JP7340810B2 - 線状凹凸構造体 - Google Patents

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Description

本開示は、線状凹凸構造体に関する。
特許文献1では、樹脂組成物の硬化物からなる線状微細凹凸層を備え、隣接する線状凸部間隔の平均値が500nm以下である線状微細凹凸構造体が開示されている。この線状微細凹凸構造体では、多数の微小突起を密接して配置した微細凹凸構造のモスアイ構造等に比べて、耐久性を高めることができる。
特開2015-189207号公報
しかしながら、特許文献1の線状微細凹凸構造体では、線状凸部が一方向に長く形成された線状微細凹凸構造パターンであることで、例えば大面積の成形体を作製すると、線状凸部の長手方向から力を受けた場合に凹凸が倒れやすいという問題があった。このため、線状微細凹凸構造体の耐久性を十分に向上することは困難であった。
本開示の目的は、略一方向に延びる線状の凹凸を有していても、線状凹凸に変形を生じにくくでき、高い耐久性を有することができる線状凹凸構造体を提供することにある。
本開示の一態様に係る線状凹凸構造体は、本体と、複数の線状凸部と、支持部と、を備える。前記本体は、主面を有する。複数の前記線状凸部は、前記主面から突出し、樹脂製である。前記線状凹凸構造体には、前記線状凸部に隣接する凹部が存在する。前記支持部は、線状凸部を支持する。前記支持部は、前記凹部に配置されている。
本開示の他の一態様に係る線状凹凸構造体は、本体と、複数の樹脂製の線状凸部と、を備える。前記本体は、主面を有する。前記複数の線状凸部は、前記主面から突出する。前記線状凸部は、第一凸部と、第二凸部とを含む。前記第二凸部は、前記第一凸部から離間し、前記第一凸部と同一直線上に並ぶ。
本開示の他の一態様に係る線状凹凸構造体は、本体と、複数の樹脂製の線状凸部と、を備える。前記本体は、主面を有する。前記線状凸部は、前記主面から突出する。前記線状凸部は、非直線状である。
本開示の線状凹凸構造体によれば、略一方向に延びる線状の凹凸を有していても、変形を生じにくくでき、線状凹凸構造体が高い耐久性を有しうる、という利点がある。
図1Aから図1Dは、線状の凹凸を有する構造体の例を概略で示す斜視図である。 図2は、本開示の第一実施形態に係る線状凹凸構造体の概略を示す斜視図である。 図3Aは、本開示の第二実施形態に係る線状凹凸構造体の一例を示す斜視図である。図3B及び図3Cは、第二実施形態の線状凹凸構造体の形状の変形例を示す斜視図である。 図4は、第二実施形態の線状凹凸構造体の変形例1-1の概略を示す斜視図である。 図5Aは、線状凹凸構造体とA1-A2線(切断線)を示す概略の斜視図であり、図5Bから5Fは、第二実施形態の線状凹凸構造体をA1-A2線でZ軸方向に切断した断面の形状の変形例1-2を示す断面図である。 図6は、第二実施形態の線状凹凸構造体の変形例1-3の概略を示す斜視図である。 図7Aは、第三実施形態の線状凹凸構造体の概略を示す斜視図である。図7Bは、第三実施形態の線状凹凸構造体の変形例の概略を示す斜視図である。 図8Aは、第四実施形態の線状凹凸構造体の概略を示す斜視図である。図8Bは、第四実施形態の線状凹凸構造体の変形例の概略を示す斜視図である。 図9は、第四実施形態の線状凹凸構造体の他の変形例を示す斜視図である。 図10は、第五実施形態の線状凹凸構造体の概略を示す斜視図である。 図11Aは、第五実施形態の線状凹凸構造体の変形例2-1の概略を示す斜視図である。図11Bは、第五実施形態の線状凹凸構造体の他の変形例を示す斜視図である。 図12は、第六実施形態の線状凹凸構造体の概略を示す斜視図である。
[概要]
本実施形態に係る線状凹凸構造体1の概要について、図1A~図1D、及び図2を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することがある。また、以下の説明及び図面において、線状凹凸構造体1をXY平面に配置した場合を仮定し、XY平面と直交するZ軸方向(鉛直方向)を上下方向としている。線状凹凸構造体1の線状凸部3がY軸方向に沿って延びる方向を、長手方向ともいい、X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向に直交し、幅方向ともいう。また、各図において、線状凸部3は、Y軸と平行な方向に沿って形成され、X軸方向に並んでおり、かつ主面2aは、XY平面と平行に形成されているが、これに限られない。X軸、Y軸、及びZ軸は、説明の便宜上規定された軸であり、本開示の目的を達成しうる限り、これらの関係を満たすよう適宜設定すればよい。
図1A~図1Dには、線状凹凸を有する構造体1’の例を参考として示している。線状凹凸を有する構造体1’は、本体2と、複数の線状凸部3と、を含む。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2aから突出している。また、線状凹凸を有する構造体1’は、本体2の主面2aと線状凸部3とで形成される凹部30を有する。言い換えれば、線状凹凸を有する1’は、線状凸部3に隣接して凹部30が存在する。しかしながら、このような線状凹凸を有する構造体1’では、線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えば長手方向(Y軸方向)に垂直な方向(X軸方向)から力を受けた場合に線状凸部3が倒れやすい。
これに対し、本開示の一実施形態に係る線状凹凸構造体1は、例えば図2に示すように、本体2と、複数の線状凸部3と、支持部4と、を備えている。線状凹凸構造体1には、線状凸部3に隣接する凹部30が存在する。複数の線状凸部3は、主面2aにおいて、長手方向に延びる線状をなしている。複数の線状凸部3は、主面2aから突出している。線状凸部3は、第一の線状凸部31と、第二の線状凸部32と、を有している。第二の線状凸部32は、第一の線状凸部31とX軸方向で並んでいる。支持部4は、凹部30に配置されている。支持部4は、図2では、第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間の凹部30に配置され、かつ第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との両方を支持している。線状凹凸構造体1における線状凸部3は、樹脂製である。
なお、本開示の一実施形態に係る線状凹凸構造体1において、凹部30は、複数の線状凸部3の間に存在することに限定されない。例えば、線状凹凸構造体1における端の部分のように、線状凸部3に隣接するが、複数の線状凸部3のうち隣り合う線状凸部3に挟まれていない部分も本開示の一実施形態に係る凹部30に含まれる。そして、支持部4は、線状凸部3に隣接するが、複数の線状凸部3のうち隣り合う線状凸部3に挟まれていない部分(凹部30)に配置されてもよい。
本開示の一実施形態では、線状凹凸構造体1が、線状凸部3における第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間にある凹部30に支持部4を備え、支持部4が線状凸部3を支持することによって、線状凸部3が、線状凸部3とは平行ではない方向から力を受けた場合であっても、線状凸部3の倒れの防止が可能である。これにより、線状凸部3が長手方向に略一方向に延びて形成されていても、線状凹凸に変形を生じにくくすることができる。このため、線状凹凸構造体1は、高い耐久性を有することができる。なお、「線状凹凸に変形が生じる」とは、線状凹凸構造体1における線状凸部3が力を受けることで、主面2aから突出した凸部(線状凸部3)の一部等が、元の状態から傾いたり、倒れたり、欠けたり、剥がれたりすることで、元の状態に戻りにくくなることを意味する。
さらに、本実施形態の線状凹凸構造体1は、線状凸部3が長手方向に形成された形状異方性を有する。これにより、線状凹凸構造体1は、例えば毛細管現象による親水性機能の更なる向上等、撥水性機能、防曇性機能、反射防止性機能、及び波長選択機能等の従来有する機能性を更に向上することができる。
