JP5567103B2 - 結露許容型冷暖房システム - Google Patents

Description

本発明は、建物内に配置する冷暖房システムに関するものであって、より詳しくは、木造建物や鉄骨造、鉄筋コンクリート造建物の、木造や軽量鉄骨の壁下地、鉄筋コンクリート造の間仕切の内部、若しくは壁表面に、全プラスチック樹脂製の柵状放熱器を配置し、放熱器に、温水循環による室内暖房と冷水循環による冷房を可能とし、冷温水の循環による熱伸縮と、冷水循環で発生する結露水の誘導処理を可能としたものである。

居室内の冷暖房手段として、壁面に柵状放熱体を配置する手法は、既に、各種提案され、実施されている。
図１１〜図１３は、従来例１であって、特許文献１として挙げたもので、本願出願人が開発し、実施中の間仕切壁内埋設冷暖房システムであり、図１１は放熱体配置縦断面図で、図１２（Ａ）は放熱体上部の部分正面図、図１２（Ｂ）は吊金具の斜視図、図１２（Ｃ）は放熱体下部の部分正面図、図１２（Ｄ）は保持具の斜視図、図１３（Ａ）はドレンパンの使用状態正面図、（Ｂ）はドレンパンの切欠斜視図、（Ｃ）は支持金具の斜視図である。

従来例１（図１１、図１２、図１３）にあっては、上下横パイプ間に縦パイプ群を並列配置した放熱パネルの２枚を重層一体化した、プラスチック樹脂製の柵状放熱体の支持は、上部では、図１２（Ａ），（Ｂ）に示す如く、吊金具の底辺の上面及び下面に断熱シートを層着しておき、左右の対向間柱面に吊金具の垂直辺をねじを介して取付けて、吊金具の底面を水平に対向突出して、放熱体の上側横パイプの両端部を両側の吊金具の底面上に載置する形態で支持し、下部では、図１２（Ｃ），（Ｄ）に示す如く、調整用ねじ孔を複数備えたパイプ片を突出したプラスチック製の保持具の一対を、両側の間柱面にねじ固定し、柵状放熱体の前後の縦パイプ列間にパイプ片を挿入して、パイプ片によって放熱体下部の前後動を抑制し、パイプ片に嵌合して位置調整固定した円板を外端の縦パイプの外周面に当接して放熱体下部の左右動を規制するものである。

また、放熱体の下方には、冷房時の放熱体の表面結露水の受け皿となるドレンパンを配置するもので、ドレンパンは、図１３に示す如く、底板の上面及び下面に断熱シートを添着した支持金具を、対面する間柱にねじ固定して、断面コ字形状のドレンパン両端を支持金具に載置する形態で、ドレンパン上端と柵状放熱体の下端の緯パイプ間に通気用の間隔寸法を保って配置し、下面のドレンパイプを排水パイプに接続している。

また、従来例２（図１４）は特許文献２として挙げたもので、本願出願人が開発し、実施中の、間仕切内隠蔽冷暖房システムであって、図１４（Ａ）は、プラスチック樹脂製柵状放熱体の配置縦断側面図であり、（Ｂ）は吊金具の一部切欠斜視図であり、（Ｃ）は振れ止め金具の斜視図である。

従来例２の柵状放熱体の支持は、図１４（Ａ），（Ｂ）に示す如く、水平に突設した細幅の２本の支持辺の上面と、垂直辺の内面とに断熱シートを張着した断面コ字形態の吊金具の上辺を、上側受桟の下面にねじ固定し、細幅の２本の支持辺を隣り合う縦パイプの枝管間に挿入して、放熱体の上側横パイプを支持辺の上面に載置する形態で吊下げ支持する。

また、放熱体の下側は、振れ止め金具のフックを後側の縦パイプに引っ掛けて底板を下側受桟にねじ固定し、放熱体の下側の前後左右の揺動を阻止するものである。
そして、放熱体の下側緯パイプの下方には、下側受桟上に載置したドレンパンを配置するものである。

特開２０１２−９３０５０号公報（特願２０１０−２４２２１２号） 特開２０１１−２２６７４２号公報（特許第４９９３７８９号）

従来例１（図１１、図１２）の埋設冷暖房システムは、プラスチック樹脂製の柵状放熱体が間仕切壁内に収納出来て、一側又は両側の居室に放熱冷暖房が実施出来るが、冷房時には、放熱体を支持する吊金具の切欠両側の曲面側辺の断熱シート上に、接続金具と供給口、排出口、及び上側横パイプの端部に発生する凝結水（結露水）が溜まり、吊金具の底辺切欠から一気に落下して、下方の横パイプや保持具に衝突飛散するため、間柱の下方側面や下側受桟や床材を湿潤して、カビの発生や、間仕切壁内の耐用劣化を生ずる。

また、結露の発生を抑制するために、被覆保温材を放熱体の上側横パイプまで、接続金具、供給口、排出口を被覆する場合は、被覆保温材を、上方から横パイプの円周上面に密着配置形態に被覆するのは、煩雑な作業であり、供給口、排出口と被覆保温材との間に空気が侵入すれば無断熱状態となって、供給口、排出口の表面に結露が生じる。
また、接続金具の被覆保温材と、上側の往き側及び戻り側配管の被覆保温材の下端とに段差が生じ易く、被覆保温材の被覆作業が煩雑であって、被覆保温材の外観も見苦しくなって、美観上の問題が生じる。

また、放熱体が幅広の場合には、放熱体の支持は、上側横パイプの両端の吊金具のみでは安定支持が不可能で、放熱器の上側横パイプの中間部を上側受桟に取付けた吊ボルトで支持する必要が生じるが、配置する吊ボルトにも、煩雑な保温材被覆が必要となる。
また、放熱体の下部の揺動を阻止するための保持具は、プラスチック樹脂製であっても、冷気に晒されて表面に結露が生じて、結露の近傍への散乱伝播が固定ねじの腐食及びカビの発生の原因となる。

また、ドレンパンの側板上端と、放熱体の下側横パイプの下面とには、冷気の影響を与えないために間隔寸法（標準：３０mm）を保持しているが、柵状放熱体は上下高さが大きいため、放熱体の表面に発生した結露水は、重力による落下圧が大きくて、ドレンパンに衝突してドレンパンの側板を飛び越えて近傍を湿潤する。
そして、ドレンパンは、低温の結露水で冷却されて室内空気との接触で外周に結露が生じるため、支持金具の底板及び側板に結露防止用に配置した断熱シートが水を含んで断熱機能を喪失し、剥離の問題すら生ずる。

従来例２（図１４）の間仕切内隠蔽冷暖房システムは、従来例１同様に結露の抑制対策を施したものであるが、プラスチック樹脂製の柵状放熱体の支持は、図１４に示す如く、横パイプに、各縦パイプを取付用枝管を介して並列配置した放熱体の前後２本の上側横パイプを、吊金具の水平支持辺を枝管間（標準：７mm）から上側横パイプ下面に挿入して支持辺で支承支持するものであり、吊金具は、支持辺上面及び垂直辺内面には断熱シートを層着して結露発生を抑制したものである。
しかし、吊金具は、放熱体からの放射冷気によって支持辺下面及び垂直辺外面に結露を生じ、結露落下水は下側横パイプに衝突して散乱し、ドレンパンの近傍を湿潤汚染する問題がある。

また、放熱体の下側で揺動を抑制する振れ止め金具も、冷熱伝達で結露を生じ、下側受桟に振れ止めを固定したねじを介して下側受桟を湿潤して腐食する問題がある。
また、ドレンパンは、放熱体との間隔が小さくて、ドレンパンの全表面には結露水が発生し、近傍を汚染してカビ発生の原因となる。
また、小幅のドレンパンに対して上方からの落下結露水も衝突飛散して下側受桟を湿潤する。

本発明は、従来の上述の問題点を解決又は改善するものであって、間仕切壁内配置の冷暖房システムに於ける従来技術が、何れも結露の発生の抑制を基本理念として成り立っているのに対し、本発明は、必然的に生ずる結露を許容した上で、無害状態で排除するものであり、間仕切壁内等の狭い空間内で、従来技術が、各種の複雑、且つ煩雑な結露抑制手段を講じるのに対し、本発明は、結露発生部位での結露の発生を許容した上で、結露水を好適に排除するものであり、居室内の狭い空間内での結露を生ずる冷暖房システムの安全、且つ合理的な構築を可能とするものである。

本発明の結露許容型冷暖房システムは、背面の壁材９，９Ｂ面と、両側の縦面材９Ｅ，９Ｆと、上側面材９Ｕ，９Ｃと、下側面材９Ｄ，９Ａとで区画して前面を開放した熱空間Ｏ内に、全プラスチック樹脂製の柵状の放熱体１を配置し、放熱体１の下面にドレンパン３を配置して、熱空間Ｏ内で生ずる結露をドレンパン３内に導入する冷暖房システムであって、放熱体１は、上下横パイプ１Ａ間に縦パイプ１Ｂ群を並列配置した同形状の第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２とを重層形態で一体化して、第１放熱パネル１０１の上側横パイプ１Ａの一端には供給口１Ｓを、第２放熱パネル１０２の上側横パイプ１Ａの一端には排出口１Ｒを突設したものであり、放熱体１の上部は、両側の縦面材９Ｅ，９Ｆに取付けた吊金具２を介して、前後動及び左右動を規制して支承し、放熱体１の下部は、両側の縦面材９Ｅ，９Ｆに取付けた固定具７を介して前後動及び左右動を規制すると共に、放熱体１の下端を、両側の小口板３Ｅが両側の縦面材９Ｅ，９Ｆと空気流通間隔ｄ３を保って配置したドレンパン３内に垂下没入し、両端の縦パイプ１Ｂの上端に配置した結露受６によって上側横パイプ１Ａの両端からの流下結露水を縦パイプ１Ｂの外周に誘導するものである。

この場合、熱空間Ｏは、典型的には、図１に示す如く、間仕切壁の、内装材９Ｂと、両側の間柱９Ｅの側面と、間柱９Ｅ間に差渡した上側受桟９Ｕ及び下側受桟９Ｄとで区画される前面の開放した仕切壁内に形成した空間であるが、図１０に示す如く、コンクリート壁等の間仕切壁９を背面とし、図１の間柱９Ｅと同形断面を有する縦面材９Ｆを壁材９から居室側に突出並列配置し、上側の天井材９Ｃと下側の床材９Ａとで熱空間Ｏを区画形成しても良い。
また、放熱体１は、熱輻射波の吸収放射率の高いプラスチック樹脂製丸パイプで構築すれば良く、典型的には、熱輻射波の吸収放射率が０．９５の能力を有するポリプロピレン、ランダム共重合体のプラスチック樹脂（ＰＰ−Ｒ樹脂）を採用し、横パイプ１Ａは外径２７mm、肉厚５mmの丸パイプで、縦パイプ１Ｂは外径１３mm、肉厚１．６mmの丸パイプである。

