JP5580394B2 - 全プラスチック樹脂製柵状放熱体の支持構造及び使用する機具 - Google Patents

全プラスチック樹脂製柵状放熱体の支持構造及び使用する機具 Download PDF

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Description

本発明は、全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体を、下面のドレンパン上に配置する支持構造に関するものであり、より詳しくは、縦方向及び横方向が長尺で、厚さが薄くて剛性の乏しい柵状放熱体に対し、上下方向中間適所に幅止め具を配置すると共に、両側端にも上下中間適所に連結具を配置して放熱体1に保形性を付与し、併せて、放熱体1からの流下結露水をドレンパン内に正確に誘導するものであり、空気調和の技術分野に属するものである。
全プラスチック樹脂製の柵状放熱体を、狭い空間内で、ドレンパン上に配置する手法は、既に各種提案されており、図4は、従来例1であって、特許文献1として挙げたもので、本願の出願人が開発し、実施中の間仕切壁内埋設冷暖房システムに関するものであり、図4(A)は放熱体配置縦断側面図であり、図4(B)は吊金具の斜視図であり、図4(C)は振れ止め金具の斜視図である。
即ち、従来例1(図4)は、放熱体として、上下横パイプ間に縦パイプ群を並列した全プラスチック樹脂製放熱体を採用し、間仕切壁内に埋設してドレンパン上に配置し、前面の上下のガラリ及び中間解放部から居室内を輻射熱及び対流熱で冷暖房するものである。
そして、放熱体の上部は、図4(B)に示す如く、断面コ字状の吊金具が、垂直辺下端から水平に突出した複数の細幅の支持辺で、放熱体の上側横パイプを支承するもので、支持辺の上面及び垂直辺の内面に断熱シートを添着して、放熱体から吊金具への熱伝達を抑制している。
また、放熱体の下部は、下側受桟上に固定した振れ止め金具の立上り棒から水平に延出した水平棒の先端のフックが縦パイプに係止して、下側横パイプをドレンパン上の位置に保持している。
また、柵状放熱体での縦パイプ群の幅止め手段としては、従来例2が提案されている。
図5は従来例2であって、特許文献2として挙げた本願出願人の提案にかかるものであって、図5(A)は全体正面図であり、図5(B)は幅止め材の斜視図である。
即ち、従来例2(図5)にあっては、柵状放熱体を天井レールに沿って移動可能に吊下げたもので、放熱体の強度保持、及び縦パイプ群の間隔維持のために、四周に枠を配置し、更に、縦パイプ嵌合孔群を一側辺に備えたアングル材の幅止め材を、両側枠間に差渡し配置したものである。
また、放熱体の上下中間部に結露受けを配置する手段としては従来例3がある。
図6は、従来例3であって、特許文献3として挙げた発明の説明図であって、図6(A)は全体斜視図であり、図6(B)は要部拡大斜視図である。
即ち、従来例3(図6)は、左右支持端板間に、上部導管及び下部を差し渡すと共に、下端にはドレンパンを差し渡し、上下導管と連通する熱交換パネル群を、上下導管の前側と後側に、且つドレンパン上に配置し、上下中間適所には集水板を配置するもので、集水板は、図6(B)に示す如く、断面W型で、両側の傾斜辺には、熱交換パネルの端縁が嵌入する切欠溝を配置し、集水板が、導管及び熱交換パネルからの結露水を集水するものである。
特開2011−226742号公報(特許第4993789号) 特開2009−276003号公報(特許第4712067号) 特開2005−127606号公報(特許第3912541号)
従来例1(図4)の発明にあっては、下記(ア)〜(エ)の解決課題が存在する。
(ア).温水循環による縦パイプの熱変位によって外観上の美観が損なわれる。
(イ).パネル製造時、及び適宜長さに切断した直管の保管時、或いは製品化された放熱体の保管時に、縦パイプに曲がり癖が生じており、使用時に縦パイプ群の曲がり癖が、特に温水循環時に発現する。
(ウ).第1放熱パネル及び第2放熱パネルの縦パイプの変位によって、第1放熱パネル及び第2放熱パネルの放熱面内及び両パネル間隔に生じる、冷房時の下降流、暖房時の上昇流に斑が生じ、放熱量が不均一となる。
(エ).冷房時に、並列する縦パイプ間の寸法(標準:7mm)が2mm以上変位した場合、縦パイプ間から居室内の高温多湿空気が、放熱体の裏側の間仕切壁表面に接触して壁表面に結露を発生する。
また、従来例2(図5)の放熱体にあっては、吊下げて移動可能状態で稼動するため、放熱体がぶらぶら揺れるのを阻止するための幅止め手段を適用してはいるものの、アングル形態の水平辺での、縦パイプの一側方への揺れ止めであって、前面側又は後面側への一方向の揺動阻止に過ぎなく、幅止め材は、放熱体に生じる結露水の下方への一斉落水飛散を生ずるものであり、従来例2の技術は、放熱体を狭いスペースの定位置に固定して稼動する技術手段、即ち本願発明を含む従来例1の技術手段には、幅止め機能面からも結露水排除面からも、適用出来ない発明である。
また、従来例3(図6)の空調の技術手段は、熱交換パネルが左右動も前後動も生じない剛直ラジエータータイプであって、各熱交換パネル相互の幅止めの全く不要なタイプであり、単に、熱交換パネル群の上下中間適所で、熱交換パネルの結露水を集水してドレンパンへの流水を図るだけのものであり、剛構造固定ラジエーターのドレン処理技術であるため、従来例1(図4)や本願発明の如き、全プラスチック樹脂製で細径の各縦パイプ群が変位支障を生ずる放熱体には、適用の予測性すら存在しない技術である。
