与するのが好ましい。表面処理後の金型2表層の接触角は、好ましくは80°以上、より好ましくは100°以上である。
金型の表面処理の方法としては、表面処理剤を金型表面に化学結合させる方法(化学吸着法)や、表面処理剤を金型表面に物理的に吸着させる方法(物理吸着法)等が挙げられる。この中で、表面処理効果のくり返し耐久性、および成形品への汚染防止の観点から化学吸着法により表面処理するのが好ましい。
化学吸着法に用いられる表面処理剤の好ましい例としては、フッ素系シランカップリング剤が挙げられる。これを用いた表面処理方法としては、まず金型表面を、有機溶剤(アセトン、エタノール)中での超音波処理や、硫酸等の酸、過酸化水素等の過酸化物の溶液中での煮沸などにより洗浄した後、フッ素系シランカップリング剤をフッ素系溶剤に溶解させた溶液に浸漬する方法などが挙げられる。浸漬時には、溶液を加熱することも好ましく行われる。
ここで、本発明のパターン形成方法における積層体1とは、基材層12の表面に表面層11を積層させたものである。ここでいう基材層12、および表面層11は、熱可塑性を有する樹脂を主たる成分として構成されており、表面層11のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層11の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層12の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たすことである。好ましくは0.01≦E1’/E2’≦1.5である。ここでいう動的貯蔵弾性率E’とは、表面層11と基材層12それぞれの単膜シートについて、JIS K−7244に準じた方法により、引張モード、試料動的振幅速さ(駆動周波数)は1Hz、チャック間距離は5mm、歪振幅10μm、力振幅初期値100mN、昇温速度は2℃/minの測定条件にて温度依存性(温度分散)を測定した時に得られる値である。また、ガラス転移温度Tgとは、同様にJIS K−7244に準じた方法により測定したときに、tanδが極大となる温度のことで、表面層11のガラス転移温度をTg1、基材層12のガラス転移温度をTg2とする。表面層11のTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’と、該温度での基材層12の動的貯蔵弾性率E2’の比E1’/E2’が1.5より大きいと、表面層11より基材層12の変形が容易となるため、金型を押し付けたときに、基材層の変形により表面層を貫通できないことがあるので好ましくない。またTg1+30℃でのE1’/E2’が0.001より小さいと、表面層11の流動性が大きくなりすぎて作業性が低下したりすることがあるため好ましくない。本発明において、表面層11のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃での動的貯蔵弾性率E1’と、該温度での基材層12の動的貯蔵弾性率E2’の比E1’/E2’をこの範囲とすることによってパターン形成を良好に行うことができる。
また、本発明のパターン形成方法における積層体1は、DMAにより得られる表面層11のTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’が1×10〜2×10Paであることが好ましい。さらに好ましくは5×10〜1.5×10Paの範囲である。表面層11のTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’が2×10Paより高いと、成形時の変形が起こりにくく貫通が不十分になることがあるため、プレス圧力を高くする必要があるが、面内に圧力不均衡が生じて貫通の面内均一性が低下したり、荷重を大きくするほど金型への負荷が大きくなり、金型の耐久性が低下するため好ましくない。また、1×10Paより低いと、表面層11の流動性が大きくなりすぎて作業性が低下したりすることがあるため好ましくない。Tg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’をこの範囲とすることで、十分な貫通性と面内均一性を得ることができる。
また、本発明のパターン形成方法における積層体1は、示差走査熱量測定(以下DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/分)における表面層11の結晶化エンタルピーΔHccが0J/gであるのが好ましい。ここでいう結晶化エンタルピーΔHccとは、JIS K7122(1999)に準じて求められた値であり、昇温速度2℃/minで走査した時に得られる示差走査熱量測定チャートにおいて、結晶化に伴う発熱ピークの面積より求めた値である。結晶化エンタルピーΔHccが0J/gより大きいと、成形時の昇温過程において表面層11を構成する樹脂が結晶化し、金型を押し付けても表面層11に金型凸部が侵入できなかったり、侵入できたとしても貫通が不十分となったり、面内に圧力不均衡が生じて貫通の面内均一性が低下したりする等の理由のため好ましくない。結晶化エンタルピーΔHccを0J/gとすることで、均一に表面層11を貫通させることができる。
