JP3856324B2 - 隠蔽温水暖房システム - Google Patents

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Description

本発明は、室内の床、壁及び天井に放熱部を配置する温水暖房システムに関するものである。
従来、熱源機から、室内の適宜位置に配置した放熱器に、温水を通水して暖房する手段には種々の方法が採用、乃至提案されている。
〔従来例1(図8)〕
図8は、特許文献1の説明図であって、図8に示す従来例1の温水暖房装置は、温風暖房と床暖房とを1つの温水回路で運転併用するものであり、図8に示す如く、1台の熱源機から、温水熱交換器と送風ファンとから成る放熱機へは、往き側温水経路と戻り側温水経路とで接続し、放熱パイプを埋設した床パネルへは、往き側温水経路と戻り側温水経路とで接続すると共に、循環経路途中に温水熱交換器を介在して、熱交換器内では、往き側温水経路外周を戻り側温水経路とし、往き側の温水を戻り側の温水で熱交換して、適温に下げた温水で床パネルを暖房するものである。
そして、床暖房パネルにあっては、熱源機より供給される80℃前後の高温の往き側温水は、温水熱交換器により放熱パイプを経由して温度が下がった戻り側温水で熱交換され、温水熱交換器の往き側出口部温度、即ち放熱パイプの入口側温度は低下し、60℃程度の所望の温度の温水供給が可能となると共に、熱源機への戻り側温水温度は、放熱パイプの出口側温度より上昇し、熱源機の燃費が改善されるものであり、1台の熱源機で80℃程度の高温温風暖房と、60℃程度の低温床暖房を可能としたものである。
〔従来例2(図9)〕
図9は、特許文献2に示す従来例2の説明図であって、従来例2は、図9に示す如く、調温機能を有する、火山灰シラスを主成分とする壁材に温水パイプを組み込み、壁材の外面にホットメルト糊でタイル、石膏ボード等を張着したパネルを、パネルの壁材面を壁内面とし、パネル内の温水パイプに外部の温水器から温水を循環供給して室内の壁面を温水暖房するものである。
〔従来例3(図10)〕
図10は、特許文献3に示す従来例3の説明図であって、従来例3は出窓の窓下壁面にビルトインタイプ温水暖房装置を配置したものである。
即ち、図10に示す如く、出窓床面にはコンクリート壁面に凹所を形成して前側壁面に断熱材を介してスペーサーを配置し、スペーサー内には、前面側に輻射板を有し、背面側にフインを有するパネル式の放熱器を配置し、且つ、放熱器下方には冷風導入用の斜板を配置し、放熱器に温水パイプで熱供給するものであり、スペーサーを介して壁に形成された凹所内に収容出来、実質的に壁から出っ張ることなく設置可能としたものである。
特開平11−166743号公報 特開2004−163051号公報 特開平11−108379号公報
従来例1の温水暖房装置にあっては、室内を、1台の熱源機によって床面暖房と送風暖房とを実施出来るが、床面暖房を使用者に暑くて不快感を与えないようにするために、別途に温水熱交換器を配置する必要があり、パネルの形状も多岐にわたるため、施工面、管理面、コスト面で問題があり、しかも、送風暖房は自然対流よりも空気撹拌力が大であるため、室温の斑(ムラ)や、ハウスダストの巻き上げを生じ、温風があたる不快感、耳障りな音の問題もある。
また、従来例2の温水暖房は、壁面暖房であって輻射熱暖房とはなるが、対流を抑えた輻射熱面とするための壁面での連続形成には、施工面、コスト面の問題があり、仕上材としても、通常用いられているビニールクロスが使用出来なく、仕上材が制限される。
しかも、壁面からの輻射暖房であるため、窓面に沿って降下する不快な冷気流(コールドドラフト)が発生する。
また、従来例3のビルトインタイプの温水暖房装置にあっては、通常の金属製パネルの配管同様に、金属製放熱機の温水に含まれる酸素による腐蝕を抑えるために、温水パイプは酸素を透過させない高価な樹脂管、又は銅管を使用する必要があり、温水ボイラーにも酸素の混入を防ぐ高価な密閉式の採用が必要となり、コスト面、管理面上の問題がある。
しかも、ビルトイン配置のため、出窓床面の前部のスペースが必要であって、採用居室が制約され、放熱機を隠蔽するために、建物を形成する、暖房装置以外の躯体、外装、断熱等の面でのコストも発生する。
本発明は、これら従来の室内暖房の問題点を、合理的に解決、又は改善する画期的な温水暖房システムを提供するものであり、窓側面でのコールドドラフトの不快感の抑制出来る床面暖房を備え、且つ、壁面、天井面からも放熱し、強制送風の無い、自然な対流熱と輻射熱とで室内を均一に暖め、快適な熱環境の提供を可能とするものである。
本発明は、例えば図1(A)に示す如く、1個所の熱源機(ボイラー)1で温めた温水を、循環ポンプ2により、合成樹脂製で可撓性の温水パイプ3を介して、室内に配置した、窓に沿う形態で床スラブSに設けた長方形ピットP内で床に隠蔽埋設形態の床放熱部He1、壁に隠蔽埋設形態の壁放熱部He2、及び天井に隠蔽埋設形態の天井放熱部He3に流入循環して、輻射熱、伝導熱、対流熱によって室内を快適に暖める温水暖房システムである。
