JP5051930B2 - 間仕切壁前面配置の隠蔽暖冷房システム - Google Patents

間仕切壁前面配置の隠蔽暖冷房システム Download PDF

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Description

本発明は、建物の間仕切壁前面に放熱器を隠蔽配置した暖冷房システムに関するものであり、より詳しくは、木造や軽量鉄骨壁下地、鉄筋コンクリート造の間仕切壁前面に全プラスチック樹脂性放熱器を吊下配置し、放熱器前面に、放熱機能と意匠効果とを兼備した目隠し壁を配置して放熱器を隠蔽し、放熱器に、温水循環による室内暖房と、冷水循環による室内冷房を可能とした、暖冷房システムに関するものである。
従来、居室内の暖房手段として、壁面に放熱体を配置する手法は、各種提案、実施されている。
図7は、従来例1であり、特許文献1として挙げた本願出願人の提案にかかる隠蔽温水暖房システムの説明図である。
即ち、図7(従来例1)の隠蔽温水暖房システムは、軽量鉄骨間仕切壁を構成するスタッド間に、アルミ板と、嵌合溝を穿設した断熱材とを積層一体化した放熱パネルを配置するもので、可撓性のプラスチック樹脂性の温水パイプを、アルミ板面に当接形態で、断熱材の嵌合溝内に屈曲延展配置して、天井配置の、往き管を温水パイプの一端に、戻り管を温水パイプの他端に接続し、間仕切壁のアルミ板面の温水加熱によって居室内を暖房するものである。
また、図8は、従来例2であって特許文献2として挙げたビルトインタイプ温水暖房システムである。
即ち、図8(従来例2)は、出窓の窓下コンクリート壁面に凹所を形成して、凹所壁面の前面に、断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し背面側にフィンを有するパネルタイプの放熱器を配置し、且つ放熱器下方には、冷風導入用の斜板を配置し、温水パイプで放熱器に熱供給するものである。
また、従来例3として挙げた図9は、特許文献3として開示した本願出願人の提案に係る放熱器であって、壁内隠蔽は出来ないものであるが、全プラスチック樹脂製放熱部を備えたものである。
即ち、図9に示す放熱器は、プラスチック樹脂製の縦パイプ群を、上下の大径緯パイプで連通した2枚の放熱パネルを、重層形態で一体化して放熱部とし、該放熱部の上下、左右の四周に、上枠、側枠、下枠、上接合具及び下接合具で枠組みを付加して、熱効率及びデザイン性に優れた居室内配置タイプの放熱器である。
特開2006−170532号公報 特開平11−108379号公報 特開2009−222297号公報
従来例1(図7)の隠蔽温水暖房システムは、間仕切壁内に収納出来、壁のアルミ板面からの放熱暖房が実施出来るが、放熱パネルは、両側の軽量鉄骨間仕切のスタッド(間柱)間(標準:455mm)を2ヵ所使用し、可撓性のプラスチック樹脂パイプを上下屈曲延展配置するもので、プラスチック樹脂パイプのフープストレスでの曲げ半径の限界の制約を受けるため、パイプ間隔は狭く出来ず、開示の8本配置が限度であり、放熱量が少ない。
そして、放熱量の増大を図って放熱パネル面を左右に増加すれば、家具配置の制約が大となる。
また、壁面からの前面への突出が無くて、居室スペース占有は避けられるが、露見する外観は、インテリアデザイン面からの違和感を呈して美感を損なう。
また、放熱パネルと壁仕上材とが面当接しているので、放熱パネルは、熱伝導により、軽量鉄骨間仕切及び壁仕上材に熱分散してからの輻射熱伝達となるため、熱効率が悪い。
また、温水パイプ内に冷房用の冷水を循環させれば、温水パイプの結露水は、断熱材及び壁仕上材に吸着し、放熱パネルを収納する間仕切内には、ダニ、カビの発生を来たす。
そして、放熱パネルを収納する間仕切内は、放熱パネルによって上下分断しているため、間仕切内は、ガラリによる室内空気の流入、流出効果が少なく、結露水を吸着した壁仕上材の乾燥効果が期待出来ない。
従って、従来例1(図7)の隠蔽型温水暖房システムでは、結露の発生を伴なう冷房運転は実施出来ない。
また、従来例2(図8)の温水暖房システムにあっては、放熱器がフィンを有するパネル式であるため、通常の金属製放熱パネルの配管同様に、金属製放熱器の温水に含まれる酸素による腐蝕を抑えるために、温水パイプには酸素を透過させない高価な樹脂管、又は銅管を使用する必要があり、温水ボイラーにも、酸素の混入を防ぐ高価な密閉式の採用が必要となり、コスト面、管理面上の問題がある。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、適用居室が制約され、放熱器を隠蔽するために、建物を構成する暖房装置以外の、躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生する。