また、本発明のパターン形成方法における積層体1は、DMAにより得られるTg1+30℃での表面層11の動的損失弾性率E1”が1×10〜1.8×10Paであることが好ましい。より好ましくは1×10〜1.5×10Pa、最も好ましくは0.1×10〜1.5×10Paである。Tg1+30℃での表面層11の動的損失弾性率E1”がこの値より高いと、賦形する際にシートの変形が起こりにくくなる。そのため、荷重を大きくしてプレス圧力を非常に高くする必要があるが、高精細のパターンや、高アスペクト比パターンの大面積賦形時には金型への樹脂の充填が不十分となって転写精度が低下したり、面内に圧力不均衡が生じて転写の面内均一性が低下したりする等の理由のため好ましくない。また、荷重が大きくなるほど金型への負荷が大きく、くり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。また、この値より低いとプレス時の樹脂の流動性が高くなりすぎて、プレス時に金型内に樹脂が充填せずに流れてしまうため好ましくない。Tg1+30℃での表面層11の動的損失弾性率E1”をこの範囲とすることで、高精細のパターンや、高アスペクト比パターンの大面積賦形時であっても良好な転写精度、面内均一性を得ることができる。
また、本発明のパターン形成方法における積層体1は、該基材層12と表面層11との剥離強度Fが50mN/cm以上であることが好ましい。より好ましくは70mN/cm以上、最も好ましくは100mN/cm以上である。
ここでいう剥離強度Fとは、本発明のパターン形成方法における積層体1の表面層11を基材層12に対して180°方向に剥離したときの剥離強度Fであり、剥離力のSSカーブの立ち上がり部分を除いた剥離長さ50mm以上の平均剥離力T(N)から、剥離強度F(N/cm)=T/W(ここで、T(N):平均剥離力、W(cm):サンプル幅)で求められる値である。
該基材層12と表面層11との剥離強度がこの値未満であると、積層体1の表面に金型を押し当てた後、積層体から金型を外そうとしても、基材層12と表面層11間で剥離が起こり、金型のみをきれいに外すことができないため好ましくない。本発明のパターン形成方法における積層体1において、基材と表面層との剥離強度を上述の値以上とすることによって、高精細のパターンや、高アスペクト比のパターン成形時においても、基材と表層間で剥離が起こることなく金型を外すことができる
本発明においてこれまでに記載した動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”,および結晶化エンタルピーΔHccの好ましい値および範囲は、少なくともパターン形成前の積層体を構成する表面層11および基材層12について満たされているのが好ましく、パターン形成後の表面層11および基材層12については、満たす場合および満たされない場合も好ましい態様である。
本発明のパターン形成方法における積層体1の表面層11のパターン形成前および後のガラス転移温度Tg1は、いずれも、好ましくは30〜250℃、より好ましくは40〜230℃、最も好ましくは50〜200℃の範囲である。ガラス転移温度Tg1がこの範囲を下回ると、成形前では積層体(1のハンドリング性が悪くなることがあり、成形後にはパターンの耐熱性が低くなり形状が経時変化することがあるため好ましくない。またこの範囲を上回ると、成形温度が高くエネルギー的に非効率である上、成形プロセス(加熱/冷却サイクル)において、積層体1の体積変動が大きくなり積層体1が金型2に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる等の理由により好ましくない。本発明のパターン形成方法における積層体1の表面層11のガラス転移温度Tg1をこの範囲とすることで良好な精度、離型性を得ることができる。なお、本発明のパターン形成方法における積層体1の基材12のパターン形成前および後のガラス転移温度Tg2は特に限定はされない。
本発明に用いる積層体1の表面層11および基材層12の材質は、いずれも熱可塑性を有するポリエステル樹脂を主たる成分として構成されることが好ましく、該主成分となり得るポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、これらの共重合体および混合物などが挙げられる。上述の主成分たる熱可塑性樹脂は、表面層11、基材層12の全成分中において、いずれも50重量%以上占めることが好ましい。また、上述の熱可塑性樹脂は、熱可塑性とともに光硬化性、熱硬化性を併せ持つことも好ましい。
表面層11および基材層12は、主成分たる熱可塑性樹脂以外に、電磁波照射または熱により架橋して硬化する成分を添加することも好ましい。電磁波照射または熱により架橋させることで、形成したパターンまたは基材の機械的強度、熱的安定性を向上させることができる。
また、表面層11および基材層12には、本発明の効果が失われない範囲内で、その他各種添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、重合禁止剤、離型剤、増粘剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。
本発明のパターン形成方法における積層体1は、基材層12と、該基材層12の片側又は両側に形成された表面層11からなる。
表面層11および基材層12は、いずれも均一な単一層または異なる材質からなる多層構造のいずれでもよい。また、表面層11と基材層12は、互いに異なる材質または構成であることが好ましい。
表面層11には、染料、顔料、電磁波吸収体、導電材料、磁性材料、液晶材料、発光材料など各種機能性材料を添加することが好ましい。これら以外にも任意の機能性材料を添加することが可能であり、任意の機能を付与したパターンを形成することができる。また、基材層12に上述の機能性材料を添加してもよい。
表面層11の膜厚Lとしては、前述のように、金型2の金型凸部21の高さHが、該積層体1の表面層11の膜厚Lより大きければ特に限定されないが、貫通性の観点から、好ましくは0.01〜200μm、より好ましくは0.01〜150μm、更に好ましくは0.01〜100μmである。
また、基材層12の膜厚としては、特に限定されないが、シートとしての取扱性などの観点から、好ましくは5μm〜2mm、より好ましくは10μm〜1mm、更に好ましくは15μm〜800μmである。ただし、後述する様に、積層体にその他異素材を支持体層として設ける場合の基材層12の膜厚は、上述の範囲に限定されず、0.01〜5μmであっても構わない。
