JP2019066751A - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents
偏光フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019066751A JP2019066751A JP2017194003A JP2017194003A JP2019066751A JP 2019066751 A JP2019066751 A JP 2019066751A JP 2017194003 A JP2017194003 A JP 2017194003A JP 2017194003 A JP2017194003 A JP 2017194003A JP 2019066751 A JP2019066751 A JP 2019066751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polarizing film
- film
- pva
- polarizing
- stretching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
Description
以下、当該マイクロ波照射工程に付される偏光フィルムを製造する方法について説明する。
本発明で使用される偏光フィルムは、典型的には、PVA系樹脂を含有するPVA系樹脂水溶液を用いて製膜されたPVA系フィルムに、延伸、染色などの各種の処理を施して得られたフィルムである。
本発明において、PVA系フィルムを構成するPVA系樹脂としては、通常、未変性のPVA系樹脂、例えば、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをケン化して製造される樹脂が用いられる。必要に応じて、酢酸ビニルと、少量(通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の酢酸ビニルと共重合可能な成分との共重合体をケン化して得られる樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等が挙げられる。また、ケン化後の水酸基を化学修飾して得られる変性PVA系樹脂を用いることもできる。これらから選ばれる1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−MALS法により測定される重量平均分子量である。
なお、本発明における平均ケン化度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
脱泡処理の後、PVA系樹脂水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに導入され、回転するキャストドラム上に吐出および流延されて、連続キャスト法により製膜される。
キャストドラム等のキャスト型の表面温度は、40〜99℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜95℃である。キャスト型で製膜されたフィルムの乾燥は、フィルムの表面と裏面とを複数本の熱ロールの外周部に交互に接触させながら搬送させることにより行なわれる。熱ロールによる乾燥後、フィルムに熱処理を行ってもよい。熱処理については、60〜150℃で行われることが好ましく、特には80〜130℃が好ましい。フィルムをロールに巻き取る前に、フィルムの両端部をスリットで切り落としてもよい。
かくして得られた偏光膜製造用PVA系フィルムは、典型的にはロールに巻き取られる。かかるPVA系フィルムの厚みは、複屈折の点から5〜60μmであり、特に好ましくは、偏光膜の薄型化の点で5〜45μm、更に好ましくは5〜30μm、殊に好ましくは破断回避の点で10〜20μmである。かかるPVA系フィルムの厚みは、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度、キャスト型への吐出量(吐出速度)、延伸倍率等により調整される。
上記PVA系フィルムは、通常、ロールから巻き出して水平方向に移送され、膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、洗浄、乾燥等の各工程を経て、偏光フィルムが製造される。
なお、水洗浄とヨウ化カリウム水溶液による洗浄は、適宜組み合わせて行ってもよい。また、本発明においては洗浄工程を偏光フィルム製造のための必須工程とせず、本発明で用いられる偏光フィルムが洗浄工程を経ずに製造されたものであってもよい。
偏光度=〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光膜単体の光線透過率を測定して得られる値である。
マイクロ波を照射する際の出力や照射時間は、マイクロ波照射装置の大きさや対象となるPVA系フィルムの大きさなどによって調整される。マイクロ波の出力は、好ましくは0.1〜10kW、特に好ましくは0.5〜5kW、更に好ましくは0.7〜3kWである。照射時間は、30秒〜120分が好ましく、特に好ましくは40秒〜60分、更に好ましくは50秒〜10分、殊に好ましくは55秒〜5分である。
PVA系フィルム1cm2当たりのマイクロ波の出力×照射時間の積は、好ましくは1〜500kW・分、特に好ましくは2〜100kW・分、更に好ましくは3〜100kW・分である。
なお、短時間緩和成分と長時間緩和成分の存在は、偏光フィルム中に短距離の構造と長距離の構造が共存していることを示しており、短距離はマトリックス、長距離は偏光子を結節点とする配向したネットワークと考えられる。
本発明の偏光フィルムの片面または両面に、接着剤を介して、光学的に等方性な樹脂フィルムを保護フィルムとして貼合することにより、偏光板が作製される。保護フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフィルムまたはシートが挙げられる。
なお、例中「部」とあるのは、重量基準を意味する。
また、偏光フィルムの平衡収縮率は前述の方法に従って測定した。
更に、波長700nmにおけるクロスニコル時の吸光度についても以下の方法により測定した。
(測定方法)
得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、長さ4cm×幅4cmの試験片を切り出し、自動偏光フィルム測定装置(日本分光社製:VAP7070)を用いて、700nmにおける直交透過率を測定し、下記式より波長700nmにおける吸光度を算出した。
吸光度(700nm)=−log(700nmにおける直交透過率(%)/100)
厚さ60μmのPVA系フィルムを水温30℃の水槽に浸漬しつつ1.7倍に延伸した。次に、ヨウ素0.8g/L、ヨウ化カリウム30g/Lを含有する28℃の水溶液中に浸漬しつつ1.6倍に延伸し、ついでホウ酸40g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に2.2倍に一軸延伸しつつホウ酸処理を行なった。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、80℃で1分間乾燥して総延伸倍率6.0倍の偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムの光学特性は、単体透過率が41.8%、偏光度が99.998%であった。
また偏光フィルムのDMAクリープを行い、その結果から平衡収縮率を算出したところ、2.95%であった。
更に、波長700nmにおける吸光度は3.94であった。
得られた偏光フィルムを用いて、下記の照射条件にてマイクロ波照射を2分間行なったところ、平衡収縮率1.86%、単体透過率41.8%、偏光度99.997%、波長700nmにおける吸光度は3.83であった。
(照射条件)
マイクロ波照射装置:電子レンジ、松下電器産業(株)製、National NE-JW2(出力900W)
サンプルサイズ:長さ120x幅50x厚さ0.025mm
3mm厚アクリル枠/100x60mm枠にサンブルを固定した。
Claims (2)
- 偏光フィルムにマイクロ波照射を行なう工程を含むことを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
