JP5063754B2 - 間仕切内埋設暖冷房システム - Google Patents
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Description
図7は、従来例1であり、特許文献1として挙げた本出願人の提案にかかる隠蔽温水暖房システムの説明図である。
即ち、図7(従来例1)の隠蔽温水暖房システムは、軽量鉄骨間仕切壁を構成するスタッド間に、アルミ板と嵌合溝を穿設した断熱材とを積層一体とした放熱パネルを配置し、可撓性のプラスチック樹脂性の温水パイプを、アルミ板面に当接形態で、断熱材の嵌合溝内に屈曲延展配置して、天井配置の、往き管を温水パイプの一端に、戻り管を温水パイプの他端に接続し、間仕切壁のアルミ板面の温水加熱によって居室内を暖房するものである。
即ち、従来例2(図8)は、図に示す如く、調湿機能を有する火山灰シラスを主成分とする壁材に温水パイプを組込み、壁材の外面に、ホットメルト糊で、タイル、石膏ボード等を張着したパネルを、パネルの壁材面を壁室内面とし、パネル内の温水パイプに外部の温水器から温水を循環供給して、室内の壁面を温水暖房するものである。
即ち、図9(従来例3)は、出窓の窓下コンクリート壁面に凹所を形成して、凹所壁面の前面に、断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し、背面側にフィンを有するパネルタイプの放熱器を配置し、且つ放熱器下方には、冷気導入用の斜板を配置し、温水パイプで放熱器に熱供給するものである。
即ち、図10に示す放熱器は、プラスチック樹脂製の縦パイプ群を上下の大径緯パイプで連通した2枚の放熱パネルを重層形態で一体化して放熱部とし、該放熱部の上下、左右の四周に、上枠、側枠、下枠、上接合具及び下接合具で枠組みを付加して、熱効率及びデザイン性に優れた居室内配置タイプの放熱器である。
そして、放熱量の増大を図って放熱パネル面を左右に増加すれば、家具配置の制約が大となる。
また、温水パイプ内に冷房用の冷水を循環させれば、温水パイプの周面に結露が生じ、結露水は、断熱材及び壁仕上材に吸着し、放熱パネルを収納する間仕切内には、ダニ、カビの発生を来たす。
そして、放熱パネルを収納する間仕切内は、放熱パネルによって上下分断しているため、間仕切内は、ガラリによる室内空気の流入、流出効果が少なく、結露水を吸着した壁仕上材の乾燥効果が期待出来ない。
従って、従来例1(図7)の隠蔽型温水暖房システムでは、結露の発生を伴なう冷房運転は実施出来ない。
また、温水パイプを封入している調湿機能を有する壁材が、温水パイプ内の高温水によってヒビ割れ等の加熱損傷を生ずる。
しかも、温水パイプを封入したパネルは重く、暖房壁面の連続形成は、施工面、コスト面で問題があり、仕上材も、輻射波の放射率の大な材料に限定される。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、適用居室が制約される。
そして、出窓床面に蓋部を設けて対流熱を上昇させるため、配置場所が限定され、放熱器を隠蔽するために、建物を構成する暖房装置以外の、躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生する。
本発明は、これら従来例の問題点を、一挙に解決、又は改善するものであって、間仕切壁内への、最適の収納の下に、結露対策をも備えた、且つ熱効率の極めて高い、暖房にも冷房にも適した暖冷房システムであって、従来の隠蔽型暖房システムを一新する新規で、意匠効果も期待出来る、実用性に富んだ暖冷房システムを提供するものである。
そして、居室内からの目視では、放熱器は、上側のヘッダーと天井配管との接続部や、下側のヘッダーとドレンパン部等の目障りな部分が隠蔽されて、放熱面を構成する密集縦パイプ群のみが露見するため、斬新な機能美を呈し、意匠効果の優れた暖冷房システムを提供する。
また、棚板12Cは、先端を背板12Dの受桟12E上に係止して、ドレンパン3A下面を支承すると共に、ドレンパン3Aから下方に突出したドレンパイプ3Bを切込み長孔H12に嵌合出来れば良く、棚板12Cは下側幕板12Bの内面に蝶番支持でも良いが、典型的には、棚板12Cは、図3(C)の如く、下側幕板12Bの中間部内面から内方に水平突設する。
そして、上側幕板12A及び下側幕板12Bは、着脱自在であるため、放熱器Heのメンテナンスが簡便となると共に、需要者の好みのデザインにも対応出来る。
この場合、輻射波反射層8Dとしては、慣用のアルミ箔を収納箱12の構成板材に貼着すれば良い。