その上、出窓の下半への配置であるため、インテリアデザイン面からの美観向上は期待出来ない。
また、従来例3(図9)の放熱器は、放熱パネル自体は、全プラスチック樹脂製で、輻射熱放熱に優れたものであるが、居室内配置用に開発されたものであり、該放熱器は、居室内での隠蔽使用に不適当なものである。
本発明は、これら従来例の問題点を、一挙に解決、又は改善するものであって、放熱器を間仕切壁前面に取付けて、放熱器前面を目隠し壁で隠蔽し、結露対策をも備えた、且つ熱効率の極めて高い、暖房にも冷房にも適した暖冷房システムであって、従来の隠蔽型暖房システムを一新する新規で、室内意匠効果も期待出来る、実用性に富んだ暖冷房システムを提供するものである。
本発明の隠蔽暖冷房システムは、例えば図1に示す如く、木造や軽量鉄骨壁下地、鉄筋コンクリート造の間仕切壁WA前面に、全プラスチック樹脂製放熱器Heを配置し、放熱器Heの前面に、目隠し壁24を立設した、温冷水循環暖冷房システムであって、放熱器Heは、上下主管2A間に縦パイプ2C群を並列連通した、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側主管2Aからは供給口2Sを、他方の放熱パネルの上側主管2Aからは排出口2Rを突設したものであって、放熱器Heを間仕切壁WA前面で吊下げ形態に保持して、天井配管の、サプライ管Sを供給口2Sに、リターン管Rを排出口2Rに連通し、放熱器Heの下側には、ドレンパン3Aを載置した架台23を配置し、目隠し壁24は、高い熱線吸収放射率を備えて床面FLから天井面CLに亘って放熱器Heの前面を覆って、放熱器Heを室内側から隠蔽し、放熱器Heからの放射熱を室内に放出すると共に、放熱器Heへの室内側からの空気対流を許容する意匠壁としたものである。
この場合、目隠し壁24は、室内側から暖冷房システムを完全に隠蔽し、且つ放熱器Heへの室内からの空気の流出入を許容するものであり、典型的には、放熱器Heの上部と下部との対向部位に、空気流出入用のガラリ7Aを備え、ガラリ7A以外の前面は、放熱器Heからの熱線の吸収放射性に優れ、且つ意匠性に富む内装材等の面材を張設したものであり、床面FLから天井面CLに亘って目隠し機能を奏する独立付設壁である。
また、放熱器Heは、熱線放射率の高いプラスチックパイプ製であれば良く、典型的には、ポリプロピレン、ランダム、コポリマー樹脂(PP−R樹脂)製で上下高さh1が2000mm、左右長さL1が360mmである。
そして、放熱器Heの取付配置は、放熱部を構成する縦パイプ2C群は、細くて長いため熱伸縮を生じ、且つ剛体でないため、吊下げ保持するものであり、天井面からの吊下げでも可能であるが、典型的には、間仕切壁WAの前面に取付けた保持金具21によって、放熱器Heの上側主管2Aを吊下げ保持する。
また、放熱器Heの構成プラスチックパイプの表面に生ずる結露水のドレン手段が必要であるが、放熱器Heの下側にドレンパン3Aを、メンテナンスが容易なように配置すれば良く、架台23は、慣用の排水パイプと接続したドレンパン3Aを安定保持するものであり、架台23は、典型的には、図4(A)に示す如く、一側縁からドレンパイプ3B嵌入用の長孔H23を切込んだ上板23Tでドレンパン3Aを載置するものである。
また、架台23上に載置するドレンパン3Aは、放熱器Heからの結露水を漏れなく処理出来、架台23上に簡便に配置出来れば良く、典型的には、図3(D)に示す如く、幅W3及び長さL3が、放熱器Heの幅W1及び長さL1をカバーする寸法で、一側縁近傍にドレンパイプ3Bを下方突出したプラスチック製品である。
従って、本発明の隠蔽暖冷房システムは、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rを介して、暖房時には温水(標準:60℃)を、冷房時には冷水(標準:7℃)を放熱パネル101,102に循環させることにより、プラスチック縦パイプ群による高い熱線放射率(標準:0.95)によって、前面の目隠し壁24の高い熱線吸収放射率(標準:0.85)での、室内への輻射熱作用を発揮し、同時に、目隠し壁24からの放熱器He部位への自然空気対流による対流熱作用も奏し、輻射熱作用を主とし(70%強)、対流熱作用を従とする(30%弱)、人体に優しい暖冷房を熱効率良く発揮する。
そして、床面FLから天井面CLに亘る独立付設壁形態の目隠し壁24によって、室内側から露見しない暖冷房システムからの、輻射熱と自然対流熱による静かな暖冷房であるため、視聴覚面からも、肌感覚面からも、人体に優しい、且つ、老人、子供にも何ら心配の無い、暖冷房を提供する。
しかも、目隠し壁24の壁面材意匠の選択によって、需要者の好みの美的雰囲気での暖冷房を提供し、従来の隠蔽暖冷房システムからは予想すら出来ない、斬新なインテリアデザイン効果を備えた暖冷房システムを提供する。
