JP5208646B2 - 成形体、並びに成形体の製造方法、及び成形体を転写した転写体の製造方法 - Google Patents

成形体、並びに成形体の製造方法、及び成形体を転写した転写体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細なパターンを有し、欠陥が極めて少ない、大面積の成形体及びその転写体を精度良く、効率的に、また安価に製造する方法に関する。
近年、ナノメートルレベルでの微細加工技術の発達に伴い、表面に様々な微細構造を有する樹脂成形体が作製可能になってきており、半導体分野や光学分野への応用開発が盛んになされている。前述の微細加工技術の一例として、原版の微細なパターンを、基板上の転写層に転写するナノインプリント法が知られている。特に転写層に光硬化性樹脂を用いた光ナノインプリント法は、精度良く、効率的に転写できる技術として注目を集めている。
しかし光硬化性樹脂を用いる場合、樹脂が原版に密着してしまい、離型できなくなる問題や、離型できた場合でも一部の樹脂が凝集破壊してその小片が原版に付着してしまうために、繰り返し連続的に転写できない問題がある。このような離型の問題を改善する試みとして、原版の表面に離型剤を塗布する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら離型剤を用いても、繰り返し連続的に転写する場合には、離型剤が次第に原版から剥落して離型効果が低下してしまい、一定の品質での連続生産は困難である。また、光硬化性樹脂にフッ素系もしくは珪素系の離型改良成分を配合する方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、光硬化性樹脂にフッ素系もしくは珪素系の離型改良成分を配合する方法の場合、離型改善効果が十分で無いうえ、離型改良成分が相分離しやすく均質な成形体を得にくいという問題がある。さらに、光硬化性を有するフッ素系の樹脂を転写材料として使用する方法(特許文献3から5)が提案されている。中でも、シリコンウエハ上に微細パターンを有するフッ素系樹脂の成形体を製造する方法が開示されているが、フッ素系樹脂は表面エネルギーが小さく離型に優れている反面、基板に対する接着強度が低下するために、原版から剥離する際に基板からの浮き剥がれの欠点を生じる問題や、樹脂の小片が基板から剥がれて原版に付着してしまう問題がある。さらに基板が剛直なシリコンウエハであるために生産性や取り扱い性が悪いうえ、用途の制約が大きい。さらに、文献中にはプラスチック基板の使用を示唆する記述はあるものの、フッ素含有率が極めて高いフッ素系樹脂とプラスチック基板とを接着することは極めて困難であり、このような接着の問題をはじめとする製造上の様々の問題を解決する方法について何ら示唆がない。
特表2008−537557号公報 特開2008−19292号公報 特開2006−110997号公報 特開2006−114882号公報 特開2007−1250号公報
本発明の目的は、微細なパターンを有し、欠陥が極めて少ない、大面積の成形体及び、その転写体を精度良く、効率的に、また安価に製造する方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の硬化物からなる成型体が、前記特性を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
1.基板(A)、及びフッ素含有率が30から70質量%である樹脂組成物(B)を硬化させた薄膜状の硬化物(C)からなり、基板(A)と硬化物(C)との接着強度が0.4N/cm以上であり、硬化物(C)の膜厚みは0.01μmから100μmであり、硬化物(C)の表面に微細な凸凹パターンを有することを特徴とする成形体。
2.基板(A)が屈曲性を有することを特徴とする、上記1に記載の成形体。
3.基板(A)が易接着コーティング処理されているPETフィルムであることを特徴とする上記1又は2のいずれか1つに記載の成型体
4.樹脂組成物(B)の25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする、上記1から3のいずれか1つに記載の成形体。
5.硬化物(C)の、微細な凸凹パターンのピッチが0.5μm以下、高さが0.005μmから0.5μmであることを特徴とする、上記1から4のいずれか1つに記載の成形体。
6.硬化物(C)を溶剤抽出することで抽出される成分量が、硬化物(C)の5質量%以下であることを特徴とする、上記1から5のいずれか1つに記載の成形体。
7.基板(A)と、表面に微細な凹凸パターンが形成された原版(D)との間に、樹脂組成物(B)を挟持させた状態で樹脂組成物(B)を硬化させた後、原版(D)から剥離することによって、樹脂組成物(B)の硬化物(C)の表面に原版(D)の凹凸パターンが転写された、凸凹パターンを成形することを特徴とする、上記1から6のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。
8.上記1から6のいずれか1つに記載の成形体から、該成形体の微細な凸凹パターンが転写された、微細な凹凸パターンを有する転写体(E)を製造する方法。
9.上記1から6のいずれか1つに記載の成形体から、該成形体の微細な凸凹パターンが転写された微細な凹凸パターンを有する転写体(E)を製造し、次いで転写体(E)から微細な凹凸パターンが転写された、微細な凸凹パターンを有する転写体(F)を製造する方法。
本発明の成形体は、高精度の微細パターンを有し、欠陥が極めて少ない、大面積の成形体及び、その転写体を精度良く、効率的に、また安価に製造することを可能にした。
本発明の成型体を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
(A)基板
本発明の成形体に用いられる基板としては、フッ素含有率が30から70質量%である樹脂組成物(B)の硬化物(C)との接着強度が0.4N/cm以上であれば特に制限はなく、ガラス、セラミック、金属のような無機材料、プラスチックのような有機材料を問わず使用できる。成形体の用途に応じて特定の機能や形状、例えば、板、シート、フィルム、薄膜、織物、不織布その他任意の形状およびこれらを複合化したものを使用できるが、屈曲性を有する連続生産性に優れたシート、フィルム、薄膜、織物、不織布等を含むことが特に好ましい。屈曲性を有する材質としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、COP(シクロオレフィンポリマー)、COC(シクロオレフィンコポリマー)などの熱可塑性樹脂やTAC(トリアセチルセルロース)などの樹脂が価格や性能の面から好ましい。
さらに、基板(A)には樹脂組成物(B)の硬化物(C)との接着性を向上させる処理を施すことが好ましく、樹脂組成物(B)との化学結合や、浸透などの物理的結合のための、易接着コーティング、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、高エネルギー線照射処理、表面粗化処理、多孔質化処理などを施すことが好ましい。中でも、基板(A)は、硬化物(C)と接着させる面に、易接着コーティング処理されているPETフィルムであることがより好ましい。
また、基材(A)には目的に応じて可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、難燃剤、ガスバリア機能を有する材料、粘着剤などを配合あるいは積層体として複合化したものを使用することも好ましい。
(B)樹脂組成物
本発明の成型体に用いられる樹脂組成物は、フッ素含有率が30から70質量%である光または熱により硬化性する樹脂組成物であり、フッ素を含有する重合性化合物を含んでいれば限定はないが、必要に応じて重合開始剤や、他の重合性化合物を含有してもよい。本発明におけるフッ素含有量率とは、樹脂組成物に占めるフッ素原子の質量割合であり、成形体製造時の、後述する原版(D)からの離型力を低減するためにはフッ素含有率は30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂組成物の硬化物(C)の強度を高めて、転写精度や繰り返し転写性能を向上する面からは、フッ素含有率は70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるフッ素を含有する重合性化合物とは重合性の不飽和炭素結合基(以下、重合性の不飽和基と略す)を有する化合物である。重合性の不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、またはメタクリロイル基が好ましく、重合性の観点からは特にアクリロイル基およびメタクリロイル基が好ましい。重合性の不飽和基はフッ素原子を有してもよい。
フッ素を含有する重合性化合物として、下記一般式(1)〜式(7)で表される群から選択される少なくとも1つの重合性化合物を含むことが好ましい。
(一般式(1)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1から3のアルキル基、または炭素数1から20のポリフルオロアルキル基を表し、Q11は、単結合、炭素数1から20のポリフルオロアルキレン基、または炭素数1から20のエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキレン基を表し、X11は、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−CHOH、−COOH、−COOCH、−COOM1、−SOF、−SOH、−SOM2、−CN、−CHOPOH、または−CHPO( ただしM1およびM2は、それぞれ独立にアルカリ金属を表す。)を表し、zは、0または1を表す。