そして、暖冷房熱作用は、放熱器Heの放熱面を構成する縦パイプ2C群が露出しているため、放熱面から放射される輻射熱線は、直接居室内に熱作用を付与すると共に、熱空間O内面の輻射熱反射層8Dによって、輻射熱線の全放射熱が居室内に供給出来、居室内の暖冷房作用は、居室内に均斉に波及する輻射熱放熱が70%強を占めるため、居室内に斑の無い暖冷房システムを提供する。
この場合、放熱器He内の循環水は、需要者の好みに応じて着色水を適用すれば、縦パイプ2C群の意匠性が向上する。
従って、全プラスチック樹脂製で、上下に長い(標準:2000mm)放熱パネル101,102は、取付金具20に伝導熱伝達を生ずることなく熱放散するため、冷房時に、取付金具20に結露を発生させることがなく、冷房時の結露水にはドレンパン3Aのみで対応出来、箱型12F内の湿気によるカビ、ダニの発生が抑制出来て、間仕切WAでの結露障害の無い冷房運転が可能となる。
そして、慣用の、排水パイプ3Cと、ドレンパイプ3Bとの接続連通は、排水パイプ3C内へドレンパイプ3Bを挿入すれば良く、棚板12Cを備えた下側幕板12Bの組付け時に、パイプ接続位置に整合して棚板12Cの切込み長孔H12を穿設すれば、下側幕板12Bの着脱が容易となり、ドレン手段の目視点検も容易となる。
そのため、本発明の隠蔽暖冷房システムは、冷房時に結露トラブルの生じない、且つ収納箱12内で簡便にメンテナンスが実施出来る暖冷房システムとなる。
そして、収納箱12の前面の、上側幕板12A及び下側幕板12Bが、放熱器Heの、上部の配管接続及び下部のドレン手段等の、見苦しい部位を目隠しし、居室内からは、放熱面を構成する縦パイプ2C群のみが目視出来るため、暖冷房システムが斬新な機能美を呈する。
図6は、放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は正面用、即ち第1放熱パネル101側から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は裏面用、即ち第2放熱パネル102側から見た正面図である。
放熱器Heは、長辺が105mm、短辺が45mmの間柱6Bの中心間隔L6が455mmの間仕切間隔に配置する収納箱12内に組込むものとして準備する。
そして、PP−R樹脂製の縦パイプ2C群は、人体に良いとされる3μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均:0.95)で放射するため、輻射熱放熱器となる。
収納箱12は、間仕切WAの左右の間柱6B間で床材9A上に配置して、上面、即ち上板12Uを、間柱6B間に差渡した受桟6Kに固定するものであって、放熱器Heを収納支持する前面開放の箱型12Fと、箱型12Fの前面上部を覆う上側幕板12Aと、箱型12Fの前面下部を覆い、且つドレンパンを支承する下側幕板12Bとから成るものであって、図3(A)は収納箱12の全体斜視図で、図3(B)は上側幕板12Aの側面図、図3(C)は下側幕板12Bの側面図、図3(D)は下側幕板12Bの上面図である。
そして、背板12Dの下部内面には、下側幕板12Bの棚板12Cの先端係止用の受桟12Eを取付け、上板12Uの右端部には、天井配管のサプライ管S及びリターン管R挿通用の貫通孔H12´を穿孔し、両側板12Sの前端面及び上板12Uの前端面両端には、慣用のアンカー金具12P´を埋設しておく。
尚、箱型12Fの内周面、上側幕板12Aの内面、下側幕板12Bの内面及び棚板12C上面は、収納箱12の熱空間Oを規定するものであり、アルミ箔の貼着は、箱型12Fの組付け前の板状態で実施し、上下幕板12A,12Bも、空気孔Hc穿孔前に貼着しておけば良い。
取付金具20は、箱型12Fの背板12D内面に固定して、放熱器Heを吊下げ形態で取付けるものであって、図5(A)は取付金具20の全体斜視図、図5(B)は放熱器Heを取付金具20で取付けた状態の縦断側面図である。
取付金具20は肉厚1.2mmの鋼板製で、中央垂直辺20Cの左右両端から垂直側辺20Sを突出した、上面視コ字状の板金片であって、中央垂直辺20Cには、取付け位置の調整の可能な上下方向長孔の取付孔H20を上下に配置し、両側垂直側辺20Sには、先端上部に突出片20Gを形成し、突出片20Gの前後に主管2Aに対応する当接曲面20Rを形成し、図5(A)に示す如く、突出片20Gから両側の当接曲面20Rに亘って、慣用の断熱シート20Mを貼着すると共に、垂直側辺20Sの主管2A当接部から取付金具20の基部への熱伝達を抑制するためのスリット20Vを配置したものである。
図1(A),(B)の如く、放熱器Heを収納する間柱6B間には、天井配管のサプライ管S及びリターン管R用貫通孔H12´を備えた受桟6Kを張り渡し固定しておく。
また、箱型12Fは、背板12D内面、側板12S内面、上板12U内面に、それ自体慣用のアルミ箔8Dを張着しておく。