また、放熱体１は、第１放熱パネル１０１の供給口１Ｓからの流入水が、第１放熱パネルの各縦パイプ１Ｂ群、及び第２放熱パネル１０２の各縦パイプ１Ｂ群を通水して第２放熱パネル１０２の排出口１Ｒから流出するものであれば良い。
また、ドレンパン３は、放熱体１を吊下げ支持すれば、放熱体１の下端、即ち前後２本の横パイプ１Ａが垂下形態で没入する寸法形状であれば良く、ドレンパン３の左右両端の小口板３Ｅと縦面材９Ｅ，９Ｆとの間は、ドレンパン３の、居室側（前側）と壁材側（後側）との空気の前後流動を許容する間隔（標準：１５mm）を設ければ良い。

本発明にあっては、上側横パイプ１Ａの外周面で生ずる結露水は、接続した縦パイプ１Ｂ群の外周面の結露水と一緒に、縦パイプ１Ｂの外周を流下して、下側横パイプ１Ａ外周の結露水と共にドレンパン３内に入り、上側横パイプ１Ａの端部上方の配管接続部外周、及び供給口１Ｓや排出口１Ｒ外周に生じた結露水（凝結水）も、最外端の縦パイプ１Ｂ上の結露受６によって最外端の縦パイプ１Ｂの外周面に誘導されて、縦パイプ１Ｂに沿って流下してドレンパン３内に流入する。
そして、熱伸縮する細くて長い縦パイプ１Ｂ群を備えた放熱体１は、吊金具２によって、下端がドレンパン３内に垂下没入した形態での吊下げ支持であるため、熱伸縮変位にも対応出来、縦パイプ１Ｂ群の周面を流下する結露水も、放熱体１を上部と下部とで前後動も左右動も規制しているため、支障無くドレンパン３内に集水出来る。

そして、例え上側横パイプ１Ａから下側横パイプ１Ａ上に水滴が落下しても、放熱体の下端がドレンパン内に垂下没入しているため、落下結露水の下側横パイプ１Ａへの落下衝突水滴は、ドレンパン３から四周外方へ飛散することはない。
そして、ドレンパンの左右両端の小口板３Ｅが縦面材９Ｅ，９Ｆと空気流通間隔ｄ３（標準：３０mm）を保っているため、放熱体１の外周の室内側と縦面材面との空気流によって、縦面材９Ｅ，９Ｆや壁材９，９Ｂ等の熱空間Ｏの区画面には、結露が発生しない。

また、本発明は、全プラスチック樹脂製の第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２とを重層一体化した柵状放熱体を、前後動及び左右動を規制して配置するため、左右の縦面材間の寸法と上下面材間の寸法が大で、前後厚さ寸法が小さい熱空間Ｏ内への安全な配置が可能となり、放熱体１は、間仕切に面する居室のスペースに干渉しない形態での配置となり、上下高さの長寸化、及び／又は、左右幅の長寸化によって、放熱量の増大化も可能な輻射冷暖房システムとなる。

従って、本発明は、従来の間仕切壁内冷暖房に於ける結露発生の問題に対処するための、各部位の煩雑、且つ緻密な結露発生の抑制手段を講ずることなく、放熱パネル及び放熱パネルへの出入管路を含む結露発生部位の結露を許容して、発生した結露水を支障無く排出するシステムであるため、狭い空間（熱空間）内での煩雑な結露防止施工から開放された、施工性の向上した、間仕切壁冷暖房システムを提供する。

また、本発明にあっては、放熱体１は、図２に示す如く、各放熱パネル１０１，１０２内の縦パイプ１Ｂ間の間隔ｇＢを６〜８mmとし、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２との対向面間隔ｇＰを１８〜２０mmとし、背面の壁材９，９Ｂ面と対向放熱パネルの上下横パイプ１Ａとの間隔ｇＣを２０〜３０mmで配置するのが好ましい。

この場合、壁材９，９Ｂと放熱体１の横パイプ１Ａとの間隔ｇＣは、放熱体の居室側と壁材面側との空気流動を許容して壁材９，９Ｂ面上の結露の発生を抑制するためであって、結露抑制機能はｇＣ寸法が大な程良いが、放熱体の配置前後スペースは小さい程良いため、本発明が、間隔ｇＣを２０〜３０mmの範囲とした点は、実験の結果、最小限の結露発生の必要抑制機能を確保して、放熱体１の配置の前後スペースの許容最大限となることを見出したもので、放熱体１は、該条件下での配置によって、壁材面への結露発生を抑制し、且つ壁材面への近接配置が可能となり、放熱体１の、居室内への干渉、即ち居室内への出っ張り、を抑えた配置となって、間仕切壁内等の、前後厚さの小さなスペースの熱空間Ｏ内での冷暖房システムの構築を可能とする。

また、第１放熱パネル１０１、及び第２放熱パネル１０２内での各縦パイプ１Ｂ間隔ｇＢは、放熱パネルの、単位面積当りの、縦パイプ１Ｂの配置密度の増大による放熱量の増大化と、縦パイプ１Ｂの横パイプ１Ａへの並列配置時の機械加工（溶接加工）上の制約と、同一放熱パネルを２枚重層した際の、第１、第２両パネル間の空気の外側との流出入の抑制作用との３要件に依存し、第１、第２放熱パネルの対向面間隔ｇＰは、小さい程放熱体の薄型化に良い点、２枚重層型の放熱体では間隔ｇＰが小さい程、間隔ｇＰ内の加熱、冷却空気の上下対流機能が低下して放熱体１の対流熱効率が低下する点の二律背反要件に依存するものであり、実験の結果、縦パイプ１Ｂ間の相互間隔ｇＢが６〜８mmであって、放熱パネル１０１と１０２との間隔ｇＰが１８〜２０mmであれば、間隔ｇＢから側方への空気流が抑制出来て、壁材９Ｂの結露が抑制出来、前後放熱パネル間隔ｇＰ内の冷却、加熱空気の間隔ｇＰ内での上下流を保証する結果が得られた。

従って、本発明放熱体１に於いて、各縦パイプ１Ｂ間の間隔ｇＢを６〜８mm、各放熱パネル１０１，１０２間の対向面間隔ｇＰを１８〜２０mmとしたため、各縦パイプ１Ｂの上下横パイプ１Ａへの融着接続加工、及び２枚の放熱パネル１０１と１０２との、上下横パイプ１Ａ相互の通気間隔ｇＳ（標準：４．５mm）を保った一体化加工が容易となって、放熱体１も薄型化出来、放熱体１としての機能面でも、両放熱パネル１０１，１０２間の間隔ｇＰ内での加熱又は冷却空気は、縦パイプ１Ｂ間の間隔ｇＢよりも抵抗の少ない間隔ｇＰを上下貫流して放熱体１の表面温度を一定に保ち、間隔ｇＰ内の高い熱作用（加熱、冷却作用）を受けた空気流の背面の壁面材側及び前面の居室側への横断流出が抑えられて、壁材面への対流による直接熱作用が抑制され、壁材面の結露発生は抑制出来、熱空間Ｏ内での対流熱は、冷暖房の熱空間Ｏ全域から居室内に亘る斑の無い、循環対流となって、輻射放熱作用との協仂によって、居室内に斑の無い、輻射作用を主（７０％）とし対流作用を従（３０％）とする心地良い冷暖房作用を提供する。

また、本発明にあっては、放熱体１の、第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ群と第２放熱パネル１０２の縦パイプ１Ｂ群の全ての縦パイプ１Ｂを、長さＬ４が放熱パネルの全縦パイプに亘る幅止め具４によって、縦パイプ１Ｂ群の両外側面Ｓｆが幅止め具４の外側縁ｆｃより突出した形態で、各縦パイプ１Ｂ相互を位置規制するのが好ましい。

この場合、幅止め具４は、前列の第１放熱パネルの縦パイプ１Ｂ列と後列の第２放熱パネルの縦パイプ１Ｂ列とを、前後動及び左右動を規制して確保出来れば良く、例えば、中央の長手方向の本体バーから、両側に洗濯バサミの如きバネ弾性クリップを突出した形態でも実施可能であるが、典型的には、図６に示す帯状本体から両側に円弧弾性クリップを連設したプラスチック樹脂の一体化成形品である。

従って、幅止め具４で、第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ列と、第２放熱パネル１０２の縦パイプ１Ｂ列との全ての縦パイプ１Ｂを定位置に確保することにより、長尺で横変位し易い各縦パイプ１Ｂ列が位置確保出来て、放熱体１の保形性（剛性）が向上し、放熱体に生じた結露水の縦パイプ１Ｂによるドレンパン３内への正確な誘導が可能となり、放熱体１は、狭い熱空間Ｏ内での安全配置が可能となる。

そして、幅止め具４の両側縁が縦パイプ１Ｂ列の外面Ｓｆより入り込んでいるため、縦パイプ１Ｂの外側面は、幅止め具４の上方から下方への連続露出面を備えて、縦パイプ１Ｂの外周を流下する結露水のドレンパン３内への平滑流下を保証する。
そして、幅止め具４は、縦パイプ１Ｂの長さに応じて、上下適宜間隔（標準：５００mm間隔）で複数本配置すれば、放熱パネル１０１，１０２の保形性（剛性）は向上し、設計どおりの、縦パイプ１Ｂ間隔ｇＢ（標準：７mm）、放熱パネル１０１，１０２内の間隔ｇＰ（標準：１８．５mm）が確保出来、放熱体１の設計どおりの空気対流作用が維持出来る。

また、本発明にあっては、幅止め具４は、断面が山形状屈曲の左右対称形で、上面４Ｕ及び下面４Ｄが両側縁への下向傾斜を備えた形状であって、両側縁には、先端開口Ｏ４を介して縦パイプ１Ｂを弾揆嵌合する円弧弾性クリップ４Ｃ群を備えて、両側の円弧弾性クリップ４Ｃ群が両側の対応縦パイプ１Ｂ群を弾揆保持するのが好ましい。

この場合、幅止め具４は、必要な可撓弾揆性を備えた金属板での実施も可能であるが、典型的には、図６に示す如く、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、及び柔軟性に優れたプラスチック樹脂（ＡＢＳ樹脂）製の一体化成形品であって、弾性クリップ４Ｃの前半部は弾揆作用を奏するバネ形態の円弧突片４Ｓを配置し、各弾性クリップ４Ｃ間では、円弧突片４Ｓ間に切開二股４Ｆを配置して、切開二股４Ｆの両側の円弧突片４Ｓに均等なバネ弾性変位を保証したものである。

