JP5861096B2 - 鏡装置 - Google Patents
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また、本発明においては、前記伝熱板を、前記温水管から離れるに従って前記鏡体との当接面積が大きくなるように前記突条を設けた構造としてもよい。
また、本発明においては、前記温水管を、前記鏡体の少なくとも左右方向略中央の裏面側において上下に延びるように設けてもよい。
また、本発明においては、前記鏡体を、上下に長尺に形成されたものとし、前記伝熱板を、前記鏡体の上下方向略中央部位よりも下側部位に設けてもよい。
なお、以下の実施形態では、設置された鏡装置に対面した状態を基準として上下方向等の方向を原則的に説明する。
本実施形態に係る鏡装置1は、図1及び図2に示すように、平板状の鏡体10と、この鏡体10の裏面12側に沿うようにして設けられた温水管13と、これら鏡体10と温水管13との間に設けられた伝熱板20と、を備えている。
この鏡装置1は、鏡体10の表面11に結露により曇りが生じ易い、例えば、住居等の建物内の浴室や洗面室等の水廻り空間に好適に設置される。本実施形態では、図2に示すように、浴室の壁面2に沿わせるように鏡装置1を設置した例を示している。また、本実施形態では、浴室の壁面2に突出するように設けられ、混合水栓金具6を有したカウンター3上に鏡装置1を設置した例を示している。
温水管13は、その一端部14が温水供給元4に接続される供給元側端部14とされている。温水供給元4としては、浴室外に設置されたガス給湯器や電気給湯器、ヒートポンプ給湯器、石油給湯器、太陽熱温水器等の給湯器(温水器)が挙げられる。また、温水管13の供給元側端部14を、このような給湯器に配管を介して直接的に接続するようにしてもよい。または、給湯器からの温水の供給先となる混合水栓や浴槽の供給口、シャワーヘッド等への配管を分岐させ、その分岐させた配管に温水管13の供給元側端部14を接続するようにしてもよい。
また、本実施形態では、この温水管13を、鏡体10の左右方向略中央の裏面12側において上下に延びるように設けている。図例では、鏡体10の裏面12側の下端部付近に温水管13の供給元側端部14を位置させた例を示している(図2参照)。また、この供給元側端部14から鏡体10の裏面12側の上下方向略中央部位よりも上側部位の上下方向中央部位付近まで上方に延びるように温水管13を設けた例を示している。また、この上側部位の上下方向中央部位付近において屈曲させるようにして鏡体10の一側端部(図例では正面視して左側端部)側に延在させ、この一側端部の裏面12側に供給先側端部15を位置させた例を示している。
また、図例では、略円筒形状とされた温水管13を示している。この温水管13の内径は、当該温水管13が設けられる鏡装置1自体の大きさや、温水管13の配設(配管)パターン等に応じて適宜、設定可能である。例えば、一般的な浴室に設置される大きさの鏡装置1とし、上記のような配設パターンとした場合には、温水管13の内径を、5mm〜20mm程度としてもよい。
なお、この温水管13は、架橋ポリエチレン管(チューブ)等の樹脂管や、鋼管、銅管等の金属管からなるものとしてもよく、熱伝導率が比較的に高い金属管からなるものとしてもよい。
この伝熱板20は、温水管13の温水流通方向(本実施形態では、上下方向)と略平行な方向に延びる複数本の突条22,23,24を表面側に有している。換言すれば、これら複数本の突条22,23,24によって伝熱板20の表面側には、複数本の凹溝が形成された構造となる。これら複数本の突条22,23,24は、その長手方向を温水管13の温水流通方向に沿わせるようにして互いに略平行に設けられ、また、伝熱板20の温水流通方向に沿う方向(上下方向)の全体に亘って設けられている。
また、本実施形態では、伝熱板20の突条22,23,24を、図1に示すように、鏡体10の厚さ方向で温水管13と重合しないように、温水管13の両側にそれぞれ複数本設けている。つまり、温水管13に最も近接した両側の突条22,22同士の間隔を、温水管13の径(図例では、外径)よりも大きくしている。図例では、温水管13の両側のそれぞれに、3本の突条22,23,24を設けており、伝熱板20の左右方向中心を対称軸としてこれらを左右対称状にそれぞれ設けている。
つまり、温水管13に最も近接した両側の第1突条22,22とその外方側に設けられた第2突条23,23との間の溝幅、及び第2突条23,23とその更に外方側に設けられた第3突条24,24との間の溝幅を、それぞれ略同寸法としている。また、第1突条22,22の幅寸法W1,W1よりもその外方側の第2突条23,23の幅寸法W2,W2を大きくし、第2突条23,23の幅寸法W2,W2よりもその外方側の第3突条24,24の幅寸法W3,W3を大きくしている。このような構成により、本実施形態では、伝熱板20と鏡体10との当接面積を、温水管13から離れるに従って大きくしている。これら各突条22,23,24の各幅寸法W1,W2,W3は、当該伝熱板20自体の大きさや、突条の本数等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。
