JP4923415B2 - 易表面賦形性シート、易表面賦形性シート積層体、それを用いた表面賦形方法及び成形品 - Google Patents

易表面賦形性シート、易表面賦形性シート積層体、それを用いた表面賦形方法及び成形品 Download PDF

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本発明は、表面への賦形が容易なシート材料、特に高アスペクト比の構造体を大面積で賦形可能なシート材料、および該シート材料を用いる表面賦形方法並びにその成形品に関するものである。
近年、光学分野、半導体分野などの各種分野で、微細構造を形成する技術の重要性が高まっている。光学分野では高精度な微細構造形成技術が、また半導体分野においては高精度な微細構造形成技術に加えて、半導体集積回路の集積度向上のために加工寸法の微細化が要求されている。
そのため、微細加工の代表的技術であるフォトリソグラフィーにおいても、解像度を上げて微細寸法を高精度で制御しなければならなくなっており、露光波長の短波長化の試み等が検討され、現在までにArFレーザーを用いて最小線幅100nmの解像度が達成されている。更には、電子線、X線を用いた数10nmの解像度、いわゆるナノ構造体の形成技術も実用化が近づいている。
しかしながら、露光波長の短波長化による解像度の向上は、露光機自体の初期費用や、使用するマスク価格の高騰を招き、その結果、コスト面で非常に不利となる。また照射スポット径が小さいため、大面積で微細構造を形成するには生産性が低いのが現状である。
そこで、近年、微細構造を容易に賦形する技術としてインプリントリソグラフィーがChouらによって提唱されている(非特許文献1参照)。インプリントリソグラフィーとは、金型上のパターンを樹脂に転写する技術であり、熱式と光式の二種類の方式がある。熱式とは熱可塑性樹脂をガラス転移温度Tg以上融点Tm未満に加熱して、そこに凹凸形状のパターンを有する金型を押し付けることで、また、光式とは、光硬化性樹脂に金型を押し付けた状態で光を照射して硬化させることで金型上のパターンを樹脂に転写する技術である。これらの技術は、金型作製のための初期費用はかかるものの、一つの金型から微細構造体を多数複製することができるので、結果としてフォトリソグラフィーと比べて安価に微細構造を賦形できる技術である。
これまでこの技術を用い、高アスペクト比のパターンを高精度で賦形するための検討が種々行われている。例えば金型表面の表面処理剤の検討(特許文献1、2及び3参照)、金型の表面処理プロセスを成形プロセス中に取り込む検討(特許文献4参照)、溶媒可溶型表面処理剤によって処理し、溶媒中で表面処理剤を溶かしながら離型する検討(特許文献5)などが挙げられる。
また、多種パターンの同時加工や、大面積デバイスの製造のために、大面積賦形の検討も行われている。例えば、プレス圧力の不均一性を補正するために金型の凹部の深さに高低差を与えて、大面積賦形時の面内均一性を向上させる検討が行われている(特許文献6)。
チョウら(S.Y.Chou et al.),「アプライド・フィジックス・レター(Appl.Phys.Lett.)」,米国,アメリカ物理学会,1995年,第67巻,第21号,p.3314 特開2002−283354号公報(第4−7頁) 特開2002−270541号公報(第2−8頁) 特開2003−077807号公報(第3−7頁) 特開2003−109915号公報(第3−4頁) 特開2003−332211号公報(第3−4頁) 特開2002−289560号公報(第3−5頁)
しかしながら、これらの方法は、主に金型の表面処理方法の改善によって離型性を向上させたり、金型の形状を制御したりしている。また高アスペクト比のパターンの形成や、さらには、高アスペクト比パターンを大面積賦形するような記載も見あたらない。高アスペクト比のパターンを大面積で賦形を行う場合、金型と樹脂の加熱/冷却時の体積変動量の差が大きくなりすぎて、樹脂が金型に噛み込んでしまい離型できないという問題がある。また離型できたとしてもパターンの精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点になってしまう等の問題もある。
そこで本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を克服し、高アスペクト比のパターンを大面積で表面に賦形しても転写性および離型性ともに良好なシート(以下、易表面賦形性シート)、および該シートを用いた表面賦形方法ならびにその成形品を提供せんとすることにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、本発明の易表面賦形性シートは、 ポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主たる樹脂組成物として構成されてなり、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0〜20J/gであり、かつ動的粘弾性測定(以下、DMAと称す)により得られる25℃での動的貯蔵弾性率E1’が0.5×10×10Paであり、かつガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が1×10×10Paであることを特徴とする。
また本発明の易表面賦形成性シートは、以下の(1)〜()の特徴を具備するものである。
) DMAにおける、ガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的損失弾性率E2”が1×10〜1.8×10Paであること。
) 破断伸びが40%以上であること。
) 複数の樹脂層からなり、かつ易表面賦形性シートが少なくとも表層に形成されるように積層された2以上の樹脂層からなる積層体であること。
(4) 示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、ガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が2.92×10 〜1×10 Paであること。
(5) 凸部のアスペクト比H’/S’が1〜10の凹凸形状を表面に賦形するための表面賦形用であること。
また、本発明の易表面賦形性シート積層体は、上述のいずれかに記載の要件を満たす易表面賦形性シートと支持体となる基材からなる積層体であって、少なくとも易表面賦形性シート積層体の表層に前記易表面賦形性シートが形成されてなることを特徴とする。
また本発明の表面賦形方法は、上述の易表面賦形性シート、または易表面賦形性シート積層体を加熱(加熱温度:T1)して金型を用いてプレス(プレス温度:T1)し、次いで冷却してプレス圧力を開放(プレス圧力開放温度:T2)後に金型を離型する(離型温度:T3)ことにより、金型形状が転写された成型品を形成する表面賦形方法であって、T1,T2およびT3が下記式(1)〜(5)を満たすことを特徴とする。
Tg≦T1≦Tg+50℃ (1)
T1<Tm (2)
Tg−20≦T2≦Tg+20℃ (3)
T2<T1 (4)
20℃≦T3≦T2 (5)
(ただし、ここでTmは易表面賦形性シート表層の融点)。
