JP6079602B2 - 導光板 - Google Patents
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Description
上記のようなLEDを光源として用いるエッジライト方式のバックライトにおいては、矩形板状の導光体の少なくとも1つの端面を光入射端面として用いて、前記光入射端面に沿ってLED光源を直線状に配置し、前記LED光源から発せられた光を導光体の光入射端面から導光体内部へと導入し、前記導光体の2つの主面のうちの一方である光出射面から、正面輝度を光出射面内で略均一に整えた光を出射させるようにしている(特許文献1参照)。
そこで、本発明は、優れた高輝度と輝度の面内均一性を両立可能な導光板を提供することを目的とする。
[1]少なくとも1つの光入射端面と、前記光入射端面と直交する光出射面と、前記光出射面と対向する面とを有する導光板であって、
前記光出射面には、前記光出射面の法線方向から見て蛇行している複数の突条1が配列した第1の凹凸パターンを有し、
第1の凹凸パターンは、複数の突条1が前記光入射端面に略平行な方向に配列して成り、
前記光出射面と対向する面には、複数の突条2が配列した第2の凹凸パターンを有し、
第2の凹凸パターンは、複数の突条2が前記光入射端面に略垂直な方向に配列して成る導光板。
[2]前記第1の凹凸パターンは、導光板の内部から光出射面の法線方向に光を照射し、光出射面から出射させた際の光の1/2値角度が、
前記光入射端面に平行となる方向において10〜40°となり、且つ、
前記光入射端面に垂直となる方向において5°以下となる
特性を有する[1]に記載の導光板。
[3]前記第1の凹凸パターンは、導光板の内部から光出射面の法線方向に光を照射し、光出射面から出射させた際の光の1/50値角度が、
前記光入射端面に平行となる方向において150°以下となり、且つ、
前記光入射端面に垂直となる方向において14°以下となる
特性を有する[2]に記載の導光板
[4][1]〜[3]いずれかに記載の導光板の前記光入射端面に近接して、複数のLED光源が、前記前記光出射面と平行となる方向に線状に配列してなる光源ユニット。
本発明の導光板の一実施形態について図1および図2を用いて説明する。
図1に、本実施形態の導光板を示す。本実施形態の導光板1はYーZ平面と平行な光入射端面2、光入射端面と直交しX−Y平面と平行な光出射面3および光出射面の反対面4を有する。
本実施形態の導光板1は、その光出射面3に第1の凹凸パターン11を有する。
第1の凹凸パターン11は、光出射面3に、第1の方向に沿って複数の突条が配列することによって形成される。以下、第1の凹凸パターン11の突条部の1つを「突条部11a」として、任意の隣り合う突条部11a間の凹部の谷底部分を「凹部11b」として説明する。
また、「隣り合う突条部」とは、第1の方向において、任意の突条部11aと、そのすぐ横に配置されている突条部11aのことを指す。
本実施形態において、第1の凹凸パターン11を有する面を、法線方向から観察した際、突条部11aの稜線は、蛇行している。すなわち、突条部11aの各々の稜線は、第2の方向に対して延伸する進行軸を有しているが、この進行軸を中心に左右に蛇行していることが好ましい。
ここで、「突条部11aの稜線」とは、突条部11aの頂部をつないで続く線のことを意味する。
図3に示すように、第1の凹凸パターン11を形成する複数の突条部11aの断面形状はそれぞれ異なっており、同一ではない。本発明の一つの態様において、導光板1を第1の方向に沿って切断した際の、第1の凹凸パターン11を形成する突条部11aの断面形状は、ひだ状、または紡錘形の一部を有する形状、または、一方向に引き伸ばしたドーム状であることが好ましい。
ここで、「隣り合う2つの突条部11aの稜線の間隔」とは、第1の方向に沿って隣り合う2つの突条部11aの、頂部と頂部の間隔(距離)のことを意味する。
最頻ピッチP=1/R ・・・(1)
前記最頻ピッチPは、例えば特開2012−022292に示される算出方法により算出することができる。
まず、導光板1の第1の凹凸パターン11が形成されている面を、法線方向から電子顕微鏡で観察する。観察条件は、加速電圧15〜20kV、ワーキングディスタンス5〜15mm程度で行うことが好ましい。電子顕微鏡観察における観察倍率は、第1の凹凸パターン11の突条部11aの配列数が、20〜50列となるように適宜調整することが好ましい。