また、基材層12としては、シート自体の機械的強度、耐熱性および取り扱いやすさ等を向上させるために、一軸または二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートなどの樹脂層(シート)を用いてもよい。二軸延伸したポリエチレンテレフタレートなどのシートを用いる場合には、機械的強度等の面から20〜500μmの膜厚が好ましく、より好ましくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。
また、本発明に用いる積層体に、その他異素材を支持体層として設けることも好ましく行われる。支持体層を用いる場合には、支持体層、基材層、表面層の順に積層された構成となる。好ましい支持体層の例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等のフィルム基材、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼、チタン、シリコン等の金属基材および石英ガラス等の各種ガラス、コンクリート等の無機基材などが挙げられる。支持体層の厚みは特に限定されない。また、かかる支持体層には、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。
本発明のパターン形成方法に用いる積層体1の製造方法としては、例えば、基材層12を構成する熱可塑性樹脂と表面層11を構成する熱可塑性樹脂を、それぞれ別の二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製した基材層12に、表面層11の原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、基材12と表面層11をそれぞれ別々に単膜で作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、表面層11を溶媒に溶解させ、その溶液を基材層12上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。
表面層11、及び基材層12を単膜で作製する場合、それぞれ原料となる熱可塑性樹脂を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、原料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。また、基材層12を支持体層の上に設ける場合にも、上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、図1に示すように、積層体1の表面に凹凸形状を有する金型2を押し付けて金型表面形状を転写するとともに、表面層11を貫通させるものである。図1のような平版金型をプレスする方法(平版プレス法)の他に、ロール状の金型を用いるロールtoロールの連続成形も好ましい方法である。ロールtoロール連続成形の場合、生産性の点で平版プレス法より優れている。
本発明のパターン形成方法において、プレス成形時の金型温度T1または積層体温度T2の少なくとも一方は、表面層11のTg1〜Tg1+50℃の範囲内であることが好ましく、T1およびT2の両方が前記範囲を満たすことがより好ましい。T1およびT2いずれもこの範囲に満たない場合、表面層11の動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”の低下がみられず、金型をプレスしても成形困難となることがある。またこの範囲を上回ると、加熱/冷却サイクルにおける成形品の体積変動が大きくなり金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンが変形したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる等の理由により好ましくない。本発明のパターン形成方法においては、プレス成形時の金型温度T1または積層体温度T2の少なくとも一方をこの範囲とすることで、良好な貫通性、精度、及び離型性を両立することができる。
また、本発明のパターン形成方法において、プレス圧力は、成形時の表面層11の動的貯蔵弾性率E’に依存し、成形温度での表面層の動的貯蔵弾性率E1’以上の圧力で積層体の表面層に金型を押しつけるのが好ましい。この範囲に満たないと表面層11に金型凸部が十分に侵入することができなくなり、表面層11を貫通させることが困難となることがある。本発明のパターン形成方法においては、プレス圧力をこの範囲とすることで、表面層11を良好に貫通させることができる。
また、プレス圧力保持時間は、成形時の表面層11の動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”の値や成形圧力、金型の形状や膜厚など各種条件に依存する。
また、本発明のパターン形成方法において、プレス圧力開放温度T3は、成形温度より低く、かつTg1−20℃〜Tg1+20℃の温度範囲内であることが好ましい。この範囲に満たないと、プレス時の積層体1の変形が残留応力として残り、成形品の熱的な安定性が低下することがあるため好ましくない。またこの範囲を上回ると、圧力解放時の動的貯蔵弾性率E’,動的損失弾性率E”が低く、成形体が流動性をもった状態であるため、パターンが変形したりして精度が低下することがあるため好ましくない。本発明のパターン形成方法においては、プレス圧力開放温度T3をこの範囲とすることによって、良好な転写性と離型性とを両立することができる。
