JP5164187B2 - 間仕切内埋設暖冷房システム - Google Patents
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Description
図7は、従来例1であり、特許文献1として挙げた本出願人の提案にかかる隠蔽温水暖房システムの説明図である。
即ち、図7(従来例1)の隠蔽温水暖房システムは、軽量鉄骨間仕切壁を構成するスタッド間に、アルミ板と嵌合溝を穿設した断熱材とを積層一体とした放熱パネルを配置し、可撓性のプラスチック樹脂性の温水パイプを、アルミ板面に当接形態で、断熱材の嵌合溝内に屈曲延展配置して、天井配置の、往き管を温水パイプの一端に、戻り管を温水パイプの他端に接続し、間仕切壁のアルミ板面の温水加熱によって、アルミ板面側の居室内を暖房するものである。
即ち、従来例2(図8)は、図に示す如く、調湿機能を有する火山灰シラスを主成分とする壁材に温水パイプを組込み、壁材の外面に、ホットメルト糊で、タイル、石膏ボード等を張着したパネルを、パネルの壁材面を壁室内面とし、パネル内の温水パイプに外部の温水器から温水を循環供給して、壁材面側の室内を温水暖房するものである。
即ち、図9(従来例3)は、出窓の窓下コンクリート壁面に凹所を形成して、凹所壁面の前面に、断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し、背面側にフィンを有するパネルタイプの放熱器を配置し、且つ放熱器下方には、冷気導入用の斜板を配置し、温水パイプで放熱器に熱供給し、放熱器の前面の居室を暖房するものである。
即ち、図10に示す放熱器は、プラスチック樹脂製の縦パイプ群を上下の大径緯パイプで連通した2枚の放熱パネルを重層形態で一体化して放熱部とし、該放熱部の上下、左右の四周に、上枠、側枠、下枠、上接合具及び下接合具で枠組みを付加して、熱効率及びデザイン性に優れた居室内配置タイプの放熱器である。
そして、放熱量の増大を図って放熱パネル面を左右に増加すれば、家具配置の制約が大となる。
また、温水パイプ内に冷房用の冷水を循環させれば、温水パイプの周面に結露が生じ、結露水は、断熱材及び壁仕上材に吸着し、放熱パネルを収納する間仕切内には、ダニ、カビの発生を来たす。
そして、放熱パネルを収納する間仕切内は、放熱パネルによって上下分断しているため、間仕切内は、ガラリによる室内空気の流入、流出効果が少なく、結露水を吸着した壁仕上材の乾燥効果が期待出来ない。
従って、従来例1(図7)の隠蔽型温水暖房システムでは、結露の発生を伴なう冷房運転は実施出来ない。
また、温水パイプを封入している調湿機能を有する壁材が、温水パイプ内の高温水によってヒビ割れ等の加熱損傷を生ずる。
しかも、温水パイプを封入したパネルは重く、暖房壁面の連続形成は、施工面、コスト面で問題があり、仕上材も、輻射波の放射率の大な材料に限定される。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、適用居室が制約される。
そして、出窓床面に蓋部を設けて対流熱を上昇させるため、配置場所が限定され、放熱器を隠蔽するために、建物を構成する暖房装置以外の、躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生し、壁の両面の暖房に適用出来ないものである。
本発明は、これら従来例の問題点を、一挙に解決、又は改善するものであって、間仕切壁内への、最適の収納の下に、結露対策をも備えた、間仕切壁の両側の居室の暖房にも冷房にも適した、且つ放熱量の極めて高い、暖冷房システムであって、従来の壁暖房システムの概念を一新する、新規で、意匠効果も期待出来る、実用性に富んだ暖冷房システムを提供するものである。
そして、空間O内で発生した放熱器の熱エネルギーを有効に間仕切WA両側の居室に放出するために、空間(熱空間)Oを規定する左右の間柱6B及び上下の受桟6Kの内周面には、輻射波反射層8Dを配置するのが好ましく、典型的には、慣用のアルミ箔を張着しておく。
そして、放熱器Heの吊下げ保持は、典型的には、図2に示す如く、空間Oの両側面を規定する間柱6Bに固定した吊金具11によって、上側ヘッダー主管2Aの下面を支承する。
また、間仕切空間O内に配置した放熱器Heは、露出形態で表裏両室へ熱放出すれば、施工面、熱効率面で有利である。