また、放熱器Heを構成する2枚の放熱パネル101,102は、高効率の暖冷房作用を供すると同時に、プラスチックパイプ特有の熱伸縮も派生するが、放熱器Heは吊下げ形態支承であるため、熱伸縮歪は好適に吸収出来、放熱器Heを間仕切壁WAの前面に、即ち天井面CLから床面FLに亘るスペースに配置することと相俟って、放熱パネルの縦パイプ2C群の長尺化による放熱量の増大化が可能となり、本発明暖冷房システムは、壁面の上下スペースを有効に利用した高性能暖冷房を提供する。
そして、冷房作用時に、特に問題となる結露水の発生も、ドレン手段により好適に対処出来、間仕切壁WA前面と目隠し壁24後面の結露湿気による湿潤も、室内からの目隠し壁24を介した空気の自然対流によって抑制出来、カビやダニの発生は抑制出来、衛生的にも優れた暖冷房システムを提供する。
また、本発明の隠蔽暖冷房システムにあっては、目隠し壁24は、熱輻射波を吸収放射、若しくは透過する面材を張設し、上部と下部には空気流通用のガラリ7Aを備え、且つ、放熱器Heに近接形態で、放熱器Heの左右に張出して、床面FLから天井面CLに亘って立設するのが好ましい。
この場合、熱輻射波を吸収放射する面材は、石膏ボード、ビニールクロス、紙等、吸収放射率が0.8以上の面材が好ましく、ビニールクロス被覆石膏ボードは、熱輻射波の吸収放射率が0.85であるので好ましい。
また、目隠し壁24の近接配置の意は、放熱器Heとの間に空気対流を許容する間隔を保った意であり、典型的には、図2に示す如く、間仕切壁WAの前面の内装材8Aから前方へ厚さ120mm(d21)の空間内の中央に前後厚さ58.5mm(W1)の放熱器Heを、前面と後面とに空気流通間隔を保って配置し、厚さ120mmの、放熱器He用の配置空間の前面を規定する形態に、厚さ(W24)が36mmの目隠し壁24を立設する。
また、目隠し壁24の放熱器Heからの左右張出し寸法は、通常の日常生活での目線では、放熱器Heが露見しない張出し寸法であって、図1に示す典型例にあっては、放熱器Heの左右幅360mm(L1)に対し、目隠し壁24の左右幅が600mm(L24)であって、目隠し壁24は、間仕切壁WA前面から120mm前方寸法で、正面視で、左右共、放熱器Heの側端から120mm張出したものである。
また、上方のガラリ7Aと下方のガラリ7Aとは、図2に示す如く、上方ガラリ7Aの羽根7Bが下方への傾斜突出であり、下方ガラリ7Aの羽根7Bが、上方への傾斜突出とすれば、暖房時の空気流ar1も冷房時の空気流ar2も、スムーズな循環対流となる。
従って、目隠し壁24は、室内側から見れば、間仕切壁WAの前面から、放熱器He配置域の前後空間寸法(標準:120mm)だけ前面に突出した、床面から天井面に亘る安定感のある独立壁形態を呈し、暖冷房システムを、室内からの目線からは隠蔽しながら、放熱器Heからの熱輻射波を室内に放出して室内の輻射熱加熱を可能とし、且つ、隠蔽放熱器He配置部位への、室内からの空気の、スムーズな自然循環対流をも可能とするため、隠蔽タイプでの高機能暖冷房システムの提供を可能とし、目隠し壁24に張設した面材の意匠性と相俟って、従来の、隠蔽暖冷房システムとは全く異質で、機能美に富む、斬新なデザイン性を備えた隠蔽暖冷房システムを提供する。
また、目隠し壁24は、図3に示す如く、左右の縦枠材6Sと上下の横枠材6Pから成る骨組FW内の上部と下部とに、まぐさ胴縁6R´と窓台胴縁6Rを介して上方ガラリ7Aと下方ガラリ7Aとを配置し、床面FL及び天井面CLに着脱自在に固定するのが好ましい。
この場合、目隠し壁24の、天井面CL及び床面FLへの着脱自在の固定は、それ自体慣用の建具である、アングル取付金具を適用すれば良い。
従って、骨組FW(フレームワーク)には、放熱器Heの上部と下部との対応位置にガラリ7Aを配置して、放熱器Heへの空気の自然対流循環機能を保証した上での、需要者の好みに応じた面材の選択張着となるため、熱輻射波吸収放射用面材を自在に張り替えても、目隠し壁24の空気の自然対流循環機能は一定に維持出来、骨組FW、即ち目隠し壁24が着脱可能であるため、目隠し壁24の施工が容易であると共に、目隠し壁24の需要者の要望に応えるデザイン変更も、放熱器Heの耐用中のメンテナンスも容易となる。
また、目隠し壁24は、例えば、図3(C)に示す如く、上下ガラリ7A間には、紙障子24Kを着脱自在に配置し、紙障子24Kの裏側に間接照明灯24Eを配置するのが好ましい。
この場合、紙障子24Kの配置は、骨組FWの上下ガラリ7Aのスペースに、障子用の枠24bを嵌入止着すれば、紙障子24Kは着脱自在に配置出来る。
従って、熱輻射波の吸収放射用面材として紙障子24Kを採用すれば、隠蔽暖冷房システムの目隠し壁24としての機能と共に、斬新且つ幻想的な装飾壁効果も期待出来る。
