JPWO2019044741A1 - 偏光板、液晶表示装置およびその製造方法、ならびにポリビニルアルコール系偏光フィルム - Google Patents

偏光板、液晶表示装置およびその製造方法、ならびにポリビニルアルコール系偏光フィルム Download PDF

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Abstract

耐熱耐久性と偏光性能にバランスよく優れる高品質なポリビニルアルコール系偏光板、その偏光板を備えた液晶表示装置およびその製造方法、ならびに上記偏光板に用いるポリビニルアルコール系偏光フィルムを提供する。上記偏光板は、ガラス転移温度が95℃以上のポリビニルアルコール系偏光フィルムと、このポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に設けられた保護フィルムとを備えている。上記液晶表示装置は、上記偏光板と画像表示装置とが積層されている。その液晶表示装置の製造方法は、ガラス転移温度が95℃未満のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板と画像表示装置との積層体に対して乾燥処理を行うことにより、その偏光板を構成する上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度を95℃以上に制御する。

Description

本発明は、偏光板、液晶表示装置およびその製造方法、ならびにポリビニルアルコール系偏光フィルムに関する。さらに詳しくは、光学特性と耐熱耐久性とのバランスによく優れるポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板(ポリビニルアルコール系偏光板)に関する。
近年、液晶表示装置の発展はめざましく、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、液晶テレビ、プロジェクター、車載パネル等に幅広く使用されている。上記液晶表示装置には偏光板が使用されており、偏光板としては、主として、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着配向させた偏光フィルムに、保護フィルムを積層したものが使用されている。近年、液晶表示装置の用途が拡大されるのに伴い、その使用環境は温度範囲および湿度範囲共に従来に比べてより広範囲に広がってきており、そのため、従来よりも一段と耐熱耐久性に優れ、かつ高い偏光度を示す偏光板が必要とされている。
偏光板の耐熱耐久性を向上させる方法としては、例えば特定のアゾ系染料を用いた偏光膜を使用したり(例えば、特許文献1参照)、ヨウ素が吸着配向しており、さらに二色性有機染料を含有する偏光フィルムを使用したり(例えば、特許文献2参照)する方法が提案されている。
また、ヨウ素が吸着配向している偏光子を含み、ヨウ素の位相差値Riが160nm以上であり、特定の光学特性を有する偏光板(例えば、特許文献3参照)や、ヨウ素とカリウムの重量比とホウ素元素量を規定した偏光板(例えば、特許文献4参照)も耐熱耐久性が優れる偏光板として提案されている。
国際公開第2016/186196号 特開2012−3172号公報 特開2016−139151号公報 国際公開第2016/060087号
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、特定染料を用いることで高い耐熱耐久性を有する偏光フィルムが得られるものの、その偏光度は99.9%と低いものであり、コントラストが不充分であるという問題点がある。
上記特許文献2においても、高い偏光性能を有する偏光フィルムが得られるものの、その製造過程において、二色性染料で染色する染色槽とヨウ素で染色する染色槽の二つ以上の染色槽を設ける必要があり、さらには、偏光フィルムの色調調整を行うためには2種類以上の染色槽のきめ細かい濃度管理も必要となることから、生産性が低いという問題点がある。
さらに、上記特許文献3の開示技術では、85℃程度での耐熱試験の光学特性低下は抑制できるものの、より過酷な温度条件下での耐熱耐久性は改善できないという問題点がある。
上記特許文献4の開示技術でも、105℃で30分間放置した際の700nmにおける吸光度を2.3以上に維持できるものの、さらに長時間にわたり高温環境下に晒した際の耐熱耐久性は改善できないという問題点がある。
そこで、本発明ではこのような背景下において、耐熱耐久性と偏光性能にバランスよく優れる高品質なポリビニルアルコール系偏光板、その偏光板を備えた液晶表示装置およびその製造方法、ならびに上記偏光板に用いるポリビニルアルコール系偏光フィルムを提供する。
本発明者らは、このような事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、従来のポリビニルアルコール系偏光板よりもガラス転移温度の高いポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板を用いることにより、耐熱耐久性と偏光性能にバランスよく優れるポリビニルアルコール系偏光板が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕を要旨とする。
〔1〕ポリビニルアルコール系偏光フィルムと、このポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に設けられた保護フィルムとを備えている偏光板であって、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃以上である偏光板。
〔2〕水分率が2重量%以下である上記〔1〕に記載の偏光板。
