JP2018162961A - 冷暖房パネルヒータシステム - Google Patents
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図8は、特許文献1として挙げた従来例1の「温水循環暖房器」であって、本出願人が特開2009‐222297号(特許第4514806号)として提案したものであり、図8(A)はパネルヒータの左側面図、図8(B)は前側パネルの正面図、図8(C)は右側面図、図8(D)は後側パネルの正面図であって、符号のf1〜f11は流水を示すものである。
また、温水循環暖房器は、温水供給時に、温水供給口上部の右端細管から遠方の左端細管に向って、細管群に下降傾斜状に温水が供給され、露出前面の前側パネルの右側の一部に熱変位が生じ、蛇行して美観上の問題がある。
また、従来例1(図8)の温水循環暖房器も、従来例2(図9)のパネルヒータも、供給口及び排出口が前後同位置で近接(中心間距離:18.5mm)して配置され、パイプの接続作業、保温材の被覆作業が煩雑であり、ヘッタ管と供給口、排出口の接合部に亀裂が生じ漏水の恐れがある。
また、冷温水循環パネルヒータ内の空気や冷温水内の溶存酸素の気体は、前側パネルの細管群の上昇流水(f6)によって上側ヘッタ管に押圧し、後側パネルの細管群の下降流水(f10)して下側ヘッタ管下面に付設する排出口からパネルヒータ外に排出することで、エア抜き機構を不要として冷温水の均斉な流量を確保し、パネルヒータから均質な熱放射を行う。
また、最初に温水が供給され、熱変形が発生しやすい右端細管を後側パネルに配置し、前側パネルの複数の細管群で目隠しし見苦しい部位を隠蔽形態として、美観を保持することができる。
また、懐(上下方向空間)の狭い床下空間の上下方向有効寸法は、保温材を被覆した排水管の外径以上(標準:40mm)あればよく、懐の狭い鉄骨造や鉄筋コンクリート造の二重床の空間に配管が可能で、改修用にも好適な冷暖房パネルヒータを提供する。
本発明を室内の間仕切壁75前面に、両側の柱61は、下端の所定間隔はドレンパン2で確保し、上端の所定間隔は仮止材63で所定寸法を確保して、立設固定し、放熱パネルヒータシステムを構築した。
図1は本発明システムの全体構成を示す説明図であって、図1(A)は接続配管を露出形態とした正面図、図1(B)は縦断側面図、図1(C)は横断面図である。
本発明の全体構成は、図1に示すように、所定位置に、両側柱61の内側間寸法が430mmで、床面71から天井面74までの寸法が2300mmの占有空間に、厚さが30mmの2本の柱61間に、放熱パネルヒータシステムを組み込んだものである。
パネルヒータ1は、床下空間73内に配管した往き側パイプ51からの冷温水の供給循環、還り側パイプ52への排出循環によって、室内に熱放射するものであって、同寸の2枚のパネルを前後に配置するものであり、図2(A)は横断面図、図2(B)は前側パネル11と後側パネル12とを一体した左側面図、図2(C)は前側パネル11の正面図、図2(D)は後側パネル12の前側パネル11から正面図、図2(E)は右側面図である。
また、形状寸法は、パネルヒータ1を配置する居室の熱負荷などで決定すれば良い。
そして、各細管14群を、上側ヘッタ管13と下側ヘッタ管13とに細管14群を中心間距離20mmで融着接合して、上側ヘッタ13の上端面から下側ヘッタ13間の寸法、即ちパネルヒータ1の高さが2000mmの、同一形状の前側パネル11及び後側パネル12を準備する。
そして、PPR樹脂製の細管14群は、人体に良いとされる8μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均0.95)で熱放射するため、高性能輻射冷暖房放熱器となる。
図3(A)は前側パネル11と後側パネル12とを一体化したパネルヒータ1の左側面図、図3(B)は前側パネル11の正面図、図3(C)はパネルヒータ11の側面図、図3(D)は後側パネル12の正面図である。