また、前記フーリエ変換画像の濃淡は周期構造の頻度を表し、淡いほど、前記電子顕微鏡写真に含まれる周期構造の中で、対象となる周期構造の頻度が高いことを意味する。
突条部11aの平均高さBは次のようにして求める。すなわち、導光板1の光出射面3を、法線方向から電子顕微鏡により観察し、その観察像から第1の方向に沿って切断した断面図(図3参照)を得る。ここで、電子顕微鏡の観察条件は、前述の最頻ピッチPを求める際に用いた条件と同じであってもよい。
まず、最頻ピッチPを求める際に得たフーリエ変換像を利用し、突条部11aのピッチの最大頻度Dが、X軸上を通るように、フーリエ変換像の中心部を軸として回転させたフーリエ変換像を作成する。ここで、「X軸」とは、フーリエ変換像の中心部を通り、画像に対して水平な線のことを指す。次いで、最大頻度Dを通り、第1の方向に平行な補助線Mを引き、補助線M上の周期の頻度を縦軸に、最大頻度Dからの距離を横軸にとってグラフを作成する。前記グラフから、得られたピークの半減値W(補助線M上の周期の頻度の値が、最大頻度Dの半分になる位置でのピークの幅)を求める。得られた値を以下の式(2)に当てはめて、配向度Cを求める。
配向度C=W/R ・・・(2)
第1の凹凸パターン11の突条部11aと凹部11bを含む波状の凹凸が正弦波状であると、輝度の面内均一性に優れた導光板が得られるため好ましい。
ここで、「光の1/2値角度」および「光の1/50値角度」は、以下の方法により求めることができる。
そして、得られた照度曲線から光の1/2値角度および1/50値角度(図4中のそれぞれW1およびW2)を求める。
第2の凹凸パターン12は、反対面4に、第2の方向に沿って複数の溝または突条が配列することによって形成される。
本実施形態において、第2の凹凸パターン12を有する面を、法線方向から観察した際、それぞれの溝または突条の稜線は、互いに平行であり、入射端面と直交する一方の端面からもう一方の端面まで連続しているか、または分散していることが好ましい。
稜線の間隔が前記下限値を超えると、すなわち、5μm未満であると、後述する第2の凹凸パターン12の元型を切削等で作製する際、長時間を要するため好ましくなく、また、前記上限値を超えると、すなわち、200μmを超えると、光を出射面3から出射させられる割合が十分ではなくなる場合や、輝線として視認される場合があり、好ましくない。
次に、導光板1の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の導光板1の製造方法は、積層フィルム形成工程と加熱収縮工程と第2の凹凸パターン用元型形成工程と第1および第2の凹凸パターンの転写工程とを有する。
本実施形態における積層フィルム形成工程は、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面が平滑で2種の樹脂からなる硬質層(以下、「表面平滑硬質層」という。)を少なくとも1層積層させて積層フィルムを得る工程である。ここで、表面平滑硬質層とは、JIS B0601に記載の方法により測定される中心線平均粗さが0.1μm以下の層であって、加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させる温度条件下で軟化しない層である。また、軟化しないとは、表面平滑層のヤング率が100MPa以上であることを意味する。
本実施形態では、加熱収縮性樹脂フィルムとして、1軸延伸フィルムを用いることが好ましい。1軸延伸は、縦延伸、横延伸のいずれであってもよい。
また、加熱収縮性樹脂フィルムは、1.1〜15倍の延伸倍率で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
また、加熱収縮性樹脂フィルムとしては、収縮率が好ましくは20〜90%、より好ましくは35〜75%のフィルムであることが好ましい。本明細書において、収縮率とは、(収縮率[%])={(収縮前のフィルムの長さ)−(収縮後のフィルムの長さ)}/(収縮前のフィルムの長さ)×100である(ただし、「フィルムの長さ」は加熱収縮性樹脂フィルムの収縮方向の長さのことを意味する)。収縮率が前記下限値以上、すなわち20%以上であれば、光拡散性シート1をより容易に製造できる。一方、収縮率が前記上限値を超える、すなわち、90%を超える加熱収縮性樹脂フィルムの製造は困難である。