本願発明は、保形性に乏しい縦パイプ群を備えた全プラスチック樹脂製放熱体に於いて、前述の(ア)〜(エ)の問題点を解決したものであって、全プラスチック樹脂製の柵状放熱体に於いて、各縦パイプ間を適正に位置保持出来、且つ縦パイプ群周辺の対流熱作用を均斉に維持出来、しかも、放熱体に生ずる結露水を、適切にドレンパン内に流下出来る発明を提供し、居室内の間仕切壁空間等、狭いスペースでの冷暖房システムの構築を可能とするものである。
本発明の、全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体1の支持構造は、図1に示す如く、放熱体1は、上下の横パイプ1A間に縦パイプ1B群を並列配置した同形状の第1放熱パネル101と第2放熱パネル102とを重層形態で連通一体化して、第1放熱パネル101の上側横パイプ1Aの一端には供給口1Sを、第2放熱パネル102の上側横パイプ1Aの一端には排出口1Rを突設したものであり、放熱体1の上部を吊下げ形態で支承して下面のドレンパン3上に配置し、放熱体1の上下中間適所には、第1放熱パネル101の縦パイプ1B群と第2放熱パネル102の縦パイプ1B群の、全縦パイプ1Bの相互間隔を保持する幅止め具4と、両パネル101,102の外端の対応縦パイプ1B相互を連結保持する連結具5とを配置したものである。
この場合、放熱体1は、熱輻射波の吸収放射率の高いプラスチック樹脂製丸パイプで構築すれば良く、典型的には、熱輻射波の吸収放射率が0.95の能力であるポリプロピレン、ランダム、コポリマー樹脂(PP−R樹脂)を採用し、横パイプ1Aは、外径27mm、肉厚5mmの丸パイプであり、縦パイプ1Bは、外径13mm、肉厚1.6mmの丸パイプである。
そして、放熱体1は、第1放熱パネル101の供給口1Sからの流入水が、第1放熱パネル101の全縦パイプ1B群及び第2放熱パネル102の全縦パイプ1B群を通水して、第2放熱パネル102の排出口1Rから流出するものであれば良い。
また、放熱体1の吊下げ形態支承は、下面のドレンパン3上の所定位置に放熱体1が吊下げ保持出来れば良く、従来例1(図4)の吊下げ手段や、特開2012−93050号公報に開示の手段で実施しても良いが、本出願人が、先に特許出願(特願2012−269307号)した「全プラスチック樹脂製柵状放熱体の支持構造」の吊下げ手段を採用すれば、放熱体1の上部及び下部の、前後動及び左右動を抑制した吊下げ形態となるため、機能面からも、施工面からも、特に有利である。
また、幅止め具4は、第1放熱パネル101の縦パイプ1B列と第2放熱パネル102の縦パイプ1B列とを、前後動及び左右動を規制して各縦パイプ1B相互の関係位置を規制し、且つ、放熱体1の上方からの流下結露水の、ドレンパン3内への流下を阻害しない形態であれば良く、例えば、中央の長手方向の本体バーの両端縁に、洗濯バサミ形式の弾性クリップを、縦パイプ1B群に対向配置した形態でも実施可能であるが、典型的には、図2に示す、帯状本体から両側に円弧弾性クリップを連設したプラスチック樹脂の一体化成形品である。
また、連結具5は、第1放熱パネル101側の外端の縦パイプ1Bと第2放熱パネル102側の対応外端縦パイプ1Bとを、剛構造に一体化連結出来れば良く、典型的には、図3に示す、連結板の両端に、弾揆嵌合用の円弧弾性クリップを備えたプラスチック樹脂の一体化成形品である。
従って、放熱体1は、幅止め具4を配置した位置で、第1放熱パネル101の縦パイプ1B列と、第2放熱パネル102の縦パイプ1B列との、全ての縦パイプ1Bの関係位置が所定の位置関係に確保されて剛性が向上し、放熱体1の両側端に配置した連結具5も、放熱体1の両側端での、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102との一体化による剛性増大に寄与し、放熱体1からの結露水は、適正な流下によって、散乱することなくドレンパンに集水出来る。
そして、供給口1Sから温水が直接流入する外端の縦パイプ1Bも、軟化変位が阻止されて、放熱体1の外観を損なうこともない。
また、本発明の放熱体の支持構造にあっては、放熱体1は、例えば図1に示す如く、各放熱パネル101,102内の縦パイプ1B間の間隔gBが6〜8mmであり、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102との対向面間隔gPが18〜20mmであるのが好ましい。
この場合、第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102内での各縦パイプ1B間隔gBは、放熱パネルの単位面積当りの縦パイプ1Bの配列密度の増大による放熱量の増大化の観点からと、縦パイプ1Bの横パイプ1Aへの並列配置機械加工の観点からと、同一放熱パネルを2枚重層した2枚の放熱パネルの、対向面間隔gP内での上下貫通気流の外側との流出入抑制機能の観点、からの3要件から探求したもので、実験の結果、縦パイプ1B列間の相互間隔gBが6〜8mmであって、放熱パネル101と102間の対向面間隔gPが18〜20mmであれば、間隔gBから外方への縦パイプ1B列横断空気流が抑制出来て、前後放熱パネル間の対向面間隔gP内の冷却又は加熱空気の間隔gP内での上下整流が保証出来る。