また、本発明の表面賦形方法は、以下の(1)〜()の特徴を具備するものである。
(1) 金型が表面に凹凸形状を有し、該金型の凸部断面の高さHと幅Sの比H/S(以下、アスペクト比)が20あること。
(2) 金型凸部の断面の幅Sが0.01〜100μm、高さHが0.01〜500μm、金型の凸部がピッチ0.02〜500μmであること
また本発明の成形品は上述の表面賦形方法によって得られる成形品であって、以下の(1)〜()の特徴を有する。
(1) 凸部のアスペクト比H’/S’が10あること。
(2) 凸部の幅S’が0.01〜200μm、高さH’が0.01〜500μmであり、凸部のピッチが0.02〜500μmで形成されていること。
) 成形品の凸部の断面積A’と金型凹部の断面積Aの比A’/Aが0.90以上であることである。
本発明によれば、転写性および離型性に優れた易表面賦形性シートが得られ、これを用いることにより高アスペクト比パターンを大面積で賦形することが可能となる。
本発明者らは、表面への転写性が良好なシート材料について鋭意検討し、特定の物性を有する材料を選定することにより上記課題を解決し、表面への転写性および離型性に優れたシート(以下、易表面賦形性をシート)が形成できることを究明し本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の易表面賦形性シートは、ポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主たる樹脂組成物として構成されてなり、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0〜20J/gであり、かつ動的粘弾性測定(以下、DMAと称す)により得られる25℃での動的貯蔵弾性率E1’が0.5×10×10Paであり、かつガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が1×10×10Paであることを特徴とする。
ここでいう結晶化エンタルピーΔHccとは、JIS K7122(1999)に準じて求められた値であり、昇温速度2℃/minで走査した時に得られる示差走査熱量測定チャートにおいて、結晶化に伴う発熱ピークの面積より求めた値である。結晶化エンタルピーΔHccが20J/gより大きいと、表面に賦形する際の昇温時にシートを構成する樹脂が素早く結晶化して、賦形する際にシートの変形が起こりにくくなる。そのため、高アスペクト比パターンの大面積賦形時に金型への樹脂の充填が不十分となって転写精度が低下したり、面内に圧力不均衡が生じて転写の面内均一性が低下したりする等の理由のため好ましくない。結晶化エンタルピーΔHccをこの範囲にすることで、高アスペクト比パターンの賦形時であっても良好な転写性および面内均一性を得ることができる。さらには、結晶化エンタルピーΔHccが好ましくは15J/g以下、より好ましくは5g/J以下、最も好ましくは0J/gであるのがよい。
また、本発明の易表面賦形性シートは、動的粘弾性測定(以下、DMAと称す)により得られる25℃での動的貯蔵弾性率E1’が0.5×10×10Paであることを特徴とする。ここでいう動的貯蔵弾性率E’は、JIS K−7244に準じた方法により、引張モード、試料動的振幅速さ(駆動周波数)は1Hz、チャック間距離5mm、歪振幅10μm、力振幅初期値100mN、昇温速度2℃/minでの測定条件にて温度依存性(温度分散)を測定した時に得られる値である。25℃での動的貯蔵弾性率E1’がこの範囲を上回ると、樹脂の剛性が高くなり、高アスペクト比パターンの大面積賦形時に金型からの離型が困難となるため好ましくない。またこの範囲に満たないと、成形品の機械的強度が低下し、離型時に変形が起こったり、離型できたとしても形状の経時安定性、耐衝撃性等が悪くなるため好ましくない。25℃での動的貯蔵弾性率E1’をこの範囲とすることで、高アスペクト比パターンの大面積賦形時の離型性と、成形品の機械的強度を両立することができる。
また、本発明の易表面賦形性シートは、ガラス転移温度Tg+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が1×10×10Paであることを特徴とする。ここでいうガラス転移温度Tgとは、JIS K−7244に準じた方法により、試料動的振幅速さ(駆動周波数)は1Hz、引張モード、チャック間距離5mm、昇温速度2℃/minでの温度依存性(温度分散)を測定した時に、tanδが極大となる温度のことである。Tg+30℃での動的貯蔵弾性率E2’がこの値より高いと、賦形する際にシートの変形が起こりにくくなる。そのため、荷重を大きくしてプレス圧力を非常に高くする必要があるが、高アスペクト比パターンの大面積賦形時には金型への樹脂の充填が不十分となって転写精度が低下したり、面内に圧力不均衡が生じて転写の面内均一性が低下したりする等の理由のため好ましくない。また、荷重が大きくなるほど金型への負荷が大きく、くり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。また、この値より低いとプレス時の樹脂の流動性が高くなりすぎて、プレス時に金型内に樹脂が充填せずに流れてしまうため好ましくない。Tg+30℃での動的貯蔵弾性率E2’をこの範囲とすることで、高アスペクト比パターンの大面積賦形時であっても良好な転写精度、面内均一性を得ることができる。
また、本発明の易表面賦形性シートは、上述の条件でのDMA測定により得られる25℃での動的貯蔵弾性率E1’が0.5×10×10Paであり、かつガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が1×10×10Paであることを特徴とする。本発明において、この範囲とすることによって、高アスペクト比パターンの大面積賦形時の離型性、転写精度、面内均一性および成形品の機械的強度を得ることができる。
また、本発明の易表面賦形性シートは、DMAにより得られるTg+30℃での動的損失弾性率E2”が1×10〜1.8×10Paであることが好ましい。より好ましくは、1×10〜1.5×10Paである。Tg+30℃での動的損失弾性率E2”がこの値より高いと、賦形する際にシートの変形が起こりにくくなる。そのため、荷重を大きくしてプレス圧力を非常に高くする必要があるが、高アスペクト比パターンの大面積賦形時には金型への樹脂の充填が不十分となって転写精度が低下したり、面内に圧力不均衡が生じて転写の面内均一性が低下したりする等の理由のため好ましくない。また、荷重が大きくなるほど金型への負荷が大きく、くり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。また、この値より低いとプレス時の樹脂の流動性が高くなりすぎて、プレス時に金型内に樹脂が充填せずに流れてしまうため好ましくない。Tg+30℃での動的損失弾性率E2”をこの範囲とすることで、高アスペクト比パターンの大面積賦形時であっても良好な転写精度、面内均一性を得ることができる。