加熱収縮性樹脂フィルムの表面は、平坦であることが好ましい。加熱収縮性樹脂フィルムの表面が平坦であれば、その表面に、表面平滑硬質層を容易に形成できるため好ましい。ここで、「平坦」とは、JIS B0601に記載の方法により測定される中心線平均粗さが0.1μm以下であることを意味する。
樹脂Lのヤング率は、加熱収縮工程の温度、すなわち、80〜180℃の温度範囲において0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。樹脂Lのヤング率が前記下限値以上であれば、基材として使用可能な硬さであり、前記上限値以下であれば、表面平滑硬質層が変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
上述のようなガラス転移温度Tg1、及びヤング率を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
樹脂Mのヤング率は、加熱収縮工程の温度、すなわち、80〜180℃の温度範囲において0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂Mおよび樹脂Nのヤング率が0.01GPa以上であれば、第1の凹凸パターン11の形状を維持するのに充分な硬さであり、ヤング率が前記上限値未満であれば、より容易に第1の凹凸パターン11を形成できる。
本発明の1つの態様において、樹脂Mとしては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、又はスチレン-アクリル共重合体であることが好ましい。また樹脂Mは上記樹脂または重合体の混合物であってもよい。
表面平滑硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、加熱収縮工程後に形成される第1の凹凸パターン11の突条部11aのピッチおよび高さが連続的に変化するようになる。
前記硬質層形成用塗料の調製方法としては、トルエン溶媒により希釈する方法等が挙げられる。また、前記硬質層形成用塗料の固形分濃度(樹脂Mの濃度)は、塗料の総質量に対して、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
塗料の塗工方法としては、例えば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
乾燥方法としては、熱風、赤外線等を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
加熱収縮性樹脂フィルムへの樹脂溶液の乾燥塗工量は、1〜10g/m2にすることが好ましい。樹脂溶液の乾燥塗工量が1〜10g/m2であれば、表面平滑硬質層の厚みを上述の好ましい範囲とすることができ、前記表面平滑硬質層に第1の凹凸パターン11が形成されやすいため好ましい。
加熱収縮工程は、上記積層フィルムを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、前記表面平滑硬質層を折り畳むように変形させて、加熱収縮性樹脂フィルムの表面に第1の凹凸パターン11を形成する工程である。
加熱収縮工程では、30%以上の収縮率で積層フィルムを収縮させることが好ましい。収縮率が30%以上であれば、収縮不足の部分、すなわち、第1の凹凸パターン11が形成されない、または形成されたとしても突条のアスペクト比が十分に大きくない部分を小さくすることができる。一方、収縮率を大きくしすぎると、1/2値角度や1/50値角度が大きくなりすぎるため、収縮率の上限は60%が好ましい。
加熱収縮性樹脂フィルムを熱収縮させる際の加熱温度は、使用する加熱収縮性樹脂フィルムの種類、目的とする第1の凹凸パターン11の最頻ピッチP、アスペクト比Aおよび配向度Cに応じて適宜選択することが好ましい。
また、加熱収縮温度は、加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂Lのガラス転移温度Tg1以上の温度にすることが好ましい。Tg1以上の温度で熱収縮させると、第1の凹凸パターン11を容易に形成できる。
前記、加熱収縮工程後に、光の1/50値角度を調整する目的で熱処理を行っても良い。その際は、熱処理温度は250℃を超えないことが好ましい。熱処理温度が250℃を超えると、樹脂Mが溶融し、第1の凹凸パターンが大きく変形する恐れがあるためである。
