JP5211506B2 - 凹凸パターン形成シートならびにその製造方法、反射防止体、位相差板および光学素子製造用工程シート。 - Google Patents

凹凸パターン形成シートならびにその製造方法、反射防止体、位相差板および光学素子製造用工程シート。 Download PDF

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本発明は、反射防止体や位相差板等の光学素子に備えられる凹凸パターン形成シートならびにその製造方法に関する。また、凹凸パターン形成シートが使用された反射防止体、位相差板に関する。また、凹凸パターンを有する光学素子を製造するための型として用いられる光学素子製造用工程シートに関する。
微細な波状の凹凸からなる凹凸パターンが表面に形成され、凹凸パターンの平均ピッチが可視光の波長以下の凹凸パターン形成シートは、反射防止体や位相差板等の光学素子として利用できることが知られている(非特許文献1参照)。
ここで、平均ピッチとは、凹凸パターンが一方向のみに沿ったものである場合には、凹凸パターンのある凸部の頂部から該凸部に隣接する凸部の頂部との間隔であるピッチの平均値のことである。一方、凹凸パターンが特定の方向に沿わないものである場合には、以下のようにして平均ピッチを求める。まず、原子間力顕微鏡により凹凸パターンの上面を撮影し、その画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等)に変換する。グレースケールのファイルの画像(図4参照)では、白度が低いところ程、凹部の底部が深い(白度が高いところ程、凸部の頂部が高い)ことを表している。次いで、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換する。図5にフーリエ変換後の画像を示す。フーリエ変換後の画像は、白い部分の中心から見た方向がグレースケールの方向性を、また中心から白い部分までの距離の逆数がグレースケール画像の周期を示している。凹凸パターンが特定の方向に沿わない場合には、図6のような白い円環が表示された画像になる。次いで、フーリエ変換後の画像における円環の中心から外側に向けた直線状の補助線Lを引き、中心からの距離(X軸)に対する輝度(Y軸)をプロット(図4参照)する。そして、そのプロットにおける極大値を示すX軸の値rを読み取る。このrの逆数(1/r)が平均ピッチである。
凹凸パターン形成シートが反射防止体として利用できるのは、以下の理由による。
シート表面に凹凸パターンを設けていない場合には、シートと空気との界面における屈折率の急激な変化によって反射が生じる。しかし、シート表面、つまり空気との界面に波状の凹凸パターンを設けた場合には、凹凸パターンの部分にて屈折率が空気の屈折率と凹凸パターン形成シートの屈折率との間の値(以下、中間屈折率という。)を示し、しかも、その中間屈折率が凹凸パターンの深さ方向に連続的に変化する。具体的には、深い位置程、凹凸パターン形成シートの屈折率に近づく。このように中間屈折率が連続的に変化することにより、上述のような界面での屈折率の急激な変化が起こらず、光の反射を抑制できる。また、凹凸パターンのピッチが可視光の波長以下であれば、凹凸パターン部分で可視光の回折つまり可視光の干渉による着色を引き起こしにくい。
また、凹凸パターン形成シートが位相差板として利用できるのは、凹凸パターンの部分にて、屈折率が互いに異なる空気と凹凸パターン形成シートとが交互に配置された結果、凹凸パターン側に当たった光に対して光学異方性が現れるためである。さらに凹凸パターンのピッチが可視光の波長と同程度かそれ以下になると、広い可視光波長領域で同等の位相差を示す現象が現れる。
このような凹凸パターン形成シートの具体例としては、例えば、非特許文献2に、加熱したポリジメチルシロキサンからなるシートの片面に金を蒸着させて金属層を形成した後に冷却することにより、ポリジメチルシロキサンからなるシートを収縮させて、金属層の表面に波状の凹凸パターンを形成させたシートが提案されている。
また、特許文献1には、熱収縮性合成樹脂フィルムの表面に、下地層と金属層とを順次形成した後、熱収縮性合成樹脂フィルムを熱収縮させて、金属層の表面に波状の凹凸パターンを形成させたシートが提案されている。
特許文献2には、露光処理によって体積収縮する材料からなる層を形成し、その層を露光処理して、表面に凹凸を形成させたシートが提案されている。
しかしながら、特許文献1,2および非特許文献2に記載の凹凸パターン形成シートは、いずれも光学素子として優れた性能を示すものではなかった。具体的には、反射防止体として用いた場合には反射率を充分に低くできず、また、位相差板として用いた場合には、位相差を充分に大きくできず、また同等の位相差を広い波長領域にわたって生じさせることができなかった。
また、凹凸パターン形成シートを製造する方法として、パターンマスクを使用する可視光によるフォトリソグラフィ法が知られている。しかし、この方法では、光学素子として利用できる光の波長以下のピッチを持つ凹凸パターン形成シートを製造できない。そのため、より微細加工が可能な紫外線レーザー干渉法や電子線リソグラフィ法を適用する必要がある。これらの方法では、基板上に形成されたレジスト層を紫外線レーザー干渉光や電子線で露光し現像してレジストパターン層を形成し、このレジストパターン層をマスクとして、ドライエッチング法等により凹凸形状を形成する。しかし、紫外線レーザー干渉法や電子線リソグラフィ法を適用した場合には、10cmを超えるような広い領域での加工が難しく、大量生産に適さないという問題があった。
また、特許文献3には、粒子層を基板上に配置し、粒子層をエッチングマスクとして基板表面をドライエッチングする方法が提案されている。しかし、この場合でも30cmを超えるような広い領域での加工が難しく、大量生産に適さないという問題があった。
特開昭63−301988号公報 特開2003−187503号公報 特開2005−279807号公報 菊田久雄、岩田耕一著、「光学」、日本光学会発行、第27巻、第1号、1998年、p.12−17 ネド・ボーデン(Ned Bowden)ら著、「ネイチャー(Nature)」、第393号、1998年、p.146
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、反射防止体や位相差板等の光学素子として利用した際に優れた性能を示す凹凸パターン形成シートを提供することを目的とする。また、そのような凹凸パターン形成シートを簡便に、大面積で、かつ、大量に製造できる凹凸パターン形成シートの製造方法を提供することを目的とする。また、反射率が低い反射防止体、同等な位相差を広い波長領域にわたって生じる位相差板を提供することを目的とする。さらには、凹凸パターン形成シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有する光学素子を簡便にかつ大量に製造できる光学素子製造用工程シートを提供することを目的とする。
本発明者は、反射防止体や位相差板等の光学素子の性能を向上させることについて検討した結果、以下の凹凸パターン形成シートを発明した。また、そのような凹凸パターン形成シートを製造するための製造方法を検討して、以下の凹凸パターン形成シートの製造方法を発明した。
[1] 加熱収縮性フィルムが熱収縮した基材と、該基材外面の少なくとも一部に設けられた樹脂製の硬質層とを備え、該硬質層の表面に波状の凹凸パターンが形成され、かつ、基材の硬質層側にも前記硬質層の表面における凹凸パターンに追従した凹凸パターンが形成されている凹凸パターン形成シートであって、
硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgと、基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tgとの差(Tg−Tg)が10℃以上であり、
凹凸パターンの平均ピッチが1μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上であることを特徴とする凹凸パターン形成シート。
[2] ガラス転移温度Tg の加熱収縮性フィルムの外面の少なくとも一部に、表面が平滑なガラス転移温度Tg 樹脂製の硬質層を設けて積層シートを形成する工程と、該積層シートの硬質層を蛇行変形させる工程とを有し、
硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg と、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度Tg との差(Tg −Tg )は10℃以上であり、
前記積層シートの硬質層を蛇行変形させる工程では、硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg と、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度Tg との間の温度に積層シートを加熱して、加熱収縮性フィルムを収縮させることを特徴とする凹凸パターン形成シートの製造方法。

[3] [1]に記載の凹凸パターン形成シートを備える反射防止体。
[4] [1]に記載の凹凸パターン形成シートを備える位相差板。
[5] [1]に記載の凹凸パターン形成シートを備え、該凹凸パターン形成シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有する光学素子を製造するための型として用いられる光学素子製造用工程シート。
本発明の凹凸パターン形成シートは、反射防止体や位相差板等の光学素子として好適に利用できる。また、本発明の凹凸パターン形成シートは、波状の凹凸パターンを有する光学素子を製造するための型として使用される光学素子製造用工程シートとしても好適に利用できる。
本発明の凹凸パターン形成シートの製造方法では、表面に微細な凹凸パターンを容易に大面積で形成できるため、光学素子等に好適に利用できる凹凸パターン形成シートを簡便に、かつ、大量に製造できる。
本発明の反射防止体は、反射率が低く、性能に優れるものである。
本発明の位相差板は、同等の位相差を広い波長領域にわたって生じさせることができ、性能に優れるものである。
本発明の光学素子製造用工程シートを用いることにより、凹凸パターン形成シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有する光学素子を簡便にかつ大量に製造できるものである。
(凹凸パターン形成シート)
本発明の凹凸パターン形成シートの一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の凹凸パターン形成シートを示す。本実施形態の凹凸パターン形成シート10は、基材11と、基材11の片面の全部に設けられた硬質層12とを備え、硬質層12が、該凹凸パターン形成シート10の幅方向に沿った周期的な波状の凹凸パターン12aを有するものである。
硬質層12を構成する樹脂(以下、第2の樹脂という。)のガラス転移温度Tg2と、基材11を構成する樹脂(以下、第1の樹脂という。)のガラス転移温度Tg1との差(Tg2−Tg1)は10℃以上であり、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。(Tg−Tg)の差が10℃以上であることにより、TgとTgの間の温度で容易に加工できる。TgとTgの間の温度を加工温度とすると、基材11のヤング率が硬質層12のヤング率より高くなる条件で加工でき、その結果、硬質層12に凹凸パターン12aを容易に形成できる。
また、(Tg2−Tg1)は、Tg2が400℃を超えるような樹脂を使用することは経済性の面から必要に乏しく、Tg1が−150℃より低い樹脂は存在しないことから、550℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
さらに、硬質層12は、基材11に対して低屈折率であることが、高い反射防止特性が得られるため、好ましい。
凹凸パターン形成シート10を製造する際の加工温度における基材11と硬質層12とのヤング率の差は、凹凸パターン12aを容易に形成できることから、0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。
ここでいう加工温度は、例えば、後述する凹凸パターン形成シートの製造方法における熱収縮時の加熱温度、溶媒の乾燥温度等である。また、ヤング率は、JIS K 7113−1995に準拠して測定した値である。
第1の樹脂のガラス転移温度Tgは−150〜300℃であることが好ましく、−120〜200℃であることがより好ましい。ガラス転移温度Tg1が−150℃より低い樹脂は存在せず、第1の樹脂のガラス転移温度Tg1が300℃以下であれば、凹凸パターン形成シート10を製造する際の加工温度(Tg2とTg1の間の温度)に容易に加熱することができるためである。
凹凸パターン形成シート10を製造する際の加工温度における第1の樹脂のヤング率は0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。第1の樹脂のヤング率が0.01MPa以上であれば、基材として使用可能な硬さであり、100MPa以下であれば、硬質層12が蛇行変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
第1の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどが挙げられる。
第2の樹脂のガラス転移温度Tgは40〜400℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。第2の樹脂のガラス転移温度Tg2が40℃以上であれば、凹凸パターン形成シート10を製造する際の加工温度を室温またはそれ以上にすることができて有用であり、ガラス転移温度Tg2が400℃を超えるような樹脂を第2の樹脂として使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
凹凸パターン形成シート10を製造する際の加工温度における第2の樹脂のヤング率は0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。第2の樹脂のヤング率が0.01GPa以上であれば、第1の樹脂の加工温度におけるヤング率より充分な硬さが得られ、凹凸パターン12aが形成された後、凹凸パターンを維持するのに充分な硬さであり、ヤング率が300GPaを超えるような樹脂を第2の樹脂として使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
第1の樹脂の種類にもよるが、第2の樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。これらの中でも、防汚機能を兼ね備えた点で、フッ素樹脂が好ましい。
基材11の厚みは0.3〜500μmであることが好ましい。基材11の厚みが0.3μm以上であれば、凹凸パターン形成シート10が破れにくくなり、500μm以下であれば、凹凸パターン形成シート10を容易に薄型化できる。また基材11を支持するために、厚さ5〜500μmの樹脂製の基材を設けてもよい。