本発明の易表面賦形性シートは、破断伸度が40%以上、好ましくは破断伸度が80%以上であることが好ましい。ここでいう破断伸度とは、ASTM D638に準じた方法により得られる値であり、1/8インチ厚のダンベル形状の試験片を作製し、温度23℃、湿度65%RHで、速度は5mm/分で引っ張ったときにの破断伸度である。破断伸度がこの範囲に満たないと、高アスペクト比のパターンの大面積成形時にシートの加熱/冷却時の体積変動によって発生する応力を緩和できずに、シートが金型に噛み込んで離型できなくなる。また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点になる。そのため、破断伸度をこの範囲とすることで、良好な転写制度を維持したまま離型性を向上することができる。
本発明の易表面賦形性シートのガラス転移温度Tgは、好ましくは40〜180℃であり、より好ましくは50〜160℃であり、最も好ましくは50〜120℃である。ガラス転移温度Tgがこの範囲を下回ると、成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化するため好ましくない。またこの範囲を上回ると、賦形温度が高くエネルギー的に非効率であり、またシートの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりシートが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる等の理由により好ましくない。本発明の易表面賦形性シートにおいて、シートのガラス転移温度Tgをこの範囲とすることで良好な転写性、離型性を得ることができる
本発明の易表面賦形性シートは、熱可塑性樹脂を主たる成分として構成されており、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂を用いる。ここで本発明の易表面賦形性シートとしては、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上から成ることが好ましい。
本発明の易表面賦形性シートのガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”、破断伸度などは、シートを構成する樹脂のモノマー種を適宜共重合させることによって調整可能である。例えば、ビスフェノール−Aのような剛直な骨格を導入することによって、ガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’が上昇する。ポリエチレングリコールのような柔軟な骨格を導入するとガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’が低下する。
また、可塑剤や架橋剤などの導入によっても、ガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”、破断伸度などを制御することができる。可塑剤の場合、その種類、添加量によって制御することができる。すなわち可塑剤の量が多くなるほどガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’ガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”は低下し、破断伸度などは向上する。また架橋剤の場合、その添加量を多くしたり、架橋の進行度を高くすると、ガラス転移温度Tg、動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”が向上し、破断伸度が低下する。これらを適宜添加することによって、前述の条件範囲に満たすようにシートしてもよい。
また、本発明の易表面賦形性シートには、電磁波照射により硬化する成分などを添加しても構わない。この場合、金型から転写した成形品に電磁波を照射して硬化させることで、成形品の機械強度、熱的安定性を向上させることができる。
また、本発明の易表面賦形性シートは、本発明の効果が失われない範囲内で、各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、重合禁止剤、離型剤、増粘剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。
本発明の易表面賦形性シートは、上述の樹脂単体からなるシートであってもかまわないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。この場合、単体シートと比べて、易滑性や、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。このように複数の樹脂層からなる積層体とした場合は、シート全体が前述の要件を満たすことが好ましいが、シート全体としては全体としては前述要件を満たしていなくても、少なくとも前述の要件を満たす層が表層に形成されていれば容易に表面を賦形することができる。
また、本発明の易表面賦形性シートは、一軸、または二軸方向に延伸されていても構わない。しかしながら用いる材料によっては、高倍率の延伸によって配向結晶化が進む結果、ガラス転移温度Tg,動的貯蔵弾性率E’ 、及び動的損失弾性率E”の上昇を伴い、成形性が低下することがあるため、物性値の変化に併せて適宜制御しながら延伸を行う。
本発明の易表面賦形性シート積層体とは、前述の易表面賦形性シートと支持体となる基材からなる易表面賦形性シート積層体であって、前記易表面賦形性シート積層体の表層に前記易表面賦形性シートが形成されてなることを特徴とする。この場合の支持体となる基材とは、賦形の際にその形状が変化しないシート状のものを示す。この場合、易表面賦形性シート積層体全体としては前述要件を満たしていないが、少なくとも前述の易表面賦形性シートが表層に形成されているため、容易に表面を賦形することができる。用いる基材の例としては、ポリエステル樹脂、二軸延伸ポリエステルフィルム、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等の有機フィルム基材や、シリコン、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼、チタン等の金属基材およびコンクリート等の無機基材などが適用可能である。
本発明の易表面賦形性シートの好ましい厚さ(厚み、膜厚)としては0.01〜5mmの範囲であることが好ましい。易表面賦形性シート積層体の場合も、基材の上にこの範囲の厚さのシートを設ければよい。なお、この場合、基材の厚さは特に限定されない。
本発明の易表面賦形性シートの形成方法としては、例えば単体シートの場合、シート形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。
また、積層体の製造方法としては、二つの異なる熱可塑性樹脂を二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、単膜で作製したシートと易表面賦形性シートをそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。また、易表面賦形性シート積層体の場合にも上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。かかる基材は、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。また、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