また、本発明の隠蔽暖冷房システムにあっては、ドレンパン3Aを載置する架台23は、図4(A)に示す如く、一側端からドレンパイプ3B嵌入用の切込み長孔H23を備え、間仕切壁WA前面と目隠し壁24との間で側方への出没が可能であるのが好ましい。
この場合、目隠し壁24の下部内面には、図2に示す如く、構造用合板8A´を架台23の摺動案内用に配置するのが好ましい。
従って、架台23は、ドレンパン3Aから下方に突出したドレンパイプ3Bを、慣用の排水パイプ3Cと接続した後、放熱器Heの開放側面の下側からドレンパン3Aの下面に摺動配置出来、ドレン手段の配置及びメンテナンスが簡便となる。
また、放熱器Heは、図2に示す如く、間仕切壁WA内の受桟6Kに固定した上下の保持金具21によって、上側主管2Aを熱伝達抑制形態で支承し、下側主管2Aを熱伝達抑制形態で前後揺動阻止するのが好ましい。
この場合、図6に示す如く、保持金具21は、第1放熱パネル主管2Aと、第2放熱パネル主管2Aとに当接する曲面当接片21Rの当接面に断熱シート21Mを貼着しておけば、保持金具21の曲面当接片21Rへの主管2Aからの熱伝達が抑制出来る。
そして、同一形態の保持金具21を、曲面当接片21Rを上向き開放形態で上側主管2Aの下側に配置すれば、主管2Aが支承出来、曲面当接片21Rを下向き開放形態で下側主管2Aの上側に配置すれば、下側主管2Aの前後揺動が阻止出来る。
従って、本発明の保持金具21で放熱器Heの放熱パネル101,102を保持することにより、特に、冷房作用時での保持金具21の冷却作用に起因する結露は阻止出来、冷房作用時の放熱器He、特に、縦パイプ2C群に発現する結露水は、下側のドレンパン3Aで確実に排除出来、保持金具21の当接する間仕切壁WAの前面の結露が抑制出来るため、目隠し壁24で覆われた放熱器He配置域では、目隠し壁24のガラリ7Aを介した空気の自然対流循環と相俟って、結露による湿潤作用が抑制出来、カビ、ダニの発生が抑制出来る。
また、間仕切壁WAの前面の放熱器He配置部位では、図1に示す如く、輻射熱反射層8Dを備え、天井配管のサプライ管S及びリターン管Rと、放熱器Heの供給管2S及び排出管2Rとを接続した接続金具2Nは保温材NCで被覆し、ドレンパン3Aはプラスチック樹脂製であるのが好ましい。
この場合、プラスチック樹脂製ドレンパン3Aは、熱伝導率が低いため、下側主管2Aの近傍配置としても結露が無く、暖冷房システムのコンパクト化が可能となる。
また、放熱器Heの上方の接続金具2Nも保温材NCで結露が抑制出来、放熱器Heの配置域での、結露による湿潤化、及びカビ、ダニの発生が阻止出来る。
従って、隠蔽冷房システムの最大課題である、放熱器配置域での結露対策の万全な暖冷房システムとなる。
本発明の隠蔽暖冷房システムにあっては、放熱器Heは、熱線放射率の高いプラスチックパイプ製の放熱パネルを2枚重層形態で一体化したため、高い輻射熱作用による高性能暖冷房作用が可能であることと、放熱器Heは吊下げ形態で保持するために、放熱パネルの縦パイプ2C群の熱伸縮歪による支障が生じないことと、放熱器Heが間仕切壁WAの前面のスペースへの配置となるために放熱パネルの発熱面を構成する縦パイプ2C群は上下長尺化が可能となることとが相俟って、横幅の増大を抑えた、縦長の高性能な熱輻射暖冷房放熱器Heと出来る。
そのため、目隠し壁24による放熱器Heの隠蔽は容易となる。
そして、目隠し壁24は、高い熱線吸収放射率を備えて床面FLから天井面CLに亘って独立付設壁形態であるため、放熱器Heからの放射熱を室内に高効率で放射(標準放射率:0.85)し、且つ放熱器Heへの室内からの空気の自然対流循環を許容するため、暖冷房作用は、輻射熱作用を主とし(70%強)、自然対流熱作用を従とする(30%弱)、居住者にも優しい、穏やかな暖冷房作用を提供する。
そして、目隠し壁24によって室内側から露見しない放熱器Heは、輻射熱と自然対流熱とによる静かな暖冷房作用であり、目隠し壁24が需要者の好みの意匠効果を発揮するため、暖冷房システムは、視聴覚面からも、肌感覚面からも快適で、老人、子供にも何ら心配の無い、人間に優しい暖冷房を提供する。
しかも、冷房作用時に、特に問題となる結露の発生は、放熱器Heの下側にドレン手段を配置したために、放熱器Heの結露水は排水出来、放熱器Heの配置域には、目隠し壁24を介した空気の自然循環対流が生じているため、放熱器He配置域、即ち、間仕切壁WA前面から目隠し壁24裏面に亘る区域での、湿潤作用によるカビ、ダニの発生は抑制出来る。
従って、本発明の隠蔽暖冷房システムは、斬新で画期的なインテリアデザイン性を備え、衛生的で、人体に優しい、高性能暖冷房システムを提供する。
