JP5164189B2 - 間仕切内埋設暖冷房システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物の間仕切壁内に放熱器を埋設配置した暖冷房システムに関するものであり、より詳しくは、木造又は鉄骨造又は鉄筋コンクリート造建物の壁下地の間仕切壁内に、プラスチック樹脂製の温冷水循環放熱器を吊下げ形態で配置すると共に、放熱器の下側には、ドレン機構を隠蔽配置したもので、放熱器によって、温水循環による室内暖房と、冷水循環による室内冷房を可能とした、暖冷房システムに関するものである。
従来、居室内の暖房手段として、壁面に放熱体を配置する手法は、各種提案、実施されている。
図8は、従来例1であり、特許文献1として挙げた本出願人の提案にかかる隠蔽温水暖房システムの説明図である。
即ち、図8(従来例1)の隠蔽温水暖房システムは、軽量鉄骨間仕切壁を構成するスタッド間に、アルミ板と嵌合溝を穿設した断熱材とを積層一体とした放熱パネルを配置し、可撓性のプラスチック樹脂性の温水パイプを、アルミ板面に当接形態で、断熱材の嵌合溝内に屈曲延展配置して、天井配置の、往き管を温水パイプの一端に、戻り管を温水パイプの他端に接続し、間仕切壁のアルミ板面の温水加熱によって、アルミ板面側の居室内を暖房するものである。
また、図9は、従来例2であって、特許文献2として挙げた壁面暖房システムである。
即ち、従来例2(図9)は、図に示す如く、調湿機能を有する火山灰シラスを主成分とする壁材に温水パイプを組込み、壁材の外面に、ホットメルト糊で、タイル、石膏ボード等を張着したパネルを、パネルの壁材面を壁室内面とし、パネル内の温水パイプに外部の温水器から温水を循環供給して、壁材面側の室内を温水暖房するものである。
また、図10は、従来例3であって、特許文献3として挙げたビルトインタイプ温水暖房システムである。
即ち、図10(従来例3)は、出窓の窓下コンクリート壁面に凹所を形成して、凹所壁面の前面に、断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し、背面側にフィンを有するパネルタイプの放熱器を配置し、且つ放熱器下方には、冷気導入用の斜板を配置し、温水パイプで放熱器に熱供給し、放熱器の前面の居室を暖房するものである。
また、従来例4として挙げた図11は、特許文献4として開示した本願出願人の提案に係る放熱器であって、壁内隠蔽は出来ないものであるが、全プラスチック樹脂製放熱部を採用したものである。
即ち、図11に示す放熱器は、プラスチック樹脂製の縦パイプ群を上下の大径緯パイプで連通した2枚の放熱パネルを重層形態で一体化して放熱部とし、該放熱部の上下、左右の四周に、上枠、側枠、下枠、上接合具及び下接合具で枠組みを付加して、熱効率及びデザイン性に優れた居室内配置タイプの放熱器である。
特開2006−170532号公報 特開2004−163051号公報 特開平11−108379号公報 特開2009−222297号公報
従来例1(図8)の隠蔽温水暖房システムは、間仕切壁内に収納出来、壁のアルミ板面側の居室に対する放熱暖房が実施出来るだけであり、しかも、放熱パネルは、両側の軽量鉄骨間仕切のスタッド(間柱)間(標準:455mm)を2ヵ所使用し、可撓性のプラスチック樹脂パイプを上下屈曲延展配置するもので、プラスチック樹脂パイプのフープストレスでの曲げ半径の限界の制約を受けるため、パイプ間隔は狭く出来ず、開示の8本配置が限度であり、放熱量が少ない。
そして、放熱量の増大を図って放熱パネル面を左右に増加すれば、家具配置の制約が大となる。
また、放熱パネルと壁仕上材とが面当接しているので、放熱パネルは、熱伝導により、軽量鉄骨間仕切及び壁仕上材に熱分散してからの輻射熱伝達となるため、熱効率が悪い。
また、温水パイプ内に冷房用の冷水を循環させれば、温水パイプの周面に結露が生じ、結露水は、断熱材及び壁仕上材に吸着し、放熱パネルを収納する間仕切内には、ダニ、カビの発生を来たす。
そして、放熱パネルを収納する間仕切内は、放熱パネルによって上下分断しているため、間仕切内は、ガラリによる室内空気の流入、流出効果が少なく、結露水を吸着した壁仕上材の乾燥効果が期待出来ない。
従って、従来例1(図8)の隠蔽型温水暖房システムでは、結露の発生を伴なう冷房運転は実施出来ない。
また、従来例2(図9)の温水暖房は、壁面暖房であるが、壁材面側の居室のみの暖房であり、しかも、温水パイプからの熱伝導によって、隣接する壁材、及びパネルを支持する、例えば、コンクリート壁、に熱が分散されるので熱効率が悪い。
また、温水パイプを封入している調湿機能を有する壁材が、温水パイプ内の高温水によってヒビ割れ等の加熱損傷を生ずる。
しかも、温水パイプを封入したパネルは重く、暖房壁面の連続形成は、施工面、コスト面で問題があり、仕上材も、輻射波の放射率の大な材料に限定される。
また、従来例3(図10)の温水暖房システムにあっては、放熱器の前面の居室のみの暖房が可能であり、しかも、放熱器がフィンを有する広幅のパネル式であるため、通常の金属製放熱パネルの配管同様に、金属製放熱器を、温水に含まれる酸素による腐蝕を抑えるために、温水パイプには酸素を透過させない高価な樹脂管、又は銅管を使用する必要があり、温水ボイラーにも、酸素の混入を防ぐ高価な密閉式の採用が必要となり、コスト面、管理面上の問題がある。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、適用居室が制約される。
そして、出窓床面に蓋部を設けて対流熱を上昇させるため、配置場所が限定され、放熱器を隠蔽するために、建物を構成する暖房装置以外の、躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生し、壁の両面の暖房に適用出来ないものである。
また、従来例4(図11)の放熱器は、放熱パネル自体は、全プラスチック樹脂製で、輻射熱放熱に優れたものであるが、居室内配置用に開発されたものであり、該放熱器は、間仕切内に隠蔽埋設出来ないものである。
本発明は、これら従来例の問題点を、一挙に解決、又は改善するものであって、間仕切壁内への、最適の収納の下に、結露対策をも備えた、且つ放熱量の極めて高い、暖冷房システムであって、従来の壁暖房システムの概念を一新する、新規で、意匠効果も期待出来る、実用性に富んだ暖冷房システムを提供するものである。
本発明の間仕切内埋設暖冷房システムは、例えば、図1に示す如く、木造、鉄骨造又は鉄筋コンクリート造建物の、壁下地の間仕切WAの間柱6B間の熱空間O内に、プラスチック樹脂製放熱器Heを収納した温冷水循環タイプの暖冷房システムであって、放熱器Heは、上下ヘッダー1間に縦パイプ2C群を密集並列連通した、第1放熱パネル101と、第2放熱パネル102とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側ヘッダー1からは供給口2Sを、他方の放熱パネルの上側ヘッダー1からは排出口2Rを突設したものであり、放熱器Heは、両側の間柱6Bと、間柱6B間に差渡した上側受桟6Kと、床材9A上に配置した収納台12の上板12U上面とで規定される熱空間O内で、上側ヘッダー1を、間柱6Bに固定した吊金具11によって、熱伝達抑制形態に支承し、下側ヘッダー1を、間柱6Bに固定したプラスチック樹脂製の保持具5によって、前後左右動を抑制して保持して、間仕切WAの熱空間O内に吊下げ形態で保持し、放熱器Heの下側には、熱空間Oの下面を規定する収納台12を配置して収納台12内にドレン機構Drを収納し、収納台12内部から熱空間O内への空気流通を抑制して、間仕切WA内から居室に対して放熱作用を付与するものである。