また本発明のパターン形成方法において、離型温度T4は常温〜T3℃の温度範囲内であることが好ましい。この範囲を上回ると、パターンが変形することがあり精度が低下するため好ましくない。本発明のパターン形成方法においては、離型時の温度をこの範囲とすることによって、パターン精度よく離型することができる。
前述のパターン形成方法によって得られる成形品の横断面図を、図7(a)〜(f)に模式的に例示する。図7は、表面層11が金型凸部の侵入により断裂して、かつ基部4の上にパターン状に表面層11が形成されている場合の例を示している。パターン5つまり表面層11の好ましい形状としては、矩形(図7(a)参照)、台形(図7(b)参照)、三角形(図7(c)参照)、これらが変形したもの(図7(d),(e)参照)、およびこれらの組み合わせ形状などが挙げられるが、これら以外の形状も用いることができる。
また、表面層11の構造を詳細にみると、図2(a)〜()に例示するような構造も好ましく用いられる。図2(a)〜(c)は表面層11が金型凸部の侵入部分で破断した状態を示しており、またさらに、図2(a)は、成型品凸部全体が表面層を構成する材料で形成されている場合、図2(b)は成型品凸部の表層が表面層11で覆われている場合、図2(c)はこれらの中間の状態の場合をそれぞれ示すものである。
これら、図2(a)〜()に示した構造は、表面層11の材質、厚さL、断面積S1、E1’、基材層12の材質、E2’金型凸部21の高さH、金型凹部の断面積S2、などを適宜変更することによってそれぞれ形成することができる。
図8(a)〜(h)は、それぞれ、本発明のパターン形成方法によって得られる成形品をその膜面と平行に切断した場合の断面における、パターン5の配置を模式的に示す断面図である。図8(a)〜(h)のようにパターン5の形状が、線状、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。図8(a)〜(c)はパターン5がストライプ状である場合、図8(d)はパターン5の断面が円形状である場合、図8(e)は三角形状である場合、図8(f)〜(g)は四角形状である場合、図8(h)は六角形状である場合を、それぞれ例示するものである。このパターン5は、図示した場合のように整列していてもよく、またランダムに配列していたり、異なる形状が混在していてもよい。また、図9(a)〜(d)のように、パターン5の存在しない部分の形状が、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。
また、成形品の面方向断面において、成型品凸部の面積S3’と成型品凹部の面積S3”の比率は任意である。
また、本発明のパターン形成方法によって得られる成形品の基部4は平坦部41と凸部土台部分42とからなる。土台部分42の高さh2’は任意であるが、平坦部41の厚みl’は機械的強度等の面から20μm〜2mmが好ましく、より好ましくは30μm〜1mmであり、さらに好ましくは50〜500μmである。しかしながら、基部4の下に支持体層を設けた場合は、平坦部41の厚みl’は特に限定されず、20μm以下であっても構わない。
本発明のパターン形成方法により得られた成形品は、そのパターンを構成する材料を適宜選択することによって、各種用途に使用することが可能である。その用途例としては、パターンを形成する材料として導電性材料を用いた場合、導電フィルム、電磁波シールドフィルム、電気回路等が挙げられる。また、光拡散性材料や、光吸収性材料、発光性材料などを用いた場合、光線制御性を有するシート材料およびディスプレイ部材とすることもできる。その他、バイオチップ、半導体集積材料、意匠部材、光回路、光コネクタ部材などにも応用展開可能である。
[特性の評価方法]
A.断面構造
積層体、金型、成型品の断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い300倍で写真を撮影し、断面観察を行い、積層体の表面層11の膜厚L、金型凸部の高さH、隣接する金型凸部間Wを求めた。また、表面層11の断面積S1(=W×L)、金型凹部断面積S2を求めた。
なお貫通は、次のように判定した。成形品の断面構造を観察して、
完全に表面層が貫通している場合○
ごく僅かに表面層が残っているが殆ど貫通している場合△
表面層が貫通していない場合 ×
とした。
また、転写性は次のように判定した。成形品凸部の断面積A’と金型凹部断面積S2との比A’/S2が、
0.92以上:○
0.90以上 0.92未満:△
0.90未満:×
とした。
B.動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”,ガラス転移温度Tg
表面層11と基材層12の動的貯蔵弾性率E’、ガラス転移温度Tgは、表面層11と基材層12をそれぞれ単膜で作製し、JIS−K7244(1999)に従って、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置”DMS6100”を用いて求めた。引張モード、チャック間距離は5mm、駆動周波数は1Hz、歪振幅10μm、力振幅初期値100mN、昇温速度は2℃/minの測定条件にて、各シートの粘弾特性の温度依存性を測定した。この測定結果から、表面層11のtanδが極大となるときの温度をTg1、基材層12のtanδが極大となるときの温度をTg2とした。また、表面層11のTg1+30℃における表面層11の動的貯蔵弾性率E1’、 動的損失弾性率E1”,および、該温度での基材層12の動的貯蔵弾性率E2’を求め、E1’/E2’を求めた。
C.結晶化エンタルピーΔHcc
表面層11の結晶化エンタルピーΔHccは、積層体1から表面層11を削り取り、得られたものをJIS K7122(1999)に従って、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて求めた。サンプルパンに各シートを5mgずつ秤量し、昇温速度は2℃/minで走査した。結晶化エンタルピーΔHccは結晶化の発熱ピークの面積より求めた。