本発明の実施例図であって、(A)は横断面図、(B)は部分正面図、(C)は縦断側面図である。 本発明実施例の拡大縦断面図である。 目隠し壁の説明図であって、(A)は骨組FWの部分斜視図、(B)は目隠し壁の縦断側面図、(C)は目隠し壁の変形例の縦断側面図である。 ドレン手段の説明図であって、(A)は架台の斜視図、(B)は架台にドレンパンを載置した状態の正面図、(C)は架台にドレンパンを載置した状態の側面図、(D)はドレンパンの斜視図である。 放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は第1放熱パネル側からの正面図、(C)は右側面図、(D)は第2放熱パネル側からの正面図である。 放熱器の保持手段説明図であって、(A)は保持金具21の全体斜視図、(B)は上側主管保持状態の縦断面図、(C)は下側主管の揺動阻止状態縦断面図である。 従来例1の説明図であって、(A)は正面図、(B)は縦断側面図、(C)は横断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は正面図、(B)は縦断側面図である。 従来例3の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は放熱部の部分拡大正面図、(C)は放熱部の斜視図である。
〔放熱器He(図5)〕
図5は、放熱器Heの説明図であって、(A)は左側面図、(B)は第1放熱パネル101面から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は第2放熱パネル102面から見た正面図である。
放熱器Heは、床面FLから天井面CLまでの寸法Chが2400mmの間仕切壁WAの前面に吊下げ形態で配置するものとして準備する。
放熱器Heの全体形状は、図5に示す如く、高さ(上下長さ)h1が2000mm、幅(左右長さ)L1が360mm、前後厚さW1が58.5mmで、上側主管2Aと下側主管2Aとの間に、多数の細い縦パイプ2C群を差渡し状に連通した、使用全パイプがプラスチック樹脂パイプから成る第1放熱パネル101と、第1放熱パネルと同一構造の第2放熱パネル102とを、前後に、第1放熱パネル101の主管2Aと第2放熱パネル102の主管2Aとを対向間隔gs(4.5mm)を保って、一体化したものである。
放熱器Heの製作は、ヘッダー1として、ポリプロピレン、ランダム、コポリマー樹脂(PP−R樹脂)を用いて、外径dAが27mm、肉厚5mm、長さL1が360mmの主管2Aに、主管2Aと直交する外径17mm、肉厚2mm、長さ30mmの継手枝管2B群を、中心間距離20mm、間隔3mmで突出した形態に射出成形で準備し、縦パイプ2CとしてPP−R樹脂の押出成形で、外径(dC)13mm、肉厚1.6mmの縦パイプ材を成形して定寸に切断準備する。
そして、各縦パイプ2C群を、上側ヘッダー1の継手枝管2Bと下側ヘッダー1の継手枝管2Bに融着接合して、上側ヘッダー1の主管2A上端面から下側ヘッダー1の主管2Aの下端面までの寸法h1、即ち放熱器Heの高さh1が2000mmの、同一構造の第1放熱パネル101及び第2放熱パネル102を準備する。
また、放熱パネルには、図5(B)に示す如く、上側主管2Aの左右端、下側主管2Aの左右端には閉止板2Fを配置し、上側主管2Aには一端から上方へ、縦パイプ2C材を切断したパイプ片を供給排出口2S又は2Rとして連通突出し、上側主管2Aの他端では、左端の縦パイプ2Cと左から2番目の縦パイプ2Cの連通を遮断する閉止板2Pを配置する。
そして、2枚の放熱パネルを、供給排出口2S(2R)を同一位置に重ねて、上下の主管2A相互の間隔gs(4.5mm)を保って、2枚の放熱パネルを、供給排出口2S,2Rの反対側の上側主管2A間のみを連通パイプ2Dで連結し、他の3隅の主管2A間はスペーサーパイプ2Eで接続すれば、2枚重ねで、第1放熱パネル101の冷温水供給口2Sと第2放熱パネル102の冷温水排出口2Sとが同一位置で前後関係を保つ放熱器Heが得られる。
得られた放熱器Heは、図5に示す如く、各縦パイプ2C間の隙間の間隔は7mmで、第1放熱パネル101と第2放熱パネル102との、縦パイプ2C群間の対向間隔gpが18.5mm、高さh1が2000mm、幅W1が58.5mmの全プラスチック樹脂製放熱器Heとなる。
そして、PP−R樹脂製の縦パイプ2C群は、人体に良いとされる8μm〜14μmの波長の輻射波を高い放射率(平均:0.95)で放射するため、高性能輻射熱放熱器となる。