この場合、熱空間Oは、放熱器Heを収納して放熱器Heから放熱される空間であり、典型的には、間仕切WAの長さ方向両端を規定する左右間柱6Bと、左右間柱6B間に差渡した上桟6Kと、ドレン機構Drを収納した収納台12の上板12Uとで上下左右を区画規定する空間である。
そして、熱空間O内で発生した放熱器の熱エネルギーを有効に間仕切WAから居室に放出するために、熱空間Oを規定する内周面には、居室への熱放出面を除き、輻射波反射層8Dを配置するのが好ましく、典型的には、慣用のアルミ箔を張着しておく。
また、放熱器Heは、典型的には、図3に示す如く、ポリプロピレン、ランダム、コポリマー樹脂(PP−R樹脂)製で、上下長さh1が2000mm、左右幅L1が350mm、厚さW1が58.5mmの、縦長薄形状で、熱輻射波の吸収放射率が0.95の能力を備えたものであり、細くて長い縦パイプ2Cは剛体でないため、且つ熱伸縮するため、放熱器Heは吊下げ形態で保持することにより、熱伸縮に対応出来るのである。
そして、放熱器Heの吊下げ保持は、典型的には、図2に示す如く、熱空間Oの両側面を規定する間柱6Bに固定した吊金具11によって、上側ヘッダー主管2Aの下面を支承する。
また、放熱器Heの配置は、暖冷房対象の居室が、間仕切WAの片面の場合は、図1に示す如く、間仕切WAの一面のみを放熱面とし、間仕切WAの前後両室の場合は、間仕切WAの両面を放熱開放面とすれば良いが、典型的には、図1に示す如く、間仕切WAの中に収納して、片面は放熱阻止形態に内装材8Aで閉止する。
また、間仕切の熱空間O内に配置した放熱器Heは、露出形態として居室へ熱放出すれば、施工面、熱効率面で有利である。
また、放熱器Heを露出形態とする場合には、放熱器Heの、上側ヘッダー1から上部及び下側ヘッダー1を透視不能に隠蔽すれば、放熱器Heは、放熱面としての縦パイプ2C群のみが露見して、外見上は機能美を備え、且つ高い放熱効果を発揮する。
しかし、間仕切壁の目隠し機能を維持したい場合は、放熱器Heを収納した熱空間Oの一面又は両面を、輻射波の吸収反射率が0.9前後の各種プラスチック板、ビニールクロス張り石膏ボード、で目隠しすれば良く、典型的には、図1に示す如く、デザイン性、加工性に優れ、同厚のガラス板の200倍の強度を備えた5mm厚の不透明ポリカーボネート樹脂板で熱空間Oの片面(表面)を覆い、他面(裏面)は輻射波反射層8Dを備えた内装材8Aで覆うものであり、この場合、暖冷房システムは、表面が熱放出面となり、裏面が通常の間仕切壁の外観を呈し、施工性、メンテナンス性、インテリアデザイン性に優れた、実用性の高い暖冷房システムを提供する。
また、ドレン機構Drは、放熱器の、特に冷房時に、縦パイプ2C群の外周に発生した結露水を収集排出するもので、放熱器Heの、前後幅(標準:58.5mm)及び左右全長(標準:350mm)をカバーするドレンパン3Aを、水勾配を付与して収納台12内に配置し、排水の集まる一端位置からドレン管3Bを突出して、慣用の排水パイプと接続し、ドレンパン3Aの四周と収納台12の上面との隙間を空密閉止すれば良く、典型的には、図6(B),(C)に示す如く、収納台12の上板12Uには、前後幅が74mm、左右長さが390mmのドレン開口H12を配置し、ドレンパン3Aとして、断面半円形でドレン開口H12の下面をカバーする樋状体を採用し、収納台12内に立設固定した支持具15によってドレンパン3Aの両端を保持し、ドレン開口縁eHの下端とドレンパン3A上端四周とを空密閉止して、ドレン管3Bを慣用の排水管3Cと連通したものである。
従って、本発明の暖冷房システムは、放熱器Heが間仕切WAのスペースを有効に利用した配置であって、間仕切WA内から放熱作用を奏するため、間仕切WAに面した居室に対するスペース面での干渉を生ずること無く、居室を暖冷房出来る。
そして、放熱器Heが、プラスチック樹脂製の第1放熱パネル101と第2放熱パネル102の重層形態であり、プラスチック樹脂は熱輻射波の吸収放射率(標準:0.95)が高いため、放熱器Heに、温水又は冷水を供給循環させることにより、間仕切WAから居室に、熱輻射波を有効に放射し、人体に心地良い暖冷房作用を居室の全スペースに亘って提供する。
また、放熱器Heが輻射波放熱器であるため、放熱器Heを収納した熱空間Oの放熱面に、熱輻射波の吸収放射率の高い(0.9前後)各種プラスチック板、ビニールクロス張り石膏ボード、ガラス板等を需要者の好みに応じて選択配置することにより、仕切壁機能と共に、インテリアデザイン効果を備えた暖冷房システムが提供出来る。
そして、熱空間Oの下面を規定する収納台12がドレン機構Drを収納しているため、居室内からは見苦しいドレン機構Drの露見が避けられ、暖冷房システムは居室に適合した外観を呈する。
しかも、ドレン機構を収納した収納台12内から熱空間Oへの空気流通を抑制したため、ドレン機構Drによる熱空間O内の熱エネルギー損失が抑制出来ると共に、ドレン機構Drから熱空間Oへの放湿作用も抑制出来る。
そのため、本発明の暖冷房システムは、放熱器Heも、ドレン機構Drも間仕切WA内埋設形態でありながら、冷房作用による結露に対応出来、カビやダニの発生を抑制する衛生的な暖冷房システムとなる。
また、本発明の埋設暖冷房システムにあっては、放熱器Heは、図1に示す如く、両側の間柱6Bと、間柱6B間に差渡した上下受桟6Kと、床材9A上に配置した収納台12上面とで規定される熱空間O内で、上側ヘッダー1を、間柱6Bに固定した吊金具11によって、熱伝達抑制形態に支承し、下側ヘッダー1を、間柱6Bに固定したプラスチック樹脂製の保持具5によって、前後左右動を抑制して保持する点も必須の構成要件としている。
この場合、吊金具11は、左右両側の間柱6Bに取付けて、上側ヘッダー1の左右両端を支承すれば良く、吊金具11のヘッダー1との当接面に慣用の断熱シートを介在すれば良いが、典型的には、吊金具11は、図4(A),(B)に示す如く、間柱6Bに固定するためのねじ孔H11を備えた、幅W11が69mmで高さh11が50mmの垂直辺11Fと、垂直辺11Fの下端から側方へ突出した、垂直辺と同幅の水平辺11Bとから成り、水平辺11Bは、第1放熱パネル及び第2放熱パネルの2本のヘッダー主管2A支承用の、突出長L11が70mmの底辺11D、及び両側の曲面側辺11Sを備え、且つ底辺11Dの幅中央に、第1放熱パネル及び第2放熱パネルの継手枝管2Bの入り込む、幅が44mmで深さが45mmの切欠11Gを備えた鋼板製であって、垂直辺11Fの内面及び水平辺11Bの上面に、慣用の断熱シート11Mを貼着したものである。
また、保持具5は、左右両側の間柱6Bに取付けて、下側ヘッダー1の左右両端を、前後方向の振れ及び左右方向の振れが抑制出来れば良く、典型的には、図5(C)に示す如く、プラスチック製で、ねじ孔H5を備えた一辺W5が40mmの垂直板5Fの中央から、第1放熱パネルと第2放熱パネルの継手枝管2B間に嵌入する、長さ50mm、太さ13mmのパイプ片5Pを突出し、パイプ片5Pの外周に、フランジ円板5Rを備えたスリーブ突起5Eを摺動自在に嵌合し、パイプ片5Pを第1放熱パネルの継手枝管2Bと第2放熱パネルの継手枝管2B間に挿入して、放熱器He下端の、前後揺動を阻止し、且つフランジ円板5Rを継手枝管2Bの側面に当接し、フランジ円板5Rと一体のスリーブ突起5Eをパイプ片5Pに固定して、フランジ円板5Rで左右動を阻止するものである。
