JP5051930B2 - 間仕切壁前面配置の隠蔽暖冷房システム - Google Patents
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Description
図7は、従来例1であり、特許文献1として挙げた本願出願人の提案にかかる隠蔽温水暖房システムの説明図である。
即ち、図7(従来例1)の隠蔽温水暖房システムは、軽量鉄骨間仕切壁を構成するスタッド間に、アルミ板と、嵌合溝を穿設した断熱材とを積層一体化した放熱パネルを配置するもので、可撓性のプラスチック樹脂性の温水パイプを、アルミ板面に当接形態で、断熱材の嵌合溝内に屈曲延展配置して、天井配置の、往き管を温水パイプの一端に、戻り管を温水パイプの他端に接続し、間仕切壁のアルミ板面の温水加熱によって居室内を暖房するものである。
即ち、図8(従来例2)は、出窓の窓下コンクリート壁面に凹所を形成して、凹所壁面の前面に、断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し背面側にフィンを有するパネルタイプの放熱器を配置し、且つ放熱器下方には、冷風導入用の斜板を配置し、温水パイプで放熱器に熱供給するものである。
即ち、図9に示す放熱器は、プラスチック樹脂製の縦パイプ群を、上下の大径緯パイプで連通した2枚の放熱パネルを、重層形態で一体化して放熱部とし、該放熱部の上下、左右の四周に、上枠、側枠、下枠、上接合具及び下接合具で枠組みを付加して、熱効率及びデザイン性に優れた居室内配置タイプの放熱器である。
そして、放熱量の増大を図って放熱パネル面を左右に増加すれば、家具配置の制約が大となる。
また、壁面からの前面への突出が無くて、居室スペース占有は避けられるが、露見する外観は、インテリアデザイン面からの違和感を呈して美感を損なう。
また、温水パイプ内に冷房用の冷水を循環させれば、温水パイプの結露水は、断熱材及び壁仕上材に吸着し、放熱パネルを収納する間仕切内には、ダニ、カビの発生を来たす。
そして、放熱パネルを収納する間仕切内は、放熱パネルによって上下分断しているため、間仕切内は、ガラリによる室内空気の流入、流出効果が少なく、結露水を吸着した壁仕上材の乾燥効果が期待出来ない。
従って、従来例1(図7)の隠蔽型温水暖房システムでは、結露の発生を伴なう冷房運転は実施出来ない。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、適用居室が制約され、放熱器を隠蔽するために、建物を構成する暖房装置以外の、躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生する。
その上、出窓の下半への配置であるため、インテリアデザイン面からの美観向上は期待出来ない。
本発明は、これら従来例の問題点を、一挙に解決、又は改善するものであって、放熱器を間仕切壁前面に取付けて、放熱器前面を目隠し壁で隠蔽し、結露対策をも備えた、且つ熱効率の極めて高い、暖房にも冷房にも適した暖冷房システムであって、従来の隠蔽型暖房システムを一新する新規で、室内意匠効果も期待出来る、実用性に富んだ暖冷房システムを提供するものである。
そして、放熱器Heの取付配置は、放熱部を構成する縦パイプ2C群は、細くて長いため熱伸縮を生じ、且つ剛体でないため、吊下げ保持するものであり、天井面からの吊下げでも可能であるが、典型的には、間仕切壁WAの前面に取付けた保持金具21によって、放熱器Heの上側主管2Aを吊下げ保持する。
また、架台23上に載置するドレンパン3Aは、放熱器Heからの結露水を漏れなく処理出来、架台23上に簡便に配置出来れば良く、典型的には、図3(D)に示す如く、幅W3及び長さL3が、放熱器Heの幅W1及び長さL1をカバーする寸法で、一側縁近傍にドレンパイプ3Bを下方突出したプラスチック製品である。
しかも、目隠し壁24の壁面材意匠の選択によって、需要者の好みの美的雰囲気での暖冷房を提供し、従来の隠蔽暖冷房システムからは予想すら出来ない、斬新なインテリアデザイン効果を備えた暖冷房システムを提供する。