硬質層12の厚みは1〜100nmであることが好ましい。硬質層12の厚みが1nm以上であれば、硬質層12に欠陥が生じにくくなり、厚みが100nm以下であれば、硬質層12が光透過性を充分に確保できる。
また、硬質層12の厚みは50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。硬質層12の厚みが50nm以下であれば、後述のように凹凸パターン形成シートを容易に製造できる。
また、基材11と硬質層12との間には、密着性の向上やより微細な構造を形成することを目的として、プライマー層を形成してもよい。
さらに、硬質層12の上に、樹脂層を設けてもよい。
凹凸パターン形成シート10の凹凸パターン12aの平均ピッチAは1μm以下、好ましくは0.4μm以下である。また、平均ピッチAは、凹凸パターン12aを容易に形成できる点から、好ましくは0.05μm以上である。
ここで、平均ピッチAは、各ピッチA,A,A・・・の平均値である。
また、凹凸パターンが一方向ではなく、二次元に広がる場合には、凹凸パターンの画像をフーリエ変換する方法で平均ピッチを求める。具体的には、以下のようにして求める。
まず、原子間力顕微鏡により撮影した凹凸パターンの上面の画像をグレースケールのファイルに変換し、そのファイルの画像(図4参照)をフーリエ変換して、白い円環の画像(図5参照)を得る。次いで、フーリエ変換後の画像で見られる円環の中心からの距離(X軸)に対する輝度(Y軸)をプロットする(図6参照)。そして、そのプロットにおける極大値を示すX軸の値rを読み取り、このrの逆数(1/r)を平均ピッチとする。
凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBは平均ピッチAを100%とした際の10%以上であり、好ましくは100%以上である。また、平均深さBは、凹凸パターン12aを容易に形成できる点から、好ましくは平均ピッチAを100%とした際の500%以下である。
ここで、底部12bとは、凹凸パターン12aの凹部の変曲点であり、平均深さBは、凹凸パターン形成シート10を長さ方向に沿って切断した断面(図2参照)を見た際の、凹凸パターン形成シート10全体の面方向と平行な基準線Lから各凸部の頂部までの長さB,B,B・・・の平均値(Bav)と、基準線Lから各凹部の底部までの長さb,b,b・・・の平均値(bAV)との差(bAV−BAV)のことである。前記凸部の頂部および前記凹部の底部は、硬質層12における基材11側と反対側の面に接するものである。
本発明者が調べた結果、凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下、特に0.04μm以下で、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上、特に100%以上であることにより、光学素子として優れた性能を発揮することが判明した。具体的には、凹凸パターン形成シート10を反射防止体として用いた場合には反射率を低くでき、また、位相差板として用いた場合には同等な位相差を広い波長領域にわたって生じさせることができることが判明した。
これは、凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下と短い上に、平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上と深いことに起因している。すなわち、平均ピッチAが短く、可視光の波長と同等またはそれ以下になり、可視光が凹凸によって回折や散乱が生じにくくなる。その上、平均深さBが深いことにより、中間屈折率が連続的に変化する部分が厚み方向に長くなるため、光の反射を抑制する効果を顕著に発揮することができる。また、平均ピッチAが短く、平均深さBが深いことにより、屈折率が互いに異なる空気と凹凸パターン形成シートとが交互に配置される部分が厚み方向に長くなり、光学異方性を示す部分が長くなるため、位相差を生じさせることができる。さらに、このような凹凸パターン12aによって生じる位相差は広い波長領域にわたって略同等になる。
凹凸パターン12aの各ピッチA,A,A・・・はいずれも、平均ピッチAの±60%の範囲内にあることが好ましく、±30%の範囲内にあることがより好ましい。各ピッチが平均ピッチAの±60%の範囲内にあれば、ピッチが均一となり、光学素子としてより優れた性能を発揮する。
また、各ピッチA,A,A・・・は、平均ピッチAが1μm以下であることを満たした上で、連続的に変化しても構わない。
凹凸パターン12aの各深さB,B,B・・・はいずれも、平均深さBの±60%の範囲内にあることが好ましく、±30%の範囲内にあることがより好ましい。各深さが平均深さBの±60%の範囲内にあれば、深さが均一となり、光学素子としてより優れた性能を発揮する。
また、各深さB,B,B・・・は、平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上であることを満たした上で、連続的に変化しても構わない。
本発明の凹凸パターン形成シート10は、後述するように、反射防止体、位相差板等の光学素子や、光学素子製造用工程シートに適用できるほか、超撥水または超親水シートなどにも利用できる。
なお、本発明の凹凸パターン形成シートは、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、硬質層が、該凹凸パターン形成シートの幅方向に沿った周期的な波状の凹凸パターンを有していたが、その凹凸パターンの他に、凹凸パターン形成シートの長さ方向に沿った周期的な波状の凹凸パターンを有してもよい。さらには、硬質層が、特定の方向に沿わない波状の凹凸パターンを多数有してもよい。これらの場合でも、凹凸パターンの平均ピッチが1μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上であることにより、光学素子として優れた性能を示す。凸部の形状は屈折率の点から、先端が尖っていることが好ましいが、先端が丸みを帯びていても構わない。
硬質層が、特定の方向に沿わない波状の凹凸パターンを有する場合に、その平均深さを測定する方法としては、原子間力顕微鏡により撮影した凹凸パターンの断面の画像にて各底部の深さを測定し、それらの平均値を求める方法などが採られる。
(凹凸パターン形成シートの製造方法)
本発明の凹凸パターン形成シートの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の凹凸パターン形成シートの製造方法は、図3に示すように、基材11の片面の全部に、表面が平滑な樹脂製の硬質層13(以下、表面平滑硬質層13という。)を設けて積層シート10aを形成する工程と、積層シート10aの少なくとも表面平滑硬質層13を蛇行変形させる工程とを有する方法である。
ここで、表面平滑硬質層13とは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ0.1μm以下の層である。
この方法では、表面平滑硬質層13を、第1の樹脂よりガラス転移温度が10℃以上高い第2の樹脂で構成する。表面平滑硬質層13を、第1の樹脂よりガラス転移温度が10℃以上高い第2の樹脂で構成することにより、圧縮した際に基材11を変形させながら表面平滑硬質層13が波状に折れ曲がり蛇行変形して、凹凸パターン12aを容易に形成できる。
該製造方法としては、例えば、下記(1)〜(5)の方法を適用できる。