一般式(2)中、R21、R22、およびR23は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1から3のアルキル基、または炭素数1から20のポリフルオロアルキル基を表し、Q21は、炭素数1から20の水酸基を含有していてもよいポリフルオロアルキレン基、または炭素数1から20の水酸基を含有していてもよいエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキレン基を表し、X21は、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−CHOH、−COOH、−COOCH、−COOM1、−SOF、−SOH、−SOM2、−CN、−CHOPOH、または−CHPO(ただしM1およびM2は、それぞれ独立にアルカリ金属を表す。)を表し、zは、0または1を表す。
一般式(3)、または(4)中、R31、R32、R33、R34、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1から7のペルフルオロアルキル基、または炭素数1から3のペルフルオロアルコキシ基を表す。
一般式(5)中、R51およびR52は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1から3のアルキル基、または炭素数1から20のポリフルオロアルキル基を表し、Q51は、ポリフルオロアルキレン基、水酸基を含有するポリフルオロアルキレン基を表す。
一般式(6)中、R61、R61、R63、R64、R65、およびR66は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基、または炭素数1から3のポリフルオロアルキル基を表し、少なくとも1つはフッ素原子を有する。Q61およびQ62は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、メチレン基、ジフルオロメチレン基、オキシジフルオロメチレン基、もしくはフッ素原子、炭素数1から3のペルフルオロアルキル基または炭素数1から3のペルフルオロアルコキシ基で置換されたメチレン基を表し、R67は、水素原子、フッ素原子、炭素数1から3のアルキル基、または炭素数1から3のポリフルオロアルキル基を表し、R68は、水素原子、フッ素原子、炭素数1から3のアルキル基、炭素数1から3のポリフルオロアルキル基、水酸基、スルホニル基、チオール基、カルボキシル基、およびアミノ基から選ばれる官能基を少なくとも1つ有する炭素数1から6のポリフルオロアルキル基を表す。
一般式(7)中、Q71は、環構造を有していてもよい含フッ素アルキレン基を表す。)
上記一般式(1)で表される化合物としては、たとえば、CF=CFOCFCFSOF、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOF、CF=CFCOOH、CF=CFO(CFCOOCH、CF=CFO(CFCHOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI等が好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物としては、たとえば、CH=CHCOO(CH(CF10F、CH=CHCOO(CH(CFF、CH=CHCOO(CH(CFF、CH=C(CH)COO(CH(CF10F、CH=C(CH)COO(CH(CFF、CH=C(CH)COO(CH(CFF、CH=CHCOOCH(CFF、CH=C(CH)COOCH(CFF、CH=CHCOOCH(CFF、CH=C(CH)COOCH(CFF、CH=CHCOOCHCFCFH、CH=CHCOOCH(CFCFH、CH=CHCOOCH(CFCFH、CH=C(CH)COOCH(CFCF)H、CH=C(CH)COOCH(CFCFH、CH=C(CH)COOCH(CFCFH、CH=CHCOOCHCFOCFCFOCF、CH=CHCOOCHCFO(CFCFO)CF、CH=C(CH)COOCHCFOCFCFOCF、CH=C(CH)COOCHCFO(CFCFO)CF、CH=CHCOOCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、CH=CHCOOCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、CH=C(CH)COOCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、CH=C(CH)COOCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、CH=CFCOOCHCH(OH)CH(CFCF(CF、CH=CFCOOCHCH(CHOH)CH(CFCF(CF、CH=CFCOOCHCH(OH)CH(CF10F、CH=CFCOOCHCH(CHOH)CH(CF10F、CH=C(CH)COOCHCF、CH=C(CH)COOCHCH(CFF 、CH=CHCOOCHCH(CFF、CH=CH(CH)CONHCHCHCHNHCOCF(CF)(OCFCF(CF))F(ただしn=1〜20の任意の整数)等が好ましい。
上記一般式(3)及び上記一般式(4)で表される化合物としては、たとえば、下式の化合物が好ましい。
上記一般式(5)で表される化合物としては、たとえば、CH=C(CH)COOCHCHNHCOCHCFO(CFCFO)(CFO)CFCHOCNHCHCHOCOC(CH)=CH(ただし、m、nはM=1000〜10000gmol−1の範囲となりうる任意の数字を示す)や、下式化合物が好ましい。
(ただし、k1およびk2は、それぞれ独立に、3から10の整数を表す。)
上記一般式(6)で表される化合物としては、たとえば、CF=CFCFCF=CF、CF=CFOCFCF=CF、CF=CFOCFCFCF=CF、CF=CFOCF(CF)CFCF=CF、CF=CFOCFCF(CF)CF=CF、CF=CFOCFOCF=CF、CF=CFOCFCF(CF)OCFCF=CF、CF=CFCFC(OH)(CF)CHCH=CH、CF=CFCFC(OH)(CF)CH=CH、CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH、CF=CFCHC(C(CFOH)(CF)CHCH=CH、CH=CHArCHOCHCFO(CFCFO)(CFO)CFCHOCHArCH=CH(ただし、Arはアリール基を示し、m、nはM=1000〜10000gmol−1の範囲となりうる任意の数字を示す)等が好ましい。
その他、好ましいフッ素を含有する重合性化合物としては、上記一般式(1)から上記一般式(7)からなる群から選ばれる少なくとも1以上のモノマーの2から20の繰り返し単位からなる重合化合物や、フルオロノルボルネン、及び下記化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、従来公知の光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。本発明においては、微細パターンを高精度に、効率良く転写できることから、光重合開始剤を用いて光重合方式により硬化させることが好ましい。
光重合開始剤は、光によりラジカル反応またはイオン反応を引き起こすものであり、下記の光重合開始剤が好ましく用いられ、単独で用いても2つ以上を組み合わせて用いても良い。
アセトフェノン系の光重合開始剤:アセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等。
ベンゾイン系の光重合開始剤:ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等。
ベンゾフェノン系の光重合開始剤:ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等。
チオキサントン系の光重合開始剤:チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等。
フッ素原子を含有する光重合開始剤:ペルフルオロ(tert−ブチルペルオキシド)、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド等。
その他の光重合開始剤:α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、ジフェニル(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等。
重合開始剤は、硬化反応を充分に進行させ、且つ成形体からブリードアウトするおそれのある過剰の重合開始剤を使用しないために、フッ素を含有する重合性化合物及び他の重合性化合物の合計100質量部に対して、0.05から10質量部の範囲で配合することが好ましく、0.1から5質量部の範囲がより好ましく、0.5から4質量部の範囲がさらに好ましく、1から3質量部の範囲が特に好ましい。
他の重合性化合物は、前記のフッ素を含有する重合性化合物と共重合可能なフッ素原子を含まない重合性化合物、または前記以外の、フッ素含有量が少ない重合性化合物であり、下記の化合物等が好ましく用いられる。
炭化水素系オレフィン:エチレン、プロピレン、ブテン、ノルボルネン等。
炭化水素系ジエン:ノルボルナジエン、ブタジエン等。
炭化水素系アルケニルエーテル:シクロヘキシルメチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル等。
炭化水素系ビニルエステル:酢酸ビニル、ビニルピバレート等。