本発明の易表面賦形性シート、および易表面賦形性シート積層体を用いてパターンを形成する方法の例を図1を用いて説明する。
本発明の易表面賦形性シート1と、転写すべきパターンと反転した凹凸を有する金型2とを、シートのガラス転移温度Tg以上融点Tm未満の温度範囲内に加熱し(図1(a))、本発明の易表面賦形性シート1と金型2を接近させ、そのまま所定圧力でプレス、所定時間保持する(図1(b))。次にプレスした状態を保持したまま降温する。最後にプレス圧力を解放して金型2からシートを離型する(図1(c))。
また、本発明の表面賦形方法としては、図1に示したような平版をプレスする方法(平版プレス法)の他に、表面に凹凸を形成したロール状の金型を用いて、ロール状シートに成形し、ロール状の成形体を得るロールtoロールの連続成形であってもよい。ロールtoロール連続成形の場合、生産性点で平版プレス法より優れている。
本発明の表面賦形方法において、加熱温度、およびプレス温度T1はTg℃〜Tg+50℃の範囲内であることが好ましい。この範囲に満たないと、動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”が十分に低下していないため、金型をプレスしたときの変形が起こりにくくなり、成形に必要な圧力が非常に高くなる。またこの範囲を上回ると、加熱温度、およびプレス温度T1が高くエネルギー的に非効率であり、また、金型とシートの加熱/冷却時の体積変動量の差が大きくなりすぎて、シートが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点化してしまう等の理由により好ましくない。本発明の表面賦形方法においては、加熱温度、およびプレス温度T1をこの範囲とすることで、良好な成形性と、離型性を両立することができる。
本発明の表面賦形方法において、プレス圧力は、プレス温度T1での動的貯蔵弾性率E’ 、動的損失弾性率E”の値に依存するが、0.5〜50MPaが好ましい。より好ましくは1〜30MPaである。この範囲に満たないと金型内への樹脂の充填が不十分となりパターン精度が低下する。またこの範囲を超えると、必要とする荷重が大きくなり、金型への負荷が大きくくり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。プレス圧力をこの範囲とすることで、良好な転写性を得ることができる。
本発明の表面賦形方法において、 プレス圧力保持時間は、プレス温度T1での動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”の値と成形圧力に依存するが、10秒〜10分が好ましい。この範囲に満たないと金型内への樹脂の充填が不十分となりパターン精度が低下したり、面内均一性が低下する。またこの範囲を超えると、樹脂の熱分解による劣化などが起こり成形品の機械的強度が低下する可能性があるため好ましくない。本発明の表面賦形方法においては、保持時間をこの範囲とすることで良好な転写性と、成形品の機械的強度の両立ができる。
また本発明の表面賦形方法において、プレス圧力開放温度T2はTg−20℃〜Tg+20℃の温度範囲内で、プレス温度T1より低いのが好ましい。より好ましくはTg−10℃〜Tg+20℃である。この範囲に満たないと、プレス時の樹脂の変形が残留応力として残り、離型時にパターンが崩壊したり、離型できたとしても成形品の熱的な安定性が低下するため好ましくない。またこの範囲を上回ると、圧力解放時の樹脂の流動性が高いため、パターンが変形したりして転写精度が低下したりするため好ましくない。本発明の表面賦形方法においては、プレス圧力開放温度T2をこの範囲とすることによって、良好な転写性と離型性とを両立することができる。
また本発明の表面賦形方法において、離型温度T3は25〜T2℃の温度範囲内であることが好ましい。より好ましくは20〜Tgの温度範囲である。この範囲を上回ると、離型時の樹脂の流動性が高いため、パターンが変形したりして精度が低下するため好ましくない。本発明の表面賦形方法においては、離型時の温度をこの範囲とすることによって、パターン精度よく離型することができる。
本発明の表面賦形方法に用いる金型の横断面図を図2(a)〜(f)に例示する。図2の横断面にて観察される凸部11の形状としては、矩形(図2(a))、台形(図2(b))、三角形(図2(c))、これらが変形したもの(図2(d)、(e)、(f))、およびこれらの混在したもの等が好ましく用いられるが、これら以外の形状も用いることができる。すなわち、横断面図において凸部11の側面が、ほぼシート面に対して垂直な図2(a)等の他にも、図2(b)〜(f)のような形態も含まれる。図2では隣接する金型凸部間に平坦部が形成されている例を示したが、隣接する金型凸部間が平坦でなくてもよく、さらには隣接金型凸部の裾が連結していてもよい。また、金型凹部の形状についても、上記金型凸部と同様に、矩形、台形、三角形、釣鐘型、またはこれらが変形したもの等の形状を好ましく用いることができる。
図3(a)〜(c)は、本発明の表面賦形方法における金型の一部分を模式的に示す斜視図である。機能層中における凸部11の配列構造としては、例えば、図3(a)に示すように、凸部11がドット状にならんだ構造、図3(b)に示すように、凸部11が面方向にストライプ状に延びる構造、図3(c)に示すように凸部11が面方向に格子状に広がる構造等が用いられるが、これらに制限されるものではない。
図4(a)〜(h)は、それぞれ、金型をその面と平行に切断した場合の断面における、凸部11と凹部12との配置を模式的に示す断面図である。図4(a)〜(h)のように凹部12の形状が、線状、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。図4(a)〜(c)は凹部12がストライプ状である場合、図4(d)は凹部12の断面が円形状である場合、図4(e)は三角形状である場合、図4(f)〜(g)は四角形状である場合、図4(h)は六角形状である場合を、それぞれ例示するものである。この凹部12は、図示した場合のように整列していてもよく、またランダムに配列していたり、異なる形状が混在していてもよい。また、図5(a)〜(d)のように、凸部11の形状が、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。
また、本発明における表面賦形方法に用いる金型の凸部11の幅Sが0.01〜100μm、高さHが0.01〜500μmである。また、凸部のアスペクト比H/Sは好ましくは1〜20である。
ここで、凸部11の幅Sは、図2(a)や図3に図示したように、凸部の単位長さである。なお、図3のストライプ状パターンの場合は単位長さの短い方向で測定する。図4(d)〜(h)の場合は単位長さが最も短いところを幅Sとする。また、図5(a)の様に凸部11が円形の場合はその直径を、楕円の場合はその短径を、図5(b)〜(d)の様に三角形・四角形などの多角形の場合はその内接円の直径を、凸部11幅Sとすればよい。また、金型の厚み方向における凸部の高さHは図3に示すように、凸部22の厚みを指す。