(1)基材11の片面の全部に、表面平滑硬質層13を設けて積層シート10aを形成し、積層シート10a全体を表面に沿った一方向に圧縮する方法。
(2)一軸または二軸方向に熱収縮するシュリンクフィルムからなる基材11の片面の全部に、表面平滑硬質層13を設けて積層シート10aを形成し、基材11を熱収縮させることによって、基材11に積層された表面平滑硬質層13を、表面に沿った一方向または二方向以上に圧縮する方法。
(3)基材11の片面の全部に、表面平滑硬質層13を設けて積層シート10aを形成し、積層シート10aを一方向に延伸し、延伸方向に対する直交方向を収縮させて、表面平滑硬質層13を表面に沿った一方向に圧縮する方法。
(4)未硬化の電離放射線硬化性樹脂により形成された基材11に、表面平滑硬質層13を積層して積層シート10aを形成し、電離放射線を照射して基材11を硬化させることにより収縮させて、基材11に積層された表面平滑硬質層13を表面に沿った少なくとも一方向に圧縮する方法。
(5)溶媒を膨潤させて膨張させた基材11に、表面平滑硬質層13を積層して積層シート10aを形成し、基材11中の溶媒を乾燥し、除去することにより収縮させて、基材11に積層された表面平滑硬質層13を表面に沿った少なくとも一方向に圧縮する方法。
(1)の方法において、積層シート10aを形成する方法としては、例えば、基材11の片面に、樹脂の溶液または分散液をスピンコーターやバーコーター等により塗工し、溶媒を乾燥させる方法、基材11の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層13を積層する方法などが挙げられる。
この製造方法において、より容易に凹凸パターン12aを形成できることから、表面平滑硬質層13のヤング率を0.01〜300GPaにすることが好ましく、0.1〜10GPaにすることがより好ましい。
表面平滑硬質層13の厚さは、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。表面平滑硬質層13の厚さが50nm以下であれば、凹凸パターン12aの平均ピッチAを確実に1μm以下にできる。
また、圧縮後の硬質層12に欠陥が生じにくいことから、表面平滑硬質層13は1nm以上であることが好ましい。
また、表面平滑硬質層13の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層13の厚さが連続的に変化している場合には、圧縮後に形成される凹凸パターン12aのピッチA,A,A・・・および深さB,B,B・・・が連続的に変化するようになる。
積層シート10a全体を表面に沿った一方向に圧縮する方法としては、例えば、積層シート10aの一端部とその反対側の端部とを、万力等により挟んで圧縮する方法などが挙げられる。
積層シート10aを変形させる際には、表面平滑硬質層13を5%以上の変形率で変形させることが好ましい。表面平滑硬質層13を5%以上の変形率で変形させれば、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBを、容易に平均ピッチAを100%とした際の10%以上にできる。
さらには、表面平滑硬質層13を50%以上の変形率で変形させることがより好ましい。表面平滑硬質層13を50%以上の変形率で変形させれば、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBを、容易に平均ピッチAを100%とした際の100%以上にできる。
ここで、変形率とは、(変形前の長さ−変形後の長さ)/(変形前の長さ)×100(%)のことである。あるいは、(変形した長さ)/(変形前の長さ)×100(%)のことである。
二次元に変形する場合には、最も大きく変形する方向の変形率を5%以上にすることが好ましく、50%以上にすることがより好ましい。
(2)の方法において、基材11として使用されるシュリンクフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルムなどを用いることができる。シュリンクフィルムの中でも、50〜70%収縮するものが好ましい。50〜70%収縮するシュリンクフィルムを用いれば、上記変形率を50%以上でき、凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上の凹凸パターン形成シート10を容易に製造できる。さらには、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の100%以上の凹凸パターン形成シート10も容易に製造できる。その他、ストレッチフィルムを用いても構わない。
基材11を熱収縮させる際の加熱方法としては、熱風、蒸気または熱水中に通す方法等が挙げられ、中でも、均一に収縮させることができることから、熱水に通す方法が好ましい。
基材11を熱収縮させる際の加熱温度は、使用するシュリンクフィルムの種類および目的とする凹凸パターン12aのピッチAならびに底部12bの深さBに応じて適宜選択することが好ましい。
シュリンクフィルムが一軸方向に熱収縮するものである場合には、収縮方向に対して直交方向に沿って波状の凹凸パターン12aが形成される。シュリンクフィルムが二軸方向に熱収縮するものである場合には、特定の方向に沿わない波状の凹凸パターンが形成される。
(2)の方法における表面平滑硬質層13は、(1)の方法で用いるものと同様の樹脂を用いることができ、同様の厚さとすることができる。また、積層シート10aの形成方法は、(1)の方法と同様に、基材11の片面に樹脂の溶液または分散液を塗工し、溶媒を乾燥させる方法、基材11の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層13を積層する方法を適用できる。
(3)の方法において、積層シート10aを一方向に延伸する方法としては、例えば、積層シート10aの一端部とその反対側の端部とを、引っ張って延伸する方法などが挙げられる。
(4)の方法において、電離放射線硬化性樹脂としては紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などが挙げられる。
(5)の方法において、溶媒は第1の樹脂の種類に応じて適宜選択される。溶媒の乾燥温度は溶媒の種類に応じて適宜選択される。
(3)〜(5)の方法における表面平滑硬質層13においても、(1)の方法で用いるものと同様の成分を用いることができ、同様の厚さとすることができる。また、積層シート10aの形成方法は、(1)の方法と同様に、基材11の片面に樹脂の溶液または分散液を塗工し、溶媒を乾燥させる方法、基材11の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層13を積層する方法を適用できる。
以上説明した凹凸パターン形成シートの製造方法では、表面平滑硬質層13を構成する第2の樹脂が基材11を構成する第1の樹脂よりガラス転移温度が10℃以上高いため、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度では、表面平滑硬質層13のヤング率が基材11より高くなる。そのため、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度で加工した際には、表面平滑硬質層13は厚みを増すよりも、折り畳まれるようになる。さらに、表面平滑硬質層13は基材11に積層されているため、圧縮や収縮による応力が全体に均一にかかる。したがって、本発明によれば、容易に蛇行変形させて、凹凸パターン形成シート10を製造でき、光学素子として性能に優れた凹凸パターン形成シート10を簡便に、かつ、大面積で製造できる。