(メタ)アクリル酸誘導体:(メタ)アクリル酸、芳香族系の(メタ)アクリレート[フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート等。]、炭化水素系の(メタ)アクリレート[ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等。] 、エーテル性酸素原子を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート[エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等。]、官能基を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート等。] 、シリコーン系のアクリレート等。
その他の化合物:無水マレイン酸、ビニレンカーボネート等。
ただし、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
フッ素を含有する重合性化合物および他の重合性化合物の割合(質量比)は、樹脂組成物(B)のフッ素含有率が30から70質量%の範囲となることを前提に、100:0から0.5:99.5の範囲が好ましく、100:0から50:50の範囲がより好ましい。
フッ素を含有する重合性化合物および他の重合性化合物は、適宜選択することで樹脂組成物(B)の種々の特性を調整できる。例えば、連続転写工程における取り扱い性を向上する面から、25℃における粘度が500mPa・s以下となるよう調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にする面から、200mPa・s以下に調整することがより好ましく、100mPa・s以下に調整することがさらに好ましく、基板(A)との接着性をより向上する面から50mPa・s以下に調整することが特に好ましい。
また例えばフッ素を含有する重合性化合物及び、他の重合性化合物との配合比率によって、樹脂組成物(B)の硬化物(C)の、表面エネルギー改良の指標の一つとして、水に対する接触角によってこれを評価することができる。接触角は、原版(D)からの離型性をより向上する面から、75度以上であることが好ましく、80度以上であることがより好ましく、85度以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂組成物(B)には、本来の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の従来の添加物、例えば流動調整剤、レベリング剤、有機及び無機の染料及び顔料、増量剤、可塑剤、潤滑剤、補強剤、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、沈降防止剤、消泡剤、耐磨耗性付与剤、摩擦低減剤、帯電防止剤、防曇剤等を含むことが出来る。 また、樹脂組成物(B)は、異物(パーティクル)が、ろ過などの手法で除去されているものが好ましい。ろ過の場合、捕捉出来る最小粒子径が1μm以下のフィルターを使用することが好ましく、0.5μm以下のものがさらに好ましい。いずれの最小粒子径でも、フィルターの捕捉効率は99.9%以上であることが好ましい。
(成型体)
本発明の成形体は基板(A)、及びフッ素含有率が30から70質量%である樹脂組成物(B)を硬化させた薄膜状の硬化物(C)からなり、基板(A)と硬化物(C)との接着強度が0.4N/cm以上であり、硬化物(C)の膜厚みは0.01μmから100μmであり、硬化物(C)の表面に格子状の凸凹パターンを有することを特徴とする。
基板(A)と樹脂組成物(B)の硬化物(C)との接着強度は、基板(A)の選択及び、接着性向上を目的とした基材(A)の処理及び、樹脂組成物(B)の選択によって調整できる。接着強度の値は2枚の基板(A)同士を樹脂組成物(B)で接着した試料の剥離強度によって評価できる。接着強度は成形体を製造する際の、基板(A)からの樹脂組成物(B)の硬化物(C)の浮き剥がれを防止するには0.4N/cm以上に調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.6N/cm以上に調整することがより好ましく、0.8N/cm以上に調整することがさらに好ましい。
樹脂組成物(B)の硬化物(C)の膜厚みは、成形体の転写表面の平坦性を高める面からは100μm以下に調整し、原版(D)の微細パターンの基材(A)との擦れによる損傷を防止する面からは0.01μm以上に調整することが必要である。ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.05μmから50μmの範囲に調整することがより好ましく、0.1μmから30μmの範囲に調整することがさらに好ましく、0.2μmから20μmの範囲に調整することが特に好ましく、0.3μmから10μmの範囲に調整することが最も好ましい。樹脂組成物(B)の硬化物(C)の膜厚みは、基板(A)に樹脂組成物(B)を薄膜状に塗布する塗工技術や、光/熱硬化性樹脂組成物(B)の粘度を適宜選択する方法や、樹脂組成物(B)を揮発性の溶剤で希釈して基板(A)に塗布した後で乾燥して薄膜化する方法などによって調整できる。
本発明の成形体は、表面に微細な凸凹パターンを有する。本発明の成形体は表面の微細な凸凹構造が高精度且つ、欠点が少なく、比較的大面積であるため、成形体そのものを光学部材用途等、例えば表示装置用の導光板、拡散板、無反射フィルムや偏光フィルムなどに好ましく利用することが出来る。その中でも特に、表面の微細な凸凹構造により偏光性能を有するワイヤーグリッド偏光板は、構造の精度や生産性といった面からも特に好ましく利用できる。その他、ナノインプリント技術に期待されている様々な応用、例えばマイクロ・ナノ光学要素、光学素子、表示素子、電子ペーパー、ストレージ、MEMS・PCB実装材料、微量生化学分析や微量化学合成、バイオ応用を目的とした高機能3次元マイクロ・ナノ流路、次世代電子素子、DNAチップ等にも利用することが可能である。後述するように本発明の成形体から転写して製造した転写体(E)や、転写体(E)から転写して製造した転写体(F)も、表面の微細な凸凹構造が高精度且つ、欠点が少なく、比較的大面積であるため、本発明の成形体と同様に上記した用途に使用できる。
このような成形体及び転写体の微細なパターンは、表面に規則的に形成された微細な凸凹構造または凹凸構造であって、これらの構造は、従来公知のナノインプリント技術で成型可能な全ての構造、例えばレンズ構造、ピラー構造、ライン・アンド・スペース構造、格子構造、ピラミッド構造、ハニカム構造、ドット構造、ナノ流路等の用途を想定した任意形状、干渉露光の手法を応用した波状構造、これらの構造を重ね合わせた複合的構造等が挙げられる。これらの形状を水平方向に継ぎ合わせた構造であっても、また単層構造であっても、垂直方向に積み重ねた多層構造であってもよい。微細な凸凹構造の水平方向のサイズとしては、少なくとも1方向のピッチが0.01〜0.5μmの範囲であることにより、上記した種々の用途について優れた機能が発現するので好ましく、光学部材等の用途についてより高度な機能を発現するためには0.01〜0.25μmの範囲であることがより好ましく、0.01〜0.15μmの範囲であることがさらに好ましく、0.01〜0.13μmの範囲であることが特に好ましい。深さ方向のサイズについても、機能発現の面から0.005〜0.5μmの範囲が好ましく、より高度な機能発現のためには0.01〜0.25μmの範囲であることがより好ましく、0.03〜0.15μmの範囲であることがさらに好ましく、0.05〜0.13μmの範囲であることが特に好ましい。
本発明の成形体は、樹脂組成物(B)の硬化物(C)を溶剤抽出することで抽出される成分量が、硬化物(C)の5質量%以下であるように調整されることが好ましい。
抽出成分量の測定法は、成形体及び転写体を短冊状に切断した試料を溶剤に浸漬し、1時間超音波照射した抽出液を真空乾燥して抽出成分量を求め、試料の転写材料の硬化物層に対する抽出成分の比率を計算して求める。このように成形体から抜け出す成分の量を調整することによって、成形体の製造時の原版(D)の汚染を低減できるうえ、後述するように本発明の成形体から転写体(E)を製造する際にも、成形体の表面の硬化物層からの未反応成分の放出や、転写材料の吸収といった剥離を困難にする現象が起こりにくいので、本発明の成形体を転写体(E)から容易に、両者になんら付着物を残すことなく、剥離することが可能になった。本発明の成形体の樹脂組成物(B)の硬化物(C)の溶剤抽出される成分の量は、樹脂組成物(B)の組成中、特にモノマーの反応性や架橋基密度を適切に選択する方法や、架橋条件特に露光や加熱の条件や光および、熱重合開始剤の使用量を適切に選択する方法や、本発明の成形体に対して予め抽出や減圧乾燥等の手段によって抽出しうる成分を除去する方法等によって調整できる。モノマーの反応性についていえば、高反応性のアクリレート系の反応基を包含させる方法が好ましく、架橋基密度密度についていえば、官能基数が3以上のモノマーやオリゴマーを包含させる方法が好ましく、架橋条件についていえば、反応基の反応率が70%以上、より好ましくは80%以上となるような照度、光量、反応温度、反応時間、開始剤の種類や配合量といった条件を調整する方法が好ましい。抽出される成分量としては、硬化物(C)の3質量%以下に調整されることがより好ましく、2質量%以下に調整されることがさらに好ましく、1質量%以下に調整されることが特に好ましい。
ここで、溶剤抽出に使用する溶剤としては、抽出される成分の特性に応じて、トルエン、クロロホルム、アルコール類、ケトン類、エーテル類等の有機溶剤や、温水などから適宜選択できるが、広範な成分を溶解出来る面及び、安全性の面から、トルエン、アルコール類、温水などが好ましく用いられる。また、溶剤抽出の方法としては、従来用いられる方法を採用することができる。