〔3〕上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのホウ酸含有率が20重量%以上である上記〔1〕または〔2〕に記載の偏光板。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光板と、画像表示装置とが積層されていることを備えている液晶表示装置。
〔5〕上記〔4〕に記載の液晶表示装置の製造方法であって、ガラス転移温度が95℃未満のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板と画像表示装置との積層体に対して乾燥処理を行うことにより、上記偏光板を構成するポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度を95℃以上に制御する液晶表示装置の製造方法。
〔6〕ガラス転移温度が95℃以上であるポリビニルアルコール系偏光フィルム。
本発明の偏光板は、ガラス転移温度が95℃以上のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有するため、耐熱耐久性と偏光性能にバランスよく優れるものであり、さらには95℃以上という非常に高温の条件下においても安定して性能を発揮することができるものである。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。
本発明の偏光板の一実施の形態は、ガラス転移温度(Tg)が95℃以上であるポリビニルアルコール系偏光フィルムと、このポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に設けられた保護フィルムとを有している。このことが、本発明の最大の特徴である。
上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度(Tg)は、95℃以上であることが必要であり、耐熱耐久性の観点から、100℃以上が好ましく、特に好ましくは105℃以上であり、上限は通常125℃である。すなわち、上記ガラス転移温度(Tg)が下限値未満であると、偏光板の耐熱耐久性が不充分となり本発明の目的が達成できない。
上記ガラス転移温度(Tg)は、ポリビニルアルコール系偏光フィルム(偏光板)をDSC(TA instruments社製Q2000、試料5mg)を用いて、−80℃から155℃まで昇温速度5℃/分で昇温して、測定される値である。
上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造は、まず、ポリビニルアルコール系樹脂を原料としてポリビニルアルコール系フィルムを得、ついで、そのポリビニルアルコール系フィルムを原反として、膨潤,染色,ホウ酸架橋,延伸,洗浄,乾燥等の工程を経て行われる。
ここで、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造方法の一例を、工程順に詳しく説明する。
〔ポリビニルアルコール系フィルムの形成材料〕
まず、上記ポリビニルアルコール系フィルムの形成材料である上記ポリビニルアルコール系樹脂について説明する。
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、未変性のポリビニルアルコール系樹脂、すなわち、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸類(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることもできる。この側鎖に1,2−ジオール構造を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化および脱炭酸する方法、(iii)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化および脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造上の観点から、10万〜30万であることが好ましく、特に好ましくは11万〜28万、更に好ましくは12万〜26万である。すなわち、この重量平均分子量が小さすぎると、ポリビニルアルコール系樹脂を光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られにくい傾向があり、大きすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムから上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムを製造する際の延伸が困難となる傾向がある。なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの光学性能の観点から、通常98モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは99モル%以上、更に好ましくは99.5モル%以上、殊に好ましくは99.8モル%以上である。すなわち、この平均ケン化度が小さすぎると、ポリビニルアルコール系フィルムから製造される上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムが、充分な光学性能を有さない傾向がある。
ここで、上記平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
上記ポリビニルアルコール系樹脂として、変性種、変性量、重量平均分子量、平均ケン化度等の異なる2種以上のものを併用してもよい。
ついで、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製する。そのポリビニルアルコール系樹脂水溶液について説明する。