従って、熱伸縮する細くて、長い縦パイプ2C群を備えた放熱器Heは、吊金具11によって、吊下げ形態の保持となって、熱伸縮変位に対応出来、放熱器Heの下端も、保持具5によって、前後揺動及び左右動が規制されるため、狭い前後幅W6(標準:105mm)の間仕切WA内への、上下長さh1(標準:2000mm)の長くて前後変位し易い放熱器Heの収納が、支障無く収納出来る。
しかも、吊金具11は、放熱器Heを断熱シートで熱伝達抑制形態で保持するため、吊金具11に結露の発生は無く、保持具5も全プラスチック樹脂製であるため結露の発生は無く、熱空間O内での結露の発生は、対応するドレン機構Drを備えた放熱器Heのみとなり、収納熱空間O内では、湿潤によるカビやダニの発生も抑制出来る。
また、吊金具11は、図4に示す如く、間柱6Bに固定するためのねじ孔H11を備えた垂直辺11Fの下端から側方へ水平辺11Bを突出し、水平辺11Bは、両側に曲面側辺11Sを、底辺11Dに先端からの切欠11Gを備えると共に、内周面を断熱シート11Mで、外周面を断熱被覆層11M´で被覆するのが好ましい。
この場合、内周面、即ちヘッダー主管2A支承面の断熱シート11Mとしては、慣用の断熱シート11Mを張着すれば良く、外周面の断熱被覆層11M´としては、慣用の発泡ウレタンを吹付け塗布すれば良い。
また、水平辺11Bの両側の曲面側辺11Sは、第1放熱パネル101のヘッダー主管2Aと第2放熱パネル102のヘッダー主管2Aとを両側から抱き込む作用を奏し、底辺の切欠11Gは、図4(A)に示す如く、継手枝管2Bを嵌入させるためであり、吊金具11は、典型的には、図4(B)に示す如く、肉厚2.3mmの鋼板製で、ねじ孔H11を備えた高さh11が50mm、幅W11が69mmの垂直辺11Fから、長さL11が70mmの断面樋形状の水平辺11Bを一体化突出し、水平辺11Bの底辺には先端から幅44mm、深さ45mmの切欠11Gを形成したものである。
従って、熱空間Oを規定する両側の間柱6Bの対向内面に、図4(A)に示す如く、吊金具11をねじ11Nで固定すれば、放熱器Heの左右両端は、ヘッダー主管2Aの下面及び外側面が水平辺11Bで支承出来、且つヘッダー継手枝管2Bが切欠11Gに入り込むために放熱器Heの左右方向の位置誤差にも対応出来て、ヘッダー主管2Aは十分な支承長さで安定支承出来る。
そして、水平辺11Bの、内周面の断熱シート11Mがヘッダー主管2Aから吊金具11への熱伝達を抑制し、外周面の断熱被覆層11M´が、熱空間O内の冷気による吊金具11への結露発生を抑制するため、暖冷房システム稼働中の吊金具11での結露発生及び結露水落下が抑制出来、ドレン機構Drは、放熱器Heからの結露水対応のみで良くなる。
また、プラスチック製の保持具5は、図5(C)に示す如く、間柱6Bに固定するためのねじ孔H5を備えた垂直板5Fから、調節止着用のねじ孔Hn群を備えたパイプ片5Pを側方へ突出し、先端にフランジ円板5Rを備え、且つ長手方向中間部にねじ孔Heを備えたスリーブ突起5Eをパイプ片5Pに嵌合して、スリーブ突起5Eをパイプ片5Pに調節固定するものが好ましい。
この場合、パイプ片5Pは放熱器He下端の、第1放熱パネル101の継手枝管2Bと第2放熱パネル102の継手枝管2B間に挿入して継手枝管2Bの部位での放熱器Heの前後揺動を阻止するものであり、フランジ円板5Rは、第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102の外側枝管2Bに外側から当接して放熱器He下端の左右動を阻止するものであり、典型的には、図5(C)に示す如く、垂直板5Fは、一辺40mm、肉厚3mmで、四隅にねじ孔H5を備えた正方形板であり、パイプ片5Pは、外径13mm、長さ50mmで、内部に発泡ウレタン5M´を充填し、且つ長手方向中間部にねじ孔Hn群を備えたものであり、スリーブ突起5Eは、先端に外径32mmのフランジ円板5Rを備えた、長さ20mmで、長さ方向中間にねじ孔Heを備えたものである。
従って、図5(A)に示す如く、放熱器Heの下側の第1放熱パネル101のヘッダー枝管2Bと第2放熱パネル102のヘッダー枝管2Bとの間にパイプ片5Pを挿入した形態で、垂直板5Fを熱空間Oの両側の間柱6B内面に固定し、フランジ円板5Rをヘッダー枝管2Bの外面に当接した位置で、スリーブ突起5Eのねじ孔Heとパイプ片5Pねじ孔Hnとを整合して、プラスチック釘5N(図5(C)参照)を打込めば、フランジ円板5Rは放熱器He下端の左右動を阻止し、パイプ片5Pは放熱器Heの前後揺動を阻止する。
この場合、フランジ円板5Rがヘッダー主管2Aと上下隙間を保つ形態に保持具5を配置すれば、放熱器Heの上下熱伸縮変位の吸収も可能となる。
また、本発明の暖冷房システムにあっては、ドレン機構Drは、図2に示す如く、ドレン管3Bを備えたドレンパン3Aを、下側受桟6K上に立設固定した支持具15によって、垂直前板12Fと上板12Uを備えた収納台12内で、放熱器He下端面と空気流通間隔S1を保って支持して、ドレン管3Bを排水管3Cと連通すると共に、ドレンパン3Aを収納台上板12Uのドレン開口H12に当接して、ドレンパン3Aの四周を収納台上板12Uと空密閉止するのが好ましい。
この場合、収納台12は、垂直前板12Fが内部のドレン機構Dr、即ちドレンパン3Aと排水設備、を目隠しすると共に、上板12Uの支持脚の機能を奏すれば良く、上板12Uが放熱器Heからの結露水をドレンパン3Aに落下させるドレン開口H12を備えておれば良く、図1の実施例に示す、間仕切壁の片面放熱タイプにあっては、収納台12は、典型的には、上板12U前縁12fが間柱6B前面より20mm(d12)突出する形態となる、長さ410mm、幅(奥行き)125mm、厚さ15mmのランバーコア板上板12Uと、上板12Uの前縁12fから上板12Uと同長で、目隠し兼、支持脚の機能を奏する高さh12が125mm、厚さ15mmで両端には内方への幅20mmの折曲辺cbを備えたランバーコア板の垂直前板12Fとで組立てた断面アングル形態物である。
尚、暖冷房システムが間仕切WAから両面、即ち表裏、の居室に放熱するタイプにあっては、間仕切WAの表裏両面を同一構造とし、収納台12も、ドレン開口H12を備えた上板2Uの前後側縁から表裏、即ち前後に垂直前板12Fを備えた形態とすれば良く、或いは、図1の実施例に於いて、収納台12は同一構造の下に、裏面の内装材8Aのみを、上下で熱空間Oへの空気流出可能の構造の下に、輻射熱吸収放射層とすれば、ドレン機構Drを備えた表裏両面放熱タイプとなる。
また、ドレンパン3A、保持具5、排水管3Cを含むドレン機構Drを支承する受桟6Kは、図2に示す如く、予め排水管3Cの貫通孔H6´を穿孔して、間仕切WAの間柱6B間に、床材9Aと同一レベルで差渡し配置しておけば良い。
そして、支持具15は、ドレンパン3Aの長手方向両端で支持脚機能を発揮すれば良く、典型的には、図5(B)に示す如く、受桟6Kとねじ固定するためのねじ孔H15を備えた底板15Dの両側に支持垂直辺15Fを備え、垂直辺15Fの上端に、ドレンパン上端当接縁3R嵌着用の嵌合片15Cを備えた、前後長さW15が77mm、左右幅L15が20mm、高さh15が121mmの断面U字形状で、厚さ1.6mmの鋼板片である。
また、空気流通間隔S1は、典型的には55mmである。
従って、本発明の間仕切内埋設暖冷房システムにあっては、放熱器He下側の、ドレンパン3Aの支持構造、ドレンパン3Aと排水管3Cとの接続構造等の見苦しいドレン機構Drが収納台12内に収納されて、外見上は収納台12の垂直前板12Fのみの露出となり、垂直前板12Fの意匠性と相俟って、外観上、優れた暖冷房システムを提供し、機能上も、収納台12内からの熱空間O内への空気流通の遮断により、放熱器Heからの放熱エネルギー損失が抑制出来、空気流通間隔S1(標準:55mm)を介したドレンパン3A上面の空気流通によって熱空間O内の湿潤が抑制出来るため、ダニやカビの発生も抑制出来、外観も優れた、高効率暖冷房システムを提供する。