したがって、本開示の線状凹凸構造体1は、光学用途に好適に用いることができる。光学用途とは、例えば透明フィルム、反射防止フィルム、及び輝度向上フィルム等の光学材料等が挙げられる。また、線状凹凸構造体1は、絶縁性を有しうる。このため、線状凹凸構造体1は、光学材料として特に好適に用いることが可能である。もちろん、線状凹凸構造体1の用途は、光学用途のみに限らず、例えば、線状凹凸構造体1は、防汚フィルム、及び着雪防止フィルム等の撥水性材料、防汚フィルム、着雪防止フィルム、及び防曇フィルム等の親水性材料、並びに赤外線選択フィルム等として用いることも可能である。
線状凹凸構造体1の好ましい実施形態について、以下、具体的な例を挙げて説明する。なお、以下に説明する各実施形態及びこれらの変形例は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
[第一実施形態]
第一実施形態の線状凹凸構造体1は、既に述べたとおり、主に光学用途として用いられる。線状凹凸構造体1は、図2に示すように、本体2上の主面2aと、複数の線状凸部3と、支持部4とを備える。線状凹凸構造体1には、線状凸部3に隣接する凹部30が存在する。凹部30は、例えば本体2の主面2aと線状凸部3とで形成されている。
本体2は、主面2aを有している。複数の線状凸部3は、本体2の主面2aから突出している。支持部4は、本体2における主面2aを含む凹部30に配置されている。すなわち、本体2は、主面2a上で、線状凸部3及び支持部4を支持している、ともいえる。主面2aは、上記のとおり、複数の線状凸部3が形成される面であり、本実施形態では、本体2上の面である。主面2aは、例えば平坦な面であってよい。ここでいう、「平坦な面」とは、一面に凹凸が全く存在しない滑らかな面といった、厳密に平坦な面に限られず、主面2aは、例えば線状凸部3の高さ寸法hよりも十分に小さい程度の僅かな突起及び凹み等を有していてもよい。また、主面2aは、例えば湾曲して円弧を有する面であってもよい。
線状凸部3は、主面2a上に複数形成されている。より具体的には、複数の線状凸部3は、第一の線状凸部31と第二の線状凸部32とを少なくとも有している。第二の線状凸部32は、第一の線状凸部31とX軸方向に並んでいる。
線状凸部3は、例えば直線状の凸部と開曲線状の凸部とのうちいずれか一方又は両方の線状の凸部を含む。図2では、線状凸部3は、直線状に延びる凸部であるが、線状凸部3は、後述する開曲線状に延びる凸部であってもよい。なお、開曲線状とは、端点を有する曲線を意味し、例えば線状凸部3が開曲線状であるとは、線状凸部3は、2つの端点を有する曲線で形成されていることを意味する。線状凸部3が開曲線状である場合、蛇行曲線であってもよい。
線状凸部3は、直線状又は開曲線状に延びる線状の凸部であることで、モスアイ形状等の微小突起により構造に比べて、耐久性を高めることができる。また、この場合、線状凹凸構造体1は、形状異方性を有しうるため、線状凹凸構造体1上に付着物が付着したとしても、容易に除去しうる。さらにまた、線状凹凸構造体1が形状異方性を有すると、線状凹凸構造体1の加工性を向上させることにも寄与しうる。
線状凸部3の数は、特に制限されない。図面においては、線状凸部3は、2本又は3本設けられているが、4本以上であってもよい。
なお、以下、線状凸部3が開曲線状である場合も、線状凸部3が直線状である場合と同様に、線状凸部3がY軸方向に沿って延びる方向を長手方向といい、線状凸部3が開曲線状である場合も同様に線状凸部3がX軸方向に沿って延びる方向を幅方向という。
複数の線状凸部3は、各々の線状凸部3が互いに間隔を開けて並んでいる。「互いに間隔を開けて並ぶ」とは、例えば図2に示すように、各々の線状凸部3が主面2a上で交差せず、長手方向(図2ではXY平面におけるY軸方向)に延び、かつ長手方向と直交する方向(図2ではXY平面におけるX軸方向)に並ぶことをいう。複数の線状凸部3は、主面2aに対して突出し、かつ間隔を開けて形成されていればよいが、複数の線状凸部3は、互いに平行に並んでいることが好ましい。「平行」とは、互いに隣り合う線状凸部3同士(例えば第一の線状凸部31と第二の線状凸部32)の間隔が一定であることをいう。例えば、線状凸部3が開曲線を含む場合には、互いに隣り合う線状凸部3において、一方の曲線上の各点の法線と、他方の曲線との交点との距離が一定であることをいう。
凹部30は、既に述べた通り、線状凹凸構造体1において、線状凸部3に隣接する部分である。例えば、凹部30は、線状凸部3に隣接するが、複数の線状凸部3のうち隣り合う線状凸部3に挟まれていない部分を含む。
支持部4は、第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間にある凹部30に配置されており、かつ第一の線状凸部31と第二の線状凸部32とのうち少なくとも一方を支持している。このため、本実施形態の線状凹凸構造体1における線状凸部3が、線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えばY軸方向に直交する方向(X軸方向)から力を受けた場合であっても、線状凸部3を倒れにくくすることができ、線状凹凸に変形が生じにくい。これにより、線状凹凸構造体1は、高い耐久性を有しうる。
図2では、支持部4は、線状凸部3における第一の線状凸部31と第二の線状凸部32とのうち少なくとも一方の側面に接触している。この場合、線状凸部3をより倒れにくくでき、線状凹凸に変形をより生じにくくできる。このため、線状凹凸構造体1における線状凸部3の一部等が元の状態から傾いたり、倒れたり、欠けたり、剥がれたり生じにくくできる。これにより、線状凹凸構造体1の耐久性を更に向上させることができる。支持部4の個数は、特に限定されないが、線状凹凸構造体1の主面2a上に、複数あることが好ましい。
本体2、線状凸部3、及び支持部4は、樹脂製である。すなわち、本体2、線状凸部3、及び支持部4は、適宜の樹脂材料から作製される。本体2、線状凸部3、及び支持部4は、一体に形成されてもよい。例えば、本体2、線状凸部3、及び支持部4各々の形状を有する型を用いて、一体に形成することができる。線状凹凸構造体1の作製方法の詳細については、後述する。特に、線状凹凸構造体1は、絶縁性を有しうる。このため、線状凹凸構造体1は、光学材料として特に好適に用いることが可能である。
線状凹凸構造体1における線状凸部3については、例えば図1Aに示される線状凹凸を有する構造体1’と同様に、主面2aを有する本体2の主面2a上に形成されていればよい。また、線状凹凸構造体1は、例えば図1Bに示される線状凹凸を有する構造体1’と同様に、本体2の、線状凸部3が形成される主面2aとは反対側に基材10を備えていてもよい。ただし、基材10は、線状凹凸構造体1の必須の構成ではなく、線状凹凸構造体1は、基材10を備えていなくてもよい。また、線状凹凸構造体1が、基材10を有する場合(図1B及び図1C参照)、基材10は、本体2の構成には含まれない。また、線状凸部3は、例えば図1Cに示される線状凹凸を有する構造体1’と同様に、基材10の両面に形成されていてもよい。言い換えれば、線状凹凸構造体1は、基材10の両方の面各々に、本体2及び複数の線状凸部3を各々有していてもよい。また、線状凸部3は、図1Dに示される線状凹凸を有する構造体1’と同様に、本体2の両面(主面2a,主面とは反対側にある面2b)に形成されていてもよい。なお、本体2は、図2では、単層で形成されているが、これに限らず、例えば樹脂から形成された2層以上の複数の層であってよい。
線状凹凸構造体1における本体2、線状凸部3、及び支持部4の各々の寸法、例えば本体2の形状、線状凸部3の形状、及び支持部4の形状、使用の目的、及び用途等に応じて、適宜調整すればよいが、好ましい寸法は、例えば次のとおりである。