上記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、前述したポリビニルアルコール系樹脂を水等の溶媒に溶解したものである。溶媒として、水の他に、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO);N−メチルピロリドン;グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類;およびこれらの混合物を併用することもできる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液には、ポリビニルアルコール系樹脂以外に、必要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、およびカチオン性の少なくとも一つの界面活性剤を含有させることができ、これらを含有することが製膜性の点から好ましい。これらから選ばれる1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
このようにして得られるポリビニルアルコール系樹脂水溶液の樹脂濃度は、生産性の観点から、15〜60重量%であることが好ましく、特に好ましくは17〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。すなわち、この水溶液の樹脂濃度が低すぎると、乾燥負荷が大きくなるため生産性が低下する傾向があり、高すぎると、粘度が高くなりすぎて均一な溶液ができにくくなる傾向がある。
得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、通常、脱泡処理される。脱泡方法としては、例えば、静置脱泡や多軸押出機による脱泡等の方法があげられる。多軸押出機としては、ベントを有した多軸押出機であればよく、通常はベントを有した二軸押出機が用いられる。
〔ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法〕
上記脱泡処理の後、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに導入され、回転するキャストドラム上に吐出および流延されて、連続キャスト法により製膜される。そして、その製膜されたフィルムを乾燥等することにより、ポリビニルアルコール系フィルムを得る。このポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を説明する。
上記連続キャスト法とは、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダイから、回転するキャストドラム、エンドレスベルト、樹脂フィルム等のキャスト型に吐出および流延して製膜する手法である。
上記キャストドラム等のキャスト型の表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜95℃である。キャスト型で製膜されたフィルムの乾燥は、そのフィルムの表面と裏面とを複数本の熱ロールの外周部に交互に接触させながら搬送させることにより行なわれる。この熱ロールによる乾燥後、そのフィルムに熱処理を行ってもよい。熱処理については、60〜150℃で行われることが好ましく、特には80〜130℃が好ましい。上記乾燥および必要に応じて熱処理が行われた上記フィルムは、そのフィルムの両側端部を切断除去(スリット)され、上記ポリビニルアルコール系フィルムに形成される。そして、そのポリビニルアルコール系フィルムは、芯管に巻き取られ、フィルムロールに形成される。
上記ポリビニルアルコール系フィルムの厚さは、5〜75μmであることが好ましく、偏光フィルムの薄型化の点から、特に好ましくは10〜60μmであり、耐久性の点から、更に好ましくは15〜60μmである。
また、上記ポリビニルアルコール系フィルムの幅は、4m以上であることが好ましく、大面化の点からより好ましくは4.5m以上、破断回避の点から特に好ましくは4.5〜6mである。
また、上記ポリビニルアルコール系フィルムの長さは、4km以上であることが好ましく、大面積化の点からより好ましくは4.5km以上、輸送重量の点から特に好ましくは4.5〜50kmである。
〔ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造方法〕
以下、上記ポリビニルアルコール系フィルムを用いて得られる本発明のポリビニルアルコール系偏光フィルムの一実施の形態を製造する方法について説明する。
上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造は、上記フィルムロールからポリビニルアルコール系フィルムを繰り出して水平方向に移送し、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥等の工程を経て行われる。これら工程について説明する。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程は、通常、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、水槽内の処理液に浸漬することにより行われる。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れを洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラ等を防止する効果もある。上記処理液としては、通常、水が用いられる。この処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。その処理液の温度は、通常10〜45℃程度であり、その処理液への浸漬時間は、通常、0.1〜10分間程度である。