しかも、この製造方法によれば、容易に、凹凸パターン12aの平均ピッチAを短くできる上に、平均深さBを深くできる。具体的には、容易に、凹凸パターン12aの平均ピッチAを1μm以下、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBを、平均ピッチAを100%とした際の10%以上にできる。
さらに、この製造方法によれば、凹凸パターン12aにおける各ピッチA,A,A・・・および各深さB,B,B・・・を容易に均一にできる。
ところで、従来、凹凸パターン形成用シートを製造する方法として、ナノインプリント用の型の凹凸パターンを、加熱して軟化させたシート状の熱可塑性樹脂に押し付けた後に冷却する熱ナノインプリント法、ナノインプリント用の型の凹凸パターンに、未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物を被覆させた後、電離放射線を照射し、硬化させる光ナノインプリント法が知られていた。
熱ナノインプリント法では、型全体に均一な圧力をかけて、熱可塑性樹脂に、凹凸パターンを有する型を押し付ける必要があるが、このような方法では、型の面積が大きくなると、型にかける圧力が不均一になりがちで、その結果、凹凸パターンの転写が不均一になることがあった。したがって、液晶テレビのディスプレイ等に使用されるような大面積の凹凸パターン形成シートの生産に適しているとはいえなかった。
また、光ナノインプリント法では、型と硬化した樹脂との離型性が不充分であるため、凹凸パターンの転写が不完全になることがあった。しかも、型の繰り返し使用回数が多くなる程、この傾向が顕著になった。
これらナノインプリント法に対して、上述した凹凸パターン形成シートの製造方法では、凹凸パターンの転写を省略できるため、ナノインプリント法での上記問題点を解消できる。
なお、上述した実施形態では、基材の片面の全面に硬質層を設けたが、基材の片面の一部に硬質層を設けてもよいし、基材の両面の全部に硬質層を設けてもよいし、基材の両面の一部に硬質層を設けてもよい。
(反射防止体)
本発明の反射防止体は、上述した凹凸パターン形成シート10を備えたものである。
本発明の反射防止体においては、凹凸パターン形成シート10の片面または両面に他の層を備えてもよい。例えば、凹凸パターン形成シート10の、凹凸パターン12aが形成されている側の面に、その面の汚れを防止するために、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂を主成分として含有する厚さ1〜5nm程度の防汚層を備えてもよい。
本発明の反射防止体は、凹凸パターン形成シート10の波状の凹凸パターン12aの部分にて、空気の屈折率と凹凸パターン形成シート10の屈折率(基材11の屈折率)の間の中間屈折率を示し、その中間屈折率が連続的に変化する。しかも凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下で、凹凸パターン12aの底部12bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上である。これらのことから、光の反射率を特に低くでき、具体的には、反射率をほぼ0%にできる。これは、上述したように、凹凸パターン形成シート10の凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下と短い上に、平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上と深くなっており、中間屈折率が連続的に変化する部分が厚さ方向に長くなり、光の反射を抑制する効果を顕著に発揮できるためである。
このような反射防止体は、例えば、液晶表示パネルやプラズマディスプレイ等の画像表示装置、発光ダイオードの発光部先端、太陽電池パネルの表面などに取り付けられる。
画像表示装置に取り付けた場合には、照明の映りこみを防止できるため、画像の視認性が向上する。発光ダイオードの発光部先端に取り付けた場合には、光の取り出し効率が向上する。太陽電池パネルの表面に取り付けた場合には、光の取り込み量が多くなるため、太陽電池の発電効率が向上する。
(位相差板)
本発明の位相差板は、上述した凹凸パターン形成シート10を備えたものである。ただし、凹凸の方向はランダムではなく、一方向に沿ったものである。
本発明の位相差板においても、上記反射防止体と同様に、凹凸パターン形成シート10の片面または両面に他の層を備えてもよく、例えば、凹凸パターン形成シート10の、凹凸パターン12aが形成されている側の面に防汚層を備えてもよい。
本発明の位相差板では、位相差を生じさせる効果を顕著に発揮できる。これは、上述したように、凹凸パターン形成シート10の凹凸パターン12aの平均ピッチAが1μm以下と短い上に、平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上と深いため、屈折率が互いに異なる空気と凹凸パターン形成シート10とが交互に配置される部分が厚さ方向に長くなり、光学異方性を示す部分が長くなるためである。さらに、凹凸パターンのピッチが可視光の波長と同程度かそれ以下である場合には、広い可視光波長領域にわたり同等の位相差を生じさせることができる。
(光学素子製造用工程シート)
本発明の光学素子製造用工程シート(以下、工程シートと略す)は、上述した凹凸パターン形成シート10を備えたものであり、凹凸パターンを、以下に示すような方法で他の素材に転写させることにより、該工程シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有し、反射防止体や位相差板等の光学素子として使用可能な凹凸パターン形成シートを大面積で大量に製造するための型として用いられるものである。
工程シートを用いて光学素子を製造する具体的な方法としては、例えば、下記(a)〜(f)の方法が挙げられる。
(a)工程シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工し、電離放射線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を工程シートから剥離する方法。ここで、電離放射線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本発明では、可視光線、X線、イオン線等も含む。
(b)工程シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗工し、加熱して前記液状熱硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を工程シートから剥離する方法。
(c)工程シートの凹凸パターンが形成された面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させ、該熱可塑性樹脂を工程シートに押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却し、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を工程シートから剥離する方法。
