JP6409675B2 - 表示装置用照明ユニットおよび表示装置 - Google Patents

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本発明は、表面微細凹凸シート、表示装置用照明ユニットおよび表示装置に関する。
近年、省電力かつ長寿命の光源として、発光ダイオード(以下、「LED」ともいう。)光源が広く普及している。該LED光源から発せられる光は、直進性が高く、ほとんど拡散しない。そのため、LED光源をたとえば表示装置用の照明ユニット等に使用する場合には、LED光源を線状、面状等に複数並べ、かつ、光拡散体と組み合わせて使用されることが多い。
光拡散体としては、たとえば、微細な波状の凹凸からなる凹凸パターンが表面に形成されたシート状の表面微細凹凸体等が知られている(特許文献1参照。)。
特開2008−302591号公報
しかしながら最近では、表示装置の多様化に伴い、LED光源を用いた照明ユニットにおいて、種々の特性を満足することが求められるようになってきている。
たとえば、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を表示させる表示装置として、ヘッドアップディスプレイシステムがある。ヘッドアップディスプレイシステムにおいては、画像情報をフロントガラスに鮮明に表示させるために、正面輝度が優れていることや、輝度の面内均一性が優れており輝度ムラが抑制されていることが求められる。また、画像情報を良好に表示するためには、フロントガラスの上下方向と左右方向のそれぞれについて光を適切に拡散させるために、これら各方向の視野角を個別に制御する必要もある。
ところが、光を拡散させることは、正面輝度の低下につながる。そのため、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、適切な視野角を有する照明ユニットを構成することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、LED光源等の点光源と組み合わせて使用した場合に、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、一方向だけでなくこれと直交する方向においても、それぞれ適切な視野角を有する照明ユニットを構成できる表面微細凹凸シートと、該表面微細凹凸シートを用いた表示装置用照明ユニットと、該表示装置用照明ユニットを備えた表示装置の提供を目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、前記波状凹凸パターンが形成された部分に対応する他方の表面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンを有する表面微細凹凸シートであって、
前記線状凹凸パターンは、リニアフレネルレンズパターンまたはリニア三角プリズムパターンであり、
前記波状凹凸パターンの主拡散方向と、前記線状凹凸パターンの凸条部の延在方向との成す角度が±20°の範囲内である、表面微細凹凸シート。
[2]一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、前記波状凹凸パターンが形成された部分に対応する他方の表面の少なくとも一部に、底面が正方形または長方形からなる五面体が直交する二方向に沿って繰り返し形成された五面体パターンを有する表面微細凹凸シートであって、
前記波状凹凸パターンの主拡散方向と、前記五面体パターンの前記二方向のうちの一方の方向との成す角度が±20°の範囲内である、表面微細凹凸シート。
[3]一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、前記波状凹凸パターンが形成された部分に対応する他方の表面の少なくとも一部に同心円状凹凸パターンを有する、表面微細凹凸シート。
[4]一方の表面の少なくとも一部に線状凹凸パターンを有し、該線状凹凸パターン上の少なくとも一部に、不規則な波状凹凸パターンが形成された表面微細凹凸シートであって、
前記線状凹凸パターンは、リニアフレネルレンズパターンまたはリニア三角プリズムパターンであり、
前記波状凹凸パターンの主拡散方向と、前記線状凹凸パターンの凸条部の延在方向との成す角度が±20°の範囲内である、表面微細凹凸シート。
[5]一方の表面の少なくとも一部に、底面が正方形または長方形からなる五面体が、直交する二方向に沿って繰り返し形成された五面体パターンを有し、該五面体パターン上の少なくとも一部に、不規則な波状凹凸パターンが形成された表面微細凹凸シートであって、
前記波状凹凸パターンの主拡散方向と、前記五面体パターンの前記二方向のうちの一方の方向との成す角度が±20°の範囲内である、表面微細凹凸シート。
[6]複数の点光源が並んで形成される光源列からの光を屈折および拡散させる用途に使用される、[1]〜[5]のいずれかの表面微細凹凸シート。
[7][1]〜[6]の表面微細凹凸シートと、複数の点光源が並んで形成される光源列の少なくとも1列とを有し、
前記表面微細凹凸シートの前記波状凹凸パターンの前記主拡散方向と、前記光源列の前記点光源の配列方向との成す角度が±20°の範囲内である、表示装置用照明ユニット。
[8][7]の表示装置用照明ユニットを有する、表示装置。
本発明によれば、LED光源等の点光源と組み合わせて使用した場合に、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、一方向だけでなくこれと直交する方向においても、それぞれ適切な視野角を有する照明ユニットを構成できる表面微細凹凸シートと、該表面微細凹凸シートを用いた表示装置用照明ユニットと、該表示装置用照明ユニットを備えた表示装置を提供できる。
第1実施形態例の表面微細凹凸シートを模式的に示す拡大斜視図である。 第1実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である(画像の左右方向の辺のフルスケールが500μmである。)。 第1実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の原子間力顕微鏡による三次元画像である(画像の各辺のフルスケールが200μmである。)。 第1実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンを示す縦断面図である。 (a)リニアフレネルレンズパターンの縦断面図、(b)シリンドリカルレンズの縦断面図である。 リニアフレネルレンズパターンの作用について説明する説明図である。 第1実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)リニアフレネルレンズパターンの凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 第2実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である(画像の左右方向の辺のフルスケールが300μmである。)。 第3実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である(画像の左右方向の辺のフルスケールが60μmである。)。 第3実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンを示す縦断面図である。 第4実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である(画像の左右方向の辺のフルスケールが300μmである。)。 第4実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンを示す縦断面図である。 第4実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンにおける凸部の平均高さを求める方法の説明図である。 第5実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である(画像の左右方向の辺のフルスケールが250μmである。)。 (a)第5実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1−b)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 頂角一定型リニア三角プリズムパターンの作用について説明する説明図である。 第6実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 (a)頂角変動型リニア三角プリズムパターンの一例(パターン(A))について、凸条部の配列方向に平行な断面を示す縦断面図、(b)頂角変動型リニア三角プリズムパターンの他の一例(パターン(B))について、凸条部の配列方向に平行な断面を示す縦断面図、(c)頂角変動型リニア三角プリズムパターンの作用について説明する説明図である。 第11実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)頂角変動型リニア三角プリズムパターン(パターン(B))の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 (a)頂角変動型変形五面体パターンの五面体パターン形成面側からの平面図、(b)頂角変動型四角錐プリズムパターンの五面体パターン形成面側からの平面図、(c)頂角変動型変形五面体パターンの作用について説明する説明図である。 第16実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の延在方向に平行な側面を示す側面図である。 (a)フレネルレンズパターンの縦断面図、(b)平凸レンズの縦断面図である。 フレネルレンズパターンの作用について説明する説明図である。 第21実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の延在方向に平行な側面を示す側面図である。 リニアフレネルレンズパターンの作用について説明する説明図である。 第26実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートのパターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)リニアフレネルレンズパターンの凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 頂角一定型リニア三角プリズムパターンの作用について説明する説明図である。 第27実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートのパターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。 頂角変動型リニア三角プリズムパターンの作用について説明する説明図である。 第28実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、(a)表面微細凹凸シートのパターン形成面側からの概略平面図、(b)波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部の配列方向に平行な側面を示す側面図である。
本明細書および特許請求の範囲における各用語は、以下の内容を意味する。
「波状凹凸パターン形成面」とは、表面微細凹凸シートにおいて、不規則な波状凹凸パターンが形成された側の面を意味する。
「線状凹凸パターン形成面」とは、表面微細凹凸シートにおいて、線状凹凸パターンが形成された側の面を意味する。
「五面体パターン形成面」とは、表面微細凹凸シートにおいて、五面体パターンが形成された側の面を意味する。
「同心円状凹凸パターン形成面」とは、表面微細凹凸シートにおいて、同心円状凹凸パターンが形成された側の面を意味する。
また、単に「パターン形成面」といった場合、該「パターン形成面」とは、表面微細凹凸シートにおいて、波状凹凸パターンと線状凹凸パターン、または、波状凹凸パターンと五面体パターンとが共に形成されている面を意味する。
「不規則な波状凹凸パターン」とは、表面微細凹凸シートの法線方向に平行な少なくとも一つの面に沿って切断した際に得られる切断面において、波状凹凸パターンに対応する部分の形状が、不規則な微細な波状の凹凸形状であるパターンのことをいう。
たとえば、下記の〔1〕、〔2〕のパターンが挙げられる。
〔1〕波状凹凸パターン形成面に沿って筋状に延びる複数の凸条部と、該複数の凸条部間の複数の凹条部とが、波状凹凸パターン形成面に沿う一方向に交互に繰り返されるパターンを少なくとも有し、以下の(a)および(b)の特徴を有するパターン(以下、「波状凹凸パターン(1)」ともいう。)。
なお、波状凹凸パターン(1)では、少なくとも、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部と凹条部とが交互に繰り返される上記一方向(以下、「凸条部の配列方向」ともいう。)に沿って切断した際に得られる切断面において、波状凹凸パターンに対応する部分の形状が、不規則な波状の凹凸形状となる。
(a)各凸条部が蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凸条部の稜線が蛇行し、隣接する凸条部の稜線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に稜線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の稜線が途中で枝分かれしたり、複数の稜線が途中で合一していてもよい。
(b)各凹条部が蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凹条部の谷線が蛇行し、隣接する凹条部の谷線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に谷線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の谷線が途中で枝分かれしたり、複数の谷線が途中で合一していてもよい。
波状凹凸パターン(1)では、上記切断面における各凸条部の縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断される切断面における形状。)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
以上のような波状凹凸パターン(1)の不規則性により、該波状凹凸パターン(1)は、後述する主拡散方向だけでなく、該主拡散方向に対して直交する低拡散方向にも、適度に光を拡散させる。
また、詳しくは後述するが、波状凹凸パターン(1)は、1軸延伸フィルム(1軸方向収縮フィルム)からなる加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮することにより形成されるパターンである。
〔2〕波状凹凸パターン形成面上に、特定の方向に沿わない微細な凹凸が形成されたパターン(以下、「波状凹凸パターン(2)ともいう。」)。
波状凹凸パターン(2)では、表面微細凹凸シートの法線方向に平行な任意の方向に沿って切断した際に得られる切断面において、波状凹凸パターンに対応する部分の形状が、不規則な波状の凹凸形状となる。
波状凹凸パターン(2)では、上記切断面における各凸部の縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行な任意の方向に沿って切断される切断面における形状。)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
以上のような波状凹凸パターン(2)の不規則性により、該波状凹凸パターン(2)は、主拡散方向および低拡散方向に光を拡散させる。また、凹凸が上述のように特定の方向に沿わないため、主拡散方向と低拡散方向の拡散角度の差は小さい。
また、詳しくは後述するが、波状凹凸パターン(2)は、2軸延伸フィルム(2軸方向収縮フィルム)からなる加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮することにより形成されるパターンである。
「線状凹凸パターン」とは、線状凹凸パターン形成面に沿って、蛇行せず直線状に、かつ、互いに平行に延在する微細な複数の凸条部と、該複数の凸条部間に直線状に延在する微細な複数の凹条部とが、線状凹凸パターン形成面に沿う一方向(以下、「凸条部の配列方向」ともいう。)に交互に繰り返されるパターンであり、リニアフレネルレンズパターンまたはリニア三角プリズムパターンを意味する。
「リニアフレネルレンズパターン」とは、同心円状に溝が形成された通常のフレネルレンズをシリンドリカルレンズに適用した公知のリニアフレネルレンズに基づくパターンである。
「リニア三角プリズムパターン」とは、該リニア三角プリズムパターンを構成する各凸条部の縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断される切断面における形状。)が、いずれも二等辺三角形または正三角形であるパターンを意味する。
「リニア三角プリズムパターン」のうち、各凸条部の上記縦断面形状における頂角が互いに同一であるものを「頂角一定型リニア三角プリズムパターン」という。
「リニア三角プリズムパターン」のうち、各凸条部同士で、上記縦断面形状における頂角が互いに異なっており、線状凹凸パターン形成面における両端側に位置する凸条部から中央側に位置する凸条部に向けて、徐々に頂角が大きくなっているものを「頂角変動型リニア三角プリズムパターン」という。各凸条部の頂角は、その延在方向に一定である。
なお、「頂角変動型リニア三角プリズムパターン」には、各凸条部の高さは互いに一定であるが、各凸条部同士で底部の幅(ピッチ)が一定でなく異なることにより、頂角が変動している形態(以下、「パターン(A)」という場合がある。図18(a)参照。)と、各凸条部の底部の幅(ピッチ)は互いに一定であるが、各凸条部同士で高さが一定でなく異なることにより、頂角が変動している形態(以下、「パターン(B)」という場合がある。図18(b)参照。)とがある。
「五面体パターン」とは、五面体パターン形成面上の直交する二方向に沿って、底面が正方形または長方形からなる多数の五面体が繰り返し形成されたパターンを意味する。多数の五面体の各底面は互いに辺を共有し、連なっている。
「五面体パターン」は、以下の(1)〜(3)のパターンを含む。
下記(2)の頂角変動型四角錐プリズムパターンと、下記(3)の頂角変動型変形五面体パターンとをまとめて、「頂角変動型五面体パターン」という。
(1)頂角一定型四角錐プリズムパターン:
多数の五面体が多数の四角錐のみからなり、各四角錐の縦断面形状における頂角が互いに同一である。なお、縦断面形状とは、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの一方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点を通るように切断される切断面における形状と、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの他方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点を通るように切断される切断面における形状とのことを意味する。頂角一定型四角錐プリズムパターンは、どちらの縦断面形状においても、各四角錐間で、頂角が互いに同一で、一定である。
(2)頂角変動型四角錐プリズムパターン:
多数の五面体が多数の四角錐のみからなり、各四角錐の縦断面形状における頂角が互いに異なっている。なお、縦断面形状とは、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの一方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点を通るように切断される切断面における形状と、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの他方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点を通るように切断される切断面における形状とのことを意味する。頂角変動型四角錐プリズムパターンは、どちらの縦断面形状においても、各四角錐間で、頂角が徐々に変動していて、一定ではない。
具体的には、直交する二方向のうちの一方向に沿って配置された四角錐において、外側に位置する四角錐から中央側に位置する四角錐に向けて、徐々に頂角が大きくなっている。かつ、直交する二方向のうちの他方向に沿って配置された四角錐において、外側に位置する四角錐から中央側に位置する四角錐に向けて、徐々に頂角が大きくなっている。
このパターンは、上記頂角変動型リニア三角プリズムパターンの上記パターン(A)を形成した後、該パターン(A)から、該パターン(A)とは凸条部の配列方向が直交し、かつ、該パターン(A)の反転形状であるパターン(A’)を切除することにより形成されるパターンである(図20(b)参照。)。そのため、各四角錐の高さは互いに一定であるが、各四角錐同士でピッチが一定でない。
(3)頂角変動型変形五面体パターン:
多数の五面体が四角錐と、四角錐以外の五面体からなる。ここで、四角錐以外の五面体とは、四角錐のように底面に対向する位置に頂点を有するのではなく、底面の一対の辺に平行な稜線(辺)を有する五面体である。以下、このような稜線を有する五面体のことを、「稜線型五面体」ともいう。
そして、各四角錐および稜線型五面体の縦断面形状における頂角が互いに異なっている。なお、縦断面形状とは、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの一方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点および各稜線型五面体の稜線を通るように切断される切断面における形状と、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、上記直交する二方向のうちの他方向に沿い、かつ、各四角錐の頂点および各稜線型五面体の稜線を通るように切断される切断面における形状との両方を意味する。頂角変動型変形五面体パターンは、どちらの縦断面形状においても、各四角錐、各稜線型五面体間で、頂角が徐々に変動していて、一定ではない。
具体的には、直交する二方向のうちの一方向に沿って配置された四角錐および稜線型五面体において、外側に位置する四角錐および稜線型五面体から中央側に位置する四角錐および稜線型五面体に向けて、徐々に頂角が大きくなっている。かつ、直交する二方向のうちの他方向に沿って配置された四角錐および稜線型五面体において、外側に位置する四角錐および五面体から中央側に位置する四角錐および稜線型五面体に向けて、徐々に頂角が大きくなっている。
なお、稜線型五面体の縦断面形状は、その方向により、三角形である場合と台形である場合がある。台形である場合には、台形の2本の脚の上底側の延長線が交差する角度を「頂角」とみなす。
このパターンは、上記頂角変動型リニア三角プリズムパターンの上記パターン(B)を形成した後、該パターン(B)から、該パターン(B)とは凸条部の配列方向が直交し、かつ、該パターン(B)の反転形状であるパターン(B’)を切除することにより形成されるパターンである(図20(a)参照。)。そのため、各四角錐および稜線型五面体のピッチは互いに一定であるが、各四角錐および稜線型五面体同士で高さが一定でない。
なお、以上説明したパターンが形成された五面体パターン形成面には、上述の「頂角変動型四角錐プリズムパターン」が、面方向に沿って複数形成されていてもよい。すなわち、五面体パターン形成面を複数の領域に区切った場合に、各領域に上述の「頂角変動型四角錐プリズムパターン」がそれぞれ形成されていてもよい。
同様に、五面体パターン形成面には、上述の「頂角変動型変形五面体パターン」が、面方向に沿って複数形成されていてもよい。すなわち、五面体パターン形成面を複数の領域に区切った場合に、各領域に上述の「頂角変動型変形五面体パターン」がそれぞれ形成されていてもよい。
また、「頂角変動型五面体パターン」は、各四角錐および稜線型五面体のピッチも高さも一定でない形態であってもよい。
「同心円状凹凸パターン」とは、同心円状凹凸パターン形成面上に、同心円状の凹環と凸環とが交互に形成されたパターンを意味する。
「同心円状凹凸パターン」には、通常の「フレネルレンズパターン」が含まれる。
「同心円状凹凸パターン」のうち、凸環の縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、同心円の径方向に沿って切断される切断面における形状。)がいずれも二等辺三角形または正三角形であるものを「同心円状プリズムパターン」という。
「同心円状プリズムパターン」のうち、各凸環の上記縦断面形状における頂角が互いに同一であるものを「頂角一定型同心円状プリズムパターン」という。
「同心円状プリズムパターン」のうち、各凸環同士で、上記縦断面形状における頂角が互いに異なっており、同心円状凹凸パターン形成面における外周側に位置する凸環から中央側に位置する凸環に向けて、徐々に頂角が大きくなっているものを「頂角変動型同心円状プリズムパターン」という。各凸環の頂角は、環方向(周方向)に一定である。
同心円状凹凸パターン形成面には、上述の「同心円状凹凸パターン」が、面方向に沿って複数形成されていてもよい。すなわち、同心円状凹凸パターン形成面を複数の領域に区切った場合に、各領域に上述の「同心円状凹凸パターン」がそれぞれ形成されていてもよい。
「波状凹凸パターンの主拡散方向」とは、以下の方法で決定される方向である。
(1)拡散角度測定用として、一方の面が波状凹凸パターン形成面であり、他方の面が平滑な面(平滑面)であるサンプルシートを用意する。
(2)ゴニオメータ(たとえば、型式:GENESIA Gonio/FFP、ジェネシア社製)を用いて、上記サンプルシートの平滑面側から測定光を入射させ、波状凹凸パターン形成面からの透過散乱光を測定し、照度曲線を得る。
具体的には、サンプルシートから垂直に出射する光(出光角度=0°)の照度を1とした際の相対照度を、波状凹凸パターン形成面上のある方向(α方向)において、出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定する。これによりα方向における照度曲線が得られる。
このような操作および照度曲線の作製を、波状凹凸パターン形成面において、α方向から1°ずらした方向(β方向)において行う。
ついで、このような操作および照度曲線の作製を、波状凹凸パターン形成面において、β方向から1°ずらした方向(γ方向)において行う。
このように相対照度を測定する方向を波状凹凸パターン形成面内で1°ずつずらし、1°毎の照度曲線を得る。これにより、合計180種の照度曲線が得られる。
(3)180種の各照度曲線のそれぞれにおいて、相対照度が0.5以上となる角度範囲を求める。その範囲が拡散角度である。たとえば、α方向について得られた照度曲線において、相対照度が0.5以上となる角度範囲が−13°〜+17°である場合には、α方向における拡散角度は、13°+17°=30°となる。
(4)180種の各方向について、上記のようにして拡散角度を求め、180種の拡散角度のうち、最も大きな拡散角度が得られた方向が、主拡散方向である。
(5)低拡散方向は、「主拡散方向に直交する方向」と定義する。
主拡散方向および低拡散方向は、いずれも、波状凹凸パターン形成面上の方向である。
なお、本明細書において、平滑とは、JIS B0601に記載の方法により測定される中心線平均粗さが0.1μm以下であることをいう。
以下の各実施形態例の表面微細凹凸シートは、不規則な波状凹凸パターンと、線状凹凸パターン、五面体パターンまたは同心円状凹凸パターンとを有している。
そのため、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向だけでなくこれと直交する低拡散方向においても、それぞれ適切な視野角を有する照明ユニットを構成できる。該照明ユニットは、ヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置用の照明ユニットとして、好適に使用される。