なお、この伝熱板20は、アルミニウムや鋼材、銅等の熱伝導率が比較的に高い金属系材料から形成されたものとしてもよい。また、この伝熱板20の突条22,23,24や受部21が設けられた部位を除く厚さ寸法は、0.5mm〜3mm程度としてもよい。
また、本実施形態では、第1突条22,22及び受部21が設けられた部位を除いて、伝熱板20の厚さを概ね均一としている。つまり、第2突条23,23及び第3突条24,24が設けられた部位の裏面側を凹ませたような形状としている。このように突条が設けられた部位の裏面側を他の裏面よりも凹ませるようにすることで、当該伝熱板20の材料コスト及び熱容量を比較的に小さくすることができる。
固定部材16は、箔状またはフィルム状のテープ部材とされ、温水管13の裏面側及び伝熱板20の温水管13との当接部位近傍(受部21)を覆うように貼着されている。このような固定部材16によって温水管13を伝熱板20の裏面側に当接させるようにして固定する態様とすることで、温水管13を比較的に確実に固定でき、また、伝熱板20を効率的に昇温させることができる。つまり、例えば、温水管13と伝熱板20との間に粘着材や接着剤等を介在させて固定する態様と比べて、温水管13を伝熱板20の裏面(受部21)に直接的に当接させることができる。
本実施形態では、図3に示すように、断熱部材17を、鏡体10の裏面12側の全域に亘って設けずに、伝熱板20の裏面側及びこの伝熱板20が設けられた部位の温水管13の裏面側を覆うように設けている。なお、このような態様とした場合には、図3に示すように、断熱部材17によって覆われていない温水管13の外周に、保温材(断熱材)を被覆するようにして設けるようにしてもよい。また、このような態様に代えて、鏡体10の裏面12側の略全域に亘って断熱部材17を設けるようにしてもよい。
なお、この鏡ケース18は、アルミニウムや鋼材等の金属系材料から形成されたものとしてもよく、または、合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。また、このような薄型箱形状とされた鏡ケース18に代えて、比較的に厚さ寸法の大きい断熱性を有した材料から形成されたものとし、上記した断熱部材17を設けずに、鏡ケース18自体を断熱部材として機能させるようにしてもよい。
また、上記構成とされた鏡装置1は、鏡ケース18の裏面を浴室の壁面2に当接させ、接着剤やねじ等の止具によって浴室の壁面2に設置するようにしてもよい。
つまり、鏡体10の裏面12側に沿うようにして設けられ、かつ供給元側端部14が温水供給元4に接続される一方、供給先側端部15が温水供給先(シャワーヘッド)5に接続される温水管13を備えている。従って、この温水管13に温水を流通させることで、鏡体10を昇温させることができる。これにより、結露に起因する鏡体10の曇りを抑制したり、曇りを除去したりすることができる。
つまり、温水管13からの熱を平板状の鏡体10に効率的に伝熱するためには、温水管13と鏡体20との間に伝熱部材を設けることが好ましい。しかしながら、この場合には、鏡体10は、比較的に熱伝導率が低いため(熱容量が大きいため)、伝熱部材の温水管近傍部位以外の昇温に時間が掛かることが考えられる。鏡体10を表面域方向に沿って迅速にかつ均一に昇温させるためには、比較的に狭い間隔(ピッチ)で蛇行させた蛇行温水管を伝熱部材の裏面に沿わせて設けることも考えられるが、この場合には、蛇行温水管の材料コスト及び加工コストが増大化する傾向がある。
また、本実施形態では、伝熱板20を、温水管13から離れるに従って鏡体10との当接面積が大きくなるように突条22,23,24を設けた構造としている。従って、温水管13から遠くなるほど昇温され難くなる伝熱板20及び鏡体10をより効率的に表面域方向に沿って迅速にかつ均一に昇温させることができる。
また、本実施形態では、鏡体10を上下に長尺とし、伝熱板20を、鏡体10の上下方向略中央部位よりも下側部位に設けている。従って、上下に長尺とされた鏡体10の下側部位を比較的に迅速にかつ均一に昇温させることができる。これにより、例えば、浴室内に設置され、座位にて利用される場合が多い鏡装置1としてより好適なものとなる。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本例に係る鏡装置1Aは、伝熱板20Aの構成が上記した例とは主に異なる。