(d)工程シートの凹凸パターンが形成された面に、ニッケル等の金属めっきを行い、その金属めっきを剥離して、金属めっきシートを作製し、次いで、金属めっきシートの凹凸パターンと接していた側の面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工し、電離放射線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を金属めっきシートから剥離する方法。
(e)(d)と同様にして金属めっきシートを作製し、該金属めっきシートの凹凸パターンと接していた側の面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗工し、加熱により該樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を金属めっきシートから剥離する方法。
(f)(d)と同様にして金属めっきシートを作製し、該金属めっきシートの凹凸パターンと接していた側の面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させ、該熱可塑性樹脂を金属めっきシートに押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却し、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を金属めっきシートから剥離する方法。
(a)の方法の具体例について説明する。図7に示すように、まず、ウェブ状の工程シート110の凹凸パターン112aが形成された面に、コーター120により未硬化の液状電離放射線硬化性樹脂112cを塗工する。次いで、該硬化性樹脂を塗工した工程シート110を、ロール130を通すことにより押圧して、前記硬化性樹脂を工程シート110の凹凸パターン112a内部に充填する。その後、電離放射線照射装置140により電離放射線を照射して、硬化性樹脂を架橋・硬化させる。そして、硬化後の電離放射線硬化性樹脂を工程シート110から剥離させることにより、ウェブ状の光学素子150を製造することができる。
(a)の方法において、工程シートの凹凸パターンが形成された面には、離型性を付与する目的で、未硬化の電離放射線硬化性樹脂塗工前に、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等からなる層を1〜10nm程度の厚さで設けてもよい。
工程シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工するコーターとしては、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーター等が挙げられる。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。
また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
未硬化の液状電離放射線硬化性樹脂を塗工した後には、樹脂、ガラス等からなる基材を貼り合わせてから電離放射線を照射してもよい。電離放射線の照射は、基材、工程シートの電離放射線透過性を有するいずれか一方から行えばよい。
硬化後の電離放射線硬化性樹脂のシートの厚みは0.1〜100μm程度とすることが好ましい。硬化後の電離放射線硬化性樹脂のシートの厚みが0.1μm以上であれば、充分な強度を確保でき、100μm以上であれば、充分な可撓性を確保できる。
上記図7に示す方法では、工程シートがウェブ状であったが、枚葉のシートであってもよい。枚葉のシートを用いる場合、枚葉のシートを平板状の型として使用するスタンプ法、枚葉のシートをロールに巻きつけて円筒状の型として使用するロールインプリント法等を適用できる。また、射出成形機の型の内側に枚葉の工程シートを配置させてもよい。
しかし、これら枚葉のシートを用いる方法において、光学素子を大量生産するためには、凹凸パターンを形成する工程を多数回繰り返す必要がある。電離放射線硬化性樹脂と工程シートとの離型性が低い場合には、多数回繰り返した際に凹凸パターンに目詰まりが生じ、凹凸パターンの転写が不完全になる傾向にある。
これに対し、図7に示す方法では、工程シートがウェブ状であるため、大面積で連続的に凹凸パターンを形成させることができるため、凹凸パターン形成シートの繰り返し使用回数が少なくても、必要な量の光学素子を短時間に製造できる。
(b),(e)の方法において、液状熱硬化性樹脂としては、例えば、未硬化の、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、(b)の方法における硬化温度は、工程シートのガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度が工程シートのガラス転移温度以上であると、硬化時に工程シートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
(c),(f)の方法において、熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。
また、(c)の方法における熱可塑性樹脂の加熱温度は、工程シートのガラス転移温度より低いことが好ましい。加熱温度が工程シートのガラス転移温度以上であると、加熱時に工程シートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
(a)〜(c)の方法の中でも、加熱を省略でき、工程シートの凹凸パターンの変形を防止できる点で、電離放射線硬化性樹脂を使用する(a)の方法が好ましい。
(d)〜(f)の方法においては、金属めっきシートの厚さを50〜500μm程度とすることが好ましい。金属めっきシートの厚さが50μm以上であれば、金属めっきシートが充分な強度を有し、500μm以下であれば、充分な可撓性を確保できる。
(d)〜(f)の方法では、熱による変形が小さい金属めっきシートを工程シートとして用いるため、凹凸パターン形成シート用の材料として、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。
上述のようにして得た光学素子には、凹凸パターンの形成された面と反対の面に粘着剤層を設けても構わない。
また、工程シートとして用いた凹凸パターン形成シートあるいは金属めっきシートを剥離せずに保護層として用い、光学素子の使用直前に保護層を剥離してもよい。
以下の例におけるヤング率は、引っ張り試験機(テスター産業社製TE−7001)を用い、JIS K 7113−1995に準拠して測定した値である。特に温度を記載していない場合には、23℃における値である。
(製造例1)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−60S、ガラス転移温度70℃)の片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(ポリマーソース株式会社製P4831−MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さが12nmになるようにスピンコート法により塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートを80℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(すなわち、変形率60%で変形させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って周期的を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
