JP2018146673A - 表面微細凹凸シート、光反射体、反射表示体、棚札 - Google Patents

表面微細凹凸シート、光反射体、反射表示体、棚札 Download PDF

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Abstract

【課題】反射体と組み合わせて用いたとき、入射光が反射表示体の入射面に対して所定の角度をなす斜め方向から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆方向へ充分に反射させる表面微細凹凸シートを提供する。【解決手段】表面微細凹凸シート2は、シート状の透明部材1の一方の面1aに微細な凹凸3が形成され、透明部材1の他方の面1bは平滑である表面微細凹凸シートであって、微細な凹凸3の主拡散方向(D0)に沿った断面の高さプロファイル上に他方の面1bの方向に沿って0.3μmの間隔をあけるように複数の接点を設け、前記複数の接点の各々を通る複数の接線を引いたときに、前記複数の接線のそれぞれの他方の面1bの方向に対する傾斜角の平均値が18°以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば店舗などのデジタル棚札などを構成する表面微細凹凸シート、該表面微細凹凸シートを備えた光反射体および反射表示体、該光反射体および反射表示体を備えた棚札に関する。
最近では、スーパーなどの店舗では、所望のタイミングで書き換え自在なデジタル棚札の導入が検討されている。デジタル棚札には、所望の表示内容を表示する表示体と、光源からの光を観察者側に向けて反射する反射体が用いられるものが多い。
例えば、特許文献1には、鋸歯状反射板と光拡散フィルムとを積層した外光利用型表示体(反射表示体)が提案されている。この外光利用型表示体では、鋸歯状反射板と光拡散フィルムとの相乗効果により、想定される外光の入射角度に対して、外光利用表示体の観察角度を自由に設計することができる。
また、特許文献2には、透光性樹脂内に、光拡散性微粒子が分散混合されることによって光学的等方性の光散乱性を有する光散乱層を有するカラーフィルターを備える液晶表示装置(反射表示体)が提案されている。この液晶表示装置では、等方性の光拡散体と異方性の光拡散体とを光学的に重ね合わせることによって、光拡散特性を調整し、明るい表示画像を得ることができる。
また、特許文献3には、入射光の入射角によって直線透過率が変化する異方性拡散媒体と、透明フィルム上にアンカー層、蒸着層及び保護層が順次積層されている金属蒸着フィルムにおける蒸着層側とが、積層されている半透過フィルム積層体(反射表示体)が提案されている。この半透過フィルム積層体では、上述の積層構造の作用効果によって全体の反射特性が向上し、外光をより有効に活用することができる。
特開2015−125176号公報 特開2004−341161号公報 特開2009−150971号公報
特許文献1で提案されている外光利用型表示体では、上述のように等方性の光拡散フィルムが使用されている。しかしながら、等方性の光拡散フィルムは入射光を全方向に拡散させるため、入射光が外光利用型表示体に対して斜め方向から入射した際に入射方向と同じ方向に沿って逆向きに反射する光の光量が少ないという問題があった。そのため、いわゆる白表示の状態において充分な明るさが得られないという問題があった。
また、特許文献2で提案されている液晶表示装置においても、上述のように等方性の光拡散層が用いられている。したがって、等方性の光拡散層が入射光を全方向に拡散させるため、入射光が液晶表示装置に対して斜め方向から入射した際に入射方向と同じ方向に沿って逆向きに反射する光の光量が少ないという問題があった。そのため、白表示の状態において充分な明るさが得られないという問題があった。
さらに、特許文献3で提案されている半透過フィルム積層体では、−10°付近と+10°付近にボトムを有する谷型の光学プロファイルを有する異方性拡散媒体が用いられている。当該異方性拡散媒体を使用した半透過フィルム積層体は、斜め上方向から入射する入射光を入射方向と同じ方向に沿って逆向きに反射させる能力が低いという問題があった。
従って、本発明の目的は、反射体と組み合わせて略鉛直方向に配置し、入射光が入射面に対して所定の角度をなす斜め方向から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆向きに良好に反射させる表面微細凹凸シート、該表面微細凹凸シートを備えた光反射体および反射表示体、該光反射体および反射表示体を備えた棚札を提供することにある。
上述の問題をふまえつつ、本発明者は鋭意検討を行った結果、上述の光反射体および反射表示体として、表面に微細な凹凸が形成された表面微細凹凸シートを有する光反射体および反射表示体に着目した。そして、表面微細凹凸シートに設けられた微細な凹凸の形状と反射光の照度分布との関係について詳細に検討した。その結果、微細な凹凸の主拡散方向に沿った断面の高さプロファイルにおいて所定の方法に従って求めた傾斜角の平均値(以下、「平均傾斜角」という場合がある)がある角度以上であると、表面微細凹凸シートに対して入射光が斜め上方向から入射した際に、斜め下方に出射される光(すなわち、正反射される光)の光量が抑えられ、斜め上方に出射される光の光量が高まり、なおかつ広角との新たな知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下の構成を有する。
[1]シート状の透明部材の一方の面に微細な凹凸が形成され、前記透明部材の他方の面は平滑である表面微細凹凸シートであって、前記微細な凹凸の主拡散方向に沿った断面の高さプロファイル上に前記他方の面の方向に沿って0.3μmの間隔をあけるように複数の接点を設け、前記複数の接点の各々を通る複数の接線を引いたときに、前記複数の接線のそれぞれの前記他方の面の方向に対する傾斜角の平均値が18°以上であることを特徴とする、表面微細凹凸シート。
なお、微細な凹凸の「主拡散方向」は、透明部材の他方の面に対し、この面に直交する方向から光を入射させたときに、前述の直交する方向を中心として最も光が拡散される方向を表し、その詳細については後述する。
[2]前記微細な凹凸の凸条部の主拡散方向に沿った方向における平均ピッチが1〜50μmであることを特徴とする前記[1]に記載の表面微細凹凸シート。
[3]前記[1]または[2]に記載の表面微細凹凸シートと、前記表面微細凹凸シートの前記他方の面側に配置された反射体と、を備えることを特徴とする光反射体。
[4]前記微細な凹凸が略鉛直方向に沿って繰り返すように配置されていることを特徴とする前記[3]に記載の光反射体。
[5]前記[1]または[2]に記載の表面微細凹凸シートと、前記表面微細凹凸シートの前記他方の面側に順次配置された表示体及び反射体と、を備えることを特徴とする反射表示体。
[6]前記微細な凹凸が前記鉛直方向に沿って繰り返すように配置されている前記[5]に記載の反射表示体。
[7]前記[3]または[4]に記載の光反射体を備えていることを特徴とする棚札。
[8]前記[5]または[6]に記載の反射表示体を備えていることを特徴とする棚札。
本発明の表面微細凹凸シートによれば、前記一方の面を光入射面として反射体とともに略鉛直方向に配置して光反射体を形成した場合に、入射光が反射体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆向きへ充分に反射させることができる。また、本発明の表面微細凹凸シートによれば、反射体及び表示体とともに略鉛直方向に配置して反射表示体を形成した場合に、入射光が反射表示体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、表示体に表示された内容が反映された反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆向きへ充分に反射させることができる。ここで、反射光を「充分に」反射させるとは、反射光の光量や照度分布に反映された表示体の表示内容を視認可能な程度に反射させることをいう。
また、本発明の光反射体によれば、入射光が反射体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、入射方向と同じ方向に沿って逆向きへ充分に反射させることができる。
さらに、本発明の反射表示体によれば、入射光が反射表示体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、表示体に表示された内容が反映された反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆向きへ充分に反射させることができる。
本発明に係る表面微細凹凸シートを示すとともに、主拡散方向について説明するための斜視図である。 本発明に係る表面微細凹凸シートにおける主拡散方向について説明するための図であり、照度分布の測定結果の一例を示す模式図である。 図1に示す表面微細凹凸シートの形状を説明するための側面図である。 本発明に係る表面微細凹凸シートの第一構成例を模式的に示す斜視図である。 図4に示す表面微細凹凸シートの表面層の表面のレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。 図4に示す表面微細凹凸シートの微細な凹凸の平均高さを求める方法を説明するための側断面図である。 図4に示す表面微細凹凸シートを製造する際に得られる波状凹凸形成シートを模式的に示す斜視図である。 図7に示す波状凹凸形成シートの硬質層の表面のレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。 図4に示す表面微細凹凸シートを製造する際に得られる微細凹凸形成シートを模式的に示す斜視図である。 本発明に係る表面微細凹凸シートの第二構成例を模式的に示す側断面図である。 図10に示す表面微細凹凸シートの表面層の表面のレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。 本発明に係る光反射体の図であって、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。 図12に示す表面微細凹凸シートと反射体とを挟持するための固定具の一例を示す上面図である。 本発明に係る反射表示体の図であって、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。 図14に示す反射表示体を構成する表示体の一例を示す斜視図である。 本発明に係る棚札を模式的に示す斜視図である。 実施例及び比較例において反射特性を測定するために用いた評価ユニットと光学配置を示す模式図である。 実施例において−30°照度比と平均傾斜角との関係を測定した結果を示すグラフである。 実施例において−60°照度比と平均傾斜角との関係を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照し、説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、各図面では、分かりやすさのため、寸法や形状を誇張して記載することがある。
≪1.表面微細凹凸シート≫
図1に例示したように、本発明に係る表面微細凹凸シート2は、透明部材1の一方の面1aに微細な凹凸3が形成されたものである。透明部材1の他方の面1bは、平滑な面である。なお、本明細書において、「平滑」とは、JIS B0601に記載の方法を用いて測定される中心線平均粗さが0.1μm以下であることをいう。