従って、本発明の放熱体に於いて、各縦パイプ1B間の間隔gBを6〜8mm、各放熱パネル101,102間の対向面間隔gPを18〜20mmとしたため、放熱パネル製作時の各縦パイプ1Bの上下横パイプ1Aへの融着接続加工、及び2枚の放熱パネル101と102との、上下横パイプ1A相互の通気間隔gS(標準:4.5mm)を保った一体化加工が容易となり、放熱体1も薄型化出来る。
そして、放熱体1としての機能面でも、両放熱パネル101,102間の間隔gP内での、加熱又は冷却空気は、縦パイプ1B間の間隔gBよりも抵抗の少ない間隔gPを上下貫流して、放熱体1の表面温度を一定に保ち、間隔gP内の高い熱作用(加熱作用、冷却作用)を受けた空気流の背面の壁面側及び前面側への横断流出が抑制出来て、壁面が近接していても、壁面への対流熱作用による結露発生が抑制出来る。
そのため、本発明の放熱体1は、狭いスペース内での、壁面への近接配置も可能となり、輻射放熱作用を主(70%)とし、対流作用を従(30%)とする斑の無い放熱作用を奏する。
また、本発明の放熱体の支持構造にあっては、幅止め具4は、図2に示す如く、断面が山形状屈曲の左右対称形で、上面4U及び下面4Dが両側縁への下降傾斜の水勾配を備えた形状であって、両側端縁には、先端開口O4を介して縦パイプ1Bを弾揆嵌合する円弧弾性クリップ4C群を備えて、両側の円弧弾性クリップ4C群が、開口先端を縦パイプ1Bに当接して、両側の対応縦パイプ1B群を弾揆保持するのが好ましい。
この場合、幅止め具4は必要な可撓弾揆性を備えた金属材での実施も可能であるが、典型的には、図2に示す如く、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、及び柔軟性に優れたプラスチック樹脂(ABS樹脂)製の一体化成形品であって、円弧弾性クリップ4Cの前半部の開口O4両側部位は弾揆作用を奏する円弧突片4Sである。
そして、幅止め具4は、放熱体1の上下方向中間適所に、複数個を適宜間隔(標準:500mm間隔)で配置すれば良い。
従って、幅止め具4は、図2(B)に示す如く、両側の円弧弾性クリップ4C列に対して、前側の第1放熱パネル101の縦パイプ1B列及び後側の第2放熱パネル102の縦パイプ1B列の各対応縦パイプ1Bを、先端開口O4から押込むことにより、簡単に縦パイプ1B群と弾揆嵌合出来、幅止め具4を配置した部位では剛性が向上する。
そして、剛性、即ち保形性を備えた放熱体1は、下面のドレンパン3に対する適正位置を占めて、結露水のドレンパン外周への散乱を阻止すると共に、放熱体1は、パネル間の間隔gP及び縦パイプ1B間の間隔gBでの設計値どおりの空気対流を奏し、輻射放熱作用と対流熱作用との協仂による高性能放熱体としての性能も保証される。
そして、幅止め具4に対する放熱体1の上方からの結露水は、幅止め具4が、開口先端を縦パイプ1Bに当接しており、且つ上面4Uも下面4Dも水勾配を備えているため、円弧弾性クリップ4Cからの外方への散乱も阻止出来て、縦パイプ1Bの外周を介して下方に流下する。
しかも、幅止め具4の配置部位では、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102との対向面間隔gP(標準:18.5mm)での空気流の上下貫流を遮断するため、両パネル101,102間の間隔gPの上下空気流は、各縦パイプ1B間の間隔gB(標準:7mm)からの側方への空気流を生じ、放熱体1は、幅止め具4の配置部位での前後周面の空気流が撹拌されて、対流熱伝達を促進する。
また、本発明の放熱体の支持構造にあっては、各円弧弾性クリップ4Cは、図2(C)に示す如く、円弧内面に複数(標準:2本)の圧接用突条4Pを備えると共に、先端の開口O4がバネ弾性を備えた円弧突片4Sであり、両側の円弧突片4Sが縦パイプ1Bの外周面を外方に突出させた形態で縦パイプ1Bを弾揆嵌合するのが好ましい。
この場合、圧接用突条4Pは、幅止め具4の滑落を阻止するためであり、典型的には、外径が13mmの縦パイプ1Bに対し、円弧弾性クリップ4Cの内径が14mmで、複数(標準:80°間隔で2本)の突条4Pの突出寸法は1mmである。
従って、円弧弾性クリップ4Cの縦パイプ1Bへの嵌合は、両側のバネ弾性を備えた円弧突片4Sの開口O4から、縦パイプ1Bを押込んで容易に実施出来、縦パイプ1B群に弾揆嵌合した幅止め具4の定位置確保は、突条4Pと、バネ弾性を備えた円弧突片4Sとの協仂作用で保証される。
そして、間隔配置の突条4Pは、縦パイプ1Bの外周面と、円弧弾性クリップ4Cの内周とに界面隙間4Gを生じ、該隙間4Gは結露水の界面流下を助長する。
尚、圧接用突条4Pは、典型的には、幅止め具4の肉厚、即ち円弧弾性クリップ4Cの厚さ方向突条であるが、突条4Pは、幅止め具4の厚さ方向に対して傾斜配置すれば、圧接保持力が増大し、結露水の縦パイプ1Bと円弧弾性クリップ4Cとの界面流下も可能である。
また、本発明の柵状放熱体の支持構造にあっては、連結具5は、図3に示す如く、水勾配を備えた傾斜連結板5Sの両端に連設した円弧弾性クリップ5Cで対向縦パイプ1Bを弾揆嵌合保持するのが好ましい。
この場合、傾斜連結板5Sは、両端の円弧弾性クリップ5Cを剛構造で一体化し、水勾配を備えておれば良く、典型的には、ABS樹脂製で、肉厚2mm、幅10mm、長さ15mmで、長さ方向の一方へ2mm傾斜したものである。
従って、該傾斜連結板5Sで、第1放熱パネル101の外端の縦パイプ1Bと、第2放熱パネル102の外端の対応縦パイプ1Bとを円弧弾性クリップで弾揆嵌合して一体保持すれば、放熱体1の両側端部の剛性が向上し、特に第1放熱パネル101の供給口1Sと直通し、温水によって軟化する外端縦パイプ1Bの変位も阻止出来る。