そして、放熱器Heが、プラスチック樹脂製の第1放熱パネル101と第2放熱パネル102の重層形態であること、及びプラスチック樹脂は熱輻射波の吸収放射率(標準:0.95)が高いことにより、間仕切WAの両側居室に、熱輻射波を有効に放射し、人体に心地良い暖冷房を全スペースに亘って提供する。
そして、放熱器Heはドレン手段を備えているため、間仕切WA内埋設形態でありながら、冷房作用による結露に対応出来、カビやダニの発生を抑制する衛生的な暖冷房システムとなる。
しかも、吊金具11は、放熱器Heを断熱シートで熱伝達抑制形態で保持するため、吊金具11に結露の発生は無く、保持具5も全プラスチック樹脂製であるため結露の発生は無く、放熱器He収納空間O内では、湿潤によるカビやダニの発生も抑制出来る。
この場合、支持金具12は、左右両側の間柱6Bに固定した一対で、ドレンパイプ3Bの両端が支持出来、且つ結露を生じなければ良く、典型的には、図5に示す如く、両側辺12Sと、ねじ孔H12を備えた中央取付辺12Fとを底板12Dに立設した、幅W12(標準:91mm)がドレンパン幅W3(標準:80mm)より大で、高さh12が15mm、長さL12が50mmの鋼板製であって、両側辺12S及び底板12Dの外表面に発泡ウレタン断熱層12M´を、内表面に断熱シート12Mを被覆したものである。
また、ドレンパン3Aの空間O内での上下位置関係は、典型的には、上桟6K上面との空気流間隔S1は20mm、ドレンパン3Aと放熱器He下端面との人手挿入間隔S2は50mmである。
また、ドレンパン3Aと放熱器He下端面との間隔S2(標準:50mm)の存在によって、ドレンパン3A内の清掃作業も容易となる。
この場合、熱輻射波の吸収放射率が0.9以上の不透明化粧板8Eとしては、各種不透明プラスチック板、ビニールクロス張り石膏ボード、不透明ガラス板等が採用可能であり、典型的には、デザイン性、加工性に優れ、且つ同厚のガラス板の200倍の強度を備えた5mm厚の不透明ポリカーボネート樹脂板である。
この場合、化粧板8Eは、左右縁が間柱6Bの外側面と面一であるため、斜め方向からの目線でも、空間O内は目視出来ないし、下端縁は、ドレンパン3Aの上下中間レベルであるが、床材9A表面との間隔(標準:130mm)が小さいため、室内者の通常の目線では、空間Oの内部は見えない。
この場合、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rは、図2に示す如く、熱空間Oの上面を規定する上側受桟6Kのパイプ貫通用孔H6から垂下延出すれば良い。
従って、接続金具2Nには結露の発生が無く、放熱器Heの配管接続部位のメンテナンスも容易となり、天井配管と接続した放熱器Heは、空気溜りが防止出来て、室内での空気抜きメンテナンスが不要となる。
そして、間仕切WAは、前後幅W6(標準:105mm)が狭いが、上下高さが天井面から床面まで十分な高さCh(標準:2400mm)であるため、放熱器Heは、十分な長さL1(標準:2000mm)が採用出来、従来の壁暖房からは想像出来ない高発熱量が得られる。
そして、放熱器Heが下部にドレン機構を備えているため、間仕切WA内での冷房も支障無い。
また、放熱器Heは、供給口2S及び排出口2Rが上側ヘッダー1上に存在するため、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rとの接続と出来、放熱パネルHe内の循環温冷水経路に空気溜りの発生は無くて、放熱パネルHeの、室内での空気抜きメンテナンスから開放される。
そして、放熱器Heは、熱空間O内で、上側ヘッダー1を、間柱6Bに固定した吊金具11によって、熱伝達抑制形態に支承し、下側ヘッダー1を、間柱6Bに固定したプラスチック樹脂製の保持具5によって、前後左右動を抑制して支持しているため、熱伸縮する細くて、長い縦パイプ2C群を備えた放熱器Heは、吊金具11によって、吊下げ形態の保持となって、熱伸縮変位に対応出来、放熱器Heの下端も、保持具5によって、前後揺動及び左右動が規制されるため、狭い前後幅W6(標準:105mm)の間仕切WA内への、上下長さh1(標準:2000mm)の長くて前後変位し易い放熱器Heの収納が、支障無く収納出来る。
しかも、吊金具11は、放熱器Heを断熱シートで熱伝達抑制形態で保持するため、吊金具11に結露の発生は無く、保持具5も全プラスチック樹脂製であるため結露の発生は無く、放熱器He収納空間O内では、湿潤によるカビやダニの発生も抑制出来る。