また、この配列層は、この配列層内の金型面方向断面において、凸部11の面積と凹部12の面積比率は任意である。
ここで、凸部11の幅、凹部12の幅は、図2(a)の場合、それぞれS、tの長さでもって表される。なお、図2(b)等のようにその長さ単位が位置により異なる場合はその平均値でもって表す。また、凹凸のくり返し単位(ピッチ)は凸部の幅Sと凹部の幅tの和で表され、金型の凸部のピッチ0.02〜500μmである。
金型の材質としては、特に限定されるものではないが、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの離形性と耐久性に富んだ金属材質が好ましい。
金型は上述の材質をそのまま用いても構わないが、易滑性を付与するため、金型の表面を表面処理剤で処理するのが好ましい。表面処理による金型の表層の接触角としては、好ましくは80°以上、より好ましくは100°以上である。
表面処理の方法としては、表面処理剤を金型表面に化学結合を用いて固定する方法(化学吸着法)や、表面処理剤を金型表面に物理的に吸着させる方法(物理吸着法)等が挙げられる。この中で、表面処理効果のくり返し耐久性、および成形品への汚染防止の観点から化学吸着法により表面処理するのが好ましい。
化学吸着法に用いられる表面処理剤の好ましい例としては、フッ素系シランカップリング剤が挙げられる。これを用いた表面処理方法としては、有機溶剤(アセトン、エタノール)中での超音波洗浄、硫酸等の酸、過酸化水素等の過酸化物の溶液中での煮沸洗浄、などの洗浄方法により金型の表面を洗浄した後、フッ素系シランカップリング剤で処理する。その処理方法の一例として、フッ素系シランカップリング剤をフッ素系溶剤に溶解させた溶液に金型を浸漬することが挙げられる。浸漬時には、溶液を加熱することも好ましく行われる。
本発明の表面賦形方法によって得られる成形品とは、本発明の易表面形成性シートに金型を用いて賦形されたものであり、その横断面図は図6(a)〜(b)に例示するように、シート状の基部4上に賦形部3が形成されたものである。図6(a)は、本発明の易表面賦形性シートに賦形した成形品を、図6(b)は本発明の易表面賦形性シート積層体に賦形した場合の成形品を模式的に表す横断面図である。本発明の表面賦形方法によって得られる成形品の形状としては、好ましくは用いる金型と凹凸が反転したものであって、具体的な横断面図を 図7(a)〜(f)に例示する。図7の横断面にて観察される凸部22の形状としては、矩形(図7(a))、台形(図7(b))、三角形(図7(c))、これらが変形したもの(図7(d)、(e)、(f))、およびこれらの混在したもの等が好ましく用いられるが、これら以外の形状も用いることができる。すなわち、横断面図において凸部22の側面が、ほぼシート面に対して垂直な図7(a)等の他にも、図7(b)〜(e)のような形態も含まれる。また、図7では隣接する成型品凸部間に平坦部が形成されている例を示したが、隣接する成型品凸部間が平坦でなくてもよく、さらには隣接成型品凸部の裾が連結していてもよい。また、成型品凹部の形状についても、上記金型凸部と同様に、矩形、台形、三角形、釣鐘型、またはこれらが変形したもの等の形状を好ましく用いることができる。
図8(a)〜(c)は、本発明の表面賦形方法によって得られる成形品の一部分を模式的に示す斜視図である。賦形部3における凸部22の配列構造としては、例えば、図8(a)に示すように、凸部22がドット状にならんだ構造、図8(b)に示すように、凸部22が面方向にストライプ状に延びる構造、図8(c)に示すように凸部22が面方向に格子状に広がる構造等が用いられるが、これらに制限されるものではない。
図9(a)〜(h)は、それぞれ、本発明の表面賦形方法によって得られる成形品その面と平行に切断した場合の断面における、凸部22と凹部21との配置を模式的に示す断面図である。図9(a)〜(h)のように凹部21の形状が、線状、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。図9(a)〜(c)は凹部21がストライプ状である場合、図9(d)は凹部21の断面が円形状である場合、図9(e)は三角形状である場合、図9(f)〜(g)は四角形状である場合、図9(h)は六角形状である場合を、それぞれ例示するものである。この凹部21は、図示した場合のように整列していてもよく、またランダムに配列していたり、異なる形状が混在していてもよい。また、図10(a)〜(d)のように、凸部22の形状が、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円等から選ばれる形状を有していてもよい。
また、本発明の表面賦形方法によって得られる成形品凸部22の形状は、好ましくは凸部22の形状が、幅S’が0.01〜200μm、高さH’が0.01〜500μmである。また、凸部22のアスペクト比H’/S’は好ましくは1〜10である。

ここで、凸部22の幅S’は、図7(a)や図8に図示したように、凸部の単位長さである。なお、図8のストライプ状パターンの場合は単位長さの短い方向で測定する。図9(d)〜(h)の場合は単位長さが最も短いところを幅S’とする。また、図10(a)の様に凸部22が円形の場合はその直径を、楕円の場合はその短径を、図10(b)〜(d)の様に三角形・四角形などの多角形の場合はその内接円の直径を、凸部22幅S’とすればよい。また、成形品の厚み方向における凸部の高さH’は図8に示すように、凸部22の厚みを指す。
また、この配列層は、この配列層内の成形品面方向断面において、凸部22の面積と凹部21の面積比率は任意である。
ここで、凸部22の幅、凹部21の幅は、図7(a)の場合、それぞれS’、t’の長さでもって表される。なお、図7(b)等のようにその長さ単位が位置により異なる場合はその平均値でもって表す。また、凹凸のくり返し単位(ピッチ)は凸部の幅S’と凹部の幅t’の和で表され、成形品の凸部のピッチは0.02〜500μmである。
また、転写性は成形品の凸部の断面積A’金型凹部の断面積Aの比でもって判断される。転写性が良好であるとはその比A’/Aが好ましくは0.90以上、より好ましくは0.95以上であることを示す。
また、本発明の表面賦形方法によって得られる成形品の基部4の厚みl’としては、任意であるが、機械的強度等の面から20〜2mmが好ましく、より好ましくは30〜1mmであり、さらに好ましくは50〜500μmである。しかしながら、図6(b)の様に、本発明の易表面賦形性シート積層体に賦形した場合は基部の厚みl’は特に限定はされず、20μm以下であっても構わない。
本発明の表面賦形性シートを用いて作製された成形品は、各種用途に使用することが可能であるが、用途の一例としては、バイオチップ、半導体集積材料、意匠部材、光回路、光コネクタ部材、およびディスプレイ用部材などが挙げられる。
[特性の評価方法]
A.結晶化エンタルピーΔHcc