尚、連結具5も、幅止め具4同様に、放熱体1の上下適宜位置に間隔配置するものであり、典型的には、上下500mm間隔で配置する。
また、連結具5の円弧弾性クリップ5Cにも、幅止め具4同様に、円弧内周面に圧接用突条を配置すれば、結露水の円弧弾性クリップ5Cの内面と縦パイプ1B外周面との界面流下、及び連結具5の縦パイプ1Bに対する滑落阻止に有効である。
また、連結具5の弾性クリップ5Cは、図3に示す如く、円弧筒5Rの上縁及び下縁の外周に面取り部5Kを備え、円弧筒5Rの開口O5の前端f5から縦パイプ1Bの外端面fsが突出した形態に弾揆嵌合するのが好ましい。
この場合、円弧筒5Rの開口O5の両先端には、図3(C)に示す如く、案内用エッジ5Hとエッジ5Hから外方に拡開する小口部5Eとを付設しておけば、縦パイプ1Bの開口O5からの嵌入が、エッジ5Hとの当接摺動で容易となり、且つ拡開小口部5Eが、開口O5の前端f5の縦パイプ1Bの外端fsからの突出を抑制する。
従って、連結具5を嵌合した縦パイプ1Bにあっては、上方から外周に沿って流下する結露水は、露出外周面を経てスムーズにドレンパン3内に案内される。
そして、連結具5に生じた結露水も、傾斜連結板5Sによって一方の円弧筒5Rに導水され、円弧筒5Rに流下する結露水も、上下外周の面取り部5Kによって、飛散落下を生ずることなく、スムーズに縦パイプ1B外周に導水される。
本願の請求項1の柵状放熱体の支持構造に直接用いる幅止め具4は、図2に示す如く、断面が、山形状屈曲の左右対称形で、上面4U及び下面4Dが両側縁への下降傾斜を備えた形状で、両側縁には、前端に開口O4を備えた円弧弾性クリップ4C群を縦パイプ1B群に対応する形態で備え、両側の円弧弾性クリップ4Cが、対応する縦パイプ1Bを、縦パイプ1Bの外端面fsが開口O4より外方に突出する形態で弾揆嵌合保持するものである。
この場合、円弧弾性クリップ4C群は、円弧弾性クリップ4C群の各円弧中心間寸法が対応する放熱パネルの縦パイプ1B列の各縦パイプ1Bの中心間寸法に整合させれば、縦パイプ1B群に対応する形態となる。
また、幅止め具4の上面4U及び下面4Dの外方への下降傾斜は、幅止め具4の上面4U及び下面4Dの結露水を両外縁へ流水させるための水勾配である。
従って、本発明の幅止め具4を請求項1の支持構造の発明に採用すれば、放熱体1は、幅止め具4の配置位置では、全縦パイプ1Bが、幅止め具4の円弧弾性クリップ群に弾揆嵌合保持されるため、各縦パイプ1Bの前後左右の相対位置変位は抑制され、相互変位し易い細径長寸の縦パイプ1B群で構成された放熱体1の剛性が向上し、本発明の幅止め具4を放熱体1の上下方向の適所に配置すれば、放熱体1は、全体としての保形性が確保出来る。
しかも、幅止め具4は、上面4Uにも、下面4Dにも、側縁への水勾配を有しており、且つ、円弧弾性クリップ4Cが、縦パイプ1Bの外端面fsを開口O4より外方に突出形態で把持して、幅止め具4の両側縁の流水を縦パイプ1Bの外周面に導水するため、上方からの幅止め具4への流下結露水も、幅止め具4自体で発生する結露水も、幅止め具4から下側の縦パイプ1Bの外周面に導水出来、幅止め具4の配置による結露水の散乱等のトラブルは生じない。
従って、該幅止め具4の発明は、請求項1の放熱体支持構造の発明の有利な実施を可能とする。
また、本願幅止め具4の発明にあっては、円弧弾性クリップ4Cは、図2(B)に示す如く、円弧内面に複数(標準:2本)の圧接用の突条4Pを厚さ方向に備え、先端の開口O4の両側がバネ弾性を備えた円弧突片4Sであり、円弧突片4Sが縦パイプ1Bの外端面fsを突出させて弾揆嵌合するのが好ましい。
この場合、円弧内面の複数の突条4Pは、円弧弾性クリップ4Cの円弧内面と縦パイプ1Bの外周面との圧接応力増大による縦パイプ1Bの強固な保持と共に、円弧内面と縦パイプ1B外周面との間に導水用の界面隙間4Gを形成し、開口O4の両側のバネ弾性を備えた円弧突起4Sは、縦パイプ1Bの円弧内面への押込み嵌合作業を容易にし、且つ縦パイプ1Bを弾揆力で保持する。
尚、円弧内面の突条4Pを、幅止め具4の厚さ方向に対して斜向配置すれば、隙間4Gによる界面導水機能を維持したまま、円弧弾性クリップ4Cの圧接力、即ち縦パイプ1B保持力の増大が期待出来る。
また、幅止め具4の発明にあっては、図2(C)に示す如く、円弧弾性クリップ4Cの隣接円弧突片4S間には切開二股4Fを配置して、各円弧突片4Sに均等バネ弾性を付与し、幅止め具4の長手方向の、一端縁には嵌合突起4P´を、他端縁には嵌合孔4Hを配置して、所要長に接続するのが好ましい。
この場合、隣接円弧突片4S間への切開二股4Fの配置は、隣接円弧突片4S相互への均等バネ機能付与、及び各円弧突片4Sへの必要バネ弾揆力付与の選択決定、及び型成形製作が容易となる。
また、幅止め具4に、一端縁には嵌合孔4Hを、他端縁には対応嵌合突起4P´を配置して単位長(標準:200mm)の幅止め具4を接続分離自在とすることで、製作、保管が容易で、現場の放熱体1への幅寸法対応が容易となる。
従って、該構成を備えた幅止め具4は、製作容易で施工対応容易なものとなり、請求項1の発明の放熱体支持構造の合理的実施を可能とする。