また、図2に示す如く、ドレンパン3Aは、一端下面にドレン管3Bを備えた断面半円形態の樋3Sの両端を、上端に当接縁3Kを備えたエンドキャップ3Eで閉止し、ドレンパン3Aの上端四周の当接縁3Rを収納台上板12Uのドレン開口縁eH下面とシーリング3Dで空密閉止し、ドレンパン3Aの外周面には断熱被覆層3M´を付与すると共に、ドレン管3Bと排水管3Cとの接続部を保温材NCで被覆するのが好ましい。
この場合、ドレンパン3Aには、ドレンをドレン管3Bに集中するための水勾配を付与する必要があるが、ドレンパン3Aの本体は樋3Sであって、水が滑らかに流れるため水勾配は1/100で十分であり、ドレンパン3Aは、長さが標準390mmであるため、左右勾配高さは実質4mmで良く、水勾配1/100のドレンパン上端の当接縁3Rと、上板12Uのドレン開口縁eH下面との空密閉止は、慣用のシーリング3Dで達成出来る。
また、ドレンパン3A外周面の断熱被覆層3M´は、慣用の発泡ウレタン吹付け塗布で形成すれば良い。
尚、ドレン管3Bは小径(標準内径:13mm)であるため、熱空間O内への居室からの空気流通に対して、ドレン管3Bから熱空間Oへの空気流通は、実質上無視出来る。
従って、本体が樋3Sのドレンパン3Aは、エンドキャップ3Eを備えたことにより、補強されると共に、樋3Sの当接縁3Rとエンドキャップ3Eの当接縁3Kでの、上端の四周の当接縁3R,3Kによって、上板12U下面へのシーリング3Dの充填作業が容易となる。
そして、ドレンパン3A本体が樋3Sであるため、ドレンの流れが滑らかとなり、最小限の水勾配(標準:1/100)での配置が可能となって、ドレン開口H12の下面、即ちドレン開口縁eH下面への空密閉止も、慣用のシーリング手段で可能となる。
しかも、ドレン管3B接続部の保温材NCとドレンパン3A外周面の断熱被覆層3M´がドレン機構Dr部での結露発生、及び熱空間O内への熱伝達を抑制し、ドレン機構Drは、間仕切WA内配置でありながら、熱空間O及び居室に対する放湿及び熱伝達の無い、即ち、暖冷房作用に悪影響を及ぼさないものとなり、メンテナンス不要で、外観を損なわないドレン機構Drを提供する。
また、本発明の暖冷房システムにあっては、図1に示す如く、間仕切WAの間柱6B間の熱空間Oの前面は、熱輻射波の吸収放射率が0.9以上の不透明化粧板8Eで、周縁部からの空気流出入可能に、且つ、透視不能に覆うのが好ましい。
この場合、熱輻射波の吸収放射率が0.9以上の不透明化粧板8Eとしては、各種不透明プラスチック板、ビニールクロス張り石膏ボード、不透明ガラス板等が採用可能であり、典型的には、デザイン性、加工性に優れ、且つ同厚のガラス板の200倍の強度を備えた5mm厚の不透明ポリカーボネート樹脂板である。
化粧板8Eの配置は、化粧板8Eの上下端及び左右端が熱空間O内への空気の流出、流入を許容する形態で、且つ熱空間O内の暖冷房システムを目隠しすれば良く、仕切壁内装材8A面より空気流出入間隔d8だけ張出し状に配置すれば良く、典型的には、図1に示す如く、化粧板8Eは、上端が上側受桟6Kの上面と面一で、下端が収納台上板12U上面より寸法d8´(標準:30mm)上方のレベルであり、左右端が間柱6Bの外側面と面一であり、内装材8Aの表面より寸法d8(標準:20mm)だけ居室内に張出した形態で、ボルトb8と化粧ナットn8により、間柱6Bに、着脱自在に取付ける。
そのため、室内者の目線からは、熱空間O内の暖冷房システムの存在が隠蔽出来、内装材8A面からの張出し寸法d8(標準:20mm)が化粧板8Eの周縁から熱空間Oと居室との空気の流入、流出を許容する。
この場合、化粧板8Eは、左右縁が間柱6Bの外側面と面一であるため、斜め方向からの目線でも、熱空間O内は目視出来ないし、下端縁は、収納台上板12Uと間隔d8´(標準:30mm)上方であるが、収納台12の垂直前板12Fがドレン機構Drを目隠しするため、室内者の通常の目線では、収納台上板12Uと化粧板8E下端との間隔d8´から熱空間Oの内部の見苦しい部分は見えない。
また、この場合、化粧板8Eの配置は、典型的には、図1に示す如く、間仕切WAの熱空間Oの前面を覆い、後面は通常の内装材8Aで覆うため、熱空間Oの表面、即ち前側の居室面は、単に、意匠効果を備えた化粧板8Eと収納台の垂直前板12Fのみが目視出来る機能美を呈し、裏面は、通常の間仕切壁面となり、間仕切壁の裏面側からは暖冷房システムの存在が感知出来ない形態での間仕切壁WA内埋設暖冷房システムの構築が出来、間仕切壁WAの表面側では、デザイン性、メンテナンス性を備えた、人体に優しい輻射暖冷房システムを提供する。
また、本発明の暖冷房システムにあっては、図2に示す如く、放熱器Heの供給口2S及び排出口2Rは、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rと、熱空間O内で、接続金具2Nで接続して、接続金具2N、サプライ管S及びリターン管Rを保温材NCで被覆するのが好ましい。
この場合、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rは、図2に示す如く、熱空間Oの上面を規定する上側受桟6Kのパイプ貫通用孔H6から垂下延出すれば良い。
尚、サプライ管S及びリターン管Rは、熱空間Oの外側、即ち上側受桟6Kの上方にあっても保温材NCで被覆するのが好ましい。
従って、熱空間O内では、接続金具2N、サプライ管S及びリターン管Rでの結露の発生が無く、放熱器Heの配管接続部位のメンテナンスも容易となり、天井配管と接続した放熱器Heは、温冷水循環型でありながら空気溜りも防止出来て、室内での空気抜きメンテナンスも不要となる。
本発明の暖冷房システムは、全プラスチック製の第1放熱パネル101と第2放熱パネル102とを重層一体化した放熱器Heを採用して、間仕切WAの間柱6B間の空間O内に埋設するため、間仕切WAに面する居室のスペースに干渉せずに、間仕切WAに面する居室への、放熱量の大きな暖冷房が提供出来る。
そして、熱伸縮する細くて、長い縦パイプ2C群を備えた放熱器Heは、吊金具11によって、吊下げ形態の保持となって、熱伸縮変位に対応出来、放熱器Heの下端も、保持具5によって、前後揺動及び左右動が規制されるため、狭い前後幅W6(標準:105mm)の間仕切WA内への、上下長さh1(標準:2000mm)の長くて前後変位し易い放熱器Heの収納が、支障無く収納出来る
しかも、吊金具11は、放熱器Heを断熱シートで熱伝達抑制形態で保持するため、吊金具11に結露の発生は無く、保持具5も全プラスチック樹脂製であるため結露の発生は無く、熱空間O内での結露の発生は、対応するドレン機構Drを備えた放熱器Heのみとなり、収納熱空間O内では、湿潤によるカビやダニの発生も抑制出来る
そして、間仕切WAは、前後幅W6(標準:105mm)が狭いが、上下高さが天井面から床面まで十分な高さCh(標準:2400mm)であるため、放熱器Heは、十分な長さh1(標準:2000mm)が採用出来、従来の壁暖房システムからは想像出来ない高発熱量の壁暖冷房システムを提供する。
また、放熱器Heは、全プラスチック樹脂製であって、プラスチック樹脂は熱線輻射波の吸収放射率が高い(標準:0.95)ため、本発明の暖冷房システムの放熱作用は、輻射放熱作用を主(標準:70%強)とし、対流放熱作用を従とする輻射熱暖冷房となるため、人体に不快感を与える強制空気対流の存在しない、静かで、居室内に均斉に放射暖冷房出来る、穏やかで、人体に優しい暖冷房を間仕切WAから提供する。