結晶化エンタルピーΔHccは、JIS K7122(1999)に従って、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて求めた。サンプルパンに各シートを5mgずつ秤量し、昇温速度は2℃/minで走査した。結晶化エンタルピーΔHccは結晶化の発熱ピークの面積より求めた。
B.動的貯蔵弾性率E’、動的貯蔵弾性率E”、ガラス転移温度Tg
動的貯蔵弾性率E’、動的損失弾性率E”は、JIS−K7244(1999)に従って、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置”DMS6100”を用いて求めた。引張モード、駆動周波数は1Hz、チャック間距離は5mm、昇温速度は2℃/minの測定条件にて、各シートの粘弾性特性の温度依存性を測定した。この測定結果から、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’ 動的損失弾性率E”を求めた。また、tanδが極大となるときの温度をガラス転移温度Tgとした。
C.破断伸度
破断伸度はASTM D638に規定された、オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”を用いて求めた。1/8インチ厚のダンベル形状の試験片を作製し、温度23℃、湿度65%RHで、速度は5mm/minで引っ張ったときに破断時の伸度を求めた。
D.離型性
離型性は次のように判定した。シートと、金型とを加熱(加熱温度:T1)して、プレス(プレス温度:T1)し、次いで冷却してプレス圧力を開放(プレス圧力開放温度:T2)後、離型を試みたときに、
金型から樹脂が離型可能であった場合:○
金型から樹脂が離型不可能であった場合:×
とした。
E.断面構造
金型、成形品の断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い300倍で写真を撮影し、断面観察を行ない、金型凸の高さ、及びH幅S、アスペクト比H/S、凹部の断面積A、成形品の凸部の高さH’、及び幅S’、アスペクト比H’/S’,凸部の断面積A’を求めた。
転写性は次のように判定した。成形品凹部の断面積A’と金型凸部の面積Aとの比A’/Aを求めて
0.90以上:○
0.90未満:×
とした。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
シクロヘキサンジメタノール60%共重合PET(”Easter PET−G”DN−071:イーストマン(株)製)を70℃で4時間乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させて、口金から20℃のキャストドラム上に押し出して冷却し、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートの、ガラス転移温度Tg、室温及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、 Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度を測定した。結果を表1に示す。
また、得られたシート、及び金型(正方形格子パターン(ピッチ100μm、幅20μm、深さ160μm)、凸部:線幅S=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/S=8,図11(a)参照))を110℃に加熱し、シートと金型の凹凸面を接触させて20MPaでプレスし、そのまま2分間保持した。その後90℃に冷却後プレスを解放し、50℃に冷却して金型から離型して樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.962)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例2)
シクロヘキサンジメタノール33%共重合PET(”Easter PET−G”DN−003:イーストマン(株)製)を70℃で4時間乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させて、口金からキャストドラム上に押し出して冷却し、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成型品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.957)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S=80μm、高さH=160μm、アスペクト比H/S=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例3)
環状ポリオレフィン(”アペル”:APL8008T:三井化学(株)を押出機内で220℃で溶融させて、口金からキャストドラム上に押し出して冷却し、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.977)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例4)
環状ポリオレフィン(”アペル”:APL6509T:三井化学(株)を押出機内で220℃で溶融させて、口金からキャストドラム上に押し出して冷却し、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.958)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例5)
170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)50重量部と、70℃で4時間乾燥させたシクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET(”Easter PET−G”DN−003:イーストマン(株)製)50重量部を押出機内で280℃で溶融させて混練し、口金からキャストドラム上に押し出して冷却して、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.960)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例6)
表層として、70℃で4時間乾燥させたシクロヘキサンジメタノール60mol%共重合PET(”Easter PET−G”DN−071:イーストマン(株)製)、基材層として、170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)をそれぞれ別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により片側にPETを有する溶融2層共押出口金からキャストドラム上に共押出して冷却して、表層500μm、基材層各100μmの厚さ600μmの2層積層シートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、表層側に金型をプレスする以外は実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.969)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例7)