隣り合う線状凸部3と線状凸部3との間、すなわち隣り合う線状凸部3同士の間隔pは、各々の線状凸部3で同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、図2では、複数の隣り合う線状凸部3同士の間隔p1及びp2が略等間隔で示されているが、これに限られず、それぞれの間隔p(例えば間隔p1及びp2)は異なっていてもよい。例えば第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間隔p1と、第二の線状凸部32と第三の線状凸部33との間隔p2とは同じでなくてもよい。
複数の線状凸部3において、互いに隣り合う線状凸部3同士の間隔pの平均値をpAVGとした場合、平均値pAVGは、10nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上10μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1を光学フィルム、及び透明フィルム等の材料用途に用いる場合には、間隔pの平均値pAVGは、500nm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下であることがより好ましい。平均値pAVGが500nm以下であれば、可視光の反射による散乱を良好に抑制しやすい。これにより、透明フィルム等の用途としてより好適に用いることができる。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
複数の線状凸部3における、各々の線状凸部3の幅寸法wは、同じであってもよく、異なっていてもよい。複数の線状凸部3の幅寸法wの平均値を、平均値wAVGとした場合、平均値wAVGは、例えば10nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上10μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1が線状凹凸微細構造体である場合、線状凹凸構造体1を例えば光学フィルム、及び透明フィルム等の透明用途に用いる場合には、平均値wAVGは、500nm以下であることが好ましく、30nm以上200nm以下であることがより好ましい。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
複数の線状凸部3における、各々の線状凸部3の高さ寸法hは、同じであってもよく、異なっていてもよい。複数の線状凸部3の高さ寸法hの平均値を、平均値hAVGとした場合、平均値hAVGは、例えば10nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上10μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1が線状凹凸微細構造体である場合、例えば線状凹凸構造体1を光学フィルム、及び透明フィルム等の透明用途に用いる場合には、平均値hAVGは、500nm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下であることがより好ましい。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
隣り合う線状凸部3同士において、線状凸部3の幅寸法wの平均値wAVGに対する線状凸部3の高さ寸法hの平均値hAVGの比(以下、アスペクト比R1という)は、例えば0.5以上10以下であることが好ましい。この範囲内であると、線状凹凸構造体1の耐久性を高く維持することができる。さらに、この場合、線状凹凸構造体1は、親水性機能、撥水性機能、防曇性機能、反射防止性機能、及び波長選択機能を良好に発現することができる。線状凸部3のアスペクト比R1は、1.0以上5.0以下であればより好ましい。
隣り合う線状凸部同士において、線状凸部同士の間隔pの平均値pAV に対する線状凸部3の幅寸法wの平均値wAVGの比(以下、アスペクト比R2という)は、例えば0.4以上5.0以下であることが好ましい。この範囲内であると、線状凹凸構造体1は、親水性機能、撥水性機能、防曇性機能、反射防止性機能、及び波長選択機能を良好に発現することができる。さらに、この場合、線状凹凸構造体1の耐久性を高く維持することができる。線状凸部3のアスペクト比R2は、0.5以上3.0以下であればより好ましい。
線状凸部3の長さ寸法lは、本体2及び主面2aの寸法に応じて適宜調整可能である。例えば、線状凸部3の長さ寸法lは、本体2の主面2aの長手方向の長さと同じであってもよいし、本体2の主面2aの長手方向の長さより短くてもよい。
支持部4の幅、長さ、及び高さの寸法について、順に幅寸法w’、長さ寸法l’、及び高さ寸法h’とした場合、各寸法は、適宜調整すればよいが、好ましいは、例えば次のとおりである。
例えば、支持部4の幅寸法w’は、線状凸部3とこれと隣り合う線状凸部3との間の間隔(すなわち、隣り合う線状凸部3同士で形成された凹部の幅寸法(p-w))と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、支持部4の幅寸法w’が上記の凹部の幅寸法(p-w)と同じ場合は、線状凸部3と、これと隣り合う線状凸部3との両方を支持可能である。また、線状凹凸構造体1が支持部4を複数有する場合、各支持部4同士の幅寸法w’は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
支持部4の幅寸法w’の平均値w’AVGは、10nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上10μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1を光学フィルム、及び透明フィルム等の材料に用いる場合には、平均値w’AVGは、500nm以下であれば好ましく、30nm以上200nm以下であることがより好ましい。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
支持部4の長さ寸法l’は、特に制限されず、線状凸部3の長さ寸法lと同じであってもよいし、線状凸部3の長さ寸法lより小さくてもよい。複数の支持部4を有する場合、各支持部4の長さ寸法l’は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、長さ寸法l’の平均値l’AVGは、10nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上10μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1を光学フィルム、及び透明フィルム等の材料に用いる場合には、平均値l’AVGは、500nm以下であれば好ましく、30nm以上200nm以下であることがより好ましい。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
支持部4の高さ寸法h’は、線状凸部3の高さhと同じであってもよいし、線状凸部3の高さhより小さくてもよい。支持部4の高さ寸法h’は、線状凸部3の高さ寸法hよりも小さいことが好ましい。線状凸部3の高さ寸法hよりも倒れ防止構造5である支持部4の高さ寸法が低く形成されていることで、線状凹凸構造体1に付着物等を残存しにくくできる。このため、線状凹凸構造体1は、線状凹凸構造体1に付与されうる機能(例えば親水性機能、撥水性機能、防曇性機能、反射防止性機能、及び波長選択機能といった機能を損ないにくく、高い防汚性を有しうる。
複数の支持部4を有する場合、各支持部4の高さ寸法h’は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、高さ寸法h’の平均値h’AVGは、100nm以上30μm以下であることが好ましく、500nm以上3μm以下であることがより好ましい。特に、線状凹凸構造体1を光学フィルム、及び透明フィルム等の材料に用いる場合には、平均値h’AVGは、500nm以下であれば好ましく、100nm以上300nm以下であることがより好ましい。さらに、この範囲内であると、線状凹凸構造体1を撥水用途としても好適に用いることができる。