図3に示すように、後側パネル12の下側ヘッタ管の右側下端の冷温水供給用の供給口Sから流入し、パネルヒータ1内を流水して、供給口Sに近接する下側ヘッタ管の排水口Rから排出させるものである。
枠体6は、室内空間の適宜位置での、床面71から天井面74に亘って、柱61、62を突っ張り形態で立設した左右一対の柱側枠であって、室内に配置するパネルヒータ機構の配置スペースの、前後幅、左右幅、上下高さを規定する枠である。
図7は枠体6の説明図であって、図7(A)は間仕切壁75前面の横断面図、図7(B)は外壁76内面の横断面図、図7(C)は間仕切壁75前面に配置する枠体6の斜視図、図7(D)は外壁76内面に配置する枠体6の斜視図である。
ドレンパン機構は、冷暖房パネルヒータシステムで生ずる結露水を支障なく処理する手段であって、両側柱61の対向内側面にドレンパン2を差し渡し状に配置し、底面中央から突設したドレン管24を慣用のドレン処理手段によって連通させるものであり、図6(A)はドレンパン2の斜視図、図6(B)は側面図、図6(C)は使用状態切欠正面図、図6(D)は図6(C)の要部拡大図である。
保持金具4は、枠体6の柱61に取付けて柵状パネルヒータ1を吊下げ支承するものであって、両側柱61の内側対向内面に取付ける一対の受金具41と、両側受金具41間に差し渡す1本の長尺の支持バー42と、支持バー42上に摺動自在に嵌合する、複数の支承金具43とからなるものであって、図4(A)は保持金具4の全体斜視図であり、図4(B)は使用状態の縦断側面図である。
また、支承金具43は、1.5mm厚のステンレス鋼板の屈曲加工品であって、図4(A)に示すように、幅が40mmで中央垂直片431の両側から長さが34mmの側辺432を前方に突出した、上面視コ字形状であって、図4(B)のように、側辺432が2本の細管14を介在して突出するもので、高さが23mmのものである。
振止金具32は、パネルヒータ1の下部を、前後動及び左右動を抑制して保持するものであり、図4(C)は振止金具32の使用状態横断面図であり、図4(D)は使用状態正面図である。
振止金具32は、図4(C)に示すように、1.5mm厚のステンレス鋼板製のクランク金具であり、上下高さが20mm、幅が25mmの取付辺321と、取付辺321の一側縁から、高さが12mmの突出辺323を直交延出し、取付辺321の中央部にねじ孔H3を備えたものである。
連結具31は、パネルヒータ1の上下適所に間隔(標準:600mm)配置して、パネルヒータ1の前側パネル11及び後側パネル12の全細管14を、パネルヒータ1の全幅横断形式で拘束して、全細管14相互の位置関係を確保し、パネルヒータに剛性を付与するものであり、図5(A)は連結具31の使用状態の縦断側面図であり、図5(B)は連結具31の平面図である。
尚、円弧弾性クリップ315が細管14を弾撥把持した際に、小突条319が円弧内面318と細管14外周面との小隙間を形成するが、該隙間は結露水の流下を促進する。
冷暖房パネルヒータシステムの構築は、左右一対の柱61を備えた枠体6を立設固定して、左右方向は、両側の柱61の対向内面間、上下方向は、床面71から天井面74、前後幅は、対向柱61の前後幅間の、冷暖房パネルヒータシステムの配置空間の形成施工と、ドレンパン機構の上部へのパネルヒータ1の配置施工と、床下空間73配管のパネルヒータ1への接続施工とで実施するものである。
間仕切壁75前面に冷暖房パネルヒータシステムを設置するための配置空間は、図7(A)及び(C)に示すように、前後幅が120mm、左右幅が30mm、長さが2400mmの断面矩形の両側柱61の、対向内面間の、下部にドレンパン機構の、幅が100mm、高さが50mm、長さ430mmの金属製ドレンパン2をねじb1で固定し、両側柱61の上部適所に木材の仮止材63を仮止し、上端間及び下端間の間隔寸法を確保した枠体6を間仕切壁75に密接し床面71に起立して、例えば慣用のアングル片を両側柱61の外側面上下端に固定し、下端のアングル片を床面71と、上端のアングル片を天井野縁とに固定して、枠体6を床面71と天井74面間に立設固定すれば、冷暖房パネルヒータシステムの配置空間が形成できる。