(成型体の製造方法)
本発明の成形体を製造する方法は、ナノインプリント技術の応用であって、基板(A)と、成形体の凸凹パターンの反転形状である凹凸パターンを有する原版(D)との間に、樹脂組成物(B)を挟持させた状態で樹脂組成物(B)を硬化させた後、原版(D)から剥離することによって、樹脂組成物(B)の硬化物(C)の表面に原版(D)の凹凸パターンが転写された、凸凹パターンを成形できる。
成形体の製造方法の例としては、たとえば図1に示すように、樹脂組成物(B)を基板(A)上に塗布する工程(以下、塗布工程と記す。)と、図2に示すように、表面に凹凸パターンが形成された原版(D)を、そのパターンが樹脂組成物(B)に接触するように、基板(A)上の樹脂組成物(B)に押しつけ、狭持する工程( 以下、接触工程と記す。)と、原版(D)を樹脂組成物(B)に狭持させた状態で樹脂組成物(B)を硬化させる工程(以下、硬化工程と記す。)と、図3に示すように、原版(D)の凹凸パターンに対応した凸凹反転パターンが転写された樹脂組成物(B)の硬化物(C)を包含する成形体から、原版(D)を分離する工程(以下、離型工程と記す。)とを有する方法である。
(塗布工程)
基板(A)に樹脂組成物(B)を塗布する方法としては、ポッティング法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、キャスト法、ダイコート法、ディップコート法、ラングミュアープロジェット法など従来公知の方法が挙げられる。基板(A)が原版(D)よりも大きい場合は、樹脂組成物(B)を基板(A)全面に塗布してもよいし、原版(D)との間に狭持する範囲内にのみ樹脂組成物(B)が存在するように、樹脂組成物(B)を基板(A)の一部に塗布してもよい。大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するような方法で塗布する方法も好ましい。
(接触工程)
表面に凹凸パターンを有する原版(D)を、基板(A)上に塗布された樹脂組成物(B)に押し付けるように接触させ、狭持する。原版(D)は大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するような平面状原版のアップダウン方式、ベルト状原版の貼り合わせ方式、ロール状原版のロール転写方式、ロールベルト状原版のロール転写方式などの方法で接触させる方法も好ましい。原版(D)の材質としては、光を透過する材質としては、石英ガラス、紫外線透過ガラス、サファイヤ、ダイアモンド、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン材料、フッ素樹脂、その他光を透過する樹脂材料等が挙げられる。加熱によって樹脂組成物(B)を硬化させる場合や、光によって硬化させる場合でも基板(A)が光を透過する材質であれば、原版(D)は光を透過しない材質でもよい。光を透過しない材質としては、金属、シリコン、SiC、マイカ等が挙げられる。
(後述するように本発明の成形体を転写して転写体(E)を製造する場合には、本発明の成形体が原版の役割をする。また後述するように本発明の転写体(E)を転写して転写体(F)を製造する場合には、転写体(E)が原版の役割をする。)
上記したように平面状、ベルト状、ロール状、ロールベルト状などの任意の形態のものを選択できる。転写面には本発明の成形体の凸凹パターンの反転形状である凹凸パターンが形成されている。フッ素含有率が30から70質量%の範囲の樹脂組成物(B)を転写材料として用いる場合(および、本発明の成形体に原版の役割をさせる場合)には転写面に離型処理を施さなくても繰り返し連続的に転写が可能でありコストの面で好ましいが、これらの場合であっても浮遊ゴミなどによる原版の汚染防止等の目的で、転写面に従来公知の離型処理を施すことは好ましい。(また後述するように転写体(E)に原版の役割をさせて、光/熱硬化性組成物(F)を転写材料として転写体(F)を製造する場合には、転写体(E)の転写面には従来公知の離型処理を施すことが好ましい。)
(硬化工程)
硬化の方法は、樹脂組成物(B)を硬化させる方法であれば特に限定されない。樹脂組成物(B)の重合開始剤の種類にしたがって、熱および、または光照射により樹脂組成物(B)を硬化させる方法が好ましい。硬化を低温で進行させる(反応率を上げる)観点から、重合開始剤として前記光重合開始剤を用い、光照射により樹脂組成物(B)を硬化させる方法が特に好ましい。硬化を低温で行う場合、温度による硬化物(C)の体積変化と硬化に伴う着色劣化とが抑制される効果がある。光照射の方法としては、図4に示すように、原版(D)が光を透過する材質の場合は原版(D)側から光を照射する方法および、基板(A)が光を透過する材質の場合は基板(A)側から光を照射する方法が挙げられる。光照射に用いる光としては、光重合開始剤が反応する光であればよい。光重合開始剤が容易に反応し、硬化性材料をより低温で硬化させることができる面から、450nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。操作性の面から、200から450nmの波長の光が特に好ましい。また、光照射時に反応物を加熱することにより、樹脂組成物(B)の硬化を加速させてもよい。加熱する場合の温度は、300℃以下が好ましく、0から200℃がより好ましく、0から150℃がさらに好ましく、25から80℃が特に好ましい。該温度範囲において、硬化物(C)に形成される微細パターン形状の精度が高く保持される。また光照射を行わずに、加熱のみで樹脂組成物(B)を硬化させてもよい。上記のいずれの方式についても、大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するように反応機内を搬送する方法で硬化する方法も好ましい。
(離型工程)
硬化工程後、成形体を原版(D)から剥離することにより、原版(D)の凹凸パターンを転写した凸凹パターンが樹脂組成物(B)の硬化物(C)の表面に形成された成形体が得られる。成形体の反りなどの変形を抑えたり、凸凹パターンの精度を高めたりする面で、剥離工程の温度としては、成形体の温度が常温(25℃)付近まで冷却した後に実施する方法や、成形体の温度がまだ硬化工程の反応温度程度の時に剥離する場合であっても、成形体に一定の張力を与えた状態で常温(25℃)付近まで冷却する方法が好ましい。
上記の一連の工程によって得られる成形体は、離型工程において原(D)からの剥離性が良く、原(D)にはメンテナンスの必要な離型処理を施す必要が必ずしもないうえに、基板(A)と樹脂組成物(B)の硬化物(C)との接着強度が0.4N/cm以上と強力であるため、剥離の際の浮き剥がれや、硬化物(C)の小片が原(D)に付着するなどの問題が無く、繰り返し連続的に転写することができる。また硬化物(C)の厚みを100μm以下とすることで成形体表面の平坦性を向上できるうえ、成形体の屈曲耐久性も優れるのでロールプロセスにも適合性が高く、欠点が極めて少ない、大面積の成形体を効率良く製造できる。
また本発明の成形体から、以下に示すように、その凸凹パターンを転写した凹凸パターンを有する転写体(E)を製造することができる。
本発明の成形体から転写体(E)を製造する方法は、成形体上に転写体を形成させる工程と、転写体を成形体から分離する工程とを有する方法である(以下、転写工程Dと記す。)
(転写工程D)
本発明の成形体を転写して、転写体(E)を製造する方法としては、(1)樹脂組成物(B)又は他の樹脂組成物(G)を転写材料として製造する方法及び、(2)めっき法によって、金属を転写材料として製造する方法が挙げられる。方法(1)により得られる転写体(E)は、光学部材用途、その他ナノインプリント技術に期待されている様々な用途に有効であり、また転写材料として樹脂組成物(B)を用いる場合には、後述するように転写体(E)に原版の役割をさせて転写体(F)を製造する用途にも有効である。
方法(2)により得られる転写体(E)は、後述するように転写体(E)に熱や光や応力に対する耐久性に優れた原版の役割をさせて、転写体(F)を製造する用途に有効である。
方法(1)は、転写材料として樹脂組成物(B)のほかに他の樹脂組成物(G)を転写材料として用いる場合がある以外、本発明の成形体を製造する方法と同様にして製造できる。転写体(E)も転写基板として、前記した基板(A)を使用できる。転写材料として、前記した樹脂組成物(B)のほかに他の樹脂組成物(G)を使用できる。樹脂組成物(G)は、ナノインプリント用途あるいは一般的な転写用材料として従来公知のものを適宜使用出来る。これらの転写材料の粘度は、連続転写工程における取り扱い性を向上する面から、25℃における粘度が500mPa・s以下となるよう調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にする面から、200mPa・s以下に調整することがより好ましく、100mPa・s以下に調整することがさらに好ましく、基板(A)との接着性をより向上する面から50mPa・s以下に調整することが特に好ましい。また、基板(A)と樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)との接着強度は、前記したように基板(A)の選択及び、接着性を向上させるための基板(A)の処理及び、樹脂組成物(B)または(G)の選択によって調整できる。接着力の値は2枚の基板(A)同士を樹脂組成物(B)または(G)で接着した試料の剥離強度によって評価できる。