なお、ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルムおよび該ポリメチルメタクリレートの80℃におけるヤング率はそれぞれ50MPa、1GPaであった。
(製造例2)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−61S、ガラス転移温度70℃)の片面に、水に希釈したポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA105、ガラス転移温度85℃)を厚さが12nmになるように塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートを75℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの50%に熱収縮させ(すなわち、変形率50%で変形させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って周期を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
なお、ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルムおよび該ポリビニルアルコールの75℃におけるヤング率はそれぞれ、50MPa、1GPaであった。
(製造例3)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−61S、ガラス転移温度70℃)の片面に、フッ素樹脂(株式会社ティーアンドケー製ナノスB)を厚さが12μmになるように蒸着、固化し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートを75℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの50%に熱収縮させ(すなわち、変形率50%で変形させ)、硬質層が収縮方向に対して直交方向に沿って周期を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
(製造例4)
ヤング率2MPaのポリジメチルシロキサンからなる厚さ5mmのシートを、引っ張り装置により2倍の長さになるまで引っ張り、その状態で固定した。そして、その状態で、該シートの片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(ポリマーソース株式会社製P4831−MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さが12nmになるように塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、引っ張りを止めて、その積層シートを引っ張り前の長さに戻すことにより、硬質層を変形率50%で圧縮して、硬質層が、圧縮方向に対して直交方向に沿って周期を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
(製造例5)
ヤング率2MPaのポリジメチルシロキサンからなる厚さ5mmのシートの片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(ポリマーソース株式会社製P4831−MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さが12nmになるように塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、引っ張り装置により積層シートを5倍の長さまで引っ張ることにより、引っ張り方向の法線方向の長さを50%収縮させて(すなわち、変形率50%に変形させ)、硬質層が、引っ張り方向に沿って周期を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
(製造例6)
ポリメチルメタクリレートを厚さが60nmになるように塗工したこと以外は製造例1と同様にして、凹凸パターン形成シートを得た。
(製造例7)
シュリンクフィルムの代わりに厚さ50μmでヤング率5GPaの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製G2)を用いた以外は製造例1と同様にして、凹凸パターン工程用シートを得ることを試みた。しかし、波状の凹凸パターンが形成されず、凹凸パターン工程用シートが得られなかった。
(製造例8)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−10S)の片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(ポリマーソース株式会社製P4831−MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さが12nmになるように塗工し、表面平滑硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートを70℃で1分間加熱して、加熱前の長さの97%に収縮させて(すなわち、変形率3%に変形させ)、凹凸パターン工程用シートを得た以外は製造例1と同様にして、凹凸パターン形成シートを得た。
(製造例9)
一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製ヒシペットLX−10S、ガラス転移温度70℃)の片面に、ヤング率が2MPaのポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社KS847T、ガラス転移温度−120℃)と白金触媒(信越化学工業株式会社PS−1)とをトルエンに希釈した分散液をスピンコート法により厚さが3nmになるように塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートを100℃で1分間加熱し、熱収縮させることにより、凹凸パターン形成シートを得ようとしたが、硬質層を蛇行変形させることができず、波状の凹凸パターンは形成されなかった。
(製造例10)
製造例1により得た凹凸パターン形成シートを工程シートとして用いて、以下のようにして光学素子を得た。
すなわち、製造例1により得た工程シートの凹凸パターンが形成された面にエポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した。
次いで、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜の工程シートと接していない面に、厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィルムを重ね合わせ、押圧した。
次いで、トリアセチルセルロースフィルムの上から紫外線を照射し未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その硬化物を工程シートから剥離することにより、光学素子を得た。
(製造例11)
製造例1により得た凹凸パターン形成シートを工程シートとして用いて、以下のようにして光学素子を得た。
すなわち、製造例1により得た工程シートの凹凸パターンが形成された面に、ニッケルめっきを施し、そのニッケルめっきを剥離することにより、厚さ200μmのニッケルめっきシートを得た。このニッケルめっきシートの凹凸パターンが形成された面にエポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した。