染色工程は、通常、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素または二色性染料を含有する液体に浸漬させることによって行なわれる。その液体としては、通常、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は1〜100g/Lが適当である。染色時間は30〜500秒間程度が実用的である。上記液体の温度は5〜50℃が好ましい。上記水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させてもよい。
ホウ酸架橋工程は、通常、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ホウ酸やホウ砂等のホウ素化合物を含有する液体に浸漬することにより行われる。その液体は、水溶液または水−有機溶媒混合液であり、その液体の上記ホウ素化合物の濃度は10〜100g/L程度である。その液体中にはヨウ化カリウムを共存させるのが、偏光性能の安定化の点で好ましい。その液体の温度は30〜70℃程度、その液体への浸漬時間は0.1〜20分間程度が好ましい。
延伸工程は、独立して行ってもよいし、上記膨潤工程、染色工程、ホウ酸架橋工程の少なくとも一部の工程中に行ってもよい。そして、総延伸倍率が一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍とすることが好ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の、延伸する上記ポリビニルアルコール系フィルムの回りの温度は、40〜170℃が好ましい。
洗浄工程は、例えば、水またはヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行われる。洗浄工程により、ポリビニルアルコール系フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。ヨウ化カリウム水溶液を用いる場合のヨウ化カリウム濃度は、通常、1〜80g/L程度である。洗浄時の上記ヨウ化物水溶液の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。上記水またはヨウ化物水溶液への浸漬時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。
乾燥工程は、通常、上記ポリビニルアルコール系フィルムを大気中で雰囲気温度40〜100℃、好ましくは70〜98℃で、0.5〜20分間乾燥することが行われる。
ここで、製造されるポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が高くなるように制御する方法としては、(1)上記ホウ酸架橋工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを浸漬する液体のホウ酸濃度を高くすることにより、製造されるポリビニルアルコール系偏光フィルム中のホウ酸含有量を多くする方法、(2)ポリビニルアルコール系偏光フィルムの架橋密度を高める方法、(3)5酸化二リン等の乾燥剤を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルムの水分率を少なくする方法、(4)上記乾燥工程における雰囲気温度・乾燥時間を調節する方法等があげられる。
これらの中でも、調節の簡便さの点で、上記(1)、(4)の方法が好ましい。
上記(1)の方法の場合、上記液体のホウ酸濃度は、上記ガラス転移温度を95℃以上にする観点から、20〜90g/Lが好ましく、耐熱耐久性と延伸性の両立の点で、30〜80g/Lとすることが更に好ましい。
このように上記液体のホウ酸濃度を高くすることにより、製造されるポリビニルアルコール系偏光フィルム中のホウ酸含有量を多くすることができる。そのホウ酸含有量は、20重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは20〜30重量%、更に好ましくは21〜29重量%である。
そのホウ酸含有量が少なすぎると、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの耐熱耐久性が不充分となる傾向があり、多すぎると、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの製造時に、製造されるポリビニルアルコール系偏光フィルムが割れやすくなる傾向がある。
上記(4)の方法の場合、上記ガラス転移温度を95℃以上にする観点から、乾燥工程の雰囲気温度は、50〜99℃が好ましく、耐熱耐久性の点で特に好ましくは60〜98℃であり、乾燥時間は、1〜15分間が好ましく、特に好ましくは1.5〜10分間である。
この乾燥工程により、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの水分率を2.0重量%以下にすることができる。
このようにして、ガラス転移温度が95℃以上のポリビニルアルコール系偏光フィルムが得られる。
そのポリビニルアルコール系偏光フィルムの偏光度は、好ましくは99.9%以上、特に好ましくは99.92%以上である。この偏光度が低すぎると、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置におけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
さらに、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの単体透過率は、好ましくは42%以上である。この単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイ等の液晶表示装置の高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる値である。
〔偏光板の製造方法〕