また、熱空間Oの下面を規定する収納台12がドレン機構Drを収納しているため、居室内からは、見苦しいドレンパン3Aや、ドレン管3B、排水管3C等のドレン配管の露見が避けられ、暖冷房システムは居室内での外観を損なわない。
しかも、ドレン機構Drを収納した収納台12内から熱空間Oへの空気流通を抑制しているため、ドレン機構Drから熱空間Oへの放湿作用が抑制出来る。
そのため、本発明の暖冷房システムは、外見上の見苦しいドレン機構Drを隠蔽した間仕切WA内埋設形態でありながら、冷房作用による結露に対応出来、カビやダニの発生を抑制する衛生的な暖冷房システムとなる。
また、放熱器Heは、供給口2S及び排出口2Rが上側ヘッダー1上に存在するため、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rとの接続と出来、放熱パネルHe内の循環温冷水経路に空気溜りの発生は無くて、放熱パネルHeの、室内での空気抜きメンテナンスから開放される。
また、本発明の暖冷房システムは、放熱器Heが輻射波放熱器として放熱作用するため、放熱器Heの前面、及び/又は、後面に、熱輻射波の吸収放射率(標準:0.9)が高い、プラスチック板、ビニールクロス張り石膏ボード等の化粧板8Eを需要者の好みに応じ選択適用することにより、インテリアデザイン効果を備えた暖冷房システムとなる。
本発明実施例の説明図であって、(A)は縦断側面図、(B)は横断面図である。 本発明実施例の拡大縦断面図である。 放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は裏面図である。 放熱器の保持手段の説明図であって、(A)は放熱器Heを吊金具11で保持した状態の側面図、(B)は吊金具11の斜視図である。 本発明実施例の部分説明図であって、(A)は放熱器He下部からドレン機構に亘る側面図、(B)はドレンパン支持具15の斜視図、(C)は放熱器Heの下端に適用する保持具5の分解斜視図である。 本発明実施例の部分説明図であって、(A)はドレンパン3Aの分解斜視図、(B)は収納台12の一端上面図、(C)は収納台12の一端斜視図である。 熱空間O内部隠蔽手段の説明図で、(A)は上下に化粧幕板を採用した部分横断面図、(B)は(A)の上部縦断面図、(C)は上下に有孔化粧幕板を採用した部分横断面図、(D)は(C)の上部縦断面図、(E)は格子を採用した部分横断面図、(F)は(E)の上部縦断側面図である。 従来例1の説明図であって、(A)は正面図、(B)は縦断側面図、(C)は横断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は正面図、(B)は要部縦断面図である。 従来例3の説明図であって、(A)は正面斜視図、(B)は要部縦断側面図である。 従来例4の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は放熱部の部分拡大平面図、(C)は放熱部の斜視図である。
〔放熱器He(図3)〕
図3は、放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は正面用、即ち第1放熱パネル101側から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は裏面用、即ち第2放熱パネル102側から見た正面図である。
放熱器Heは、長辺が105mm、短辺が45mmの間柱6Bの中心間隔L6が455mmの間仕切間隔に配置するものとして準備する。
放熱器Heの全体形状は、図3に示す如く、高さ(上下長さ)h1が2000mm、幅(左右長さ)L1が350mm、前後厚さW1が58.5mmで、上側主管2Aと下側主管2Aとの間に、多数の細い縦パイプ2C群を、差渡し状に、密集並列連通した、使用全パイプがプラスチック樹脂製パイプから成る第1放熱パネル101と、第1放熱パネルと同一構造の第2放熱パネル102とを、前後に、第1放熱パネル101の主管2Aと第2放熱パネル102の主管2Aとを対向間隔gs(4.5mm)を保って、一体化したものである。
放熱器Heの製作は、ヘッダー1として、ポリプロピレン、ランダム、コポリマー樹脂(PP−R樹脂)を用いて、外径dAが27mm、肉厚5mm、長さL1が350mmの主管2Aに、主管2Aと直交する外径17mm、肉厚3.6mm、長さ30mmの継手枝管2B群を、中心間距離20mmで突出した形態に射出成形で準備し、縦パイプ2CとしてPP−R樹脂の押出成形で、外径(dC)13mm、肉厚1.6mmの縦パイプ材を成形して、定寸に切断準備する。
そして、各縦パイプ2C群を、上側ヘッダー1の継手枝管2Bと下側ヘッダー1の継手枝管2Bに融着接合して、上側ヘッダー1の主管2A上端面から下側ヘッダー1の主管2Aの下端面までの寸法h1、即ち放熱器Heの高さh1が2000mmの、同一構造の第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102を準備する。
また、放熱パネルは、図3(B)に示す如く、上側主管2Aの左右端、下側主管2Aの左右端には閉止板2Fを配置し、上側主管2Aには、一端から上方へ、縦パイプ2C材を切断したパイプ片を供給口2S又は排出口2Rとして連通突出し、上側主管2Aの他端では、左端の縦パイプ2Cと左から2番目の縦パイプ2Cの連通を遮断する仕切板2Pを配置する。
そして、2枚の放熱パネルを、供給、排出口2S(2R)を同一位置に重ねて、上下の主管2A相互の間隔gs(4.5mm)を保って、2枚の放熱パネルを、供給排出口2S,2Rの反対側の上側主管2A端間のみを連通パイプ2Dで接続し、他の3隅の主管2A端間はスペーサーパイプ2Eで連結すれば、2枚重ねで、第1放熱パネル101の冷温水供給口2Sと第2放熱パネル102の冷温水排出口2Rとが同一位置で前後関係を保つ放熱器Heが得られる。
得られた放熱器Heは、図3に示す如く、各縦パイプ2C間の隙間の間隔は7mmで、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102との、縦パイプ2C群間の対向間隔gpが18.5mm、高さh1が2000mm、幅W1が58.5mmの全プラスチック樹脂製放熱器Heとなる。
そして、PP−R樹脂製の縦パイプ2C群は、人体に良いとされる3μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均:0.95)で放射するため、輻射熱放熱器となる。
そして、第1放熱パネル101の、一端の供給口2Sから温水又は冷水の下降流f1を注入すれば、第1放熱パネル上側主管2A内横流f2→縦パイプ下降流f3→下側主管2A内横流f4→他端縦パイプ上昇流f5→第1放熱パネル101から第2放熱パネル102への連通パイプ2D内連通流f6→第2放熱パネル102の他端縦パイプ2C内の下降流f7→下側主管2A内横流f8→縦パイプ2C内の上昇流f9→上側主管2A内横流f10→一端の排出口2Rからの上昇流f11、の経路で、第1放熱パネル101の供給口2Sから、2枚のパネル縦パイプ2C群を全て通過して第2放熱パネル102の排出口2Rに流出するものとなり、各縦パイプ2C群によって、第1放熱パネル及び第2放熱パネルから、面均斉な放熱作用を奏する放熱器Heとなる。
〔熱空間O(図1〕〕