そして、冷房作用時に、特に問題となる結露水の発生も、ドレン手段により好適に対処出来、間仕切壁WA前面と目隠し壁24後面の結露湿気による湿潤も、室内からの目隠し壁24を介した空気の自然対流によって抑制出来、カビやダニの発生は抑制出来、衛生的にも優れた暖冷房システムを提供する。
また、目隠し壁24の近接配置の意は、放熱器Heとの間に空気対流を許容する間隔を保った意であり、典型的には、図2に示す如く、間仕切壁WAの前面の内装材8Aから前方へ厚さ120mm(d21)の空間内の中央に前後厚さ58.5mm(W1)の放熱器Heを、前面と後面とに空気流通間隔を保って配置し、厚さ120mmの、放熱器He用の配置空間の前面を規定する形態に、厚さ(W24)が36mmの目隠し壁24を立設する。
また、上方のガラリ7Aと下方のガラリ7Aとは、図2に示す如く、上方ガラリ7Aの羽根7Bが下方への傾斜突出であり、下方ガラリ7Aの羽根7Bが、上方への傾斜突出とすれば、暖房時の空気流ar1も冷房時の空気流ar2も、スムーズな循環対流となる。
この場合、目隠し壁24の、天井面CL及び床面FLへの着脱自在の固定は、それ自体慣用の建具である、アングル取付金具を適用すれば良い。
この場合、紙障子24Kの配置は、骨組FWの上下ガラリ7Aのスペースに、障子用の枠24bを嵌入止着すれば、紙障子24Kは着脱自在に配置出来る。
従って、熱輻射波の吸収放射用面材として紙障子24Kを採用すれば、隠蔽暖冷房システムの目隠し壁24としての機能と共に、斬新且つ幻想的な装飾壁効果も期待出来る。
この場合、目隠し壁24の下部内面には、図2に示す如く、構造用合板8A´を架台23の摺動案内用に配置するのが好ましい。
従って、架台23は、ドレンパン3Aから下方に突出したドレンパイプ3Bを、慣用の排水パイプ3Cと接続した後、放熱器Heの開放側面の下側からドレンパン3Aの下面に摺動配置出来、ドレン手段の配置及びメンテナンスが簡便となる。
この場合、図6に示す如く、保持金具21は、第1放熱パネル主管2Aと、第2放熱パネル主管2Aとに当接する曲面当接片21Rの当接面に断熱シート21Mを貼着しておけば、保持金具21の曲面当接片21Rへの主管2Aからの熱伝達が抑制出来る。
従って、本発明の保持金具21で放熱器Heの放熱パネル101,102を保持することにより、特に、冷房作用時での保持金具21の冷却作用に起因する結露は阻止出来、冷房作用時の放熱器He、特に、縦パイプ2C群に発現する結露水は、下側のドレンパン3Aで確実に排除出来、保持金具21の当接する間仕切壁WAの前面の結露が抑制出来るため、目隠し壁24で覆われた放熱器He配置域では、目隠し壁24のガラリ7Aを介した空気の自然対流循環と相俟って、結露による湿潤作用が抑制出来、カビ、ダニの発生が抑制出来る。
また、放熱器Heの上方の接続金具2Nも保温材NCで結露が抑制出来、放熱器Heの配置域での、結露による湿潤化、及びカビ、ダニの発生が阻止出来る。
従って、隠蔽冷房システムの最大課題である、放熱器配置域での結露対策の万全な暖冷房システムとなる。
そのため、目隠し壁24による放熱器Heの隠蔽は容易となる。
そして、目隠し壁24によって室内側から露見しない放熱器Heは、輻射熱と自然対流熱とによる静かな暖冷房作用であり、目隠し壁24が需要者の好みの意匠効果を発揮するため、暖冷房システムは、視聴覚面からも、肌感覚面からも快適で、老人、子供にも何ら心配の無い、人間に優しい暖冷房を提供する。
従って、本発明の隠蔽暖冷房システムは、斬新で画期的なインテリアデザイン性を備え、衛生的で、人体に優しい、高性能暖冷房システムを提供する。
図5は、放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は第1放熱パネル101面から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は第2放熱パネル102面から見た正面図である。
放熱器Heは、床面FLから天井面CLまでの寸法Chが2400mmの間仕切壁WAの前面に吊下げ形態で配置するものとして準備する。
そして、各縦パイプ2C群を、上側ヘッダー1の継手枝管2Bと下側ヘッダー1の継手枝管2Bに融着接合して、上側ヘッダー1の主管2A上端面から下側ヘッダー1の主管2Aの下端面までの寸法h1、即ち放熱器Heの高さh1が2000mmの、同一構造の第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102を準備する。