そして、得られた上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面または両面に、接着剤を介して、光学的に等方性な保護フィルムを貼合することにより、少なくとも片面に保護フィルムを備えた偏光板が得られる。
上記保護フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等の樹脂フィルムまたは樹脂シートがあげられる。
上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとの貼合は、公知の方法により行われるが、例えば、液状の接着剤組成物を、ポリビニルアルコール系偏光フィルム、保護フィルム、またはその両方に均一に塗布した後、両者を貼り合わせて圧着し、加熱や活性エネルギー線を照射することにより行われる。
上記偏光板は、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムの耐熱耐久性を高める観点から、水分率が2重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは1.5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。この水分率の下限値は通常0.1重量%である。
上記水分率が高すぎると、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの耐熱耐久性が不充分となる傾向がある。
上記水分率を低く調節する方法としては、(a)偏光板を連続的に乾燥処理する方法、(b)偏光板を一旦巻き取ったあとに高温の保管庫で熱処理する方法、(c)偏光板をチップカットした後に真空乾燥処理する方法等があげられる。
これらのなかでも、幅方向、長さ方向に均一に水分率を調節するためには、上記(a)の方法が好ましい。
上記(a)の方法の場合、乾燥処理における雰囲気温度は、通常、60〜100℃であり、光学特性の面から70〜95℃が好ましい。また、乾燥時間は、通常、1〜10分間、好ましくは2〜8分間である。この乾燥処理において、雰囲気温度、乾燥時間の異なる乾燥処理を二段階以上とすることが好ましく、更には後段の乾燥処理の雰囲気温度を高くすることが、偏光板の外観の点で特に好ましい。具体的には、例えば、一段目の乾燥処理の雰囲気温度を60〜80℃とし、二段目の乾燥処理の雰囲気温度を80℃〜100℃とすることが好ましい。
上記(c)の方法の場合、偏光板をチップカットした後の真空乾燥処理としては、雰囲気温度40〜60℃で15分〜36時間程度行うことが好ましい。
上記偏光板の偏光度は、好ましくは99.9%以上、特に好ましくは99.92%以上である。この偏光度が低すぎると液晶ディスプレイ等の液晶表示装置におけるコントラストを確保することができなくなる傾向がある。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光板を、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光板を、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
偏光度=〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
さらに、上記偏光板の単体透過率は、好ましくは42%以上である。この単体透過率が低すぎると液晶ディスプレイ等の液晶表示装置の高輝度化を達成できなくなる傾向がある。
単体透過率は、分光光度計を用いてポリビニルアルコール系偏光板単体の光線透過率を測定して得られる値である。
〔液晶表示装置〕
本発明の液晶表示装置の一実施の形態は、上記偏光板を備えている。
すなわち、その液晶表示装置は、上記偏光板と、液晶セル等の画像表示装置とが、粘着層を介して積層されたものとなっている。
上記液晶表示装置には、必要に応じて、照明システム等の構成部品を追加してもよい。
上記液晶セルとしては、例えば、TN型、STN型、VA型、IPS型等があげられる。
上記液晶表示装置は、ガラス転移温度が95℃以上のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する上記偏光板を備えているため、95℃以上という非常に高温の条件下においても、安定して画像を表示することができる。
〔液晶表示装置の製造方法〕
上記液晶表示装置において、偏光板を構成するポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃未満の場合、つぎのようにして、上記液晶表示装置を製造することができる。
すなわち、ガラス転移温度が95℃未満のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板と、上記液晶セルとを、粘着層を介して積層し、その積層体に対して、乾燥処理または真空乾燥処理を行うことにより、上記偏光板のポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度を95℃以上にする。
この場合、上記乾燥処理における雰囲気温度は60〜100℃、乾燥時間は0.5〜10分間であることが好ましい。上記真空乾燥処理における雰囲気温度は50〜80℃、乾燥時間は10〜120分間であることが好ましい。
なお、その真空乾燥処理とは、真空(絶対圧1kPa以下)での乾燥処理である。
上記偏光板は、耐熱耐久性と偏光性能に優れ、携帯情報端末機、パソコン、テレビ、プロジェクター、サイネージ、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、電子ペーパー、ゲーム機、ビデオ、カメラ、フォトアルバム、温度計、オーディオ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、ウェアラブルディスプレイ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパー等)用反射防止層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具等に好ましく用いられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