透明部材1の全光線透過率は、95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、98%以上であることがさらに好ましい。
微細な凹凸3の「主拡散方向」とは、以下の方法で決定される方向である。
<1>ゴニオメータ(例えば、型式:GENESIA Gonio/FFP、ジェネシア社製)を用いて、透明部材1の他方の面1b側から他方の面1bに対して垂直な方向に沿って(入光角度=0°とする)光(以下、測定光とする)を入射させ、透明部材1の一方の面1aからの透過散乱光の照度を測定し、照度曲線を得る。
具体的には、先ず、図1に示すように、透明部材1の他方の面1bから一方の面1aに対して垂直な方向を一方の面1a側に延ばした方向(ψ方向とする)に出射する測定光(出光角度=0°とする)の照度を1とした際の相対照度を、ψ方向に直交する一方向(α方向とする)において、出光角度(ξとする)−90°から90°まで1°間隔で測定する。これによりα方向における照度曲線が得られる。
上述の操作および照度曲線の作成を、ψ方向に直交する面において、α方向から1°ずらした方向(β方向)において行う。
ついで、上述の操作および照度曲線の作成を、ψ方向に直交する面において、β方向から1°ずらした方向(γ方向)において行う。
このように相対照度を測定する方向をψ方向に直交する面で1°ずつずらし、1°毎の照度曲線を得る。これにより、合計180種の照度曲線が得られる。
<2>180種の各照度曲線のそれぞれにおいて、相対照度が0.5以上となる角度範囲を求める。その範囲が拡散角度である。例えば、図2に示すように、α方向について得られた照度曲線において、相対照度が0.5以上となる角度範囲が−13°〜+17°である場合には、α方向における拡散角度は、13°+17°=30°となる。
<3>180種の各方向について、上述のようにして拡散角度を求め、180種の拡散角度のうち、最も大きな拡散角度が得られた方向が、主拡散方向D0である。
(凹凸の説明)
主拡散方向D0に沿って形成された微細な凹凸3のパターンとしては、例えば、以下の〔1〕,〔2〕が挙げられる。
〔1〕透明部材1の一方の面1aに沿って筋状に延びる複数の凸条部と、複数の凸条部間の複数の凹条部とが、透明部材1の他方の面1bにおける一方向に沿って交互に繰り返されるパターンを少なくとも有し、以下の(a)および(b)の特徴を有するパターン(以下、「凹凸パターン(1)」ともいう。)。
なお、凹凸パターン(1)では、少なくとも、表面微細凹凸シートの他方の面1bに直交する方向(以下、「法線方向」ともいう。)に平行し、かつ、凸条部と凹条部とが交互に繰り返される一方向(以下、「配列方向」ともいう。)に沿って切断した際に得られる断面Pに、不規則な凹凸形状(すなわち、凸条部の頂点あるいは凹条部の底点のピッチ、高さ等が揃っていない形状)が現れる。
(a)各凸条部が略平行であり、且つ若干ではあるが蛇行している。すなわち、各凸条部3cの稜線が略平行であるものの小さく緩やかに蛇行しており、隣接する凸条部の稜線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に稜線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の稜線が途中で枝分かれしたり、複数の稜線が途中で合一していてもよい。この稜線は縞状になっているともいえる。
(b)各凹条部が略平行であり、且つ若干ではあるが蛇行している。すなわち、各凹条部の谷線が略平行であるものの小さく緩やかに蛇行しており、隣接する凹条部の谷線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に谷線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の谷線が途中で枝分かれしたり、複数の谷線が途中で合一していてもよい。この谷線は縞状になっているともいえる。
以上のような凹凸パターン(1)の不規則性により、凹凸パターン(1)は、後述する主拡散方向だけでなく、例えば該主拡散方向に対して直交する方向にも、適度に光を拡散させる。
また、詳しくは後述するが、凹凸パターン(1)は、例えば1軸延伸フィルムからなる加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮することにより形成されるパターンである。
〔2〕透明部材1の一方の面1a上に、特定の方向に沿わない微細な凹凸3が形成されたパターン(以下、「凹凸パターン(2)ともいう。」)。
凹凸パターン(2)では、表面微細凹凸シート2の法線方向に平行な任意の方向に沿って切断した際に得られる断面に不規則な凹凸形状が現れる。
凹凸パターン(2)では、上述の断面Pにおける各凸条部の縦断面形状(表面微細凹凸シート2の法線方向に平行な任意の方向に沿って切断される断面Pにおける形状)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
以上のような凹凸パターン(2)の不規則性により、凹凸パターン(2)は、主拡散方向D0および主拡散方向D0以外の方向にも光を拡散させる。あくまで、凹凸パターン(2)を有する表面微細凹凸シート2における主拡散方向D0での拡散角度は、主拡散方向D0以外の方向での拡散角度に比べて大きいが、凹凸パターン(1)に比べれば、主拡散方向D0での拡散角度と主拡散方向以外の方向での拡散角度との差は小さい。
また、詳しくは後述するが、凹凸パターン(2)は、2軸延伸フィルムからなる加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮することにより形成されるパターンである。
図3に示すように、本発明に係る表面微細凹凸シート2は、微細な凹凸3の主拡散方向D0に沿った断面の高さプロファイル3pにおいて、透明部材1の他方の面1bの方向Db(図3では方向D0に平行している方向)に沿って297μm×222μmの範囲内で0.3μmの間隔をあけるように複数の接点Uを設け、複数の接点Uの各々を通る複数の接線Lを引いたときに、複数の接線Lのそれぞれの方向D1に対する傾斜角の平均値(すなわち、平均傾斜角)が18°以上であることを特徴とする。
なお、傾斜角については符号を考慮せず、絶対値をとる。すなわち、図3を参照して説明すると、方向D1を0°とし、方向D1に対して正の角度の方向を反時計回りにとるものとすると、方向D1に対してなす角度が接線L1において−60°であり、接線L2において+60°であれば、接線L1,L2の傾斜角はともに60°とする。
また、表面微細凹凸シート2において微細な凹凸3の平均傾斜角は、上述のように少なくとも18°以上であり、20°以上が好ましく、22°以上がさらに好ましく、25°以上が特に好ましい。また、前記平均傾斜角は、45°以下が好ましく、40°以下がより好ましく、35°以下がさらに好ましく、32°以下が特に好ましい。
(表面微細凹凸シート2の第一構成例)
表面微細凹凸シート2の第一構成例である表面微細凹凸シート2Aは、図4に示すように、透明部材1として、シート状の基材11と、基材11の表面11aに積層された表面層12と、を備えている。基材11の表面11aおよび底面11b(すなわち、透明部材1の他方の面1b)は、平滑な面である。基材11の表面11aに接する表面層12の底面12bも平滑な面である。
表面微細凹凸シート2Aの厚みは、接触式膜厚計で測定した厚みとして、10〜5000μmであることが好ましく、20〜2000μmであることがより好ましく、30〜1000μmであることがさらに好ましく、50〜500μmであることがさらに一層好ましく、100〜500μmが特に好ましい。
基材11の好適な素材としては、特に限定されないが、光に対して透過性を有する材質であることが好ましい。より具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。また、基材11の好適な素材としては、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどの樹脂も挙げられる。
基材11の厚みは、上述の表面微細凹凸シート12Aの好適な厚みを考慮して、1〜5000μmであることが好ましく、10〜1000μmであることが好ましく、20〜500μmであることがより好ましく、30〜300μmがさらに好ましく、30〜200μmが特に好ましい。
図4に示すように、表面層12の表面12aには、所定の方向に沿って延びる微細な凹凸13が形成されている。図5は、表面層12の表面12aのレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。
微細な凹凸13の複数の凸条部13cの縦断面形状は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。凸条部13cの縦断面形状は、基端側から先端側に向かって細くなる先細り形状であるとともに、先端も丸みを帯びている。各凸条部13cの縦断面形状において、先端側と基端側とを結ぶ線は、先端側から基端側に向けて滑らかに連続的に下降している。また、各凸条部13cは、上述の縦断面形状およびその面積のうちの少なくとも一方が、凸条部13cの延在方向(筋状に延びている方向)に沿って変化しており、一定でない。
また、各凸条部13cにおいて、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
さらに、隣り合う凸条部13c間の各凹条部13dにおいて、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
上述のように、微細な凹凸13のパターンは、凹凸パターン(1)になっている。後述の他の構成例における凹凸パターンと区別するため、本構成例における微細な凹凸13の凹凸パターン(1)を凹凸パターン(1A)とする。
微細な凹凸13の凸条部13cの平均ピッチは、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、7〜20μmであることがさらに好ましく、8〜14μmであることが特に好ましい。凸条部13cの平均ピッチが上述の範囲の下限値以上であると、表面微細凹凸シート2Aを容易に製造することができる。凸条部13cの平均ピッチが上述の範囲の上限値以下であると、表面微細凹凸シート2Aを後述する反射表示体において使用した場合に、微細な凹凸3が好ましくない輝線として視認されにくい。また、凸条部13cの平均ピッチが上述の範囲内であると、主拡散方向D0において充分な拡散角度が得られる。
なお、凸条部13cの平均ピッチは、表面層12において凸条部13cが21本含まれる正方形の範囲で表面12aの平面画像を取得し、21本の凸条部13cのうち互いに隣り合う20組の凸条部13cの配列方向に沿った稜線同士の間隔を各組ごとにランダムに5箇所で測定し、合計100個の間隔(測定値)の平均値を算出することにより求めることができる。
また、凸条部13cの平均ピッチは、次の方法でも求められる。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により表面12aを上方から撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、たとえば特開2008−302591号公報(特許第4683011号公報)等に記載されており、これを参照できる。なお、該公報の段落[0024]にも記載のとおり、当該方法で求められる最頻ピッチと、上述の平均ピッチは、同等に扱うことができる。以下、各構成例においても同様である。