そして、2枚の放熱パネルを、供給排出口2S(2R)を同一位置に重ねて、上下の主管2A相互の間隔gs(4.5mm)を保って、2枚の放熱パネルを、供給排出口2S,2Rの反対側の上側主管2A間のみを連通パイプ2Dで連結し、他の3隅の主管2A間はスペーサーパイプ2Eで接続すれば、2枚重ねで、第1放熱パネル101の冷温水供給口2Sと第2放熱パネル102の冷温水排出口2Sとが同一位置で前後関係を保つ放熱器Heが得られる。
そして、PP−R樹脂製の縦パイプ2C群は、人体に良いとされる8μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均:0.95)で放射するため、高性能輻射熱放熱器となる。
図3(A)は骨組FWの斜視図であり、図3(B)は骨組FWで形成した目隠し壁24の縦断側面図であり、図3(C)は、目隠し壁24の変形例の縦断側面図である。
目隠し壁24は、予め準備した木製の骨組FWを床面から天井面に亘って立設固定し、骨組FWに、ガラリ7A、及び目隠し用の面材を配置するものであり、全体形状は、左右の幅L24が600mm、高さh24が天井高さ(標準:2400mm)より20mm低く(標準:2380mm)、厚さW24が36mmである。
そして、左右縦枠材6S間の適所に、補強横桟6P´を配置し、各横枠材6Pと補強横桟6P´間の幅中央部にも、補強縦桟6S´を一体化固定して、目隠し壁24用の剛構造骨組FWを準備する。
ドレン手段は、図2の使用例に示す如く、放熱器Heの下側に配置するドレンパン3Aと、ドレンパン3Aを載置する架台23とから成り、図4(A)は架台23の全体斜視図、図4(B)は架台23上に、ドレンパン3Aを載置した状態の正面図、図4(C)は架台23上にドレンパン3Aを載置した状態の側面図、図4(D)はドレンパン3Aの全体斜視図である。
そして、底辺3Dの幅中央で長さ方向一側部位に、ドレンパイプ3Bを排水用に下方へ突出したものである。
図6(A)は保持金具21の全体斜視図であり、図6(B)は放熱器Heの上部保持状態の縦断側面図であり、図6(C)は、放熱器Heの下部に、前後揺動阻止形態で使用している縦断側面図である。
即ち、保持金具21は、上向きに使用すれば、放熱パネルの2本の上側主管2Aが支承保持出来、下向きに使用すれば放熱パネルの2本の下側主管2Aを前後揺動阻止出来るものである。
図5に示す放熱器Heの配置は、間仕切壁WAの前面の内装材8Aの表面に、天井面CLから床面FLに亘って、輻射熱反射層8Dとしてのアルミ箔を、放熱器Heの全幅L1(360mm)をカバーする形態に貼着して、アルミ箔8Dの両側端は、上端から下端まで、アルミ製の見切8Mで押える。
従って、上下の2個の保持金具21で、上側主管2Aの両端を支承し、下側主管2Aの両端を上側から当接することにより、放熱器Heは、上側の保持金具21で吊下げ形態で保持し、且つ、下側の保持金具21で下端が前後揺動阻止される。
また、ドレン機構の目視点検、及びメンテナンスは、架台23の化粧プレート23Cの着脱で容易に実施出来る。
しかも、目隠し壁24は、独立壁として目立つと共に、前面の、需要者の好みで選択した内装材8Aの意匠効果によって、従来の室内暖冷房に対するイメージからは想像出来ない、目新しい、斬新なインテリアデザイン効果を発揮する。
目隠し壁24は、暖冷房システムを隠蔽すると共に、インテリアデザイン性の向上を図るものであるため、図3(B)に示す、実施例に代えて、図3(C)の如く、内装材8Aの中央部分を、障子枠24bを介した紙障子24Kとし、紙障子24Kを内側から間接照明するための間接照明灯24Eを骨組FWの内面に付設すれば、斬新で幻想的な照明意匠が得られ、紙障子24Kの選択交換によって、デザイン効果の多様化も期待出来る。
2A 主管
2B 継手枝管
2C 縦パイプ
2D 連通パイプ
2E スペーサーパイプ
2F,2P 閉止板
2N 接続金具
2R 排出口
2S 供給口
3A ドレンパン
3B ドレンパイプ
3C 排水パイプ
3D 底辺
3S 斜辺
6B 間柱
6E 根太
6K 受桟
6P 横枠材
6P´ 補強横桟
6R 窓台胴縁
6R´ まぐさ胴縁