また、請求項1の発明に用いる連結具5は、図3に示す如く、外側に嵌合用開口O5を備えた円弧筒5Rから成る円弧弾性クリップ5Cを傾斜連結板5Sの両端に備え、開口O5は先端の案内用エッジ5Hとエッジ5Hから外方に拡開する小口部5Eを備え、円弧筒5R上端及び下端の外周に面取り部5Kを備えたものである。
この場合、傾斜連結板5Sは、自体に発生した結露水をどちらか一方の円弧筒5Rに導水するものであって、傾斜角は水勾配機能を奏すれば良い。
また、円弧筒5Rは縦パイプ1Bを弾揆嵌合保持出来れば良く、典型的には、外径13mmの縦パイプ1Bに対しては、円弧筒5Rは、上下長16mmで、内径12mmである。
そして、本発明の連結具にあっては、開口O5の先端に案内用エッジ5Hを備えているため、円弧筒5Rを肉厚としても、縦パイプ1Bの嵌入作用が平滑に実施出来、エッジ5Hから外方に展開する小口部5Eは、開口O5の先端部位の薄肉化を伴うため、エッジ5Hの小応力によるバネ変位を達成し、強大な弾揆力を備えた円弧筒5R内への縦パイプ1Bの小応力による押込みを可能とする。
しかも、外方に拡開する小口部5Eは、嵌合把持した縦パイプ1Bの外端面fsからの円弧筒5Rの前端f5の突出を抑制し、円弧筒5Rの上縁及び下縁が面取り部5Kを備えていることと相俟って、円弧筒5Rからの結露水の縦パイプ1Bの外周への誘導流下を促進する。
従って、本発明の連結具5は、円弧筒5Rが厚肉の筒形態で、強大な弾揆保持力を備えながらも、縦パイプ1Bへの弾揆嵌合作用が小応力で実施出来、第1放熱パネルと第2放熱パネルとを、両側端で剛構造に一体化出来、且つ、傾斜連結板5S自体に発生する結露水も、上方から流下する結露水も、縦パイプ1Bの外周を介して平滑に流下出来るため、全プラスチック樹脂製の柵状放熱体の支持構造の発明の好適な実施を可能とする。
本願の柵状放熱体の支持構造の発明は、剛性の乏しい全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体1を、全幅に亘って、上下方向の適所に幅止め具4を間隔配置して保形性を向上し、両側端でも、上下方向の適所に連結具5を間隔配置するため、放熱体1は、全体として充分な保形性を備えたものとなって、設計どおりの均斉な放熱作用が維持出来て、下面のドレンパン3との関係位置が、常時適正に維持出来るため、冷房作用時にあっては、放熱体1に生じる結露水は、適正にドレンパン3で排除出来、暖房運転時にあっても、放熱体の軟化変位、特に供給口1Sから温水が直接流下する外端の縦パイプ1Bの軟化変位も抑制出来、例えば間仕切壁内等、前後スペースの限られた狭い範囲内への高性能な柵状放熱体の配置を可能とする。
また、幅止め具4の発明にあっては、幅止め具4が、剛性の乏しい、全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体1の全縦パイプ1Bの相互関係位置を確保して、放熱体1に剛性を付与すると共に、幅止め具4への上方からの流下結露水も、自体に発生する流下結露水も、散乱することなく、適正に、ドレンパン3に誘導出来、且つ対流熱作用も、幅止め具4の上下での撹拌作用で向上させることが出来 、柵状放熱体1に、流下結露水の導水の下に剛性が付与出来て、請求項1の、柵状放熱体の支持構造の発明の、好適実施を可能とする。
また、連結具5の発明にあっても、連結具5の配置部位での上方からの結露水を、下方へ適正に誘導流下出来る形態で、柵状放熱体1の両側部位に剛性が付与出来て、請求項1の、柵状放熱体の支持構造の発明の、好適実施を可能とする。
本発明の全体説明図であって、(A)は正面図であり、(B)は縦断側面図であり、(C)は横断面図である。 幅止め具4の説明図であって、(A)は使用状態縦断側面図であり、(B)は使用状態平面図、(C)は幅止め具4の上面図であり、(D)は(C)の矢印D視図、(E)は(C)の矢印E視図である。 連結具5の説明図であって、(A)は使用状態正面図、(B)は使用状態側面図、(C)は上面図、(D)は正面図、(E)は側面図である。 従来例1の説明図であって、(A)は全体縦断側面図、(B)は吊金具の斜視図、(C)は振れ止め金具の斜視図である。 従来例2の説明図であって、(A)は全体正面図、(B)は幅止め材の斜視図である。 従来例3の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は要部斜視図である。
〔発明を実施した全体構造(図1)〕
図1は、本願の、幅止め具4の発明と、連結具5の発明とを用いて実施した本願の柵状放熱体の支持構造の全体構造を示すもので、図1(A)は正面図、図1(B)は縦断側面図、図1(C)は横断面図である。
図1に示す如く、本発明は、柵状放熱体1を、間仕切壁内の左右間柱9E間に、上側受桟9Uと下側受桟9Dとを配置して、後面の内装材9Bとにより、上下、左右、及び後面で区画された、左右長が410mmで、前後の厚さが105mm、即ち間柱9Eの前後寸法である前後厚さの狭い熱空間O内で実施した。
そして、柵状放熱体1の、上下方向の中間部には、本発明の幅止め具4を上下500mm間隔で配置し、両側円の上下方向中間部には、本発明の連結具5を上下500mm間隔で配置した。
〔柵状放熱体1(図1)〕
柵状放熱体1の全体形状は、図1に示す如く、上下高さh1が2050mm、左右長さL1が350mm、前後厚さw1が58.5mmであり、上側横パイプ1Aと下側横パイプ1Aとの間に、多数の細い縦パイプ1Bを並列に差渡して、縦パイプ1B群を上下横パイプ1Aに連通接続して放熱パネルとし、同一構造の放熱パネルの2枚を、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102として、前後に重層形態で連通一体化し、図1(B)の如く、第1放熱パネル101の上側横パイプ1Aの一端からは、パイプ片の供給口1Sを、第2放熱パネル102の上側横パイプ1Aの一端からは、パイプ片の排出口1Rを突設したものである。
