JP2011180211A - 偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

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健次 松野
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登士哉 井上
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Abstract

【課題】湿熱環境下において偏光板として良好な光学特性を保持し、湿度の低い高温環境下においてもシワ発生などの外観変化を防止しうる偏光板を提供すること。
【解決手段】第一の透明保護フィルムと、偏光子と、第二の透明保護フィルムとがこの順で積層されている偏光板であって、第一の透明保護フィルムが、表面処理されているセルロース系樹脂フィルムからなり、温度40℃、相対湿度90%における第一の透明保護フィルムの透湿度が4〜50g/m2/24hrであり、かつ、偏光板全体の含水量が、2.0重量%以下であることを特徴とする偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性に優れる偏光板に関する。また、該偏光板を有する液晶パネルや液晶表示装置に関係する。
近年、液晶表示装置は、車載や携帯電話機等に用いられることが多くなり、特に車載用途では、夏場の高温に晒されても性能変化を起こさない耐久性が求められている。そのため、高湿下における耐久性に加え、低湿度であってもより高温下での耐久性も要望されている。
液晶表示装置には、通常、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着、延伸配向させて作製された偏光子の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)を代表例とするセルロース系樹脂のフィルムを保護層として接着した偏光板が使用される。
セルロース系樹脂は、一般に透湿度が高く、水分を通しやすいという特性を有するために、前記偏光板が湿熱環境下に晒された際、湿度により偏光子が退色して色相が変化したり、偏光度が低下したりするという問題があった。このような問題を解決するために、保護フィルム自体をセルロース系樹脂よりも透湿度の低い樹脂に変更する方法や、セルロース系樹脂の露出面に表面処理を施して保護フィルムの透湿度を下げる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
特開昭59−159109号公報 特開昭60−159704号公報 特開平7−77608号公報 特開2005−338736号公報 特開2007−264626号公報 特開2004−53797号公報 特開2007−102179号公報
しかしながら、前記従来の偏光板は、湿熱環境下での耐久性に加え、低湿度であってもより高温となる環境下での耐久性という双方の耐久性を備えるという点で、必ずしも十分なものではなかった。そこで、本発明の目的は、湿熱環境下において偏光子を保護する低い透湿度を有しながら、湿度の低い高温環境下においても外観変化を起こさず、良好な表示品位が保持する偏光板を提供することにある。
本発明は、第一の透明保護フィルムと、偏光子と、第二の透明保護フィルムとがこの順で積層されている偏光板であって、第一の透明保護フィルムが、表面処理されているセルロース系樹脂フィルムからなり、温度40℃、相対湿度90%における第一の透明保護フィルムの透湿度が4〜50g/m2/24hrであり、かつ、偏光板全体の含水量が、2.0重量%以下であることを特徴とする偏光板を提供するものである。
さらに、本発明は、前記偏光板を有する液晶パネルや液晶表示装置を提供するものである。
本発明によれば、湿熱環境下において偏光板として良好な光学特性を保持し、湿度の低い高温環境下においてもシワ発生などの外観変化を防止しうる偏光板を提供される。また、この偏光板は、液晶パネルや液晶表示装置に好適に使用されるものである。
本発明に係る偏光板の層構成の例を示す断面模式図である。 実施例1〜2、比較例1における偏光板の作製方法を示す断面模式図である。 比較例2における偏光板の作製方法を示す断面模式図である。