また、各実施形態例の表面微細凹凸シートは、後述するように、1枚構成である。そのため、複数枚のシートを用いずに、1枚のみで視野角確保効果、輝度ムラ解消効果、正面輝度向上効果を奏することができ、取扱性、照明ユニットの薄型化にも優れる。
表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成する際に、各実施形態例の表面微細凹凸シートのうち、どの実施形態例のシートを選択するかは、その表示装置に求められる主拡散方向および低拡散方向の視野角や、これら視野角のバランス、正面輝度、さらには輝度ムラ抑制の要求の程度等に応じて、決定できる。
以下の第1〜第5実施形態例は、一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、他方の表面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、リニアフレネルレンズパターンを有する表面微細凹凸シートに関する。
第1〜第5実施形態例では、互いに、波状凹凸パターンが異なる。
以下の第6〜第15実施形態例は、一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、他方の表面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、リニア三角プリズムパターンを有する表面微細凹凸シートに関する。
これらのうち、第6〜第10実施形態例のリニア三角プリズムパターンは、「頂角一定型リニア三角プリズムパターン」であり、第11〜第15実施形態例のリニア三角プリズムパターンは、「頂角変動型リニア三角プリズムパターン」である。「頂角変動型リニア三角プリズムパターン」には、上述のように、パターン(A)とパターン(B)とがあるが、いずれも用いることができる。
第6〜第10実施形態例では、互いに、波状凹凸パターンが異なる。第11〜第15実施形態例では、互いに、波状凹凸パターンが異なる。
以下の第16〜第20実施形態例は、一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、他方の表面の少なくとも一部に、五面体パターンとして、頂角変動型変形五面体パターンを有する表面微細凹凸シートに関する。
なお、第16〜第20実施形態例では、頂角変動型変形五面体パターンが形成された例を示したが、該頂角変動型変形五面体パターンの代わりに、頂角変動型四角錐プリズムパターンが形成されていてもよい。また、頂角変動型変形五面体パターンの代わりに、頂角一定型四角錐プリズムパターンが形成されていてもよい。しかしながら、後述するように、第16〜第20実施形態例では、点光源からの光を集光レンズを通さずに入射させている。集光レンズを通さない場合、入射する光の入射角は場所による差が大きい。その点からは、頂角変動型変形五面体パターンまたは頂角変動型四角錐プリズムパターンが、輝度ムラを充分に抑制できる点等で好ましい。頂角一定型四角錐プリズムパターンは、集光レンズを用いている、たとえば第1〜5実施形態例において、リニアフレネルレンズパターンの代わりに採用してもよい。
第16〜第20実施形態例では、互いに、波状凹凸パターンが異なる。
なお、第16〜20実施形態例では、一方の表面の全面に波状凹凸パターンが形成され、他方の表面の全面に五面体パターンが形成されているが、一方の表面と他方の表面においてそれぞれパターンが形成されている領域は、少なくとも一部が互いに対応し、重なりあう位置に形成されていればよい。一方の表面および他方の表面の全面に、それぞれが形成されていなくてよい。
以下の第21〜第25実施形態例は、一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、他方の表面の少なくとも一部に、同心円状凹凸パターンとして、フレネルレンズパターンを有する表面微細凹凸シートに関する。フレネルレンズパターンは、不規則な波状凹凸パターンが形成された部分に対応するように、形成される。波状凹凸パターンは、一方の表面の一部に形成され、全面に形成されていなくてもよい。
なお、第21〜第25実施形態例では、フレネルレンズパターンが形成された例を示したが、フレネルレンズパターンの代わりに、頂角変動型同心円状プリズムパターンまたは頂角一定型同心円状プリズムパターンが形成されていてもよい。しかしながら、後述するように、第21〜第25実施形態例では、点光源からの光を集光レンズを通さずに入射させている。集光レンズを通さない場合、入射する光の入射角は場所による差が大きい。その点からは、フレネルレンズパターンまたは頂角変動型同心円状プリズムパターンが、輝度ムラを充分に抑制できる点等で好ましい。頂角一定型同心円状プリズムパターンは、集光レンズを用いている、たとえば第1〜5実施形態例において、リニアフレネルレンズパターンの代わりに採用してもよい。
第21〜第25実施形態例では、互いに、波状凹凸パターンが異なる。
以下の第26〜28実施形態例は、一方の表面の少なくとも一部に線状凹凸パターンを有し、該線状凹凸パターン上の少なくとも一部に、不規則な波状凹凸パターンが形成された表面微細凹凸シートに関する。波状凹凸パターンは、一方の表面の一部に形成され、全面に形成されていなくてもよい。
第26〜28実施形態例では、互いに、線状凹凸パターンが異なり、線状凹凸パターンとして、第26実施形態例ではリニアフレネルレンズパターンが形成され、第27実施形態例では頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成され、第28実施形態例では頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている。
なお、第26〜第28実施形態例では、製造の容易性等の点から、線状凹凸パターン上に波状凹凸パターンが形成されている形態を示した。しかしながら、目的等に応じて、線状凹凸パターンの代わりに、五面体パターンを形成し、その上に波状凹凸パターンが形成されていてもよいし、線状凹凸パターンの代わりに、同心円状凹凸パターンを形成し、その上に波状凹凸パターンが形成されていてもよい。
以下の各例では、表面微細凹凸シートとして1層構造のものを示しているが、表面微細凹凸シートは1層構造のものに限定されず、2層以上からなる多層構造でもよい。
<第1〜第5実施形態例>
〔第1実施形態例〕
図1は、本実施形態例の表面微細凹凸シートを模式的に示す斜視図である。
図示例の表面微細凹凸シート10Aは、透明な樹脂から構成される1層構造のシートであり、一方の表面が波状凹凸パターン形成面11であり、他方の表面が、リニアフレネルレンズパターン12Aが形成された線状凹凸パターン形成面12とされている。そして、波状凹凸パターンの主拡散方向と、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向との成す角度(以下、「交差角度」ともいう。)が、波状凹凸パターンを平面視した場合において、±20°の範囲内、すなわち、−20°〜+20°とされている。
図1の例においては、波状凹凸パターンの主拡散方向と、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向のいずれもが、図中矢印Aで示す方向(A方向)であって、これらの成す角度が0°(平行)である。
詳しくは後述するが、波状凹凸パターンは、主に、視野角確保効果、輝度ムラ解消効果を奏し、リニアフレネルレンズパターン12Aは、主に、正面輝度向上効果を奏する。
[波状凹凸パターン]
第1実施形態例の表面微細凹凸シート10Aは、波状凹凸パターン形成面11に、先に説明した波状凹凸パターン(1)に該当する波状凹凸パターン(1A)が形成されている。
図2は、本実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像であり、図3は、波状凹凸パターン形成面の原子間力顕微鏡による三次元画像である。
図4は、本実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン(1A)を示すものであって、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、波状凹凸パターン(1A)の凸条部の配列方向に沿って切断した縦断面図である。
図4に示すように、凸条部11aの上記縦断面形状は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。また、各凸条部11aの上記縦断面形状は、それぞれが基端側から先端側に向かって細くなる先細り形状であるとともに、先端が丸みを帯びている。また、各凸条部11aの上記縦断面形状において、先端側と基端側とを結ぶ線は、先端側から基端側に向けて滑らかに連続的に下降している。また、各凸条部11aは、上述の縦断面形状およびその面積のうちの少なくとも一方が、当該凸条部11aの延在方向(筋状に延びている方向)に沿って変化しており、一定でない。
また、各凸条部11aにおいて、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
また、隣り合う凸条部11a間の各凹条部において、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの平均ピッチは、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、8〜20μmであることがより好ましい。平均ピッチが上記範囲の下限値以上であると、表面微細凹凸シート10Aを容易に製造できる。平均ピッチが上記範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シート10Aを照明装置に使用した場合に、波状凹凸パターン(1A)が好ましくない輝線として視認されにくい。また、平均ピッチが上記範囲内であると、主拡散方向に充分な拡散角度を示す。
なお、平均ピッチは、図2のような、凸条部11aが20本以上含まれる波状凹凸パターン形成面11の平面画像を得て、隣り合う凸条部11aの20本分について、凸条部11aの配列方向に沿う長さを5箇所測定し、測定値の平均値を20で割ることにより求めることができる。
また、平均ピッチは、次の方法でも求められる。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により波状凹凸パターン形成面11の上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、たとえば特開2008−302591号公報(特許第4683011号公報)等に記載されており、これを参照できる。なお、該公報の段落[0024]にも記載のとおり、当該方法で求められる最頻ピッチと、上記平均ピッチは、同等に扱うことができる。以下、各実施形態例においても同様である。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの平均ピッチに対する平均高さの比、すなわちアスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)は、0.05〜3.0であることが好ましく、0.1〜2.0であることがより好ましく、0.3〜1.0であることがさらに好ましい。アスペクト比が上記範囲の下限値以上であると、波状凹凸パターン(1A)により視野角確保効果、輝度ムラ解消効果が充分に得られる。アスペクト比が上記範囲の上限値以下であると、波状凹凸パターン(1A)を容易に形成できる。
凸条部11aの平均高さは次のように求める。
たとえばミクロトームを用いて、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断した切断面を有する薄片サンプルを得て、該薄片サンプルの切断面の光学顕微鏡画像を得る。そして、該光学顕微鏡画像の切断面から、ランダムに50個の凸条部を選択し、これら各凸条部の高さHを求める。
具体的には、図4に示すように、1つの凸条部11aの頂部Tと該凸条部11aの一方側に位置する凹条部の底部B1との垂直距離をLiとし、該凸条部11aの頂部Tと該凸条部11aの他方側に位置する凹条部の底部B2との垂直距離をRiとした場合に、H=(Li+Ri)/2で求められるのが、その凸条部11aの高さである。
このようにして求めた50個の凸条部の高さの平均値が「凸条部の平均高さ」である。
本実施形態例の表面微細凹凸シート10Aにおいて、波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向は、先に説明した方法により求めることができ、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な方向(図1中のA方向)である。
主拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、たとえば10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。また、たとえば40°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。
一方、主拡散方向に対して直交する方向は、拡散角度の低い「低拡散方向」である。
低拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向の拡散角度よりも小さく、かつ、たとえば2°以上であることが好ましい。また、たとえば15°以下であることが好ましい。
主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、凸条部の平均ピッチ、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)等を調整すること等により制御できる。
主拡散方向の拡散角度と、低拡散方向の拡散角度とがそれぞれ上記範囲内の波状凹凸パターン(1A)であれば、該パターンが形成されたシートに光を入射させた際に、主拡散方向に光が充分に拡散しつつ低拡散方向にも光が拡散する。そのため、このような波状凹凸パターン(1A)は、主拡散方向および低拡散方向のそれぞれについての視野角確保効果に優れるとともに、LED光源、レーザー光源等の直進性の高い光源を照明装置等に用いた際の輝度ムラ解消効果にも優れる。
[線状凹凸パターン(リニアフレネルレンズパターン)]
図5(a)は、リニアフレネルレンズパターン12Aを説明する図であって、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向に沿って切断した縦断面図である。リニアフレネルレンズは、図5(b)に示すシリンドリカルレンズの凸レンズの領域を分割することにより、厚みを減らしつつ、凸レンズと同様のレンズ効果を奏するようにしたものである。
リニアフレネルレンズパターン12Aにおいて、凸レンズの領域を分割している分割線の方向は、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向に相当する。
リニアフレネルレンズパターン12Aの作用について、図6を用いて説明する。
図6は、一方の面がリニアフレネルレンズパターン12Aが形成された面(図6中下側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートである。このシートのリニアフレネルレンズパターン12Aに対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向(図中m方向)とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向(図中n方向)とからなる面内成分は、リニアフレネルレンズパターン形成面の法線方向(図中n方向)と平行になるように屈折し、図6中Xで示す矢印のように、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きが正面に向けて立ち上がる。リニアフレネルレンズパターン12Aは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
リニアフレネルレンズパターン12Aは、たとえば、後述するリニア三角プリズムパターンに比べて、より集光機能が高く、正面輝度向上効果により優れる。また、光の向きを揃えやすく、光のロスも少ない。また、輝度ムラと正面輝度の両立効果にも優れる。
リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aのピッチ、凸条部12aの先端面12a’の傾斜角度等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向とリニアフレネルレンズ12A形成面の法線方向を含む面内成分が、リニアフレネルレンズ形成面の法線方向に平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
集光レンズ20から出射する光の照射角は、2〜50°であることが好ましく、5〜40°がより好ましく、10〜30°がさらに好ましい。該照射角が上記範囲の下限値以上であると、集光レンズ20から出射した光の広がりが充分であり、表面微細凹凸シート10Aから出射する光の輝度ムラが解消される。該照射角が上記範囲の上限値以下であると、集光レンズ20から出射した光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向とからなる面内成分を、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向と平行になるように屈折させる効果を充分に有し、正面輝度向上効果に優れる。
リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aのピッチは、上述のとおり、適宜設計されるが、たとえば5〜500μmであることが好ましい。該ピッチが上記範囲の下限値以上であると、リニアフレネルレンズパターン12Aを良好に形成でき、上記範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シート10Aを照明装置に使用した場合に、リニアフレネルレンズパターン12Aが好ましくない輝線として視認されにくい。
[表面微細凹凸シート]
本実施形態例の表面微細凹凸シート10Aは、波状凹凸パターンの主拡散方向(図1中のA方向)と、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が、波状凹凸パターンを平面視した場合において、±20°の範囲内である。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シート10Aを、複数の点光源が並んで形成される光源列と特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、後述するように、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、リニアフレネルレンズパターン12Aによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
表面微細凹凸シート10Aの厚みは、接触式膜厚計で測定した厚みとして、20〜5000μmの範囲が好ましく、50〜3000μmがより好ましい。
表面微細凹凸シート10Aの材質については、後述する。
[表面微細凹凸シートの製造方法]
本実施形態例の1層構造の表面微細凹凸シート10Aは、たとえば、以下の製造方法(A)により製造できる。また、多層構造の表面微細凹凸シートは、たとえば、以下の製造方法(B)により製造できる。また、製造方法(A)の一部と製造方法(B)の一部とを組み合わせた方法によっても製造できる。
また、本実施形態例の波状凹凸パターン(1A)の形成には、特開2008−302591号公報(特許第4683011号公報)等を参照できる。
(製造方法(A))
製造方法(A)は、以下の工程(a1)、工程(a2)および工程(a3)を有する。
工程(a1):
波状凹凸パターン(1A)の転写形状(反転形状)を表面に有する原版(W)を製造する工程(a1)。
工程(a2):
リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造する工程(a2)。
工程(a3):
原版(W)の上記転写形状が形成された面と、原版(L1)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面にリニアフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る工程(a3)。
工程(a1):
工程(a1)としては、たとえば、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面が平滑で少なくとも1種の樹脂から構成される硬質層を少なくとも1層積層させて、積層フィルムを得る工程(a1−1)と、積層フィルムを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、表面に波状凹凸パターン(1A)が形成された凹凸パターン形成シートを得る工程(a1−2)と、該凹凸パターン形成シートの硬質層側の表面にニッケル等の金属を堆積させた後に剥離し、波状凹凸パターン(1A)の転写形状が転写された原版(W)を得る工程(a1−3)とを有する工程等が挙げられる。
なお、硬質層は、加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させる温度条件下で軟化しない層である。軟化しないとは、硬質層のヤング率が100MPa以上であることを意味する。
工程(a1−1):
加熱収縮性樹脂フィルムとは、80〜180℃の温度で加熱した際、特定の方向に収縮(シュリンク)するフィルムのことを意味する。このようなフィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニリデン系シュリンクフィルムなどを用いることができる。また、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどの樹脂から構成されるフィルムも挙げられる。
耐熱性の点では、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルムが好ましい。
本実施形態例では、加熱収縮性樹脂フィルムとして、1軸延伸フィルムを用いる。1軸延伸は、縦延伸、横延伸のいずれであってもよい。
加熱収縮性樹脂フィルムは、延伸倍率1.1〜15倍で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
また、加熱収縮性樹脂フィルムとしては、収縮率が20〜90%のフィルムが好ましく、30〜80%のフィルムがより好ましい。収縮率が前記下限値以上であれば、凹凸パターン形成シートをより容易に製造できる。収縮率が上限値を超える加熱収縮性樹脂フィルムは製造が困難である。
本明細書において、収縮率とは、下記で定義される。
(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}×100/(収縮前の長さ)(ただし、長さは加熱収縮性樹脂フィルムの収縮方向の長さである。)
加熱収縮性樹脂フィルムは、硬質層を容易に形成できることから、表面が平滑であることが好ましい。
加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂(以下、「樹脂L」ともいう。)のガラス転移温度Tgは、−40〜200℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。ガラス転移温度は示差熱分析等により測定できる。ガラス転移温度Tgが上記範囲内であれば、より容易に凹凸パターン形成シートを製造できる。すなわち、Tgが上記範囲内であれば、樹脂Lから構成される加熱収縮性樹脂フィルムを80〜180℃の温度で加熱収縮させることができるため、より容易に凹凸パターン形成シートを製造できる。
加熱収縮性樹脂フィルムの厚みは30〜500μmであることが好ましい。上記範囲内であれば、破れにくく薄型化もできる。なお、厚みは、得られた凹凸パターン形成シートをシート面に対して垂直に切った断面(縦断面)の顕微鏡写真から、10カ所以上無作為に抽出して、加熱収縮性樹脂フィルムの厚さを測定した際の、得られた各数値の平均値である。
樹脂Lのヤング率は、加熱収縮させる工程(a1−2)の温度、すなわち、80〜180℃の温度範囲において、0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。樹脂Lのヤング率が前記下限値以上であれば、実用上使用可能な硬さであり、前記上限値以下であれば、硬質層が変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
上述のようなTgおよびヤング率を有する樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、これらの1種以上を好適に使用できる。
硬質層を構成する樹脂(以下、「樹脂M」ともいう。)としては、たとえば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体などの1種以上を使用できる。
樹脂Mは、凹凸パターン形成シートを容易に形成できる点では、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mと樹脂Lのガラス転移温度Tgとの差(Tg2M−Tg)が10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが特に好ましい。
樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mは、40〜400℃の範囲内にあることが好ましく、80〜250℃の範囲内にあることがより好ましい。Tg2Mが前記範囲内であれば、凹凸パターン形成シートを容易に製造できる。
樹脂Mのヤング率は、加熱収縮させる工程(a1−2)の温度(80〜180℃)において、0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂Mのヤング率が上記下限値以上であれば、波状凹凸パターン(1A)の形状を維持するのに充分な硬さであり、上限値以下であれば、より容易に凹凸パターン形成シートを製造できる。
硬質層の厚さは、0.05μmを超え10.0μm以下とすることが好ましく、0.5〜3.0μmとすることがより好ましい。硬質層の厚さを上記範囲にすることにより、光拡散性の点で、波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチが適切な範囲となる。
硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、工程(a1−2)後に形成される波状凹凸パターン(1A)のピッチおよび深さが連続的に変化するようになる。
硬質層を設け、積層フィルムを得る方法としては、樹脂Mを含む硬質層形成用塗料を加熱収縮性樹脂フィルムに連続的に塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
硬質層形成用塗料の調製方法としては、トルエン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の1種以上の溶媒で、樹脂Mを希釈する方法等が挙げられる。硬質層形成用塗料の固形分濃度(樹脂Mの濃度:硬質層形成用塗料の質量(100質量%)に対して、該塗料中の溶媒が揮発した後に残る固形分の質量の比率)は、塗料の総質量に対して1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
塗料の塗工方法としては、たとえば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
乾燥方法としては、熱風、赤外線等を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
加熱収縮性樹脂フィルムへの樹脂溶液の乾燥塗工量は、1〜10g/mにすることが好ましい。上記範囲内であれば、硬質層の厚みを上記好ましい範囲にとすることができ、硬質層に、波状凹凸パターン(1A)を形成しやすい。
工程(a1−2):