線状凹凸構造体1の厚みtは、例えば本体2の厚みdと線状凸部3の高さhとの和である。本体2における厚みtの平均値をtAVGとした場合、平均値tAVGは、1μm以上30μm以下であることが好ましい。また、本体2における厚みtの平均値tAVGは、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。この場合、線状凹凸構造体1にカール(周縁部の屈曲)を生じにくくでき、また機械的強度を維持することができる。なお、線状凹凸構造体1が基材10を有する場合、基材10の厚みは適宜調整すればよいが、例えば基材10の厚みは、5μm以上5mmであってよい。
線状凹凸構造体1の厚みの平均値tAVG、本体2の厚みd、線状凸部3の寸法の各々の平均値、及び支持部4の寸法の各々の平均値は、ミクロンオーダー(1μm前後以上)であれば、例えば光学顕微鏡、又はレーザー顕微鏡等により任意に選択した10箇所の本体2上の主面2a、線状凸部3、及び支持部4を観察して測定された寸法の算術平均として算出されうる。また、上記各々の寸法及び各々の平均値がナノオーダー(1nm前後以上)であれば、例えば、卓上走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ株式会社製の型番Miniscope TM3000)及び極低加速電圧走査型電子顕微鏡(ZEISS社製の型番 ULTRA55)等により、測定された寸法の算術平均として算出されうる。
線状凹凸構造体1の親水性及び撥水性は、本体2における主面2aの接触角θ、又は滑落角(転落角)を測定することで確認することができる。主面2aの接触角θは、本体2、線状凸部3、並びに支持部4の各々の形状及び各々の寸法等を適宜設計することで、調整されうる。線状凹凸構造体1における主面2aの接触角θの測定方法は、例えばJIS R3257:1999に準拠して測定可能である。接触角θが110°以上であれば、線状凹凸構造体1を撥水性用途として好適に用いることができる。線状凹凸構造体1を撥水性用途として用いるには、接触角θは、130°以上であればより好ましく、150°以上であれば更に好ましい。
また、接触角θが30°以下であれば、線状凹凸構造体1を親水性用途、及び結露防止等の防曇性用途に好適に用いることができる。線状凹凸構造体1を親水性用途、又は防曇性用途として用いるには、接触角θは、20°以下であればより好ましく、10°以下であれば更に好ましい。
また、線状凹凸構造体1の親水性及び撥水性等は、本体2における主面2aの滑落角(転落角ともいう)を測定することでも確認することができる。ここでいう滑落角とは、例えば固体表面に液滴を滴下させた後、固体表面を傾斜させた場合、又は傾斜させた面に液滴を落下させる場合に、液滴が表面を滑り始める瞬間の傾斜角をいう。滑落角は30°以下であれば好ましく、20°以下であればより好ましく、10°以下であれば更に好ましい。
このように、線状凹凸構造体1は、親水性、撥水性、防曇性、及び反射防止性などの特性を有することができ、又は波長効果を発現させることができる。このため、線状凹凸構造体1は、例えば透明フィルム、反射防止フィルム、及び輝度向上フィルム等の光学材料、防汚フィルム、及び着雪防止フィルム等の撥水性材料、防汚フィルム、着雪防止フィルム、及び防曇フィルム等の親水性材料、並びに赤外線選択フィルム等に、より好適に用いることができる。
[第二実施形態]
第二実施形態の線状凹凸構造体1は、図3Aに示すように、第一実施形態と同様、本体2と、複数の線状凸部3と、支持部4と、を備える。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2a上で互いに間隔を空けて並び、かつ平行かつ直線状に延びる。支持部4は、線状凸部3を支持している。
本実施形態では、支持部4は、複数の線状凸部3の、隣り合う線状凸部3の間の凹部30に設けられる複数の支持部4を有している。複数の支持部4は、例えば図3A~図3Cに示すように、第一の線状凸部31、第二の線状凸部32、及び第三の線状凸部33の間にある各々の凹部30にそれぞれ配置されている。第一の線状凸部31、第二の線状凸部32、及び第三の線状凸部33は、互いに平行に並んでいる。第一の線状凸部31と第二の線状凸部32とが互いに隣り合い、第二の線状凸部32と第三の線状凸部33とが互いに隣り合っている。
より具体的には、線状凹凸構造体1は、複数の支持部4として、主面2a上の、第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間の凹部30において、第一支持部411、及び第二支持部412を備える。また、線状凹凸構造体1は、複数の支持部4として、主面2a上の、第二の線状凸部32と第三の線状凸部33との間において、第三支持部421、第四支持部422を備えている。
複数の支持部4のうち、第一支持部411と第二支持部412とは、X軸に沿って互いに平行に形成されている。複数の支持部4のうち、第三支持部421と第四支持部422とは、X軸に沿って互いに平行に形成されている。また、複数の支持部4のうち、第一支持部411と第三支持部421とは、同一直線上に形成されている。さらに、第二支持部412と第四支持部422とは、同一直線上に形成されている。すなわち、第二実施形態では、線状凹凸構造体1は、主面2a上で、線状凸部3と、複数の支持部4とが交差して形成されている。なお、本開示における「同一直線上」とは、厳密に同一の直線上の意味に限られず、実質的に同一の直線上とみなせるものを含み、例えば略同一直線上にある場合も含まれる。
複数の支持部4の高さ寸法h’は、図3A~図3Cにおいて、複数の線状凸部3の高さ寸法hと略同じに形成されているが、これに限られず、適宜の寸法であってよい。第一実施形態で既に説明したとおり、複数の支持部4の高さ寸法h’は、複数の線状凸部3の高さ寸法hよりも低いことが好ましい。この場合、線状凸部3の高さ寸法hよりも支持部4の高さ寸法が低いことで、複数の線状凸部3と複数の支持部4とが交差して形成されていても、線状凹凸構造体1の撥水性を更に高めることができる。これにより、線状凹凸構造体1に付着物等を残存しにくくできる。このため、線状凹凸構造体1は、高い防汚性を有しうる。
複数の支持部4の幅寸法w’は、隣り合う線状凸部3同士の間隔pと、線状凸部3の幅寸法wとの差(すなわち(p-w)の絶対値)と略同じであり、複数の支持部4は、線状凸部3に接触して線状凸部3を支持している。このため、本実施形態の線状凹凸構造体1は、線状凸部3の変形を生じにくくすることができ、これにより線状凹凸構造体1の耐久性を向上できる。
複数の支持部4の形状は、図3Aでは、直方体(四角柱状)であるが、これに限定されない。例えば、図3Bに示すように、支持部4の形状は、円柱状であってもよく、図3Cに示す四角錐台等の角錐状であってもよく、又は円錐台状等の錐台状であってもよい。支持部4の形状は、いずれの形状であっても、線状凹凸構造体1は、支持部4で線状凸部3の倒れを防止することができる。
なお、図3Aでは、線状凸部3は、3つ形成されているが、これに限られず、線状凸部3の数は、主面2aの形状及び寸法等、並びに本体2の形状及び寸法等に応じて適宜調整可能である。例えば、線状凸部3の数は、2つであってもよく、又は4つ以上であってもよい。また、凹部30は、主面2a及び線状凸部3の数、形状、及び寸法等に応じて適宜調整可能である。また、複数の支持部4(411,412,421,422)は、第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間、及び第二の線状凸部32と第三の線状凸部33との間にそれぞれ2つずつ形成されているが、これに限られない。すなわち、支持部4の数は、主面2a及び本体2の寸法及び形状等に応じて適宜調整すればよい。
(変形例1-1)