本発明は、第一の透明保護フィルムと、偏光子と、第二の透明保護フィルムとがこの順で積層されている偏光板であって、第一の透明保護フィルムが、表面処理されているセルロース系樹脂フィルムからなり、温度40℃、相対湿度90%における第一の透明保護フィルムの透湿度が4〜50g/m2/24hrであり、かつ、偏光板全体の含水量が、2.0重量%以下であることを特徴とするものである。このように、セルロース系樹脂フィルムというそれ自体透湿度の高いフィルムを使用して該フィルムに表面処理を施すことによって、第一の透明保護フィルムを所定の透湿度に調整するとともに、偏光板全体の含水量を所定量以下に制御しておくことにより、湿熱環境下(具体的には、温度40℃、相対湿度90%)において偏光板として良好な光学特性を保持しつつ、湿度の低い高温環境下(具体的には、乾燥下、85〜95℃)においてもシワ発生などの外観変化を防止しうる偏光板を得ることができるのである。以下に、本発明に係る偏光板の層構成の例を示した断面模式図(図1)を参照しつつ、本発明を説明する。
図1の(A)は、基本的な層構成を示すものであって、第一の透明保護フィルム2と、偏光子1と、第2の透明保護フィルム3とがこの順で積層されることにより、偏光板が構成されている。そして本発明では、図に示すように、第一の透明保護フィルム2の外側、すなわち偏光子1の反対側に表面処理層4を設けることにより、温度40℃、相対湿度90%における第一の透明保護フィルム2の透湿度を4〜50g/m2/24hrに調整している。また、第二の透明保護フィルム3、特にその外側には、光学補償層8を設けることができる。図1に示した層構成の偏光板を液晶パネルや液晶表示装置に適用するときは、第二の透明保護フィルム3又は光学補償層8が液晶セル側となるように、また第一の透明保護フィルム2又は表面処理層4が視認側となるように配置される。以下、図1に示した各層について順に説明を進めていく。
偏光子1は、所定方向の振動面を持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動面を持つ直線偏光を吸収する光学素子である。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向したフィルムが挙げられる。二色性色素としてヨウ素が吸着配向しているヨウ素系偏光子や、二色性色素として二色性有機染料が吸着配向している染料系偏光子があるが、いずれも用いることができる。
第一の透明保護フィルム2は、表面処理されているセルロース系樹脂フィルムから構成される。このようにセルロース系樹脂フィルムに表面処理を施すことによって温度40℃、相対湿度90%における透湿度を4〜50g/m2/24hrに調整する。ここで、セルロース系樹脂としては、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースなどが挙げられる。
第二の透明保護フィルム3には、従来から使用されている任意の樹脂フィルムが使用できる。このような透明保護フィルムとして、前述したセルロース系樹脂のほか、熱可塑性樹脂フィルム、例えば、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)などのフィルムも用いることができる。一方、本発明で規定する透湿度を満たすものであればよいが、透明性及び耐熱性の高いフィルムが好ましく、透明性は光線透過率で80%以上、好ましくは85%以上である。また、耐熱性はガラス転移温度で100℃以上、好ましくは120℃以上である。そこで、かかる透明性や耐熱性の点からは、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)やポリエチレンテレフタラートが好ましい。
第一の透明保護フィルム2に設けられる表面処理層4としては、強度を付与するとともに所定の透湿度に調整するための表面処理手法として、平滑な、又は凹凸を持たせたハードコート処理を施すことが挙げられる。ハードコート層は特に限定されるものでなく、シリコーン系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの樹脂材料単独、あるいはその樹脂にフィラーを混合させたものが例示できる。これらのハードコート層は、スピンコート法、マイクログラビアコート法など、公知の方法で塗工し、硬化させることにより設けることができる。ハードコート層の厚みは1μm〜30μm程度であり、好ましくは3μm以上、また好ましくは20μm以下である。その屈折率は、通常1.65以下、好ましくは1.45〜1.65の範囲である。