そして、枠体6が間仕切壁75前面に密接して床面から天井面に亘って強固に立設固定できた段階で、柱61間に配置した仮止材63を除去すれば、間仕切壁75前面用の配置空間形成が完了する。
そして、間仕切壁用と同様に仮止材63を除去すれば、外壁76内面用の配置空間形成が完了する。
柵状パネルヒータ1は、下端を下方のドレンパン2上面から間隔g3(標準:100mm)を保持した状態となるように、且つ両端が柱61の内面と間隔g1(標準:40mm)を、上端が天井面74と間隔g4(標準:50mm)をおのおの保持して、柱61の前後幅中央に配置するもので、図4(B)に示すように、支承金具43の両側辺432を2本の細管14を介入した形態で、細管14間に後側から挿入し、台形突起433を両上側ヘッタ管13間に下方から挿入し、支承金具43を嵌合した支持バー42の両端を、柱61の内面に固定した受金具41の嵌合溝414に嵌入して支承する。
また、パネルヒータ1の下方部位では、図4(C)に示すように、左右一対の、柱61にねじb3で固定した振止金具32の取付辺321の前後位置調整の下に、後側パネル12の両端の細管14及び左右から2番目の細管14間に突出辺323を挿入して実施される。
床下空間73内の配管は、図1(A)に示すように、径9.6mm、肉厚0.8mmの銅製の管54に保温材55を被覆した、径が28mmの慣用の被覆パイプを往き側パイプ51又は還り側パイプ52として準備し、枠体6のドレンパン2の略同位置の床面71にドレンパン2より小形状の切欠孔H4を穿設し、該切込孔H4から慣用のスチールワイヤを挿入し、先端に被覆パイプを緊縛して引込み、枠体6下側で構造床面72上の被覆パイプを上昇傾斜状に屈曲し、冷温水供給口S又は冷温水排出口Rに整合して起立させ、ドレンパン2の内径29mmの鞘管23に下側から挿通し、供給口S又は排出口Rに被着した接続金具53に連通接続する。
全ての配管接続作業の終了後に、ドレンパン2の前端下側の、両側柱61間の全長に亘って上下幅100mm(g5)の板状幕板27を配置して、配管を隠蔽し美観を維持する。
2 :ドレンパン
3 :補強具
4 :保持金具
5 :給排出管
6 :枠体
11 :前側パネル
12 :後側パネル
13 :ヘッタ管
14 :細管
15 :小口板
16 :仕切板
17 :導水パイプ
18 :スペーサパイプ
20 :底板
21 :側板
22 :端板
23 :鞘管
24 :ドレン管
25 :排水管
26 :ゴムキャップ
27 :幕板
31 :連結具
32 :振止金具
41 :受金具
42 :支持バー
43 :支承金具
51 :往き側パイプ
52 :還り側パイプ
53 :接続金具
54 :管
55 :被覆保温材
61、62:柱
63 :仮止材
64 :切欠
65 :遮熱断熱材
71 :床面
72 :構造床面
73 :床下空間
74 :天井面
75 :間仕切壁
76 :外壁
311:中央頂部
312:上面
313:下面
314:開口
315:円弧弾性クリップ
316:円弧突片
317:切開二股
318:円弧内面
319:係止用突条
411:当接辺
412、432:側辺
413:支持辺
414、434:嵌合溝
431:中央垂直辺
433:台形突起
435:山形切欠
436:山形突起
H1、H2、H3:ねじ孔
H4、H5:切欠孔
R :排出口
S :供給口
bP :下底
b1、b2、b3:ねじ
ch :嵌合孔
cP :嵌合用突起
f :前端
g1、g2、g3、g4、g5、g6:間隔
tP :上底
Claims (10)