図4に示すように、変形例1-1の線状凹凸構造体1では、上記第一又は第二実施形態において、隣り合う線状凸部3の間にある支持部4が、長手方向及び幅方向において、互い違いに形成された形状を有する。上記第二の実施形態では、各線状凸部3の間に位置し、かつ複数の支持部4が幅方向と平行な方向において、各線状凸部3を挟んで同一直線上に配されているのに対し、本変形例1-1では、支持部4が互い違いに配されている点で異なる。すなわち、第一支持部411と、第三支持部421とが同一直線上に並ばずに形成されている。
より具体的には、本実施形態では、X軸と平行な方向において、第一支持部411が、第三支持部421と第四支持部422の間に位置して形成されている。この場合、線状凸部3が長手方向で略一方向に延びて形成されていても、支持部4によって複数の線状凸部3に倒れが生じにくくすることを補完できる。このため、線状凹凸構造体1は、線状凹凸に変形を生じにくくでき、線状凹凸構造体1の耐久性をより高めることができる。なお、本変形例における複数の支持部4は、上記の第一支持部411が、第三支持部421と第四支持部422との間に位置し、かつ互い違いに配置されるといった規則的な配置に限られず、例えばランダムに配置されていてもよい。
(変形例1-2)
本変形例1-2の線状凹凸構造体1では、上記第一又は第二実施形態における複数の線状凸部3の断面形状が矩形状以外の形状を有する。すなわち、第一又は第二実施形態では、複数の線状凸部3の断面形状が、矩形状(図5B参照)であるのに対し、本変形例1-2では、矩形状でない点で異なる。
図5B~図5Fは、線状凹凸構造体1を、線状凸部3と、これと隣り合う線状凹凸3とをA1-A2線(図5A参照)でZ軸方向に切断した場合の、線状凸部3の形状を示す断面形状の概形を示す図である。なお、図5Aは、線状凸部3が直線状かつ角柱状であるが、A1-A2線による切断線を示すための概略的な斜視図であって、線状凸部3の断面形状を規定したものではない。具体的には、図5Cに示すように、線状凸部3の断面形状は、Z軸方向に突出した円弧を有する半円状であってもよい。また、図5Dに示すように、線状凸部3の断面形状は、Z軸方向に突出した鋭角を有する三角形状であってもよい。また、図5Eに示すように、線状凸部3の断面形状は、Z軸方向に突出し、滑らかに屈曲しながら主面2aと連続する放物線状であってもよい。また、図5Fに示すように、線状凸部3の断面形状は、Z軸方向に突出し、多段に形成された多段状であってもよい。この場合、線状凹凸構造体1における線状凸部3での接触面積を大きくできることで、撥水性等の機能を向上させることができる。なお、上記で説明した線状凸部3の断面形状は、一例であり、これに限られない。例えば、図5B~図5Fにおいて、隣り合う線状凸部3同士の各断面形状は、同じ形状を有しているが、隣り合う凸部3同士の断面形状はそれぞれ異なっていてもよい。また、例えば同一の線状凸部3において、線状凸部3は、切断線によって異なる複数の断面形状を有していてもよい。
(変形例1-3)
図6に示すように、変形例1-3の線状凹凸構造体1では、上記第一又は第二実施形態における支持部4が、凹部30において線状凸部3に接触せずに形成されている。すなわち、第一又は第二実施形態では、支持部4が線状凸部3の側面に接触することで支持しているのに対し、本変形例1-3の支持部4は、線状凸部3の側面に接触していない点で異なる。この場合であっても、支持部4は、線状凸部3が長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えば長手方向(Y軸方向)に垂直な方向(X軸方向)からの力を受けた場合、支持部4が線状凸部3の倒れを防止しうる。
図6では、例えば第一支持部411と第二支持部412との間隔と、第三支持部421と第四支持部422との間隔とが略等間隔で形成されているが、これに限らない。第一支持部411と第二支持部412との間隔、及び第三支持部421と第四支持部422との間隔は、線状凸部3の倒れを防止可能に適宜調整すればよい。
また、上記同様、支持部4の数、形状、及び寸法等は、特に制限されない。
[第三実施形態]
第三実施形態の線状凹凸構造体1は、第一又は第二実施形態と同様に、本体2と、複数の線状凸部3と、支持部4と、を備える。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2a上で互いに間隔を空けて並び、かつ平行かつ直線状に延びる。支持部4は、線状凸部3に隣接して存在する凹部30に配置されており、かつ線状凸部3を支持している。
本実施形態では、線状凹凸構造体1は、複数の支持部4を有している。支持部4は、主面2aに対して傾斜している。図7Aに示すように、支持部4は、線状凸部3(図7Aにおいては、第一の線状凸部31、第二の線状凸部32、及び第三の線状凸部33の各々)の側面で線状凸部3を支持している。支持部4の高さ寸法h’は、線状凸部3の高さ寸法hよりも低く形成されている。より具体的には、支持部4は、テーパー形状を有している。このため、支持部4は、線状凸部3の側面で、線状凸部3の倒れを防止しており、これにより線状凹凸構造体1は、高い機械的強度を有しうる。また、この場合、例えば線状凹凸構造体1が撥水性機能を有していると、線状凸部3が主面2aを向く方向において、主面2aに向かうにつれて線状凸部3及び支持部4と、これと隣り合う線状凸部3との間の距離が狭くなる。このため、線状凸部3の主面2a側に水を浸入させにくくでき、線状凹凸構造体1は、本体2の主面2a側における濡れを低減しやすくできる。これにより、線状凹凸構造体1の滑落性が向上しうるため、線状凹凸構造体1の撥水性機能を更に向上させることができる。また、線状凹凸構造体1は、傾斜した支持部4を有することで、線状凸部3上、及び本体2の主面2a上にごみ等の固形物及び油脂等の液状成分の堆積を抑制しうる。これにより、線状凹凸構造体1は、高い防汚性を有することができ、高い洗浄性を有しうる。
支持部4の数は、特に制限はなく、支持部4が線状凸部3の倒れ防止可能に形成されていればよい。例えば、図7Aでは、各々の線状凸部3に対し、複数の支持部4(41,42,43)が形成されている。具体的には、例えば第一の線状凸部31に対し、支持部41、第二の線状凸部32に対し、支持部42、及び第三の線状凸部33に対し、支持部43がそれぞれ形成されている。ただし、必ずしも複数の線状凸部3のうち各線状凸部3のすべてに対応する支持部4が形成されていなくてもよい。
支持部4の長さ寸法l’は、図7Aでは、線状凸部3の長さ寸法lと略同じ寸法で形成されているが、これに限られない。支持部4の長さ寸法l’は、例えば線状凸部3の長さ寸法lよりも短く形成されていてもよい。
支持部4の形状は、図7Aでは、主面2aから線状凸部3の側面に向かって、直線状に傾斜しているが、これに限られず、例えば図7Bに示すように、主面2aから線状凸部3の側面に向かって、曲線状に傾斜していてもよい。
[第四実施形態]
第四実施形態の線状凹凸構造体1は、第一又は第二の実施形態と同様に、本体2と、複数の線状凸部3と、支持部4と、を備える。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2a上で互いに間隔を空けて並び、平行かつ直線状に延びる。支持部4は、線状凸部3に隣接して存在する凹部30に配置されており、かつ線状凸部3を支持している。例えば図8Aでは、支持部4は、線状凸部3を、線状凸部3の長手方向に交差する方向から支持している。
具体的には、本実施形態では、支持部4は、第一の支持部501と第二の支持部502と連結部503とを含む。第一の支持部501は、第一の線状凸部31の一部を支持している。第二の支持部502は、第一の支持部501から離間し、かつ第一の線状凸部31を支持している。連結部503は、第一の支持部501及び第の支持部502を連結している。すなわち、第一の支持部501と第二の支持部502とは、連結部503を介して繋がっている。このため、本実施形態でも、支持部4が線状凸部3を支持可能であるため、線状凸部3が、線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えばY軸方向に直交する方向(X軸方向)から力を受けた場合であっても、線状凸部3を倒れにくくすることができ、線状凹凸に変形を生じにくくできる。