従って、該幅止め具４は、図６（Ｃ）に示す如く、両側縁の弾性クリップ４Ｃ列が、前後両側の縦パイプ１Ｂ列、即ち第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ列及び第２放熱パネルの縦パイプ１Ｂ列に、先端開口Ｏ４の拡径で弾揆嵌合して、両側の縦パイプ１Ｂ列を位置規制するため、幅止め具４を配置した部位では、放熱体は前後左右が固定されて剛構造となると共に、縦パイプ１Ｂの外方への出っ張り変位による結露水のドレンパン３の外側への落下も阻止出来る。

そして、幅止め具４は、図６（Ａ）に示す如く、上辺及び下辺が側縁へ下向傾斜して水勾配を備えているため、且つ両側縁ｆｃが縦パイプ１Ｂ列の外側面Ｓｆの内側であるため、放熱体の上方からの幅止め具４上への結露流水も、幅止め具４自体に発生する結露水も、側縁から各縦パイプ１Ｂ外周への分散流水となってドレンパン３上に流下し、集中大量落下水が阻止出来て、ドレンパン３の外側への飛散落下は防止出来る。
そして、幅止め具４の配置部位では、前後両側の縦パイプ１Ｂ列間の間隔ｇＰ（標準：１８．５mm）での空気の上下流動を遮断するため、各縦パイプ１Ｂ列内の狭い間隔ｇＢ（標準：７mm）の空気貫流を生じ、熱空間Ｏ内での空気の上下流動を撹拌して、対流熱伝達を促進する。

尚、円弧弾性クリップ４Ｃの内周面には、小突条４Ｐ又は縦方向スリット溝を形成しておけば、円弧弾性クリップ４Ｃの縦パイプ１Ｂに対する把持力が増大すると共に、縦パイプ１Ｂを嵌合保持した状態では、円弧弾性クリップ４Ｃ内周面ｃｆと縦パイプ１Ｂ外側面ｆｓとに界面隙間４Ｇが出来、結露水の幅止め具４から下方への界面流下を助長する。
この場合、小突条４Ｐを傾斜形態とすれば、把持力の一層の強化が期待出来る。

また、本発明にあっては、第１放熱パネル１０１の両端の縦パイプ１Ｂと対向する第２放熱パネル１０２の両端の縦パイプ１Ｂとを連結具５で嵌合連結するのが好ましい。
この場合、連結具５は、第１放熱パネル１０１側の外端縦パイプ１Ｂと第２放熱パネル１０２の対応外端縦パイプ１Ｂとを一体化連結して相対位置関係が確保出来れば良く、典型的には、図７に示す如く、連結板の両端に弾揆嵌合用の円弧弾性クリップを備えたものが好適である。

従って、連結具５で、第１放熱パネル１０１の外端の縦パイプ１Ｂと第２放熱パネル放熱パネル１０２の対向外端縦パイプ１Ｂとを一体化連結すれば、連結具５の配置部位では放熱体１の剛性、即ち保形性が増大し、特に、第１放熱パネル１０１の供給口１Ｓの直下の縦パイプ１Ｂの、温水通水時の軟化変位も抑制出来、幅止め具４との併用によって、放熱体１は、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２との重層一体化形態に保形性（剛性）が付与出来、放熱体１の、放熱パネルの各縦パイプ１Ｂ群の設計値どおりの関係位置が維持出来て、放熱体１は均斉な冷却、暖房作用を発揮する。
そして、放熱体の保形性向上によって、各縦パイプ１Ｂの前後変位が抑制出来るため、放熱体で発生する結露水も、ドレンパン３内への確実な流下となる。

また、連結具５は、図７に示す如く、傾斜連結板５Ｓの両端の円弧弾性クリップ５Ｃで、対向縦パイプ１Ｂを、円弧弾性クリップ５Ｃの最外端ｆ５が縦パイプ１Ｂの露出外側面ｆｓより内側位置を占める形態で、弾揆嵌合保持するのが好ましい。
この場合、該連結具５で、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２とを、両端で相互連結すれば、連結具５が嵌着した各縦パイプ１Ｂにあっては、上方からの外周に沿って流下する結露水は、露出外面を経てスムーズにドレンパン３内に案内される。

そして、連結具５に生じた結露水も、傾斜連結板５Ｓによって片方の円弧弾性クリップ５Ｃに流水し、円弧弾性クリップ５Ｃの外周からは、嵌合保持した縦パイプ１Ｂの外周に誘導出来る。
この場合、円弧弾性クリップ５Ｃの本体の円弧筒５Ｒの上縁及び下縁は、図７（Ｃ）の如く、面取り部５Ｋを施せば、縦パイプ１Ｂの上方から縦パイプ１Ｂの外周を流下する結露水の、連結具５の外周から下方の縦パイプ１Ｂ外周部への誘導流下がスムーズとなる。

また、本発明にあっては、吊金具２は、図２に示す如く、両側の縦面材９Ｅ（９Ｆ）に対向固定した受金具２Ａで差渡し支承した支持バー２Ｂに、上部に台形突起２Ｐを備えた支承金具２Ｄを左右摺動自在に嵌合し、支承金具２Ｄの上面で放熱体１の上端の前後２本の横パイプ１Ａを支承すると共に、支持バー２Ｂの一端近傍のねじ孔２Ｈに螺入して直交突出したボルト２Ｎ´を左右縦パイプ１Ｂ間に挿入するのが好ましい。

この場合、支持バー２Ｂは、受金具２Ａに支承形態支持であるため、左右摺動調整が可能であり、支承金具２Ｄも支持バー２Ｂ上で左右摺動調整可能であるため、施工時の、間柱９Ｅ等の対向縦面材間の寸法の長短に応じて、放熱体１の適正位置への適正個数（標準：２個）の配置が可能となって、放熱体１の供給口１Ｓ及び排出口１Ｒと上側受桟９Ｕ等の上側面材から垂下した往き側配管８Ｓ及び戻り側配管８Ｒとの位置整合も可能となり、施工容易となる。

そして、支承金具２Ｄは、上面に台形突起２Ｐを備えているため、第１放熱パネル１０１の上側横パイプ１Ａと第２放熱パネル１０２の上側横パイプ１Ａとの間に台形突起２Ｐが突入して、台形突起２Ｐ前後傾斜辺が放熱体１の前後揺動を阻止し、支持バー２Ｂから直交突出したボルト２Ｎ´の左右が縦パイプ１Ｂ間への挿入によって、放熱体の左右揺動も阻止出来る。

従って、該吊金具２の採用によって、放熱体１の熱空間Ｏへの左右寸法調整の下での配置が容易となると共に、放熱体の前後揺動も左右揺動も抑制出来る。
そして、支承金具２Ｄは、放熱体１の左右幅寸法（標準：３５０mm）に応じて適宜位置に複数個（標準：２個）配置すれば、上側横パイプ１Ａを、撓みを生ずることなく水平に、即ち放熱体１を水平に吊下げ支持出来る。
尚、両側の縦面材に取付けた受金具２Ａに差渡し支承する支持バー２Ｂは、例えばＦＲＰ等、熱伝達機能の低い材質製とすれば、受金具２Ａの結露防止に有効である。

また、支持バー２Ｂは、図２（Ｄ）に示す如く、両端を保温材２Ｃで被覆して、保温材２Ｃの被覆部位で受金具２Ａに嵌合し、支承金具２Ｄは、前後対称の台形突起２Ｐの直下に配置した嵌合溝２Ｆ´で支持バー２Ｂに摺動自在に嵌合し、台形突起２Ｐを前後の横パイプ１Ａ間に挿入するのが好ましい。

この場合、支持バー２Ｂはステンレス鋼板を採用しても、受金具２Ａへの熱伝達阻止によって受金具２Ａへの結露は発生しない。
尚、ステンレス製の支持バー２Ｂは、両端を剥き出し状態で結露発生実験をしたところ、支持バー２Ｂは、中央部のみ結露して、両端での結露発生は認められなかったが、両端への保温材被覆は、受金具２Ａでの結露抑制を、より確実にするためである。

そして、支承金具２Ｄが台形突起２Ｐの直下の嵌合溝２Ｆ´で支持バー上に支持されるため、台形突起２Ｐの左右対称傾斜辺が、放熱体１を支持バー２Ｂ上で前後の均等な応力（重力）配分の下で、前後揺動の無い安定した支承を果たす。
しかも、支持バー２Ｂは、受金具２Ａへの左右調整嵌合が自在であって、被覆保温材２Ｃ部での受金具２Ａへの嵌合となるため、放熱体１の配置後の支持バー２Ｂの左右盲動が抑制出来、放熱体１の予期せぬ左右動が阻止出来る。

また、本発明にあっては、固定具７は、図５に示す如く、固定用の短辺７Ｓを断熱シート７Ｃを介して縦面材９Ｅ（９Ｆ）に固定し、短辺７Ｓから下降傾斜で直交突出した取付用長辺７Ｌのナット固定孔７Ｈに、クランク金具７Ｂを長孔Ｈ７で調整固定して、クランク金具７Ｂと取付用長辺７Ｌとで、最外端の縦パイプ１Ｂの、前後動及び左右動を抑制するのが好ましい。

この場合、最外端の縦パイプ１Ｂは、図５（Ａ）に示す如く、長辺７Ｌと、クランク金具７Ｂの長辺７Ｌとの平行部辺、即ち挟着辺７Ｋとで前後揺動が抑制出来、クランク金具７Ｂの前後方向部辺の中間辺７Ｍが縦パイプ１Ｂの外方への移動を阻止し、放熱体１の左右に配置する固定具７の協仂作用によって、放熱体１の下部は、前後動及び左右動が抑制出来る。
そして、固定具７は断熱シート７Ｃを介在した縦面材９Ｅ，９Ｆへの取付けであるため、縦面材への冷熱伝達を抑制して縦面材での結露発生を抑制し、固定具に発生した結露も、長辺７Ｌの水勾配傾斜によって縦パイプ１Ｂに案内して縦パイプ１Ｂからドレンパン３に流入するため、固定具７を原因とする結露水の散乱は阻止出来る。

また、本発明にあっては、結露受６は、図８に示す如く、縦パイプ１Ｂ弾揆嵌入用の切欠Ｏ６を備えた円弧弾性クリップ６Ｃの、円弧筒６Ｒの切欠Ｏ６の反対側外面から、傾斜上昇する傾斜辺６Ｄと水平上辺６Ｕとを有する三角板６Ｓを突設し、三角板６Ｓの上辺６Ｕを横パイプ１Ａの外端下面に当接する形態で、切欠Ｏ６を介して円弧筒６Ｒを外端の縦パイプ１Ｂ上端に嵌合し、横パイプ１Ａの端部からの結露水を、三角板６Ｓを介して縦パイプ１Ｂに誘導流下させるのが好ましい。