次いで、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜のニッケルめっきシートと接していない面に厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィルムを重ね合わせ、押圧した。
次いで、トリアセチルセルロースフィルムの上から紫外線を照射し未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その硬化物をニッケルめっきシートから剥離することにより、光学素子を得た。
(製造例12)
紫外線硬化性樹脂組成物の代わりに熱硬化性エポキシ樹脂を使用し、紫外線を照射する代わりに加熱により該熱硬化性樹脂を硬化させた以外は製造例11と同様にして光学素子を得た。
(製造例13)
製造例5と同様にして、厚さ200μmのニッケルめっきシートを得た。このニッケルめっきシートの凹凸パターンが形成された面に、厚さ50μmのポリアクリルアミドフィルムを重ね、加熱した。加熱により軟化したポリアクリルアミドフィルムとニッケルめっきシート両側から押圧後、冷却・固化させ、ニッケルめっきシートから剥離することにより、凹凸パターン形成シートを得た。
製造例1〜13の凹凸パターン形成シートの光学素子の上面を、原子間力顕微鏡(日本ビーコ社製ナノスコープIII)により撮影した。
製造例1〜13の凹凸パターン形成シートの光学素子では、原子間力顕微鏡の画像にて凹凸パターンのピッチを10箇所で測定し、それらを平均して平均ピッチを求めた。
それらの値を表1に示す。
また、凹凸パターンの平均ピッチおよび底部の平均深さより、光学素子としての適性を以下の基準で評価した。その評価結果を表1に示す。
○:凹凸パターンの平均ピッチが1μm以下、平均深さが平均ピッチを100%とした際の10%以上であり、光学素子として適している。
×:凹凸パターンの平均ピッチが1μmを超えており、あるいは、平均深さが平均ピッチを100%とした際の10%未満であり、光学素子として適していない。
Figure 0005211506
第1の樹脂製の基材の片面に、第1の樹脂より10℃以上高いガラス転移温度を持つ第2の樹脂からなる硬質層が設けられた積層シートを蛇行変形させた製造例1〜6,8の製造方法では、凹凸パターン形成シートを容易に製造できた。また、製造例1〜5で得た凹凸パターン形成シートは、凹凸パターンの平均ピッチが1μm以下、底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上になり、光学素子として適したものであった。製造例1〜5にて、上記のような平均ピッチおよび平均深さが得られたのは、表面平滑硬質層の厚みが50nm以下で、変形率を50%以上としたためである。
また、製造例1で得た凹凸パターン形成シートを工程シートとして用いた製造例10〜13の製造方法によれば、凹凸パターン形成シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有する光学素子を簡便に製造できた。
なお、製造例6では、表面硬質平滑層厚さが50nmを超えていたため、得られた凹凸パターン形成シートは、凹凸パターンの平均ピッチが1μmを超えていた。また、製造例8では、変形率を3%としたため、得られた凹凸パターン形成シートは、凹凸パターンの底部の平均深さが平均ピッチを100%とした際の10%未満であった。これらは、必ずしも光学素子として適したものではない。
これに対し、樹脂層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた製造例7、および第1の樹脂より第2の樹脂のガラス転移温度が低い積層シートを用いた製造例9の製造方法では、表面平滑硬質層が蛇行変形しなかったため、凹凸パターンが形成しなかった。
本発明の凹凸パターン形成シートは、例えば、偏光板、研磨フィルム、細胞培養シート、燃料電池用電解質膜、離型フィルム、アンチブロッキングフィルム、易接着フィルム、印刷性向上フィルムなどに利用できる。また、上記用途のうちの複数を兼用することもできる。
本発明の凹凸パターン形成シートの一実施形態の一部を拡大して示す拡大斜視図である。 図1の凹凸パターン形成シートを、凹凸パターンの形成方向と直交方向に切断した際の断面図である。 本発明の凹凸パターン形成シートの製造方法の一実施形態における積層シートを示す断面図である。 特定の方向に沿わない凹凸パターンの表面を原子間力顕微鏡により撮影して得た画像の、グレースケール変換画像である。 図4の画像をフーリエ変換した画像である。 図5の画像における円環の中心からの距離に対する輝度をプロットしたグラフである。 本発明の凹凸パターン形成シートを用いた光学素子の製造方法の一例を説明する図である。
符号の説明
10 凹凸パターン形成シート
10a 積層シート
11 基材
12 硬質層
12a 凹凸パターン
12b 底部
13 表面が平滑な樹脂製の硬質層(表面平滑硬質層)

Claims (5)

  1. 加熱収縮性フィルムが熱収縮した基材と、該基材外面の少なくとも一部に設けられた樹脂製の硬質層とを備え、該硬質層の表面に波状の凹凸パターンが形成され、かつ、基材の硬質層側にも前記硬質層の表面における凹凸パターンに追従した凹凸パターンが形成されている凹凸パターン形成シートであって、
    硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgと、基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tgとの差(Tg−Tg)が10℃以上であり、
    凹凸パターンの平均ピッチが1μm以下、凹凸パターンの底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上であることを特徴とする凹凸パターン形成シート。
  2. ガラス転移温度Tg の加熱収縮性フィルムの外面の少なくとも一部に、表面が平滑なガラス転移温度Tg 樹脂製の硬質層を設けて積層シートを形成する工程と、該積層シートの硬質層を蛇行変形させる工程とを有し、
    硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg と、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度Tg との差(Tg −Tg )は10℃以上であり、
    前記積層シートの硬質層を蛇行変形させる工程では、硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg と、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度Tg との間の温度に積層シートを加熱して、加熱収縮性フィルムを収縮させることを特徴とする凹凸パターン形成シートの製造方法。
  3. 請求項1に記載の凹凸パターン形成シートを備える反射防止体。
  4. 請求項1に記載の凹凸パターン形成シートを備える位相差板。
  5. 請求項1に記載の凹凸パターン形成シートの特徴を備え、該凹凸パターン形成シートと同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンを有する光学素子を製造するための型として用いられる光学素子製造用工程シート。
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