熱空間Oは、図1に示す如く、間仕切WA内の放熱器Heを収納する空間であって、左右間寸法は、中心間寸法L6が455mmで配置した両側の、間柱6Bの対向内面が規定し、上下間寸法は、左右間柱6B間に差渡し配置した、上側受桟6Kの下面と、床材9A上に配置した収納台12の上板12Uの上面とで規定された空間Oであって、前後幅は、間柱6Bの幅W6(標準:105mm)で規定されている。
そして、熱空間Oを規定している間柱6Bの内面、上側受桟6Kの下面及び隣室との境界となる内装材8Aの内面には、慣用のアルミ箔を貼着して、輻射波反射層8Dとし、間柱6Bの前面には、図1に示す如く、化粧ナットn8螺着用のボルトb8を埋設配置し、上側受桟6Kには、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rを垂下させるための貫通孔H6を穿設し、収納台上板12Uには、ドレンパン3Aを露出するためのドレン開口H12を配置しておく。
〔吊金具11(図4(A),(B))〕
吊金具11は、熱空間Oを規定する両側の間柱6Bの対向内面に固定して、放熱器Heの左右両端を吊下げ形態で保持する金具であって、図4(A)は吊金具11が放熱器Heを保持した状態の右側部分の側面図であり、図4(B)は吊金具11の全体斜視図である。
吊金具11は、肉厚2.3mmの鋼板製で、図4(B)に示す如く、幅W11が69mm、高さh11が50mm、長さL11が70mmで、ねじ挿入用孔H11を備えた固定用垂直辺11Fの下端から、底辺11Dの両側に曲面側辺11Sを備えた支承用水平辺11Bを突設し、水平辺11Bの底辺11Dには、先端から幅44mm、深さ45mmのヘッダー嵌合用切欠11Gを形成し、垂直辺11F及び水平辺11Bの内面には慣用の断熱シート11Mを層着し、水平辺11Bの底辺11Dから曲面側辺11Sに亘る外表面には、慣用の発泡ウレタンを吹付け塗布したものである。
〔保持具5(図5(A),(C))〕
保持具5は、間柱6B内面下方に固定して放熱器Heの下端両側に嵌合し、放熱器Heの下端の、前後左右動及び浮き上りを阻止するものであって、図5(A)は放熱器Heに保持具5を嵌合した状態の側面図であり、図5(C)は保持具5の分解斜視図である。
即ち、保持具5は、全プラスチック樹脂製であって、図5(C)に示す如く、間柱6Bへの取付用のねじ孔H5を備えた、一辺が40mm(W5)で肉厚3mmの垂直板5Fの中央から、外径13mm、長さL5が50mmのパイプ片5Pを突設して、パイプ片5P内には発泡ウレタン5M´を充填して、パイプ片5Pの長さ方向中間部には複数の調節用ねじ孔Hnを配置しておき、パイプ片5Pの外周には、外径が32mmのフランジ状の円板5Rを前端に備えた長さ15mmのスリーブ突起5Eを摺動自在に嵌合し、スリーブ突起5Eにはねじ孔Heを配置して、スリーブ突起5Eを、適宜位置で、プラスチック製釘5Nによってパイプ片5Pに固定可能としたものである。
〔ドレンパン3A及び支持具15(図5(A),(B)、図6(A))〕
ドレンパン3Aは、下側受桟6K上に立設固定した支持具15によって、放熱器Heの下方の収納台12内に埋設形態で保持し、放熱器Heの周面に発生した結露水を受けて、慣用の排水管3Cで排除するものであり、図5(A)は、ドレンパン3Aを支持具15で支持したドレン機構Dr部の一側端の側面図、図5(B)は支持具15の斜視図、図6(A)はドレンパン3Aの一側端部の分解斜視図である。
ドレンパン3Aは、図6(A)に示す如く、肉厚1.2mmの塩化ビニル樹脂製で、内径75mmの断面半円形の樋3Sの両端にエンドキャップ3Eを嵌合閉止したもので、エンドキャップ3Eは、曲面辺3S´と端面からの突出片3Pとで形成した嵌合溝3Gと、両側上端の当接縁3Kとを備え、本体樋3Sの、端縁が嵌合溝3Gに、上端当接縁3Rが当接縁3Kと嵌合して、樋3Sと接着一体化して、樋3Sの端面を閉止したものである。
そして、樋3Sの一側端底部からは、外径18mm、肉厚2.5mm、長さ30mmのドレン管3Bを溶着突設し、ドレンパン3Aの外表面には、慣用の発泡ウレタン3M´を吹付け塗布したものである。
また、ドレンパン3Aを支承保持するための支持具15は、図5(B)に示す如く、肉厚1.6mmの鋼板製で、幅W15が77mm、高さh15が121mm、長さ(辺幅)L15が20mmであって、底板15Dの両側に立設垂直辺15Sを備えたコ字状体であり、底板15Dには取付用のねじ孔H15を穿設したもので、垂直辺の上端には、エンドキャップ3Eの曲面当接縁3Kを弾撥把持する嵌合片15Cを備えたものである。
〔収納台12(図6(B),(C)〕
収納台12は、間仕切WAの左右の間柱6B間の床材9A上に配置し、ドレンパン3Aを含むドレン機構Drを内部に隠蔽収納するものであって、図6(B)は一側端の上面図、図6(C)は一側端の斜視図である。
図1に示す如く、収納台12は、放熱器He収納熱空間Oの下面を規定するものであり、図6(B),(C)に示す如く、ドレン開口H12を備えた上板12Uと垂直前板12Fとを断面アングル形態に一体化したものであり、長さLuが410mm、幅(奥行き)Wuが125mm、厚さ15mmのランバーコア板(小角材の表裏に合板を張着した板材)の上板12Uに、上板12Uと同長で、高さhfが125mm、厚さ15mmで、両端には、内方への幅20mmの折曲辺Cbを備えたランバーコア板の垂直前板12Fを、上板前縁12fの下面に一体化固着し、上板12Uには、周縁部を残して、幅74mm、長さ390mmの、放熱器Heの下面をカバーする、長方形のドレン開口H12を配置したものである。
〔暖冷房システムの構築(図1、図2)〕
間仕切WAの両側の間柱6Bと、上側受桟6Kと、床材9Aレベルで配置した下側受桟6Kと、隣室との境界内装材8Aとで区画される間仕切WA内への暖冷房システムの収納構築は、間仕切WAの下部にドレン機構Drを構築する施工と、ドレン機構Drの上部の熱空間O内への放熱器Heの配置施工と、熱空間Oの隠蔽施工とで実施するものであり、全体形状は、図1に示す如く、床材9Aから天井材10までの高さChが2400mm、収納台12は高さh12が140mmで、垂直前板12Fが前側内装材8A面より20mm前方へ張出しており、方形の目隠し化粧板8Eは、前側内装材8A面より20mm(d8)前方に張出して、高さh8が2180mmで、下端が収納台上面と間隔d8´(30mm)保って、上端は上側受桟6Kの上面と同一レベルであり、高さh1が2000mmの放熱器Heは、下端が収納台上面と40mm間隔、即ちドレンパン3A上面と間隔S1(55mm)保った形状である。
〔ドレン機構Drの構築(図2)〕
図2に示す如く、両側間柱6B間に、収納台上板12Uの下面を支承する支持材12Cを配置し、両間柱6B間に床材9Aレベルで配置した下側受桟6Kの上面両端にねじ15Nで支持具15を立設固定し、下側受桟6Kの貫通孔H6´から上方突出した排水管3Cにドレン管3Bを挿入接続する形態で、支持具15の上端の嵌合片15Cでドレンパン両端のエンドキャップ3Eの曲面当接縁3Kを弾撥把持してドレンパン3A両端を支持具15上端に係止し、左右支持具15間の下側受桟6K上面に、垂直前板12F固定用の支持材12C´を固定する。
尚、ドレン管3Bを挿入接続した排水管3Cには、慣用の保温材NC(ポリエチレン、フォームライトカバー:商品名)を被覆する。
そして、収納台12の配置は、収納台上板12Uのドレン開口H12の四周縁eHの下面をドレンパン3A上端の断面円形当接縁3R,3Kと整合させた状態で、床材9A上に垂直前板12F下端を、支持材12C上面に上板12Uを載置して、垂直前板12F下端を支持材12C´に、上板12Uを支持材12Cにねじ12Nで固定する。