そして、第1放熱パネル101の、一端の供給口2Sから下降流f1を注入すれば、第1放熱パネル上側主管2A内横流f2→縦パイプ下降流f3→下側主管2A内横流f4→他端縦パイプ上昇流f5→第1放熱パネル101から第2放熱パネル102への連通パイプ2D内連通流f6→第2放熱パネル102の他端縦パイプ2C内の下降流f7→下側主管2A内横流f8→縦パイプ2C内の上昇流f9→上側主管2A内横流f10→一端の排出口2Rからの上昇流f11、の経路で、第1放熱パネル101の供給口2Sから、2枚のパネル縦パイプ2C群を全て通過して第2放熱パネル102の排出口2Rに流出するものとなり、各縦パイプ2C群によって、第1放熱パネル及び第2放熱パネルから、面均斉な放熱作用を奏する放熱器Heとなる。
〔目隠し壁用骨組FW(図3)〕
図3(A)は骨組FWの斜視図であり、図3(B)は骨組FWで形成した目隠し壁24の縦断側面図であり、図3(C)は、目隠し壁24の変形例の縦断側面図である。
目隠し壁24は、予め準備した木製の骨組FWを床面から天井面に亘って立設固定し、骨組FWに、ガラリ7A、及び目隠し用の面材を配置するものであり、全体形状は、左右の幅L24が600mm、高さh24が天井高さ(標準:2400mm)より20mm低く(標準:2380mm)、厚さW24が36mmである。
骨組FWは、図3(A)に示す如く、上端と下端とに、厚さ24mm、幅36mm、長さ600mmの横枠材6Pを備え、上下横枠材6P間の両端に、一辺が36mmで断面正方形の縦枠材6Sを一体化配置して外枠とし、外枠内の上部及び下部の、放熱器Heの上部及び下部に対応する部位には、下側の窓台胴縁6R及び上側のまぐさ胴縁6R´を縦枠材6S間に差渡して、上下2ヵ所にガラリ7A嵌合域を形成する。
そして、左右縦枠材6S間の適所に、補強横桟6P´を配置し、各横枠材6Pと補強横桟6P´間の幅中央部にも、補強縦桟6S´を一体化固定して、目隠し壁24用の剛構造骨組FWを準備する。
〔ドレン手段(図2、図4)〕
ドレン手段は、図2の使用例に示す如く、放熱器Heの下側に配置するドレンパン3Aと、ドレンパン3Aを載置する架台23とから成り、図4(A)は架台23の全体斜視図、図4(B)は架台23上に、ドレンパン3Aを載置した状態の正面図、図4(C)は架台23上にドレンパン3Aを載置した状態の側面図、図4(D)はドレンパン3Aの全体斜視図である。
架台23は、図4(A)に示す如く、幅W23が118mm、長さL23が335mm、厚さ30mmの木製上板23Tの長手方向両端には、幅118mmの脚板23Pを固定して、高さh23が120mmとし、上板23Tの一側の幅中央部から、ドレンパイプ3B嵌入用の長孔H23を、脚板23P及び上板23Tに亘って切込み、両側の脚板23P間には補強桟23Dを前後2本配置したものである。
また、ドレンパン3Aは、プラスチック成形品であって、図4(D)に示す如く、四周の斜辺3Sと底辺3Dとを備えた方形皿形態であり、長さL3が370mm、幅W3が60mmで、放熱器He(長さL1:360mm、幅W1:58.5mm)の下端部全体をカバーする皿である。
そして、底辺3Dの幅中央で長さ方向一側部位に、ドレンパイプ3Bを排水用に下方へ突出したものである。
〔保持金具21(図6)〕
図6(A)は保持金具21の全体斜視図であり、図6(B)は放熱器Heの上部保持状態の縦断側面図であり、図6(C)は、放熱器Heの下部に、前後揺動阻止形態で使用している縦断側面図である。
即ち、保持金具21は、上向きに使用すれば、放熱パネルの2本の上側主管2Aが支承保持出来、下向きに使用すれば放熱パネルの2本の下側主管2Aを前後揺動阻止出来るものである。
図6(A)に示す如く、保持金具21は、プラスチック製の一般肉厚3mmで、上部に取付用の上下長孔H21を備えた、幅W21が20mm、高さh21が50mmの垂直辺21Fと、垂直辺下端から直交突出して先端を曲面当接片21Rとした突出長L21が88.5mmの下辺21Cと、垂直辺21Fと下辺21Cとを一側端で一体化した垂直側辺21Sとを備え、下辺21C上には、放熱パネルの、2本の主管2Aと嵌合する、半円弧形態の曲面当接片21Rの2個を備え、曲面当接片21Rの内周面には厚さ3mmの断熱シート21Mを積層貼着したものである。
〔隠蔽暖冷房システムの構築〕
図5に示す放熱器Heの配置は、間仕切壁WAの前面の内装材8Aの表面に、天井面CLから床面FLに亘って、輻射熱反射層8Dとしてのアルミ箔を、放熱器Heの全幅L1(360mm)をカバーする形態に貼着して、アルミ箔8Dの両側端は、上端から下端まで、アルミ製の見切8Mで押える。
そして、図1(A)に示す如く、放熱器Heの両側端で、図6(B)の如く、上側主管2Aを保持金具21の曲面当接片21Rが嵌合支承して、且つ放熱器Heの上下位置合せの下に、保持金具21を上下調整用の長孔H21を介して、予め間仕切壁WAに配置した上側受桟6KにねじS21で固定して、放熱器Heの両側端を保持金具21で吊下げ保持し、放熱器Heの下端の両側端では、図6(C)に示す如く、保持金具21を下向きとして、各曲面当接片21Rを下側主管2Aの上側に嵌合して、ねじS21によって、間仕切壁WA内の下側受桟6Kに固定する。