D.剥離強度F
積層体を幅2cm×長さ12cmの短冊状に切り出し、厚さ2mmの表面平滑なアクリル板に基材層側を両面テープで張り付け、表面層側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製No.31B、幅19mm)を張り付けて、アクリル板の上端をテンシロン引っ張り試験機(東洋測器(株)製UTMIII)のロードセルにつるした。次いで、粘着テープの上端に帯状のリード紙をはり、その一端を下部チャックで把持して、クロスヘッド速度300mm/minで下(180°)方向に引っ張り、基材層と表面層の層間の剥離力を測定した。剥離強度F(N/cm)は、SSカーブの立ち上がり部分を除いた剥離長さ50mm以上の平均剥離力T(N)から次式により算出した。
・剥離強度F(N/cm)=T/W
ここで、T(N):平均剥離力、W(cm):サンプル幅。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
表面層として、シクロヘキサンジメタノール66mol%共重合PET(”Easter PET−G”GN−071:イーストマン(株)製)60℃で4時間静置乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)を別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmからなる総膜厚540μmの2層積層体を得た 得られた積層体、及び金型(ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図10(a)参照))の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’, 動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、得られた積層体、及び金型をともに110℃に加熱し、シート表面と金型の凹凸面を接触させて20MPaでプレスし、そのまま5分間保持した。その後90℃まで冷却後プレス圧力を解放し、50℃に冷却して金型から離型して樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=160μm(表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=60μm)、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図10(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=0.970)。
(実施例2)
金型をストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=120μm、アスペクト比H/w1=2(図11(a)参照、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を表1に示す)とした以外は実施例1と同様の方法で、樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=120μm(表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=20μm)、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図11(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=967)。
(実施例3)
金型を正方形格子パターン(ピッチ100μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図12(a)参照、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を表1に示す)とした以外は実施例1と同様の方法で、樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(成形品凸部:幅w1’=80μm、高さH’=160μm(表面層高さh1’=80μm、土台部分高さh2’=80μm)、アスペクト比H’/w1’=2(図12(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=965)。
(実施例4)
表面層として、シクロヘキサンジメタノール66mol%共重合PET(”Easter PET−G”GN−071:イーストマン(株)製)60℃で4時間静置乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、100℃で4時間真空乾燥させたスビログリコール30mol%共重合PET(S−PET30:三菱ガス化学(株)製)を別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。
得られた積層体、及び金型(ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図10(a)参照))の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’ 動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=160μm、表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=60μm、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図10(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=0.975)。