尚、「窓」の意は、バルコニー引違戸等をも含む、コールドドラフトの生ずる部屋の開き口全般を指す広い意味である。
この場合、壁放熱部He2、及び天井放熱部He3にあっては、例えば、図6、図7に示す如く、放熱用温水パイプを面配置した放熱パネル20を壁面内や天井面内に配置して仕上材23,36等で被覆すれば隠蔽埋設形態となり、床放熱部He1にあっては、例えば、図2の如く、床スラブピットP内に配置した床放熱器5の上面にグレーチング蓋4aを配置すれば、隠蔽埋設形態となる。
また、床放熱部He1を埋設形態とする蓋は、床放熱器5から床面上への暖気の上昇が出来る蓋形態とすれば良く、簀の子形態の蓋であれば良い。
従って、本発明にあっては、温水で加熱される各放熱部He1,He2,He3が、共に隠蔽形態であるため、室内でのスペースを損なうことも、美観を損なうこともなく、温水暖房として有効な80℃位の高温水での循環であっても、使用者に火傷の心配も生じない。
また、室内は、床面からと、壁面からと、天井面からとの熱の輻射伝達、伝導伝達、対流伝達による自然で穏やかな暖房となり、ハウスダストの巻き上げや、温風が当る不快感の無い快適な熱環境となる。
しかも、床放熱部He1は窓に沿って存在するため、窓に沿って降下する冷気(コールドドラフト)の室利用者への影響も抑制出来る。
即ち、窓辺でのコールドドラフトの影響を抑えて、床、壁、天井と何れの方向からも放熱が出来、ファン等の強制送風が無く、自然な対流熱と輻射熱とで室内を均一に暖め、ぽかぽか感のある快適な室暖房を提供する。
また、本発明の温水暖房システムにあっては、例えば図1(B)に示す如く、窓Wiの落下防止手摺10を、温水の流入循環する窓放熱部He4とするのが好ましい。
通常、床の上端面から窓枠の敷居上端面までの距離が基準(標準:1100mm)以下であれば、墜落防止のための安全手摺を配置することとなる。
この場合、安全手摺10は、例えば図4に示す如く、管体の上部手摺10aと下部手摺10a´とを手摺子10bで連結し、手摺10は、一端では、上部手摺10aに往き側温水パイプ3aを、下部手摺10a´に戻り側温水パイプ3bを接続し、且つ、他端では、上部手摺10aと下部手摺10a´を手摺子10bで通水可能とすれば良い。
従って、本発明の温水暖房システムに窓放熱部He4を付設すれば、手摺10は本来の落下防止手摺の作用に、更に、窓に沿ったコールドドラフトの発生をも抑制して窓硝子面の結露を抑制し、室内の補助暖房の機能をも発揮し、室内には、窓辺でのコールドドラフトの存在しない、且つ、床面、壁面、天井面からの、自然な対流及び輻射による、穏やかで暖かい快適な熱環境が提供出来る。
また、本発明の温水暖房システムにあっては、各放熱部He1,He2,He3,He4が合成樹脂管からの放熱であるのが特に好ましい。
この場合、壁放熱部He2及び天井放熱部He3は、放熱パネル20の形態とし、放熱パネル20の一面に可撓性の合成樹脂パイプ、典型的には、柔軟性に優れ、融着性が良く、且つ、リサイクル可能なエチレンオクテンコポリマー樹脂製パイプ(PE−RT管、商品名:ソーラレックス)を一定間隔で蛇行配置するのが好ましく、床放熱部He1及び窓放熱部He4は、汎用樹脂中で1番耐熱性に優れ、融着性があり、リサイクル可能で、且つ安価(PE−RT管の60%)なポリプロピレンランダムコポリマー樹脂管(PP−R管)を採用すれば、放熱部の切断、融着、施工面、リサイクル面、及びコスト面で有利である。
尚、合成樹脂管の熱伝導率(0.2kcal/mh℃)は、鉄(熱伝導率:42kcal/mh℃)や銅(熱伝導率:332kcal/mh℃)より極端に低く断熱材に近いが、放熱部としての作用は、固体表面で静止している空気の薄い層と、その外側の乱流と層流の入り混じった空気の薄い層とが出来、この薄い境界層が熱の通過に対して抵抗を有し、暖房に有効な放熱量は、対流熱伝達抵抗(境膜熱抵抗)に支配される。
放熱管にあっては:
熱伝達係数K=1/(1/h+1/2λlnd/d+1/h)である。
但し、h:管内面の熱伝導率、λ:管材料の熱伝導率、d:管内径、d:管外径、h:管外面の熱伝導率
上記一般式で呼び径10mm(内径10mm、外径13mm)の銅管と樹脂管とを比較してみると;
h1:500kcal/mh℃(水の境膜係数)、h2:8kcal/mh℃(空気の境膜係数)とすれば、銅管の熱伝達係数Kは0.102kcal/mh℃で、樹脂管は0.0956kcal/mh℃となり、材料自体の熱伝導率に大きな差があっても、空気境膜係数の影響で、銅管と樹脂管の放熱管としての熱伝導は、近似である。
また、理論的には、呼び径10mmの合成樹脂管の1m当りの放熱量は、対流放熱が18.9kcal/H、輻射放熱が7.68kcal/Hで、計25.69kcal/mHであるが、実測結果は、20〜22kcal/mh℃と理論計算値より小となった。