微細な凹凸13の凸条部13cの平均高さは、次のように求めることができる。
例えばミクロトームを用いて、表面微細凹凸シート2Aの法線方向(即ち、厚み方向)に平行で、かつ、凸条部13cの配列方向に沿って切断した断面を有する薄片サンプルを得て、該薄片サンプルの断面の光学顕微鏡画像を取得する。そして、該光学顕微鏡画像の断面から、ランダムに50個の凸条部13cを選択し、各凸条部13cの高さを求める。
具体的には、図6に示すように、1つの凸条部13cxの頂部Tと凸条部13cxに隣り合う一方の凹条部13dxの底部B1との垂直距離をLiとし、凸条部13cxの頂部Tと凸条部13cxに隣り合う他方の凹条部13dyの底部B2との垂直距離をRiとした場合に、H=(Li+Ri)/2で求められるのが、凸条部11cxの高さHである。微細な凹凸13の凸条部13cの平均高さは、0.05〜150μmであることが好ましく、0.5〜60μmであることがより好ましく、1.4〜20μmであることがさらに好ましく、1.5〜5μmであることが特に好ましい。
微細な凹凸13の凸条部13cの平均ピッチに対する平均高さの比、すなわちアスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)は、0.05〜3.0であることが好ましく、0.1〜2.0であることがより好ましく、0.2〜1.0であることがさらに好ましく、0.25〜0.37であることがさらに一層好ましく、0.3〜0.36であることが特に好ましい。アスペクト比が上述の範囲の下限値以上であると、微細な凹凸13により視野角確保効果、輝度ムラ解消効果が充分に得られる。アスペクト比が上述の範囲の上限値以下であると、微細な凹凸13を容易に形成することができる。
表面微細凹凸シート2Aにおいて、微細な凹凸13の主拡散方向D0は、微細な凹凸13の凸条部13cの配列方向に平行な方向である。
主拡散方向D0における拡散角度は、適宜調整することができるが、例えば10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。また、主拡散方向D0における拡散角度は、例えば50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましい。
凹凸パターン(1A)において、主拡散方向に対して直交する方向では、拡散角度が低くなる。そこで、凹凸パターン(1A)については、主拡散方向に対して直交する方向を「低拡散方向D10」とする。
低拡散方向D10の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向D0の拡散角度よりも小さく、たとえば10°以下であることが好ましい。
主拡散方向D0の拡散角度および低拡散方向D10の拡散角度は、凸条部13cの平均ピッチ、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)等を調整すること等により制御することができる。
上述した主拡散方向D0の拡散角度の好ましい範囲は、後に説明する第二構成例についても適用される。その理由は、以下のようである。
主拡散方向D0の拡散角度が10°以上であれば、表面微細凹凸シート2Aを例えば後述する光反射体や反射表示体として使用する場合、光が斜め上方から入射しても、正反射方向以外の方向にも光が拡散反射するため、正面方向や入射方向と同じ方向に沿って逆方向における輝度が高くなる。このように輝度が高くなる点で主拡散方向D0の拡散角度が15°以上であることがより好ましい。なお、主拡散方向D0の拡散角度が50°を越えると、微細な凹凸13の作製が困難になる場合があるので好ましくない。
上述した低拡散方向D10の拡散角度の好ましい範囲は、後に説明する第二構成例についても適用される。その理由は、低拡散方向D10の拡散角度が10°以下であれば、不要な方向への光の拡散や反射が軽減されるため、正面方向や入射方向と同じ方向に沿って逆方向における輝度の低下が軽減されるからである。
表面層12の好適な素材としては、特に限定されないが、光透過性および加工適性を有する材質であることが好ましい。より具体的には、例えば電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、一般には紫外線および電子線を意味することが多いが、本明細書において、電離放射線には可視光線、X線、イオン線等も含まれる。
表面層12に好適な電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。
また、表面層12の好適な素材としては、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
表面層12の厚みは、上述の表面微細凹凸シート2A(さらには基材11)の好適な厚みを考慮して、1〜5000μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、3〜50μmであることがさらに好ましく、7〜30μmであることがさら一層好ましく、7〜20μmが特に好ましい。
表面微細凹凸シート2Aは、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
表面微細凹凸シート2Aの製造方法は、以下の工程(a1)及び工程(a2)を有している。
工程(a1):
微細な凹凸13の転写形状(すなわち、反転形状)を表面に有する原版(W)を製造する工程。
工程(a2):
原版(W)の転写形状を表面層12に転写し、表面12aに微細な凹凸13が形成された表面微細凹凸シート2Aを得る工程。
工程(a1)としては、たとえば、1軸延伸フィルムからなる加熱収縮性樹脂フィルム(以下、単に「1軸延伸フィルム」とする)の片面に、表面が平滑な硬質層を少なくとも1層積層させて、積層フィルムを得る工程(a1−1)と、積層フィルムを加熱して1軸延伸フィルムを収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、表面に微細な凹凸13より凸条部のうねりが大きい波状の凹凸(以下、波状の凹凸24(図7参照)とする)が形成された波状凹凸形成シートを得る工程(a1−2)と、収縮させた1軸延伸フィルムを所定の方向に引き延ばすことにより、表面に微細な凹凸13と同様の微細な凹凸(以下、微細な凹凸23(図9参照)とする)が形成された微細凹凸形成シートを得る工程(a1−3)と、微細凹凸形成シートの硬質層の表面にニッケル等の金属を堆積させた後に剥離し、微細な凹凸23の転写形状が転写された原版(W)を得る工程(a1−4)と、を有する工程等が挙げられる。
<工程(a1−1)>
1軸延伸フィルム(すなわち、加熱収縮性樹脂フィルム)とは、80〜180℃の温度で加熱した際、特定の方向に収縮(シュリンク)するフィルムのことを意味する。このようなフィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニリデン系シュリンクフィルムなどを用いることができる。また、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどの樹脂から構成されるフィルムも挙げられる。
耐久性を高める点から、1軸延伸フィルムは、加熱収縮性樹脂フィルムはポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルムであることが好ましい。
なお、1軸延伸は、縦延伸、横延伸のいずれであってもよい。
1軸延伸フィルムは、延伸倍率1.1〜15倍で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
また、1軸延伸フィルムとしては、収縮率が20〜90%のフィルムが好ましく、収縮率が30〜80%のフィルムがより好ましい。収縮率が前記下限値以上であれば、波状凹凸形成シートをより容易に製造することができる。収縮率が上限値を超える1軸延伸フィルムはそもそも製造が困難である。
本明細書において、収縮率は以下のように定義される。
(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}×100/(収縮前の長さ)
ただし、上述の「長さ」は1軸延伸フィルムの収縮方向の長さを表す。
硬質層を容易に形成し易くすることができる点から、収縮前の1軸延伸フィルムの表面は、平滑であることが好ましい。
1軸延伸フィルムを構成する樹脂(以下、「樹脂L」ともいう。)のガラス転移温度Tgは、−40〜200℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。ガラス転移温度Tgは示差熱分析等により測定可能である。ガラス転移温度Tgが上述の範囲内であれば、より容易に波状凹凸形成シートを製造することができる。すなわち、ガラス転移温度Tgが上記範囲内であれば、1軸延伸フィルムを80〜180℃の温度で加熱収縮させることができるため、より容易に波状凹凸形成シートを製造することができる。
1軸延伸フィルムの厚みは、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましく、35〜55μmが特に好ましい。上述の範囲内であれば、好適に上記平均傾斜角を18°以上にすることができる。さらには、上述の範囲内であれば、1軸延伸フィルムが破れにくく、1軸延伸フィルムの薄型化を図ることもできる。なお、1軸延伸フィルムの厚みとは、得られた波状凹凸形成シートにおいて波状の凹凸24が形成されている面に対して垂直に切った断面(縦断面)の顕微鏡写真から、10カ所以上の部分を無作為に抽出して、1軸延伸フィルムの厚さを測定した際に得られた各厚さの平均値である。
1軸延伸フィルムの厚さをTとし、後述する硬質層の厚さをTとした場合、T/Tの値(厚さの比率値)は、2×10−5以上が好ましく、1×10−3以上がより好ましく、2×10−3以上がさらに好ましく、1×10−2以上が特に好ましい。また、T/Tの値は、5以下が好ましく、5×10−1以下がより好ましく、3×10−1以下がさらに好ましく、1×10−1以下が特に好ましい。
樹脂Lのヤング率は、後述するような加熱収縮させる工程(a1−2)における温度、すなわち、80〜180℃の温度範囲において、0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。樹脂Lのヤング率が前述の下限値以上であれば、実用上使用可能な1軸延伸フィルムの硬さが得られ、前述の上限値以下であれば、硬質層が変形する際に同時に1軸延伸フィルムが追従して変形可能な軟らかさが得られる。
上述のようなガラス転移温度Tgおよびヤング率を有する樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、これらの1種以上を好適に使用することができる。
硬質層の素材としては、樹脂(以下、「樹脂M」ともいう。)或いは、金属または金属化合物が挙げられる。
硬質層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体などの1種以上を使用することができる。
硬質層を構成する金属としては、例えば、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
<硬質層の素材が樹脂Mである場合>
波状凹凸形成シートを容易に形成し易くする点では、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mと樹脂Lのガラス転移温度Tgとの差(Tg2M−Tg)が10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが特に好ましい。
樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mは、40〜400℃の範囲内にあることが好ましく、80〜250℃の範囲内にあることがより好ましい。樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mが前記範囲内であれば、波状凹凸形成シートを容易に製造することができる。
樹脂Mのヤング率は、加熱収縮させる工程(a1−2)の温度(80〜180℃)において、0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂Mのヤング率が上述の下限値以上であれば、波状の凹凸24の形状を維持するのに充分な硬さが得られ、上述の上限値以下であれば、より容易に波状凹凸形成シートを製造することができる。
硬質層の厚さは、0.05μm以上、50μm以下とすることが好ましく、0.1〜10μmとすることがより好ましく、0.3〜5.0μmとすることがさらに好ましく、0.5〜3.0μmとすることが特に好ましい。硬質層の厚さを上述の範囲にすることにより、光拡散性の点で、波状の凹凸24の平均ピッチが適切な範囲となる。
硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、波状の凹凸24の平均ピッチおよび平均深さが連続的に変化するようになる。
1軸延伸フィルムの上に硬質層を設け、積層フィルムを得る方法としては、樹脂Mを含む硬質層形成用塗料を1軸延伸フィルムに連続的に塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
硬質層形成用塗料の調製方法としては、トルエン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の1種以上の溶媒で、樹脂Mを希釈する方法等が挙げられる。硬質層形成用塗料の固形分濃度(樹脂Mの濃度:硬質層形成用塗料の質量(100質量%)に対して、該塗料中の溶媒が揮発した後に残る固形分の質量の比率)は、塗料の総質量に対して1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
1軸延伸フィルムの表面への硬質層形成用塗料の塗工方法としては、たとえば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
硬質層形成用塗料の乾燥方法としては、熱風、赤外線等を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
1軸延伸フィルムへの樹脂溶液の乾燥塗工量は、1〜10g/mにすることが好ましい。乾燥塗工量が上述の範囲内であれば、硬質層の厚みを上述のように好ましい範囲にすることができ、硬質層に波状の凹凸24を形成し易くなる。
<硬質層の素材が金属または金属化合物である場合>
硬質層が金属からなる場合には、層表面が空気酸化されて空気酸化膜が形成されることがあるが、本発明では、そのような金属層の表面が空気酸化された層も、金属からなる層とみなす。
硬質層の厚みは、0.01μmを超え0.2μm以下であることが好ましく、0.02〜0.1μmであることがより好ましい。硬質層の厚みが0.01μmを超え0.2μm以下であれば、後述のように波状凹凸形成シートを容易に製造することができる。
また、1軸延伸フィルムと硬質層との間には、密着性の向上やより微細な構造を形成することを目的として、プライマー層を形成してもよい。
1軸延伸フィルム上に上述の金属または金属化合物からなる硬質層を設ける方法としては、例えば、1軸延伸フィルムの表面に金属や金属化合物を蒸着させる方法や、1軸延伸フィルムの表面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層を積層する方法などが挙げられる。
本工程において、より容易に凹凸パターンを形成できることから、前述の表面平滑硬質層のヤング率を0.1〜500GPaにすることが好ましく、1〜150GPaにすることがより好ましい。
表面平滑硬質層のヤング率を前記範囲にするためには、表面平滑硬質層を、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で構成することが好ましい。または、表面平滑硬質層を、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化鉛、酸化ケイ素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、ガリウムヒ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物で構成することが好ましい。
ここで、ヤング率は、JIS Z 2280−1993の「金属材料の高温ヤング率試験方法」にて温度を23℃に変更して測定した値である。硬質層が金属化合物からなる場合も同様である。
前述の表面平滑硬質層の厚さは0.01μmを超え0.2μm以下、好ましくは0.05〜0.5μmとする。表面平滑硬質層の厚さを前記範囲とすることにより、凹凸パターンの最頻ピッチを、確実に1μmを超え20μm以下にすることができる。しかし、表面平滑硬質層の厚さが0.05μm未満であると最頻ピッチが1μm以下になることがあり、0.5μmを超えると、最頻ピッチが20μmを超えることがある。
また、表面平滑硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、圧縮後に形成される波状の凹凸24のピッチおよび深さが連続的に変化するようになる。
<工程(a1−2)>
本工程では、上述の工程(a1−1)で得られた積層フィルムを加熱して1軸延伸フィルムを収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、図7に示すように、硬質層22の表面22aに波状の凹凸24が形成され、表面21aにも表面22aの波状の凹凸24に追従した凹凸が形成された波状凹凸形成シート25を得る。図8は、この段階における硬質層22の表面22aのレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。
また、工程(a1−2)では、1軸延伸フィルムを30%以上の収縮率で収縮させることが好ましい。収縮率を30%以上にすると、収縮不足の部分(たとえば波状の凹凸24が充分に形成されない部分やアスペクト比が充分には大きくない部分等)を小さくすることができる。一方、1軸延伸フィルムの収縮率を大きくし過ぎると、得られる波状凹凸形成シート25の面積が小さくなり、歩留まりが低下するため、1軸延伸フィルムの収縮率の上限は80%であることが好ましい。
積層フィルムを加熱する方法としては、熱風、蒸気、熱水または遠赤外線中に通す方法等が挙げられる。積層フィルムを均一に収縮させることができる点から、積層フィルムを加熱する方法としては、熱風または遠赤外線に通す方法が好ましい。
1軸延伸フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、使用する1軸延伸フィルムの種類、目的とする微細凹凸形成シート26の凸条部23c(図9参照)の平均ピッチやアスペクト比に応じて適宜設定することが好ましい。
具体的には、1軸延伸フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、1軸延伸フィルムを構成する樹脂Lのガラス転移温度Tg以上の温度にすることが好ましい。ガラス転移温度Tg以上の温度で熱収縮させると、波状凹凸形成シート25の波状の凹凸24を容易に形成することができる。
また、1軸延伸フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、(樹脂Mのガラス転移温度Tg2M+15℃)未満であることが好ましい。
工程(a1−2)の好適な一例としては、上述の工程(a1−1)で得られた積層フィルムを好ましくは80〜180℃、より好ましくは120〜170℃の熱風の中を通過させることにより、1軸延伸フィルムと硬質層とを変形させて、図7に示すような波状凹凸形成シート25を得る工程であることが好ましい。
積層フィルムを加熱する時間は、1〜3分間であることが好ましく、1〜2分間であることがより好ましい。熱風の風速は、1〜10m/sであることが好ましく、2〜5m/sであることがより好ましい。
<工程(a1−3)>
上述のように積層フィルムを熱収縮させてなる波状凹凸形成シート25を低拡散方向D10に沿って引き伸ばし、引き伸ばす倍率(以下、延伸倍率とする)を調整することによって波状の凹凸24の形状を制御し、図9に示すように微細な凹凸23の凸条部23cが所定の方向に凡そ沿うようにして微細凹凸形成シート26を得る。
本発明においては、延伸倍率を1.1〜10倍とすることが好ましく、1.2〜5倍がより好ましく、1.3〜3倍がさらに好ましい。波状凹凸形成シート25の延伸倍率については、延伸する際の時間、温度、張力等によって適宜設定(制御)することができる。
波状凹凸形成シート25を引き伸ばす工程をいわゆるRoll to Rollで行う場合は、張力調整により加工機の流れ方向の収縮率を調整することができる。この際、幅方向の両端部を把持して引っ張ることによって、幅方向の収縮率を調整することができる。
<工程(a1−4)>
本工程は、上述の工程(a1−3)で得られた微細凹凸形成シート26(いわゆる、マスター)の硬質層22の表面22aに、たとえばニッケル等の金属を公知の電気鋳造法等で堆積させ、その後、該金属を剥離し、微細な凹凸23の転写形状(反転形状)が転写された金属製の原版(W)を得る工程である。
なお、耐熱性等の観点からは、原版(W)の材質はニッケル等の金属が好適であるが、樹脂等であってもよい。また、原版(W)は、微細な凹凸13の転写形状(反転形状)を有しているものであればよく、上述の転写を2回以上繰り返して得たもの等であってもよい。
原版(W)が樹脂製である場合は、以下に示す工程にて製造することができる。
上述の工程(a1−1)から工程(a1−4)までと同様の工程によって微細凹凸形成シート26を得る。次いで、微細凹凸形成シート26において微細な凹凸23が形成された表面22aに、離型剤を含む未硬化の透明な電離放射線硬化性樹脂を例えば3〜30μmの厚さに収まるように、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーターなどのコーターで塗布し、その上に、PET等の基台を配置する。そして、電離放射線を照射して硬化させた後、微細凹凸形成シート26を剥離して、微細な凹凸23が形成された、電離放射線硬化性樹脂硬化物と基台とからなる樹脂製の原版(W)を得る。
<工程(a2)>
本工程では、例えばPET等を材料とする透明な基材11を別途用意し、表面11aに、未硬化の電離放射線硬化性樹脂(即ち、図4に示す表面層12を形成する樹脂)を塗布する。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、前述の表面層12に好適な電離放射線硬化性樹脂が溶媒等で希釈されているものが好ましい。未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性である場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂の代わりに、例えば、未硬化のメラミン樹脂等の前述の熱硬化性樹脂や、未硬化のアクリル樹脂等の前述の熱可塑性樹脂を用いて転写を行ってもよい。転写可能であれば、その具体的方法、転写する材料は特に制限されない。
熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば液状の未硬化の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱により硬化させる方法が挙げられる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂のシートを用い、転写対象の面に押し当てながら加熱して軟化させた後、冷却する方法が挙げられる。
ここで塗布する未硬化の電離放射線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の厚さは、上述の原版(W)における微細な凹凸23の転写形状を充分に覆うことが可能な厚さとする。そして、塗布された未硬化の電離放射線硬化性樹脂の層に対して、原版(W)における微細な凹凸23の転写形状が形成された面を押し当て、その状態のまま、電離放射線を照射して硬化させた後、原版(W)を剥離する。
このように原版(W)を使用することにより、図4に示すように、PETを材料とする透明な基材11と、その表面11a上に形成された透明な電離放射線硬化性樹脂硬化物の層、すなわち表面層12から構成される2層構造の表面微細凹凸シート2Aが得られる。表面層12の表面12aには、微細な凹凸13が形成されている。なお、原版(W)は、上述の1次転写品に限定されず、転写をさらに繰り返して得たものであってもよい。
本工程において、微細な凹凸23の転写は上述の電気鋳造法以外の方法として、例えばスタンパによる転写で行ってもよい。スタンパによる微細な凹凸23の転写の具体的な方法については、たとえば、特開2012−022292号公報等に開示されている方法を適用することができる。
本発明の表面微細凹凸シート2Aにおける微細な凹凸13の平均傾斜角は18°以上である。そのためには、工程(a1−3)で得られる原版(W)の微細な凹凸23の平均傾斜角が18°以上である必要がある。微細な凹凸23の平均傾斜角の調整方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
例えば、上述の工程(a1−1)から工程(a1−3)の各工程において、積層フィルムにおける1軸延伸フィルムや硬質層の材料選択によって表面微細凹凸シート2Aの微細な凹凸13の平均傾斜角を調整し、微細な凹凸13の平均傾斜角を18°以上にすることができる。
また、波状凹凸形成シート25の波状の凹凸24のピッチや、1軸延伸フィルムの厚みと硬質層の厚みとの比率(T/T)を調整することにより、表面微細凹凸シート2Aの微細な凹凸13の平均傾斜角を調整することができる。
特に工程(a1−3)における延伸倍率、工程(a1−2)における1軸延伸フィルムや硬質層の加熱温度等を上述の好適な範囲内で適宜調整することによっても、表面微細凹凸シート2Aの微細な凹凸13の平均傾斜角を調整することができる。一例として、延伸倍率を高くする程、また1軸延伸フィルムおよび硬質層の加熱温度を高くする程、表面微細凹凸シート2Aの微細な凹凸13の平均傾斜角は大きくなる。
(表面微細凹凸シート2の第二構成例)
第二構成例の表面微細凹凸シート2Bにおける微細な凹凸33は、凹凸パターン(1)に該当する。ただし、第一構成例で説明した微細な凹凸13の凹凸パターン(1A)では、図4に示したように、凸条部13cの縦断面形状において、先端側と基端側とを結ぶ線が先端側から基端側に向けて滑らかに連続的に下降しているのに対して、図10に示すように、本構成例の微細な凹凸33の凹凸パターン(1)は、凸条部33cの縦断面形状において、先端側(頂部)と基端側とを結ぶ線が、微細な多数の凹凸36を有する微細凹凸状である点で、第一構成例の微細な凹凸13の凹凸パターン(1A)とは異なる。微細な多数の凹凸36は、後述の凹凸パターン(1−a)によるものである。以下、表面微細凹凸シート2Bにおける微細な凹凸33の凹凸パターン(1)を凹凸パターン(1B)とする。図11は、凹凸パターン(1B)のレーザー顕微鏡による観察画像の一例である。
凹凸パターン(1B)は、凸条部33cと凹条部33dとから構成される凹凸パターン(1A)と、その上に形成された、凸条部38cと凹条部38dとから構成される別の微細な凹凸パターン(1−a)により形成されている。
凹凸パターン(1−a)は、筋状に延びる複数の凸条部38cと、該複数の凸条部38d間の複数の凹条部38dとが一方向に交互に繰り返されるパターンであって、凹凸パターン(1A)の凸条部13cの配列方向と、凹凸パターン(1−a)の凸条部38cの配列方向とはほぼ同じ方向である。
凹凸パターン(1−a)は、以下の特徴を有する。
(a’)各凸条部38cが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凸条部38cの稜線が蛇行し、隣接する凸条部38cの稜線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に稜線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の稜線が途中で枝分かれしたり、複数の稜線が途中で合一していてもよい。
(b’)各凹条部38dが蛇行しており、かつ、互いに非平行である。すなわち、各凹条部38dの谷線が蛇行し、隣接する凹条部38dの谷線の間隔が一定ではなく、連続的に変化している。ただし、部分的に谷線の間隔が一定である部分を含んでいてもよい。また、1本の谷線が途中で枝分かれしたり、複数の谷線が途中で合一していてもよい。
また、凹凸パターン(1−a)では、各凸条部38cの縦断面形状(表面微細凹凸シート2Bの法線方向に平行で、かつ、凸条部33cの配列方向に沿って切断される切断面における形状。)は、互いに異なっており一律ではなく、不規則である。
また、各凸条部38cの上記縦断面形状は、それぞれが基端側から先端側に向かって細くなる先細り形状であるとともに、先端が丸みを帯びている。なお、凹凸パターン(1−a)は、各凸条部38cの上記縦断面形状において、先端側と基端側を結ぶ線は、滑らかであり、先端側から基端側に向けて連続的に下降している。また、各凸条部38cは、上述の縦断面形状およびその面積のうちの少なくとも一方が、当該凸条部38cの延在方向(筋状に延びている方向)に沿って変化しており、一定でない。
また、各凸条部38cにおいて、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
また、各凹条部38dにおいて、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
凸条部33cの平均ピッチおよびアスペクト比の好ましい範囲、求め方等は、第一構成例で説明したとおりである。
凹凸パターン(1−a)の凸条部38cの平均ピッチは、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.4〜1.0μmであることがより好ましく、0.5〜0.8μmであることがさらに好ましい。平均ピッチが上記範囲内であると、光拡散性が損なわれない。
凸条部38cの平均ピッチは、凹凸パターン(1A)の凸条部13cの平均ピッチと同様の方法で求めることができる。すなわち、凸条部38cの平均ピッチは、表面層32において凸条部38cが21本含まれる正方形の範囲で表面32aの平面画像を取得し、21本の凸条部38cのうち互いに隣り合う20組の凸条部38cの配列方向に沿った稜線同士の間隔を各組ごとにランダムに5箇所で測定し、合計100個の間隔(測定値)の平均値を算出することにより求めることができる。
また、平均ピッチは、次の方法でも求められる。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により表面層32の表面32aを撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、最頻ピッチの求め方として、たとえば国際公開第2014/002850号等に記載されており、これを参照できる。最頻ピッチと平均ピッチは、同等に扱うことができる。
凹凸パターン(1−a)の凸条部38cの平均ピッチに対する平均高さの比、すなわちアスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)は、0.25〜0.35であることが好ましく、0.28〜0.33であることがより好ましい。アスペクト比が上記範囲内であると、光拡散性が損なわれない。
凹凸パターン(1−a)のアスペクト比は、凸条部38cの平均高さ/平均ピッチで求められる値であって、概略、第一構成例において説明した凹凸パターン(1A)のアスペクト比と同様の方法で求められる。
すなわち、図10において、凹凸パターン(1−a)の凸条部38cの高さは、両隣の2つの凹条部38dの底部から、凸条部38cの頂部までの距離の和の1/2である。ここで、凹条部38dの底から凸条部38cの頂部までの距離は、凸条部38cの頂部と、凹条部38dを結ぶ線に平行であり、かつ、凸条部38cの頂部を通過する仮想線に対して垂直方向の距離である。すなわち、凹凸パターン(1−a)を形成する凸条部38cの高さは、凸条部38cに対して一方側の凹条部38dの底部から計測した凸条部38cの高さをLs、他方側の凹条部38dの底部から計測した高さをRsとした際に、bs=(Ls+Rs)/2となる。このようにして各凸条部38cの高さbsを求める。そして、50個の凸条部38cの高さbsを測定し、それらの高さを平均して平均高さを求める。
本構成例の表面微細凹凸シート2Bにおいて、凹凸パターン(1B)の主拡散方向D0は、先に説明した方法により求めることができ、凹凸パターン(1A)の凸条部33cの配列方向にほぼ平行な方向(図10では主拡散方向D0と同じ方向)である。
主拡散方向D0の拡散角度は、適宜調整できるが、たとえば10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。また、たとえば50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましい。
低拡散方向D10の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向D0の拡散角度よりも小さいことが望ましく、たとえば10°以下であることが好ましい。
主拡散方向D0の拡散角度、低拡散方向D10の拡散角度は、凹凸パターン(1A)および(1−a)それぞれの凸条部33c,38cの平均ピッチ、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)等を調整すること等により制御することができる。
第二構成例の表面微細凹凸シート2Bの好ましい厚み等は、第一構成例の表面微細凹凸シート2Aと同程度である。
第二構成例の表面微細凹凸シート2Bは、概略、第一構成例の表面微細凹凸シート2Aと同様の製造方法で製造することができる。
ただし、上述の工程(a1−1)では、硬質層を形成するために使用する硬質層形成用塗料として、硬質層を形成するための樹脂を2種類(以下、「樹脂M1」および「樹脂N
1」という。)使用する。このように2種類の樹脂M1,N1を使用することにより、凹凸パターン(1A)および(1−a)から構成される凹凸パターン(1B)を形成することができる。