第一の支持部501は、第一の線状凸部31に接触していることが好ましい。また、第二の支持部502は第一の線状凸部31に接触していることが好ましい。この場合、線状凸部3が、線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えばY軸方向に直交する方向(X軸方向)から力を受けた場合であっても、線状凸部3をより倒れにくくすることができ、線状凹凸に変形をより生じにくくできる。より具体的には、図8Aに示すように、線状凹凸構造体1は、支持部4として、第一の支持部501(以下、第一接触部511ともいう)と、第二の支持部502(以下、第二接触部512ともいう)と、連結部513とを有している。第一接触部511は、第一の線状凸部31を、接触して支持する第一の部分である。第二接触部512は、第二の線状凸部32と接触して支持する第二の部分である。すなわち、第一の線状凸部31を支持する支持部4は、第一接触部511、第二接触部512、及び連結部513を含む。これにより、支持部4は、少なくとも第一の線状凸部31を倒れにくくすることができる。図8Aに示すように、第二の線状凸部32においても同様に、線状凹凸構造体1は、支持部4として、第一の支持部501(以下、第一接触部521ともいう)と、第二の支持部502(以下、第二接触部522ともいう)と、連結部523とを有している。第一接触部521は、第二の線状凸部32を、接触して支持する第一の部分である。第二接触部522は、第二の線状凸部32を、接触して支持する第二の部分である。すなわち、第二の線状凸部32を支持する支持部4は、第一接触部521、第二接触部522、及び連結部523を含む。これにより、支持部4は、少なくとも第二の線状凸部32を倒れにくくすることができる。支持部4は、各線状凸部3の側面の両側を支持するように配置されていることがより好ましい。
本実施形態においても、支持部4の数は、特に制限されず、例えば線状凸部3の数、形状、及び寸法等に応じて適宜形成すればよい。例えば、図8Aでは、第一の線状凸部31及び第二の線状凸部32に対し、それぞれ一つの支持部4が形成されているが、それぞれの線状凸部3に対して、複数の支持部4が形成されていてもよい。
図8Aでは、支持部4における第一接触部511と第二接触部512とは、連結部503を介して、コの字状(略C字状)に繋がっているが、支持部4の形状は、これに限られない。例えば支持部4は、V字状、L字状、及びW字状等であってもよい。また、連結部503は、屈曲していてもよい。例えば、連結部503は、図8Aに示すように角度を有して折れ曲がるほか、曲線状に曲がっていてもよい。「屈曲」とは、鋭角、直角、及び鈍角等に折れ曲がること、並びに曲線状に曲がることを含む。具体的には、例えば図8Bに示すように連結部503は、曲線状に曲がり、支持部4がU字状に形成されていてもよい。
支持部4の形成される位置は、特に制限されない。本実施形態では、例えば図9に示すように、第一の線状凸部31を支持する支持部4(第一支持部41)が第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間に設けられ、かつ、第二の線状凸部32を支持する支持部4(第二支持部42)が第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間に設けられていてもよい。すなわち、互いに隣り合う線状凸部3の間で、互いに異なる線状凸部3を支持する複数の支持部4が設けられていてもよい。
なお、支持部4における、第一の支持部501、第二の支持部502、及び連結部503の各々は、主面2aと接触して設けられているが、これに限られない。例えば、第一の支持部501、第二の支持部502、及び連結部503のうち少なくとも一つが主面2aとは接触していなくてもよい。
[第五実施形態]
第五実施形態の線状凹凸構造体1は、本体2と、複数の線状凸部3と、を備える。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2a上から突出する。本実施形態の本体2及び複数の線状凸部3も、樹脂製である。ここで、本実施形態の線状凹凸構造体1は、上記の第一~第四実施形態における支持部4を必須の構成として備えていない。
本実施形態では、図10に示すように、線状凸部3は、長手方向に延びている。線状凸部3は、第一凸部311と第二凸部312とを少なくとも含んでいる。第二凸部312は、第一凸部311から離間している。第一凸部311と第二凸部312とは、主面2a上で同一直線上に並んでいる。
線状凹凸構造体1において、第一凸部311と第二凸部312とが並ぶ直線上には、第一凸部311と第二凸部312との間に、図10に二点鎖線で示される間隙部6が存在している。これにより、本実施形態の線状凹凸構造体1は、線状凸部3が長手方向に直線状に繋がって形成されている場合に比して、長手方向から力を受けた場合の力を分散させることができる。このため、本実施形態の線状凹凸構造体1は、支持部4を有していなくても、線状凸部3全体としての倒れを生じにくくでき、線状凹凸に変形をより生じにくくすることができる。また、この場合、線状凹凸の一部に仮に変形が生じたとしても、線状凸部3における各々の凸部が分離していることで、線状凹凸構造体1の広い面積での線状凸部3に変形が生じるおそれを低減することに寄与できる。
なお、本実施形態における間隙部6とは、長手方向に延びる線状凸部3(例えば第一の線状凸部31等)において、凸部(例えば第一凸部311等)とこれと隣り合う凸部(第二凸部312等)との間にある間隔を形成する隙間を意味する。複数の線状凸部3において、各線状凸部3を構成する複数の凸部31を、第一凸部311、第二凸部312、及び第三凸部313等、として説明しているが、第一、第二、第三の名称は、説明の便宜上規定したものであって、これに限定されない。
一例として示す図11では、第一の線状凸部31は、第一凸部311と第二凸部312とを含み、第一の線状凸部31は、第一凸部311と第二凸部312との間に間隙部61が形成されている。第二の線状凸部32は、第一凸部321と第二凸部322と第三凸部323とを含み、第二の線状凸部32は、第一凸部321と第二凸部322との間、及び第二凸部322と第三凸部323との間にそれぞれ間隙部62が形成されている。また、第三の線状凸部33は、第一凸部331と第二凸部332とを含み、第三の線状凸部33は、第一凸部331と第二凸部332との間に間隙部63が形成されている。なお、図11では、線状凸部3の数は、計7個、また線状凸部3の形状は、四角柱状であり、また間隙部6の数は、4個形成されているが、線状凸部3の数、形状、及び間隙部6の数は適宜調整すればよい。
第一凸部311と第二凸部312等の間の間隙部6の寸法は、線状凹凸構造体1の目的に応じて適宜設定すればよい。
線状凹凸構造体1は、絶縁性を有することが好ましい。この場合、線状凹凸構造体1は、光学材料として特に好適に用いることが可能である。
本実施形態の線状凹凸構造体1は、上記のとおり、第一から第四実施形態で説明した支持部4を必須の構成として備えていないが、もちろん、線状凹凸構造体1が支持部4を備えるものであってもよい。
(変形例2-1)
図11A及び図11Bに示すように、本変形例2-1の線状凹凸構造体1では、上記第五実施形態において、支持部4を有している。本変形例では、支持部4は、線状凸部3に隣接して存在する凹部30に配置されており、第一の支持部501と第二の支持部502と連結部503とを有する。すなわち、本変形例の線状凹凸構造体1では、上記で説明した第五実施形態において、更に第四実施形態で説明した支持部4を備えている。