そして、各放熱パネル101,102は、熱輻射波の吸収放射率が0.95の能力を備えたポリプロピレン、ランダム共重合体のプラスチック樹脂(PP−R樹脂)製の丸パイプの、外径27mm、肉厚5mmの上下の横パイプ1A間に、外径(RB)13mm、肉厚1.6mmの縦パイプ1B群を、縦パイプ1Bの相互間隔(gB)を7mmで融着連通接続し、前後2枚の放熱パネル101,102を、上下の横パイプ1Aの対向間隔(gS)4.5mmを保って、前後の、上側横パイプ1Aの一端相互、下側横パイプ1Aの一端相互、下側横パイプ1Aの他端相互を通水不能なスペーサーパイプ1F´で連結し、上端横パイプ1Aの他端相互のみを連通パイプ1Fで通水可能に接続し、全横パイプ1Aの端縁は小口止め1Eで閉止し、第1放熱パネル101の縦パイプ1B列と第2放熱パネル102の縦パイプ1B列との対向面間隔gPを18.5mmとしたものである。
従って、全プラスチック樹脂製の柵状放熱体1は、第1放熱パネル101の供給口1Sから冷温水を供給すれば、供給水は、第1放熱パネル101の構成全パイプ1A,1Bを通水して第1放熱パネル101から第2放熱パネル102に流入し、第2放熱パネル102の全構成パイプを通水した後、第2放熱パネルの排出口1Rから流出するものであり、縦長薄形状の、全プラスチック樹脂製柵状放熱体1は、冷水又は温水を供給すれば、PP−R樹脂製の縦パイプ1B群は、人体に良いとされる8μm〜14μmの波長の熱輻射波を高い放射率(0.95)で放射する輻射放熱体である。
〔幅止め具4(図2)〕
幅止め具4は、同形状の第1放熱パネル101と第2放熱パネル102を重層一体化した上下長尺の放熱体1の上下適所に、適数個配置して、第1放熱パネル101の縦パイプ1B群列と第2放熱パネル102の縦パイプ1B群列との、縦パイプ1Bの列内での相互位置、及び対向列での相対位置を規制して、放熱体1に保形性(剛性)を付与するものであって、図2(A)は幅止め具4の使用状態縦断側面図、図2(B)は幅止め具4の使用状態平面図、図2(C)は幅止め具4の平面図、図2(D)は(C)の矢印D視図、図2(E)は(C)の矢印E視図である。
幅止め具4は、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂のABS樹脂の射出成形品であって、図2(C)〜(E)に示す如く、総高さh4が7.5mm、幅W4が41.5mm、長さL4が200mmで、断面山形状の左右対称であり、肉厚5mmの頂部4Tから左右に5mm下降する傾斜上面4Uの両側縁は肉厚2.5mmで、下面4Dも中央から両側へ緩下降傾斜し、且つ、図2(B)に示す如く、使用時には、両外側縁fcは縦パイプ1Bの外側面fsより内側に位置する寸法である。
そして、図2(C)の平面図に示す如く、両側縁の開口O4から内方へ連なる径14mmの円弧面で、縦パイプ1Bを弾揆嵌入する弾性クリップ4Cを、中心間隔20mmで、各縦パイプ1B列のパイプ中心間寸法と整合して配置したものであって、各弾性クリップ4Cの開口した円弧前半部は、弾揆作用を奏するために、バネ形態の円弧突片4Sを備え、各先端開口O4間では、切開二股4Fの形成で、両側の円弧突片4Sの均等な弾揆作用を保証している。
そして、長さ(L4)方向の両端縁には、幅止め具4の長手方向の嵌合接続を可能とするために、一端縁には嵌合突起4P´を、他端縁には嵌合突起4P´を嵌入するための嵌合孔4Hを配置し、各弾性クリップ4Cは、円弧内面cfに、80°間隔で、2本の小突条4Pを円弧内面cfの上下肉厚に亘って1mm突出させ、円弧突片4Sと小突条4P及び両小突条4P間を80°としたものである。
そして、幅止め具4を、図2(B)の如く、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102間に、上端の幅止め具4は、支持バー2Bの50mm下方で、各幅止め具4の上下間隔は500mmで挿入して、各弾性クリップ4Cを両側の各縦パイプ1Bに嵌合すれば、バネ形態の円弧突片4Sが縦パイプ1Bの弾揆嵌入を許容して、弾性クリップ4Cの円弧内面cfが、円弧突片4Sと協仂して、縦パイプ1Bを弾揆力で強固に確保すると共に、小突条4Pが縦パイプ1Bへの強大な押圧力を発揮して弾性クリップ4Cの把持応力を向上し、小突条4Pで生じた縦パイプ1B面と、円弧内面cfとの間の小隙間4Gは、結露水の界面流下を助長する。
従って、幅止め具4は、傾斜上面4U及び傾斜下面4Dの傾斜が水勾配となって、上方から幅止め具4に流下する結露水も、自体で発生する結露水も縦パイプ1B外周面から下方へ案内流下させるため、放熱体1内の結露水のドレンパン3内への案内流下に支障を生じない。
〔連結具5(図3)〕
連結具5は、対向する第1放熱パネル101と第2放熱パネル102の両端の対向縦パイプ1B相互を連結して放熱体1の側縁の剛性を向上させ、暖房運転時の第1放熱パネルの供給口1Sから直行流下する外端の縦パイプ1Bの軟化による、弯曲変形を阻止するものであり、図3(A)は使用状態正面図であり、(B)は使用状態側面図、(C)は連結具の上面図、(D)は連結具の正面図、(E)は(C)の矢印E視図である。