合成樹脂製及び金属製の放熱器を体積、重量、体積保有水量で比較すると次のとおりである。
合成樹脂 金属
体積当りの放熱量(kcal/m・H)42000 25000〜34000
重量当りの放熱量(kcal/kg・H) 400 60〜70
体積保有水量(kg/m ) 196 98
以上の如く、本発明の合成樹脂管から放熱する暖房システムは、熱伝導率が小さくて接触しても火傷の心配がなく、放熱量は金属製と比較して大で、且つ、金属製より薄く、又は放熱面積が小さく出来、しかも軽量である。
従って、放熱部は、金属製温水パネルの如き、酸素による腐食の怖れも無く、温水ボイラーにも酸素混入防止手段を施す必要も無く、使用合成樹脂管は、切断、熱融着が容易なため、放熱部の施工が容易であり、材料コストも低くて施工コストが合理化出来る。
しかも、各放熱部の表面温度も高く設定出来るため、高い輻射効果が得られ、自然対流熱と共に、ぽかぽか感に富む心地良い暖房となる。
また、本発明の温水暖房システムにあっては、床放熱部He1が、図2に示す如く、窓Wiに沿う形態で床スラブSに設けた長方形ピットPに、手前側上半に床放熱器5を配置し、床放熱器5の全長に沿って、放熱器5の後側に、誘導板8aをピット底部Pb近くまで垂下し、ピットP上面にグレーチング蓋4aを配置するのが好ましい。
この場合、床放熱器5の放熱上面の長さは、窓Wiの幅Lwと近似とするのが好ましい。
従って、本発明にあっては、図2(C)に示す如く、窓Wiに沿って降下する冷気ac、即ちコールドドラフトacは、グレーチング蓋4aを透過してピットPの窓側(後側)に入り込み、誘導板8aによってピットPの底面Pbに沿って床放熱器5の下部に流れ込み、床放熱器5上面からグレーチング蓋4aを透過して暖気ahとなって上昇するため、コールドドラフト(冷気)acの室内への散乱波及が抑制出来、室内の快適な熱環境提供が可能となる。
また、床放熱器5は、図3に示す如く、基端の温水流入及び温水流出用の上下2段の合成樹脂製ヘッダー5a,5a´と、他端の流路確保用の上下2段の合成樹脂製ヘッダー5b,5b´とを備え、各上側ヘッダー5a,5b間、及び各下側ヘッダー5a´,5b´間を複数の合成樹脂製放熱パイプ5eで接続するのが好ましい。
この場合、各放熱パイプ5eへの温水循環は、各ヘッダーでの、所望の経路制御手段を施せば良い。
従って、高さ及び幅の限られた空間内に多数の放熱パイプ5eが配置出来、温水流入ヘッダー5aから温水流出ヘッダー5a´に至る温水経路を、放熱パイプ5eで適切に制御することにより、窓Wiで生ずるコールドドラフト(冷気流)acに適切に対応出来る、小幅で長尺、且つ、安価な合成樹脂製床放熱器5が提供出来る。
本発明の床放熱器5での経路制御としては、図3(A)に示す如く、温水流入及び流出用の上下2段のヘッダー5a,5a´が、共に、中間を仕切板5hで流路閉塞し、該2段ヘッダー5a,5a´が、仕切板5hの一方側では、流入用接続部5d及び流出用接続部5d´を備え、仕切板5hの他方側では、上下ヘッダー5a,5a´を通路パイプ5g´で連通するのが好ましい。
尚、接続部5d,5d´は、合成樹脂パイプ片であり、ヘッダー5a,5a´と同材質のポリプロピレンランダムコポリマー樹脂管(PP−R管)の小片をヘッダー5a,5a´に、連通形態に融着接合すれば良い。
この場合、ヘッダー5a,5a´,5b,5b´及び放熱パイプ5eは、耐熱性及び熱融着性に優れ、且つ安価なPP−R管とし、熱融着加工で床放熱器5を製作するのが好ましい。
そして、床放熱器5は、図3(A)に示す如く、流入用上部ヘッダー5aの仕切板5h及び他端の流路確保用の上部ヘッダー5bにより、上部ヘッダー5a,5b間の放熱パイプ5e群は、ヘッダー5a→ヘッダー5bの流れf2と、ヘッダー5b→ヘッダー5aの流れf4に2分され、下部ヘッダー5a´,5b´間の放熱パイプ5e群も、ヘッダー5a´→ヘッダー5b´の流れf6と、ヘッダー5b´→ヘッダー5a´の流れf8に2分され、接続部5dからの流入温水f1は、流入流出側のヘッダー5a,5a´と他端の流路確保用ヘッダー5b,5b´間を2往復する流れに制御出来、上下段各複数本の放熱パイプ5e群全てからの有効な放熱作用が期待出来る。
また、本発明の温水暖房システムにあっては、壁放熱部He2及び天井放熱部He3は、合成樹脂製断熱材22の一面に複数の溝22Gを平行配列し、該溝22Gに符号する溝20Gを備えたアルミ板21を断熱材22に層着した放熱パネル20の溝20Gに温水パイプ3を配置するのが好ましい。
尚、この場合、断熱材22は、軽量で保形性を有する発泡合成樹脂板が好適であり、典型的には、押出法ポリスチレンフォーム(JISA9501)であり、温水パイプ3は、柔軟性があり、リサイクル可能なエチレンオクテンコポリマー樹脂管(PE−RT管)である。