従って、該結露受６を配置した放熱体１にあっては、上側横パイプ１Ａは、自体が主要な結露発生部位であり、且つ、小口止め１Ｅを備えた外端は、結露水を落下させてドレンパン３の外側に飛散させる危険部位であるが、結露受６が横パイプ１Ａの外端からの結露水を、三角板６Ｓの傾斜辺６Ｄで縦パイプ１Ｂの外周に誘導するため、放熱体１の上端からの結露水の直接落下及び衝突飛散によるドレンパン３外方部への散水汚染は抑制出来、居室内の狭い熱空間Ｏ内への結露許容型冷暖房システムの安全配置が可能となった。

また、本発明のドレンパン３は、図４に示す如く、開口上面での左右長さＬ３及び前後幅Ｗ３が放熱体１の左右長さＬ１及び前後幅Ｗ１より大で、平坦底辺３Ｂの下面には断熱シート３Ｃ´を添着し、長手方向両側の小口板３Ｅが対向縦面材９Ｅ，９Ｆと空気流間隔ｄ３を保って配置し、底辺３Ｂから下方にドレンパイプ３Ｄを介して排水するのが好ましい。

この場合、標準サイズの放熱体１、即ち、図１に示す如く、上下高さｈ１が２０５０mm、左右長さＬ１が３５０mm、前後幅Ｗ１が５８．５mmの放熱体１に対応採用するドレンパン３は、左右長さＬ３が３８０mm、前後幅Ｗ３が８１mmの開口上面を備えていれば、即ち、ドレンパン３の開口上面の、左右長さＬ３及び前後幅Ｗ３を放熱体１のそれより大とすれば、ドレンパン３の開口上面が放熱体１の断面積（長さＬ１×幅Ｗ１）を下方でカバーし、放熱体１から落下する結露水をドレンパン３の外側周辺に漏らすことは無い。

また、ドレンパン３の両側の小口板３Ｅと縦面材９Ｅ，９Ｆとの間には空気流を許容する間隔ｄ３（標準：１５mm）を設けたため、熱空間Ｏの底部でのドレンパン３の居室側と壁材側との空気流通が生じ、熱空間Ｏ内では、放熱体の四周に空気流動が循環するため、背面の壁材面及び両側の縦面材での結露発生は抑制出来る。
そして、結露水を受けるドレンパン３の底面も、下面の断熱シート３Ｃ´で結露発生が抑制出来る。

従って、本発明のドレンパン３は、平坦底辺３Ｂ上に収納される結露水が浅い状態となって四周板への結露水による冷却作用が無視出来る程度であるため、自体が結露を発生することなく、背面の壁面にも結露を発生することなく、且つ、放熱体１で発生する全結露水を確実に集水してドレンパイプ３Ｄで排水出来るため、間仕切壁内等、狭い熱空間Ｏ内への冷暖房システムの、結露許容型での配置を保証する。

また、本発明にあっては、図９に示す如く、放熱体１の供給口１Ｓ及び排出口１Ｒは、上側面材９Ｕ，９Ｃから管体のみを露出垂下した往き側配管８Ｓ及び戻り側配管８Ｒと接続金具８Ｎで接続し、上側面材９Ｕ，９Ｃ下面に配置した化粧板８Ｍで配管の被覆保温材８Ｃ、及び往き側配管８Ｓと戻り側配管８Ｒ間の隙間８Ｇを閉塞隠蔽するのが好ましい。

この場合、配管は、慣用の天井内配管手法を採用すれば良く、典型的には、図９（Ｂ）に示す如く、往き側配管８Ｓと戻り側配管８Ｒそれぞれを、厚さ３mmの発泡ポリスチレンフォーム製の被覆保温材を基層８Ｃ_３として被覆し、基層８Ｃ_３で被覆された両配管８Ｓ,８Ｒを束ねて厚さ２０mmの被覆保温材を中間層８Ｃ_２として被覆し、更に紫外線劣化防止及び保温層の損傷防止のために、外皮を備えた厚さ６mmの被覆保温材の表層８Ｃ_１を被覆したものである。

そして、図９（Ａ）の如く、上側面材９Ｕから配管の２本の管体のみを露出垂下させれば、熱空間Ｏ内からは配管の被覆保温材８Ｃ層が露見するが、化粧板８Ｍで被覆保温材８Ｃの切断端面及び両配管８Ｓ，８Ｒ間の隙間８Ｇを閉止すれば、配管隙間８Ｇからの空気流入による配管８内での結露が抑制出来て、被覆保温材８Ｃの吸湿による保温機能低下が阻止出来ると共に、上側面材９Ｕの下面の配管部位がきれいに仕上がる。

また、本発明の実施に採用する結露受６は、図８に示す如く、一側面が嵌合用の切欠Ｏ６を備えた円弧筒６Ｒの弾性クリップ６Ｃの、切欠Ｏ６の反対側面に、傾斜上昇する傾斜辺６Ｄと、水平上辺６Ｕとを備えた三角板６Ｓを、上辺６Ｕが円弧筒６Ｒの上端面より小寸（ｄ６）突出し、且つ傾斜辺６Ｄの下端が円弧筒６Ｒの周面に集束する形態で一体化突設し、円弧筒６Ｒの、上側周縁及び下側周縁に流水用の面取り部６Ｋを配置したものである。

この場合、図８（Ｃ）に示す如く、三角板６Ｓは、傾斜辺６Ｄの下端が円弧筒６Ｒの外周面に集束しているため、三角板６Ｓの傾斜辺６Ｄに沿って流下する結露水の円弧筒６Ｒの上への導水が確実となる。
また、三角板６Ｓの水平上辺６Ｕは、円弧筒６Ｒの上端面より上方に突出（標準：１．５mm）し、且つ、図８（Ａ）に示す如く、横パイプ１Ａの先端の小口止め１Ｅの下面をカバーしているため、結露受６を縦パイプ１Ｂの上端に、円弧筒６Ｒの上端面が横パイプ１Ａの下面に当接形態に弾揆嵌合した際に、横パイプ１Ａの下面に、例え融着隅肉１Ｔが存在していても、三角板６Ｓの水平上辺６Ｕの横パイプ１Ａの先端下面への確実な当接を保証し、横パイプ１Ａ先端からの結露水の直接落下も確実に阻止出来る。
そして、弾性クリップ作用を奏する円弧筒６Ｒは、典型的には、肉厚２mmのＡＢＳ樹脂製の成形品で、外径Ｒ１６が１６mm、高さｈ６が１０mm、切欠Ｏ６幅が５．３mmで、外径１３mmの縦パイプ１Ｂに弾揆嵌合するものである。

従って、本発明結露受６を請求項１の発明に採用すれば、放熱体１の両端では、横パイプ１Ａの先端からの結露水は、確実に三角板６Ｓに導水され、三角板６Ｓの傾斜辺６Ｄの下端が円弧筒６Ｒの外周面に集束しているため、横パイプ１Ａの先端からの三角板６Ｓへの流水を、確実に円弧筒６Ｒの外周に案内し、横パイプ１Ａの先端の結露水の縦パイプ１Ｂ外周への誘導流下が保証され、放熱体１の両端上方に発生した結露水の下方への直接落下が阻止出来て、床上の湿潤汚染が阻止出来る。

本発明は、全プラスチック樹脂製の第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２とを重層一体化した柵状の薄型放熱体を採用して、左右の間柱等の縦面材間の寸法と、上下面材間の寸法が大で、前後厚さ寸法が小さい熱空間Ｏ内に配置するため、放熱体１は、間仕切に面する居間への突出が抑制出来、居間へのスペースに干渉しない形態で、上下高さの長寸化、及び／又は、左右幅の長寸化によって放熱量の増大化も可能な、放熱量の大きな輻射冷暖房システムを提供する。

そして、熱伸縮する細くて長い縦パイプ１Ｂ群を備えた放熱体１は、上部及び下部の、前後動及び左右動規制の下に、吊金具２によって下端がドレンパン３内に垂下没入した形態に吊下げるため、熱伸縮にも支障無く対応出来て、放熱体で発生して流下する結露水の全てがドレンパン３内に集水出来、狭い熱空間Ｏ内への結露許容型の冷暖房システムの安全配置が可能となる。

従って、本発明の冷暖房システムにあっては、基本的な解決課題である結露対策を、従来技術の如き、煩雑、且つ精緻な作業の伴う結露防止手段を施工することなく、結露の発生を許容した上で、新規な結露受け手段を採用する結露の合理的、且つ完全な排除手法を案出して施工するため、柵状放熱体を採用した放熱量が大で、柵状放熱体を採用した放熱料が大で、高効率、且つ結露対策を備えた輻射冷暖房システムの、居室内の狭い空間への施工適用が容易となった。

本発明の実施例の全体説明図であって、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は縦断側面図、（Ｃ）は横断面図である。 吊金具２の説明図であって、（Ａ）は使用状態正面図、（Ｂ）は使用状態縦側断面図、（Ｃ）は使用状態横断面図、（Ｄ）は吊金具２の一部切欠斜視図である。 吊金具２の構成部品の説明図であって、（Ａ）は受金具２Ａの横断面図、（Ｂ）は受金具の正面図、（Ｃ）は受金具の側面図、（Ｄ）は支承金具２Ｄの上面図、（Ｅ）は支承金具の側面図、（Ｆ）は支承金具の正面図である。 ドレンパン３の説明図であって、（Ａ）は使用状態の長手方向縦断面図、（Ｂ）は使用状態の幅方向縦断面図、（Ｃ）はドレンパン３の一部切欠斜視図、（Ｄ）は幅方向縦断面図である。 固定金具７の説明図であって、（Ａ）は使用状態横断面図、（Ｂ）は使用状態正面図、（Ｃ）は構成部品のＬ型金具の斜視図、（Ｄ）はクランク金具７Ｂの斜視図である。 幅止め具６の説明図であって、（Ａ）は使用状態縦断側面図、(Ｂ)は使用状態平面図、（Ｃ）は幅止め具６の上面図、（Ｄ）は（Ｃ）の矢印Ｄ視図、（Ｅ）は（Ｃ）の矢印Ｅ視図である。 連結具５の説明図であって、（Ａ）は使用状態正面図、（Ｂ）は使用状態側面図、（Ｃ）は上面図、（Ｄ）は正面図、（Ｅ）は側面図である。 結露受６の説明図であって、（Ａ）は取付状態正面図、（Ｂ）は上面図、（Ｃ）は正面図、（Ｄ）は（Ｃ）の矢印Ｄ視図である。 配管の説明図であって、（Ａ）は使用状態正面図、（Ｂ）は配管の横断面図、（Ｃ）は化粧板の斜視図である。 本発明の変形例図であって、放熱体を間仕切９の表面に配置した状態の横断面図である。 従来例１の全体縦断側面図である。 従来例１の部分説明図であって、（Ａ）は吊金具の使用状態正面図、（Ｂ）は吊金具の斜視図、（Ｃ）は保持具の使用状態正面図、（Ｄ）は保持具の分解斜視図である。 従来例１の部分説明図であって、（Ａ）はドレンパンの使用状態正面図、（Ｂ）はドレンパンの切欠斜視図、（Ｃ）は支持金具の斜視図である。 従来例２の説明図であって、（Ａ）は全体縦断側面図、（Ｂ）は吊金具の斜視図、（Ｃ）は振れ止め金具の斜視図である。