具体的には、線状凹凸構造体1において、複数の線状凸部3のうち第一の線状凸部31は、第一凸部311と第二凸部312とを備え、第一凸部311と第二凸部312との間に、間隙部61を有する。さらに、線状凹凸構造体1において、支持部4として、第一の支持部501と第二の支持部502と連結部503とを有している。第一の支持部501、第二の支持部502、及び連結部503の各々は、第四実施形態で説明した構成と同じであってよいため、重複する説明は省略する。この場合、線状凹凸構造体1では、第一凸部311と第二凸部312とが離間しているため、その間の間隙部6を含む部分を備えることにより、線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えばY軸方向に直交する方向(X軸方向)から力を受けた場合、線状凹凸に変形を生じにくくすることができる。さらに、この線状凹凸構造体1では、複数の支持部4によっても、複数の線状凸部3の変形を生じにくくすることができる。これにより、線状凹凸構造体1の耐久性を特に高めることができる。
支持部4は、図11Bに示すように、連結部503が曲線に形成されていてもよい。連結部503が曲線に形成される場合については、第四実施形態で説明したとおりである。
[第六実施形態]
第六実施形態の線状凹凸構造体1は、本体2と、複数の線状凸部3と、を備える。本体2は、主面2aを有する。複数の線状凸部3は、主面2a上から突出する。本実施形態の本体2及び複数の線状凸部3も、樹脂製である。ここで、本実施形態の線状凹凸構造体1は、上記の第一から第四実施形態における支持部4を必須の構成として備えていない。
本実施形態では、図12に示すように、複数の線状凸部3は、非直線状である。ここでいう「非直線状」とは、直線状でない線状を意味し、例えば開曲線状、及びジグザグ状の線状を含む。この場合、線状凹凸構造体1の線状凸部3が線状凸部3の長手方向(Y軸方向)に交差する方向、例えば長手方向(Y軸方向)に垂直な方向(X軸方向)から力を受けた場合に、変形を生じることに対する強度を更に向上させることができる。これにより、線状凹凸構造体1の耐久性を更に向上させることができる。
複数の線状凸部3(図12では、3本)すべてが開曲線状であるが、これに限られず、例えば少なくとも一部の線状凸部3が直線状であってもよい。例えば、複数の線状凸部3において、開曲線状の線状凸部3と、直線状の線状凸部3とが交互に設けられていてもよい。互いに隣り合う線状凸部3が、直線状と開曲線状とである場合は、隣り合う線状凸部3同士は平行でなくてもよく、線状凸部3同士が交差せず形成されていることが好ましい。
本実施形態では、線状凹凸構造体1は、上記のとおり、第一から第四実施形態で説明した支持部4を必須の構成として備えていないにもかかわらず、線状凸部3が開曲線状であることで、線状凸部3自身によって、線状凸部3の倒れを防止しうるものである。もちろん、線状凹凸構造体1は、上記の第一から第四実施形態で説明した支持部4を、更に備えていてもよい。この場合、線状凹凸構造体1は、線状凸部3の変形に対して、より高い耐久性を有することができ、このため、線状凹凸構造体1の更に高い耐久性を有しうる。
以上で説明した、第一実施形態から第六実施形態、およびこれらの変形例における線状凹凸構造体1は、独立の構成に限られない。線状凹凸構造体1は、それぞれを組み合わせた構成を有していてもよい。例えば、第一実施形態の線状凹凸構造体1において、複数の線状凸部3が直線状の線状凸部3と開曲線状の線状凸部3との両方を備えていてもよい。また、例えば線状凹凸構造体1の第一の線状凸部31と第二の線状凸部32との間にある第一支持部411と第二支持部422との形状が各々異なっていてもよい。また、例えば線状凹凸構造体1は、複数の線状凸部3として、間隙部6を備えない線状凸部3(例えば第一凸部311と第二凸部312とを含む線状凸部3)と、間隙部6を備える線状凸部3とのいずれをも含んで形成されていてもよい。
また、既に説明したとおり、第一実施形態から第六実施形態、及び変形例の線状凹凸構造体1における線状凸部3が樹脂製であるが、線状凸部3と本体2とのうちいずれか一方又は両方が樹脂製であってもよい。また、線状凹凸構造体1における本体2、線状凸部3、及び支持部4のうち少なくとも一種が樹脂製であってもよい。
線状凹凸構造体1は、絶縁性を有することが好ましい。この場合、線状凹凸構造体1は、光学材料として特に好適に用いることが可能である。
[線状凹凸構造体の製造方法]
上記で説明した線状凹凸構造体1の具体的な製造方法の一例について説明する。ただし、以下に示す方法に限られず、上記で説明した線状凹凸構造体1の適宜の構成を有することができるのであれば、適宜の方法を採用できる。
まず、基材10となる材料を準備する。基材10となる材料としては、本体2を支持可能なものであれば特に制限されず、線状凹凸構造体1の用途等に応じて適宜の材料を採用することができる。例えば、ディスプレイ等の透明な部材を作製する場合には、基材は光を透過しうる材料(すなわち、透明な基材)を採用できる。基材を構成する材料の具体的な例は、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート-スチレン共重合体等の合成高分子;トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、及びセルロースアセテートブチレート等の半合成高分子;ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリ乳酸等のポリエステル;ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、及びポリウレタン;前記高分子の複合物(ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸の複合物、ポリメチルメタクリレートとポリ塩化ビニルの複合物等)、及びガラスなどを含む。基材の形状は、特に限定されず、例えばシート状及びフィルム状等とすることができる。
続いて、基材10上に、樹脂組成物を塗布する。樹脂組成物は、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂といった適宜の樹脂を配合して組成されうる。樹脂組成物は、必要な特性、例えば基材10との密着性、基材10への塗布性、樹脂組成物の粘性、消泡性等に応じて、適宜の溶剤、及び界面活性剤、フッ素系化合物、及びシリコーン系化合物等の添加剤等を含有してもよい。また、樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化の態様に応じて、適宜の硬化剤等を含有してもよい。
光硬化性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリロイル系化合物等が挙げられる。樹脂組成物が光硬化性樹脂を含有する場合には、適宜の光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、光硬化性樹脂種類に応じて適宜調整すればよい。なお、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルとメタクリロイルとのうちいずれか一方又は両方を意味し、例えば(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基とメタクリロイル基とのうちいずれか一方又は両方である。
熱硬化性樹脂としては、例えばポリメタクリル酸(PMMA)等の(メタ)アクリル樹脂等を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、及び環状オレフィン樹脂等を挙げることができる。ただし、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂は、前記の樹脂に限られない。
樹脂組成物が光硬化性樹脂を含有する場合には、基材10上に樹脂組成物を塗布することで、樹脂組成物の塗膜を形成する。必要により、基材10上に形成した塗膜中の溶剤を乾燥させてもよい。
続いて、基材10上に形成した塗膜に、線状凹凸構造体1の型となる線状凹凸形状(以下、凹凸パターンともいう)を有する型を圧着することで、凹凸パターンを塗膜に転写する。凹凸パターンは、本体2と線状凸部3と支持部4とを備えた形状を含む。凹凸パターンを有する型は、例えば表面に線状凹凸形状が形成されたフィルム状のフィルムモールドであってもよい。