上記製造方法の条件を調整することによって、第1の凹凸パターン11の最頻ピッチP、突条部11aのアスペクト比A、配向度C、光の1/2値角度および光の1/50値角度を調整することができる。
突条部11aのアスペクト比Aを調整するためには、積層フィルムの収縮率を変更すればよい。収縮率が高くなるほど、アスペクト比は大きくなる傾向がある。
光の1/50値角度を調整するためには積層フィルムの収縮後の熱処理温度と熱処理時間を変更すればよい。熱処理時間が長いほど、また熱処理温度が高いほど光の1/50値角度は小さくなる傾向がある。
本実施形態における第2の凹凸パターン用元型形成工程は、導光板に第2の凹凸パターンを形成するための凹凸パターンが表面に形成された元型を作製する工程である。
導光板に第2の凹凸パターンを形成するための元型は、第2の凹凸パターン用のパターンが表面に形成された射出成型用の金型の一部である。第2の凹凸パターン用のパターンは金型の一部にダイヤモンドバイト等で切削加工することにより形成される。
本実施形態における第1および第2の凹凸パターンの転写工程は、射出成型を用いた転写工程により、導光板の光出射面および反対面にそれぞれ第1の凹凸パターンおよび第2の凹凸パターンを形成する工程である。
まず、前記積層フィルムにニッケル電鋳法を用いることで、表面に積層フィルムの凹凸パターンが転写された射出成型用のニッケルシート(スタンパ)を作製する。
前記ニッケルシートそのものを射出成型機に組み込んでも良いし、ニッケルシート上の凹凸パターンが転写されたニッケル板を射出成型機に組み込んでも良い。
ニッケルシートまたはニッケル板および第2の凹凸パターン用元型を射出成型機に組み込む際には、ニッケルシートまたはニッケル板と第2の凹凸パターン用元型それぞれの凹凸パターンが互いに向き合うように、また前記それぞれの凹凸パターンの稜線方向が直交するように組み込む。
続いて、射出成型を行うことで、光出射面および反対面それぞれに第1の凹凸パターン
および第2の凹凸パターンが形成された導光板が得られる。
このような場合には、第2の凹凸パターン形成用の凹凸パターンは金属ロールや平板に切削により形成することができる
2 光入射端面
3 光出射面
4 反対面
5 反射板
6 拡散シート
7、8 集光シート
9 液晶パネル
11 第1の凹凸パターン
11a 突条部
11b 凹部
12 第2の凹凸パターン
Claims (5)
- 少なくとも1つの光入射端面と、前記光入射端面と直交する光出射面と、前記光出射面と対向する面とを有する導光板であって、
前記光出射面には、前記光出射面の法線方向から見て蛇行している複数の突条1が配列した第1の凹凸パターンを有し、
第1の凹凸パターンは、複数の突条1が前記光入射端面に略平行な方向に配列して成り、前記第1の凹凸パターンのアスペクト比が0.1〜0.7であり、且つ、前記第1の凹凸パターンの最頻ピッチが1〜20μmであり、
前記光出射面と対向する面には、複数の突条2が配列した第2の凹凸パターンを有し、
第2の凹凸パターンは、複数の突条2が前記光入射端面に略垂直な方向に配列して成り、且つ、前記突条2の稜線の間隔が5〜200μmである
ことを特徴とする導光板。 - 前記第1の凹凸パターンは、導光板の内部から光出射面の法線方向に光を照射し、光出射面から出射させた際の光の1/2値角度が、
前記光入射端面に平行となる方向において10〜40°となり、且つ、
前記光入射端面に垂直となる方向において5°となる
特性を有する請求項1に記載の導光板。 - 前記第1の凹凸パターンは、導光板の内部から光出射面の法線方向に光を照射し、光出射面から出射させた際の光の1/50値角度が、
前記光入射端面に平行となる方向において150°以下となり、且つ、
前記光入射端面に垂直となる方向において18°以下となる
特性を有する請求項2に記載の導光板。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光板を有する液晶表示装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の導光板の前記光入射端面に近接して、複数のLED光源が、前記前記光出射面と平行となる方向に線状に配列してなる光源ユニット。
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