(実施例5)
表面層として、スビログリコール30mol%共重合PET(S−PET30:三菱ガス化学(株)製)を100℃で4時間真空乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、100℃で4時間真空乾燥させた2,6−ナフタレンジカルボン酸60%共重合PETを別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。
得られた積層体、及び金型(ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図10(a)参照))の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’ 、動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、プレス温度を140℃、プレス解放温度を110℃とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=160μm、表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=60μm、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図10(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=0.959)。
(実施例6)
表面層として、2,6−ナフタレンジカルボン酸60mol%共重合PETを100℃で4時間真空乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、100℃で4時間真空乾燥させたスビログリコール30mol%共重合PET(S−PET30:三菱ガス化学(株)製)を別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
得られた積層体、及び金型(ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図10(a)参照))の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’ ,動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、プレス温度を140℃、プレス解放温度を110℃とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=160μm、表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=60μm、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図10(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=0.971)。
(実施例7)
表面層として、シクロヘキサンジメタノール66mol%共重合PET(”Easter PET−G”GN−071:イーストマン(株)製)60℃で4時間静置乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、120℃で2時間真空乾燥させたダイマー酸15mol%、1,4−ブタンジオール62mol%共重合PETを押出機別の押出機内で250℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。
得られた積層体、及び金型(ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=8(図10(a)参照))の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’, 動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されていると共に、表面層が貫通しており、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=30μm、高さH’=160μm、表面層高さh1’=100μm、土台部分高さh2’=60μm、短軸アスペクト比H’/w1’=5.3(図10(b)参照))を形成できていることを確認した(A’/S2=0.961)。
(比較例1)
金型をストライプパターン(ピッチ100μm、幅w1=20μm、高さH=50μm、アスペクト比H/w1=2.50(図13(a)参照、金型凸部の高さH、凹部断面積S2を表1に示す)とした以外は実施例1と同様の方法で、樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されており、ピッチ100μm、幅20μm、深さ50μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=80μm、高さH’=50μm、アスペクト比H’/w1’=0.63(図13(b)参照))を形成できていたが、表面層は貫通していなかった(A’/S2=0.973)。
(比較例2)