6S 縦枠材
6S´ 補強縦桟
6T 野縁
7A ガラリ
7B 羽根
8A 内装材
8A´ 構造用合板
8B 幅木
8D 輻射熱反射層(アルミ箔)
8M アルミ製見切
9A 床材
9B 床用合板
10 天井材
21 保持金具
21C 下辺
21F 垂直辺
21M 断熱シート
21R 曲面当接片
21S 垂直側辺
23 架台
23C 化粧プレート
23D 補強桟
23P 脚板
23T 上板
24 目隠し壁
24b 障子枠
24E 電灯(間接照明灯)
24F 縦縁
24K 紙障子
101 第1放熱パネル
102 第2放熱パネル
ar1 暖気流(暖房空気流)
ar2 冷気流(冷房空気流)
CL 天井面
FL 床面
FW 骨組
He 放熱器
n21,n24 くぎ
NC 保温材
PK パッキン材
R リターン管(戻り管)
S サプライ管(往き管)
S7,S21,S23 ねじ
WA 間仕切壁
Claims (7)
- 木造や軽量鉄骨造壁下地、鉄筋コンクリート造の間仕切壁(WA)前面に、全プラスチック樹脂製放熱器(He)を配置し、放熱器(He)の前面に、目隠し壁(24)を立設した、温冷水循環暖冷房システムであって、放熱器(He)は、上下主管(2A)間に縦パイプ(2C)群を並列連通した、第1放熱パネル(101)と第2放熱パネル(102)とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側主管(2A)からは供給口(2S)を、他方の放熱パネルの上側主管(2A)からは排出口(2R)を突設したものであって、放熱器(He)を間仕切壁(WA)前面で吊下げ形態に保持して、天井配管の、サプライ管(S)を供給口(2S)に、リターン管(R)を排出口(2R)に連通し、放熱器(He)の下側には、ドレンパン(3A)を載置した架台(23)を配置し、目隠し壁(24)は、高い熱線吸収放射率を備えて床面(FL)から天井面(CL)に亘って放熱器(He)の前面を覆って、放熱器(He)を室内側から隠蔽し、放熱パネル(He)からの放射熱を室内に放出すると共に、放熱器(He)への室内側からの空気対流を許容する意匠壁である隠蔽暖冷房システム。
- 目隠し壁(24)は、熱輻射波を吸収放射、若しくは透過する面材を張設し、上部と下部には空気流通用のガラリ(7A)を備え、且つ、放熱器(He)に近接形態で、放熱器(He)の左右に張出して、床面(FL)から天井面(CL)に亘って立設している、請求項1に記載の隠蔽暖冷房システム。
- 目隠し壁(24)は、左右の縦枠材(6S)と上下の横枠材(6P)から成る骨組(FW)内の上部と下部とに、まぐさ胴縁(6R´)と窓台胴縁(6R)を介して、上方ガラリ(7A)と下方ガラリ(7A)とを配置し、床面(FL)及び天井面(CL)に着脱自在に固定した、請求項1又は2に記載の隠蔽暖冷房システム。
- 目隠し壁(24)は、上下ガラリ(7A)間には、紙障子(24K)を着脱自在に配置し、紙障子(24K)の裏側に間接照明灯(24E)を配置した、請求項2に記載の隠蔽暖冷房システム。
- ドレンパン(3A)を載置する架台(23)は、一側端からドレンパイプ(3B)嵌入用の切込み長孔(H23)を備え、間仕切壁(WA)前面と目隠し壁(24)との間で側方への出没が可能である、請求項1又は2に記載の隠蔽暖冷房システム。
- 放熱器(He)は、間仕切壁(WA)内の受桟(6K)に固定した上下の保持金具(21)によって、上側主管(2A)を熱伝達抑制形態で支承し、下側主管(2A)を熱伝達抑制形態で前後揺動阻止した、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の隠蔽暖冷房システム。
- 間仕切壁(WA)の前面の放熱器(He)配置部位では輻射熱反射層(8D)を備え、天井配管のサプライ管(S)及びリターン管(R)と、放熱器(He)の供給管(2S)及び排出管(2R)とを接続した接続金具(2N)は保温材(NC)で被覆し、ドレンパン(3A)はプラスチック樹脂製である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の隠蔽暖冷房システム。
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