連結具5は、ABS樹脂の肉厚2mmの射出成形品であって、図3(C),(D)に示す如く、外径R5が16mm、内径が12mm、高さh5が16mmで、外側に嵌合用の幅5.3mmの開口O5を備えた円弧筒5Rから成る円弧弾性クリップ5Cを、上下幅が10mmで、長さが15mmで、一端から他端へ2mm傾斜した傾斜連結板5Sの両端に備えた長さL5が43.8mmのものであり、円弧筒5Rの上面及び下面には、面幅1.5mmの面取り部5Kを配置したものであり、開口O5の両側縁には両円弧中心線から25°の角度で面幅0.5mmの案内用エッジ5Hと、エッジ5Hから45°の角度で拡開する小口部5Eを備えたものである。
従って、図3(A)の如く、連結板5Sの前後一対の円弧弾性クリップ5Cを、第1放熱パネル101の最外端の縦パイプ1Bと、対向する第2放熱パネル102の最外端の縦パイプ1Bとに嵌合すれば、前後の対向縦パイプ1B相互は、連結板5Sによって関係一体化剛構造となって相対変位が阻止されて、第1放熱パネル101の供給口1S直下の最外端縦パイプ1Bの屈曲変位が阻止出来て、両縦パイプ1B周面を流下する結露水も、縦パイプ表面(露出外側面)fsが円弧弾性クリップ5Cの最先端f5から突出しているために、円弧筒5Rの面取り部5Kの存在と相俟って、連結具5から支障無く縦パイプ1B外周面に沿って流下する。
そして、連結板5Sの結露水も、傾斜によって一方の縦パイプ1B側にスムーズに導水される。
そして、開口O5の両端の案内用エッジ5Hは、縦パイプ1Bの円弧筒5R内への平滑な摺動弾揆嵌合を保証し、小口部5Eは、開口O5の先端厚を薄くしてエッジ5H部位のバネ機能を向上すると共に、縦パイプ1Bの外面からの円弧筒5R突出を押えて、縦パイプ1Bの外周面からの結露水のスムーズな流下を保証する。
〔幅止め具4の配置(図2)〕
幅止め具4は、図2(C)に示す如く、長さL4が200mmのプラスチック樹脂成形品であって、長さ方向の端縁の、一方には嵌合突起4P´を、他方には嵌合孔4Hを備えたものであるため、2個を接続して放熱体1の幅方向をカバーする長さとして、施工対象の放熱体1に上下間隔500mmで配置する。
この場合、図2(B)に示す如く、第1放熱パネルの縦パイプ1B群列と第2放熱パネルの縦パイプ1B群列との前後2列の縦パイプ1B群列は、全て幅止め具4の先端の開口O4から、手作業でバネ突片4Sをバネ弾性変位させて押込むと、円弧弾性クリップ4C内に、縦パイプ1Bの外端面fsが円弧弾性クリップ4Cの先端fcから突出形態となる。
そして、幅止め具4は、放熱体1に嵌合すれば、各円弧弾性クリップ4Cは、両側のバネ弾性突片4Sの復元バネ応力と、円弧内面に80°間隔で2本配置した圧接用突条4Pの協仂作用で、嵌合した縦パイプ1Bの外周を確保し、放熱体1の剛性を向上させた。
尚、幅止め具5の放熱体1への嵌合作業は、現場で放熱体1を吊下げ支持した状態での実施でも良いが、工場で予め実施しておけば、放熱体1は、保形性が向上して、保管中の放熱体1の変形も抑制出来、持ち運び等の作業性も向上する。
〔放熱体1の配置(図1)〕
放熱体1の吊下げ形態配置は、本出願人が先に特願2012−269307号として出願した「柵状放熱体の支持構造」での吊下げ手段によって、図1に示す如く、熱空間Oの両側の間柱9Eに取付けた受金具2A間に支持バー2Bを差渡し支持し、支持バー2B上に配置した支承金具2Dで、予め幅止め具4を配置した放熱体1の上側横パイプ1Aを支承して、放熱体1の上部を吊下げ支持し、放熱体の下部では、両側の間柱9Eに取付けた保持金具7によってドレンパン3上に保持し、放熱体1は、両側と対向間柱9Eとの間隔gEが30mm、放熱体1の上下横パイプ1Aの後面と内装材9Bとの間隔gCを30mmに吊下げ支持した。
〔連結具5の配置(図3)〕
連結具5の配置は、放熱体1の両側端の縦パイプ1Bのみの上下適所に間隔配置するものであるため、幅止め具4を配置して、所定位置に吊下げ形態に支持した放熱体1に対して、現場作業として実施した。
この場合、連結具5の円弧弾性クリップ5Cは、円弧筒5Rの剛性が大であるが、嵌合用開口O5が案内用エッジ5Hとエッジ5Hに引き続く小口部5Eを備えているため、縦パイプ1Bへの強固な弾揆嵌合が容易に実施出来る。
但し、連結具5は、幅止め具4と同時に工場内で配置しても良く、この場合は、柵状放熱体は剛性を備えた状態での取扱いとなり、保管段階でも、現場施工段階でも取扱いが容易となる。
〔稼動運転〕
図1に示す如く、全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体を吊下げ支持した冷暖房装置を運転したところ、冷房作用時にあっては、幅止め具4及び連結具5が放熱体1を剛性化しているため、放熱体1に生じる結露水は、設計どおりに、ドレンパン3内に集水出来た。
そして、幅止め具4上に流下する結露水も、幅止め具4自体で発生する結露水も、幅止め具4の上面4Uと下面4Dが側縁への水勾配を備えていることと、幅止め具4の両側縁f5が縦パイプ1Bの外端fsより内側であることにより、幅止め具4からの直接落下も、飛散もすることなく、スムーズに縦パイプ1B外周に沿ってドレンパン3内に誘導流入出来た。
そして、放熱体1の両側端で縦パイプ1Bを確保している連結具も、両側の円弧筒5Rを水勾配を備えた連結板5Sで一体化していること、各円弧筒5Rの上端及び下端の外周が面取り部5Kを備えていること、及び円弧筒5Rの開口先端が縦パイプ1Bの先端面fsより内側に位置していることにより、連結具5に上方から流下する結露水も、連結具5自体に生ずる結露水も、嵌合把持する縦パイプ1Bの外周を介してスムーズにドレンパン3に誘導流下出来た。
