JP6876431B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、潜熱蓄熱材を配置した部屋を有する建物に関する。
従来、部屋の天井等に潜熱蓄熱材を配置し、潜熱蓄熱材に蓄えられた余剰熱によって室内空間の温度を維持することが可能な建物が知られている。例えば、特許文献1には、潜熱蓄熱材を天井材本体の凹部に配置し、潜熱蓄熱材を充填した容器を天井材本体とは独立して天井下地に固定することによって高い蓄放熱特性を保持することが可能な潜熱蓄熱天井材が開示されている。
特開2012− 77491号公報
ところで、潜熱蓄熱材は、通常の天井材等と比較して単位体積あたりの価格が高価であるため、部屋を区画形成する天井材等を全て潜熱蓄熱材で構成することは、建物のコストを考慮すると現実的ではない。そして、天井材等の一部のみを限られた蓄熱容量の潜熱蓄熱材で構成した場合、部屋の容積に対して潜熱蓄熱材の蓄熱容量が小さいため、潜熱蓄熱材のみによって部屋を十分に暖めることが難しいという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、部屋の室内空間を潜熱蓄熱材によって効率良く暖めることができる建物を提供することである。
本発明は、床面積が6m以下であり、室内空間に面した部材内に又は室内空間に面した部材に隣接して、潜熱蓄熱材を設けた小部屋を有し、前記小部屋は、洗面室であることを特徴とする建物である。
また、前記小部屋の天井、床、壁、及び開口部の総面積の10%以上に潜熱蓄熱材を配置することが好ましい。
また、前記小部屋の天井に潜熱蓄熱材が配置されていることが好ましい。
また、前記小部屋は浴室に隣接していることが好ましい。
また、前記小部屋から浴室に出入りする扉に潜熱蓄熱材が配置されていることが好ましい。
また、前記小部屋は居室に隣接していることが好ましい。
また、前記小部屋は更なる第2の小部屋に隣接していることが好ましい。
また、外皮平均熱貫流率が0.6[W/(m・K)]未満である建物であることが好ましい。
本発明によれば、部屋の室内空間を潜熱蓄熱材によって効率良く暖めることができる建物を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る建物の構成を示す正面図である。 天井材として石膏ボードを使用した場合と、潜熱蓄熱材を使用した場合で、浴室の扉を開放した後の天井材の温度上昇の違いを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建物100の構成を示す正面図である。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、天井11が位置する側を上方(図1における上側)とし、床12が位置する側を下方(図1における下側)とする。
まず、建物100の全体構成について説明する。建物100は、鉄骨造の軸組みを有する2階建ての工業化住宅である。換言すれば、建物100は複数の階層として2層を有するものである。
建物100は、地盤に固定された鉄筋コンクリート造の基礎構造体と、柱部材や梁部材などの軸組部材で構成された軸組架構を有し基礎構造体に固定された上部構造体と、で構成されている。なお、軸組架構を構成する軸組部材は、規格化(標準化)されたものであり、予め工場にて製造されたのち建築現場に搬入されて組み立てられる。
基礎構造体は、軸組架構の下方に位置し、軸組架構を支持している。具体的に、基礎構造体は、鉄筋コンクリート造の断面T字状の布基礎であり、フーチング部と、基礎梁としての立ち上がり部とを備える。また、基礎構造体の立ち上がり部の上端部には、軸組架構の柱部材の柱脚を固定するための柱脚固定部が設けられ、アンカーボルトが立ち上がり部の上面から突出している。
上部構造体は、複数の柱部材及び柱部材間に架設された複数の梁部材から構成される軸組架構と、この軸組架構の外周部に配置される外周壁と、階層間を上階屋内空間と下階屋内空間とに隔てる仕切体と、を備えている。なお、本実施形態の建物100は2階建ての住宅であるため、本実施形態の上階屋内空間は2階の屋内空間であり、本実施形態の下階屋内空間は1階の屋内空間である。