内層として、70℃で4時間乾燥させたシクロヘキサンジメタノール60mol%共重合PET(”Easter PET−G”DN−071:イーストマン(株)製)、表層(両側)として、170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)をそれぞれ別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により両側表層にPETを有する溶融3層共押出口金からキャストドラム上に共押出して冷却して、内層500μm、表層各50μmの厚さ600μmの3層積層シートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.952)、ピッチ100μm、幅80μm、深さ160μmの正方形格子パターン(凸部:幅S’=80μm、高さH’=160μm、アスペクト比H’/S’=2(図11(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例8)
金型を長方形格子パターン(短軸:ピッチ50μm、幅10μm、長軸:ピッチ90μm、幅10μm、深さ80μm、凸部:線幅S=10μm、高さH=80μm、アスペクト比H/S=8(図12(a)参照))を用いた以外は実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.965)、短軸:ピッチ50μm、幅40μm、長軸:ピッチ90μm、幅80μm、深さ80μmの長方形格子パターン(凸部:短軸幅S’=40μm、長軸幅S’=80μm、高さH’=80μm、短軸アスペクト比H’/S’=2、長軸アスペクト比H’/S’=1(図12(b)参照))を形成できていることを確認した。
(実施例9)
金型をストライプパターン(ピッチ50μm、幅20μm、深さ160μm、凸部:線幅S=20μm、高さH=160μm、アスペクト比H/S=8(図13(a)参照))を用いた以外は実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A’/A=0.955)、ピッチ50μm、幅30μm、深さ160μmのストライプパターン(凸部:幅S’=30μm、高さH’=160μm、短軸アスペクト比H’/S’=2、長軸アスペクト比H’/S’=5.3(図13(b)参照))を形成できていることを確認した。
(比較例1)
170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)を押出機内で280℃で溶融させて、口金からキャストドラム上に押し出して冷却して、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成型品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、頂点が丸くなっており、十分に成形ができていなかった(A/A’=0.839)。
(比較例2)
170℃で2時間乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)80重量部と、70℃で4時間乾燥させたシクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET(”Easter PET−G”DN−003:イーストマン(株)製)20重量部を押出機内で280℃で溶融させて混練し、口金からキャストドラム上に押し出して冷却して、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、表層側に金型をプレスする以外は実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、頂点が丸くなっており、十分に成形ができていなかった(A’/A=0.881)。
(比較例3)
内層として、70℃で4時間真空乾燥させたシクロヘキサンジメタノール60mol%共重合PET(”Easter PET−G” DN−071:イーストマン(株)製)、表層(両側)として、170℃で2時間真空乾燥させたポリエチレンテレフタレート(PET)をそれぞれ別の押出機内で280℃で溶融させて、所定の方法により両側表層にPETを有する溶融3層共押出口金からキャストドラム上に共押出して冷却して、内層200μm、表層各200μmの厚さ600μmの3層積層シートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、g+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、頂点が丸くなっており、十分に成形ができていなかった(A’/A=0.854)。
(比較例4)
ダイマー酸15mol%、1,4−ブタンジオール62mol%共重合PETを120℃で2時間乾燥させてた後、押出機内で250℃で溶融させて、口金からキャストドラム上に押し出して冷却して、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、プレス温度を45℃、プレス解放温度を20℃とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得た。
得られた成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、頂点が丸くなっており、十分に成形ができていなかった(A’/A=0.386)。
(比較例5)
ポリメタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)30重量部をシクロヘキサノン70重量部に溶解させた。この溶液を口金からエンドレスベルトに流延して、次いで120℃の熱風にて溶媒を乾燥除去した後剥離した。次に80℃で4時間減圧乾燥させて、厚さ600μmのシートを得た。
得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、室温、及びTg+30℃での動的貯蔵弾性率E’、Tg+30℃での動的損失弾性率E2”、破断伸度について前述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
また、プレス温度を150℃、プレス解放温度を130℃とする以外は、実施例1と同様の方法で樹脂成形品を得ようとしたが、金型から離型することができなかった。
Figure 0004923415
本発明の表面賦形用シート、ないし表面賦形方法により得られる成形品は光学素子、バイオチップなど各種分野に適用可能である。