また、暖房作用時にあっても、細径の縦パイプ1B群の軟化変位、特に供給口1Sから温水の直通流下する外端の縦パイプ1Bの軟化変位が連結具5で抑制出来、外観を損なわなかった。
従って、本発明の柵状放熱体の支持構造は、新規な、幅止め具4と連結具5との採用によって、輻射熱作用を主とし、対流熱作用を従とする高性能輻射冷暖房システムの、限られた狭いスペース内への構築を可能とした。
1 放熱体
1A 横パイプ
1B 縦パイプ
1R 排出口
1S 供給口
2 吊金具
2A 受金具
2B 支持バー
2D 支承金具
3 ドレンパン
4 幅止め具
4C,5C 円弧弾性クリップ
4D 下面
4F 切開二股
4G 隙間
4H 嵌合孔
4P 突条
4P´ 嵌合突起
4S 円弧突片
4U 上面
5 連結具
5E 小口部
5H 案内用エッジ
5K 面取り部
5R 円弧筒
5S 傾斜連結板
7 保持金具
9B 内装材
9D 下側受桟
9E 間柱
9U 上側受桟
101 第1放熱パネル
102 第2放熱パネル
O 熱空間
O4,O5 開口

Claims (10)

  1. 全プラスチック樹脂パイプ製の柵状放熱体(1)の支持構造であって、放熱体(1)は、上下の横パイプ(1A)間に縦パイプ(1B)群を並列配置した同形状の第1放熱パネル(101)と第2放熱パネル(102)とを重層形態で連通一体化して、第1放熱パネル(101)の上側横パイプ(1A)の一端には供給口(1S)を、第2放熱パネル(102)の上側横パイプ(1A)の一端には排出口(1R)を突設したものであり、放熱体(1)の上部を吊下げ形態で支承して下面のドレンパン(3)上に配置し、放熱体(1)の上下中間適所には、第1放熱パネル(101)の縦パイプ(1B)群と第2放熱パネル(102)の縦パイプ(1B)群の、全縦パイプ(1B)の相互間隔を保持する幅止め具(4)と、水勾配を備えた傾斜連結板(5S)を介して両パネル(101,102)の外端の対応縦パイプ(1B)相互を連結保持する連結具(5)とを配置した、柵状放熱体(1)の支持構造。
  2. 放熱体(1)は、各放熱パネル(101,102)内の縦パイプ(1B)間の間隔(gB)が6〜8mmであり、第1放熱パネル(101)と第2放熱パネル(102)との対向面間隔(gP)が18〜20mmである、請求項1に記載の支持構造。
  3. 幅止め具(4)は、断面が山形状屈曲の左右対称形で、上面(4U)及び下面(4D)が両側縁への下降傾斜の水勾配を備えた形状であって、両側端縁には、先端開口(O4)を介して縦パイプ(1B)を弾揆嵌合する円弧弾性クリップ(4C)群を備えて、両側の円弧弾性クリップ(4C)群が、開口先端を縦パイプ(1B)に当接して、両側の対応縦パイプ(1B)群を弾揆保持する、請求項1又は2に記載の支持構造。
  4. 各円弧弾性クリップ(4C)は、円弧内面に複数の圧接用突条(4P)を備えると共に、先端の開口(O4)がバネ弾性を備えた円弧突片(4S)であり、両側の円弧突片(4S)が縦パイプ(1B)の外周面を外方に突出させた形態で縦パイプ(1B)を弾揆嵌合する、請求項3に記載の支持構造。
  5. 連結具(5)は、前記傾斜連結板(5S)の両端に連設した円弧弾性クリップ(5C)で対向縦パイプ(1B)を弾撥嵌合保持する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の支持構造。
  6. 円弧弾性クリップ(5C)は、円弧筒(5R)の上縁及び下縁の外周に面取り部(5K)を備え、円弧筒(5R)の開口(O5)の前端(f5)から縦パイプ(1B)の外端面(fs)が突出した形態に弾揆嵌合する、請求項5に記載の支持構造。
  7. 請求項1の発明に用いる幅止め具(4)であって、断面が、山形状屈曲の左右対称形で、上面(4U)及び下面(4D)が両側縁への下降傾斜を備えた形状で、両側縁には、前端に開口(O4)を備えた円弧弾性クリップ(4C)群を縦パイプ(1B)群に対応する形態で備え、両側の円弧弾性クリップ(4C)が、対応する縦パイプ(1B)を、縦パイプ(1B)の外端面(fs)が開口(O4)より外方に突出する形態で弾揆嵌合保持する幅止め具。
  8. 円弧弾性クリップ(4C)は、円弧内面に複数の圧接用の突条(4P)を厚さ方向に備え、先端の開口(O4)の両側がバネ弾性を備えた円弧突片(4S)であり、円弧突片(4S)が縦パイプ(1B)の外端面(fs)を突出させて弾揆嵌合する、請求項7に記載の幅止め具。
  9. 円弧弾性クリップ(4C)の隣接円弧突片(4S)間には切開二股(4F)を配置して、各円弧突片(4S)に均等バネ弾性を付与し、幅止め具(4)の長手方向の、一端縁には嵌合突起(4P´)を、他端縁には嵌合孔(4H)を配置して、所要長に接続する、請求項8に記載の幅止め具。
  10. 請求項1の発明の用いる連結具(5)であって、外側に嵌合用開口(O5)を備えた円弧筒(5R)から成る円弧弾性クリップ(5C)を傾斜連結板(5S)の両端に備え、開口(O5)は先端の案内用エッジ(5H)とエッジ(5H)から外方に拡開する小口部(5E)を備え、円弧筒(5R)の上端及び下端の外周に面取り部(5K)を備えた連結具。
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