従って、放熱パネル20は軽量となり、製作、運搬、配置、取扱いが容易であって、軽量壁(LGS壁)下地Wa(図6)や、LGS天井下地c(図7)にも、アルミ板21を介したねじ固定で施工出来、放熱パネル20の室内のスペースに応じた複数の配置が容易となり、低コストでの壁放熱部He2、天井放熱部He3が合理的に提供出来る。
しかも、熱伝導率(0.03kcal/mh℃)の小さな断熱材22は温水パイプ3の熱の拡散を阻止し、熱伝導率(180kcal/mh℃)の高いアルミ板21が一定間隔で配置した温水パイプ3の熱を平均化して表面の板状の仕上材23,36に伝熱し、室内に突出しない形態で、室内の自然で温和な暖房が提供出来る。
また、壁放熱部He2では、放熱パネル20を、アルミ板21の両側の突出縁21Eを介して間仕切壁Wa内に取付け、アルミ板21上に仕上材23を配置するのが好ましい。
従って、放熱パネル20の取付けは、アルミパネル突出縁21Eを介して間仕切のスタッド等の構造材へのねじ固定で簡便となる。
しかも、放熱は、温水パイプ3からアルミ板21を通じての面放熱となるため、温水パイプ3からの単独放熱より有効である。
この場合、放熱パネル20は、断熱材22幅(L20´)が405mmで、アルミ板21が両側に20mm(d2)の突出縁21Eを備えたもので、間仕切壁Waの455mm間隔に立設するスタッド25間に嵌合してアルミ突出縁21Eをスタッド25にねじ固定すれば良い。
そして、仕上材23は、放熱パネル20を埋設形態で隠蔽するため、美観を損なうことなく、放熱パネル20のアルミ板21面からの放熱を仕上材23が室内への温和な全面放熱暖房とし、自然で温和な熱環境を提供する。
また、この場合、図6に示す如く、給気流、吹出気流を水平から垂直まで広範囲の調整可能な下部ガラリ27、放熱用の上部ガラリ27´を、放熱パネル20の上下に配置すれば、仕上材23からの輻射放熱と共に、下部ガラリ27より流入する空気を暖め、上部ガラリ27´から方向調整可能な自然暖気流として放出するので好ましい。
また、本発明では、図4に示す如く、窓放熱部He4が、合成樹脂製パイプ10aにステンレス管10dを挿入した上部手摺管10aと下部手摺管10a´とを平行配置し、上下各手摺管10a,10a´間を複数の平行手摺子10bで接続し、上下手摺管10a,10a´は、一端側では、一方の手摺管10aには温水流入パイプ3aを、他方の手摺管10a´には温水流出パイプ3bを接続すると共に、他端側では、手摺子10bで、上下手摺管10a,10a´を温水連通可能とするのが好ましい。
この場合、手摺子10bも手摺管10a,10a´同様の合成樹脂管とすれば、熱融着での手摺形成が容易となり、手で触っても暖かみがあり、意匠効果のある手摺10と出来る。
尚、この場合、上方手摺管10aと下方手摺管10a´との他端側での手摺子10bによる温水連通が保障されれば、中間適所の手摺子10bで上下手摺管10a,10a´間を温水連通可能としても良く、中間手摺子10bの流水抵抗を端部手摺子10bの流水抵抗より大とすれば他端側での上下手摺管10a,10a´の温水連通が保障出来る。
従って、上下各手摺管10a,10a´は、流水中の酸素で腐蝕されないステンレス管10dで補強されて十分な手摺機能を発揮すると共に、ステンレス管10d外周の合成樹脂製手摺管10a,10a´が接触しても火傷の心配のない放熱管機能を発揮し、窓に沿って配置した床放熱部He1の作用と相俟って、通常は、窓Wiで発生降下するコールドドラフトacを抑制し、窓Wiからの熱損失も補償する。
本発明の隠蔽温水暖房システムは、温水で加熱される床放熱部He1、壁放熱部He2、天井放熱部He3が共に隠蔽形態であるため、室内でのスペースを損なうことも、美観を損なうこともなく、温水暖房として有効な80℃位の高温水での循環暖房であっても、使用者、在室者に火傷の心配も生じない。
また、室内は、床面からと、壁面からと、天井面からとの熱の輻射伝達、伝導伝達、対流伝達による穏やかな暖房となり、快適な熱環境を提供する。
しかも、床放熱部He1が窓Wiに沿って存在するため、窓に沿って降下する冷気(コールドドラフト)acの室利用者への不快な影響も抑制出来る。
即ち、室内は、窓辺でのコールドドラフトacの影響を抑えて、床、壁、天井の四周からの自然な放熱暖房となり、ファン等の強制送風がない自然な対流熱と輻射熱とで均一、且つ、ぽかぽか感のある快適な暖房となる。
また、床放熱部He1、壁放熱部He2、天井放熱部He3、更には必要に応じて適用する窓放熱部He4の全ての放熱部を合成樹脂管への温水の循環で達成することにより、放熱部は、従来の金属製放熱部(金属製パネル)の如き、酸素による腐蝕の怖れが無いため、温水ボイラーに酸素混入防止手段を施す必要がなく、温水パイプ3にも酸素透過防止手段を施す必要がなくて設備コストが合理化出来る。
しかも、全合成樹脂製の放熱部は、軽量、且つ、安価で施工費の低減が可能である。