- 前記偏光フィルムが少なくとも膨潤、染色、ホウ酸架橋、延伸、乾燥の各工程を経て製造された偏光フィルムであって、前記マイクロ波照射工程が前記乾燥工程後に行なわれることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017194003A JP2019066751A (ja) | 2017-10-04 | 2017-10-04 | 偏光フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017194003A JP2019066751A (ja) | 2017-10-04 | 2017-10-04 | 偏光フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019066751A true JP2019066751A (ja) | 2019-04-25 |
Family
ID=66339481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017194003A Pending JP2019066751A (ja) | 2017-10-04 | 2017-10-04 | 偏光フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019066751A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1039137A (ja) * | 1996-07-22 | 1998-02-13 | Sumitomo Chem Co Ltd | 偏光フィルムの製造方法 |
KR20110056935A (ko) * | 2009-11-23 | 2011-05-31 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판의 건조 방법 |
KR20150101510A (ko) * | 2014-02-26 | 2015-09-04 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광자의 제조 방법 |
JP2016173564A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-29 | 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. | 偏光子の製造方法 |
WO2017010355A1 (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-19 | 住友化学株式会社 | 偏光子の製造方法 |
-
2017
- 2017-10-04 JP JP2017194003A patent/JP2019066751A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1039137A (ja) * | 1996-07-22 | 1998-02-13 | Sumitomo Chem Co Ltd | 偏光フィルムの製造方法 |
KR20110056935A (ko) * | 2009-11-23 | 2011-05-31 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판의 건조 방법 |
KR20150101510A (ko) * | 2014-02-26 | 2015-09-04 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광자의 제조 방법 |
JP2016173564A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-29 | 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. | 偏光子の製造方法 |
WO2017010355A1 (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-19 | 住友化学株式会社 | 偏光子の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI461759B (zh) | 偏光膜及偏光薄膜 | |
JP4339350B2 (ja) | 偏光子の製造方法 | |
TWI771278B (zh) | 聚乙烯醇系膜及利用此聚乙烯醇系膜之偏光膜、偏光板與聚乙烯醇系膜之製造方法 | |
WO2017195813A1 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、およびその製造方法、ならびにそのポリビニルアルコール系フィルムを用いた偏光膜 | |
JP2010276815A (ja) | 偏光子の製造方法、それによって製造される偏光子、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2023083361A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、偏光膜および偏光板、ならびにポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
JP6687611B2 (ja) | 偏光板、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置 | |
JP4754510B2 (ja) | 偏光子の製造方法 | |
JP7312038B2 (ja) | 偏光板の製造方法 | |
JP2023090724A (ja) | 偏光板 | |
JP2023053968A (ja) | 偏光板、液晶表示装置およびその製造方法、ならびにポリビニルアルコール系偏光フィルム | |
JP6740857B2 (ja) | 偏光膜製造用ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
JP7280349B2 (ja) | 偏光膜、偏光板、および該偏光膜の製造方法 | |
JPWO2018199140A1 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、偏光膜および偏光板、ならびにポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
TW201817576A (zh) | 聚乙烯醇系薄膜及其製造方法與利用此聚乙烯醇系薄膜之偏光膜 | |
JP2019066751A (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JP7412081B2 (ja) | 偏光膜製造用ポリビニルアルコール系フィルム、及びそれを用いて得られる偏光膜、ならびにポリビニルアルコール系樹脂水溶液 | |
JP2017105969A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、およびそれを用いてなる偏光膜 | |
JPWO2020184082A1 (ja) | 偏光膜、偏光板、および該偏光膜の製造方法 | |
JP2019066747A (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JPWO2018199139A1 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム、偏光膜および偏光板、ならびにポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
JP7165813B2 (ja) | 偏光膜、偏光板および該偏光膜の製造方法 | |
TW201730252A (zh) | 用以製造偏光膜的聚乙烯醇系膜、及利用此聚乙烯醇系膜之偏光膜、偏光板與用以製造偏光膜的聚乙烯醇系膜之製造方法 | |
JP7300326B2 (ja) | 偏光板および該偏光板の製造方法 | |
JP7300325B2 (ja) | 偏光板および該偏光板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20190520 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200826 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210715 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220222 |