そして、背板12D内面には、図5(B)に示す如く、上側取付金具20は突出片20Gを上向きに、下側取付金具20は突出片20Gを下向きに、上下取付金具20を、放熱器Heの上下主管2A間寸法に整合させて、ねじS20で固定する。
尚、間仕切WAの、後面の内装材8A及び前面の内装材8Aは、慣用の手法で張設するが、前面の内装材8Aは、収納箱12の、間仕切WAへの出入に干渉しない形態に張設しておく。
しかも、収納箱12内は、下側幕板12B及び上側幕板12Aの散在空気孔Hc群を介して、熱空間O内は熱溜りを生ずることなく循環対流が存在するため、収納箱12内での、カビやダニの発生も抑制出来る衛生的な暖冷房システムとなる。
2A 主管
2B 枝管
2C 縦パイプ
2D 連通パイプ
2E スペーサーパイプ
2F 閉止板
2N 接続金具
2P 仕切板
2R 排出口
2S 供給口
3A ドレンパン
3B ドレンパイプ
3C 排水パイプ
6B 間柱
6K,12E 受桟
8A 内装材
8B 幅木
8D 輻射波反射層(アルミ箔)
9A 床材
9B 床用合板
10 天井材
12 収納箱
12A 上側幕板
12B 下側幕板
12C 棚板
12D 背板
12F 箱型
12M パッキン材
12N 化粧ナット
12S 側板
12U 上板
20 取付金具
20C 中央垂直辺
20G 突出片
20M 断熱シート
20R 当接曲面
20S 垂直側辺
20V スリット
101 第1放熱パネル
102 第2放熱パネル
He 放熱器
NC 保温材
O 熱空間
R リターン管(戻り管)
S サプライ管(往き管)
S12,S20 ねじ
WA 間仕切
Claims (5)
- 木造又は鉄骨造又は鉄筋コンクリート造建物の壁下地の、間仕切(WA)内の間柱(6B)間に、前面開放の収納箱(12)を配置し、収納箱(12)内にプラスチック樹脂製放熱器(He)を収納した、間仕切内埋設暖冷房システムであって、収納箱(12)は、前面開放の箱型(12F)の、前面上部には、上側幕板(12A)を、前面下部には、内方へ棚板(12C)を延出した下側幕板(12B)を着脱自在に装着したものであり、放熱器(He)は、上下ヘッダー(1)間に縦パイプ(2C)群を並列連通した第1放熱パネル(101)と、第2放熱パネル(102)とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは供給口(2S)を、他方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは排出口(2R)を突設したものであり、放熱器(He)を収納箱(12)内に吊下げ形態で保持し、下側幕板(12B)の棚板(12C)上には、放熱器(He)の下側でドレンパン(3A)を配置した間仕切内埋設暖冷房システム。
- 収納箱(12)は、下部内面に受桟(12E)を有する背板(12D)と、パイプ貫通孔(H12´)を有する上板(12U)と、両側板(12S)とを備えた前面開放の箱型(12F)に対し、前面上部では、空気貫流機能を有する上側幕板(12A)を着脱自在に固定し、前面下部では、上半が空気貫通機能を有し、中間部内面には、後端からドレンパイプ嵌入用の切込み長孔(H12)を備えた棚板(12C)を突設した下側幕板(12B)を着脱自在に固定した、請求項1に記載の暖冷房システム。
- 収納箱(12)内の放熱器(He)対向内面、即ち上板(12U)内面、背板(12D)内面、側板(12S)内面、上側幕板(12A)内面、下側幕板(12B)の棚板(12C)より上部の内面及び棚板(12C)上面は、輻射波反射層(8D)を備え、上側幕板(12A)が上側ヘッダー(1)から上方を、下側幕板(12B)が下側ヘッダー(1)から下方を隠蔽した、請求項1又は2に記載の暖冷房システム。
- 放熱器(He)は、背板(12D)に固定した上下の取付金具(20)によって、上側ヘッダー(1)の主管(2A)を熱伝達抑制形態で支承し、下側ヘッダー(1)の主管(2A)を熱伝達抑制形態で前後揺動阻止した、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
- 放熱器(He)の供給口(2S)及び排出口(2R)は、天井配管のサプライ管(S)及びリターン管(R)と、収納箱(12)内で接続金具(2N)で接続して接続金具(2N)を保温材(NC)で被覆し、放熱器(He)下側のドレンパン(3A)及びドレンパイプ(3B)はプラスチック樹脂製であって、ドレンパイプ(3B)を排水パイプ(3C)内に挿入接続した、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
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