図3は、放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は正面用、即ち第1放熱パネル101側から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は裏面用、即ち第2放熱パネル102側から見た正面図である。
放熱器Heは、長辺が105mm、短辺が45mmの間柱6Bの中心間隔L6が455mmの間仕切間隔に配置する収納箱12内に組込むものとして準備する。
そして、PP−R樹脂製の縦パイプ2C群は、人体に良いとされる3μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均:0.95)で放射するため、輻射熱放熱器となる。
熱空間Oは、図1に示す如く、間仕切WA内の放熱器Heを収納する空間であって、左右間寸法は、中心間寸法L6が455mmで配置した両側の、前間柱6Bの対向内面が規定し、上下間寸法は、左右間柱6B間に差渡し配置した、上側受桟6Kの下面と、下側受桟6Kの上面とで規定された空間Oであって、前後幅は、間柱6Bの幅W6(標準:105mm)で規定されている。
吊金具11は、熱空間Oを規定する両側の間柱6Bの対向内面に固定して、放熱器Heの左右両端を吊下げ形態で保持する金具であって、図4(A)は吊金具11が放熱器Heを保持した状態の右側部分の側面図であり、図4(B)は吊金具11の全体斜視図である。
保持具5は、間柱6B内面下方に固定して放熱器Heの下端両側に嵌合し、放熱器Heの下端の、前後左右動及び浮き上りを阻止するものであって、図4(C)は放熱器Heに保持具5を嵌合した状態の側面図であり、図4(D)は保持具5の全体斜視図である。
ドレンパン3Aは、間柱6Bの内面に固定した支持金具12によって、放熱器Heの下方に保持し、放熱器Heの周面に発生した結露水を受けて、慣用の排水管3Cで排除するものであり、図5(A)は、ドレンパン3Aを支持金具12で支持したドレン機構部の一側端の側面図、図5(B)はドレンパン3Aの一側端部の斜視図、図5(C)は支持金具12の全体斜視図である。
間仕切WAの両側の間柱6Bと下側受桟6K及び上側受桟6Kとで区画規定された熱空間(空間)O内への暖冷房システムの収納構築は、図1に示す如く、熱空間Oに面した内装材8A、の端部は、慣用のプラスチック製のコーナーアングル8Cを配置して、内装材8Aの端縁の損傷を阻止しておき、上下長h1が2000mm、左右幅L1が350mm、前後厚W1が58.5mmの放熱器Heの、上側ヘッダー1の両端を、左右両側の間柱6B内面に固定した一対の吊金具11で支承し、下側ヘッダー1の両端を間柱6B内面に固定した一対の保持具5で保持し、放熱器Heの下方にドレンパン3Aを、間柱6Bに取付けた一対の支持金具11で、水勾配付与形態に支承し、ドレンパン3Aの下面から垂下突出したドレンパイプ3Bを床下の慣用の排水管3Cと接続する。
次いで、収納した放熱器Heの表側F及び裏側Bには、左右幅L8が550mm、上下長さh8が2220mm、厚さが5mmの不透明なポリカーボネート樹脂板を、化粧板8Eとして、同一対称構造に、間柱6Bに埋設したボルトb8と化粧ナットn8で取付ける。
また、放熱器He上部の接続金具2Nも、保温材NCで被覆したため、結露の発生が抑制出来る。
放熱器Heの隠蔽手段としては、実施例の表側(F側)裏側(B側)を同一の化粧板8Eで完全隠蔽する手段に換えて、意匠効果上、各種の変形手段の適用が可能である。
図6(A),(B)は放熱器Heの裏面(B)側に、上側幕板13A及び下側幕板13Bを適用した図で、(A)は一側部位の横断面図、(B)は上側縦断面図である。
即ち、上側幕板13Aで、放熱器Heの上側ヘッダー1より上部を、下側幕板13Bで下側ヘッダー1より下部を隠蔽目隠しするものであり、幕板13A,13Bは、実施例の化粧板8Eと同一材でも、異なる面材でも良く、空間Oの上部及び下部に空気溜りが生じない形態であれば良い。
そして、裏側(B側)の居室内からは、長尺の縦パイプ群のみが露出して、幾何学的な機能美を呈することとなり、外観上も暖冷房の存在が目視出来、循環水に着色水を採用すれば、機能美+色彩効果の斬新な意匠効果が得られる。
即ち、第2変形例では、第1変形例の上側幕板13A及び下側幕板13Bとして厚手(標準:20mm)の天然木板を採用し、上側幕板13Aには、外方から内方に傾斜降下形態の、下側幕板13Bには、外方から内方に傾斜上昇の空気孔(標準径:12mm)を、間隔配置して、上下幕板13A,13Bを間柱6Bに当接形態で、着脱可能に固定するものである。