従って、上下の2個の保持金具21で、上側主管2Aの両端を支承し、下側主管2Aの両端を上側から当接することにより、放熱器Heは、上側の保持金具21で吊下げ形態で保持し、且つ、下側の保持金具21で下端が前後揺動阻止される。
そして、図2に示す如く、天井内の配管のサプライ管S及びリターン管Rを天井材10の貫通孔H10から引出して、放熱器Heの供給口2S及び排出口2Rと接続金具2Nで連通し、接続金具2Nの外周を慣用の保温材NCで被覆すれば、放熱器Heは、保持金具21により間仕切壁WAの前面壁面、即ちアルミ箔8D層から前面へ、寸法d21(標準:120mm)の配置域内での、間仕切壁WAの前面に沿った吊下げ保持となる。
次いで、目隠し壁24の配置は、図3(B)に示す如く、骨組FWの上端横桟6Pの上面には必要厚さ(標準:20mm)の楔形パッキン材PKを、適宜位置に貼着し、下側窓台胴縁6Rと下端横枠材6Pとに亘る内表面側に、構造用合板8A´を張設して、架台23の出入時の摺動面を形成した後、間仕切壁WA前から、放熱器Heの配置域d21(120mm)を保った位置で、図2に示す如く、下端横枠材6Pを、上面からのくぎn21で根太6Eに固定すると共に、上端横枠材6Pを、下面からのくぎn21によってパッキン材PKを介して天井の野縁6Tに固定する。
そして、図2に示す如く、高さh7(標準:70mm)の慣用のガラリ7Aを、上側のまぐさ胴縁6R´と窓台胴縁6R間、及び下側のまぐさ胴縁6R´と窓台胴縁6R間に嵌入して、上方ガラリ7Aは羽根7Bが下方傾斜したタイプを、下方ガラリ7Aは羽根7Bが上方傾斜突出したタイプを、ねじS7でまぐさ胴縁6R´及び窓台胴縁6Rに固定し、図1(A)に示す如く、骨組FWの両側縦枠材6Sの前面及び後面も内装材8Aを張着し、両側縦枠材6Sの外面には縦縁24Fで装飾仕上げする。
次いで、慣用の排水パイプ3Cにドレンパイプ3Bを挿入接続した後、ドレンパン3Aを放熱器Heの下面位置に保持して、架台23を、上板23Tの前面が目隠し壁24の下部内面の構造用合板8A´と摺動する形態で、側方からドレンパン3A下面に挿入し、上板23Tの切込み長孔H23にドレンパイプ3Bを挿入した後、図4(B),(C)に示す如く、ステンレス製の化粧プレート23Cを脚板23Pの外側にねじS23で付設することにより、側方からの目線でもドレンパイプ3B及び排水パイプ3Cも隠蔽出来て、側面視でも、美観を備えたドレン機構が完成する。
得られる隠蔽暖冷房システムにあっては、暖房時には60℃の温水を、冷房時には7℃の冷水を放熱器Heに循環流通させることにより、目隠し壁24の上下ガラリ7Aを介した暖房作用時の暖房空気流ar1、及び冷房作用時の冷房空気流ar2が室内と放熱器Heの配置域とを循環流出入して、室内を空気の自然対流循環で暖房、冷房すると共に、放熱器Heの放熱パネル101,102から放射される熱線は、間仕切壁WA表面の輻射熱反射層8Dによって全て目隠し壁24方向への作用となり、内装材8Aが熱線を吸収放射して室内を輻射熱で暖冷房し、静かで、穏やかで、人間に優しい暖冷房作用を発揮する。
そして、隠蔽冷房システムでの最大の問題点である結露対策も、放熱器Heの下側のドレンパン3Aによるドレンで好適に処理出来、放熱器Heの配置域内での結露による湿潤作用も、上下ガラリ7Aを介した空気対流によって抑制出来て、カビやダニの発生も無い、衛生的な隠蔽暖冷房システムとなる。
また、ドレン機構の目視点検、及びメンテナンスは、架台23の化粧プレート23Cの着脱で容易に実施出来る。
しかも、目隠し壁24は、独立壁として目立つと共に、前面の、需要者の好みで選択した内装材8Aの意匠効果によって、従来の室内暖冷房に対するイメージからは想像出来ない、目新しい、斬新なインテリアデザイン効果を発揮する。
〔変形例(図3(C))〕
目隠し壁24は、暖冷房システムを隠蔽すると共に、インテリアデザイン性の向上を図るものであるため、図3(B)に示す、実施例に代えて、図3(C)の如く、内装材8Aの中央部分を、障子枠24bを介した紙障子24Kとし、紙障子24Kを内側から間接照明するための間接照明灯24Eを骨組FWの内面に付設すれば、斬新で幻想的な照明意匠が得られ、紙障子24Kの選択交換によって、デザイン効果の多様化も期待出来る。
また、目隠し壁24は、工場生産で、骨組FWにガラリ7Aの配置及び幅木8Bや装飾面材としての内装材8Aの張設をして、完成品の目隠し壁24を準備しておき、施工現場では床面FLと天井面CL間に立設して、それ自体慣用のステンレス製アングル材を目隠し壁24の前後に、下端は床材9Aと目隠し壁24の内装材8A下端に配置して、ねじで下側横枠材6Pと根太6Eとに、上端は天井材10及び目隠し壁内装材8Aに当接して、ねじで上側横枠材6Pと天井野縁6Tとに固定することも可能であり、この場合、目隠し壁24の立設の作業性が向上する。