また、本構成例の凹凸パターン(1B)の形成については、国際公開第2014/002850号等を参照することができる。
1軸延伸フィルムの材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第一構成例と同様である。
硬質層の形成に用いる樹脂M1および樹脂N1としては、各々、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。
樹脂M1および樹脂N1は、凹凸パターン(1B)の形成し易さの点から、ガラス転移温度が互いに異なることが好ましく、具体的には、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mが樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nよりも高いことが好ましい。さらには、(樹脂M1のガラス転移温度Tg2M)−(樹脂N1のガラス転移温度Tg2N)が10℃以上であることが好ましく、12℃以上であることがより好ましい。
一方、(ガラス転移温度Tg2M)−(ガラス転移温度Tg2N)が20℃以下であることが好ましく、18℃以下であることがより好ましい。すなわち、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mと、樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nとの差は、10〜20℃であることが好ましく、12〜18℃であることがより好ましい。
凹凸パターン(1B)の形成しやすさの点から、樹脂M1のガラス転移温度Tg2Mと樹脂L1のガラス転移温度Tgとの差(Tg2M−Tg)、樹脂N1のガラス転移温度Tg2Nと樹脂L1のガラス転移温度Tgとの差(Tg2N−Tg)が共に10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。
樹脂M1および樹脂N1のガラス転移温度Tg2M,Tg2Nは共に40〜400℃の範囲内にあることが好ましく、80〜250℃の範囲内にあることがより好ましい。ガラス転移温度Tg2M,Tg2Nが上記範囲内であれば、より容易に凹凸パターン(1B)を形成することができる。
樹脂M1および樹脂N1のヤング率は、工程(a1−2)の温度、すなわち80〜180℃において、0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂M1および樹脂N1のヤング率が上記範囲の下限値以上であれば、凹凸パターン(1B)の形状を維持するのに充分な硬さが得られ、ヤング率が上記範囲の上限値以下であれば、より容易に凹凸パターン(1B)を形成することができる。
硬質層の厚さは、第一構成例と同じ範囲が好ましく、厚さが連続的に変化していても構わない点も同様である。
硬質層を設ける方法としては、硬質層形成用塗料として、樹脂M1および樹脂N1を含む塗料を使用する点以外は、第一構成例と同様である。
なお、上記製造方法において、凹凸パターン(1B)の特性(ピッチ、アスペクト比等。)は、たとえば樹脂M1と樹脂N1の配合比率、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率を調整することで制御することができる(例えば、国際公開第2014/002850号等参照)。
(表面微細凹凸シート2の第三構成例)
第三構成例の表面微細凹凸シートは、図示していないが、表面層の表面に形成されている凹凸パターンが、上述の凹凸パターン(1)に該当するパターンではなく、上述の凹凸パターン(2)(すなわち、特定の方向に沿わない凹凸が形成されたパターン)に該当する凹凸パターン(2A)である点のみで、第一構成例の表面微細凹凸シートと異なる。
第三構成例の表面微細凹凸シートが有する凹凸パターン(2A)は、表面層の表面に沿って折れ曲がりながら、特定の方向に沿わずに延びる複数の凸条部と、該複数の凸条部間の複数の凹条部とにより形成されている。凸条部は、稜線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。また、各凹条部は、谷線の高さが一定しておらず、連続的に変化する高低差を有している。ただし、部分的に高低差のない部分を含んでいてもよい。
凹凸パターン(2)の凸条部の平均ピッチおよびアスペクト比等の好ましい範囲、求め方等は、第一構成例で説明した凹凸パターン(1A)と同様である。
なお、平均ピッチは、次の方法で求めることが好適である。
すなわち、光学顕微鏡または電子顕微鏡により凹凸パターン形成面の上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等。)に変換し、次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換し、フーリエ変換画像の画像解析によりピッチを求める。この方法は、例えば特開2008−279597号公報の段落[0002]等に記載されており、これを参照することができる。
凹凸パターン(2A)は、上述のように、特定の方向に沿わない凹凸が形成されたパターンであり、光拡散性の異方性が弱められている。そのため、第一構成例と比較すると、凹凸パターン(2A)の主拡散方向と低拡散方向とにおける拡散角度の差は小さい。ただし、あくまで主拡散方向における光拡散性が他の拡散方向における光拡散性よりも高くなっている。
主拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、例えば10°以上であることが好まし
く、15°以上であることがより好ましい。また、主拡散方向の拡散角度は、例えば50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましい。
低拡散方向の拡散角度は、適宜調整できるが、主拡散方向の拡散角度よりも小さくなっており、例えば10°以下であることが好ましい。
第三構成例の凹凸パターン(2A)の主拡散方向の拡散角度、低拡散方向の拡散角度は、上記平均ピッチ、アスペクト比等を調整すること等により制御することができる。
第三構成例の表面微細凹凸シートの好ましい厚み等は、第一構成例の表面微細凹凸シート2Aと同程度である。
なお、第三構成例の表面微細凹凸シートは、1層構造でも、2層以上の多層構造であってもよい。
また、第三構成例の表面微細凹凸シートは、概略、第一構成例と同様の方法で製造することができる。ただし、第二構成例では、工程(a1−1)において、加熱収縮性樹脂
フィルムとして、2軸延伸フィルムを用いる。2軸延伸フィルムを用いることにより、特定の方向に沿わない凹凸が形成される。また、使用する2軸延伸フィルムの縦延伸倍率および横延伸倍率を調整し、縦収縮率および横収縮率を調整することにより、主拡散方向の拡散角度と、低拡散方向の拡散角度とのバランスが適宜調整された凹凸パターン(2A)を形成することができる。縦収縮率および横収縮率の好ましい各範囲は、各々、第一構成例における収縮率の好ましい範囲と同じである。2軸延伸フィルムの材質(樹脂L)、収縮率、樹脂Lのガラス転移温度、ヤング率等の好ましい態様および範囲は、第一構成例と同様である。
また、本構成例の凹凸パターン(2A)の形成には、特開2008−304651号公報(特許第5098450号公報)等を参照することができる。
(表面微細凹凸シート2のその他の構成例)
本発明に係る表面微細凹凸シート2のその他の構成例としては、例えば、
・複数の層が積層された積層体で構成されている基材を有する表面微細凹凸シート
・基材と表面層とを有する表面微細凹凸シートの製造後に基材から剥離した表面層のみからなる表面微細凹凸シート
・硬質層が樹脂M等の透明材料からなり、上述の製造方法によって得られる微細凹凸形成シート(いわゆる、マスター)
・透明材料が積層されてなる1軸延伸フィルムや2軸延伸フィルムを有する微細凹凸形成シート(いわゆる、マスター)
等が挙げられる。
表面微細凹凸シート2によれば、上述のように好適な平均ピッチおよび平均高さやアスペクト比で形成され、平均傾斜角が18°以上である微細な凹凸13を備えていることで、透明部材1の他方の面1bを光入射面として略鉛直方向に配置し、入射光が入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を、入射方向と同じ方向に沿って逆方向かつ斜め上方へ充分に反射させることができる。
また、表面微細凹凸シート2を反射体4とともに略鉛直方向に配置して光反射体を形成した場合には、入射光が反射体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を、入射方向と同じ方向に沿って逆方向へ充分に反射させることができる。
≪2.光反射体≫
本発明に係る光反射体81は、図12(a),(b)に示すように、前述の表面微細凹凸シート2と、表面微細凹凸シート2の透明部材1の他方の面(表面微細シートの他方の面)1b側に配置された反射体4と、を備えている。ここで、略鉛直方向とは、床面Gに対して鉛直方向を基準として傾斜角度が3°以内である方向をいう。略鉛直方向に配置された光反射体81における表面微細凹凸シート2の主拡散方向D0は、床面Gに対して略直交している。すなわち、図12(a)に示すように、表面微細凹凸シート2における微細な凹凸3が略鉛直方向に沿って繰り返すように配置されている。
<表面微細凹凸シート>
本発明に係る光反射体81が備える表面微細凹凸シート2の詳細な説明については、≪1.表面微細凹凸シート≫の項目で述べられた表面微細凹凸シート2の詳細な説明と同様であるため、ここでは省略する。
<反射体>
反射体4は、表面微細凹凸シート2を透過した光を入射面側に反射させるためのものである。反射体4は、このような機能を発現するものであれば、特に限定されない。例えば、層構成、厚さ等については限定されない。
反射体4の全光線反射率は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましく、90%以上であることが極めて好ましい。
具体的な反射体4としては、金属板、金属積層体、内部に空孔(ボイド)が形成された樹脂フィルム、無機充填剤を含有する樹脂フィルム、シリコン基板、等が挙げられる。金属板としては、アルミニウム、ステンレス、銀、ニッケル等が挙げられる。金属板は金属薄板、金属箔等を含む。金属積層体としては、熱可塑性樹脂(好適なものとしてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)のフィルムやガラス基板などの基材に対して、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム等などを蒸着、コーティング若しくはスパッタリングしたシート;上記基材に対して上記金属板を積層したシート;などが挙げられる。内部に空孔(ボイド)が形成された樹脂フィルムとしては、アゾジカルボンアミドなどの発泡剤や二酸化炭素を用いた超臨界発泡法により微細な発泡構造を形成した熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる。無機充填剤を含有する樹脂フィルムとしては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、マイカなどの無機充填剤をポリプロピレン系樹脂中に含有させてなるフィルム等が挙げられる。
<その他の層・部材>
本発明の光反射体81は、少なくとも前述の表面微細凹凸シート2及び反射体4を含むが、その他の層及び/又は部材をさらに含んでいてもよい。
(接着層)