前述したハードコート処理によって透湿度を調整する方法としては、ハードコート液の組成や、ハードコート層の厚みを調整する方法等が挙げられる。
ハードコート処理面には、反射防止機能を付与するとともに、透湿度を所定の範囲に調整する目的で、マイクログラビアコート等の既知の塗布法を用いて、あるいは蒸着やスパッタリング法などの手法を用いて、有機物、金属、金属化合物などの層を設けることもできる。中でも、スパッタリング法により金属化合物膜をハードコート層上に成膜する手法が特に好適である。
ハードコート層上に金属化合物膜を形成して透湿度を調整する方法としては、その成膜速度、真空度、被蒸着物の温度などを制御する方法が挙げられる。例えば、一般には、成膜速度を増加させれば透湿度が高くなり、真空度を上げれば透湿度は小さくなり、被蒸着物の温度を上げれば透湿度は高くなるので、これらを勘案して、本発明の規定する透湿度となるように反射層を形成する条件を選択することが可能である。また、スパッタリング法により反射層を形成する場合は、そのときのスパッタパワー、不活性ガス圧などを大きくすれば透湿度は高くなり、小さくすれば透湿度は低くなる。さらにそのほかの成膜法を用いる場合も、同様である。
成膜又は塗布に用いる有機物としては、フッ素原子が導入されたポリマーなどを挙げることができる。金属としては、アルミニウム、銀などが好適に使用できる。金属化合物は一般に無機のものであり、無機酸化物、無機硫化物、無機弗化物などを使用することができる。無機酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化インジウム−錫、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。無機硫化物の例としては、硫化亜鉛、硫化アンチモンなどが挙げられる。無機弗化物の例としては、弗化アルミニウム、弗化バリウム、弗化カルシウム、弗化セリウム、弗化アルミニウム、弗化ランタン、弗化鉛、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化ニオブ、弗化サマリウム、弗化ナトリウム、弗化ストロンチウム、弗化イットリウムなどが挙げられる。反射防止層を設ける場合は、少なくとも1層あればよいが、必要に応じて多層としてもよく、多層とする場合は酸化ニオブもしくは酸化チタンと、酸化ケイ素を交互に積層した構成が好適に用いられる。反射防止の目的から視感度反射率が0.5%以下とすることが望ましい。
好適な表面処理が施された保護フィルムの例として、強度や反射防止機能を付与する目的で、透明なアクリル系のハードコート層を形成し、さらにその上に、金属化合物からなる反射防止層をスパッタリング法により形成したものを挙げることができる。
前述したセルロース系樹脂フィルムには、成形性を向上させるための可塑剤が、フィルム総量に対して3〜10重量%含有しているものが好ましい。また、ここでいう可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤やフタル酸エステル系可塑剤などが挙げられるが、リン酸エステル系可塑剤が好ましく、中でも、リン酸トリフェニルがより好ましい。
可塑剤の含有量は、試料から溶出・再沈により単離したものを濃縮・乾固し、ガスクロマトグラフィー絶対検量線法により定量化して求めることができる。透明保護フィルムの少なくとも一方が、可塑剤として含有し、その保護フィルムの透湿度を低くした場合には、偏光板を高温環境下に置いたときに、シワなどの外観変化を生じることがある。そこで、このような保護フィルムを用いた場合に、透湿度を所定の範囲に調整することにより、高温環境下での外観変化を抑制した本発明の手法は、特に有効である。
また透明保護フィルム2、3には、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の如き紫外線吸収剤などが、添加剤として含まれていてもよい。
第二の透明保護フィルム3には、偏光板を液晶表示装置に搭載したときの光学位相差を補償するための光学補償層8を設けることができる。光学補償層としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、環状ポリオレフィン系樹脂などからなる樹脂フィルムを延伸して、面内方向の位相差を発現させたフィルムや、無機層状化合物の塗布層を形成して厚み方向の位相差を発現させたフィルム、液晶性化合物の塗布層を形成させた光学補償フィルムなどが挙げられる。液晶性化合物の塗布層を形成させた市販の光学補償フィルムには、富士写真フイルム(株)から販売されている“ワイドビュー”(“WVフィルム”と表現されることもある)や、新日本石油(株)から販売されている“日石NHフィルム”などがある。なお、光学補償層8を直接偏光子1に貼り付け、その光学補償層8に透明保護フィルムとしての役割を兼ねさせることもできる。