しかも、各放熱部の表面温度も高く設定出来て、高い熱輻射効果が得られ、自然対流と共に、ぽかぽか感に富む心地良い熱環境が提供出来る。
〔床放熱部He1(図2、図3)〕
図2(A)は、バルコニーへの出入口となる引違戸(窓)Wiに沿って配置した床放熱部He1の上面図であり、図2(B)は、図2(A)のB−B線縦断面図であり、図2(C)は、図2(A)のC−C断面図である。
即ち、床放熱部He1は、コンクリート壁Wbの外面に、押出法ポリスチレンフォームFPと押出成形セメント板Acを張設した外断熱外壁に配置した、バルコニーへの出入口となる幅(Lw)が1700mmの引違戸(窓)Wiに沿って、床スラブコンクリートSに、長さLPが1900mm、幅WPが250mm、高さHPが150mmのピットPを、窓Wiより左右各100mm長い形態の凹部として形成し、ピットP内に床放熱器5を配置し、ピットP上面をグレーチング蓋4aで覆った物である。
また、ピットPの一方の側面PRには、図2(B)に示す如く、床スラブS内にさや管13で保護されて埋設形態で配置した呼び径13mm(外径17mm、内径13mm)の温水パイプ3の2本、即ち往き側温水パイプ3aと戻り側温水パイプ3bを突出させておく。
温水パイプ3は、柔軟性及び可撓性が大で、リサイクル可能な、エチレンオクテンコポリマー樹脂管(商品名:ソーラレックス)を採用する。
図2(B)の如く、ピット側面PRから突出させた2本の温水パイプ3a,3bは、流入用の温水パイプ3a先端には、周辺の温度を感知して温水の流入を調整し、室温を一定に保つための自動温度制御弁(サーモスタットバルブ)6aを配置し、流出用の温水パイプ3bの先端には、メンテナンスの際に温水の戻りを停止するための止水弁6bを配置する。
そして、ピットP内に配置した床放熱器5の、温水流入用のヘッダー5aと流入用の温水パイプ3aとは、耐圧ゴムホース7aで連通し、温水流出用のヘッダー5a´と流出用の温水パイプ3bとは、耐圧ゴムホース7bで連結する。
図3は放熱器の説明図であって、図3(A)は全体斜視図、図3(B)はヘッダーの部分斜視図、図3(C)は図3(B)のC−C断面図である。
床放熱器5は、図3(A)の如く、両側に配置した上下2本のヘッダー5a,5a´,5b,5b´と各ヘッダーを連通する平行配置の上下2段の放熱パイプ5e群とから成り、一側端の上下ヘッダー5a,5a´は、温水の流入と流出用であり、他側端の上下ヘッダー5b,5b´は流路確保用であり、各上下ヘッダー5a,5a´、及び5b,5b´相互は、セパレータパイプ5gで固定し、流入用ヘッダー5aと流出用ヘッダー5a´とは中間部の仕切板5hで流路を分断し、且つ仕切板5hの一方側では、上部ヘッダー(流入ヘッダー)5aに、パイプ片から成る流入用の接続部5dを、下部ヘッダー(流出ヘッダー)5a´に、パイプ片から成る流出用の接続部5d´を通水可能に固定し、仕切板5hの他方側では、通路パイプ5g´で上下ヘッダー5a,5a´相互を通水可能に接続する。
床放熱器5は、ポリプロピレンランダムコポリマー樹脂(PP−R)製であって、長さL5が1700mmで、高さH5が65mmである。
そして、ヘッダー5a,5a´,5b,5b´は、外径27mm、内径23mm、長さW5が125mmであり、ヘッダー側面からは、一方向に20mm間隔で、長さLcが25mm、且つ先端からLc´(20mm)で内周面に段差d5(1.5mm)を備えた接続パイプ5cを突出し、両端を小口塞5iで閉塞したものであり、温水流入用のヘッダー5aと温水流出用のヘッダー5a´とは、長さ方向中央に仕切板5hを配置した。
仕切板5hの配置は、典型的には、ヘッダー5a,5a´を中央で切断してアルミ製仕切板5hを挟んで、エレクトロフュージョン手段により、両側の分割ヘッダー片を再度アルミ製仕切板5hに融着接続するが、勿論、仕切板5hは、ヘッダーの型成型時に一体成形しても良い。
また、図3(A)の如く、仕切板5hを中央に備えた上部ヘッダー5aと下部ヘッダー5a´とは、接続パイプ5cとは反対方向に孔Hiを介してパイプ片をEF(エレクトロフュージョン)接合して、ヘッダーと連通する接続部5d,5d´を設ける。
また、温水の流入流出側の上下ヘッダー5a,5a´相互、及び流路確保の上下ヘッダー5b,5b´相互はセパレータパイプ5g、及び通路パイプ5g´でEF接合一体化する。
この場合、流入流出側の上下ヘッダーの、接続部5d,5d´とは仕切板5hを介した反対側の通路パイプ5g´のみは、上下ヘッダー5a,5a´相互の連通流路の機能を備え、他のセパレータパイプ5gは単なるサポートパイプとする。
また、図3(A)の如く、上側の両ヘッダー5a,5b間、及び下側の両ヘッダー5a´,5b´間には、外径13mm、内径10mmのPP−R製放熱パイプ5e群を、図3(B)、(C)の如く、各接続パイプ5cに、段差d5に当接する形態に嵌入してEF融着接合する。