工程(a1−2)では、工程(a1−1)で得られた積層フィルムを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、表面に波状凹凸パターン(1A)と同じパターンが形成された凹凸パターン形成シートを得る。
工程(a1−2)では、30%以上の収縮率で収縮させることが好ましい。収縮率を30%以上にすると、収縮不足の部分(たとえば凹凸が充分に形成されない部分、アスペクト比が充分には大きくない部分等。)を小さくすることができる。一方、収縮率を大きくし過ぎると、得られる凹凸パターン形成シートの面積が小さくなり、歩留まりが低下するため、収縮率の上限は80%が好ましい。
積層フィルムを加熱する方法としては、熱風、蒸気、熱水または遠赤外線中に通す方法等が挙げられ、中でも、均一に収縮させることができることから、熱風または遠赤外線に通す方法が好ましい。
加熱収縮性樹脂フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、使用する加熱収縮性樹脂フィルムの種類、目的とする凹凸パターン形成シートの凸条部の平均ピッチやアスペクト比に応じて適宜設定することが好ましい。
具体的には、該加熱温度は、加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂Lのガラス転移温度Tg以上の温度にすることが好ましい。Tg以上の温度で熱収縮させると、波状凹凸パターン(1A)を容易に形成できる。
また、該加熱温度は、(樹脂Mのガラス転移温度Tg2M+15℃)未満であることが好ましい。
工程(a1−2)の好適な一例としては、上述の工程(a1−1)で得られた積層フィルムを好ましくは80〜180℃、より好ましくは120〜170℃の熱風の中を通過させることにより、加熱収縮性フィルムと硬質層とを変形させて、凹凸パターン形成シートを得る工程であることが好ましい。
積層フィルムを加熱する時間は、1〜3分間が好ましく、1〜2分間がより好ましい。熱風の風速は、1〜10m/sが好ましく、2〜5m/sがより好ましい。
工程(a1−3):
工程(a1−3)は、上述の工程(a1−2)で得られた凹凸パターン形成シートの硬質層側の表面に、たとえばニッケル等の金属を公知の電気鋳造法等で堆積させ、その後、該金属を剥離し、波状凹凸パターン(1A)の転写形状(反転形状)が転写された金属製の原版(W)を得る工程である。
なお、耐熱性等の観点からは、原版(W)の材質はニッケル等の金属が好適であるが、樹脂等であってもよい。また、原版(W)は、波状凹凸パターン(1A)の転写形状(反転形状)を有しているものであればよく、上記のような転写を2回以上繰り返して得たもの等であってもよい。
工程(a2):
工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより、リニアフレネルレンズパターンの転写形状を表面に有する原版(L1)を製造する工程である。該転写形状は、製造する表面微細凹凸シートにおけるリニアフレネルレンズパターンの反転形状である。また、原版(L1)は、リニアフレネルレンズパターンの転写形状を有しているものであればよく、切削加工により形成されたパターンをさらに1回以上転写して得たもの等であってもよい。
工程(a3):
工程(a3)では、原版(W)の上記転写形状が形成された面と、原版(L1)の上記転写形状が形成された面との間に、公知の射出成形法により透明な樹脂を射出する。これにより、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面にリニアフレネルレンズパターンが形成された1層構造の本実施形態例の表面微細凹凸シートが得られる。
射出する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等。)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等の1種以上を使用できる。
(製造方法(B))
表面微細凹凸シートが多層構造である場合には、たとえば電離放射線硬化性樹脂を用いたナノインプリント法を用いた方法により製造できる。
具体的には、上記工程(a1−1)および工程(a1−2)と同様にして、表面に波状凹凸パターン(1A)と同じパターンが形成された凹凸パターン形成シートを得る。ついで、該凹凸パターン形成シートにおける波状凹凸パターン(1A)が形成された面に、離型剤を含む未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂を例えば3〜30μmの厚さに収まるように、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーターなどのコーターで塗布し、その上に、PET等の基材を配置する。そして、電離放射線を照射して硬化させた後、凹凸パターン形成シートを剥離して、波状凹凸パターン(1A)の転写形状(反転形状)が形成された、電離放射線硬化性樹脂硬化物と基材とからなる1次転写品(スタンパ)を得る。
一方、PET等を材料とする透明な基材を別途用意し、その片面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布する。ここで塗布する厚さは、上記1次転写品における波状凹凸パターン(1A)の転写形状の凹凸を充分に覆える厚さとする。そして、塗布された未硬化の電離放射線硬化性樹脂の層に対して、上記1次転写品における波状凹凸パターン(1A)の転写形状が形成された面を押し当て、その状態のまま、電離放射線を照射して硬化させた後、1次転写品を剥離する。
このように1次転写品をスタンパとして使用することにより、PETを材料とする透明な基材と、その片面上に形成された透明な電離放射線硬化性樹脂硬化物の層から構成される2層構造のシートが得られる。電離放射性硬化性樹脂硬化物の層の表面には、波状凹凸パターン(1A)が形成されている。なお、ここでのスタンパとしては、1次転写品に限定されず、転写をさらに繰り返して得たものであってもよい。
電離放射線としては、一般には紫外線および電子線を意味することが多いが、本明細書においては、可視光線、X線、イオン線等も含む。
一方、上記工程(a2)と同様に、リニアフレネルレンズパターンの転写形状を表面に有する原版(L1)を製造する。
ついで、上記で得られた2層構造のシートの電離放射線硬化性樹脂硬化物の層が形成されていない側の面に、未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂をリニアフレネルレンズパターンの転写形状を充分に覆える厚さで塗布する。そして、塗布された未硬化の電離放射線硬化性樹脂の層に対して、先に得られた原版(L1)のリニアフレネルレンズパターンの転写形状を有する面を押し当て、その状態のまま、電離放射線を照射して硬化させた後、原版(L1)を剥離する。電離放射線の照射は、原版(L1)の設けられていない側から行う。
このように原版(L1)をスタンパとして使用することにより、PET等を材料とする透明な基材の他方の面に、リニアフレネルレンズパターンを形成できる。その結果、波状凹凸パターン(1A)を有する電離放射性硬化性樹脂硬化物から構成される層、PET等の基材、リニアフレネルレンズパターンを有する電離放射性硬化性樹脂硬化物から構成される層、がこの順で形成された3層構造の表面微細凹凸シートが得られる。なお、ここでのスタンパとしては、原版(L1)に限定されず、原版(L1)におけるリニアフレネルレンズパターの転写をさらに繰り返して得たものであってもよい。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性である場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂の代わりに、例えば、未硬化のメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いて転写を行ってもよく、転写できる限り、その具体的方法、転写する材料に制限はない。
熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば液状の未硬化の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱により硬化させる方法が挙げられ、熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂のシートを用い、転写対象の面に押し当てながら加熱して軟化させた後、冷却する方法が挙げられる。
スタンパによる転写の具体的な方法については、たとえば、特開2012−022292号公報等を参照できる。
(その他の方法)
表面微細凹凸シートは、たとえば、上記製造方法(A)の一部と、上記製造方法(B)の一部とを適宜組み合わせた方法によっても製造できる。たとえば、上記工程(a1−2)により、表面に波状凹凸パターン(1A)が形成された凹凸パターン形成シートを得る。一方、製造方法(B)において説明したように、PET等の基材の片面に、電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなり、表面にリニアフレネルレンズパターンを有する層を備えた積層体を製造する。そして、一方の表面に波状凹凸パターン(1A)が位置し、他方の表面にリニアフレネルレンズパターンが位置するように、凹凸パターン形成シートと、積層体とを貼り合せる。このような方法でも、表面微細凹凸シートを製造できる。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図7は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、図7(a)は、表面微細凹凸シート10Aの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シート10Aと、複数の点光源(図示例では3つ。)21が一直線状に並んで形成される1列の光源列21Aと、各点光源21から出射された光を集光する、各点光源21毎に設けられた複数の集光レンズ(図示例では、点光源の数と同じ3つ。)20とを有する。そして、表面微細凹凸シート10Aの波状凹凸パターンの主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向との成す角度が、図7(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内とされている。この例では、波状凹凸パターンの主拡散方向と、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とがいずれも図7中A方向であり、互いに平行となっている。
また、表面微細凹凸シート10Aの線状凹凸パターン形成面12(リニアフレネルレンズパターン12Aが形成されている面)側に、光源列21Aが配置されており、各点光源21から出射した光は集光レンズ20で集光された後、線状凹凸パターン形成面12から入射し、波状凹凸パターン(1A)が形成された波状凹凸パターン形成面11から出射するようになっている。
波状凹凸パターンの主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向との成す角度は、±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°(すなわち、平行。)であることがさらに好ましい。また、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの延在方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向との成す角度は、図7(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内が好ましく、±10°の範囲内がより好ましく、±5°の範囲内がさらに好ましく、0°(すなわち、平行。)であることが最も好ましい。
このような表示装置用照明ユニットにおいて、各点光源21から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、リニアフレネルレンズパターン12Aが形成された線状凹凸パターン形成面12に入射する。そして、先に図6を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aの配列方向と、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)とからなる面内成分は、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向と平行になるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Aの内部を透過し、波状凹凸パターン形成面11から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Aの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターンの低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Aの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面11側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Aの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Aの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Aの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とが±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
表面微細凹凸シート10Aのどちらの面側に光源列21Aを配置するかは、目的に応じて設定できる。波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側と反対の側にあると、輝度ムラ解消効果および正面輝度向上効果が高く、波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側にあると、視野角確保効果が高い。
なお、図7においては、表示装置用照明ユニットが具備する電源部、制御部、電源部および制御部を収納する筐体等の図示は省略している。
また、この例では、表示装置用照明ユニットの有する光源列21Aは1列であるが、2列以上であってもよい。また、少なくとも1列の光源列があれば、光源列外に、点光源が存在していてもよい。
また、たとえば、点光源が縦横に複数ずつ並んでいる場合には、縦の列および横の列のいずれか一方の配列方向と、表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンの主拡散方向との成す角度が、上記範囲内であればよい。
本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、上述のとおり、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。そのため、たとえば、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を鮮明に、かつ上下方向および左右方向に拡散させつつ表示させる必要があるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
〔第2実施形態例〕
図8は、第2実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である。
第2実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面に形成されている波状凹凸パターンが、上述の波状凹凸パターン(1)に該当するパターンではなく、上述の波状凹凸パターン(2)(すなわち、特定の方向に沿わない凹凸が形成されたパターン)に該当する波状凹凸パターン(2A)である点のみで、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと異なる。
表面微細凹凸シートの他方の面には、線状凹凸パターンとしてリニアフレネルレンズパターンが形成されている点等、その他の点は第1実施形態例と同様である。そして、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
第2実施形態例の表面微細凹凸シートが有する波状凹凸パターン(2A)は、図8に示すように、波状凹凸パターン形成面に沿って折れ曲がりながら、特定の方向に沿わずに延びる複数の凸条部と、該複数の凸条部間の複数の凹条部とにより形成されている。凸条部は、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。また、各凹条部は、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
波状凹凸パターン(2)の凸条部の平均ピッチおよびアスペクト比等の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例と同様である。
なお、平均ピッチは、次の方法で求めることが好適である。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により波状凹凸パターン形成面の上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、たとえば特開2008−279597号公報の段落[0002]等に記載されており、これを参照できる。
波状凹凸パターン(2A)は、上述のように、特定の方向に沿わない凹凸が形成されたパターンであり、光拡散性の異方性が弱められている。そのため、第1実施形態例と比較すると、波状凹凸パターンの主拡散方向と低拡散方向とにおける拡散角度の差は小さい。しかしながら、波状凹凸パターン(2A)の主拡散方向と、線状凹凸パターンの凸条部の延在方向との成す角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である点等は、第1実施形態例と同様である。
主拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、たとえば10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。また、たとえば40°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。
一方、低拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向の拡散角度よりも小さく、かつ、たとえば5°以上であることが好ましく、7°以上であることがより好ましい。また、たとえば30°以下であることが好ましく、17°以下であることがより好ましい。
第2実施形態例の波状凹凸パターンの主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、上記平均ピッチ、アスペクト比等を調整すること等により制御できる。
第2実施形態例の表面微細凹凸シートの好ましい厚み等は、第1実施形態例の表面微細凹凸シート10Aと同程度である。
第2実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上の多層構造であってもよい。
また、第2実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例と同様の方法で製造できる。ただし、第2実施形態例では、工程(a1−1)において、加熱収縮性樹脂フィルムとして、2軸延伸フィルムを用いる。2軸延伸フィルムを用いることにより、図8に示すような特定の方向に沿わない凹凸が形成される。また、使用する2軸延伸フィルムの縦延伸倍率および横延伸倍率を調整し、縦収縮率および横収縮率を調整することにより、主拡散方向の拡散角度と、低拡散方向の拡散角度とのバランスが適宜調整された波状凹凸パターン(2A)を形成できる。縦収縮率および横収縮率の好ましい各範囲は、各々、第1実施形態例における収縮率の好ましい範囲と同じである。加熱収縮性樹脂フィルムの材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第1実施形態例と同様である。
また、本実施形態例の波状凹凸パターン(2A)の形成には、特開2008−304651号公報(特許第5098450号公報)等を参照できる。
〔第3実施形態例〕
図9は、第3実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である。第3実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面に形成されている波状凹凸パターンは、第1実施形態例と同様に、先に説明した波状凹凸パターン(1)に該当する。
第3実施形態例の表面微細凹凸シートにおける波状凹凸パターンは、波状凹凸パターン(1)に該当するが、第1実施形態例の波状凹凸パターン(1A)は、図4に示したように、凸条部11aの縦断面形状において、先端側と基端側とを結ぶ線は、先端側から基端側に向けて滑らかに連続的に下降しているのに対して、本実施形態例の波状凹凸パターン(1B)は、図10に示すように、凸条部11bの縦断面形状において、先端側(頂部)と基端側とを結ぶ線が、微細な多数の凹凸を有する微細凹凸状である点で、第1実施形態例の表面微細凹凸シート10Aと異なる。微細な多数の凹凸は、後述の波状凹凸パターン(1−a)によるものである。
第3実施形態例の表面微細凹凸シートにおいても、表面微細凹凸シートの他方の面には、線状凹凸パターンとしてリニアフレネルレンズパターンが形成されている点等、その他の点は第1実施形態例と同様である。そして、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、先に説明した表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
図10に示すように、波状凹凸パターン(1B)は、凸条部32aと凹条部32bとから構成される波状凹凸パターン(1A)と、その上に形成された、凸条部33aと凹条部33bとから構成される別の微細な波状凹凸パターン(1−a)により形成されている。
波状凹凸パターン(1−a)は、筋状に延びる複数の凸条部33aと、該複数の凸条部33a間の複数の凹条部33bとが一方向に交互に繰り返されるパターンであって、波状凹凸パターン(1A)の凸条部32aの配列方向と、波状凹凸パターン(1−a)の凸条部33aの配列方向とはほぼ同じ方向である。
波状凹凸パターン(1−a)は、以下の特徴を有する。
(a’)各凸条部33aが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凸条部33aの稜線が蛇行し、隣接する凸条部33aの稜線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に稜線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の稜線が途中で枝分かれしたり、複数の稜線が途中で合一していてもよい。
(b’)各凹条部33bが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凹条部33bの谷線が蛇行し、隣接する凹条部33bの谷線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に谷線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の谷線が途中で枝分かれしたり、複数の谷線が途中で合一していてもよい。
また、波状凹凸パターン(1−a)では、各凸条部33aの縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断される切断面における形状。)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
また、各凸条部33aの上記縦断面形状は、それぞれが基端側から先端側に向かって細くなる先細り形状であるとともに、先端が丸みを帯びている。なお、波状凹凸パターン(1−a)は、各凸条部33aの上記縦断面形状において、先端側と基端側を結ぶ線は、滑らかであり、先端側から基端側に向けて連続的に下降している。また、各凸条部33aは、上述の縦断面形状およびその面積のうちの少なくとも一方が、当該凸条部33aの延在方向(筋状に延びている方向)に沿って変化しており、一定でない。
また、各凸条部33aにおいて、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
また、各凹条部33bにおいて、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
凸条部32aの平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりである。
波状凹凸パターン(1−a)の凸条部33aの平均ピッチは、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.4〜1.0μmであることがより好ましく、0.5〜0.8μmであることがさらに好ましい。平均ピッチが上記範囲内であると、光拡散性が損なわれない。
凸条部33aの平均ピッチは、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの平均ピッチと同様の方法で求めることができる。すなわち、隣り合う凸条部33aが20本以上含まれる平面画像を得て、凸条部33aの20本分について、凸条部33aの配列方向に沿う長さを5箇所測定し、測定値の平均値を20で割ることにより求められる。
また、平均ピッチは、次の方法でも求められる。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により波状凹凸パターン形成面の上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、最頻ピッチの求め方として、たとえば国際公開第2014/002850号等に記載されており、これを参照できる。最頻ピッチと平均ピッチは、同等に扱うことができる。
波状凹凸パターン(1−a)の凸条部33aの平均ピッチに対する平均高さの比、すなわちアスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)は、0.25〜0.35であることが好ましく、0.28〜0.33であることがさらに好ましい。アスペクト比が上記範囲内であると、光拡散性が損なわれない。
波状凹凸パターン(1−a)のアスペクト比Aは、凸条部33aの平均高さ/平均ピッチで求められる値であって、概略、第1実施形態例において説明した波状凹凸パターン(1A)のアスペクト比と同様の方法で求められる。
すなわち、図10において、波状凹凸パターン(1−a)の凸条部33aの高さは、両隣の2つの凹条部33bの底部から、凸条部33aの頂部までの距離の和の1/2である。ここで、凹条部33bの底から凸条部33aの頂部までの距離は、凸条部32aの頂部と、凹条部32bを結ぶ線に平行であり、かつ、凸条部33aの頂部を通過する仮想線に対して垂直方向の距離である。すなわち、波状凹凸パターン(1−a)を形成する凸条部33aの高さは、凸条部33aに対して一方側の凹条部33bの底部から計測した凸条部33aの高さをL、他方側の凹条部33bの底部から計測した高さをRとした際に、b=(L+R)/2となる。このようにして各凸条部33aの高さbを求める。そして、50個の凸条部33aの高さRを測定し、それらの高さを平均して平均高さを求める。
本実施形態例の表面微細凹凸シートにおいて、波状凹凸パターンの主拡散方向は、先に説明した方法により求めることができ、波状凹凸パターン(1A)の凸条部32aの配列方向にほぼ平行な図10中A方向である。
主拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、たとえば10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。また、たとえば40°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。
一方、主拡散方向に対して垂直な低拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向の拡散角度よりも小さく、かつ、たとえば2°以上であることが好ましい。また、15°以下であることが好ましい。
主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、波状凹凸パターン(1A)および(1−a)それぞれの凸条部11b,33aの平均ピッチ、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)等を調整すること等により制御できる。
第3実施形態例の表面微細凹凸シートの好ましい厚み等は、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同程度である。
第3実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シート10Aと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a1−1)では、硬質層を形成するために使用する硬質層形成用塗料として、硬質層を形成するための樹脂を2種類(以下、「樹脂M1」および「樹脂N1」という。)使用する。このように2種類の樹脂を使用することにより、波状凹凸パターン(1A)および(1−a)から構成される波状凹凸パターン(1B)を形成できる。
また、本実施形態例の波状凹凸パターン(1B)の形成には、国際公開第2014/002850号等を参照できる。
加熱収縮性樹脂フィルムとしては、1軸延伸フィルムを用いる。その材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第1実施形態例と同様である。
硬質層の形成に用いる樹脂M1および樹脂N1としては、各々、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。
樹脂M1および樹脂N1は、波状凹凸パターン(1B)の形成しやすさの点から、ガラス転移温度が互いに異なることが好ましく、具体的には、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mが樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nよりも高いことが好ましい。さらには、(樹脂M1のガラス転移温度Tg2M)−(樹脂N1のガラス転移温度Tg2N)が10℃以上であることが好ましく、12℃以上であることがより好ましい。
一方、Tg2M−Tg2Nが20℃以下であることが好ましく、18℃以下であることがより好ましい。すなわち、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mと、樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nとの差は、10〜20℃であることが好ましい。より好ましくは、12〜18℃である。
波状凹凸パターン(1B)の形成しやすさの点から、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mと樹脂L1のガラス転移温度Tgとの差(Tg2M−Tg)、樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nと樹脂L1のガラス転移温度Tgとの差(Tg2N−Tg)が共に10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが特に好ましい。
樹脂M1および樹脂N1のガラス転移温度Tg2M,Tg2Nは共に40〜400℃の範囲内にあることが好ましく、80〜250℃の範囲内にあることがより好ましい。Tg2M,Tg2Nが上記範囲内であれば、より容易に波状凹凸パターン(1B)を形成できる。
樹脂M1および樹脂N1のヤング率は、工程(a1−2)の温度、すなわち80〜180℃において、0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂M1および樹脂N1のヤング率が上記範囲の下限値以上であれば、波状凹凸パターン(1B)の形状を維持するのに充分な硬さであり、ヤング率が上記範囲の上限値以下であれば、より容易に波状凹凸パターン(1B)を形成できる。
硬質層の厚さは、第1実施形態例と同じ範囲が好ましく、厚さが連続的に変化していても構わない点も同様である。
硬質層を設ける方法としては、硬質層形成用塗料として、樹脂M1および樹脂N1を含む塗料を使用する点以外は、第1実施形態例と同様である。
なお、上記製造方法において、波状凹凸パターン(1B)の特性(ピッチ、アスペクト比等。)は、たとえば樹脂M1と樹脂N1の配合比率、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率を調整することで制御できる(たとえば、国際公開第2014/002850号等参照。)。
〔第4実施形態例〕
図11は、第4実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である。第4実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面に形成されている波状凹凸パターンは、第1実施形態例と同様に、先に説明した波状凹凸パターン(1)に該当する。
図12は、本実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン(1C)を示すものであって、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、波状凹凸パターン(1C)の凸条部の配列方向に沿って切断した縦断面図である。
第4実施形態例の表面微細凹凸シートにおける波状凹凸パターン(1C)は、上述のとおり、波状凹凸パターン(1)に該当するが、第1実施形態例の波状凹凸パターン(1A)は、図4に示したように、凸条部の縦断面形状11aにおいて、先端側と基端側とを結ぶ線は、先端側から基端側に向けて滑らかに連続的に下降しているのに対して、本実施形態例の波状凹凸パターン(1C)は、図12に示すように、凸条部42aの縦断面形状において、先端側と基端側を結ぶ線の途中に、外方に突出する複数の凸部43がランダムに形成されている点で、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと異なる。凸部43は、凹条部42b上や凸条部42aの頂部上に形成されていてもよい。
表面微細凹凸シートの他方の面には、線状凹凸パターンとしてリニアフレネルレンズパターンが形成されている点等、その他の点は第1実施形態例と同様である。そして、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
波状凹凸パターン(1C)は、凸条部42aおよび凹条部42bによる波状凹凸パターン(1A)とその上にランダムに形成された多数の凸部43とからなり、波状凹凸パターン(1A)は、主拡散方向への拡散を主に担い、該波状凹凸パターン(1A)上に形成された凸部43は、該波状凹凸パターン(1A)による光拡散性の異方性を適度に弱め、低拡散方向の拡散角度を増加させる作用を奏する。
主拡散方向の拡散角度は、たとえば18°以上、好ましくは23°以上、より好ましくは25°以上である。主拡散方向の拡散角度の上限は、特に制限はないが、たとえば30°である。低拡散方向の拡散角度は、たとえば4°以上、好ましくは8°以上、より好ましくは10°以上である。低拡散方向の拡散角度の上限値は、特に制限はないが、たとえば20°である。
なお、本実施形態例では、波状凹凸パターン(1A)上に凸部43が形成された態様が示されているが、凸部の代わりに凹部が形成されていてもよく、凹部も凸部と同じ作用を奏する。
凸条部42aの平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりである。
波状凹凸パターン(1A)上に形成された凸部43の平均径は、1〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましく、4〜6μmがさらに好ましい。
凸部の平均径Dは、図11のような平面画像において、20個の凸部43を任意に選択し、波状凹凸パターン(1A)の凸条部42aの配列方向に沿って、各凸部43の径(凸条部42aの配列方向に沿う最大長さ)を測定した各値を平均することで求められる。
平均径Dは、次の方法で求めることもできる。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により波状凹凸パターン形成面の上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析により求める。この方法は、最頻径の求め方として、たとえば特開2014−206728号公報(特許第5660235号公報)に記載されており、これを参照できる。平均径と最頻径は、同等に扱うことができる。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部42aの平均ピッチ、凸部43の平均径をそれぞれ上記範囲内で調整することにより、主拡散方向および低拡散方向それぞれの拡散角度を適度に制御できる。
凸条部42aの平均高さは、3〜7μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。凸条部42aの平均高さが上記範囲であると、光拡散性が充分に得られる。
本実施形態例において、凸条部42aの平均高さは、以下のように測定、定義される。
まず、図12のような縦断面図を得て、凸部43が存在していない部分の凸条部42aの断面図から、該凸条部42aの高さHを求める。具体的には、凸条部42aの高さHは、該凸条部42aの頂部Tと該凸条部42aの一方側に位置する凹条部42bの底部B11との垂直距離をH1とし、該凸条部42aの頂部Tと該凸条部42aの他方側に位置する凹条部42bの底部B21との垂直距離をH2とした場合に、H=(H1+H2)/2で求められる。
このような計測を凸部43が存在していない凸条部42aの50箇所に対して行い、50のデータの平均値を「凸条部の平均高さ」と定義する。
一方、凸部43の平均高さは、0.5〜3μmが好ましく、より好ましくは1〜2μmである。凸部43の平均高さが上記範囲であると、波状凹凸パターンの光拡散性の異方性を適度に弱めることができ、主拡散方向および低拡散方向の両方の拡散角度を制御しやすい。
本実施形態例において、凸部43の平均高さは、以下のように測定、定義される。
まず、図12のような断面図を得て、波状の凹凸パターン(1A)に由来する形状と、凸部43に由来する形状とに波形分離する。なお、波形分離は、波状凹凸パターン(1A)に由来する形状をサインカーブとして行う。ついで、図12の断面図から、波状凹凸パターン(1A)に由来する形状を差し引き、図13に示すように、凸部43に由来する形状のみの断面図を得る。そして、図13の断面図において、凸部43の高さH’を、H’=(H1’+H2’)/2として求める。H1’は、図13の断面図において、凸部43の頂部T’と該凸部43の一方側のベースラインLαとの垂直距離であり、H2’は、凸部43の頂部T’と該凸部43の他方側のベースラインLβとの垂直距離である。
このような計測を50個の凸部43に対して行い、50のデータの平均値を「凸部の平均高さ」と定義する。
波状凹凸パターン形成面における凸部43の占有面積割合は、30〜70%が好ましく、より好ましくは40〜60%、さらに好ましくは45〜55%である。凸部43の占有面積割合が上記範囲であると、波状凹凸パターン(1A)の光拡散性の異方性を適度に弱めることができ、主拡散方向および低拡散方向の両方の拡散角度を上記範囲に制御しやすい。
波状凹凸パターン形成面における凸部43の占有面積割合γ(%)は、以下のように測定、定義される。
まず、図11のような光学顕微鏡画像を得て、視野全体の面積S2(例えば縦0.4〜1.6mm、横0.5〜2mm)中に認められる凸部43の個数nを数え、視野全体において、n個の凸部43によって占有されている面積S1=nrπを求める。占有面積割合γ(%)は以下の式により求められる。
γ(%)=S1×100/S2(ただし、式中のrは、凸部の平均径の1/2(すなわち半径)である。)
本実施形態例の表面微細凹凸シートにおいて、波状凹凸パターンの主拡散方向は、先に説明した方法により求めることができ、波状凹凸パターン(1A)の凸条部42aの配列方向にほぼ平行な図12中A方向である。一方、主拡散方向に対して垂直な方向は、拡散角度の低い「低拡散方向」である。
主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、波状凹凸パターン(1A)の凸条部42aの平均ピッチ、平均高さ、凸部43の平均径、平均高さ、占有面積等を調整すること等により制御できる。
第4実施形態例の表面微細凹凸シートの好ましい厚み等は、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同程度である。
第4実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a1−1)において、硬質層を形成するために使用する硬質層形成用塗料として、硬質層を形成するための樹脂Mとともに粒子を含有する塗料を用いる点で異なる。粒子を用いることにより、凸部43を有する波状凹凸パターン(1A)を形成できる。
また、本実施形態例の波状凹凸パターン(1C)の形成には、特開2014−206728号公報(特許第5660235号公報)を参照できる。
加熱収縮性樹脂フィルムとしては、1軸延伸フィルムを用いる。その材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第1実施形態例と同様である。
硬質層やその材質(樹脂M)、樹脂Mのガラス転移温度およびヤング率等も、第1実施形態例と同様である。
粒子を構成する材料には、樹脂Lのガラス転移温度Tgより10℃高い温度未満では、熱により粒子形状が変化しない材料の1種以上を用いることができる。
例えば、粒子を構成する材料が、ガラス転移温度を有する樹脂およびガラス転移温度を有する無機材料からなる群から選ばれる1種以上である場合、そのガラス転移温度Tgが、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mと同様の条件を満たすこと、すなわち、(Tg−Tg)が10℃以上となるように選択されることが必要であり、(Tg−Tg)が20℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましい。(Tg−Tg1)が10℃以上であると、上述の加工温度において、粒子が変形した溶融したりしない。
粒子を構成する材料が、ガラス転移温度を有さない材料、例えば内部架橋型樹脂などである場合には、そのビカット軟化温度(JIS K7206に規定)が、上述の条件を満たすこと、すなわち、樹脂Lのガラス転移温度より10℃以上高いことが好ましく、20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。
本明細書において、ガラス転移温度Tgについての好ましい温度範囲などの記載は、粒子がガラス転移温度を有さず、ビカット軟化温度を有する材料からなる場合、そのビカット軟化温度にも該当するものとする。
さらに、粒子を構成する材料としては、ガラス転移温度、ビカット軟化温度が測定できないものであっても、加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂Lのガラス転移温度Tgより10℃高い温度未満において、熱により粒子形状が変化しない材料であれば、使用可能である。
Tgは、40〜400℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。Tgが40℃以上であれば、工程(a1−2)の温度を室温またはそれ以上にすることができて有用であり、Tgが400℃を超えるような粒子を使用することは、経済性の面から必要性に乏しい。
粒子を構成する樹脂としては、そのガラス転移温度Tg(またはビカット軟化点。)が上述の条件を満たすように、加熱収縮性樹脂フィルムの種類等に応じて選択され、例えば、アクリル系熱可塑性樹脂粒子、ポリスチレン系熱可塑性樹脂粒子、アクリル系架橋型樹脂粒子、ポリスチレン系架橋型樹脂粒子などが挙げられる。また、無機材料としては、ガラスビーズなどが挙げられる。
粒子の粒径dは、形成される硬質層の厚みtより大きいことが必要であり、硬質層の厚みtに応じて設定される。また、凸部43の平均径が、上述の好適な範囲となるように、適宜設定される。好ましい粒径dは、例えば、5〜10μmで、より好ましくは5〜8μmである。
工程(a1−1)においては、硬質層形成用塗料として、樹脂Mおよび粒子を含む塗料を使用し、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、厚みt’が0.05μmを超え、10μm以下である硬質層を形成する。この時点での硬質層は、折り畳むように変形していない。すなわち、厚みt’は変形前の硬質層の厚さである。
硬質層は、このように硬質層形成用塗料を加熱収縮性樹脂フィルムに直接塗工して設ける代わりに、あらかじめ作製した硬質層(樹脂M中に粒子が分散してなるフィルム)を加熱収縮性フィルムに積層する方法で設けてもよい。
樹脂Mおよび粒子を構成する樹脂としては、それぞれすでに例示したものを使用できるが、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mと、粒子のガラス転移温度Tgとが、樹脂Lのガラス転移温度Tgよりも10℃以上高くなるように各材質を選択し、組み合わせることが重要である。このようにそれぞれの材質を選択したうえで、厚みt’が0.05μmを超え10μm以下である硬質層を加熱収縮性樹脂フィルムの片面に設けると、次の工程(a1−2)を経ることにより、凸条部42aの平均ピッチ、平均高さが上記範囲の波状凹凸パターン(1C)が形成されやすい。
本実施形態例において、硬質層形成用塗料中の樹脂Mの好ましい固形分濃度の範囲は、第1実施形態例と同様である。粒子の量は、樹脂Mの正味量100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、20〜30質量部であることがより好ましい。このような範囲であると、形成される凸部43の占有面積割合を上述の好適な範囲内に制御することができる。
なお、塗工する硬質層の厚みt’は、0.05μmを超え10μm以下の範囲内であれば、連続的に変化していても構わない。その場合、変形工程により形成される凸条部42aのピッチおよび深さが連続的に変化するようになる。硬質層の厚みt’は、次の工程(a1−2)を経てもほとんど変化せす、t’=tと考えることができる。
硬質層の厚さが薄いほど、また、硬質層のヤング率が低いほど、波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチが小さくなり、また、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率が高いほど、凸条部42aの高さが大きくなる。したがって、これらの条件を調整すれば、波状凹凸パターン(1A)の凸条部42aのピッチおよび高さを所望の値に制御できる。
工程(a1−1)以外は、第1実施形態例と同様に行う。
〔第5実施形態例〕
図14は、第5実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面の光学顕微鏡画像である。第5実施形態例の表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン形成面に形成されている波状凹凸パターンは、第1実施形態例と同様に、先に説明した波状凹凸パターン(1)に該当する。
第5実施形態例の表面微細凹凸シートにおける波状凹凸パターン(1D)は、上述の波状凹凸パターン(1A)に加えて、別の波状凹凸パターン(1−b)を有する。
図15(a)は、第5実施形態例の表面微細凹凸シート10Dについて、法線方向から観察した様子を示す模式的な平面図、図15(b)は、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、後述の波状凹凸パターン(1−b)の凸条部11cの配列方向に平行な側面を示す側面図、図15(c)は、表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11dの配列方向に平行な側面の側面図である。
波状凹凸パターン(1A)における凸条部11dの配列方向と、波状凹凸パターン(1−b)における凸条部11cの配列方向とは、ほぼ直交し、これらの配列方向のなす角度は、波状凹凸パターンを平面視した場合において90±10°の範囲内である。
表面微細凹凸シート10Dの他方の面には、線状凹凸パターンとしてリニアフレネルレンズパターン12Aが形成されている点等、その他の点は第1実施形態例と同様である。そして、第1実施形態例の表面微細凹凸シート10Aと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シート10Dも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
波状凹凸パターン(1D)は、凸条部11dと凸条部11cとが互いにほぼ直交(±10°の範囲内)しているパターン、すなわち、波状凹凸パターン(1A)と波状凹凸パターン(1−b)とが重畳したパターンであるため、光拡散性の異方性が弱められており、波状凹凸パターンの主拡散方向と低拡散方向とにおける拡散角度の差は小さい傾向にある。
波状凹凸パターン(1−b)は、波状凹凸パターン(1A)と同様に、以下の特徴を有する。
(a’)各凸条部11cが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凸条部11cの稜線が蛇行し、隣接する凸条部11cの稜線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に稜線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の稜線が途中で枝分かれしたり、複数の稜線が途中で合一していてもよい。
(b’)各凹条部11eが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凹条部11eの谷線が蛇行し、隣接する凹条部11eの谷線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に谷線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の谷線が途中で枝分かれしたり、複数の谷線が途中で合一していてもよい。
また、波状凹凸パターン(1−b)において、各凸条部11cの縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部11cの配列方向に沿って切断される切断面における形状。)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
また、各凸条部11cの上記縦断面形状は、それぞれが基端側から先端側に向かって細くなる先細り形状であるとともに、先端が丸みを帯びている。なお、波状凹凸パターン(1−b)は、各凸条部11cの上記縦断面形状において、先端側と基端側を結ぶ線は、滑らかであり、先端側から基端側に向けて連続的に下降している。また、各凸条部11cは、上述の縦断面形状およびその面積のうちの少なくとも一方が、当該凸条部11cの延在方向(筋状に延びている方向)に沿って変化しており、一定でない。
また、各凸条部11cにおいて、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
また、各凹条部11eにおいて、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
波状凹凸パターン(1D)を構成している波状凹凸パターン(1A)の凸条部11dの平均ピッチおよびアスペクト比の求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりであり、波状凹凸パターン(1−b)の凸条部11cについても同様である。波状凹凸パターン(1A)および(1−b)の平均ピッチおよびアスペクト比は、適宜調整できるが、波状凹凸パターン(1A)よりも波状凹凸パターン(1−b)の方が、小さいことが好ましい。
たとえば本実施形態例においては、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11dの平均ピッチは、5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましく、15〜30μmであることがさらに好ましい。平均ピッチが上記範囲の下限以上であると、表面微細凹凸シートを容易に製造できる。平均ピッチが上記範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シートを照明装置に使用した場合に、波状凹凸パターン(1A)が好ましくない輝線として視認されにくい。
一方、波状凹凸パターン(1−b)の凸条部11cの平均ピッチは、1〜25μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、5〜15μmであることがさらに好ましい。平均ピッチが上記範囲内であると、表面微細凹凸シート10Dを容易に製造できる。
波状凹凸パターン(1A)および(1−b)の各凸条部11c,11dのアスペクト比は、それぞれ、0.1〜1.0であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましく、0.3〜0.6であることがさらに好ましい。
波状凹凸パターン(1A)のアスペクト比が、上記範囲の下限値以上であると、波状凹凸パターン(1A)により視野角確保効果、輝度ムラ解消効果が充分に得られ、上記範囲の上限値以下であると、波状凹凸パターン(1A)を容易に形成できる。波状凹凸パターン(1−b)のアスペクト比が上記範囲内であると、光拡散性が損なわれない。
本実施形態例の表面微細凹凸シート10Dにおいて、波状凹凸パターンの主拡散方向は、先に説明した方法により求めることができる。
主拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、たとえば10°以上であることが好ましく、たとえば15°以上であることがより好ましい。また、たとえば40°以下であることが好ましく、たとえば30°以下であることがより好ましい。
一方、主拡散方向に対して垂直な方向は、拡散角度の低い「低拡散方向」である。
低拡散方向における光の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向の拡散角度よりも小さく、かつ、たとえば2°以上であることが好ましい。また、15°以下であることが好ましい。
主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、波状凹凸パターン(1A)および(1−b)それぞれの凸条部11c,11dの平均ピッチ、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)等を調整すること等により制御できる。
第5実施形態例の表面微細凹凸シート10Dの好ましい厚み等は、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同程度である。
第5実施形態例の表面微細凹凸シート10Dは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a1)のうちの工程(a1−1)のみ異なる。