接着強度は転写体(E)を製造する際の、転写体(E)の基板(A)からの樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の浮き剥がれを防止するには0.4N/cm以上に調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.6N/cm以上に調整することがより好ましく、0.8N/cm以上に調整することがさらに好ましい。また転写体(E)の樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の膜厚みは、転写体(E)の転写表面の平坦性を高める面からは100μm以下に調整することが好ましく、成形体の微細パターンの、転写体(E)の基材(A)との擦れによる損傷を防止する面からは0.01μm以上に調整することが好ましい。ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.05μmから50μmの範囲に調整することがより好ましく、0.1μmから30μmの範囲に調整することがさらに好ましく、0.2μmから20μmの範囲に調整することが特に好ましく、0.3μmから10μmの範囲に調整することが最も好ましい。樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の膜厚みは、基板(A)に樹脂組成物(B)または(G)を薄膜状に塗布する塗工技術や、樹脂組成物(B)または(G)の粘度を適宜選択する方法や、樹脂組成物(B)または(G)を揮発性の溶剤で希釈して基板(A)に塗布した後で乾燥し薄膜化する方法などによって調整できる。また転写体(E)は、樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)を溶剤抽出することで抽出される成分量が、硬化物(C)の5質量%以下であるように調整されることが好ましい。このように転写体(E)から抜け出す成分の量を限定することによって、転写体(E)の製造時の元型となる成形体の汚染を低減できるうえ、後述するように転写体(E)から転写体(G)を製造する際にも、転写体(E)の表面の硬化物(C)層からの未反応成分の放出や、転写体(F)の製造に用いられる転写材料の吸収といった剥離を困難にする現象が起こりにくいことによって、転写体(E)から転写体(F)を容易に、両者になんら付着物を残すことなく剥離することが可能になった。本発明の転写体(E)の樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)から溶剤抽出される成分の量は、樹脂組成物(B)または(G)の組成、特にモノマーの反応性や架橋基密度を適切に選択する方法や、架橋条件特に露光や加熱の条件や光および熱重合開始剤の使用量を適切に選択する方法や、転写体(E)に対して予め抽出や減圧乾燥等の手段によって抽出される成分を除去する方法等によって調整できる。抽出される成分量としては、硬化物(C)の3質量%以下に調整されることがより好ましく、2質量%以下に調整されることがさらに好ましく、1質量%以下に調整されることが特に好ましい。
ここで、溶剤抽出に使用する溶剤としては、抽出される成分の特性に応じて、トルエン、クロロホルム、アルコール類、ケトン類、エーテル類等の有機溶剤や、温水などから適宜選択できるが、広範な成分を溶解出来る面及び、安全性の面から、トルエン、アルコール類、温水などが好ましく用いられる。また、溶剤抽出の方法としては、従来用いられる方法を採用することができる。転写体(E)を製造する際の、より具体的な方法としては、前述の(塗布工程)、(接触工程)、(硬化工程)、(離型工程)に準じた方法を用いることができる。
方法(2)は、めっきによって、金属を転写材料として用いる方法であって、例えば本発明の成形体の凸凹パターン面に、無電解めっき法や金属スパッタリング法や、金属蒸着法などの従来公知の表面導電化処理を施して薄膜を形成し、次いで従来公知のめっき法によって所望の厚みの金属層を形成した転写体(E)を製造する。転写材料として用いられる金属としては特に制限はなく、例えばCu、Zn、Ga、As、Cr、Se、Mn、Fe、Co、Ni、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Ru、Rh、Pd、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、W、Po、Re、Os、Ir、Pt等が挙げられる。これらの中でも、Ni、Ag、Au、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Sn、Znが好ましく、さらに、Niが特に好ましい。尚、これらの金属は、それぞれ単独で、または、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属層の厚みは転写体(E)の強度や耐久性の面からは50μm以上あることが好ましく、転写体(E)の平坦性や製造効率の面からは10mm以下であることが好ましい。本発明の成形体上に金属からなる転写体(E)が形成された後、成形体を剥離することによって転写体(E)が製造される。本発明の成形体は凸凹パターン面の表面エネルギーが低いうえ、基板(A)と硬化物(C)層との接着力が強いので、剥離の際の硬化物(C)層の浮き剥がれの問題や、樹脂の小片が転写体(E)に付着する問題が無いので、成形体から転写体(E)を繰り返し連続的に製造することができる。また本発明の屈曲性を有する成形体は、金属からなる剛直な転写体(E)から剥離することが容易であり、取り扱い性が良い。
このように方法(1)または方法(2)により製造された転写体(E)は、本発明の成形体を転写の元型として製造したことによって、パターンの精度が高く、欠点が極めて少なく、大面積のものを効率良く製造できるので、原版(D)の安価な代用品として、転写体(F)を製造する用途にも使用できる。転写体(E)から転写体(F)を製造する方法は、転写体(E)上に転写体(F)を形成させる工程と、転写体(F)を転写体(E)から分離する工程とを有する方法である(以下、転写工程Eと記す。)
(転写工程E)
転写体(E)は、転写体(F)を製造する元型として、樹脂組成物(B)又は他の樹脂組成物(G)を転写材料として用いて製造できる。前述の転写工程Dにおける、方法(1)により得られる転写体(E)は、耐傷性に優れているため、これを用いた転写体(F)には傷を転写してできる欠点が極めて少なく、繰り返し連続的に転写できるので好ましい。一方、転写工程Dにおける、方法(2)により得られる転写体(E)は、熱や光や応力に対する耐久性に優れているため、繰り返し連続的に転写できるので好ましい。転写工程Eにより得られる転写体(F)は、光学部材用途、その他ナノインプリント技術に期待されている様々な用途に好ましく用いることができる。
転写体(F)は、転写材料として樹脂組成物(B)のほかに他の樹脂組成物(G)を転写材料として用いる場合がある以外、本発明の成形体を製造する方法と同様にして製造できる。転写体(F)も転写基板として、前記した基板(A)を使用できる。転写材料として、前記した樹脂組成物(B)のほかに他の樹脂組成物(G)を使用できる。樹脂組成物(G)は、ナノインプリント用途あるいは一般的な転写用材料として従来公知のものを適宜使用出来る。これらの転写材料の粘度は、連続転写工程における取り扱い性を向上する面から、25℃における粘度が500mPa・s以下となるよう調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にする面から、200mPa・s以下に調整することがより好ましく、100mPa・s以下に調整することがさらに好ましく、基板(A)との接着性をより向上する面から50mPa・s以下に調整することが特に好ましい。また、基板(A)と樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)との接着強度は、前記したように基板(A)の選択及び、接着性を向上させるための基板(A)の処理及び、樹脂組成物(B)または(G)の選択によって調整できる。接着力の値は2枚の基板(A)同士を樹脂組成物(B)または(G)で接着した試料の剥離強度によって評価できる。接着強度は転写体(F)を製造する際の、転写体(F)の基板(A)からの樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の浮き剥がれを防止するには0.4N/cm以上に調整することが好ましく、ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.6N/cm以上に調整することがより好ましく、0.8N/cm以上に調整することが特に好ましい。また転写体(F)の樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の膜厚みは、転写体(F)の転写表面の平坦性を高める面からは100μm以下に調整することが好ましく、元型となる転写体(E)の微細パターンの、転写体(F)の基材(A)との擦れによる損傷を防止する面からは0.01μm以上に調整することが好ましい。ロールプロセスによる高速連続転写を容易にするには0.05μmから50μmの範囲に調整することがより好ましく、0.1μmから30μmの範囲に調整することがさらに好ましく、0.2μmから20μmの範囲に調整することが特に好ましく、0.3μmから10μmの範囲に調整することが最も好ましい。樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)の膜厚みは、基板(A)に樹脂組成物(B)または(G)を薄膜状に塗布する塗工技術や、樹脂組成物(B)または(G)の粘度を適宜選択する方法や、樹脂組成物(B)または(G)を揮発性の溶剤で希釈して基板(A)に塗布した後で乾燥し薄膜化する方法などによって調整できる。また転写体(F)は、樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)を溶剤抽出することで抽出される成分量が、硬化物(C)の5質量%以下であるように調整されることが好ましい。このように転写体(F)から抜け出す成分の量を限定することによって、転写体(F)の元型となる転写体(E)の汚染を低減できるうえ、転写体(F)からのブリードアウト成分が転写体(F)の微細パターン上に析出して転写体(F)の光学性能等を損なう問題が無いので好ましい。本発明の転写体(F)の樹脂組成物(B)または(G)の硬化物(C)から溶剤抽出される成分の量は、樹脂組成物(B)または(G)の組成、特にモノマーの反応性や架橋基密度を適切に選択する方法や、架橋条件特に露光や加熱の条件や光重合開始剤および、熱重合開始剤の使用量を適切に選択する方法や、転写体(F)に対して予め抽出や減圧乾燥等の手段によって抽出される成分を除去する方法等によって調整できる。抽出される成分量としては、硬化物(C)の3質量%以下に調整されることがより好ましく、2質量%以下に調整されることがさらに好ましく、1質量%以下に調整されることが特に好ましい。