本例では、伝熱板20Aは、それぞれの幅寸法Wが略同寸法とされた複数本の突条25を、温水管13から離れるに従って密に設けている。つまり、温水管13の両側にそれぞれ設けられた隣り合う突条25,25同士の間隔(溝幅)を、温水管13から離れるに従って小さくしている。
また、これら温水管13の両側において、隣り合う突条25,25同士の間隔(溝幅)W4,W5,W6,W7,W8,W9を、伝熱板20Aの左右方向中心から外方側に向かうに従って順々に小さくしている。換言すれば、複数本の突条25間の複数本の凹溝を、隣り合う凹溝同士の溝幅が左右方向中心側よりも外方側が小さくなるように形成している。
このような構成によっても、伝熱板20Aと鏡体10との当接面積を、温水管13から離れるに従って大きくすることができる。
上記構成とされた本例に係る鏡装置1Aにおいても上記した鏡装置1と概ね同様の効果を奏する。
または、このように伝熱板20,20Aと鏡体10との当接面積を、温水管13から離れるに従って大きくする態様とせずに、それぞれの幅寸法が略同寸法とされた複数本の突条を、均等間隔(ピッチ)で設ける態様としてもよい。
また、上記した各例に係る鏡装置1,1Aにおいては、伝熱板20,20Aに、鏡体10の厚さ方向で温水管13と重合しないように温水管13の両側にそれぞれ複数本の突条22,23,24,25を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、温水管13の手前側に突条を設けるようにしてもよく、また、温水管13の一方側のみに複数本の突条を設けた態様としてもよい。
なお、上記した各例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本例に係る鏡装置1Bは、温水管13Aの構成が上記した各例とは主に異なる。
上記した各例では、伝熱板20,20Aの裏面側に、上下に延びる単一の温水管13を配置した態様としたが、本例では、伝熱板20Bの裏面側において温水管13Aを蛇行させるようにして上下に延びる部位を複数とした例を示している。図例では、温水管13Aを、二箇所で折り返し、伝熱板20Bの裏面側において上下に延びる部位を三箇所とした例を示している。また、温水管13Aの上下に延びる三箇所の部位のうち中央部位を、鏡体10の左右方向略中央の裏面12(図1等参照)側に位置するように設け、その両側部位を左右に均等配置した例を示している。
また、温水管13Aの材料コスト及び加工コストは上記した各例と比べて増大する傾向があるが、鏡体10をより効果的に迅速にかつ均一に昇温させることができる。
なお、本例において、伝熱板20Bと鏡体10との当接面積を、温水管13Aから離れるに従って大きくする場合には、温水管13Aの隣接する部位同士の中心に向かうに従って鏡体10との当接面積が大きくなるように突条を設けた構造としてもよい。
また、上記した例では、鏡装置1,1A,1Bを浴室の壁面2に設置した例を示しているが、洗面室の壁面や洗面台等のその他の水廻り空間に設置するようにしてもよい。
10 鏡体
12 裏面
13,13A 温水管
14 供給元側端部(一端部)
15 供給先側端部(他端部)
20,20A,20B 伝熱板
22 第1突条(突条)
23 第2突条(突条)
24 第3突条(突条)
25 突条
4 温水供給元
5 シャワーヘッド(温水供給先)
Claims (5)
- 平板状の鏡体と、
前記鏡体の裏面側に沿うようにして設けられ、かつ一端部が温水供給元に接続される一方、他端部が温水供給先に接続される温水管と、
前記温水管の温水流通方向と略平行な方向に延びる複数本の突条を表面側に有し、かつ該突条を前記鏡体の裏面に当接させる一方、裏面側を前記温水管に当接させた伝熱板と、
を備えており、
前記伝熱板の突条は、前記鏡体の厚さ方向で前記温水管と重合しないように設けられていることを特徴とする鏡装置。 - 請求項1において、
前記伝熱板の突条は、前記温水管の両側にそれぞれ複数本設けられていることを特徴とする鏡装置。 - 請求項2において、
前記伝熱板は、前記温水管から離れるに従って前記鏡体との当接面積が大きくなるように前記突条を設けた構造とされていることを特徴とする鏡装置。 - 請求項2または3において、
前記温水管は、前記鏡体の少なくとも左右方向略中央の裏面側において上下に延びるように設けられていることを特徴とする鏡装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記鏡体は、上下に長尺に形成されており、
前記伝熱板は、前記鏡体の上下方向略中央部位よりも下側部位に設けられていることを特徴とする鏡装置。
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