すなわち、第1実施形態例の工程(a1−1)では、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面が平滑な硬質層を積層させるが、本実施形態例の製造方法における工程(a1−1)では、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面に波状凹凸パターン(1−b)が形成された硬質層を形成する。硬質層の形成には、未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂を用いる。
また、本実施形態例の波状凹凸パターン(1D)の形成には、特開2012−252149号公報(特許第5637074号公報)等を参照できる。
以下に本実施形態例における工程(a1−1)を説明する。
加熱収縮性樹脂フィルムとしては、1軸延伸フィルムを用いる。その材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第1実施形態例と同様である。加熱収縮性樹脂フィルムとしては、透光性(透明)のものを用いる。
ついで、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター等のコーターで、未硬化の電離放射線硬化性樹脂のうちの1種以上を加熱収縮性樹脂フィルムの片面に塗工し、塗工層を形成する。そして、表面に波状凹凸パターン(1−b)の転写形状を有するスタンパを用意し、該スタンパを塗工層に押し当て、その状態のまま、加熱収縮性樹脂フィルム側から電離放射線を照射し、電離放射線硬化性樹脂を硬化させ、硬化層を形成する。その後、スタンパを剥離する。
この際、スタンパにおける凸条部の延在方向と、加熱収縮性樹脂フィルムの加熱収縮の方向とが一致するように、スタンパを押し当てる。
これにより、加熱収縮性フィルムの片面に、波状凹凸パターン(1−b)が形成された硬質層を有する積層フィルムが得られる。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、第1実施形態例の製造方法(B)で例示したものを好適に使用できるが、なかでも、硬化後のガラス転移温度が、加熱収縮性樹脂フィルムを構成している樹脂Lよりも10℃以上高く、また、ヤング率が0.01〜300GPa、好ましくは0.1〜10GPaの樹脂が好適である。
硬質層の厚さは、0.5μmを超え、20μm以下とすることが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
ガラス転移温度およびヤング率が上記の条件を満たし、かつ、硬質層の厚さが上記範囲内であれば、本実施形態例における波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチを上記範囲内に調整しやすい。硬質層の厚さが上記範囲の下限値未満であると、波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチが小さくなり過ぎる傾向にあり、上記範囲の上限値を超えると、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮が阻害され、波状凹凸パターン(1A)が良好に形成されない傾向にある。
なお、電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性である場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂の代わりに、例えば、未硬化のメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いて転写を行ってもよく、転写できる限り、その具体的方法、転写する材料に制限はない。
熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば液状の未硬化の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱により硬化させる方法が挙げられ、熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂のシートを用い、転写対象の面に押し当てながら加熱して軟化させた後、冷却する方法が挙げられる。
工程(a1−1)の後、第1実施形態例と同様にして工程(a1−2)を行い、加熱収縮性フィルムを収縮させることにより、表面に、波状凹凸パターン(1D)が形成された凹凸パターン形成シートを得る。
ついで、第1実施形態例と同様にして工程(a1−3)を行い、波状凹凸パターン(1D)の転写形状が転写された原版(W)を得る。
硬質層の厚さが薄いほど、また、硬質層のヤング率が低いほど、波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチが小さくなり、また、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率が高いほど、凸条部11dの高さが大きくなる。したがって、これらの条件を調整すれば、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11dのピッチおよび高さを所望の値に制御できる。
なお、表面に波状凹凸パターン(1−b)の転写形状を有するスタンパは、第1実施形態例における工程(a1)と同様の手法で製造できる。また、たとえば特開2012−252149号公報(特許第5637074号公報)を参照できる。
工程(a1−1)以外は、第1実施形態例と同様に行う。
<第6〜第15実施形態例>
〔第6実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第1実施形態例と異なっている。
[波状凹凸パターン]
本実施形態例では、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)が形成されている。
[線状凹凸パターン(頂角一定型リニア三角プリズムパターン)]
図16は、一方の面が頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bが形成された面(図16中下側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートの断面図である。
本実施形態例の表面微細凹凸シートの線状凹凸パターン形成面に設けられた頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bは、図16に示すように、凸条部12bの縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断される切断面における形状。)が、いずれも、頂角が図中下方を向く二等辺三角形となっている。
図16を用いて、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの作用について、説明する。
頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bに対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向(図中m方向)と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(図中n方向)とからなる面内成分は、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの頂角を適切に制御することにより、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(図中n方向)とほぼ±10°以内の角度をなすように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きがほぼ正面に向けて立ち上がる。頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bのピッチ、二等辺三角形の頂角の大きさ等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向とからなる面内成分が、頂角一定型リニア三角プリズムパターン形成面の法線方向とほぼ±10°以内の角度をなすように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの好ましいピッチは、第1実施形態例にて説明したリニアフレネルレンズパターン12Aと同様の範囲である。
集光レンズ20から出射する光の照射角は、2〜50°であることが好ましく、5〜40°がより好ましく、10〜30°がさらに好ましい。該照射角が上記範囲の下限値以上であると、集光レンズ20から出射した光の広がりが充分であり、表面微細凹凸シートから出射する光の輝度ムラが解消される。該照射角が上記範囲の上限値以下であると、集光レンズ20から出射した光の進行ベクトルのうち、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向とからなる面内成分を、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの法線方向とほぼ±10°以内の角度をなすように屈折させる効果を充分に有し、正面輝度向上効果に優れる。
[表面微細凹凸シート]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が、波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シートを、第1実施形態例と同様に、複数の点光源が並んで形成される光源列と特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上からなる多層構造でもよい。また、好ましい厚みは、第1実施形態例と同様である。
[表面微細凹凸シートの製造方法]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L2)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)の上記転写形状が形成された面と、原版(L2)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L2)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第1実施形態例と同様に行う。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図17は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を示す概略構成図であり、図17(a)は、表面微細凹凸シート10Eの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、図17(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、図17(c)は頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいても、第1実施形態例の場合と同様に、各点光源21から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bが形成された線状凹凸パターン形成面12に入射する。そして、先に図16を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)とからなる面内成分は、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向とほぼ±10°以内の角度をなすように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Eの内部を透過し、波状凹凸パターン形成面11から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図17中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Eの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Eの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面11側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Eの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Eの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Eの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とが図17(a)のように平面視した場合において±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
表面微細凹凸シート10Eのどちらの面側に光源列21Aを配置するかは、目的に応じて設定できる。波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側と反対の側にあると、輝度ムラ解消効果および正面輝度向上効果が高く、波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側にあると、視野角確保効果が高い。
〔第7実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第2実施形態例と異なっている。第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L2)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(2A)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L2)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(2A)が形成され、他方の面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L2)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第2実施形態例と同様に行う。
〔第8実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第3実施形態例と異なっている。第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L2)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1B)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L2)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1B)が形成され、他方の面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L2)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第3実施形態例と同様に行う。
〔第9実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第4実施形態例と異なっている。第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L2)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1C)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L2)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1C)が形成され、他方の面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L2)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第4実施形態例と同様に行う。
〔第10実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第5実施形態例と異なっている。第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L2)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1D)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L2)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1D)が形成され、他方の面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L2)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第5実施形態例と同様に行う。
〔第11実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第1実施形態例と異なっている。
「頂角変動型リニア三角プリズムパターン」には、上述のとおり、パターン(A)とパターン(B)とがある。パターン(A)は、図18(a)に示すように、各凸条部12cの高さHaは互いに等しく一定であるが、各凸条部12c同士で底部の幅(凸条部の配列方向に沿う底部の長さ。ピッチに相当。)が異なることにより、頂角(θ<θ<θ<θ)が異なり、頂角が一定ではなく変動している形態である。パターン(B)は、図18(b)に示すように、各凸条部12cの幅Wbは互いに等しくピッチは一定であるが、各凸条部12c同士でその高さが異なることにより、頂角(θ<θ<θ<θ)が異なり、頂角が一定ではなく変動している形態である。第11〜15実施形態例では、いずれのパターンも採用できるが、図18(c)、図19においては、パターン(B)を示している。
[波状凹凸パターン]
本実施形態例では、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)が形成されている。
[線状凹凸パターン(頂角変動型リニア三角プリズムパターン)]
図18(c)は、一方の面が頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cが形成された面(図18(c)中下側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートの断面図である。図18(c)では、パターン(B)の頂角変動型リニア三角プリズムパターンを図示している。
本実施形態例の表面微細凹凸シートの線状凹凸パターン形成面に設けられた頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cは、図18(c)に示すように、凸条部12cの縦断面形状(表面微細凹凸シートの法線方向に平行で、かつ、凸条部の配列方向に沿って切断される切断面における形状。)が、いずれも二等辺三角形となっている。凸条部12c同士で、上記縦断面形状における頂角が互いに異なっており、線状凹凸パターン形成面12における両端側に位置する凸条部12cから中央側に位置する凸条部12cに向けて、徐々に頂角が大きくなっている。
図18(c)を用いて、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの作用について、説明する。
頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cに対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向(図中m方向)と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向(図中n方向)とからなる面内成分は、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向(図中n方向)と平行になるように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きがほぼ正面に向けて立ち上がる。頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cのピッチ、頂角の変動の度合い等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向とからなる面内成分が、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向と平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの好ましいピッチは、たとえば、第1実施形態例にて説明したリニアフレネルレンズパターンと同様の範囲である。
集光レンズ20から出射する光の照射角は、2〜50°であることが好ましく、5〜40°がより好ましく、10〜30°がさらに好ましい。該照射角が上記範囲の下限値以上であると、集光レンズ20から出射した光の広がりが充分であり、表面微細凹凸シートから出射する光の輝度ムラが解消される。該照射角が上記範囲の上限値以下であると、集光レンズ20から出射した光の進行ベクトルのうち、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向とからなる面内成分を、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向とほぼ平行になるように屈折させる効果を充分に有し、正面輝度向上効果に優れる。
[表面微細凹凸シート]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シートを、第1実施形態例と同様に、複数の点光源が並んで形成される光源列と特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上からなる多層構造でもよい。また、好ましい厚みは、第1実施形態例と同様である。
[表面微細凹凸シートの製造方法]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L3)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)の上記転写形状が形成された面と、原版(L3)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L3)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第1実施形態例と同様に行う。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図19は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図19(a)は、表面微細凹凸シート10Fの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、図19(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、図19(c)は頂角変動型リニア三角プリズムパターン(パターン(B))12Cの凸条部12cの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シート10Fとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいても、第1実施形態例の場合と同様に、各点光源から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cが形成された線状凹凸パターン形成面12に入射する。そして、先に図18(c)を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向と、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)とからなる面内成分は、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向と平行になるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Fの内部を透過し、波状凹凸パターン形成面11から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図19中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Fの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターンの凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Fの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面11側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Fの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Fの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Fの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とが、図19(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
表面微細凹凸シート10Fのどちらの面側に光源列21Aを配置するかは、目的に応じて設定できる。波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側と反対の側にあると、輝度ムラ解消効果および正面輝度向上効果が高く、波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側にあると、視野角確保効果が高い。
また、頂角一定型リニア三角プリズムパターンに比べて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンを採用すると、輝度ムラと正面輝度の両立効果に優れる傾向にある。
〔第12実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第2実施形態例と異なっている。第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L3)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(2A)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L3)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(2A)が形成され、他方の面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L3)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第2実施形態例と同様に行う。
〔第13実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第3実施形態例と異なっている。第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L3)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1B)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L3)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1B)が形成され、他方の面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L3)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第3実施形態例と同様に行う。