ここで、溶剤抽出に使用する溶剤としては、抽出される成分の特性に応じて、トルエン、クロロホルム、アルコール類、ケトン類、エーテル類等の有機溶剤や、温水などから適宜選択できるが、広範な成分を溶解出来る面及び、安全性の面から、トルエン、アルコール類、温水などが好ましく用いられる。また、溶剤抽出の方法としては、従来用いられる方法を採用することができる。また転写体(F)を製造する際の、より具体的な方法としては、前述の(塗布工程)、(接触工程)、(硬化工程)、(離型工程)に準じた方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定した。
<基板と樹脂組成物の硬化物の接着強度>
基板が屈曲性のあるフィルム等の材質の場合、2枚の基板の1枚に樹脂組成物を塗布し、これにもう1枚の基板を貼り合せて硬化させたものを接着面が幅30mm、長さ50mm以上の短冊状になるよう作成した試料を調整した。これを引張試験機(エー・アンド・デイ製 型番RTG−1210)を用い、室温(23℃)にて、1m/分の速度で90度剥離試験を行い、基板と樹脂組成物の硬化物の接着強度を評価した。基板が剛直な材質の場合、基板に樹脂組成物を塗布し、これに、屈曲性を有している樹脂組成物との接着強度を評価済みの、別の基板を貼り合わせて硬化させたものを接着面が幅30mm、長さ50mm以上の短冊状になるよう作成した試料を調整した。これを同様に引張試験機で評価し、測定値と硬化物の付着状況から、剛直な基板に対する樹脂組成物の硬化物の接着強度を評価した。
<原版(原版の役割をした成形体及び転写体)と転写材料の硬化物との離型性>
片面に易接着コーティングが施されている、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「コスモシャインA4100」)のコート面に樹脂組成物を塗布し、これに所望の原版(あるいは原版の役割をした成形体及び転写体)を貼り合わせて硬化させたものを接着面が幅30mm、長さ50mm以上の短冊状になるよう作成した試料を調整した。これを引張試験機(エー・アンド・デイ製型番RTG−1210)を用い、室温(23℃)にて、1m/分の速度で90度剥離試験を行い、原版(あるいは原版の役割をした成形体及び転写体)と転写材料の硬化物との離型性を、剥離力及び剥離面の観察により評価した。
<樹脂組成物の硬化物の膜厚み>
試料の調整条件にあわせて、硬化物の膜厚みが5μm以上のものは試料の切片の光学顕微鏡観察またはマイクロメータで直接厚みを評価した。硬化物の膜厚みが5μm未満のものは試料の切片の電子顕微鏡観察で厚みを評価した。
<成形体及び転写体の転写精度>
原版及び、成形体及び、転写体の対応する転写部位について、試料の切片の電子顕微鏡観察で凸凹および凹凸パターンの形状を比較するとともにパターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度について、原版の寸法を100とおいて比較した。
<樹脂組成物の粘度>
E型粘度計(東機産業製型番RE550L)を用い、試料量1.0mlで評価した。粘度の測定は全て25℃で行った。
<成形体及び転写体の抽出成分量>
成形体及び転写体を短冊状に切断した試料を100mlのクロロホルムに浸漬し、1時間超音波照射した抽出液を真空乾燥して抽出成分量を求め、試料の転写材料の硬化物層に対する抽出成分の比率を評価した。
(実施例1)
紫外線をカットしたクリーンルーム内で、含フッ素アクリレート[CH=CHCOO (CH(CFF](共栄社化学株式会社製、商品名「FA−108」)83質量%と、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート[(CH=CHCOOCHCCHCH](東亜合成株式会社製、商品名「アロニックスM−309」)7.4質量%と、N−ビニル−2−ピロリドン(株式会社日本触媒製)7.4質量%と、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「IRGACURE 651」)2.2質量%を調合し、超音波処理し溶解した後、濾過精度が0.8μmのフィルターで異物を除去して、フッ素含有率が52質量%の光硬化性樹脂組成物1を調整した。光硬化性組成物1の25℃における粘度は16mPa・sであった。
基板1として片面に易接着コーティングが施された厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「コスモシャインA4100」)のコート面に、光硬化性組成物1を10μmの厚みで塗布した。これをピッチが140nmであり、凹凸パターンの頂部と谷底部の垂直距離が175nmである、微細なラインアンドスペースの構造を有する幅30mm、長さ100mmのニッケル製の原版1に貼り合わせ、基板1側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射して光硬化した後、原版1から成形体(成形体1−1)を剥離した。成形体1−1は原版1から滑らかに剥離でき、成形体1−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。また原版1にも樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに9回、連続的に転写を繰り返して成形体1−2から成形体1−10を作成した。その都度、成形体の欠点及び原版1の樹脂付着の有無を観察したが、毎回異常は認められなかった。原版1から成形体を剥離する際の剥離力は平均して0.04N/cmであり転写を10回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。なお、基板1のコート面と光硬化性樹脂組成物1の硬化物との接着強度は0.55N/cmであった。また成形体1−1と成形体1−10の転写精度をそれぞれ評価したところ、凸凹パターンの形状は同一であり原版1のパターンを反転した通りの形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ98〜101でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また成形体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.8質量%であった。 次に基板1のコート面に市販のフッ素を含有しないUV硬化樹脂(東洋合成製、商品名「PAK−01」)を10μmの厚みで塗布した。「PAK−01」の25℃における粘度は、72.0mPa・sであった。これを成形体1−1の微細パターン面に貼り合わせ、上記と同じ手順で光硬化させた後、成形体1−1から転写体(転写体D1−1)を剥離した。転写体D1−1は成形体1−1から滑らかに剥離でき、転写体D1−1及び成形体1−1のいずれにも硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。成形体1−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに9回、連続的に転写を繰り返して転写体D1−2から転写体D1−10を作成した。その都度、転写体及び成形体1−1の欠点及び成形体1−1への樹脂付着がないか観察したが、毎回異常は認められなかった。成形体1−1から転写体を剥離する際の剥離力は平均して0.09N/cmであり転写を10回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。なお基板1のコート面と「PAK−01」の硬化物との接着強度は0.61N/cmであった。また転写体D1−1と転写体D1−10の転写精度をそれぞれ評価したところ、凹凸パターンの形状は同一であり原版1のパターンと同じ形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ98〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して2.0質量%であった。