外周壁は、外装部材と、断熱部材と、内装部材と、を含んでいる。外装部材は、例えば、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」と記載する。「ALC」とは「autoclavedlight weight concrete」の略である。)のパネルにより構成することができ、軸組架構の周囲にALCパネルを複数連接させることにより、外周壁の外層を形成することができる。断熱部材は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料で形成することができ、上述の外装部材により形成された外層の内面に沿って連接することにより、外周壁の断熱層を形成することができる。更に、内装部材は、例えば、石膏ボードを用いることができ、断熱層の内側に連接することにより、外周壁の内層を形成することができる。
仕切体は、床支持部材を含んでいる。床支持部材は、例えば、ALCパネルにより構成することができる。床支持部材は、梁部材間に架設され、梁部材により直接的又は間接的に支持される。
ここで、「仕切体」とは、上階屋内空間と下階屋内空間とを仕切るものであり、軸組架構を除く、下階屋内空間の天面から上階屋内空間の床面までの間に位置する部材の集合体を意味するものである。従って、仕切体は、上述した床支持部材に加えて、例えば、床支持部材に対して直接的又は間接的に固定された、下階屋内空間の天井面を構成する天井内装部材や、床支持部材上に積層された、上階屋内空間の床面を構成するフローリング等の床内装部材などを含む概念である。そして、本実施形態の仕切体は、上階屋内空間としての2階の屋内空間と、下階屋内空間としての1階の屋内空間とを仕切るものである。
図1は、建物100の上階屋内空間(2階部分)の一部を示す正面図であり、浴室20と、浴室20に隣接する洗面室10(小部屋)と、洗面室10に隣接する居室30とを備えている。浴室20と洗面室10とは、区画壁13Bによって仕切られており、区画壁13Bには、利用者が浴室20と洗面室10との間を行き来するための建具である浴室扉14が設置されている。本実施形態において、浴室扉14は、開き戸として構成されており、アルミニウム製の枠部材に、樹脂製の半透明部材が嵌め込まれている。また、洗面室10と居室30とは、区画壁13Lによって仕切られており、区画壁13Lには、利用者が居室30と洗面室10との間の行き来するための建具である居室扉15が設置されている。居室扉15は、例えば引き戸として構成され、区画壁13Lの外観と調和する木製の扉とすることができる。
洗面室10は、天井11と、床12と、浴室20との境界を形成する区画壁13Bと、居室30との境界を形成する区画壁13Lとによって区画形成されている。本実施形態において、洗面室10は、浴室20に隣接して配置されており、利用者が入浴する際の脱衣所を兼ねている。洗面室10は、例えば、床12の壁芯間の寸法を2m×2m、床面積を4mとすることができる。洗面室10の床面積は、洗面室10の利用者が洗面室10内に設置した潜熱蓄熱材による蓄熱効果を十分に享受できるように6m以下に設定している。
本実施形態において、洗面室10の室内空間17には、図1に示すように、洗面化粧台16と洗濯乾燥機19とが配置されている。洗面化粧台16には、上部及び下部に吊戸棚16a及び戸棚16bが配置されている。
本実施形態において、洗面室10の天井11には潜熱蓄熱材が配置されている。潜熱蓄熱材は、例えば石膏ボードで形成された天井材の裏側にシート状の潜熱蓄熱材を貼り付けることによって設置することができる。浴室扉14を開放した時に洗面室10内に入り込む浴室20からの水蒸気及び湯気や、洗濯乾燥機19を運転した時に排出される水蒸気、湯気及び暖かい空気は天井11に向かって上昇する。従って、潜熱蓄熱材を天井11に配置することによって、潜熱蓄熱材がこれらの水蒸気、湯気及び暖かい空気の熱を吸熱して相変化を起こすことで蓄熱することができる。潜熱蓄熱材に蓄熱された熱は、洗面室10内の温度が相変化温度以下であれば放熱されるため、洗面室10内の温度を下がりにくくすることができる。
また、洗面室10の天井11の他、床12、区画壁13B,13L、浴室扉14、居室扉15、吊戸棚16aの扉、戸棚16bの扉等に潜熱蓄熱材を配置することができる。例えば、洗面室10の直下の部屋が暖房機器を利用したり直射日光を受ける部屋である場合、その部屋に蓄えられた熱を床12に配置した潜熱蓄熱材が吸収し、洗面室10内の温度が低下した時に放熱することによって洗面室10内の温度を下がりにくくすることができる。