この場合、空気孔Hcは散在、且つ傾斜しているため、空気の流出入作用は奏するが、空間O内の見苦しい部位、即ち上側ヘッダーより上部、及び下側ヘッダーより下部、の隠蔽作用は果す。
勿論、上下幕板13A,13Bに、薄手の有孔板材を採用することも可能である。
第3変形例は、図6(E),(F)に示す如く、上側受桟6Kから下側受桟6Kに亘る熱空間O全面を、間隔平行配置した縦桟14B群と横桟14A群とで格子組みして被覆したものであり、縦桟14B及び横桟14Aの色彩、材質、格子目の寸法、形状等は、需要者の希望に応じて選択実施することにより、和室等、居室に適合したデザインとなり、本願発明の所期の目的は達せられる。
2A ヘッダー主管(主管)
2B 継手枝管(枝管)
2C 縦パイプ
2D 連通管
2E スペーサーパイプ
2F 閉止板
2N 接続金具
2P 仕切板
2R 排出口
2S 供給口
3A ドレンパン
3B ドレンパイプ
3C 排水管
3D,12D,5D 底板
3S,12S 側板
5 保持具
5E スリーブ突起(突起)
5F 垂直板
5P パイプ片
5R 円板
5M´,11M´,12M´ 発泡ウレタン(断熱被覆層)
6B 間柱
6K 受桟
8A 内装材
8B 幅木
8C コーナーアングル
8D アルミ箔(輻射波反射層)
8E 化粧板
9A 床材
9B 床用合板
10 天井材
11 吊金具
11B 水平辺
11D 底辺
11F 垂直辺
11G 切欠
11M,12M 断熱シート(断熱被覆層)
11S 曲面側辺
12 支持金具
13A 上側幕板(化粧幕板)
13B 下側幕板(化粧幕板)
14A 横桟
14B 縦桟
101 第1放熱パネル(放熱パネル)
102 第2放熱パネル(放熱パネル)
b8 ボルト
He 放熱器
n8 化粧ナット
NC 保温材
O 熱空間(空間)
R リターン管(戻り管)
S サプライ管(往き管)
WA 間仕切
Claims (4)
- 木造、鉄骨造又は鉄筋コンクリート造建物の、壁下地の間仕切(WA)の間柱(6B)間の空間(O)内に、プラスチック樹脂製放熱器(He)を収納した温冷水循環タイプの暖冷房システムであって、放熱器(He)は、上下ヘッダー(1)間に縦パイプ(2C)群を密集並列連通した、第1放熱パネル(101)と、第2放熱パネル(102)とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは供給口(2S)を、他方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは排出口(2R)を突設したものであり、放熱器(He)は、両側の間柱(6B)と、間柱(6B)間に差渡した上下受桟(6K)とで規定される空間(O)内で、上側ヘッダー(1)を、間柱(6B)に固定した吊金具(11)によって、熱伝達抑制形態に支承し、下側ヘッダー(1)を、間柱(6B)に固定したプラスチック樹脂製の保持具(5)によって、前後左右動を抑制して保持して、放熱器(He)を間仕切(WA)の空間(O)内に吊下げ形態で保持し、放熱器(He)の下側にはドレンパン(3A)を配置し、間仕切(WA)の両側の居室に対して放熱作用を付与することを特徴とする間仕切内埋設暖冷房システム。
- ドレンパン(3A)は、プラスチック樹脂製であって、内表面及び外表面を断熱被覆して間柱(6B)に固定した支持金具(12)によって、下側受桟(6K)の上面とは空気流間隔(S1)を保ち、放熱器(He)下端面とは人手挿入間隔(S2)を保って支持した、請求項1に記載の暖冷房システム。
- 間仕切(WA)の間柱(6B)間の空間(O)の表裏両面の少なくとも一面は、熱輻射波の吸収放射率が0.9以上の不透明化粧板(8E)で、周縁部からの空気流出入可能に覆い、放熱器(He)の上側ヘッダー(1)から上部、及び下側ヘッダー(1)から下部は、透視不能に、且つ空間(O)への空気流出入可能に化粧幕板で覆った、請求項1又は2に記載の暖冷房システム。
- 放熱器(He)の供給口(2S)及び排出口(2R)は、天井配管のサプライ管(S)及びリターン管(R)と、空間(O)内で、接続金具(2N)で接続して、接続金具(2N)を保温材(NC)で被覆した、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
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