〔冷暖房システムの全体構造（図１）〕
図１は、本発明の実施例の冷暖房システムの全体説明図であって、（Ａ）は正面図であり、（Ｂ）は縦断側面図であり、（Ｃ）は横断面図である。
即ち、冷暖房システムの全体構造は、間仕切壁の両側の間柱９Ｅ間のスペース内に、上側受桟９Ｕと下側受桟９Ｄとを配置して背面の仕切壁内装材９Ｂの前面に熱空間Ｏを形成し、両側間柱９Ｅに取付けた受金具２Ａ間に差渡した支持バー２Ｂで柵状放熱体１の上部を吊下げ形態で、前後左右動を規制して支承し、柵状放熱体１の下部両側端を、両側に取付けた固定具７で前後左右動を規制し、放熱体１の下面にはドレンパン３を配置すると共に、放熱体１への冷温水供給用の、サプライ管８Ｓ及びリターン管８Ｒを上側受桟９Ｕから露出垂下して放熱体１に接続したものである。

そして、図１（Ａ）に示す如く、放熱体１の上下間隔適所には、放熱パネルの全幅に渡って幅止め具４を配置して、放熱体１内での縦パイプ１Ｂ群の相互揺動を規制し、放熱体１の両側端では、適宜間隔で配置した連結具５で、第１放熱パネル１０１の外端横パイプ１Ａと第２放熱パネル１０２の外端横パイプ１Ａとの相対揺動を規制し、放熱体１を構成する放熱パネル１０１，１０２の上端では、外側端の縦パイプ１Ｂの上端に結露受６を配置して、上側横パイプ１Ａの両端からの結露水の流下を外側端の縦パイプ１Ｂに導水するものである。

〔放熱体１（図１）〕
放熱体１の全体形状は、図１に示す如く、上下高さｈ１が２０５０mm、左右長さＬ１が３５０mm、前後の厚さ（幅）Ｗ１が５８．５mmであり、上側横パイプ１Ａと下側横パイプ１Ａとの間に、多数の細い縦パイプ１Ｂを並列差渡して縦パイプ１Ｂ群を上下横パイプ１Ａに連通接続した放熱パネルの、同一形状の２枚を、各第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２として、前後重層形態で連通一体化し、第１放熱パネル１０１の上側横パイプ１Ａの一端からはパイプ片の供給口１Ｓを、第２放熱パネル１０２の上側横パイプ１Ａの一端からはパイプ片の排出口１Ｒを突設したものである。

そして、放熱パネル１０１，１０２は、熱輻射波の吸収放射率が０．９５の能力を備えたポリプロピレン、ランダム共重合体のプラスチック樹脂（ＰＰ−Ｒ樹脂）製丸パイプの、外径２７mm、肉厚５mmの上下の横パイプ１Ａ間に、外径（ＲＢ）１３mm、肉厚１．６mmの縦パイプ１Ｂを、縦パイプ１Ｂ相互の間隔ｇＢ（７mm）を保って融着連通配置したもので、同形状の前側の第１放熱パネル１０１と後側の第２放熱パネル１０２とを、上側横パイプ１Ａ間、及び下側横パイプ１Ａ間の間隔ｇＳ（４．５mm）を保って、前後の、上側横パイプ１Ａの一端相互、下側横パイプ１Ａの一端相互、下側横パイプ１Ａの他端相互を、スペーサーパイプ１Ｆ´で通水不能に連結し、上側横パイプ１Ａの他端相互を、連通パイプ１Ｆで流水可能に連結し、全横パイプ１Ａの端縁は、小口止め１Ｅで閉止し、第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ列の内側面と第２放熱パネル１０２の縦パイプ１Ｂ列の内側面間の間隔ｇＰ、即ち第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２との対向面間隔ｇＰを１８．５mmとしたものである。

従って、放熱体１は、第１放熱パネル１０１の供給口１Ｓから冷水又は温水を供給すれば、供給冷温水は、第１放熱パネル１０１の構成全パイプ、即ち上下の横パイプ１Ａ及び並列密集全縦パイプ１Ｂを通水して第２放熱パネル１０２に入り、第２放熱パネル１０２の全構成パイプを通水した後、第２放熱パネル１０２の排出口１Ｒから流出するもので、縦長薄形状の、柵状の全プラスチック樹脂製であって、冷水又は温水を循環供給すれば、ＰＰ−Ｒ樹脂性の縦パイプ１Ｂ群は、人体に良いとされる８μｍ〜１４μｍの波長の輻射波を高い放射率（０．９５）で放射する輻射放熱体である。

〔熱空間Ｏ（図１）〕
熱空間Ｏは、図１に示す如く、放熱体１を収納配置する前方が開放し、上下、左右、及び背面が閉塞された空間であって、間仕切９の背面の内装材９Ｂの前面空間に、左右長さＬＥが、左右間柱９Ｅの内側面間寸法４１０mmで、上下高さは、左右間柱９Ｅ間に差渡した間柱９Ｅと同幅寸法の上側受桟９Ｕと下側受桟９Ｄとで規定するもので、配置放熱体１のサイズに適応して自在に決定出来る寸法であり、前後の厚さ寸法は間柱９Ｅの幅（１０５mm）である。

〔吊金具２（図２、図３）〕
吊金具２は、放熱体１の上端を吊下げ形態で支持する金具であって、両側の間柱９Ｅに取付ける一対の金具受２Ａと、両側の金具受２Ａ間に差渡し嵌合する１本の支持バー２Ｂと、支持バー２Ｂ上に摺動自在に嵌着して、放熱体１の前後２本の上側横パイプ１Ａの下面を支承する複数の支承金具２Ｄとから成るものであって、図２（Ａ）は吊金具２の使用状態正面図であり、図２（Ｂ）は吊金具２の使用状態縦断側面図であり、図２（Ｃ）は吊金具２の使用状態横断面図であり、図２（Ｄ）は吊金具２の一部切欠斜視図であり、図３（Ａ）は受金具２Ａの横断面図であり、図３（Ｂ）は受金具２Ａの正面図、図３（Ｃ）は受金具２Ａの右側面図であり、図３（Ｄ）は支承金具２Ｄの上面図、図３（Ｅ）は支承金具の側面図、図３（Ｆ）は支承金具の正面図である。

受金具２Ａは、図３（Ａ）に示す如く、両側の当接辺２Ｅから前方へ突出する両側辺２Ｓを介して前面に支持辺２Ｒを突出した１．５mm厚のステンレス鋼板の屈曲加工板金であって、長さＬａが７０mm、幅Ｗａが１５mm、高さｈａが４０mmであって、長さＬｅが１５mmの当接辺２Ｅから中央の支持辺２Ｒが、中央上面から切欠した嵌合溝２Ｆを備えて１５mm突出したものであり、両当接辺２Ｅには間柱９Ｅにねじ２Ｎを固定するための、上下長孔のねじ挿入孔Ｈ２を、支持辺２Ｒの左右中央には上端から支持バー２Ｂ嵌合用の縦溝形態の嵌合溝２Ｆを備えたものである。

支持バー２Ｂは、図２（Ｄ）に示す如く、厚さ３mm、上下幅Ｗｂが２５mm、長さが４０２mmのステンレス鋼板であって、両端には、長さ２８mmで３mm厚の被覆保温材２Ｃを張着し、一端から５０mm位置にボルト２Ｎ´螺入用のねじ孔２Ｈを配置したもので、両端の被覆保温材２Ｃ部を受金具２Ａの嵌合溝２Ｆ´に嵌合するものである。
また、支承金具２Ｄは、１．５mm厚のステンレス鋼板の屈曲加工品であって、図３（Ｄ），（Ｅ），（Ｆ）に示す如く、長さＬｄが３８mm、幅Ｗｄが４１．５mm、総高さｈｄが２８mmの上面視コ字状の部片であり、両側辺２Ｓ´上面に、高さ８mmの前後対称形の台形突起２Ｐが突出し、両側辺２Ｓ´には台形突起２Ｐの中央と整合して、支持バー２Ｂの嵌入する縦長の嵌合溝２Ｆ´を下面から切開形成したものである。

従って、本実施例の吊金具２にあっては、受金具２Ａは両側間柱９Ｅに上下調整して固定出来、長尺の支持バー２Ｂは、両側の受金具２Ａの嵌合溝２Ｆに被覆保温材２Ｃ部を嵌入して、支持バー２Ｂから受金具２Ａへの熱伝達抑制の下に、受金具２Ａに載置保持出来、支承金具２Ｄは、両側辺２Ｓ´の嵌合溝２Ｆ´を支持バー２Ｂの上面から嵌合して支持バー２Ｂ上を左右摺動自在に嵌合出来るものであって、支承金具２Ｄを支持バー２Ｂ上に、適宜間隔に適数個（標準：左右２個）配置して、放熱体１の上端の、第１放熱パネル１０１の上側横パイプ１Ａと第２放熱パネル１０２の上側横パイプ１Ａとを、支承金具２Ｄの台形突起２Ｐの前後斜辺に当接形態で載置すれば、前後両横パイプ間に突入した台形突起２Ｐが、放熱体１の前後動を規制して支承するものである。

〔固定具７（図５）〕
固定具７は、両側の間柱９Ｅに取付けて、放熱体１の下部の前後、左右揺動を規制するものであって、図５（Ａ）は使用状態の横断面図、図５（Ｂ）は使用状態正面図、図５（Ｃ）は固定具７の分解斜視図である。
固定具７は、１．５mm厚のステンレス鋼板製であって、図５（Ｃ）に示す如く、間柱９Ｅへの取付用のねじ孔Ｈ７´を備えた、幅Ｗ７が３０mm、高さｈ７が２０mmの固定用の短辺７Ｓと、短辺７Ｓから同一高さ（２０mm）で直交傾斜延出し、中間部位にナット固定孔７Ｈを備えた長さＬ７が５５mmで、先端が短辺７Ｓから７mm下位となる水勾配を備えた取付用の長辺７Ｌとのアングル形態のＬ型金具７Ａと、高さが短辺７Ｓと同一で、ナット固定用横長孔Ｈ７を備えた当接辺７Ｅと、中間辺７Ｍと挟着辺７Ｋとを屈曲形成したクランク金具７Ｂとから成るものである。