また、浴室扉14は、枠部材に樹脂製の半透明部材の他、例えば潜熱蓄熱材を間に挟み込んだシート材が嵌め込まれた構成を有していてもよい。これによって、浴室20内の熱が浴室扉14に配置された潜熱蓄熱材によって浴室側から吸熱され、蓄熱される。そして、洗面室10内の温度が相変化温度以下に下がると、潜熱蓄熱材に蓄熱された熱が洗面室10側から放熱されて、室内空間17の温度を下がりにくくする。これは、区画壁13Bに潜熱蓄熱材を配置した場合にも同様の効果が得られる。
また、居室扉15に、潜熱蓄熱材が設けられていてもよい。これによって、居室30内の暖房機器や直射日光からの熱が居室扉15に配置された潜熱蓄熱材によって居室側から吸熱され、蓄熱される。そして、洗面室10内の温度が相変化温度以下に下がると、潜熱蓄熱材に蓄熱された熱が洗面室10側から放熱されて、室内空間17の温度を下がりにくくする。これは、区画壁13Lに潜熱蓄熱材を配置した場合にも同様の効果が得られる。
居室30は、床面積が6mよりも大きい部屋である。居室30は、利用者が長時間過ごすことができるように、例えば暖房機器を備えたり、窓を通して採光可能とすることにより、冬の時期でも室内温度が下がり過ぎないように構成されている。
ここで、潜熱蓄熱材を用いた蓄熱効果について補足説明する。本実施形態で用いる潜熱蓄熱材は、相変化温度が20〜25℃の範囲に設定されており、固体の状態から熱が供給されると、相変化温度まで温度上昇した後に吸熱して液体へと相変化する。また、液体の状態において周囲温度が低下すると、相変化温度において潜熱蓄熱材が外部に放熱し、固体へと相変化する。これを、浴室20に隣接した洗面室10の天井11に潜熱蓄熱材を配置した場合について説明する。図2は、横軸に時間、縦軸に洗面室10の天井11の温度を示しており、天井11の材質として石膏ボードを用いた場合と、潜熱蓄熱材を用いた場合とで天井11の温度変化の違いを示したものである。
利用者が浴室扉14を開放すると、浴室20内の浴槽21からの水蒸気及び湯気が洗面室10内に入り込んで上昇し天井11に到達する。この水蒸気等によって天井11が温められるが、天井11に石膏ボードを用いている場合(図2に破線で示す)は、水蒸気等の持つ熱量と石膏ボードの熱容量とで決まる温度まで天井11が温度上昇する(図2に破線で示す)。そして、浴室扉14を閉塞すると、浴室20からの熱の供給が途絶えるのに加えて周囲の部材等に熱が奪われるため、天井11の温度は急速に低下する。
次に、天井11に潜熱蓄熱材を用いている場合について説明する(図2に実線で示す)。冬の時期には、浴槽21のお湯や利用するお湯の温度は38〜45℃の範囲で設定されることが多いため、お湯から発生した水蒸気等によって天井11の温度は上昇して相変化温度(20〜25℃)に達する。そして天井11が相変化温度に到達すると、潜熱蓄熱材が吸熱を開始し、吸熱量が蓄熱容量に達するまで天井11の温度は相変化温度に維持される。なお、図2の例では、吸熱量が蓄熱容量に到達する前に熱の供給が停止(浴室扉14を閉塞)しているため、相変化温度以上には温度上昇していない。浴室扉14を閉塞すると、浴室20からの熱の供給が途絶えるが、浴室扉14の開放時に潜熱蓄熱材が蓄熱した熱が相変化温度において放熱されるため、天井11は、図2に示すように、石膏ボードの場合よりも長時間の間、相変化温度以上に維持される。
なお、浴室20から洗面室10への熱の供給は、浴槽21からの水蒸気等を介した供給の他、浴室20の天井から洗面室10の天井11への熱伝導や、ヒートパイプ等の伝熱素子を介した熱の供給であってもよい。
このように、天井11に潜熱蓄熱材を配置することによって、天井11の温度を長時間に亘って相変化温度以上に維持することができるため、室内空間17の空気を介した熱伝導に加えて、天井11からの放射熱により利用者の人体を直接暖めることもできる。
特に、人体と潜熱蓄熱材との距離が1〜1.5m以下である場合には、効率良く人体を暖めることができる。従って、洗面室10(小部屋)の床面積は2m×3m以下、すなわち6m以下であることが好ましい。
本実施形態のように、洗面室10が浴室20に面しており浴室20からの高温多湿の空気を熱源とする場合、洗面室10が広すぎると温度の上昇が小さくなる。例えば、浴室20と洗面室10が同じ気積であれば40℃の空気と16℃の空気が等しく存在するため、浴室扉14を開放すると、それらの平均値である28℃の空気になる。そして、洗面室10が浴室20の1.5倍の気積を有する場合には、25.6℃、2倍の気積を有する場合には、24℃になる。潜熱蓄熱材により吸熱されない熱ロスがあることを考慮すると、洗面室10の気積は浴室20の1.5倍以下とすることが好ましい。従って、洗面室10の床面積は6m以下であることが好ましい。