この場合、各放熱パイプ5eが長いため(実施例では1636mm)、図3(A)の如く、各放熱パイプ5e群をプラスチック製セパレータ板5fに挿通することにより、各放熱パイプ5e群相互の配置形態を保持し、床放熱器5の保形性を高めるのが好ましい。
従って、図3(A)に示す床放熱器5にあっては、接続部5dから入る温水流f1は、上部ヘッダー5aの仕切板5hの前側から上部前側3本の放熱パイプ5e内を温水流f2として右方に流れ、他端の上部ヘッダー5b内を温水流f3として横移動し、上部後側3本の放熱パイプ5e内を温水流f4として左方に流れ、上部ヘッダー5aの仕切板5hの後側から下部ヘッダー5a´の仕切板5hの後側へ通路パイプ5g´を通って温水流f5として下降し、下部ヘッダー5a´の仕切板5hの後側から下部後側3本の放熱パイプ5e内を温水流f6として右方に流れ、他端の下部ヘッダー5b´内を温水流f7として横移動し、下部前側3本の放熱パイプ5e内を温水流f8として左方に流れて下部ヘッダー5a´の仕切板5hの前側に流れ、接続部5d´から温水流f9として流出可能となる。
床放熱器5の設置は、図2(B)、(C)に示す如く、ピット底板Pbに設置したあと施工アンカー9fと、ナット9f´とによって適宜間隔に架台9aをピット手前側に固定し、架台9a上に下部放熱パイプ5e群を載置し、上部ヘッダー5aの接続部(継ぎ口)5dを、往き側温水パイプ3aと、自動温度制御弁6及び耐圧ゴムホース7aを介して接続し、下部ヘッダー5a´の接続部(継ぎ口)5d´を、戻り側温水パイプ3bと、止水弁6b及び耐圧ゴムホース7bを介して接続する。
尚、7cはホースバンドである。
次いで、設置した床放熱器5に対し、図2(B)、(C)の如く、上部内面にフック8bを備えた誘導板8aを、フック8bを放熱パイプ5eに係止して、誘導板8aの下端がピット底部Pb近傍まで垂下する形態に配置する。
尚、誘導板8aの長さL8は、放熱パイプ5e全長に亘るのが好ましい。
そして、ピットP上面は、アンカー4cを介して固定したグレーチング枠4bに、グレーチング蓋4aを嵌める。
〔壁放熱部(図5、図6)〕
図5(A)は、放熱パネルの一部切欠斜視図であり、図5(B)は、図5(A)のB−B線断面図であり、図5(C)は、図5(B)の部分拡大図である。
また、図6(A)は壁放熱部He2の一部切欠正面図であり、図6(B)は、図6(A)のB−B線断面図であり、図6(C)は、図6(A)のC−C線断面図である。
図6(A)に示す如く、壁放熱部He2は、軽量鉄骨壁下地(LGS壁下地)Wa内に放熱パネル20を埋設し、放熱パネル20内に温水パイプ3を配置し、放熱パネル20上に張設した仕上材23を介して室内を輻射熱及び自然対流熱で穏やかに暖房するものである。
放熱パネル20は、図5に示す如く、高さH20が1820mmで幅L20が450mm、40.2mm厚(t20)であって、0.2mm厚のアルミ板21と、40mm厚の板状の合成樹脂製断熱材(JISA9501)22とを接着剤で一体化積層したものであり、アルミ板21は、両側縁20Eが断熱材22より22.5mm突出した形態で、断熱材幅L20´は405mmである。
そして、アルミ板21及び断熱材22には、PE−RT製(エチレン−オクテンコポリマー樹脂製)で呼び径13mm(外径:17mm、内径:13mm)の温水パイプ3を嵌合するための幅W21が17mm、深さd21が17mmの溝20Gを、高さ(長さ)方向に、等間隔で4本形成したものである。
この放熱パネル20は、1枚当り1.4kgと軽量であり、製作、運搬、配置、取扱い等が容易であって、取付けも、LGS壁下地Waにも、LGS天井下地Cにも、アルミ板21の両側突出縁21Eを介したねじ固定で可能である。
また、熱伝導率0.03kcal/mh℃と小さな断熱材22は、温水パイプ3の熱の拡散を阻止し、熱伝導率(180kcal/mh℃)の高いアルミ板21が、等間隔で4本配置した温水パイプ3の熱をアルミ板21全面に平均化して、表面を覆う板状の内装材(仕上材)23に伝達出来るものである。
しかも、該放熱パネル20は低コスト(出願時:3700円/枚)で準備出来る。
壁放熱部He3は、図6(A)、(B)に示す如く、間仕切壁の位置に符号して、床スラブコンクリートS表面に、慣用のLGS壁下地材の鋼製のランナー24を、あと施工アンカーを用いて固定し、LGS天井下地材である野縁30にランナー24´をねじ固定する。
次いで、上下のランナー24,24´間に、LGS壁下地材のスタッド25を455mm間隔に嵌合し、立設した両スタッド25間に断熱材幅L20´が405mmの放熱パネル20を嵌入して放熱パネル20の両側から各20mm突出しているアルミ突出縁21Eを両側のスタッド25にねじ固定する。
そして、給気流、吹出気流を水平から垂直まで調整可能なアルミ製の給気用の下部ガラリ27、放熱用の上部ガラリ27´をスタッド25にねじ固定する。