そして、クランク金具７Ｂは、当接辺７Ｅの左右寸法が２４mmで、当接辺７Ｅから前方に直交突出する中間辺７Ｍの突出長が１５．５mmで、中間辺７Ｍから左方に直交延出する挟着辺７Ｋの延出寸法が１２mmであって、クランク金具７Ｂも、全長に亘ってＬ型金具７Ａの長辺７Ｌと整合する水勾配を付与しておく。

従って、固定具７の使用は、短辺７Ｓの外面に断熱シート７Ｃを添着して、短辺７Ｓを、放熱パネル１０１の下部対応位置の間柱９Ｅにねじ固定し、図５（Ａ），（Ｂ）に示す如く、長辺７Ｌを、第１放熱パネル１０１の外端の縦パイプ１Ｂの後側に当接し、クランク金具７Ｂの中間辺７Ｍ及び挟着辺７Ｋを該縦パイプ１Ｂに当接して、ボルト７Ｎ´を横長孔Ｈ７での調整の下にクランク金具７Ｂを長辺７Ｌに固定すれば、外端の縦パイプ１Ｂは、下部位置でＬ型金具７Ａの長辺７Ｌとクランク金具７Ｂの屈曲面とで挟着保持されて、右側の固定具にあっては、前後動と右外方への揺動が抑制出来、左側の固定具７にあっては、外端の縦パイプ１Ｂの前後動と左外方への揺動が抑制出来、左右両固定具７の協仂作用で、放熱体１の下部の前後動と左右動とが抑制出来る。
従って、固定具７は、断熱シート７Ｃで間柱への熱伝達を抑制し、固定具７自体に発生した結露水も長辺７Ｌの水勾配で、挟着縦パイプ１Ｂに誘導出来る。

〔ドレンパン３（図４）〕
ドレンパン３は、下側受桟９Ｄ上配置して、放熱体１で発生した結露水を受け入れて、慣用の排水パイプ手段で排除するものであって、図４（Ａ）は使用状態の一側端の縦断正面図、図４（Ｂ）は使用状態の縦断側面図であり、図４（Ｃ）は全体斜視図、図４（Ｄ）は縦断側面図である。
ドレンパン３は、耐薬品性、難燃性、耐侯性に優れ、且つ低価格な、１．２mm厚の塩化ビニル樹脂製であって、中央下部からは、外径１８mm、肉厚２mm、長さ２６mmのドレンパイプ３Ｄを融着突出したものである。

ドレンパン３の全体形状は、図４（Ｃ），（Ｄ）に示す如く、上面幅Ｗ３が８１mm、長さＬ３が３８０mm、高さｈ３が６０mmで、幅Ｗ３´が６１mmの平坦辺３Ｂから両側辺３Ｓが傾斜起立した断面Ｕ字形態であって、長手方向の両端は小口板３Ｅが閉塞し、底辺の下面には熱伝達を抑制する厚さ２４mmの断熱シート３Ｃ´を層着したもので、図４（Ｂ）に示す如く、放熱体１の下端が垂下没入出来、幅広の底面での冷水の滞留深さを少なくして両側辺３Ｓでの結露発生を抑制したものである。

〔幅止め具４（図６）〕
幅止め具４は、同形状の第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２を重層一体化した上下長尺の放熱体１の上下適所に、適数個配置して、第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ群列と第２放熱パネル１０２の縦パイプ１Ｂ群列との、縦パイプ１Ｂの列内での相互位置及び対向列での相対位置を規制して、放熱体１に保形性を付与するものであって、図６（Ａ）は幅止め具４の使用状態縦断側面図、図６（Ｂ）は幅止め具４の使用状態平面図、図６（Ｃ）は幅止め具４の平面図、図６（Ｄ）は（Ｃ）の矢印Ｄ視図、図６（Ｅ）は（Ｃ）の矢印Ｅ視図である。

幅止め具４は、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂のＡＢＳ樹脂の射出成形品であって、図６（Ｃ）〜（Ｅ）に示す如く、総高さｈ４が７．５mm、幅Ｗ４が４１．５mm、長さＬ４が２００mmで、断面山形状の左右対称であり、肉厚５mmの頂部４Ｔから左右に５mm下降する傾斜上辺４Ｕの両側縁は肉厚２．５mmで、下面４Ｄも中央から両側へ緩下降傾斜し、且つ、図６（Ｂ）に示す如く、使用時には、両外側縁ｆｃは縦パイプ１Ｂの外側面ｆｓより内側に位置する寸法である。

そして、図６（Ｃ）の平面図に示す如く、両側縁の開口Ｏ４から内方へ連なる径１４mmの円弧面で、縦パイプ１Ｂを弾揆嵌入する弾性クリップ４Ｃを中心間隔２０mmで、各縦パイプ１Ｂ列のパイプ中心間寸法と整合して配置したものであって、各弾性クリップ４Ｃの開口した円弧前半部は、弾揆作用を奏するために、バネ形態の円弧突片４Ｓを備え、各先端開口Ｏ４間では、切開二股４Ｆの形成で、両側の円弧突片４Ｓの均等な弾揆作用を保証している。

そして、長さ（Ｌ４）方向の両端縁には、幅止め具４の長手方向の嵌合接続を可能とするために、一端縁には嵌合突起４Ｐ´を、他端縁には嵌合突起４Ｐ´を嵌入するための嵌合穴４Ｈを配置し、各弾性クリップ４Ｃは、円弧内面ｃｆに、８０°間隔で２個の小突条４Ｐを円弧面ｃｆの上下肉厚に亘って１mm突出させ、円弧突片４Ｓと小突条４Ｐ及び両小突条４Ｐ間を８０°としたものである。

そして、幅止め具４を、図６（Ｂ）の如く、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２間に、上端の幅止め具４は、支持バー２Ｂの５０mm下方で、各幅止め具４の上下間隔は５００mmで挿入して、各弾性クリップ４Ｃを両側の各縦パイプ１Ｂに嵌合すれば、バネ形態の円弧突片４Ｓが縦パイプ１Ｂの弾揆嵌入を許容して、弾性クリップ４Ｃの円弧内面ｃｆが、円弧突片４Ｓと協仂して、縦パイプ１Ｂを弾揆力で強固に確保すると共に、小突条４Ｐが縦パイプ１Ｂへの強大な押圧力を発揮して弾性クリップ４Ｃの把持応力を向上し、小突条４Ｐで生じた縦パイプ１Ｂ面と円弧内面ｃｆ間の小隙間４Ｇは結露水の界面流下を助長する。
従って、幅止め具４は、傾斜上辺４Ｕ及び傾斜底辺４Ｄの傾斜が水勾配となって、上方から幅止め具４に流下する結露水も、自体で発生する結露水も縦パイプ１Ｂ外周面から下方へ案内流下し、放熱体１内の結露水のドレンパン３内への案内流下に支承を生じない。

〔連結具５（図７）〕
連結具５は、対向する第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２の両端の対向縦パイプ１Ｂ相互を連結して放熱体１の保形性を向上させ、暖房運転時の第１放熱パネルの供給口１Ｓから直行流下する外端の縦パイプ１Ｂの軟化による、弯曲を阻止するものであり、図７（Ａ）は使用状態正面図であり、（Ｂ）は使用状態側面図、（Ｃ）は連結具の上面図、（Ｄ）は連結具の正面図、（Ｅ）は（Ｃ）の矢印Ｅ視図である。

連結具５はＡＢＳ樹脂の肉厚２mmの成形品であって、図７（Ｃ）に示す如く、外径Ｒ５が１６mm、高さｈ５が１６mmで、外側に嵌合用の幅５．３mmの切欠Ｏ５を備えた円弧筒５Ｒから成る円弧弾性クリップ５Ｃを傾斜連結板５Ｓの両端に備えた長さＬ５が４３．８mmのものであり、円弧筒５Ｒの上面及び下面には面幅１．５mmの面取り部５Ｋを配置したものであり、切欠Ｏ５の両側縁には両円弧中心線から２５°の角度で面幅０．５mmの案内用エッジ５Ｈと、エッジ５Ｈから４５°の角度で拡開する小口部５Ｅを備えたものである。

従って、図７（Ａ）の如く、連結板５Ｓの前後一対の円弧弾性クリップ５Ｃを、第１放熱パネル１０１の最外端の縦パイプ１Ｂと、対向する第２放熱パネル１０２の最外端の縦パイプ１Ｂとに嵌合すれば、前後の対向縦パイプ１Ｂ相互は、連結板５Ｓによって関係一体化構造となって相互揺動が阻止されて、第１放熱パネル１０１の供給口１Ｓ直下の最外端縦パイプ１Ｂの屈曲変位が阻止出来て、両縦パイプ１Ｂ上を流下する結露水も、縦パイプ表面（露出外側面）ｆｓが円弧弾性クリップ５Ｃの最先端ｆ５から突出しているために、円弧筒５Ｒの面取り部５Ｋの存在と相俟って、連結具５から支障無く縦パイプ１Ｂ外面に沿って流下する。

そして、連結板５Ｓの結露水も傾斜によって一方の縦パイプ１Ｂにスムーズに導水される。
そして、切欠Ｏ５の両端の案内用エッジ５Ｈは、縦パイプ１Ｂの円弧筒５Ｒ内への平滑な摺動弾揆嵌合を保証し、小口部５Ｅは縦パイプ１Ｂの外面からの円弧筒５Ｒ突出を押えて、縦パイプ１Ｂの外面での結露水のスムーズな流下を保証する。

〔結露受６（図８）〕
結露受６は、第１放熱パネル１０１及び第２放熱パネル１０２の両端の各縦パイプ１Ｂの上端に一個ずつ対応配置して、最外端の縦パイプ１Ｂから側方に突出した上側横パイプ１Ａの外端からの結露水を、下方に落下させることなく、外端の縦パイプ１Ｂ上に誘導するものであって、図８（Ａ）は結露受６の使用状態正面図であり、図８（Ｂ）は結露受の上面図、図８（Ｃ）は側面図、図８（Ｄ）は（Ｃ）の矢印Ｄ視図である。

結露受６は、肉厚２mmのＡＢＳ樹脂成形品であって、図８（Ｂ）に示す如く、幅５．３mmの切欠Ｏ５を備えた外径Ｒ６が１６mm、高さｈ６が１１mmの円弧筒６Ｒの切欠Ｏ５の反対側には、三角板６Ｓを、上辺６Ｕが円弧筒６Ｒの上面より段差（ｄ６）１．５mm上方に突出し、上辺６Ｕが図８（Ａ）に示す如く、横パイプ１Ａ先端の小口止め１Ｅの下面をカバーする寸法の９．５mm外方に延出し、垂直辺が９．５mmの直三角形形態で、円弧筒６Ｒの外周から突出して、斜辺６Ｄを円弧筒６Ｒへの導水辺としたものである。