なお、潜熱蓄熱材を天井11に設ける場合について説明したが、この態様には限定されない。潜熱蓄熱材は、天井11の他、床12、区画壁13B,13L、浴室扉14、居室扉15、吊戸棚16aの扉、戸棚16bの扉等に配置しても一定の効果が得られる。
特に、洗面室10の天井11、床12、壁(区画壁13B,13L)、開口部(浴室扉14、居室扉15、窓等)の総面積の10%以上に潜熱蓄熱材を配置した場合には、更に効率良く人体を暖めることができる。
また、潜熱蓄熱材は、低温の固体時には熱伝導率が小さく、高温の液体になると熱伝導率が大きくなる特徴を有している。従って、潜熱蓄熱材を浴室扉14又は区画壁13Bに設置した場合には、浴室20の温度上昇時に断熱材として機能し、温度上昇後は隣室に熱を伝える熱伝導体として機能する。例えば、ある潜熱蓄熱材では、固体での熱伝導率が約0.02[W/(m・K)]であるのに対して、液体では約1.0[W/(m・K)]と格段に大きくなる。従って、浴室20の温度上昇後は浴室20から洗面室10への熱伝導が良好となり、洗面室10を蓄熱のみに依らず直接暖める効果も得ることができる。
本実施形態において、潜熱蓄熱材の相変化温度は、20〜25℃の範囲に設定されている。仮に、相変化温度が15℃付近に設定されていると、洗面室10の室温を15℃から上昇させるためには潜熱蓄熱材を相変化させる必要があるため、熱源から熱が供給されても蓄熱容量分は温度上昇に寄与せず、洗面室10が温まりにくくなってしまう。その点、相変化温度が20℃であれば、室温が15℃から20℃に上昇する過程では潜熱蓄熱材は断熱材として機能するため、温度上昇を阻害しない。また、相変化温度が仮に30℃付近に設定されていると、一旦洗面室10の室温が30℃まで温度上昇してしまうと、室温を30℃以下に下げるためには潜熱蓄熱材に蓄熱された熱を放熱しなければならない。よって、夏に洗面室10を使用する場合に温度が下がりにくくなってしまう。従って、通年で快適さを確保するためには25℃くらいまで温度保持効果を持たせないことが必要である。以上の理由により、潜熱蓄熱材の相変化温度は20〜25℃の範囲に設定されていることが好ましい。
なお、本実施形態に用いる潜熱蓄熱材としては、例えば、無機系の塩化カルシウム水和物や硫酸ナトリウム水和物、有機系のパラフィン等を用いることができる。
また、潜熱蓄熱材の設置の態様としては、石膏ボードで形成された天井材等の裏側にシート状の潜熱蓄熱材を貼り付ける態様の他、潜熱蓄熱材のカプセルを混合した塩化ビニール製のシート材を天井材等の表面に貼り付けるようにしてもよい。また、潜熱蓄熱材を裏打ち材として用いた化粧シートによって天井材等を覆ってもよい。また、天井材等自体が潜熱蓄熱材を含有する構成を有していてもよい。
なお、「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経済産業省・国土交通省告示第1号)により、新たに断熱性能を表す指標として「外皮平均熱貫流率」が定められている。「外皮平均熱貫流率」は、建物内外の温度差が1℃の場合の部位ごとの熱損失量の合計を外皮等の面積の合計で除した値をいい、この値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い。そして、上記の潜熱蓄熱材を用いた構成を、平均外皮熱貫流率が0.6[W/(m・K)]未満である断熱性能に優れた建物100に適用すれば、潜熱蓄熱材から洗面室10の室内空間17に供給された熱が外部に逃げにくくなるため、より室温維持の効果を発揮することができる。
以上、浴室20からの水蒸気等を熱源として潜熱蓄熱材に蓄熱する場合について説明したが、この態様には限定されない。例えば、暖房機器や直射日光によって温められた居室30内の空気等を熱源として、居室扉15や区画壁13L内に配置された潜熱蓄熱材に蓄熱するようにしてもよい。また、図1に示す構成の他にも、居室30に隣接した図示しないトイレの扉に潜熱蓄熱材を配置して、居室30内の熱を蓄熱するようにしてもよい。更には、図1の洗面室10に隣接してトイレ(第2の小部屋)が設けられ、浴室20又は居室30内の熱が洗面室10において蓄熱された後、トイレに供給されるように構成してもよい。