光学補償層8の遅相軸と偏光子1の吸収軸とがなす角度は特に限定されるものでなく、適用される液晶表示装置の仕様などに応じて適宜設定される。光学補償層8が貼合された場合には、従来の偏光板と位相差板とが積層されたものと比較して、色抜けの発生をより効果的に抑制することができ、好ましい。
偏光子と透明保護フィルムとの接着に用いる接着剤は、それぞれの接着性を考慮して任意のものを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液は、好ましい接着剤の一つであり、この水溶液は、さらに水溶性エポキシ樹脂や多価アルデヒドなどの硬化剤を含有するのが好ましい。
そして本発明では、第一の透明保護フィルムに表面処理を施すことによって、温度40℃、相対湿度90%における透湿度を4〜50g/m2/24hrに調整する。一般に透湿性が調整されていない偏光板保護フィルムにおいては温度40℃、相対湿度90%における透湿度は50g/m2/24hrを超える大きい値となるが、本発明においては偏光板の透明保護フィルムに表面処理を施すことによって、温度40℃、相対湿度90%における透湿度の上限を50g/m2/24hrに調整することで、湿熱環境下に晒された場合においても外部水分による偏光板の劣化を生じない偏光板としている。尚、かかる偏光板の耐久性の点から、前記透湿度は10g/m2/24hr以下であるのが好ましい。
一方、従来技術にあるように、透湿度を低く調整した、すなわち、温度40℃、相対湿度90%における透湿度を4g/m2/24hrに調整した保護フィルムにおいては、湿熱環境下における耐久性を向上させるが、乾燥下での高温試験において偏光板の外観変化を生じてしまうという問題があった。本発明においては温度40℃、相対湿度90%における透湿度の下限を4g/m2/24hrに調整することで、高温環境下においても外観変化を防止しうる偏光板としている。
透湿度を測定する手法としては、JIS Z0208に従って求めることができる。この規格では、25℃又は40℃のいずれかの温度で透湿度を測定する旨規定されているが、本明細書では、40℃の温度を採用する。また、透湿面積は28.3cm3(直径6cm)とし、供試したフィルムの厚みそのものに対する透湿度で表示するものとする。
本発明では、前述した透湿度を制御するのに加え、偏光板全体の含水量を2.0重量%以下にすることを特徴とする。これにより、湿熱環境下において偏光板として良好な光学特性を保持しつつ、湿度の低い高温環境下においてもシワ発生などの外観変化を防止しうる偏光板を得ることが可能となる。
偏光板の水分量を2.0重量%以下とするには、予め含水量が小さい偏光子や透明保護フィルムを使用する方法や、偏光板を製造する際に乾燥条件を調整する方法、例えば、第一の透明保護フィルム、偏光子、及び第二の透明保護フィルムを貼合した後に、乾燥処理を行うことで偏光板の水分率を小さくした後に第一の透明保護フィルム上に透湿度調整のための表面処理を施す方法などが挙げられる。中でも、偏光板の生産性の観点から、第一の透明保護フィルム、偏光子、及び第二の透明保護フィルムを貼合した後に、乾燥処理を行うことで偏光板の水分率を小さくした後に第一の透明保護フィルム上に透湿度調整のための表面処理を施す方法が望ましい。
第一の透明保護フィルム、偏光子、及び第二の透明保護フィルムを貼合した後に、乾燥処理を行う方法としては、室温より高めの温度下に晒したり、真空乾燥などの低圧条件に晒す等の既知の方法が挙げられる。
偏光板の含水量(水分含量)は、偏光板を100℃の雰囲気に0.5時間晒して乾燥したときの乾燥前後の偏光板重量から、下式(I)により算出される値である。
Figure 2011180211
かくして、前述した耐久性に優れる偏光板を提供することができる。かかる偏光板は、液晶パネルや液晶表示装置に好適に使用することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の例における透湿度は、いずれも温度40℃、相対湿度90%における値であるので、温度と湿度の付記は省略する。
[実施例1]