次いで、上板12Uのドレン開口H12開口縁eH下面とドレンパン3Aの当接縁3R,3Kを含む上端四周との隙間にシーリング3Dを充填して、熱空間Oと収納台12内部との空気流通を遮断する。
この場合、ドレンパン3Aは1/100の水勾配を付与するが、水勾配によるドレンパン3Aの両端間の高さ変位は4mm弱であるため、上板12Uとドレンパン3A間の水勾配の隙間変位(標準:4mm弱)はシーリング3Dで吸収出来る。
〔放熱器Heの配置(図1)〕
予め、サプライ管S及びリターン管R用の貫通孔H6を穿設して、両側間柱6B間に差渡し固定した上側受桟6Kの下面と、両側間柱6Bの対向内面及び隣室との境界面を区画している内装材8Aの内面は、慣用のアルミ箔を貼着して輻射波反射層8Dとし、図1(B)に示す如く、間仕切WAの熱空間Oを開放した両側の内装材8Aの側端縁には、慣用の、プラスチック樹脂製コーナーアングル8Cを配置して、内装材8Aの端縁での損傷防止及び美観を維持する。
そして、上下長h1が2000mm、左右幅L1が350mm、前後厚W1が58.5mmの放熱器Heを、図4(A)に示す如く、間柱6Bの対向内面にねじ11Nで固定した両端の吊金具11によって、上側ヘッダー1の両端での下面を支承し、図5(A)に示す如く、間柱6Bの対向内面にねじ固定した保持具5によって、下側ヘッダー1のヘッダー枝管2B部を前後左右動阻止の形態に保持する。
この場合、放熱器Heは、間柱6B内面への、吊金具11及び保持具5の上下位置調整によって、下端面、即ち下側ヘッダー主管2Aの下端面が、収納台12に収納したドレンパン3Aの上面と間隔55mm(S1)、即ち収納台上板12Uの上面と間隔40mmを維持する形態に吊下げる。
また、この場合、放熱器Heの若干(標準:10mm以下)の左右位置誤差は、上側ヘッダーにあっては、吊金具11の切欠11Gが、下側ヘッダーにあっては、保持具パイプ片5Pの調節用ねじ孔Hn群での調節で吸収する。
そして、図2に示す如く、断熱被覆した天井配管のサプライ管S及びリターン管Rの先端を上側受桟6Kから貫通孔H6を介して熱空間O内に垂下し、放熱器He上端の供給口2S及び排出口2Rと、慣用の接続金具2Nで接続連通し、熱空間O内での、サプライ管S、リターン管R、接続金具2N、供給口2S及び排出口2Rを、慣用の保温材NCで被覆する。
この場合、保温材NCの被覆施工では、上側受桟6Kの貫通孔H6と、サプライ管S及びリターン管Rとの隙間も閉止する。
〔放熱器Heの隠蔽(図1、図2)〕
次いで、熱空間Oの前面には、左右幅が両側間柱6Bの内面から45mm(PC)突出、即ち両側間柱6Bの外面間に亘る500mmで、上下長さh8が2180mm、厚さが5mmの、不透明なポリカーボネート樹脂板の化粧板8Eを、両側間柱6Bの幅中央前面から埋設したボルトb8への化粧ナットn8の螺着手段で間柱6Bの前面に固定する。
この場合、図2に示す如く、化粧板8Eの内表面と前側内装材8A外表面とは間隔d8(標準:20mm)保ち、化粧板8Eの、上端は上側受桟6Kの上面と同一レベルで、下端は収納台上板12Uの上面と間隔d8´(標準:30mm)保ち、化粧板8Eの左右端は左右間柱6Bの内面から寸法PC(45mm)外方に張出した形態とする。
〔完成暖冷房システム(図1、図2)〕
得られた暖冷房システムにあっては、放熱器Heの保持構造は、上端では、図4(A),(B)に示す如く、水平辺11Bが、第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102の、上側の継手枝管2Bを切欠11Gに嵌入して、両側の曲面側辺11Sが2本のヘッダー主管2Aの側面を包む形態で、上側ヘッダー1の左右両端を支承するため、放熱器Heの上端が前後動することはなく、且つ、吊金具11のヘッダー受容面、即ち内表面が断熱シート11Mを備えて放熱器Heからの熱伝達が抑制されていることと、吊金具11の外周面が断熱被覆層(発泡ウレタン層)11M´を備えているため、吊金具11の結露は抑制出来る。
そして、放熱器Heの下端でも、図5(A)に示す如く、全プラスチック樹脂製の保持具5のパイプ片5Pが、表裏2層の放熱パネル(第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102)の下端の対向継手枝管2B列の間に入り込んで放熱器He下端の前後揺動を阻止し、且つフランジ円板5Rは、第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102の外側端の継手枝管2Bの外面への当接形態で、フランジ円板5Rと一体のスリーブ突起5Eを、パイプ片5Pにプラスチック製釘5Nの打込みで固定し、放熱器He下端の左右動も円板5Rが阻止しているため、放熱器He下端を、前後揺動阻止、且つ左右動阻止で、耐震性、耐熱伸長性に保持する。
また、ドレン機構も、図5(A)、図6(A)に示す如く、ドレンパン3Aが、外表面に発泡ウレタン層の断熱被覆層3M´を備え、排水管3Cを保温材NCで被覆しているため、ドレン機構Dr部の結露湿潤が抑制出来、且つドレンパン3A上端面と上板12U下面との隙間は空気流通を阻止しているため、収納台12内のドレン機構部の湿潤及びカビ・ダニの発生が抑制出来、収納台12の内部と熱空間Oとの空気流通による放熱器Heの放熱損失も抑制出来る。
また、放熱器He上部の供給口2S及び排出口2Rと接続金具2Nとの接続部も、天井配管部位を含むサプライ管S及びリターン管Rも、保温材NCで被覆したため、配管経路での結露の発生が抑制出来る。
従って、得られた暖冷房システムは、暖冷房作用は、輻射波吸収放射率が0.95のPP−R樹脂製放熱器Heから、輻射波吸収放射率が0.9の化粧板8Eを透過して、居室全体に均斉に作用する輻射熱作用が主(70%強)で、化粧板8Eの、主として下端と上端とを経由する自然対流熱作用が従(30%弱)の放熱作用を発揮し、無風で、静かで、人体に心地良い、輻射熱暖冷房を発揮し、2層放熱パネルによる高い熱放散で、間仕切WA内から居室を均斉暖冷房し、冷房時にも結露を抑制して、カビ・ダニの発生が抑制出来る、衛生的で、放熱効果の高い暖冷房システムとなる。
そして、間仕切WAの放熱面は、化粧板8Eと、下側の収納台の垂直前板12Fとが見苦しい間仕切WAを隠蔽したことと、化粧板8Eと垂直前板12Fとの意匠効果とが相俟って、すっきりした、斬新な機能美を呈して、外観上も、機能上も、従来の壁暖房から想像も出来ない画期的な暖冷房システムとなる。
〔変形例(図7)〕
放熱器Heの上側ヘッダー1から上部及び下側ヘッダー1隠蔽手段としては、実施例の放熱器Heより大寸の化粧板8Eで完全隠蔽する手段に換えて、意匠効果上、各種の変形手段の適用が可能である。
図7(A),(B)は放熱器Heの裏面(B)側に、上側幕板13A及び下側幕板13Bを適用した図で、(A)は一側部位の横断面図、(B)は上側縦断面図である。
即ち、上側幕板13Aで、放熱器Heの上側ヘッダー1より上部を、下側幕板13Bで下側ヘッダー1を隠蔽目隠しするものであり、幕板13A,13Bは、実施例の化粧板8Eと同一材でも、異なる面材でも良く、熱空間Oの上部及び下部に空気溜りが生じない形態であれば良い。
この場合、上下幕板13A,13B間は開放で、縦パイプ8C群は露出形態となる。
居室側からは、長尺の縦パイプ群のみが露出して、幾何学的な機能美を呈することとなり、外観上も暖冷房の存在が目視出来、循環水に着色水を採用すれば、機能美+色彩効果の斬新な意匠効果が得られる。