また、本実施形態では、洗面室10、浴室20、及び居室30が建物100の2階に配置されるように構成したが、この態様には限定されず、1階に配置されていてもよい。また、建物100は、図1に示す以外の玄関、廊下、収納室、階段等を有していてもよい。また、建物100は2階建てに限定されず、工業化住宅にも限定されない。
以上述べたように、本実施形態では、建物100が、床面積が6m以下であり、室内空間17に面した部材である天井11、床12、区画壁13B,13L、浴室扉14、居室扉15、吊戸棚16aの扉、戸棚16bの扉等に、又はこれらの部材に隣接して(例えば天井材の裏側に)潜熱蓄熱材を設けた洗面室10(小部屋)を有するように構成した。これによって、潜熱蓄熱材を小さな部屋である洗面室10に配置するので、少ない潜熱蓄熱材で蓄熱効果を発揮し易く、ヒートショックを和らげることができる。
また、本実施形態では、洗面室10の天井11、床12、壁(区画壁13B,13L)、及び開口部(浴室扉14、居室扉15、窓等)の総面積の10%以上に潜熱蓄熱材を配置するように構成した。これによって、更に蓄熱効果を高めることができる。
また、本実施形態では、天井11に潜熱蓄熱材を配置するように構成したので、隣接する部屋からの熱を効率よく潜熱蓄熱材に集めて蓄熱することができる。
また、本実施形態では、浴室20に隣接した洗面室10に潜熱蓄熱材を配置したので、熱源である浴室20内の水蒸気等を効率よく潜熱蓄熱材に導いて蓄熱することができる。
また、本実施形態では、浴室扉14に潜熱蓄熱材を配置したので、熱源である浴室20の浴槽21からの水蒸気等を効率よく潜熱蓄熱材に導いて蓄熱することができる。また、浴室20内が十分に暖められていないときは、潜熱蓄熱材が断熱材として機能し、浴室20内が十分に暖められた後は潜熱蓄熱材が熱伝導体として機能するので、浴室20内を速やかに暖めた後は、蓄熱に加えて直接熱伝導によっても洗面室10に熱を供給することができる。
また、本実施形態では、居室30に隣接した洗面室10に潜熱蓄熱材を配置したので、暖房装置や直射日光によって温められた居室30内の熱を効率よく潜熱蓄熱材に導いて蓄熱することができる。
また、本実施形態の変形例では、洗面室10に隣接してトイレ(第2の小部屋)を設け、浴室20又は居室30内の熱が洗面室10において蓄熱された後、トイレに供給されるように構成した。これによって、潜熱蓄熱材を配置した洗面室10内に蓄熱された熱を更に隣接する小部屋へと供給して蓄熱効果をシェアすることができる。
また、平均外皮熱貫流率が0.6未満である断熱性能に優れた建物100に上記の構成を適用した場合、更に高い蓄熱効果を得ることができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
10 洗面室(小部屋)
11 天井
12 床
13B 区画壁
13L 区画壁
14 浴室扉
15 居室扉
16 洗面化粧台
16a 吊戸棚
16b 戸棚
17 室内空間
19 洗濯乾燥機
20 浴室
21 浴槽
30 居室
100 建物

Claims (8)

  1. 床面積が6m以下であり、室内空間に面した部材内に又は室内空間に面した部材に隣接して、潜熱蓄熱材を設けた小部屋を有し、
    前記小部屋は、洗面室であることを特徴とする建物。
  2. 前記小部屋の天井、床、壁、及び開口部の総面積の10%以上に潜熱蓄熱材を配置した、請求項1に記載の建物。
  3. 前記小部屋の天井に潜熱蓄熱材が配置されている、請求項2に記載の建物。
  4. 前記小部屋は浴室に隣接している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物。
  5. 前記小部屋から浴室に出入りする扉に潜熱蓄熱材が配置されている、請求項4に記載の建物。
  6. 前記小部屋は居室に隣接している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物。
  7. 前記小部屋は更なる第2の小部屋に隣接している、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物。
  8. 外皮平均熱貫流率が0.6[W/(m・K)]未満である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の建物。
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