〔第14実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第4実施形態例と異なっている。第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L3)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1C)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L3)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1C)が形成され、他方の面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L3)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第4実施形態例と同様に行う。
〔第15実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンとして、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第5実施形態例と異なっている。第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L3)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1D)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L3)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1D)が形成され、他方の面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L3)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第5実施形態例と同様に行う。
<第16〜第20実施形態例>
〔第16実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、五面体パターンとして、頂角変動型変形五面体パターンが形成されている点のみで、第1実施形態例と異なっている。
「頂角変動型変形五面体パターン」は、上述のとおり、頂角変動型リニア三角プリズムパターンのパターン(B)を形成した後、該パターン(B)から、該パターン(B)とは凸条部の配列方向が直交し、かつ、該パターン(B)の反転形状であるパターン(B’)を切除することにより形成されるパターンである。
図20(a)に、頂角変動型変形五面体パターンを説明するための平面図を示す。
図20(a)に示すように、頂角変動型変形五面体パターンは、各五面体12dの底面はいずれも同じ大きさの正方形であるが、各五面体12d同士でその高さが異なることにより、頂角が異なり(θ10<θ20<θ30)、頂角が一定ではなく変動している形態である。五面体12dには、四角錐12d’と、稜線型五面体12d”とが混在している。
図20(b)は、頂角変動型四角錐プリズムパターンを説明するための平面図である。第16〜20実施形態例では、五面体パターンとして、このような頂角変動型四角錐プリズムパターンも採用できる。頂角変動型四角錐プリズムパターンは、図20(b)に示すように、五面体として四角錐12d’のみを備え、稜線型五面体を有していない。各四角錐12d’の高さはいずれも同じで一定であるが、各四角錐同士12d’同士でその底面(正方形または長方形の辺の長さ)が異なることにより、頂角が異なり(θ10<θ20<θ30)、頂角が一定ではなく変動している形態である。
[波状凹凸パターン]
本実施形態例では、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)が形成されている。
[五面体パターン(頂角変動型変形五面体パターン)]
図20(c)は、一方の面が頂角変動型変形五面体パターン12Dが形成された面(図20(c)中下側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートの断面図である。
本実施形態例の表面微細凹凸シートに設けられた頂角変動型変形五面体パターン12Dは、上述のとおり、五面体パターン形成面上の直交する二方向に沿って、多数の五面体12dが形成されたパターンであり、上記直交する二方向のそれぞれの方向において、各五面体12d同士で、上記縦断面形状における頂角が互いに異なっている。そして、各方向において、五面体パターン形成面における外側に位置する五面体12dから中央側に位置する五面体12dに向けて、徐々に頂角が大きくなっている。
表面微細凹凸シートの他方の表面(波状凹凸パターン形成面とは反対側の面)において、頂角変動型変形五面体パターン12Dは、後に図21に示すように、複数並べて設けられていてもよい。
図20(c)を用いて、頂角変動型変形五面体パターン12Dの作用について、説明する。
頂角変動型変形五面体パターン12Dに対して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を集光レンズを通さずに入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型変形五面体パターン12Dにおける各五面体12dの配列方向である、上記二方向それぞれと頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向(図中n方向)とからなる2平面の面内成分は、頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向(図中n方向)と平行になるように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きがほぼ正面に向けて立ち上がる。頂角変動型変形五面体パターン12Dは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
また、頂角変動型変形五面体パターン12Dによれば、このように集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例によれば、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
頂角変動型変形五面体パターン12Dの五面体12dのピッチ、頂角の変動の度合い等は、光の照射角に応じて設計される。すなわち、点光源21からの光の好ましくは全光線(点光源から出射する光の照射角は標準的には120°(=±60°)であるため、プラス方向の0〜60°と、マイナス方向の0〜60°の全光線)について、上記二方向それぞれと頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向とからなる2平面の面内成分が、頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向と平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、頂角変動型変形五面体パターン12Dの直交する上記二方向それぞれにおける好ましいピッチ(頂点間隔)は、5〜500μmであることが好ましい。該ピッチが上記範囲の下限値以上であると、頂角変動型変形五面体パターン12Dを良好に形成でき、上記範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シートを照明装置に使用した場合に、頂角変動型変形五面体パターン12Dの五面体12dの各頂部が好ましくない輝点として視認されにくい。
[表面微細凹凸シート]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型変形五面体パターン12Dにおける五面体12dの配列方向(上記二方向)のうちの一方の方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シートを、第1実施形態例と同様に、複数の点光源が並んで形成される光源列と特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、頂角変動型変形五面体パターン12Dによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上からなる多層構造でもよい。また、好ましい厚みは、第1実施形態例と同様である。
[表面微細凹凸シートの製造方法]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型変形五面体パターン12Dの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L4)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1A)の転写形状が形成されている。)の上記転写形状が形成された面と、原版(L4)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面に頂角変動型変形五面体パターン12Dが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L4)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第1実施形態例と同様に行う。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図21は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図21(a)は、表面微細凹凸シート10Gの波状凹凸パターン形成面側からの概略平面図、図21(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、図21(c)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部の延在方向に平行な側面を示す側面図である。この例では、頂角変動型変形五面体パターン12Dは、頂角変動型変形五面体パターン12D、12D、12Dの3つで構成されている。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいては、各点光源21から出射した光は、それぞれ、頂角変動型変形五面体パターン12Dが形成された面に入射する。そして、先に図20(c)を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型変形五面体パターン12Dの五面体12dの配列方向である、上記二方向それぞれと頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)とからなる2平面の面内成分は、頂角変動型変形五面体パターン12D形成面の法線方向と平行になるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Gの内部を透過し、波状凹凸パターン形成面11から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図21中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Gの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Gの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面11側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Gの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Gの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Gの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とが、図21(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
表面微細凹凸シート10Gのどちらの面側に光源列21Aを配置するかは、目的に応じて設定できる。波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側と反対の側にあると、輝度ムラ解消効果および正面輝度向上効果が高く、波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側にあると、視野角確保効果が高い。
〔第17実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、頂角変動型変形五面体パターンが形成されている点のみで、第2実施形態例と異なっている。第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第16実施形態例で説明したように、頂角変動型変形五面体パターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型変形五面体パターンの上記二方向のうちの一方の方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型変形五面体パターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L4)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(2A)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L4)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(2A)が形成され、他方の面に頂角変動型変形五面体パターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L4)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第2実施形態例と同様に行う。
〔第18実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、頂角変動型変形五面体パターンが形成されている点のみで、第3実施形態例と異なっている。第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第16実施形態例で説明したように、頂角変動型変形五面体パターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型変形五面体パターンの上記二方向のうちの一方の方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型変形五面体パターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L4)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1B)の転写形状が形成されている。)の上記転写形状が形成された面と、原版(L4)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1B)が形成され、他方の面に頂角変動型変形五面体パターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L4)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第3実施形態例と同様に行う。
〔第19実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、頂角変動型変形五面体パターンが形成されている点のみで、第4実施形態例と異なっている。第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第16実施形態例で説明したように、頂角変動型変形五面体パターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型変形五面体パターンの上記二方向のうちの一方の方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型変形五面体パターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L4)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1C)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L4)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1C)が形成され、他方の面に頂角変動型変形五面体パターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L4)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第4実施形態例と同様に行う。
〔第20実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、頂角変動型変形五面体パターンが形成されている点のみで、第5実施形態例と異なっている。第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第16実施形態例で説明したように、頂角変動型変形五面体パターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートも、波状凹凸パターンの主拡散方向と、頂角変動型変形五面体パターンの上記二方向のうちの一方の方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、頂角変動型変形五面体パターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L4)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1D)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L4)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1D)が形成され、他方の面に頂角変動型変形五面体パターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L4)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第5実施形態例と同様に行う。
<第21〜第25実施形態例>
〔第21実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、同心円状凹凸パターンであるフレネルレンズパターンが形成されている点のみで、第1実施形態例と異なっている。
[波状凹凸パターン]
本実施形態例では、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)が形成されている。
[同心円状凹凸パターン(フレネルレンズパターン)]
図22(a)は、フレネルレンズパターン12Eの厚み方向に沿う断面図である。フレネルレンズは、図22(b)の平凸レンズの領域を分割したものであって、平凸レンズと同様のレンズ効果を有し、厚みを減らすことが可能とされたものである。
表面微細凹凸シートの他方の表面(波状凹凸パターン形成面とは反対側の面)において、フレネルレンズパターン12Eは、後に図24に示すように、複数並べて設けられていてもよい。
図23を用いて、フレネルレンズパターン12Eの作用について、説明する。図23は、一方の面がフレネルレンズパターン12Eが形成された同心円状凹凸パターン形成面(図23中下側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートの断面図である。
フレネルレンズパターン12Eに対して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を集光レンズを通さずに入射させた場合、光の進行ベクトルが、フレネルレンズパターン12Eの法線方向(図中n方向)と平行になるように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きがほぼ正面に向けて立ち上がる。フレネルレンズパターン12Eは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
また、フレネルレンズパターン12Eによれば、このように集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例によれば、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
フレネルレンズパターン12Eの凸環12eのピッチ、凸環12eの先端面12e’の傾斜角度等は、光の照射角に応じて設計される。すなわち、点光源からの光の好ましくは全光線(点光源から出射する光の照射角は標準的には120°(=±60°)であるため、プラス方向の0〜60°と、マイナス方向の0〜60°の全光線)について、フレネルレンズパターン12Eの法線方向と平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、フレネルレンズパターン12Eの好ましいピッチ(凸環同士の頂部の径に沿う方向の間隔)は、5〜500μmであることが好ましい。該ピッチが上記範囲の下限値以上であると、フレネルレンズパターン12Eを良好に形成でき、上記範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シートを照明装置に使用した場合に、フレネルレンズパターン12Eが好ましくない輝線として視認されにくい。
[表面微細凹凸シート]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、一方の表面の少なくとも一部に波状凹凸パターンが形成され、波状凹凸パターンが形成された部分に対応する他方の表面の少なくとも一部に同心円状凹凸パターンとしてフレネルレンズパターン12Eが形成されている。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シートを、第1実施形態例と同様に、複数の点光源が並んで形成される光源列21Aと特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、フレネルレンズパターン12Eによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上からなる多層構造でもよい。また、好ましい厚みは、第1実施形態例と同様である。
[表面微細凹凸シートの製造方法]
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、フレネルレンズパターン12Eの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L5)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1A)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L5)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1A)が形成され、他方の面にフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L5)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第1実施形態例と同様に行う。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図24は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図24(a)は、表面微細凹凸シート10Hの波状凹凸パターン形成面11側からの概略平面図、図24(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、図24(c)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部の延在方向に平行な側面を示す側面図である。この例では、フレネルレンズパターン12Eは、フレネルレンズパターン12E、12E、12Eの3つで構成されている。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいては、各点光源21から出射した光は、それぞれ、フレネルレンズパターン12Eが形成された同心円状凹凸パターン形成面に入射する。そして、先に図23を用いて説明したように、光の進行は、フレネルレンズパターン12Eの法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)と平行となるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Hの内部を透過し、波状凹凸パターン形成面11から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図24中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Hの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Hの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面11側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Hの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Hの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Hの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源21の配列方向とが、図24(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
表面微細凹凸シート10Hのどちらの面側に光源列21Aを配置するかは、目的に応じて設定できる。波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側と反対の側にあると、輝度ムラ解消効果および正面輝度向上効果が高く、波状凹凸パターン(1A)が光源列21A側にあると、視野角確保効果が高い。
また、頂角変動型五面体パターンに比べて、フレネルレンズパターンを採用すると、輝度ムラと正面輝度の両立効果に優れる傾向にある。
〔第22実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、フレネルレンズパターンが形成されている点のみで、第2実施形態例と異なっている。第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第21実施形態例で説明したように、フレネルレンズパターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第2実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、フレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L5)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(2A)の転写形状が形成されている。)の転写形状が形成された面と、原版(L5)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(2A)が形成され、他方の面にフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L5)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第2実施形態例と同様に行う。