各物性について、次のようにして測定を行った。
<測定条件>
(1)水分率(重量%)
得られた偏光板を100mg秤量し、容量2mlバイアル瓶に入れた後、無水エタノールを加え、密栓して60℃24時間加熱した。その後室温(25℃)まで冷却し微量水分測定装置CA−200(三菱ケミカルアナリック製)を用い、偏光板の水分率を測定した。
(2)ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度(℃)
得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムをDSC(TA instruments社製Q2000、試料5mg)を用いて、−80℃から155℃まで昇温速度5℃/分で昇温して、ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度を測定した。
(3)ホウ酸含有量(重量%)
得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムを105℃で2時間乾燥した後、100mgを秤量し、水30mlを加えた後、加熱溶解した。得られた溶液を25℃まで冷却した後、グリセリン5mlを加え撹拌し、その後0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、下記式にて算出した。
ホウ酸含有量(重量%)=61.83×0.1×f×V/ポリビニルアルコール系偏光フィルムの重量×100
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液のファクター
V:滴定量(ml)
(4)偏光度(%)、単体透過率(%)
得られた偏光板の幅方向の中央部から、長さ4cm×幅4cmの試験片を切り出し、自動偏光フィルム測定装置(日本分光社製:VAP7070)を用いて、偏光度(%)と単体透過率(%)を測定した。
(5)耐熱耐久試験
得られた偏光板両面をガラスで挟み込み、105℃の乾燥機へ投入した。150時間後に外観を目視で観察し、下記の基準により評価した。
(評価基準)
○・・・全く変色がなかった
△・・・かすかに変色があった
×・・・はっきりと変色があった
<実施例1>
(ポリビニルアルコール系偏光フィルムおよび偏光板の作製)
膜厚45μmのポリビニルアルコール系フィルムをフィルムロールから繰り出し、水平方向に搬送しながら、水温25℃の水が入った水槽に浸漬して膨潤させながら流れ方向(MD)に1.7倍に延伸した。ついで、ヨウ素1.2g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる30℃の水溶液中に浸漬して染色しながら流れ方向(MD)に1.6倍に延伸し、つぎに、ホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬してホウ酸架橋しながら流れ方向(MD)に2.1倍に一軸延伸した。そして、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、雰囲気温度60℃で2分間乾燥して総延伸倍率5.7倍のポリビニルアルコール系偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムの特性を表1に示す。
つづいて、得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に、ポリビニルアルコール水溶液を接着剤として用いて、膜厚40μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、雰囲気温度95℃で2分間乾燥して単体透過率42.8%、偏光度99.95%の偏光板を得た。ポリビニルアルコール系偏光フィルムと偏光板の特性は表1に示される通りである。
<実施例2>
膜厚45μmのポリビニルアルコール系フィルムをフィルムロールから繰り出し、水平方向に搬送しながら、水温25℃の水が入った水槽に浸漬して膨潤させながら流れ方向(MD)に1.7倍に延伸した。ついで、ヨウ素1.2g/L、ヨウ化カリウム30g/Lよりなる30℃の水溶液中に浸漬して染色しながら流れ方向(MD)に1.6倍に延伸し、つぎに、ホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬してホウ酸架橋しながら流れ方向(MD)に2.2倍に一軸延伸した。そして、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、雰囲気温度60℃で2分間乾燥して総延伸倍率6.0倍のポリビニルアルコール系偏光フィルムを得た。得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムの特性を表1に示す。
つづいて、得られたポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に、ポリビニルアルコール水溶液を接着剤として用いて、膜厚40μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、雰囲気温度80℃で5分間乾燥し、さらにつづいて、雰囲気温度95℃で1分間乾燥して単体透過率42.9%、偏光度99.96%の偏光板を得た。ポリビニルアルコール系偏光フィルムと偏光板の特性は表1に示される通りである。
<実施例3>
トリアセチルセルロースフィルムを貼合した後の乾燥を、雰囲気温度80℃で2分間にした以外は実施例2と同様に行い、ポリビニルアルコール系偏光板を得た。