金型をストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=35μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=4.57(図14(a)参照、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を表1に示す)とした以外は実施例1と同様の方法で、成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており、ピッチ50μm、幅15μm、深さ160μmのストライプパターン(成形品凸部:幅w1’=15μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/w1’=10.7(図14(b)参照))を形成できていたが、表面層は貫通していなかった(A’/S2=0.968)。
(比較例3)
表面層として、170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)を別の押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、シクロヘキサンジメタノール66%共重合PET(”Easter PET−G”GN−071:イーストマン(株)製)60℃で4時間静置乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。
得られた積層体、及び金型 (ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=35μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=4.57(図14(a)参照)の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’ 動的損失弾性率E1”を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されておらず、また表面層も貫通していなかった(A’/S2=0.869)。
(比較例4)
比較例3にて得られた積層体を用いた以外は実施例1と同様の方法で、成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が転写されておらず、また表面層も貫通していなかった(A’/S2=0.883)
(比較例5)
表面層として、150℃で2時間真空乾燥させたイソフタル酸23.0mol%共重合PETを別の押出機内で280℃で溶融させ、また、基材層として、シクロヘキサンジメタノール66mol%共重合PET(”Easter PET−G”GN−071:イーストマン(株)製)60℃で4時間静置乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して、表面層60μm、基材層480μmの総厚さ540μmの2層積層体を得た。
得られた積層体、及び金型 (ストライプパターン(ピッチ50μm、幅w1=35μm、高さH=160μm、アスペクト比H/w1=4.57(図14(a)参照)の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像から、積層体の表面層11の膜厚L、断面積S1、金型凸部の高さH、金型凹部断面積S2を求めた。結果を表1に示す。また、積層体の基材層と表面層の層間の剥離強度Fを前述の方法にて測定した。
また、表面層、基材層それぞれについて、単膜とする他は同様の方法で単層シートを作製し、得られたシートについて、ガラス転移温度Tg1、Tg2、室温、及びTg1+30℃での動的貯蔵弾性率E1’、E2’を前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
次に、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状の転写は若干不十分で、また表面層も貫通していなかった(A’/S2=0.910)。
(比較例6)
比較例5にて得られた積層体を用いた以外は実施例1と同様の方法で、成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状転写は若干不十分で、また表面層も貫通していなかった(A’/S2=0.915)
Figure 0005167583
本発明のパターン形成方法(および、本発明のパターン形成用シートを用いてパターン形成する方法)によって得られる成形品は回路材料、光学素子、ディスプレイ部材、半導体集積材料、バイオチップ、意匠部材など各種分野に適用可能である。
図1(a)〜(g)は、本発明のパターン形成方法の工程を模式的に例示するものである。 図2(a)〜()は、いずれも本発明のパターン形成方法によって得られた成形品を示す横断面図であり、横断面における成型品凸部中のパターン5の形状を模式的に例示するものである。 図3(a)は、本発明のパターン形成方法における積層体1を示す横断面図であり、横断面における膜厚Lを模式的に例示するものであり、図3(b)は本発明のパターン形成方法における金型2を示す横断面図であり、金型凸部の高さHを模式的に例示するものである。 図4(a)〜(f)は、いずれも本発明のパターン形成方法に用いる金型を示す横断面図であり、横断面における金型凸部21の形状を模式的に例示するものである。 図5(a)〜(h)は、いずれも本発明のパターン形成方法に用いる金型の面と平行な断面における断面図であり、金型凸部21の形状を模式的に例示するものである。 図6(a)〜(d)いずれも本発明のパターン形成方法に用いる金型の面と平行な断面における断面図であり、金型凸部21の形状を模式的に例示するものである。 図7(a)〜(f)は、いずれも本発明のパターン形成方法によって得られた成形品を示す横断面図であり、横断面における成形品凸部の形状を模式的に例示するものである。 図8(a)〜(h)は、いずれも本発明のパターン形成方法によって得られた成形品の面と平行な断面における断面図であり、成形品凸部の形状を模式的に例示するものである。 図9(a)〜(d)は、いずれも本発明のパターン形成方法によって得られた成形品の面と平行な断面における断面図であり、成形品凸部の形状を模式的に例示するものである。 