次に成形体1−10の微細パターン面に、無電解めっき法によってニッケルの薄膜を形成し、次いで電気めっき法によって厚み300μmのニッケル層を形成した後、成形体1−10を剥離して転写体(転写体D2−1)を作成した。成形体1−10は転写体D2−1から滑らかに剥離でき、成形体1−10には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D2−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに2回、連続的に転写を繰り返して転写体D2−2から転写体D2−3を作成した。その都度、成形体1−10の欠点及び転写体への樹脂付着がないか観察したが、毎回異常は認められなかった。成形体1−1から転写体を剥離する際の剥離力は平均して0.06N/cmであり転写を3回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体D2−1と転写体D2−3の転写精度をそれぞれ評価したところ、凹凸パターンの形状は同一であり原版1のパターンと同じ形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ98〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。
次に基板1のコート面に光硬化性組成物1を10μmの厚みで塗布した。これを転写体D2−1と貼り合わせ、上記と同じ手順で光硬化させた後、転写体D2−1から転写体(転写体E1−1)を剥離した。転写体E1−1は転写体D2−1から滑らかに剥離でき、転写体E1−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D2−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに9回、連続的に転写を繰り返して転写体E1−2から転写体E1−10を作成した。その都度、転写体E1の欠点及び転写体D2−1への樹脂付着がないか観察したが、毎回異常は認められなかった。転写体D2−1から転写体E1を剥離する際の剥離力は平均して0.04N/cmであり転写を10回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体E1−1と転写体E1−10の転写精度をそれぞれ評価したところ、凸凹パターンの形状は同一であり原版1のパターンを反転した通りの形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ98〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.8質量%であった。
(実施例2)
紫外線をカットしたクリーンルーム内で、含フッ素アクリレート[CH=CHCOO (CH(CFF]を75質量%と、モノマー10(共栄社化学株式会社製、商品名「LINC―102A」)を15.4質量%と、N−ビニル−2−ピロリドンを7.4質量%と、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタールを2.2質量%を調合し、超音波処理し溶解した後、濾過精度が0.8μmのフィルターで異物を除去して、フッ素含有率が54質量%の光硬化性樹脂組成物2を調製した。光硬化性組成物2の25℃における粘度は28mPa・sであった。
実施例1と同様の手法にて、PETフィルムのコート面に凸凹パターンを形成させ、原版1から成形体(成形体2−1)を剥離した。成形体2−1は原版1から滑らかに剥離でき、成形体2−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。実施例1と同様に、連続的に9回転写を行ったが(成形体2−2から成形体2−10)、成形体の欠点及び、原版1への付着物は確認されなかった。原版1からの剥離力は平均して0.036N/cmであり、転写を繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。コート面との接着強度は0.58N/cmであった。成形体2−1から成形体2−10の凸凹パターンは原版1のパターンを精度良く転写しており、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜102でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.5質量%であった。
次に実施例1と同様の手法で、成形体2−1を用いて「PAK−01」を基材1のコート面上に転写(転写体D3−1)し、剥離した。転写体D3−1は滑らかに剥離でき、転写体D3−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。連続的に繰り返し9回転写を行ったが(転写体D3−2から転写体D3−10)、転写体の欠点及び、成形体2−1への付着物は確認されなかった。転写体を剥離する際の剥離力は平均して、0.08N/cmであり転写を繰り返すうちに、傾向的な変動は認められなかった。「PAK−01」とコート面との接着強度は0.61N/cmであった。転写体D3−1から転写体D3−10の凸凹パターンは成形体2−1のパターンを精度良く転写しており、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また成形体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して2.0質量%であった。
次に実施例1と同様の手法で、成形体2−10上にニッケル層を形成し、成形体を剥離することで剥離することで転写体(D4−1)を作製した。成形体2−10は転写体D3−1から滑らかに剥離でき、成形体2−10には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D4−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに2回、連続的に転写を繰り返して転写体D4−2から転写体D4−3を作成したが、成形体2−10の欠点及び転写体への樹脂付着は確認されなかった。成形体2−10から転写体を剥離する際の剥離力は平均して0.058N/cmであり転写を繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体D4−1と転写体D4−3の転写精度をそれぞれ評価したところ、凹凸パターンの形状は同一であり原版1のパターンと同じ形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。
実施例1と同様の手法で、転写体D4−1上に光硬化性組成物2を用いて転写体(転写体E2−1)を形成させ、剥離した。転写体E2−1は転写体D4−1から滑らかに剥離でき、転写体E2−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D4−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに9回、連続的に転写を繰り返して転写体E2−2から転写体E2−10を作成した。転写体E2の欠点及び転写体D4−1への樹脂付着は確認されなかった。転写体D4−1から転写体E2を剥離する際の剥離力は平均して0.036N/cmであり転写を10回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体E2−1と転写体E2−10の転写精度をそれぞれ評価したところ、凸凹パターンの形状は同一であり原版1のパターンを反転した通りの形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.5質量%であった。
(実施例3)
紫外線をカットしたクリーンルーム内で、含フッ素アクリレート[CH=CHCOO (CH(CFF]を60質量%と、モノマー10(共栄社化学株式会社製、商品名「LINC―102A」)を30.4質量%と、N−ビニル−2−ピロリドンを7.4質量%と、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタールを2.2質量%を調合し、超音波処理し溶解した後、濾過精度が0.8μmのフィルターで異物を除去して、フッ素含有率が51質量%の光硬化性樹脂組成物3を調製した。光硬化性組成物3の25℃における粘度は36mPa・sであった。
実施例1と同様の手法にて、PETフィルムのコート面に凸凹パターンを形成させ、原版1から成形体(成形体3−1)を剥離した。成形体3−1は原版1から滑らかに剥離でき、成形体3−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。実施例1と同様に、連続的に9回転写を行ったが(成形体3−2から成形体3−10)、成形体の欠点及び、原版1への付着物は確認されなかった。原版1からの剥離力は平均して0.04N/cmであり、転写を繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。コート面との接着強度は0.59N/cmであった。成形体3−1から成形体3−10の凸凹パターンは原版1のパターンを精度良く転写しており、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ98〜101でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また成形体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.4質量%であった。
次に実施例1と同様の手法で、成形体3−1を用いて「PAK−01」を基材1のコート面上に転写(転写体D5−1)し、剥離した。転写体D5−1は滑らかに剥離でき、転写体D5−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。連続的に繰り返し9回転写を行ったが(転写体D5−2から転写体D5−10)、転写体の欠点及び、成形体3−1への付着物は確認されなかった。転写体を剥離する際の剥離力は平均して、0.09N/cmであり転写を繰り返すうちに、傾向的な変動は認められなかった。「PAK−01」とコート面との接着強度は0.61N/cmであった。転写体D5−1から転写体D5−10の凸凹パターンは成形体3−1のパターンを精度良く転写しており、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して2.0質量%であった。