基材10上の、凹凸パターンが転写された塗膜に、紫外線等の活性エネルギー線を照射することで、樹脂組成物を硬化させる。樹脂組成物を硬化させてから、この硬化物をフィルムモールドから離型することで、基材10上に、主面2aを有する本体2と、主面2a上に線状凸部3と、支持部4とを備える線状凹凸構造体1が作製できる。
また、樹脂組成物が光硬化性樹脂を含有する場合には、基材10上に樹脂組成物を塗布してから、樹脂組成物上に線状凹凸形状のパターンを有するマスクを当てて光を照射し、樹脂組成物を硬化させてもよい。硬化後、硬化部分又は未硬化の部分を除去することで基材10上に本体2と線状凸部3と支持部4とを含む層を形成できる。本体2と線状凸部3と支持部4とを含む層は、基材10から剥離されてもよい。これにより樹脂組成物の硬化物を含有する線状凹凸構造体1が得られる。
樹脂組成物が光硬化性樹脂を含有する場合、線状凹凸構造体1の製造は、例えば賦形用ロール金型を使用し、適宜のロールトゥロール方式で、賦形処理を施すことにより、線状凹凸形状の表面を有する、本体2と線状凸部3と支持部4とを含む層を作製してもよい。ロールトゥロール方式による場合、ロール上で基材10を連続的に搬送しながら、基板上に樹脂組成物を塗布することで塗膜を形成する。必要により、樹脂組成物を塗布した後、乾燥工程を含んでもよい。続いて、基材10と基材10上の塗膜を搬送しながら、凹凸パターンを有する型を巻き付けたロールに基材10と塗膜とを通過させ、塗膜に凹凸パターンを転写する。転写した直後、紫外線を照射することにより、樹脂組成物を硬化させる。続いて、樹脂組成物の硬化物を離型する。これにより、樹脂組成物の硬化物を含有する、本体2と線状凸部3と支持部4とを備える線状凹凸構造体1が得られる。
樹脂組成物が熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とのうち少なくとも一方を含有する場合には、基材10上に樹脂組成物を塗布することで、樹脂組成物の塗膜を形成する。必要により、基材10上に形成した塗膜中の溶剤を乾燥させてもよい。
続いて、基材10上の塗膜に、塗膜中の樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上に加熱した凹凸パターンを有する型を押しあて、塗膜に凹凸パターンを転写する。加圧の圧力は、適宜調整すればよい。凹凸パターンは、上記で説明したものと同じであってよい。樹脂組成物を熱硬化させてから、凹凸パターンを有する型を冷却させる。冷却後、樹脂組成物の硬化から凹凸パターンを有する型を離型することで、基材10上に、主面2aを有する本体2、主面2a上に線状凸部3と支持部4とを備える線状凹凸構造体1が作製できる。本体2と線状凸部3と支持部4とを含む層は、基材10から剥離されてもよい。
1 線状凹凸構造体
2 本体
2a 主面
3 線状凸部
30 凹部
4 支持部
6 間隙部
311 (第一の線状凸部における)第一凸部
312 (第一の線状凸部における)第二凸部
321 (第二の線状凸部における)第一凸部
322 (第二の線状凸部における)第二凸部
323 (第二の線状凸部における)第三凸部
501,511,521 第一の支持部
502,512,522 第二の支持部
503,513,523 連結部

Claims (13)

  1. 主面を有する本体と、前記主面から突出する複数の樹脂製の線状凸部と、前記線状凸部を支持する支持部と、を備え、
    前記線状凸部に隣接して凹部が存在し、前記凹部に前記支持部が配置されており、
    前記支持部の高さ寸法は、前記線状凸部の高さ寸法よりも小さく、
    前記支持部は、前記線状凸部を支持する第一の支持部と、前記第一の支持部から離間し、前記線状凸部を支持する第二の支持部と、前記第一の支持部及び前記第二の支持部を連結する連結部と、を含む、
    線状凹凸構造体。
  2. 前記支持部は、前記線状凸部のうち少なくとも一方の側面に接触する、
    請求項1に記載の線状凹凸構造体。
  3. 主面を有する本体と、前記主面から突出する複数の樹脂製の線状凸部と、前記線状凸部を支持する支持部と、を備え、
    前記線状凸部は、第一凸部と、前記第一凸部から離間し、前記第一凸部と同一直線上に並ぶ第二凸部と、を含み、
    前記線状凸部に隣接して凹部が存在し、前記凹部に前記支持部が配置されており、
    前記支持部の高さ寸法は、前記線状凸部の高さ寸法よりも小さい、
    線状凹凸構造体。
  4. 複数の前記線状凸部は互いに平行に形成されており、
    前記支持部は、前記線状凸部を支持する第一の支持部と、前記第一の支持部から離間し、前記線状凸部を支持する第二の支持部と、を含み、
    前記第一の支持部と前記第二の支持部とは、互いに平行、かつ前記複数の線状凸部と交差する方向に沿って形成される、
    請求項1からのいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  5. 主面を有する本体と、前記主面から突出する複数の樹脂製の線状凸部と、を備え、
    前記線状凸部は、非直線状であり、
    前記線状凸部に隣接して凹部が存在し、前記凹部に、前記線状凸部を支持する支持部が配置されており、
    前記支持部の高さ寸法は、前記線状凸部の高さ寸法よりも小さく、
    複数の前記線状凸部は互いに平行に形成されており、
    前記支持部は、前記線状凸部を支持する第一の支持部と、前記第一の支持部から離間し、前記線状凸部を支持する第二の支持部と、を含み、
    前記第一の支持部と前記第二の支持部とは、互いに平行、かつ前記複数の線状凸部と交差する方向に沿って形成される、
    線状凹凸構造体。
  6. 前記支持部は、前記主面に対して傾斜している、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  7. 前記支持部と、前記線状凸部とが接触していない、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  8. 前記支持部は、前記線状凸部の側面に接触する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  9. 前記支持部は、第一凸部に接触する第一接触部と、前記第一接触部から離間し、第二凸部に接触する第二接触部と、前記第一接触部及び前記第二接触部を連結する連結部と、を有する、
    請求項5からのいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  10. 絶縁性を有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  11. 複数の前記線状凸部における隣り合う線状凸部同士の間隔の平均値は、10nm以上30μm以下であり、
    前記線状凸部の幅寸法の平均値は、10nm以上30μm以下であり、
    前記線状凸部の高さ寸法の平均値は、10nm以上30μm以下である、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  12. 前記線状凸部の幅寸法の平均値に対する前記線状凸部の高さ寸法の平均値の比は、0.5以上10以下であり、
    前記線状凸部における隣り合う線状凸部同士の間隔の平均値に対する前記線状凸部の幅寸法の平均値の比は、0.4以上5.0以下である、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
  13. 光学用途に用いられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の線状凹凸構造体。
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