次いで、スタッド25に温水パイプ3を配設するための孔H3を穿設し、熱源機1から天井C内及びLGS壁下地Wa内に配設する内径24.5mmの合成樹脂製さや管13に呼び径13mmの温水パイプ3を挿通し、スタッド25を貫通する形態で、温水パイプ3を放熱パネル20の溝20Gに嵌合配管し、熱源機1と放熱パネル20間の温水循環経路を構成する。
温水パネル3の放熱パネル溝20G内への配管に際しては、アルミ板21にアルミテープを貼着すれば良い。
また、一方の先端には、室温を感知する感温器28aを、他方の先端には、室温の変化により温水の流量を自動調整する温度制御弁28cを接続したキャピラルチューブ28bを、温度制御弁28cが放熱パネル20に至る前の温水パイプ3aに隠蔽形態で配置し、感温器28aは、室温調整操作し易い位置に配置する。
尚、温水パイプ3(3a,3b)が交差するスタッド25での欠き込み部には、適宜、鋼製の補強板26を当接してねじ固定、又は溶接固定する。
そして、LGS壁下地Waに板状の内装材(仕上材)23を張着し、放熱パネル20を埋設形態とする。
この場合、放熱パネル20と内装材23が0.1mm厚のポリフィルム29´を挟着する形態で内装材23を張設すれば、気密性が向上し、放熱パネル20を配置する幅50mm(t25)のLGS壁下地Waは密閉空間となって放熱効果が向上する。
また、壁放熱部He2の外側のスタッド25面に10mm厚の現場発泡ウレタンフォーム29“を吹付ければ、スタッド25からの熱分散は阻止出来、スタッド25が放熱フイン機能を奏し、壁放熱部He2は、約8%の熱損失を阻止することが出来、1m当り、566kcal/Hの放熱量が確保出来る。
〔天井放熱部(図7)〕
図7は、天井放熱部He3の説明図であって、図7(A)は天井上方よりLGS天井下地Cを見た平面図であり、図7(B)は、図7(A)のB−B線断面図、図7(C)は、図7(A)のC−C線断面図である。
天井放熱部He3は、図5に示す放熱パネル20を天井面に、アルミ板21を下面にして埋設して天井仕上材36によって放熱パネル20を埋設形態にすれば良い。
一般に、LGS天井下地Cの組立ては、図7(B)に示す如く、床スラブSに予め略900mm間隔に埋設したインサート34cに径9mmの吊ボルト34aを締着固定し、野縁受け31を拘束する形状の収容部を備えたハンガー33を吊ボルト34aにナット34bで固定し、ハンガー33の収容部に野縁受け31を挿入して取付ける。
そして、ダブル野縁30aとシングル野縁30bとを、交互の配置形態で、クリップ32によって野縁受け31に取付けている。
本発明の天井放熱部He3は、一般のLGS天井下地Cの組付け後に、放熱パネル20の配置部のシングル野縁30bを、図7(A)に示す如く、放熱パネル20の長さH20に相当する長さH20(1820mm)切断して開口部とし、次いで、455mm間隔(L20)で配設したダブル野縁30a間の野縁受け31を長さ405mm(L20´)切落して開口部を設け、野縁受け31の切断部上に、図7(C)に示す如く、略700mm長の補強野縁受け31´を、載置する形態にチャンネル金具35で切断野縁受け31に固定する。
また、切断したシングル野縁30bの片持ち形態の切断端部は、適宜長さの野縁受け31を複数の野縁30a,30b上に、且つ、放熱パネル20用開口部に干渉しないように、載置固定する。
次いで、LGS天井下地Cの開口部に、放熱パネル20を、アルミ板21を下面にして嵌合し、図7(C)の如く、両側のアルミ板突出縁21Eを、両側のダブル野縁30aに当接ねじ固定し、放熱パネル20の中央を、下面のアルミ板21から、パネル20の上面の補助野縁受け31´に取付けたダブル野縁30a´まで長寸ねじNで固定する。
即ち、放熱パネル20は、両側縁及び中央で野縁に取付ける。
次いで、熱源機1から配管する合成樹脂製のさや管に、PE−RT管の温水パイプ3を挿通し、放熱パネル20の溝20Gに温水パイプ3を嵌入配置し、アルミテープで仮止着形態とし、下面から慣用の天井仕上材36を張設すれば、放熱パネル20を埋設隠蔽形態とした天井放熱部He3が形成出来る。
〔窓放熱部(図4)〕
図4は、窓放熱部He4の説明図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)の要部拡大図、(D)は取付状態説明図である。
即ち、図4の窓放熱部He4は、コンクリート壁Wbの外側に、押出法ポリスチレンフォームFPの断熱層と押出成形セメントAcを張設した外断熱コンクリート外壁に配置した窓Wiに、落下防止手摺10を付設し、該手摺10を放熱部としたものである。
落下防止手摺10は、PP−R製パイプの上部手摺管10aと下部手摺管10a´と上下手摺管を連結する手摺子10bから成り、上下手摺管10a,10a´は、外径27mm、内径21.7mmのパイプを用い、手摺子10bは、外径13mm、内径10mmのパイプを用いる。