得られた偏光板の片面に粘着層を設けた後、チップカットを行い、長さ10cm×5cmの偏光板チップとした。その偏光板チップを、雰囲気温度40℃で16時間真空乾燥を行った。得られた偏光板の特性は表1に示される通りである。
<比較例1>
実施例2において、トリアセチルセルロースフィルムを貼合した後の乾燥を、雰囲気温度80℃で2分間にした以外は実施例2と同様に行ない、偏光板を得た。ポリビニルアルコール系偏光フィルムと偏光板の特性は表1に示される通りである。
Figure 2019044741
実施例1〜3の偏光板は、含有するポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が通常よりも高い95℃以上であることから、耐熱試験時に全く変色がなく、耐熱性に優れるものであることがわかる。
一方、比較例1の偏光板は、含有するポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃未満であるため、耐熱試験時に変色が発生してしまうことがわかる。
<実施例4>
実施例1で得られた偏光フィルムの両面に、ポリビニルアルコール水溶液を接着剤として用いて、膜厚40μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、雰囲気温度80℃で2分間乾燥して単体透過率42.8%、偏光度99.94%の偏光板を得た。
得られた偏光板の片面に粘着層を設けた後、液晶表示装置に貼合し、それら偏光板と液晶表示装置との積層体を形成した。つづいて、その積層体を、真空乾燥機を用いて、雰囲気温度60℃で45分間真空乾燥した。その後、上記積層体の偏光板上にガラス基板を貼合し、雰囲気温度105℃の乾燥機中で150時間、耐熱耐久試験を行った。結果を表2に示す。
また、別途作製した真空乾燥処理後の上記積層体から偏光板を剥離し、水分率、ガラス転移温度を測定したところ、水分率は2.0重量%、偏光フィルムのガラス転移温度は98℃であった。
<実施例5>
実施例4において得られた上記積層体を、真空乾燥機を用いて、雰囲気温度70℃で60分間真空乾燥した。その後、上記積層体の偏光板上にガラス基板を貼合し、雰囲気温度105℃の乾燥機中で150時間、耐熱耐久試験を行った。結果を表2に示す。
また別途作製した真空乾燥処理後の上記積層体から偏光板を剥離し、水分率、ガラス転移温度を測定したところ、水分率は0.9重量%、偏光フィルムのガラス転移温度は114℃であった。
<比較例2>
実施例4において得られた上記積層体を、真空乾燥機を用いて、雰囲気温度70℃で15分間真空乾燥した。その後、上記積層体の偏光板上にガラス基板を貼合し、雰囲気温度105℃の乾燥機中で150時間、耐熱耐久試験を行った。結果を表2に示す。
また別途作製した真空乾燥処理後の上記積層体から偏光板を剥離し、水分率、ガラス転移温度を測定したところ、水分率は2.3重量%、偏光フィルムのガラス転移温度は93℃であった。
上記実施例4,5および比較例2における上記積層体の耐熱耐久性試験の評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
○・・・全く変色がなかった
△・・・かすかに変色があった
×・・・はっきりと変色があった
Figure 2019044741
実施例4,5においては、偏光板中のポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃以上であることから、その偏光板を用いた上記積層体は、耐熱試験時に全く変色がなく、耐熱性に優れるものであることがわかる。
一方、比較例2においては、偏光板中のポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃未満であることから、その偏光板を用いた上記積層体は、耐熱試験時に変色が発生してしまうことがわかる。
上記実施例においては、本発明における具体的な形態について示したが、上記実施例は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。当業者に明らかな様々な変形は、本発明の範囲内であることが企図されている。
本発明の偏光板は、耐熱耐久性と偏光性能にバランスよく優れ、各種液晶表示装置および高い耐久性と偏光性能の必要とされる車載用途、各種環境で求められる工業計器類の表示用途等に好ましく用いられる。

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系偏光フィルムと、このポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に設けられた保護フィルムとを備えている偏光板であって、上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度が95℃以上であることを特徴とする偏光板。
  2. 水分率が2重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 上記ポリビニルアルコール系偏光フィルムのホウ酸含有率が20重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板と、画像表示装置とが積層されていることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項4記載の液晶表示装置の製造方法であって、ガラス転移温度が95℃未満のポリビニルアルコール系偏光フィルムを有する偏光板と画像表示装置との積層体に対して乾燥処理を行うことにより、上記偏光板を構成するポリビニルアルコール系偏光フィルムのガラス転移温度を95℃以上に制御することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  6. ガラス転移温度が95℃以上であることを特徴とするポリビニルアルコール系偏光フィルム。
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