図10(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図10(b)は実施例において賦形された成形品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図11(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図11(b)は実施例において賦形された成形品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図12(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図12(b)は実施例において賦形された成形品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図13(a)は比較例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図13(b)は比較例において賦形された成形品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図14(a)は比較例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図14(b)は比較例において賦形された成形品の一部分を模式的に表す斜視図である。
符号の説明
1 積層体
2 金型
3 成形品
4 基部
5 パターン
11 表面層
12 基材層
21 金型凸部
22 金型凹部
積層体の膜面方向に対する平行線
積層体の膜面方向に対する垂線
金型面に対する平行線
金型面に対する垂線
L 表面層の膜厚
H 金型凸部の高さ
w1 金型凸部の幅
w2 金型凹部の幅
S1 表面層の断面積
S2 金型凹部の断面積
H’ 成形品凸部の高さ
h1’成形品凸部パターン部の高さ
h2’成形品凸部土台部分の高さ
l’ 成形品の平坦部の厚さ
w1’ 成形品凸部の幅
w2’ 成形品凹部の幅

Claims (12)

  1. 少なくとも、基材層と、該基材層の片側又は両側に形成された表面層からなる積層体に、金型転写することによって表面層をパターニングするパターン形成方法であって、積層体を構成する基材層及び表面層が、熱可塑性を示す樹脂を主たる成分とし、表面層のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たし、該金型は、金型凸部高さHが表面層膜厚Lより大きく、且つ金型凹部断面積S2が表面層断面積S1より大きい表面形状を有し、積層体の表面層に押しあて金型凸部により表面層を貫通させることで表面層をパターニングすることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 少なくとも、金型および/または積層体を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的貯蔵弾性率E1’が1×10〜2×10Paであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のパターン形成方法。
  4. 積層体を構成する表面層の、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0J/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的損失弾性率E1”が1×10〜1.8×10Paである請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 前記積層体の基材層と表面層との剥離強度が50mN/cm以上である請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 成形されたパターンの凸部の断面積A’と金型凹部断面積S2との比A’/S2が、0.92以上である請求項1〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 少なくとも、基材層と、該基材層の片側又は両側に形成された表面層からなる積層体であって、積層体を構成する基材層及び表面層が、熱可塑性を示すポリエステル樹脂を主たる成分とし、表面層のガラス転移温度(以下、Tg1)+30℃において動的粘弾性測定(以下、DMA)により得られる表面層の動的貯蔵弾性率E1’と、基材層の動的貯蔵弾性率E2’が、0.001≦E1’/E2’≦1.5を満たすことを特徴とするパターン形成用シート。
  9. 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的貯蔵弾性率E1’が1×10〜2×10Paであることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成用シート。
  10. 積層体を構成する表面層の、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0J/gであることを特徴とする請求項8または9に記載のパターン形成用シート。
  11. 積層体を構成する表面層の、Tg1+30℃においてDMAにより得られる動的損失弾性率E1”が1×10〜1.8×10Paであることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のパターン形成用シート。
  12. 前記積層体の基材と表面層との剥離強度が50mN/cm以上である請求項8〜11のいずれかに記載のパターン形成用シート。
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