図2の(A)に示すように、ヨウ素染色ポリビニルアルコール延伸フィルムからなる偏光子1をトリアセチルセルロースからなる2枚の透明保護フィルム2、3で挟み込むことにより、偏光板を作製した。偏光子1の一方の面に配置した第一の透明保護フィルムは、トリアセチルセルロースフィルム2の片面に凸版印刷(株)製のハードコート層5が設けられたものであり、偏光子1のもう一方の面に配置した第二の透明保護フィルムは、富士写真フイルム(株)製でトリアセチルセルロースフィルム3の片面にディスコティック液晶の配向塗布層からなる光学補償層8が設けられたもの(商品名“WV−SA”)であり、それぞれトリアセチルセルロースフィルム2、3側で偏光子1に接着剤を介して貼合した。偏光子1の厚みは約25μm、ハードコート層5付きトリアセチルセルロースフィルム2の厚みは約85μm、そして光学補償層8付きトリアセチルセルロースフィルム3の厚みは約83μmであった。
この偏光板を真空乾燥処理したものに対し、図2の(B)に示すように、ハードコート層5の表面にスパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設けて、反射防止機能と所定の透湿度を発現させた。このとき、トリアセチルセルロースフィルム2自体の透湿度は420g/m2/24hrであったが、トリアセチルセルロースフィルム2上にハードコート層5と反射防止層6を設けた状態での透湿度は6.8g/m2/24hrであった。また、ハードコート層5が付される前のトリアセチルセルロースフィルム2には、リン酸トリフェニルが6.7重量%含まれており、光学補償層8付きトリアセチルセルロースフィルム3(“WV−SA”)にも、同様にリン酸トリフェニルが6.5重量%含まれている。得られた偏光板の含水量は、偏光板総量に対し1.7重量%であった。
[実施例2]
スパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設ける際の不活性ガス圧を調整することによって得られる第一の透明保護フィルムの透湿度を5.0g/m2/24hrとした以外は実施例1と同様に実施した。偏光板の含水量は、偏光板総量に対し1.7重量%だった。
[比較例1]
スパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設ける際の不活性ガス圧を調整することによって得られる第一の透明保護フィルムの透湿度を2.4g/m2/24hrとした以外は実施例1と同様に実施した。偏光板の含水量は、偏光板総量に対し1.7重量%だった。
[比較例2]
図3の(A)に示すように、一方の透明保護フィルムとして、トリアセチルセルロースフィルム2の片面に凸版印刷(株)製のハードコート層5が設けられたものの当該ハードコート層5側表面に、比較例1と同様の条件にてスパッタリング法により金属酸化物膜からなる反射防止層6を設けて、反射防止機能と低い透湿度を発現させたものを使用した。もう一方の透明保護フィルムとしては、実施例1で第二の透明保護フィルムとして用いたのと同じ、富士写真フイルム(株)製でトリアセチルセルロースフィルム3の片面にディスコティック液晶の配向塗布層からなる光学補償層8が設けられたもの(商品名“WV−SA”)を用いた。そして、ヨウ素染色ポリビニルアルコール延伸フィルムからなる偏光子1の両面に、これら2枚の透明保護フィルムをそれぞれトリアセチルセルロースフィルム2、3側で接着剤を介して貼合し、図3の(B)に示す如く、層構成は実施例1と同じで偏光子1を2枚の保護フィルムで挟み込んだ状態の偏光板を作製した。各フィルムの厚みは、実施例1と同じである。
トリアセチルセルロースフィルム2上にハードコート層5と反射防止層6を設けた状態での透湿度は2.4g/m2/24hrであった。また、ハードコート層5が付される前のトリアセチルセルロースフィルム2には、リン酸トリフェニルが6.7重量%含まれており、光学補償層8付きトリアセチルセルロースフィルム3(“WV−SA”)にも、同様にリン酸トリフェニルが6.5重量%含まれている。得られた偏光板の含水量は、偏光板総量に対し2.8重量%であった。
それぞれの保護フィルムの透湿度については、スパッタリング法によって偏光板に反射防止膜を設ける際に、同条件にて第一の透明保護フィルム(ハードコート層5付きトリアセチルセルロースフィルム)にも設けたものを作成し、得られた第一の透明保護フィルムに対してJIS Z0208に従って温度40℃、相対湿度90%における透湿度を測定した結果を用いた。
[評価試験例]
(a)評価サンプルの作製