次に実施例1と同様の手法で、成形体3−10上にニッケル層を形成し、成形体を剥離することで剥離することで転写体(D6−1)を作製した。成形体3−10は転写体D6−1から滑らかに剥離でき、成形体3−10には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D6−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに2回、連続的に転写を繰り返して転写体D6−2から転写体D6−3を作成したが、成形体3−10の欠点及び転写体への樹脂付着は確認されなかった。成形体3−10から転写体を剥離する際の剥離力は平均して0.062N/cmであり転写を繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体D6−1と転写体D6−3の転写精度をそれぞれ評価したところ、凹凸パターンの形状は同一であり原版1のパターンと同じ形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。
実施例1と同様の手法で、転写体D6−1上に光硬化性組成物3を用いて転写体(転写体E3−1)を形成させ、剥離した。転写体E3−1は転写体D6−1から滑らかに剥離でき、転写体E3−1には硬化物層の浮き剥がれや、凝集破壊した欠点は認められなかった。転写体D6−1には樹脂付着は認められなかった。そこで上記の手順でさらに9回、連続的に転写を繰り返して転写体E3−2から転写体E3−10を作成した。転写体E3の欠点及び転写体D6−1への樹脂付着は確認されなかった。転写体D6−1から転写体E3を剥離する際の剥離力は平均して0.04N/cmであり転写を10回繰り返す間に傾向的な変動は認められなかった。また転写体E3−1と転写体E3−10の転写精度をそれぞれ評価したところ、凸凹パターンの形状は同一であり原版1のパターンを反転した通りの形状であった、パターンの頂部と谷底部の垂直距離の転写精度も、それぞれ97〜100でほぼ同等であった(原版1の寸法を100とする)。また転写体をクロロホルム抽出した場合の抽出成分の比率は、硬化物層に対して1.4質量%であった。
(実施例4)
「PAK−01」を用いて、以下のロールプロセスによって、連続的に転写体を製造した。連続的に搬送される基材1のロールフィルムに、「PAK−01」を連続的に塗布し、次いで40℃から50℃の範囲で温度制御され、回転する円筒に固定された転写体D1−1に押し付け、フィルム側から1J/cm2の光量で光照射を行い連続的に硬化させ、連続的に転写体D1−1から剥離して、転写体をロール状に巻き取った。
上記の転写は1時間以上安定的に実施でき、計画的に停止できた。転写後の転写体D1−1には硬化物の付着残りは全く認められず、製造された転写体の平坦性も、微細凸凹構造の転写性も良好であった。
(実施例5)
前記光硬化性組成物1を用いて、以下のロールプロセスによって、連続的に転写体を製造した。連続的に搬送される基材1のロールフィルムに、光硬化性組成物1を連続的に塗布し、次いで45℃から55℃の範囲で温度制御され、回転する円筒に固定された転写体D2−1に押し付け、フィルム側から1J/cm2の光量で光照射を行い連続的に硬化させ、連続的に転写体D2−1から剥離して、転写体をロール状に巻き取った。
上記の転写は2時間以上安定的に実施でき、計画的に停止できた。転写後の転写体D2−1には硬化物の付着残りは全く認められず、製造された転写体の平坦性も、微細凸凹構造の転写性も良好であった。
(比較例1)
基板1の非コート面に光硬化性組成物1を10μmの厚みで塗布した。これを原版1と貼り合わせ、上記と同じ手順で光硬化させた後、原版1から成形体(成形体2)を剥離した。ところが硬化物層の大部分は基板1には接着しておらず、原版1に付着してしまった。なお基板1の非コート面と光硬化性樹脂組成物1の硬化物との接着強度は0.17N/cmであった。
(比較例2)
基板1のコート面に「PAK−01」を10μmの厚みで塗布した。これを原版1と貼り合わせ、上記と同じ手順で光硬化させた後、原版1から成形体(成形体3−1)を剥離した。ところが硬化物層の一部が原版1に付着してしまった。このように原版1に樹脂の付着がある状態で、再度基板1のコート面に「PAK−01」を10μmの厚みで塗布したものを貼り合わせ、同じ手順で光硬化させた後、原版1から成形体(成形体3−2)を剥離した。すると原版1への樹脂付着は一層進行して欠点の数及び、欠点の大きさが大きくなり、到底連続的に転写を繰り返すことはできなかった。原版1から成形体3−1及び成形体3−2を剥離する際の剥離力はそれぞれ0.84N/cm及び1.24N/cmであった。
次に基板1のコート面に「PAK−01」を10μmの厚みで塗布し、これを成形体3−1と貼り合わせ、上記と同じ手順で光硬化させた後、成形体3−1から転写体(転写体D3)を剥離しようとした。ところが成形体3−1と転写体D3とは全面が完全に接着しており、分離することは不可能であった。
次に成形体3−2の微細パターン面に、無電解めっき法によってニッケルの薄膜を形成し、次いで電気めっき法によって厚み300μmのニッケル層を形成した後、成形体3−2を剥離して転写体(転写体D4)を作成した。ところが成形体3−2を転写体D4から剥離しようとしても面内に強固に接着している箇所があり、成形体3−2を破損してしまった。また転写体D4に付着した樹脂片を除去することは出来なかった。
本発明の成形体およびその製造方法、該成形体を用いた転写体(E)の製造方法、該転写体(E)を用いた転写体(F)の製造方法は、光学素子(マイクロレンズアレイ、ワイヤグリッド偏光板、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶等) 、ARコート部材、バイオチップ、μ−TAS用チップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、ディスプレイ材料、触媒の担持体、フィルター、センサー部材等の製造方法、半導体装置の製造プロセスにおける微細加工方法に利用できる。
樹脂組成物(B)を基板(A)上に塗布した図 表面に凹凸パターンが形成された原版(D)を、そのパターンが樹脂組成物(B)に接触するように、基板(A)上の樹脂組成物(B)に押しつけ、狭持した図、及び、原版(D)を樹脂組成物(B)に狭持させた状態で樹脂組成物(B)を硬化させる工程を示す図 原版(D)の凹凸パターンに対応した凸凹反転パターンが転写された樹脂組成物(B)の硬化物(C)を包含する成形体から、原版(D)を分離する図 原版(D)が光を透過する材質の場合に原版(D)側から光を照射する図
符号の説明
1 基板(A)
2 光/熱硬化性樹脂化合物(B)
2’光/熱硬化性樹脂化合物(B)の硬化物(C)
3 原版(D)
3’光を透過する原版(D)
4 照射光線

Claims (9)

  1. 基板(A)、及びフッ素含有率が30から70質量%である樹脂組成物(B)を硬化させた薄膜状の硬化物(C)からなり、基板(A)と硬化物(C)との接着強度が0.4N/cm以上であり、硬化物(C)の膜厚みは0.01μmから100μmであり、硬化物(C)の表面に微細な凸凹パターンを有することを特徴とする成形体。
  2. 基板(A)が屈曲性を有することを特徴とする、請求項1に記載の成形体。
  3. 基板(A)が易接着コーティング処理されているPETフィルムであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の成型体
  4. 樹脂組成物(B)の25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形体。
  5. 硬化物(C)の、微細な凸凹パターンのピッチが0.5μm以下、高さが0.005μmから0.5μmであることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成形体。
  6. 硬化物(C)を溶剤抽出することで抽出される成分量が、硬化物(C)の5質量%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形体。
  7. 基板(A)と、表面に微細な凹凸パターンが形成された原版(D)との間に、樹脂組成物(B)を挟持させた状態で樹脂組成物(B)を硬化させた後、原版(D)から剥離することによって、樹脂組成物(B)の硬化物(C)の表面に原版(D)の凹凸パターンが転写された、凸凹パターンを成形することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれ1項に記載の成形体の製造方法。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成形体から、該成形体の微細な凸凹パターンが転写された、微細な凹凸パターンを有する転写体(E)を製造する方法。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成形体から、該成形体の微細な凸凹パターンが転写された微細な凹凸パターンを有する転写体(E)を製造し、次いで転写体(E)から微細な凹凸パターンが転写された、微細な凸凹パターンを有する転写体(F)を製造する方法。
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