また、円弧筒６Ｒは、連結具の円弧筒５Ｒ同様に、上面及び下面には面幅１．５mmの面取り部６Ｋを配置して、三角板６Ｓの垂直辺下端と斜辺６Ｄの下端とを面取り部６Ｋに集束して、円弧筒６Ｒから下方の縦パイプ１Ｂ外周への導水を確実とし、切欠Ｏ６には、円弧中心線から両方に２５°の角度での案内エッジ６Ｈと、エッジ６Ｈ面から４５°拡開した小口部６Ｅを形成し、弾性クリップ６Ｃの縦パイプ１Ｂに対する側面からの嵌入作用を容易とし、円弧筒６Ｒの前端部（小口部）から縦パイプ１Ｂ外周への流水案内を容易としたものである。

従って、図８（Ａ）に示す如く、結露受６は、放熱パネル外端の縦パイプ１Ｂの上端の横パイプ１Ａ下面に当接配置すれば、図示の如く、縦パイプ１Ｂ上端に横パイプ１Ａへの融着時に生じた微小寸（標準：１．５mm以下）の融着隅肉１Ｔが存在しても、三角板６Ｓの上辺６Ｕの突出段差ｄ６が対応して、三角板６Ｓの上辺６Ｕは、横パイプ１Ａの小口止め１Ｅを含む横パイプ先端下面と確実に当接し、横パイプ１Ａの先端からの結露水は三角板６Ｓで円弧筒６Ｒ外周へ流水し、縦パイプ１Ｂ上方の横パイプ１Ａの結露水も円弧筒６Ｒの外周へ流水し、円弧筒６Ｒの上面及び側面からの流水は、面取り部６Ｋの存在で下方の縦パイプ１Ｂ周面にスムーズに誘導されるものである。

〔冷暖房システムの構築（図１）〕
冷暖房システムの構築は、熱空間Ｏの下部へのドレン機構の構築施工と、ドレン機構の上部の熱空間Ｏ内への放熱体１の配置施工と、天井内配管の放熱体への配管施工で実施するものであり、高さｈ１が２０５０mmの放熱体１は、下端は、下側受桟９Ｄの上面と３４mm間隔を保って、ドレンパン３の上面から３０mm下方位置とし、上端は、上側受桟９Ｕ下面より１５０mm下方位置とし、前側は開放し、後側は、熱空間の後面を規定する内装材９Ｂと、対向横パイプ１Ａとを間隔ｇＣ（３０mm）を保ち、左右は、間柱９Ｅ内面と間隔ｇＥ（３０mm）を保って配置する。

〔ドレン機構の構築（図４）〕
図４に示す如く、下側受桟９Ｄの長さ方向及び幅方向中央に配置した貫通用孔Ｈ３に下方から引き上げた排水パイプ３Ｐに、ドレンパイプ３Ｄを挿入嵌合してドレンパン３を下側受桟９Ｄ上面に載置する。
この場合、ドレンパン３の両端の小口板３Ｅは、間柱９Ｅから１５mmの間隔（ｄ３）を保っているため、ドレンパン３の傾斜側板３Ｓと熱空間後面の内装材９Ｂとの空間内の冷気は、間隔ｄ３を介して居室内と対流することにより、内装材９Ｂ面の結露を抑制する。
また、ドレンパイプ３Ｄを接続する排水パイプ３Ｐには、慣用の保温材３Ｃを被覆する。

〔放熱体１の配置（図１）〕
放熱体１は、下端がドレンパン３内に３０mm垂下没入した状態になるように、且つ両端が間柱９Ｅと３０mmの間隔（ｇＥ）を保持するように、上側の前後２本の横パイプ１Ａを、図２（Ａ）に示す如く、吊金具２で吊下げ状態で支承し、支持バー２Ｂの一端部位から直交突出したボルト２Ｎ´を左右縦パイプ１Ｂ間に挿入しておく。
この場合、放熱体１の、上下位置の微調整は、受金具２Ａの当接辺２Ｅの上下方向長孔のねじ挿入孔Ｈ２を介したねじ２Ｎの間柱９Ｅへの調整固定で、左右位置の微調整は、支持バー２Ｂの受金具２Ａに対する調整で実施する。

また、放熱体１の下方部位では、図５に示す如く、左右一対の固定具７で、第１放熱パネル１０１の外端の縦パイプ１Ｂの前後動及び外方への揺動を抑制する。
そして、放熱体１の下方部位での左右位置微調整は、クランク金具７Ｂの当接辺７Ｅの横方向長孔Ｈ７を介したボルト７Ｎ´の締着位置調整で実施出来る。
この場合、放熱体１の両側の固定具７は、共にクランク金具７Ｂで縦パイプ１Ｂの外方への揺動を規制するため、放熱体１は、両側の外方への揺動規制によって左右動規制出来る。

そして、放熱体１を吊下げ保持している支持バー２Ｂの下方５０mm位置で、図４（Ｂ）に示す如く、幅止め具４を、両側の円弧弾性クリップ４Ｃ列の、第１放熱パネル１０１の縦パイプ１Ｂ列及び第２放熱パネル１０２の縦パイプ１Ｂ列へのクランプで配置して、放熱体１内の全縦パイプ１Ｂの、相互の前後左右揺動を規制し、幅止め具４を上下５００mm間隔で配置して、放熱体１に保形性（剛性）を付与する。

また、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２との両端の対向縦パイプ１Ｂは、図１に示す如く、上下５００mm間隔で連結具５で一体化連結し、両端の縦パイプ１Ｂの、特に第１放熱パネル１０１の供給口１Ｓと直結した縦パイプ１Ｂの、屈曲、特に軟化屈曲による変形を抑制して、放熱体１の両側での保形性（剛性）を高める。
また、第１放熱パネル１０１及び第２放熱パネル１０２の各両端の縦パイプ１Ｂの上端には、図８（Ａ）に示す如く、結露受６を嵌合配置して、外端の縦パイプ１Ｂから更に外方に突出した横パイプ１Ａの先端からの結露水を、結露受６を介して縦パイプ１Ｂ外周に導水可能とする。

〔配管施工（図９）〕
天井内配管８として、図８（Ｂ）に示す如く、サプライ管８Ｓ及びリターン管８Ｒを厚さ３mmの被覆保温材（発泡ポリスチレンフォーム）で基層８Ｃ_３被覆し、両管８Ｓ，８Ｒを束ねて厚さ２０mmの被覆保温材で中間層８Ｃ_２被覆し、更に、紫外線劣化防止及び保温層の損傷防止のために、外皮８Ｅを備えた厚さ６mmの被覆保温材の表層８Ｃ_１を被覆した長径９０mm、短形７０mmの断面楕円の配管８を、図９（Ａ）の如く、天井から上側受桟９Ｕの貫通孔Ｈ８´を貫通垂下して、上側受桟９Ｕの下面からは、被覆保温層８Ｃ_１，８Ｃ_２，８Ｃ_３を切除して、往き側配管８Ｓと戻り側配管８Ｒを剥き出し形態で垂下する。

そして、図９（Ｃ）に示す、長径１１０mm、短形９０mmで肉厚２mmのプラスチック樹脂製化粧板８Ｍに、各配管８Ｓ，８Ｒ用の円孔Ｈ８を間隔配置して一側から両円孔Ｈ８に亘る切れ目８Ａを形成したプラスチック化粧板８Ｍを、各円孔Ｈ８を各配管８Ｓ，８Ｒと整合して嵌合させて、上側受桟９Ｕの下面に当接添着する。
そして、化粧板８Ｍから露出垂下した、サプライ管８Ｓを放熱体１の供給口１Ｓと、リターン管８Ｒを放熱体１の排出口１Ｒと慣用の接続金具８Ｎで接続する。
この場合、プラスチック化粧板８Ｍは、上側受桟９Ｕ内の配管被覆層を下面から隠蔽すると共に、サプライ管８Ｓとリターン管８Ｒとの隙間８ｇ（図９（Ｂ）参照）も閉止して、配管８内への空気流入を阻止し、被覆保温層の吸湿による機能低下も防止する。

〔冷暖房システムの使用(図１)〕
本実施例で構築した冷暖房システムを運転したところ、細くて長尺の縦パイプ１Ｂの並列密集した保形性に乏しい柵状放熱体１は、上下５００mm間隔で配置した幅止め具４と、上下５００mm間隔で配置した両側端の連結具５とにより、構成各縦パイプ１Ｂの前後、左右への揺動変位が抑制出来て、放熱体１は、上面視で上下に亘ってドレンパン３の上面に収納された形態で、下端がドレンパン３内に垂下没入した形態の下に、放熱体１の熱伸縮にも対応して、冷暖房作用を奏した。

また、冷房時にあっては、放熱体１の間柱９Ｅとの接続部である上部の吊金具２にあっては、支持バー２Ｂが被覆保温材２Ｃを介して受金具２Ａへの熱橋を抑制しているため、受金具２Ａの結露発生は抑制出来、下部の固定具７にあっても、間柱への取付けが断熱シート７Ｃを介在した固定であるため、間柱への熱伝達は抑制出来たことと、放熱体１は、間柱９Ｅと上下方向の間隔ｇＥ（３０mm）保った配置であること、後面の内装材９Ｂとも、上下方向の間隔ｇＣ（３０mm）保った配置であることにより、熱空間Ｏの両側の間柱９Ｅ面と背面の内装材９Ｂ面は、空気対流にさらされて、結露の発生は無かった。

そして、冷房運転時には、放熱体の全周面及び、放熱体への露出した配管８Ｓ，８Ｒ接続部位に結露を発生したが、配管接続部位の結露水は上側横パイプ１Ａ上に流下し、上側横パイプ１Ａの先端の結露水は結露受６によって外端の縦パイプ１Ｂに誘導出来、上側横パイプ１Ａの全長に亘る結露水は、全て縦パイプ１Ｂ群に導水出来て、縦パイプ１Ｂ外周に発生する結露水と共に、下側横パイプ１Ａの結露水と一緒に、ドレンパン３内に集水出来た。

そして、縦パイプ１Ｂの外周に嵌合して縦パイプ１Ｂ周面の流水を遮る形態の幅止め具４も、固定具７も、連結具５も、クリップ形態を切欠を備えた円弧周面把持として、縦パイプ１Ｂの外周面が流水を許容する構成であるため、放熱体１の全部位に発生する結露水の全てが、確実に、ドレンパン３内に集水出来、慣用の排水システムを介して支障なく処理出来た。

また、幅止め具４を配置した部位では、第１放熱パネル１０１と第２放熱パネル１０２との間の空気の上下流動用の間隔ｇＰ（１８．５mm）の空気の上下流動を遮断したが、該間隔ｇＰの空気は派縦パイプ１Ｂ間の狭い間隔ｇＢ（７mm）から強制的に外方に流出して、幅止め具４の上下で空気流を撹拌し、熱空間Ｏ内の放熱体１周面の空気粘性膜の撹拌によって熱空間Ｏ内の熱対流を促進した。