- 床面から天井面に亘って立設した枠体の左右の両側柱間の空間内に、複数の細管群の上下端にヘッタ管によって連通した、同形状の、前側パネルと後側パネルとを重層した縦長タイプの柵状パネルヒータの上端を吊下げ形態で配置するものであり、前記後側パネルの下側ヘッタ管の下端に、左右小間隔で、冷温水供給口及び冷温水排出口を付設し、一方に床下空間から延出した往き側パイプを、他方に還り側パイプを連通接続したことを特徴とする、冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記冷温水供給口を前記後側パネルの右端細管に整合して前記下側ヘッタ管に突設し、前記冷温水排出口を前記後側パネルの右から4番目の細管に整合して前記下側ヘッタ管に突設させた、請求項1に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記枠体の両側柱間の長さ方向全長に亘り、縦長タイプの前記柵状パネルヒータ下方に配置するねじ固定のドレンパンは、右側の底板上に、前記柵状パネルヒータの熱伸縮によって長さ方向に伸縮する、前記往き側パイプ及び還り側パイプを貫通摺動させる2本の鞘管を起立した、請求項1又は2に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記冷温水供給口及び前記冷温水排出口に接続する接続金具の下端縁には、管及び被覆保温材とで成る被覆パイプの、前記往き側パイプ及び還り側パイプの上端を、管を剥き出しにした前記被覆パイプを連通接続するものであり、凸形状のゴムキャップを用いて、前記ゴムキャップの上側小径部を前記管に被着し、前記ゴムキャップの下側大径部を前記被覆パイプ及び鞘管に被着し、前記ゴムキャップの下端を前記ドレンパンの底板上に載置して配置する、請求項3に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 細長タイプの前記柵状パネルヒータの下端に接続する、前記被覆パイプの往き側パイプ及び還り側パイプを、床下空間内に下降傾斜状に配管して、前記柵状パネルヒータの熱伸縮を吸収する、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記柵状パネルヒータは、前記前側パネルの上側ヘッタ管に、右端の前記細管と右から2番目の前記細管間に整合して仕切板を配置し、前記後側パネルの上側ヘッタ管及び下側ヘッタ管に、右端の前記細管と右から2番目の前記細管間に整合して前記仕切板を配置し、流水方向を規制した、請求項1又は2に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記柵状パネルヒータの流水循環は、前記後側パネルの右端細管を水流上昇路として冷温水を供給し、前記前側パネルの右端細管を水流下降路とし、前記前側パネルの細管群を水流上昇路とし、前記後側パネルの細管群を下降流路として流水する、請求項6に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 前記枠体に配置する前記柵状パネルヒータは、両側端と前記柱との間隔を30〜50mm、上端と天井面との間隔を40〜60mm、後端と背面の壁との間隔を25〜40mm、下端と前記ドレンパンとの間隔を90〜110mmの位置で前記枠体の空間内に設置する、請求項1から3のいずれか1項に記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 少なくとも外壁内面に配置した前記枠体の、両側柱内側面に備えた切欠間に、断熱性及び非透過性、反射性の遮熱断熱材を張設配置した、請求項8記載の冷暖房パネルヒータシステム。
- 少なくとも前記外壁内面に配置する前記枠体は、前記両側柱と、前記ドレンパンと、仮止材と、前記遮熱断熱材とで構成し、前記枠体内に保持金具及び振止金具を用いて前記柵状パネルヒータを組込みした、請求項9記載の冷暖房パネルヒータシステム。
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