例えば、本発明に係る光反射体において、表面微細凹凸シートと反射体との間に、接着層が形成されていてもよい。当該接着層は、表面微細凹凸シートと反射体とを接着させることができる。
接着層を形成する接着主剤としては、光反射体81の反射光の視認性を低下させないように、透明性を有する粘着剤を用いることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などが挙げられる。中でも、アクリル系粘着剤を用いることが好ましく、アクリル重合体をベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤が好ましい。ここでアクリル系重合体は、非架橋性の(メタ)アクリル酸エステル単位と、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位を含有する。ここで、「単量体単位」は重合体を構成する繰り返し単位である。「アクリル単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることを示す。また、非架橋性アクリル単量体は架橋性基を有さないアクリル単量体であり、架橋性単量体は架橋性基を有する単量体である。
[添加剤]
また、各粘着剤層には、必要に応じて、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。
(固定具)
本発明の光反射体81は、その他の部材として固定具をさらに含んでいてもよい。固定具は、表面微細凹凸シート2と反射体4とを固定させることができる。
上述の固定具としては、特に限定されないが、例えば、図13に示すように表面微細凹凸シート2および反射体4の外周部を厚み方向両側から挟み込む側面視U字型の治具50や、特開2010−024514号公報に開示されている基板補強治具、特開2012−225815に開示されている評価用治具やねじ止め用のねじ等が挙げられる。固定具を用いて表面微細凹凸シート2と反射体4との積層構造を保持する際には、表面微細凹凸シート2と反射体4との間にいわゆる屈折率マッチングオイルを塗布しておくことで、表面微細凹凸シート2と反射体4との僅かな隙間における光損失が抑えられる。
<光反射体の作用効果>
以上説明した光表示体81では、図12(a),(b)に示すように、入射光が光表示体81の入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆方向へ充分に反射させることができる。
具体的には、図12(a)に示すように、斜め上方から光表示体81に入射光L0が入射すると、入射光L0のうち大半(例えば、反射散乱光全体の輝度を100としたときの一例として70程度)は反射光L1として斜め下方に反射され、残り(例えば、反射散乱光全体の輝度を100としたときの30程度)は反射光L2〜L5、…として上述の斜め下方より上方(即ち、入射光の入射側に近い方)に反射される。反射表示体1は表面微細凹凸シート2を備えているので、表面微細凹凸シート2を備えていない構成に比べて上述した斜め下方より斜め上方に反射される反射光の中でも特定の方向に反射される反射光LXを強くし、反射光LXの輝度を高くすることができる。なお、表面微細凹凸シート2を備えていない構成では、一例として、反射散乱光全体の輝度を100としたとき、反射光L1の輝度は一例として90程度であり、反射光L2〜L5、…の合計の輝度は10程度と低い。
≪3.反射表示体≫
本発明に係る反射表示体91は、図14(a),(b)に示すように、前述の表面微細凹凸シート2の透明部材1の他方の面(表面微細凹凸シートの他方の面)1b側に順次配置された表示体53及び反射体4と、を備えている。反射表示体91は、主に略鉛直方向に配置されている。反射表示体91においても、表面微細凹凸シート2の主拡散方向D0は、床面Gに対して略直交している。すなわち、図14(a)に示すように、表面微細凹凸シート2における微細な凹凸3は略鉛直方向に沿って繰り返すように配置されている。
<表面微細凹凸シート>
本発明に係る反射表示体91が備える表面微細凹凸シート2の詳細な説明については、≪1.表面微細凹凸シート≫の項目で述べられた表面微細凹凸シート2の詳細な説明と同様であるため、ここでは省略する。
<表示体>
本発明の反射表示体91が備える表示体53は、表示させたい表示物(模様、色彩、文字等)を含む。表示体53は、少なくとも一部が反射表示体91に入射する入射光を透過可能なものであれば、特に限定されない。ここで、「少なくとも一部」とは、図15に例示するように、表示体53の表面53aおよび裏面53bに平行な方向(図15における第一の方向D1や第二の方向D2などが該当し、以下、「表面方向」とする場合がある)における「少なくとも一部」を表している。即ち、表示体53は、表面方向において少なくとも一部に入射光を透過可能な部分63を有し、残部に入射光を透過不能な部分64(即ち、遮光部分)を有する。図15には、第三の方向D3から見て入射光を透過可能な部分63が市松模様をなすように配置されている表示体53を例示している。
このような表示体53としては、例えば全体が透明なシート状物に対して表示させたい表示物(所望の模様や文字や色彩等)が付されたものや、逆に前述の表示物以外の領域に遮光部が設けられたものなどが挙げられる。ここで、透明なシート状物としては、特に限定されず、例えばフィルム、ガラス基板等が挙げられる。また、上述の表示物を付すための方法としては、特に限定されず、例えば、印刷、刻印、熱転写(例えば、特開平11−327065号公報)、塗工等が挙げられる。また、さらに所望の模様や文字の形状を有する遮光体、あるいは所望の模様や文字の形状を形成する単数または複数の遮光体の貼り付け等もまた挙げられる。各表示物を付すための方法における各手法、条件等は特に限定されない。ここで、印刷、刻印、熱転写、塗工等で得られた表示物を形成する層をまとめて印刷層ともいう。
また、上述の単数または複数の遮光体のみが表面微細凹凸シート2と反射体4との間に挟持されていてもよい。また、例えば特開2014−198628号公報に開示されているように、斜光体を移動させてもよい。
さらに、表示体53における表示内容を書き換え自在とする観点から、表示体53は透過型の液晶表示素子や液晶パネル、電子ペーパーなどのアクティブ光学素子などで構成されていることが好ましい。このようなアクティブ光学素子を構成する液晶材料としては、例えば、ネマティック液晶、強誘電性液晶、ポリマーネットワーク型液晶などが挙げられる。
また、液晶表示素子のように偏光特性を有する表示体を用いることによって、入射光を多色光とした際に、前述の偏光特性を活かして反射光の波長情報を操作することもできる。これにより、反射表示体91によって反射される反射光および反射表示体91に表示される内容の情報量を増やすこともできる。ここで、液晶を含む層を液晶層ともいう。
上述の液晶表示素子としては、例えば特開2008−272514号公報に開示されている棚札表示器(デジタル棚札)に用いられている液晶、特開2009−056128号公報に開示されている表示部のドットマトリクス液晶表示器、国際公開2013−015178号公報に開示されている液晶デバイス、特開平10−154215号公報に開示されている強誘電性液晶表示パネル等が挙げられる。
また、上述の電子ペーパーとしては、例えば、特開2004−102384号公報に開示されているディスプレイ、特開2003−346111号公報に開示されている非接触ICカードや、特開2009−122877号公報に開示されている電子ペーパー表示部等が挙げられる。
すなわち、表示体53は、反射表示体91の入射面に平行する面内において入射光および反射体4からの反射光をそれぞれ透過する光量が相対的に高い部分と低い部分とを有するものである。ここで、「入射光および反射光を透過する光量が高い」とは、例えば、入射光および反射光の全光量のうち30%以上100%以下を透過することができることを示す。一方、「入射光および反射光を透過する光量が低い」とは、例えば、入射光および反射光の全光量のうち0%以上30%未満しか透過しないことを示す。
また、表示体53の厚みは、特に限定的ではない。表示体が、表示層(印刷層、液晶層等)の表面及び裏面の両面を透明なシート状物で挟みこんで得られる表示体である場合、当該表示層の厚みや当該シート状物の厚みもまた特に限定的ではないが、表示体が示す表示の視認性等の点から、表示層の厚みは0.1〜1000μmであることが好ましい。特に、上述の場合であって、表示層が液晶層である場合、表示層の厚みは1〜100μmがであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。また、上述の場合であって、表示層が印刷層である場合、表示層の厚みは1〜100μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
<反射体>
本発明に係る反射表示体91が備える反射体4の詳細な説明については、≪2.光反射体≫の項目で述べられた反射体4の詳細な説明と同様であるため、ここでは省略する。
<反射表示体の作用効果>
以上説明した反射表示体91では、図14(a),(b)に示すように、入射光が反射表示体91の入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆方向へ充分に反射させることができ、光反射体81と同様の作用効果が得られる。さらに、反射表示体91では、表示体53が有する表示物(模様、色彩、文字等)の情報が反射光の光強度分布に反映され、前述の情報が充分に視認される。
したがって、例えば身長の高い大人であっても、身長の低い小人であっても、反射表示体91に示される表示を鮮明に見ることが可能である。また、図14(b)に示すように、反射表示体の表示面(入射面)に対して(i)真正面から見た場合においても、(ii)(真正面ではなく)斜めから見た場合においても、反射表示体に示される表示を鮮明に見ることができる。
≪4.棚札≫
図16に示すように、本発明における棚札100は、上述の反射表示体91を備え、反射表示体91を不図示の棚等に取り付け可能とするための取付具102をさらに備えている。なお、図16においては、表示体53における入射光を透過可能な部分63および入射光を透過不能な部分64(反射表示体1の表示内容を構成する要素)をわかりやすく示すために、表面微細凹凸シート2における微細な凹凸3の図示や反射体4の着色を省略する。
棚札100の表示体53は、表示内容を書き換え自在とする観点から、前述のように透過型の液晶表示素子や液晶パネル、電子ペーパーなどのアクティブ光学素子などで構成されていることが好ましい。このような構成により、棚札100に対して表面微細凹凸シート2側の斜め上方から(第三の方向D3に)入射光を入射させ、所望の表示内容に合わせて複数の部分64のうちいくつかの部分64を入射光が透過可能な状態に変更することで、所望の表示内容を人間等に認識可能とする反射光が形成される。
上述の棚札100では、反射表示体91を備えていることで、上述のように、(1)反射光のうち、人間等に対して反射表示体91中の表示(即ち、入射光を透過不能な複数の部分14がなす形状パターン)を認識させるための反射光と、(2) 反射表示体1の入射面に対して垂直な線(法線)若しくは当該線を含む面、又は地面、との角度が(i)大きい場合と(ii)小さい場合のいずれにおいてもより多くの上記(1)の反射光が得られて表示が明確に認識可能となる。また、上記仰角φだけでなく、方位角(幅方向)に関しても、反射表示体1に対して入射光を入射させた際に、上記(1)の反射光を特定の方向(即ち、入射方向と同じ方向に沿って逆方向であって、棚札の入射面から人間等の目に向かう斜め上方)に反射させるだけでなく、且つ、幅方向において(i')正面方向、及び(ii')斜め幅方向のいずれにおいてもより多くの上記(1)の反射光が得られて表示が明確に認識可能となる。