図1(a)〜(g)は、本発明の表面賦形用シートを用いた表面賦形方法の工程を模式的に例示するものである。 図2(a)〜(f)は、いずれも本発明の表面賦形方法に用いる金型を示す横断面図であり、横断面における凸部11の形状を模式的に例示するものである。 図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明の表面賦形方法に用いる金型の一部分を模式的に示す斜視図である。 図4(a)〜(h)は、いずれも本発明の表面賦形方法に用いる金型の面と平行な断面における断面図であり、凸部11の形状を模式的に例示するものである。 図5(a)〜(d)いずれも本発明の表面賦形方法に用いる金型の面と平行な断面における断面図であり、凸部11の形状を模式的に例示するものである。 図6(a)は、本発明の易表面賦形性シートに賦形した成形品を、図6(b)は本発明の易表面賦形性シート積層体に賦形した場合の成形品を模式的に表す横断面図である。 図7(a)〜(f)は、いずれも本発明の表面賦形方法によって得られた成形品を示す横断面図であり、横断面における凸部22の形状を模式的に例示するものである。 図8(a)〜(c)は、それぞれ本表面賦形方法によって得られた成形品の一部分を模式的に示す斜視図である。 図9(a)〜(h)は、いずれも表面賦形方法によって得られた成形品の面と平行な断面における断面図であり、凸部22の形状を模式的に例示するものである。 図10(a)〜(d)いずれも表面賦形方法によって得られた成形品の面と平行な断面における断面図であり、凸部22の形状を模式的に例示するものである。 図11(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図11(b)は実施例において賦形された成型品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図12(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図12(b)は実施例において賦形された成型品の一部分を模式的に表す斜視図である。 図13(a)は実施例において用いた金型の一部分を模式的に表す斜視図であり、図13(b)は実施例において賦形された成型品の一部分を模式的に表す斜視図である。
符号の説明
1 表面賦形性シート
2 金型
3 賦形部
4 基部
5 基材
11 金型の凸部
12 金型の凹部
21 成型品の凹部
22 成型品の凸部
S 金型凸部の幅
H 金型凸部の高さ
t 金型凹部の幅
S’ 成型品凸部の幅
H’ 成型品凸部の高さ
l’ 成形品の基部の厚さ
t’ 成型品凹部の幅

Claims (14)

  1. ポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主たる樹脂組成物として構成されてなり、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:2℃/min)における結晶化エンタルピーΔHccが0〜20J/gであり、かつ動的粘弾性測定(以下、DMAと称す)により得られる25℃での動的貯蔵弾性率E1’が0.5×10×10Paであり、かつガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が1×10×10Paであることを特徴とする易表面賦形性シート。
  2. DMAにより得られる、ガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的損失弾性率E2”が1×10〜1.8×10Paであることを特徴とする請求項1に記載の易表面賦形性シート。
  3. 破断伸度が40%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易表面賦形性シート。
  4. 複数の樹脂層からなり、かつ請求項1〜3のいずれかに記載の易表面賦形性シートが少なくとも表層に形成されるように積層された2以上の樹脂層からなることを特徴とする易表面賦形性シート
  5. 示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、ガラス転移温度(以下、Tg)+30℃での動的貯蔵弾性率E2’が2.92×10 〜1×10 Paであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の易表面賦形性シート。
  6. 凸部のアスペクト比H’/S’が1〜10の凹凸形状を表面に賦形するための表面賦形用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の易表面賦形性シート。
  7. 少なくとも請求項1〜のいずれかに記載の易表面賦形性シートと支持体となる基材からなる易表面賦形性シート積層体であって、前記易表面賦形性シート積層体の表層に前記易表面賦形性シートが形成されてなることを特徴とする易表面賦形性シート積層体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の易表面賦形性シートを加熱(加熱温度:T1)して金型を用いてプレス(プレス温度:T1)し、次いで冷却してプレス圧力を開放(プレス圧力開放温度:T2)後に金型を離型する(離型温度:T3)ことにより、金型形状が転写された成形品を形成する表面賦形方法であって、T1,T2およびT3が下記式(1)〜(5)を満たすことを特徴とする表面賦形方法。
    Tg≦T1≦Tg+50℃ (1)
    T1<Tm (2)
    Tg−20≦T2≦Tg+20℃ (3)
    T2<T1 (4)
    20℃≦T3≦T2 (5)
    (ただし、ここでTmは易表面賦形性シート表層の融点)
  9. 請求項に記載の易表面賦形性シート積層体の少なくとも易表面賦形性シートにより構成された表層を加熱(加熱温度:T1)して金型を用いてプレス(プレス温度:T1)し、次いで冷却してプレス圧力を開放(プレス圧力開放温度:T2)後に金型を離型する(離型温度:T3)ことにより、金型形状が転写された成形品を形成する表面賦形方法であって、T1,T2およびT3が下記式(1)〜(5)を満たすことを特徴とする表面賦形方法。
    Tg≦T1≦Tg+50℃ (1)
    T1<Tm (2)
    Tg−20≦T2≦Tg+20℃ (3)
    T2<T1 (4)
    20℃≦T3≦T2 (5)
    (ただし、ここでTmは易表面賦形性シート表層の融点)
  10. 金型が表面に凹凸形状を有し、該金型の凸部断面の高さHと幅Sの比H/S(以下、アスペクト比)が20であることを特徴とする請求項またはに記載の表面賦形方法。
  11. 金型凸部の断面の幅Sが0.01〜100μm、高さHが0.01〜500μm、金型の凸部がピッチ0.02〜500μmであることを特徴とする請求項10のいずれかに記載の表面賦形方法。
  12. 請求項11のいずれかに記載の表面賦形方法によって得られる表面に凹凸形状を有する成形品であって、凸部のアスペクト比H’/S’が10であることを特徴とする表面に凹凸形状を有する成形品。
  13. 凸部の幅S’が0.01〜200μm、高さH’が0.01〜500μmであり、凸部のピッチが0.02〜500μmで形成されていることを特徴とする請求項12に記載の成形品。
  14. 成形品の凸部の断面積A’と金型凹部の断面積Aの比A’/Aが0.90以上であることを特徴とする請求項1213のいずれかに記載の表面に凹凸形状を有する成形品。
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