しかも、上下幕板13A,13Bは、上下高さが小寸となって、取外し、取換えが容易で、メンテナンス作業が容易であると共に、需要者の選択変更にも容易に対応出来る。
また、図7(C),(D)は、目隠し手段の第2変形例であって、(C)は一側部位の横断面図、(D)は上側縦断面図である。
即ち、第2変形例では、第1変形例の上側幕板13A及び下側幕板13Bとして厚手(標準:20mm)の天然木板を採用し、上側幕板13Aには、外方から内方に傾斜降下形態の、下側幕板13Bには、外方から内方に傾斜上昇形態の空気孔(標準径:12mm)を、間隔配置して、上下幕板13A,13Bを間柱6Bに当接形態で、着脱可能に固定するものである。
この場合、空気孔Hcは散在、且つ傾斜しているため、空気の流出入作用は奏するが、空間O内の見苦しい部位、即ち上側ヘッダーより上部、及び下側ヘッダーの隠蔽作用は果す。
勿論、上下幕板13A,13Bに、薄手の有孔板材を採用することも可能である。
また、図7(E),(F)は、目隠し手段の第3変形例であって、図7(E)は一側部位の横断面図、図7(F)は上側部位の縦断側面図である。
第3変形例は、図7(E),(F)に示す如く、上側受桟6Kから収納台12に亘る熱空間O全面を、間隔平行配置した縦桟14B群と横桟14A群とで格子組みして被覆したものであり、縦桟14B及び横桟14Aの色彩、材質、格子目の寸法、形状等は、需要者の希望に応じて選択実施することにより、和室等、居室に適合したデザインとなり、本願発明の所期の目的は達せられる。
尚、目隠し手段の変形例1、即ち図7(A),(B)、変形例2、即ち図7(C),(D)、及び変形例3、即ち図7(E),(F)の手段は、共に同一手段を表裏両面に適用することも、表裏に異なる目隠し手段を適用することも可能であり、本発明の間仕切内埋設暖冷房システムは、需要者の希望に応じた、壁面のインテリアデザインをも満足させられる、且つ人体に優しい輻射熱暖冷房システムを提供する。
1 ヘッダー
2A ヘッダー主管(主管)
2B 継手枝管(枝管)
2C 縦パイプ
2D 連通管
2E スペーサーパイプ
2F 閉止板
2N 接続金具
2P 仕切板
2R 排出口
2S 供給口
3A ドレンパン
3B ドレン管
3C 排水管
3D シーリング
3E エンドキャップ
3G 嵌合溝
3K,3R 当接縁
3S 樋
3S´ 曲面辺
3M´,11M´ 断熱被覆層(発泡ウレタン)
5 保持具
5E スリーブ突起
5F 垂直板
5M´ 発泡ウレタン
5P パイプ片
5R フランジ円板
6B 間柱
6K 受桟
8A 内装材
8B 幅木
8C コーナーアングル
8D アルミ箔(輻射波反射層)
8E 化粧板
9A 床材
9B 床用合板
10 天井材
11 吊金具
11B 水平辺
11D 底辺
11F 垂直辺
11G 切欠
11M 断熱シート
11S 曲面側辺
12 収納台
12C,12C´ 支持材
12F 垂直前板
12U 上板
13A 上側幕板(化粧幕板)
13B 下側幕板(化粧幕板)
14A 横桟
14B 縦桟
15 支持具
15C 嵌合片
15D 底板
15F 垂直辺
101 第1放熱パネル(放熱パネル)
102 第2放熱パネル(放熱パネル)
b8 ボルト
Dr ドレン機構
eH 開口縁
H12 ドレン開口
He 放熱器
n8 化粧ナット
NC 保温材
O 熱空間(空間)
R リターン管(戻り管)
S サプライ管(往き管)
WA 間仕切

Claims (7)

  1. 木造、鉄骨造又は鉄筋コンクリート造建物の、壁下地の間仕切(WA)の間柱(6B)間の熱空間(O)内に、プラスチック樹脂製放熱器(He)を収納した温冷水循環タイプの暖冷房システムであって、放熱器(He)は、上下ヘッダー(1)間に縦パイプ(2C)群を密集並列連通した、第1放熱パネル(101)と、第2放熱パネル(102)とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは供給口(2S)を、他方の放熱パネルの上側ヘッダー(1)からは排出口(2R)を突設したものであり、放熱器(He)は、両側の間柱(6B)と、間柱(6B)間に差渡した上側受桟(6K)と、床材(9A)上に配置した収納台(12)の上板(12U)上面とで規定される熱空間(O)内で、上側ヘッダー(1)を、間柱(6B)に固定した吊金具(11)によって、熱伝達抑制形態に支承し、下側ヘッダー(1)を、間柱(6B)に固定したプラスチック樹脂製の保持具(5)によって、前後左右動を抑制して保持して、間仕切(WA)の熱空間(O)内に吊下げ形態で保持し、放熱器(He)の下側には熱空間(O)の下面を規定する収納台(12)を配置して収納台(12)内にドレン機構(Dr)を収納し、収納台(12)内部から熱空間(O)内への空気流通を抑制して、間仕切(WA)内から居室に対して放熱作用を付与することを特徴とする間仕切内埋設暖冷房システム。
  2. 吊金具(11)は、間柱(6B)に固定するためのねじ孔(H11)を備えた垂直辺(11F)の下端から側方へ水平辺(11B)を突出し、水平辺(11B)は、両側に曲面側辺(11S)を、底辺(11D)に先端からの切欠(11G)を備えると共に、内周面を断熱シート(11M)で、外周面を断熱層(11M´)で被覆した、請求項に記載の暖冷房システム。
  3. プラスチック製の保持具(5)は、間柱(6B)に固定するためのねじ孔(H5)を備えた垂直板(5F)から、調節止着用のねじ孔(Hn)群を備えたパイプ片(5P)を側方へ突出し、先端にフランジ円板(5R)を備え、且つ長手方向中間部にねじ孔(He)を備えたスリーブ突起(5E)をパイプ片(5P)に嵌合して、スリーブ突起(5E)をパイプ片(5P)に調節固定した、請求項に記載の暖冷房システム。
  4. ドレン機構(Dr)は、ドレン管(3B)を備えたドレンパン(3A)を、下側受桟(6K)上に立設固定した支持具(15)によって、垂直前板(12F)と上板(12U)を備えた収納台(12)内で、放熱器(He)下端面と空気流通間隔(S1)を保って支持して、ドレン管(3B)を排水管(3C)と連通すると共に、ドレンパン(3A)を収納台上板(12U)のドレン開口(H12)に当接して、ドレンパン(3A)の四周を収納台上板(12U)と空密閉止した、請求項1乃至のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
  5. ドレンパン(3A)は、一端下面にドレン管(3B)を備えた断面半円形態の樋(3S)の両端を、上端に当接縁(3K)を備えたエンドキャップ(3E)で閉止し、ドレンパン(3A)の上端四周の当接縁(3R)を収納台上板(12U)のドレン開口縁(eH)下面とシーリング(3D)で空密閉止し、ドレンパン(3A)の外周面には断熱被覆層(3M´)を付与すると共に、ドレン管(3B)と排水管(3C)との接続部を保温材(NC)で被覆した、請求項に記載の暖冷房システム。
  6. 間仕切(WA)の間柱(6B)間の熱空間(O)の前面は、熱輻射波の吸収放射率が0.9以上の不透明化粧板(8E)で、周縁部からの空気流出入可能に、且つ、透視不能に覆った、請求項1乃至のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
  7. 放熱器(He)の供給口(2S)及び排出口(2R)は、天井配管のサプライ管(S)及びリターン管(R)と、熱空間(O)内で、接続金具(2N)で接続して、接続金具(2N)、サプライ管(S)及びリターン管(R)を保温材(NC)で被覆した、請求項1乃至のいずれか1項に記載の暖冷房システム。
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