1 ヘッダー
2A 主管
2B 継手枝管
2C 縦パイプ
2D 連通パイプ
2E スペーサーパイプ
2F,2P 閉止板
2N 接続金具
2R 排出口
2S 供給口
3A ドレンパン
3B ドレンパイプ
3C 排水パイプ
3D 底辺
3S 斜辺
6B 間柱
6E 根太
6K 受桟
6P 横枠材
6P´ 補強横桟
6R 窓台胴縁
6R´ まぐさ胴縁
6S 縦枠材
6S´ 補強縦桟
6T 野縁
7A ガラリ
7B 羽根
8A 内装材
8A´ 構造用合板
8B 幅木
8D 輻射熱反射層(アルミ箔)
8M アルミ製見切
9A 床材
9B 床用合板
10 天井材
21 保持金具
21C 下辺
21F 垂直辺
21M 断熱シート
21R 曲面当接片
21S 垂直側辺
23 架台
23C 化粧プレート
23D 補強桟
23P 脚板
23T 上板
24 目隠し壁
24b 障子枠
24E 電灯(間接照明灯)
24F 縦縁
24K 紙障子
101 第1放熱パネル
102 第2放熱パネル
ar1 暖気流(暖房空気流)
ar2 冷気流(冷房空気流)
CL 天井面
FL 床面
FW 骨組
He 放熱器
n21,n24 くぎ
NC 保温材
PK パッキン材
R リターン管(戻り管)
S サプライ管(往き管)
S7,S21,S23 ねじ
WA 間仕切壁

Claims (7)

  1. 木造や軽量鉄骨造壁下地、鉄筋コンクリート造の間仕切壁(WA)前面に、全プラスチック樹脂製放熱器(He)を配置し、放熱器(He)の前面に、目隠し壁(24)を立設した、温冷水循環暖冷房システムであって、放熱器(He)は、上下主管(2A)間に縦パイプ(2C)群を並列連通した、第1放熱パネル(101)と第2放熱パネル(102)とを重層形態で一体化して、一方の放熱パネルの上側主管(2A)からは供給口(2S)を、他方の放熱パネルの上側主管(2A)からは排出口(2R)を突設したものであって、放熱器(He)を間仕切壁(WA)前面で吊下げ形態に保持して、天井配管の、サプライ管(S)を供給口(2S)に、リターン管(R)を排出口(2R)に連通し、放熱器(He)の下側には、ドレンパン(3A)を載置した架台(23)を配置し、目隠し壁(24)は、高い熱線吸収放射率を備えて床面(FL)から天井面(CL)に亘って放熱器(He)の前面を覆って、放熱器(He)を室内側から隠蔽し、放熱パネル(He)からの放射熱を室内に放出すると共に、放熱器(He)への室内側からの空気対流を許容する意匠壁である隠蔽暖冷房システム。
  2. 目隠し壁(24)は、熱輻射波を吸収放射、若しくは透過する面材を張設し、上部と下部には空気流通用のガラリ(7A)を備え、且つ、放熱器(He)に近接形態で、放熱器(He)の左右に張出して、床面(FL)から天井面(CL)に亘って立設している、請求項1に記載の隠蔽暖冷房システム。
  3. 目隠し壁(24)は、左右の縦枠材(6S)と上下の横枠材(6P)から成る骨組(FW)内の上部と下部とに、まぐさ胴縁(6R´)と窓台胴縁(6R)を介して、上方ガラリ(7A)と下方ガラリ(7A)とを配置し、床面(FL)及び天井面(CL)に着脱自在に固定した、請求項1又は2に記載の隠蔽暖冷房システム。
  4. 目隠し壁(24)は、上下ガラリ(7A)間には、紙障子(24K)を着脱自在に配置し、紙障子(24K)の裏側に間接照明灯(24E)を配置した、請求項2に記載の隠蔽暖冷房システム。
  5. ドレンパン(3A)を載置する架台(23)は、一側端からドレンパイプ(3B)嵌入用の切込み長孔(H23)を備え、間仕切壁(WA)前面と目隠し壁(24)との間で側方への出没が可能である、請求項1又は2に記載の隠蔽暖冷房システム。
  6. 放熱器(He)は、間仕切壁(WA)内の受桟(6K)に固定した上下の保持金具(21)によって、上側主管(2A)を熱伝達抑制形態で支承し、下側主管(2A)を熱伝達抑制形態で前後揺動阻止した、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の隠蔽暖冷房システム。
  7. 間仕切壁(WA)の前面の放熱器(He)配置部位では輻射熱反射層(8D)を備え、天井配管のサプライ管(S)及びリターン管(R)と、放熱器(He)の供給管(2S)及び排出管(2R)とを接続した接続金具(2N)は保温材(NC)で被覆し、ドレンパン(3A)はプラスチック樹脂製である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の隠蔽暖冷房システム。
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