〔第23実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、フレネルレンズパターンが形成されている点のみで、第3実施形態例と異なっている。第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第21実施形態例で説明したように、フレネルレンズパターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第3実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、フレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L5)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1B)の転写形状が形成されている。)の上記転写形状が形成された面と、原版(L5)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1B)が形成され、他方の面にフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L5)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第3実施形態例と同様に行う。
〔第24実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、フレネルレンズパターンが形成されている点のみで、第4実施形態例と異なっている。第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第21実施形態例で説明したように、フレネルレンズパターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第4実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、フレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L5)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1C)の転写形状が形成されている。)の上記転写形状が形成された面と、原版(L5)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1C)が形成され、他方の面にフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L5)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第4実施形態例と同様に行う。
〔第25実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターン形成面とは反対側の面の少なくとも一部に、フレネルレンズパターンが形成されている点のみで、第5実施形態例と異なっている。第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。ただし、第21実施形態例で説明したように、フレネルレンズパターンは、集光レンズ20を通さずに、点光源からの光をそのまま入射させ、立ち上げることができる。そのため、本実施形態例では、集光レンズを使用しない方が好ましい。また、集光レンズを使用しないと、表示装置用照明ユニットを構成するにあたって部材点数を減らすことができるとともに、薄型化が可能となる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第5実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法で製造できる。
ただし、上述の工程(a2)では、リニアフレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L1)を製造することに代えて、フレネルレンズパターンの転写形状(反転形状)を表面に有する原版(L5)を製造する。工程(a2)は、金属板等の板材の表面に、バイト(切削工具)で切削加工することにより行える。
そして、工程(a3)では、原版(W)(波状凹凸パターン(1D)の転写形状が形成されている。)の上記転写形状が形成された面と、原版(L5)の上記転写形状が形成された面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、一方の面に波状凹凸パターン(1D)が形成され、他方の面にフレネルレンズパターンが形成された表面微細凹凸シートを得る。
また、製造方法(B)では、原版(L1)に代えて、原版(L5)をスタンパとして使用する。
その他の点は、第5実施形態例と同様に行う。
<第26〜28実施形態例>
〔第26実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、一方の表面の少なくとも一部に線状凹凸パターンとしてリニアフレネルレンズパターンが形成され、該線状凹凸パターン上の少なくとも一部に、不規則な波状凹凸パターンとして、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)が形成されている。他方の表面は、平滑面である。そして、波状凹凸パターンの主拡散方向と、線状凹凸パターンの凸条部の延在方向との成す角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。
なお、波状凹凸パターンとしては、第1実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1A)に代えて、第4実施形態例と同様の波状凹凸パターン(1C)が形成されていてもよい。本実施形態例において、波状凹凸パターンとしては、製造の容易性等の点から、波状凹凸パターン(1A)および(1C)が好ましい。
しかしながら、目的等に応じて、波状凹凸パターン(2A)、(1B)、(1D)を採用してもよい。ただし、波状凹凸パターン(2A)を採用した場合には、該パターンは特定の方向に沿わない凹凸が形成されたパターンであるため、組み合わせるリニアフレネルレンズパターンの効果を弱めてしまう傾向にある。そのため、製造の容易性、目的等に応じて、波状凹凸パターンの種類を選択することが好ましい。
また、本実施形態例の表面微細凹凸シートは、詳しくは後述するが、概略、以下の工程により製造できる。
すなわち、まず、加熱収縮性樹脂フィルムの一方の表面に、リニアフレネルレンズパターンが形成された電離放射線硬化性樹脂硬化物から構成される硬質層が設られ、リニアフレネルレンズパターンの凸条部の延在方向と加熱収縮性樹脂フィルムの加熱収縮の方向とが一致している積層フィルムを製造する。そして、該積層フィルムを加熱収縮することにより、本実施形態例の表面微細凹凸シートが得られる。
このように、あらかじめリニアフレネルレンズパターンが形成された硬質層を折り畳むように変形することにより、リニアフレネルレンズパターン上に不規則な波状凹凸パターンが形成されたパターンを形成できる。
また、このようにして得られた表面微細凹凸シートを原版として使用し、そのパターン形成面を偶数回転写することによっても、本実施形態例の表面微細凹凸シートが得られる。
第1実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。本実施形態例の表示装置用照明ユニットおよび表示装置においては、後述するように、平滑面側に、光源列21Aを配置することが好ましい。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部の平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりである。
本実施形態例におけるリニアフレネルレンズパターンの作用について、図25を用いて説明する。なお、リニアフレネルレンズパターンの作用については、すでに図6を用いて説明しているとおりであり、図6と図25とでは、光が入射する面が異なるが、どちらから入射しても作用は同じである。
図25は、一方の面がリニアフレネルレンズパターン12Aが形成された面(図25中上側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートを示す。このシートの平滑面に対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部の配列方向(図中m方向)とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向(図中n方向)とからなる面内成分は、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向(図中n方向)と平行になるように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きが正面に向けて立ち上がる。リニアフレネルレンズパターン12Aは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
本実施形態例の表面微細凹凸シートでは、平滑面側から光を入射させることが、波状凹凸パターンによる輝度ムラ解消効果が大きくなる点で好ましい。
リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aのピッチ、凸条部12aの先端面12a’の傾斜角度等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、第1実施形態例の場合と同様に、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、凸条部12aの配列方向とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向とからなる面内成分が、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向と平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部12aのピッチは、5〜500μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。該ピッチが上記範囲内であれば、リニアフレネルレンズパターン12Aを形成しやすい。
集光レンズ20から出射する光の照射角は、2〜50°であることが好ましく、5〜40°がより好ましく、10〜30°がさらに好ましい。該照射角が上記範囲の下限値以上であると、集光レンズ20から出射した光の広がりが充分であり、表面微細凹凸シートから出射する光の輝度ムラが解消される。該照射角が上記範囲の上限値以下であると、集光レンズ20から出射した光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部の配列方向とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向とからなる面内成分を、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向と平行になるように屈折させる効果を充分に有し、正面輝度向上効果に優れる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、波状凹凸パターンの主拡散方向と、リニアフレネルレンズパターンの凸条部の延在方向との成す角度、すなわち、交差角度が波状凹凸パターンを平面視した場合において±20°の範囲内である。
そのため、本実施形態例の表面微細凹凸シートを、第1実施形態例と同様に、複数の点光源が並んで形成される光源列と特定の位置関係になるように組み合わせて使用した場合には、波状凹凸パターンによる視野角確保効果および輝度ムラ解消効果と、リニアフレネルレンズパターン12Aによる正面輝度向上効果が得られる。その結果、上述のような光源列を使用した場合に顕著になりやすい、点光源が有る位置と、点光源間の光源の無い位置との輝度の差(輝度ムラ)を抑制しつつ、正面輝度の低下も抑えることができる。また、視野角確保効果も得ることができる。交差角度は±10°の範囲内が好ましく、±5°の範囲内がより好ましく、0°であることがさらに好ましい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上からなる多層構造でもよい。また、好ましい厚みは、第1実施形態例と同様である。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、たとえば、以下の工程(x1)および工程(x2)を有する製造方法(X)により製造できる。
工程(x1):
加熱収縮性樹脂フィルムの一方の表面に、リニアフレネルレンズパターンが形成された硬質層が設られ、リニアフレネルレンズパターンの凸条部の延在方向と加熱収縮性樹脂フィルムの加熱収縮の方向とが一致している積層フィルムを得る工程。
工程(x2):
積層フィルムを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、リニアフレネルレンズパターン上に波状凹凸パターン(1A)が形成された表面微細凹凸シートを得る工程。
また、製造方法(X)においては、上述の工程(x1)および工程(x2)の後に、工程(x3)および工程(x4)を行ってもよい。
工程(x3):
工程(x2)で得られた表面微細凹凸シートにおけるパターン形成面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布しその上に、PET等の基材を配置する。ついで、電離放射線を照射して硬化させた後、表面微細凹凸シートを剥離し、リニアフレネルレンズパターン上に波状凹凸パターンが形成された凹凸形状の転写形状(反転形状)が形成された1次転写品(スタンパ)を得る工程。未硬化の電離放射線硬化性樹脂は、例えば3〜30μmの厚さに収まるように、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーターなどのコーターで塗布する。
なお、工程(x3)では、工程(x2)で得られた表面微細凹凸シートにおけるパターン形成面に、たとえばニッケル等の金属を公知の電気鋳造法等で堆積させ、その後、該金属を剥離し、リニアフレネルレンズパターン上に波状凹凸パターンが形成された凹凸形状の転写形状(反転形状)が形成された金属製の1次転写品(スタンパ)を得てもよい。
工程(x4):
PET等を材料とする透明な基材を別途用意し、その片面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布し、塗布された未硬化の電離放射線硬化性樹脂の層に対して、工程(x3)で得られた1次転写品の上記転写形状が形成された面を押し当て、その状態のままで、電離放射線を照射して硬化させた後、1次転写品を剥離する工程。ここで未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布する厚さは、上記1次転写品における凹凸形状の転写形状の凹凸を充分に覆える厚さとする。
このように1次転写品をスタンパとして使用することにより、PET等を材料とする透明な基材と、その片面上に形成された透明な電離放射線硬化性樹脂硬化物の層との2層から構成される表面微細凹凸シートが得られる。なお、スタンパには、1次転写品に限定されず、転写をさらに繰り返して得たものであってもよい。
また、工程(x3)で、金属製の1次転写品(スタンパ)を得て、該スタンパの転写形状が形成された面と、金属製の平滑面との間に、樹脂を射出する射出成形法により、リニアフレネルレンズパターン上に波状凹凸パターン(1A)が形成された表面微細凹凸シートを得ることもできる。
工程(x1)では、加熱収縮性樹脂フィルムとして、1軸延伸フィルムを用いる。その材質(樹脂L)、収縮率、樹脂のガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第1実施形態例と同様である。加熱収縮性樹脂フィルムとしては、透光性(透明)のものを用いる。
ついで、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター等のコーターで、未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂のうちの1種以上を加熱収縮性樹脂フィルムの片面に塗工し、塗工層を形成する。そして、表面にリニアフレネルレンズパターンの転写形状を有するスタンパを用意し、該スタンパを塗工層に押し当て、その状態のまま、加熱収縮性樹脂フィルム側から電離放射線を照射し、電離放射線硬化性樹脂を硬化させ、硬化層を形成する。その後、スタンパを剥離する。
この際、スタンパにおける凸条部の延在方向と、加熱収縮性樹脂フィルムの加熱収縮の方向とが一致するように、スタンパを押し当てる。
これにより、加熱収縮性フィルムの片面に、リニアフレネルレンズパターンが形成された硬質層を有する積層フィルムが得られる。
なお、第4実施形態例で説明した波状凹凸パターン(1C)を形成する場合には、未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂に、第4実施形態例で説明した粒子を配合すればよい。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、第1実施形態例の製造方法(B)で例示したものを好適に使用できるが、なかでも、硬化後のガラス転移温度が、加熱収縮性樹脂フィルムを構成している樹脂Lよりも10℃以上高く、また、ヤング率が0.01〜300GPa、好ましくは0.1〜10GPaの樹脂が好適である。
硬化層の厚さは、0.5μmを超え、20μm以下とすることが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
ガラス転移温度およびヤング率が上記の条件を満たし、かつ、硬化層の厚さが上記範囲内であれば、本実施形態例における波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチを上記範囲内に調整しやすい。硬化層の厚さが上記範囲の下限値以下であると、波状凹凸パターン(1A)の平均ピッチが小さくなり過ぎる傾向にあり、上記範囲の上限値を超えると、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮が阻害され、波状凹凸パターン(1A)が良好に形成されない傾向にある。
なお、電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性である場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂の代わりに、例えば、未硬化のメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いて転写を行ってもよく、転写できる限り、その具体的方法、転写する材料に制限はない。
熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば液状の未硬化の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱により硬化させる方法が挙げられ、熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂のシートを用い、転写対象の面に押し当てながら加熱して軟化させた後、冷却する方法が挙げられる。
なお、表面にリニアフレネルレンズパターンの転写形状を有するスタンパは、第1実施形態例における工程(a2)と同様にして、製造できる。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図26は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図26(a)は、表面微細凹凸シート10Iのパターン形成面側からの概略平面図、図26(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、図26(c)はリニアフレネルレンズパターンの凸条部12aの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいても、第1実施形態例の場合と同様に、各点光源から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、平滑面13に入射する。そして、先に図25を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、リニアフレネルレンズパターン12Aの凸条部の配列方向とリニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向とからなる面内成分は、リニアフレネルレンズパターン12A形成面の法線方向と平行になるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Iの内部を透過し、平滑面13から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図26中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Iの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シートの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、パターン形成面側からみて、点光源21と点光源21の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Iの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Iの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Iの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源の配列方向とが図26(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターンの低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
〔第27実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、パターン形成面に、リニアフレネルレンズパターンに代えて、第6実施形態例で説明した頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第26実施形態例と異なっている。第26実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部の平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりである。
本実施形態例における頂角一定型リニア三角プリズムパターンの作用について、図27を用いて説明する。なお、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの作用については、すでに図16を用いて説明しているとおりであり、図16と図27とでは、光が入射する面が異なるが、どちらから入射しても作用は同じである。
図27は、一方の面が頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bが形成された面(図27中上側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートを示す。このシートの平滑面13に対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源21からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向(図中m方向)と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(図中n方向)とからなる面内成分は、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(図中n方向)と±10°の範囲内となるように屈折し、平滑面13から出射する。すなわち、光の向きが正面に向けて立ち上がる。頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
本実施形態例の表面微細凹凸シートでは、図27に示すように、平滑面13側から光を入射させることが、波状凹凸パターンによる輝度ムラ解消効果が大きくなる点で好ましい。
頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bのピッチ等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、第6実施形態例の場合と同様に、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向)とからなる面内成分が、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向と±10°以内になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bのピッチは、5〜500μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。該ピッチが上記範囲内であれば、頂角一定型リニア三角プリズムパターンを形成しやすい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第26実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法(X)で製造できる。また、第26実施形態例で説明した射出成形法を採用してもよい。
ただし、上述の工程(x1)では、表面にリニアフレネルレンズパターンが形成された硬質層を形成することに代えて、頂角一定型リニア三角プリズムパターンが形成された硬質層を形成する。
表面に頂角一定型リニア三角プリズムパターンの転写形状を有するスタンパは、第6実施形態例における工程(a2)と同様にして、製造できる。