なお、図示していないが、本発明に係る棚札は、光反射体81を備えていてもよい。即ち、本発明に係る棚札は、表面微細凹凸シート2および反射体4を備えていてもよく、表示体53とは別形態の表示体等を備えていてもよい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、各々の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
以下、本発明について、実施例を例示して具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[表面微細凹凸シートA]
下記塗工液(1)をPETからなる一軸方向加熱収縮性フィルム(三菱樹脂株式会社製「LX-18S」、厚さ:40μm、ガラス転移温度Tg1=75℃)の片面に、塗工乾燥後の硬質層の厚みt’が2μmになるようにバーコーター(メイヤーバー♯18)により塗工し、積層シートAを得た。
塗工液(1):
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg2M=110℃)をトルエンに加え、固形分濃度7質量%の塗工液(1)を得た。なお、上記アクリル樹脂Aは固形分濃度20質量%であるが、本例での質量比および濃度は、正味量(固形分量)で計算した値である。以下の例についても、正味量で計算している。
次いで、熱風式オーブンを用いて110℃で該積層シートを1分間加熱することにより、上述の一軸方向加熱収縮性フィルムを、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(変形率として60%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、変形された積層シート(積層シートBともいう。当該積層シートBは、上記一軸方向加熱収縮性フィルム上に硬質層が積層された2層の積層体である。)を得た。なお、ここで、上述のように熱収縮した方向をX方向ともいう。
次いで、当該積層シートBを、上記熱収縮した方向と直交する方向(以下、Y方向ともいう)に、熱風式オーブンを用いて、120℃で積層シートBを引き伸ばした。この際、1kgの錘で積層シートBの片方を固定し、他方(もう片方)をフリーとして、延伸倍率が2.4倍になるようストッパーを設置した。
これにより、表面微細凹凸シートA(原版、あるいはマスター)を得た。当該表面微細凹凸シートAの一方の表面には、微細な凹凸が形成されている。形成された凹凸(凹凸パターン)の凸条部は、それぞれが略平行であるがやや蛇行して、不規則に形成されていた。なお、当該表面微細凹凸シートAは、一軸方向加熱収縮性フィルム及び硬質層の2層で構成されており、当該微細な凹凸は上記一軸方向加熱収縮性フィルムにも追従するように形成されている。
また、フーリエ変換画像の画像解析により求めた凸条部の平均ピッチは4μmであり、平均高さは2μmであった。
次いで、得られた表面微細凹凸シートA(原版)の表面に、ニッケル電気鋳造法にて、ニッケルを500μmの厚さになるように堆積させた。その後、堆積させたニッケルを表面微細凹凸シートA(原版)から剥離し、表面に表面微細凹凸シートAの微細な凹凸に対して反転したパターン(反転パターン)が転写されたニッケル2次原版を得た。
[表面微細凹凸シートB]
次に、透明PET基材(東洋紡株式会社製「A4300」、厚さ:188μm)の片面に未硬化の紫外線硬化性樹脂B(ソニーケミカル社製)を厚さ20μmとなるように塗布した。次いで、塗布された紫外線硬化性樹脂Bの塗膜に対して、ニッケル2次原版の上記反転パターンを有する面を押し当て、前記紫外線硬化性樹脂Bが硬化するように紫外線を照射した。前記紫外線硬化性樹脂Bが硬化した後、ニッケル2次原版から前記硬化した紫外線硬化性樹脂Bを剥離して、透明PET基材上に、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる表面層が形成され、当該表面層の表面に上述の表面微細凹凸シートA(原版)と同じ微細凹凸が形成された表面微細凹凸シートBを得た。なお、当該表面微細凹凸シートBは、透明PET基材及び表面層の2層で構成されており、当該微細な凹凸は表面層にのみ形成されており、当該微細な凹凸は透明PET基材には形成されていない。
[光反射体]
続いて、200mm×100mmの鏡面反射板(反射体、磨き屋シンジゲート製、材質ステンレス(SUS304#1000(片面研磨品)))を用意した。次いで、当該鏡面反射板の上に、ノンキャリアフィルム(新タック化成製、CCL/D1/T3T3、アクリル系樹脂)を貼りあわせ、当該鏡面反射板と上述の表面微細凹凸シートBを、ノンキャリアフィルムの接着剤層を介して貼り合わせた。なお、表面微細凹凸シートBは、当該表面微細凹凸シートB中の透明PET基材と接着剤層とが接するようにして貼り合わせた。これにより、鏡面反射板の上に接着剤層、表面微細凹凸シート(透明PET基材及び表面層の2層構成の表面微細凹凸シート)が厚み方向に沿って順に積層された光反射体を得た。
(実施例2)
Y方向への引き伸ばし工程における延伸倍率を1.5倍とすること以外は、実施例1と同様にして表面微細凹凸シートC(透明PET基材及び表面層の2層構成の表面微細凹凸シート)と鏡面反射板が積層された光反射体を得た。
(比較例1)
Y方向への引き伸ばし工程を行わないこと以外は、実施例1と同様にして表面微細凹凸シートD(透明PET基材及び表面層の2層構成)と鏡面反射板が積層された光反射体を得た。
(各例における光反射体の反射特性の測定方法)
上述の実施例1、実施例2及び比較例1のそれぞれの例で得た光反射体の反射特性を以下のように測定した。
反射特性を測定するために、図17に示す評価ユニット60を用意して、各光反射体の−30°照度、−60°照度、0°照度をそれぞれ次のように測定した。図17に示すように、光反射体(鏡面反射板200及び表面微細凹凸シート100を含む)を配置し、表面微細凹凸シート100において鏡面反射板(反射体)200と接する面と反対側の面に測定用光源301を配置し、測定用光源301から発せられた光を入射させた。入射光の角度は、YZ平面でZ軸を0°として、0°を中心にプラス(+)側、マイナス(−)側とした。検出器302をYZ平面面内で変化させて、照度を測定した。
ここで、−30°照度比、−60°照度比は以下(A)〜(F)の手順にて測定する。
(A)図17に示す評価ユニットの測定用光源301および検出器302を図17に示す通りに配置する。
(B)測定用光源301および検出器302を表面微細凹凸シート100の法線方向上で検出器302の配置している側と鏡面反射板200に対して反対側に配置する。
(C)この時、検査用光源301から発せられた光は、YZ平面かつ凹凸シートの法線方向を0°として、−45°から表面微細凹凸シート100に入射する。
(D)また、この時、表面微細凹凸シート100と鏡面反射板200との界面から検出器302までの距離を、図17における検出器302の位置を変化させる際、表面微細凹凸シート100と鏡面反射板200との界面から検出器302までの距離と等しくなるように配置する。
(E)検出器の位置が、−30°、−60°、0°であるときの照度をそれぞれ測定する。
(F)−30°照度比は、0°照度を100%としたときの−30°照度の比を表し、−60°照度比は、0°照度を100%としたときの−60°照度の比を表す。
(評価結果)
上述の測定方法により、各実施例及び比較例により得られた光反射体の−30°照度比、−60°照度比を測定した。測定結果及び各光反射体の表面微細凹凸シート100におけるアスペクト比を以下の表1に示す。
また、−30°照度比、−60°照度比と平均傾斜角との関係について測定した結果を図18及び図19に示す。
表1及び図18、図19に示す結果によれば、実施例1及び実施例2で作製したように表面微細凹凸シート100の微細な凹凸パターンの平均傾斜角が18°以上になっている。この製造工程において微細な凹凸が所定の方向に好適に引き伸ばされた表面微細凹凸シートA、並びに当該表面微細凹凸シートAの微細な凹凸と同様の凹凸を有する表面微細凹凸シートB及びCは、反射体と積層して光反射体とした場合に、斜め上方から入射した測定用光源301からの入射光が反射光として、入射した方向に良好に反射されていることがわかる。このような光反射体及び当該光反射体に加えて表示体を有する反射表示体によれば、例えば床面近くに立設された反射表示体からの反射表示体からの反射光が人間の目線にも合う角度や方向に反射され、反射表示体の表示体に表示されている内容を容易に視認可能となる。
一方、比較例1のように平均傾斜角が18°未満になっており、製造工程において微細な凹凸が引き延ばされなかった表面微細凹凸シートDを有する光反射体では、表1に示すように、−30°照度比、−60°照度比がともに低くなった。そのため、当該光反射体に加えて表示体を有する反射表示体では、当該表示体に表示されている内容が見え難くなると考えられる。
以上の実施例及び比較例により、本発明によれば、入射光が反射表示体の入射面に対して斜め上方から入射した際に、反射光を入射方向と同じ方向に沿って逆方向へ充分に反射させる光反射体及び反射表示体を実現できることを確認した。
1・・・透明部材
1a・・・表面(一方の面)
1b・・・裏面(他方の面)
2,2A,2B,2C,2D・・・表面微細凹凸シート
3 微細な凹凸
3p・・・高さプロファイル
4・・・反射体
53・・・表示体
81・・・光反射体
91・・・反射表示体
G・・・床面
L・・・接線
U・・・接点

Claims (8)

  1. シート状の透明部材の一方の面に微細な凹凸が形成され、前記透明部材の他方の面は平滑である表面微細凹凸シートであって、
    前記微細な凹凸の主拡散方向に沿った断面の高さプロファイル上に前記他方の面の方向に沿って0.3μmの間隔をあけるように複数の接点を設け、前記複数の接点の各々を通る複数の接線を引いたときに、前記複数の接線のそれぞれの前記他方の面の方向に対する傾斜角の平均値が18°以上であることを特徴とする表面微細凹凸シート。
  2. 前記微細な凹凸の凸条部の主拡散方向に沿った方向における平均ピッチが1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の表面微細凹凸シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の表面微細凹凸シートと、前記表面微細凹凸シートの前記他方の面側に配置された反射体と、を備えることを特徴とする光反射体。
  4. 前記微細な凹凸が略鉛直方向に沿って繰り返すように配置されている請求項3に記載の光反射体。
  5. 請求項1または請求項2に記載の表面微細凹凸シートと、前記表面微細凹凸シートの前記他方の面側に順次配置された表示物及び反射体と、を備えることを特徴とする反射表示体。
  6. 前記微細な凹凸が略鉛直方向に沿って繰り返すように配置されている請求項5に記載の反射表示体。
  7. 請求項3または請求項4に記載の光反射体を備えていることを特徴とする棚札。
  8. 請求項5または請求項6に記載の反射表示体を備えていることを特徴とする棚札。

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