従って、本発明の冷暖房システムは、幅止め具４や結露受６や連結具５等の新規開発部品を採用して結露水の発生流下を許容する冷暖房システムとしたため、従来の、居室内に冷暖房システムを配置する際の、最も重要、且つ最も困難な結露対策、即ち結露防止用の、複雑且つ困難な被覆保温材の施工から開放された、結露対策が容易で、施工容易な、間仕切内隠蔽型の冷暖房システムを提供する。

１ 放熱体
１Ａ 横パイプ
１Ｂ 縦パイプ
１Ｅ 小口止め
１Ｆ 連結パイプ
１Ｆ´ スペーサーパイプ
１Ｒ 排出口
１Ｓ 供給口
２ 吊金具
２Ａ 受金具
２Ｂ 支持バー
２Ｃ，８Ｃ 被覆保温材
２Ｄ 支承金具
２Ｆ，２Ｆ´ 嵌合溝
２Ｎ´，７Ｎ´ ボルト
２Ｐ 台形突起
３ ドレンパン
３Ｂ 底辺
３Ｃ´，７Ｃ 断熱シート
３Ｄ ドレンパイプ
４ 幅止め具
４Ｃ，５Ｃ，６Ｃ 円弧弾性クリップ
４Ｆ 切開二股
４Ｓ 円弧突片
５ 連結具
５Ｒ，６Ｒ 円弧筒
５Ｓ 傾斜連結板
６ 結露受
６Ｄ 傾斜辺
６Ｓ 三角板
６Ｕ 上辺
７ 固定具
７Ａ Ｌ型金具
７Ｂ クランク金具
７Ｅ 当接辺
７Ｋ 挟着辺
８ 配管
８Ａ 切れ目
８Ｇ 隙間
８Ｎ 接続金具
８Ｍ 化粧板
８Ｒ リターン管（戻り側配管）
８Ｓ サプライ管（往き側配管）
９ 間仕切（壁材）
９Ａ 床材（下側面材）
９Ｂ 内装材（壁材）
９Ｃ 天井材（上側面材）
９Ｄ 下側受桟（下側面材）
９Ｅ 間柱（縦面材）
９Ｆ 縦枠（縦面材）
９Ｕ 上側受桟（上側面材）
１０１ 第１放熱パネル
１０２ 第２放熱パネル
Ｏ 熱空間
Ｏ４ 先端開口（開口）
Ｏ５，Ｏ６ 切欠

Claims (13)

1. 背面の壁材（９，９Ｂ）面と、両側の縦面材（９Ｅ，９Ｆ）と、上側面材（９Ｕ，９Ｃ）と、下側面材（９Ｄ，９Ａ）とで区画して前面を開放した熱空間（Ｏ）内に、全プラスチック樹脂製の柵状の放熱体（１）を配置し、放熱体（１）の下面にドレンパン（３）を配置して、熱空間（Ｏ）内で生ずる結露をドレンパン（３）内に導入する冷暖房システムであって、放熱体（１）は、上下横パイプ（１Ａ）間に縦パイプ（１Ｂ）群を並列配置した同形状の第１放熱パネル（１０１）と第２放熱パネル（１０２）とを重層形態で一体化して、第１放熱パネル（１０１）の上側横パイプ（１Ａ）の一端には供給口（１Ｓ）を、第２放熱パネル（１０２）の上側横パイプ（１Ａ）の一端には排出口（１Ｒ）を突設したものであり、放熱体（１）の上部は、両面の縦面材（９Ｅ，９Ｆ）に取付けた吊金具（２）を介して、前後動及び左右動を規制して支承し、放熱体（１）の下部は、両側の縦面材（９Ｅ，９Ｆ）に取付けた固定具（７）を介して前後動及び左右動を規制すると共に、放熱体（１）の下端を、両側の小口板（３Ｅ）が両側の縦面材（９Ｅ，９Ｆ）と空気流通間隔（ｄ３）を保って配置したドレンパン（３）内に垂下没入し、並列配置された縦パイプ（１Ｂ）群のうち最外端の縦パイプ（１Ｂ）のみの上端に配置した結露受（６）によって上側横パイプ（１Ａ）の両端からの流下結露水を最外端の縦パイプ（１Ｂ）の外周に誘導する、結露許容型冷暖房システム。
2. 放熱体（１）は、各放熱パネル（１０１，１０２）内の縦パイプ（１Ｂ）間の間隔（ｇＢ）を６〜８mmとし、第１放熱パネル（１０１）と第２放熱パネル（１０２）との対向面間隔（ｇＰ）を１８〜２０mmとし、背面の壁材（９，９Ｂ）面と対向放熱パネルの上下横パイプ（１Ａ）との間隔（ｇＣ）を２０〜３０mmで配置した、請求項１に記載の冷暖房システム。
3. 放熱体（１）の、第１放熱パネル（１０１）の縦パイプ（１Ｂ）群と第２放熱パネル（１０２）の縦パイプ（１Ｂ）群の全ての縦パイプ（１Ｂ）を、長さ（Ｌ４）が放熱パネルの全縦パイプに亘る幅止め具（４）によって、縦パイプ（１Ｂ）群の両外側面（Ｓｆ）が幅止め具（４）の外側縁（ｆｃ）より突出した形態で、各縦パイプ（１Ｂ）相互を位置規制した、請求項１又は２に記載の冷暖房システム。
4. 幅止め具（４）は、断面が山形状屈曲の左右対称形で、上面（４Ｕ）及び下面（４Ｄ）が両側縁への下向傾斜を備えた形状であって、両側縁には、先端開口（Ｏ４）を介して縦パイプ（１Ｂ）を弾揆嵌合する円弧弾性クリップ（４Ｃ）群を備えて、両側の円弧弾性クリップ（４Ｃ）群が両側の対応縦パイプ（１Ｂ）群を弾揆保持する、請求項３に記載の冷暖房システム。
5. 第１放熱パネル（１０１）の両端の縦パイプ（１Ｂ）と、対向する第２放熱パネル（１０２）の両端の縦パイプ（１Ｂ）とを、連結具（５）で嵌合連結した、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
6. 連結具（５）は、傾斜連結板（５Ｓ）の両端の円弧弾性クリップ（５Ｃ）で、対向縦パイプ（１Ｂ）を、円弧弾性クリップ（５Ｃ）の最外端が縦パイプ（１Ｂ）の露出外側面（ｆｓ）より内側位置を占める形態で、弾揆嵌合保持した、請求項５に記載の冷暖房システム。
7. 吊金具（２）は、両側の縦面材（９Ｅ，９Ｆ）に対向固定した受金具（２Ａ）で差渡し支承した支持バー（２Ｂ）に、上部に台形突起（２Ｐ）を備えた支承金具（２Ｄ）を左右摺動自在に嵌合し、支承金具（２Ｄ）の上面で放熱体（１）の上端の前後２本の横パイプ（１Ａ）を支承すると共に、支持バー（２Ｂ）の一端近傍のねじ孔（２Ｈ）に螺入して直交突出したボルト（２Ｎ´）を左右縦パイプ（１Ｂ）間に挿入した、請求項１乃至６のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
8. 支持バー（２Ｂ）は、両端を保温材（２Ｃ）で被覆して、保温材（２Ｃ）の被覆部位で受金具（２Ａ）に嵌合し、支承金具（２Ｄ）は、前後対称の台形突起（２Ｐ）の直下に配置した嵌合溝（２Ｆ´）で支持バー（２Ｂ）に摺動自在に嵌合し、台形突起（２Ｐ）を前後の横パイプ（１Ａ）間に挿入した、請求項７に記載の冷暖房システム。
9. 固定具（７）は、固定用の短辺（７Ｓ）を断熱シート（７Ｃ）を介して縦面材（９Ｅ，９Ｆ）に固定し、短辺（７Ｓ）から下降傾斜で直交突出した取付用長辺（７Ｌ）のナット固定孔（７Ｈ）に、クランク金具（７Ｂ）を長孔（Ｈ７）で調整固定して、クランク金具（７Ｂ）と取付用長辺（７Ｌ）とで、最外端の縦パイプ（１Ｂ）の、前後動及び左右動を抑制した、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
10. 結露受（６）は、縦パイプ（１Ｂ）弾揆嵌入用の切欠（Ｏ６）を備えた円弧弾性クリップ（６Ｃ）の、円弧筒（６Ｒ）の切欠（Ｏ６）の反対側外面から、傾斜上昇する傾斜辺（６Ｄ）と水平上辺（６Ｕ）とを有する三角板（６Ｓ）を突設し、三角板（６Ｓ）の上辺（６Ｕ）を横パイプ（１Ａ）の外端下面に当接する形態で、切欠（Ｏ６）を介して円弧筒（６Ｒ）を外端の縦パイプ（１Ｂ）上端に嵌合し、横パイプ（１Ａ）の端部からの結露水を、三角板（６Ｓ）を介して縦パイプ（１Ｂ）に誘導流下させる、請求項１乃至９のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
11. ドレンパン（３）は、開口上面での左右長さ（Ｌ３）及び前後幅（Ｗ３）が放熱体（１）の左右長さ（Ｌ１）及び前後幅（Ｗ１）より大で、平坦底辺（３Ｂ）の下面には断熱シート（３Ｃ´）を添着し、長手方向両側の小口板（３Ｅ）が対向縦面材（９Ｅ，９Ｆ）と空気流間隔（ｄ３）を保って配置し、底辺（３Ｂ）から下方にドレンパイプ（３Ｄ）を介して排水する、請求項１乃至１０のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
12. 放熱体（１）の供給口（１Ｓ）及び排出口（１Ｒ）は、上側面材（９Ｕ，９Ｃ）から管体のみを露出垂下した往き側配管（８Ｓ）及び戻り側配管（８Ｒ）と接続金具（８Ｎ）で接続し、上側面材（９Ｕ，９Ｃ）下面に配置した化粧板（８Ｍ）で配管の被覆保温材（８Ｃ）、及び往き側配管（８Ｓ）と戻り側配管（８Ｒ）間の隙間（８Ｇ）を閉塞隠蔽した、請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の冷暖房システム。
13. 請求項１の発明に用いる結露受（６）であって、一側面が嵌合用の切欠（Ｏ６）を備えた円弧筒（６Ｒ）の弾性クリップ（６Ｃ）の、切欠（Ｏ６）の反対側面に、傾斜上昇する傾斜辺（６Ｄ）と、水平上辺（６Ｕ）とを備えた三角板（６Ｓ）を、上辺（６Ｕ）が円弧筒（６Ｒ）の上端面より小寸（ｄ６）突出し、且つ傾斜辺（６Ｄ）の下端が円弧筒（６Ｒ）の周面に集束する形態で一体化突設し、円弧筒（６Ｒ）の、上側周縁及び下側周縁に流水用の面取り（６Ｋ）を配置した結露受。

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