実施例1及び比較例1で得られたそれぞれの偏光板から、30mm×30mmと100mm×100mmのサイズに切り出し、それぞれ、感圧接着剤を介してガラスに貼合し、測定サンプルとした。
(b)湿熱下における偏光板の耐久性評価
上記(a)で作製した30mm×30mmのサンプルに対し、温度60℃、相対湿度90%の湿熱環境下に750時間放置する耐湿熱試験を行い、試験前後の偏光板の光学特性を測定した。測定には、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計“UV−2450”にオプションアクセサリーである“偏光子付フィルムホルダー”をセットしたものを用い、波長380nm〜700nmの範囲における偏光板の透過方向と吸収方向の透過スペクトルを測定し、上記分光光度計に付属しているソフトウェア“UV−Probe”により、偏光度と、JIS Z8729に準拠する単体透過光の色座標a*及びb*が求まるようにした。
そして、耐湿熱試験後のPy及び初期(耐湿熱試験前)のPyから、下式(II)により偏光度変化ΔPyを、また、耐湿熱試験後のa*及びb*並びに初期(耐湿熱試験前)のa*及びb*から、下式(III)により単体色相変化Δa**を求めた。
Figure 2011180211
その結果、実施例1、実施例2及び比較例1、比較例2の偏光板はともに、偏光度変化ΔPy が偏光度(パーセント表示)の差で0.05ポイント以下、単体色相変化Δa**が2以下であった。このことから、いずれの偏光板も、湿熱環境下では良好な耐久性を示すことが認められた。
(c)乾燥高温環境下における偏光板の耐久性評価
上記(a)で作製した100mm×100mmのサンプルに対し、温度85℃と温度95℃、それぞれに乾燥の高温環境下に750時間放置する耐熱試験を行い、試験後の外観変化を観察した。その結果、実施例1及び実施例2で得られたサンプルには外観上の変化がなく、良好な結果が得られたが、比較例1で得られたサンプルには、温度95℃において偏光板表面にシワ状の欠陥が発生し、偏光度等の光学特性の測定ができないほどであった。また比較例2においては温度85℃、温度95℃いずれの条件においても偏光板表面にシワ状の欠陥が発生し、偏光度等の光学特性の測定ができないほどであった。
評価試験結果の一覧を表1に示した。なお、表の外観の欄において、偏光板に外観上の変化がなかった場合をOKと表記し、表面にシワ状の欠陥が生じた場合をNGと表記した。
Figure 2011180211
1 偏光子
2 第一の透明保護フィルム
3 第二の透明保護フィルム
4 表面処理層
5 ハードコート層
6 スパッタリングにより設けた反射防止層
8 光学補償層

Claims (9)

  1. 第一の透明保護フィルムと、偏光子と、第二の透明保護フィルムとがこの順で積層されている偏光板であって、
    第一の透明保護フィルムが、表面処理されているセルロース系樹脂フィルムからなり、
    温度40℃、相対湿度90%における第一の透明保護フィルムの透湿度が4〜50g/m2/24hrであり、かつ、
    偏光板全体の含水量が、2.0重量%以下であることを特徴とする偏光板。
  2. 第一の透明保護フィルムが、セルロース系樹脂フィルムの表面をスパッタリング法による表面処理を施すことにより反射防止層が形成されている請求項1に記載の偏光板。
  3. 第一の透明保護フィルムの視感度反射率が、0.5%以下である請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 第二の透明保護フィルムが、セルロース系樹脂フィルムからなる請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 前記セルロース系樹脂フィルムが、該フィルム総量に対して3〜10重量%の可塑剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 前記可塑剤が、リン酸エステル系可塑剤である請求項5に記載の偏光板。
  7. 第二の透明保護フィルムにおいて、偏光子と反対側に光学補償層が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板を有する液晶パネル。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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