その他の点は、第26実施形態例と同様である。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図28は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図28(a)は、表面微細凹凸シート10Jのパターン形成面側からの概略平面図、(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)は頂角一定型リニア三角プリズムパターンの凸条部12bの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいても、第1実施形態例の場合と同様に、各点光源から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、平滑面13に入射する。そして、先に図27を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12Bの凸条部12bの配列方向と頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向とからなる面内成分は、頂角一定型リニア三角プリズムパターン12B形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)と±10°以内となるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Jの内部を透過し、平滑面13から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図28中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Jの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Jの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、波状凹凸パターン形成面側からみて、点光源と点光源の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シートの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Jの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シートの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源の配列方向とが図28(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターンの低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
〔第28実施形態例〕
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、パターン形成面に、リニアフレネルレンズパターンに代えて、第11実施形態例で説明したものと同様の頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成されている点のみで、第26実施形態例と異なっている。第26実施形態例の表面微細凹凸シートと同様に、本実施形態例の表面微細凹凸シートも、表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成できる。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第26実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法(X)で製造できる。また、第26実施形態例で説明した射出成形法を採用してもよい。
ただし、上述の工程(x1)では、リニアフレネルレンズパターンを表面に有する硬質層を形成することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された硬質層を形成する。
その他の点は、第26実施形態例と同様である。
波状凹凸パターン(1A)の凸条部の平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第1実施形態例で説明したとおりである。
本実施形態例における頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの作用について、図29を用いて説明する。なお、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの作用については、すでに図18(c)を用いて説明しているとおりであり、図18(c)と図29とでは、光が入射する面が異なるが、どちらから入射しても作用は同じである。
図29は、一方の面が頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された面(図29中上側の面)であり、他方の面が平滑面13であるシートを示す。このシートの平滑面13に対して、集光レンズ20を通して、たとえばLED光源、レーザー光源等の点光源からの光を入射させた場合、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの法線方向とからなる面内成分は、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向と平行になるように屈折し、平滑面から出射する。すなわち、光の向きが正面に向けて立ち上がる。頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cは、このような集光機能により正面輝度向上効果を奏する。
本実施形態例の表面微細凹凸シートでは、図29に示すように、平滑面側から光を入射させることが、波状凹凸パターンによる輝度ムラ解消効果が大きくなる点で好ましい。
頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cのピッチ等は、集光レンズ20から出射する光の照射角に応じて設計される。すなわち、第11実施形態例の場合と同様に、集光レンズ20から出射した光の好ましくは全光線について、頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部の配列方向と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの法線方向とからなる面内成分が、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向と平行になるように屈折して平滑面13から出射するように、設計されることが好ましい。
たとえば、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cのピッチは、5〜500μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。該ピッチが上記範囲内であれば、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cを形成しやすい。
本実施形態例の表面微細凹凸シートは、概略、第26実施形態例の表面微細凹凸シートと同様の製造方法(X)で製造できる。また、第26実施形態例で説明した射出成形法を採用してもよい。
ただし、上述の工程(x1)では、表面にリニアフレネルレンズパターンが形成された硬質層を形成することに代えて、頂角変動型リニア三角プリズムパターンが形成された硬質層を形成する。
表面に頂角変動型リニア三角プリズムパターンの転写形状を有するスタンパは、第11実施形態例における工程(a2)と同様にして、製造できる。
その他の点は、第26実施形態例と同様である。
[表示装置用照明ユニットおよび表示装置]
図30は、本実施形態例の表示装置用照明ユニットの構成を概略的に示す図である。図30(a)は、表面微細凹凸シートのパターン形成面側からの概略平面図、(b)は波状凹凸パターン(1A)の凸条部12aの配列方向に平行な側面を示す側面図、(c)は頂角変動型リニア三角プリズムパターンの凸条部12cの配列方向に平行な側面を示す側面図である。
図示例の表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートとして本実施形態例のものを備えている以外は、第1実施形態例と同様の構成を有し、好ましい形態も同様である。
このような表示装置用照明ユニットにおいても、第1実施形態例の場合と同様に、各点光源から出射した光は、それぞれが集光レンズ20で集光され、平滑面13に入射する。そして、先に図29を用いて説明したように、光の進行ベクトルのうち、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの凸条部12cの配列方向と頂角変動型リニア三角プリズムパターン12Cの法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)とからなる面内成分は、頂角変動型リニア三角プリズムパターン12C形成面の法線方向(表面微細凹凸シートの法線方向)と平行になるように屈折する。
このように屈折した光は、表面微細凹凸シート10Kの内部を透過し、平滑面13から出射する。そして、光の進行ベクトルのうち、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの配列方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向(図30中A方向)に対応する方向であるため、主に屈折により、表面微細凹凸シート10Kの法線方向に平行な成分や、該法線方向から傾いた成分等、種々の角度の成分となる。一方、波状凹凸パターン(1A)の凸条部11aの延在方向に平行な成分は、この方向が波状凹凸パターン(1A)の低拡散方向に対応する方向であるため、主に法線方向に平行な成分となる。
表面微細凹凸シート10Kの法線方向に平行な光は、正面輝度の向上に寄与する。また、パターン形成面側からみて、点光源と点光源の間等の光源が存在しない部分において、表面微細凹凸シート10Kの法線方向に平行な光が生じることにより、輝度ムラ解消効果が得られる。また、表面微細凹凸シート10Kの法線方向から傾いた成分は、視野角の拡大に寄与する。
このように本実施形態例の表示装置用照明ユニットは、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向および低拡散方向に適切な視野角を有する。
特に、表面微細凹凸シート10Kの波状凹凸パターン(1A)の主拡散方向と、光源列21Aの点光源の配列方向とが図30(a)のように平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源21の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源21が有る位置と、点光源21間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源21の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターンの低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
本施形態例の表示装置用照明ユニットは、このような特性を有するため、ゆるやかな曲面状に形成された自動車のフロントガラスに、走行速度などの画像情報を拡散させつつ鮮明に表示させるヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適している。
なお、第26〜第28実施形態例では、製造の容易性等の点から、線状凹凸パターン上に波状凹凸パターンが形成されている形態を示した。しかしながら、目的等に応じて、線状凹凸パターンの代わりに、五面体パターンを形成し、その上に波状凹凸パターンが形成されていてもよい。その場合には、波状凹凸パターンの主拡散方向と、五面体パターンの前記二方向のうちの一方の方向との成す角度を±20°の範囲内とする。
また、線状凹凸パターンの代わりに、同心円状凹凸パターンを形成し、その上に波状凹凸パターンが形成されていてもよい。
<作用効果>
以上、各実施形態例を示して説明したように、本発明の表面微細凹凸シートによれば、不規則な波状凹凸パターンと、線状凹凸パターン、五面体パターンまたは同心円状凹凸パターンとを有しているため、正面輝度に優れ、輝度ムラが抑制され、かつ、主拡散方向だけでなくこれと直交する低拡散方向においても、それぞれ適切な視野角を有する照明ユニットを構成できる。
特に、表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンの主拡散方向と、光源列の点光源の配列方向とが、波状凹凸パターンを平面視した場合において、±20°の範囲内であるため、点光源の配列方向の拡散角度が大きくなる。これにより、点光源が有る位置と、点光源間の光源が無い位置とにおける輝度の差(輝度ムラ)を効果的に抑制できる。一方で、輝度ムラ抑制の要求が大きくない場合が多い、点光源の配列方向と直交する方向については、波状凹凸パターンの低拡散方向を対応させて拡散角度を適度に抑制することによって、拡散角度を高めることによる輝度の低下を抑制できる。
また、各実施形態例の表面微細凹凸シートは、1枚構成である。そのため、別体からなる複数枚のシートを用いずに、1枚のみで視野角確保効果、輝度ムラ解消効果、正面輝度向上効果を奏することができ、取扱性、照明ユニットの薄型化にも優れる。
表示装置用照明ユニットおよび表示装置を構成する際に、各実施形態例の表面微細凹凸シートのうち、どの実施形態例のシートを選択するかは、その表示装置に求められる主拡散方向および低拡散方向の視野角や、これら視野角のバランス、正面輝度、さらには輝度ムラ抑制の要求の程度等に応じて、決定できる。
以下、本発明について、実施例を例示して具体的に説明する。
(実施例1)
[波状凹凸パターンのニッケル2次原版]
下記塗工液(1)をポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルム(東洋紡株式会社製「SC-807」、厚さ:30μm、ガラス転移温度Tg=75℃)の片面に、塗工乾燥後の硬質層の厚みt’が4μmになるようにバーコーター (メイヤーバー♯22)により塗工し、積層シートを得た。
塗工液(1):
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg2M=128℃)をトルエンに加え、固形分濃度12質量%の塗工液(1)を得た。なお、上記アクリル樹脂Aは固形分濃度23質量%であるが、本例での質量比および濃度は、正味量(固形分量)で計算した値である。以下の例についても、正味量で計算している。
次いで、該積層シートを熱風式オーブンを用いて125℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを、加熱前の長さの55%に熱収縮させ(変形率として45%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンが層の表面に形成された波状凹凸パターンシート(原版)を得た。
形成された波状凹凸パターンは、波状凹凸パターン(1A)であり、その凸条部は、それぞれが略平行であるが蛇行して、不規則に形成されていた。
また、フーリエ変換画像の画像解析により求めた凸条部の平均ピッチは、17μmであり、段落[0039]に記載の方法で求めた平均高さは、6μmであった。
次いで、得られた波状凹凸パターンシート(原版)の表面に、ニッケル電気鋳造法にて、ニッケルを500μmの厚さになるように堆積させた。ついで、堆積させたニッケルを波状凹凸パターンシート(原版)から剥離し、表面に波状凹凸パターンシートの波状凹凸が転写されたニッケル2次原版を得た。
[線状凹凸パターンの原版]
射出成形用金型に、焦点距離25mm、ピッチ0.1mmのリニアフレネルレンズパターンの反転パターンを、横(凸条部の延在方向)55mm×縦(凸条部の配列方向)25mmの範囲に切削により形成し、線状凹凸パターンを形成するための射出成形用金型(原版)を得た。
[表面微細凹凸シート]
前記波状凹凸パターンのニッケル2次原版を、前記線状凹凸パターンの反転パターンが形成された射出成形機の金型に、互いの凹凸パターンが対向するように、また、波状凹凸パターンの主拡散方向(段落[0023]で説明した方法で決定。)と線状凹凸パターンの凸条部の延在方向とが平行になるように組込み、アクリル樹脂の射出成形を行い、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
得られた射出成形品は、横55mm×縦25mm×厚さ2mmの直方体であり、一対の55mm×25mmの面のうちの一面にニッケル2次原版の表面凹凸が転写された波状凹凸パターンが形成され、他面に射出成形用金型の表面凹凸が転写された線状凹凸パターンが形成されていた。また、波状凹凸パターンの主拡散方向および線状凹凸パターンの凸条部の延在方向は、横方向と平行であった。
(実施例2)
[波状凹凸パターンのニッケル2次原版]
下記塗工液(2)をポリエチレンテレフタレート二軸方向加熱収縮性フィルム(三菱樹脂株式会社製「PX−40S」、厚さ:25μm、ガラス転移温度Tg=75℃)の片面に、 塗工乾燥後の硬質層の厚みt’が4μmになるようにバーコーター (メイヤーバー♯22)により塗工し、積層シートを得た。
塗工液(2):
アクリル樹脂B(ガラス転移温度Tg2M=100℃)をトルエンに加え、固形分濃度10質量%の塗工液(2)を得た。
次いで、該積層シートを熱風式オーブンを用いて95℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート二軸方向加熱収縮性フィルムを一方向において、加熱前の長さの50%に熱収縮させ(変形率として50%)、一方向に略直交する他方向において、加熱前の長さの85%に熱収縮させ(変形率として15%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンが層の表面に形成された波状凹凸パターンシート(原版)を得た。形成された波状凹凸パターンは、波状凹凸パターン(2A)であり、形成された凸条部は、それぞれが蛇行して、特定の方向に沿わず、不規則に形成されていた。
また、フーリエ変換画像の画像解析により求めた凸条部の平均ピッチは、20μmであり、段落[0039]に記載の方法で求めた平均高さは、6μmであった。
次いで、得られた波状凹凸パターンシート(原版)の表面に、ニッケル電気鋳造法にて、ニッケルを500μmの厚さになるように堆積させた。ついで、堆積させたニッケルを波状凹凸パターンシート(原版)から剥離し、表面に波状凹凸パターンシートの波状凹凸が転写されたニッケル2次原版を得た。
[線状凹凸パターンの原版]
実施例1と同様にして、線状凹凸パターンを形成するための射出成形用金型(原版)を得た。
[表面微細凹凸シート]
前記波状凹凸パターンのニッケル2次原版を、前記線状凹凸パターンの反転パターンが形成された射出成形機の金型に、互いの凹凸パターンが対向するように、また、波状凹凸パターンの主拡散方向(段落[0023]で説明した方法で決定。)と線状凹凸パターンの凸条部の延在方向とが平行になるように組込み、アクリル樹脂の射出成形を行い、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
得られた射出成形品は、横55mm×縦25mm×厚さ2mmの直方体であり、一対の55mm×25mmの面のうちの一面にニッケル2次原版の表面凹凸が転写された波状凹凸パターンが形成され、他面に射出成形用金型の表面凹凸が転写された線状凹凸パターンが形成されていた。また、波状凹凸パターンの主拡散方向および線状凹凸パターンの凸条部の延在方向は、横方向と平行であった。
(実施例3)
[波状凹凸パターンのニッケル2次原版]
下記塗工液(3)をポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルム(東洋紡株式会社製「SC807」、厚さ:30μm、ガラス転移温度Tg=75℃)の片面に、 塗工乾燥後の硬質層の厚みt’が4μmになるようにバーコーター(メイヤーバー♯22)により塗工し、積層シートを得た。
塗工液(3):
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg2M=128℃)と、粒径dが5μmであるアクリル系架橋型樹脂粒子(積水化成品工業株式会社製「SSX105」、ビカット軟化温度200℃以上)とを、固形分質量比90:10で混合し、トルエンに加え、固形分濃度7.7質量%の塗工液(3)を得た。
次いで、該積層シートを熱風式オーブンを用いて125℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを一軸方向において、加熱前の長さの60%に熱収縮させ(変形率として40%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンと、その上に形成された多数の凸部とを有する波状凹凸パターンが硬質層の表面に形成された波状凹凸パターンシート(原版)を得た。また、形成された波状凹凸パターンは、波状凹凸パターン(1C)であり波状の凸条部がそれぞれ略平行であるが蛇行して不規則に形成され、凸条部上および隣り合う凸条部間に、外方に突出する複数の凸部がランダムに形成されていた。
また、フーリエ変換画像の画像解析により求めた凸条部の平均ピッチ、凸部の平均径は、それぞれ17μm、5μmであった。また、段落[0125]および段落[0127]に記載の方法で求めた凸条部の平均高さおよび凸部の平均高さは、それぞれ4μm、1.5μmであった。
次いで、得られた波状凹凸パターンシート(原版)の表面に、ニッケル電気鋳造法にて、ニッケルを500μmの厚さになるように堆積させた。ついで、堆積させたニッケルを波状凹凸パターンシート(原版)から剥離し、表面に波状凹凸パターンシートの波状凹凸が転写されたニッケル2次原版を得た。
[線状凹凸パターンの原版]
実施例1と同様にして、線状凹凸パターンを形成するための射出成形用金型(原版)を得た。
[表面微細凹凸シート]
前記波状凹凸パターンのニッケル2次原版を、前記線状凹凸パターンの反転パターンが形成された射出成形機の金型に、互いの凹凸パターンが対向するように、また、波状凹凸パターンの主拡散方向(段落[0023]で説明した方法で決定。)と線状凹凸パターンの凸条部の延在方向とが平行になるように組込み、アクリル樹脂の射出成形を行い、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
得られた射出成形品は、横55mm×縦25mm×厚さ2mmの直方体であり、一対の55mm×25mmの面のうちの一面にニッケル2次原版の表面凹凸が転写された波状凹凸パターンが形成され、他面に射出成形用金型の表面凹凸が転写された線状凹凸パターンが形成されていた。また、波状凹凸パターンの主拡散方向および線状凹凸パターンの凸条部の延在方向は、横方向と平行であった。
(比較例1)
[波状凹凸パターンのニッケル2次原版]
実施例1と同様の方法により、波状凹凸パターンのニッケル2次原版を得た。
[線状凹凸パターンの原版]
射出成形用金型に、レンズピッチ0.5mmおよびレンズ半径0.5mmのレンチキュラーレンズパターンの反転パターンを切削により形成し、線状凹凸パターンを形成するための射出成形用金型(原版)を得た。
[表面微細凹凸シート]
前記波状凹凸パターンのニッケル2次原版を、前記線状凹凸パターンの反転パターンが形成された射出成形機の金型に、互いの凹凸パターンが対向するように、また、波状凹凸パターンの主拡散方向(段落[0023]で説明した方法で決定。)とレンチキュラーレンズパターンの凸条部の延在方向とが平行になるように組込み、アクリル樹脂の射出成形を行い、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
得られた射出成形品は、横55mm×縦25mm×厚さ2mmの直方体であり、一対の55mm×25mmの面のうちの一面に波状凹凸パターンが形成され、他面にレンチキュラーレンズパターンが形成されていた。また、波状凹凸パターンの主拡散方向およびレンチキュラーレンズパターンの凸条部の延在方向は、横方向と平行であった。
(比較例2)
[表面微細凹凸シート]
実施例1の波状凹凸パターンの代わりに実施例2の波状凹凸パターンを使用する以外は、比較例1と同様の方法により、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
(比較例3)
[表面微細凹凸シート]
実施例1の波状凹凸パターンの代わりに実施例3の波状凹凸パターンを使用する以外は、比較例1と同様の方法により、表面微細凹凸シート(射出成形品)を得た。
(評価)
上記の各例で得られた波状凹凸パターンシート(原版)の主拡散方向および低拡散方向の拡散角度を表1に示す。
拡散角度は、段落[0023]に記載の方法に従い算出した。
また、上記の各例で得られた表面微細凹凸シートを、図7に示した形態の、ヘッドアップディスプレイシステム等の表示装置への使用に適した表示装置用照明ユニットに組み込んだ場合の正面輝度、正面輝度ムラ、視野角を測定した。
その測定結果を表1に示す。
ここで、表示装置用照明ユニットは、表面微細凹凸シートと、3個の白色発光ダイオード光源が一直線状に並んで形成される光源列と、各白色発光ダイオード光源から出射された光を集光する、各白色発光ダイオード光源毎に設けられた3個の集光レンズとを有する。
ここで、白色発光ダイオードの照射角は120°であり、各白色発光ダイオード同士の中心間距離は10mmであり、集光レンズから表面微細凹凸シートまでの距離は25mmであり、集光レンズを通過後の白色発光ダイオード光源からの出射光の照射角は50°である。
そして、表面微細凹凸シートの波状凹凸パターンの主拡散方向と、線状凹凸パターンの凸条部の延在方向と、光源列の白色発光ダイオード光源の配列方向とがいずれも平行である。
また、表面微細凹凸シートの線状凹凸パターン形成面側に、光源列が配置されており、各白色発光ダイオード光源から出射した光は集光レンズで集光された後、線状凹凸パターン形成面から入射し、波状凹凸パターン形成面から出射するようになっている。
正面輝度、正面輝度ムラ、視野角の測定は、輝度計(TOPCON社製「UA−1000」)を用いて実施した。
正面輝度は、実施例1の表面微細凹凸シートを前記表示装置用照明ユニットに使用した場合の正面輝度(cd/m)を100%としたときの相対値で示した。90%以上の輝度であれば十分な輝度が得られたと判断できる。
正面輝度ムラは、前記表示装置用照明ユニットの、前記光源列の各光源の中心を通り光源列の配列方向と平行な直線上の正面輝度分布を測定し、その(最小値/最大値)×100(%)が50%以上であれば十分な輝度ムラ解消効果が得られたと判断した。
視野角は、前記表示装置用照明ユニットの中心の「正面輝度」、「主拡散方向に斜め15°傾けた時の輝度」、「低拡散方向に斜め7.5°傾けた時の輝度」をそれぞれ測定し、(「主拡散方向に斜め15°傾けた時の輝度」/「正面輝度」)×100(%)および(「低拡散方向に斜め7.5°傾けた時の輝度」/「正面輝度」)×100(%)がいずれも20%以上であれば、十分な視野角が得られたと判断した。
波状凹凸パターンと組み合わせるパターンとして、リニアフレネルレンズパターンを採用した各実施例によれば、正面輝度、輝度ムラ抑制効果、適切な視野角(主拡散方向および低拡散方向)のいずれをもバランスよく備えていた。
リニアフレネルレンズパターンに代えて、レンチキュラーレンズパターンを備えていた各比較例によれば、低拡散方向の拡散角度が大きく、そのため、正面輝度が低下した。
10A,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K:表面微細凹凸シート
11:波状凹凸パターン形成面
12A:リニアフレネルレンズパターン
12B:頂角一定型リニア三角プリズムパターン
12C:頂角変動型リニア三角プリズムパターン
12D:頂角変動型変形五面体パターン
12E:フレネルレンズパターン

Claims (3)

  1. 面微細凹凸シートと、前記表面微細凹凸シートの一方の面側に配置されて前記表面微細凹凸シートの他方の面側に向けて光を出射する複数の点光源が並んで形成される光源列の少なくとも1列とを有し、
    前記表面微細凹凸シートは、一方の表面の少なくとも一部に不規則な波状凹凸パターンを有し、前記波状凹凸パターンが形成された部分に対応する他方の表面の少なくとも一部に、線状凹凸パターンを有し、
    前記線状凹凸パターンは、リニアフレネルレンズパターンまたはリニア三角プリズムパターンであり、
    前記波状凹凸パターンの主拡散方向と、前記線状凹凸パターンの凸条部の延在方向との成す角度が±20°の範囲内であり、
    前記表面微細凹凸シートの前記波状凹凸パターンの前記主拡散方向と、前記光源列の前記点光源の配列方向との成す角度が±20°の範囲内である、表示装置用照明ユニット。
  2. 前記表面微細凹凸シートが、前記光源列からの光を屈折および拡散させる用途に使用される、請求項1に記載の表示装置用照明ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の表示装置用照明ユニットを有する、表示装置。
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