また、上下手摺管10a,10a´は、図4(B)、(C)に示す如く、側面に、100mm間隔で、外径17mm、内径13mmで、長さ(d10)が30mmの接続パイプ10cを融着一体化し、手摺管10a,10a´内には、外径21.7mm、内径15.7mmで、肉厚3mmの温水通水用ステンレスパイプ10dを挿入嵌合して、手摺としての必要強度を付与し、ステンレスパイプ10dの左端10Lは閉塞する。
そして、図4(B)に示す如く、各手摺子10bを上下手摺管の接続パイプ10cに嵌入して熱融着一体化する。
この場合、先端(左端)の手摺子10bは、上下両手摺管内のステンレスパイプ10dと流水可能に形成する。
また、手摺管10a,10a´の取付けは、図4(C)、(D)に示す如く、受座金11の受金11aに挿入し、座金11bを両側の窓木製枠WFにねじ固定し、右端10Rの温水の流出入側では、木製枠WFの孔10hを挿通し、上部手摺管10a内のステンレスパイプ10dを、壁Wbのステンレス蓋15を備えた切込部C10内で、水栓ソケット12aにより、さや管13で保護された往き側温水パイプ3aと止水弁14を介して接続し、下部手摺管10a´内のステンレスパイプ10dを水栓エルボ12bによりさや管13で保護された戻り側温水パイプ3bに接続する。
従って、熱源機1から循環ポンプ2によって循環される温水は、図4(B)中の矢印で示す如く、往き側温水パイプ3a→上部手摺管10a→先端手摺子10b→下部手摺管10a´→戻り側温水パイプ3b、の経路で循環し、上下手摺管10a,10a´が内部のステンレスパイプ10dによって加熱され、上下手摺管10a,10a´が合成樹脂管の放熱部を構成する。
この窓放熱部He4は、酸素で腐蝕しないステンレスパイプ10d内蔵によって、従来の安全手摺同様に、落下防止手摺として機能すると共に、止水弁14の流量調整によって温度調整も可能であり、窓Wiからの熱損失も補償出来、窓辺の不快なコールドドラフト(降下冷気)の発生も抑制出来る。
本発明の概略説明図であって、(A)は全体概略斜視図、(B)は窓の概略斜視図である。 本発明の床放熱部の説明図であって、(A)は上面図、(B)は図(A)のB−B断面視図、(C)は図(A)のC−C断面視図である。 本発明の床放熱器の説明図であって、(A)は一部切欠斜視図、(B)は要部拡大斜視図、(C)は図(B)のC−C線断面図である。 本発明の窓放熱部の説明図であって、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は図(B)の要部拡大図、(D)は取付状態説明図である。 本発明に用いる放熱パネルの説明図であって、(A)は一部切欠斜視図、(B)は図(A)のB−B線断面図、(C)は図(B)のC部拡大図である。 本発明の壁放熱部の説明図であって、(A)は正面図、(B)は図(A)のB−B線断面図、(C)は図(A)のC−C線断面図である。 本発明の天井放熱部の説明図であって、(A)は平面図、(B)は図(A)のB−B線断面図、(C)は図(A)のC−C線断面図である。 従来例1の説明図である。 従来例2の説明図であって、(A)は正面図、(B)は縦断側面図である。 従来例3の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は要部縦断面図である。
符号の説明
1 熱源機(ボイラー)
2 循環ポンプ
2´ 膨張タンク
3 温水パイプ
3a 往き側温水パイプ(温水パイプ、温水流入パイプ)
3b 戻り側温水パイプ(温水パイプ、温水流出パイプ)
4a グレーチング蓋
4b グレーチング枠
4c アンカー
5 床放熱器(放熱器)
5a,5a´,5b,5b´ ヘッダー
5c 接続パイプ
5d,5d´ 接続部(継ぎ口)
5e 放熱パイプ
5f セパレータ板
5g セパレータパイプ
5g´ 通路パイプ
5h 仕切板
5i 小口塞
6a 自動温度制御弁
6b 止水弁
7a,7b 耐圧ゴムホース
7c ホースバンド
8a 誘導板
8b フック
9a 架台
9f あと施工アンカー
9f´ ナット
10 落下防止手摺(手摺)
10a,10a´ 手摺管
10b 手摺子
10c 接続パイプ
10d ステンレスパイプ(ステンレス管)
10h 孔
11 受座金
11a 受金
11b 座金
12a 水栓ソケット
12b 水栓エルボ
13 さや管
14 止水弁
15 ステンレス蓋
20 放熱パネル
20G,22G 溝
21 アルミ板
21´ アルミテープ
21E 突出縁
22 断熱材
23,36 内装材(仕上材)
24,24´ ランナー
25 スタッド
26 補強板
27,27´ ガラリ
28a 感温器
28b キャピラルチューブ
28c 温度制御弁
29 硬質ゴム
29´ ポリフィルム
29“ 現場発泡ウレタン
30a,30a´ ダブル野縁(野縁)
30b シングル野縁(野縁)
31 野縁受け
31´ 補助野縁受け
32 クリップ
33 野縁受けハンガー(ハンガー)
34a 吊ボルト
34b ナット
34c インサート 35 チャンネル金具
He1 床放熱部
He2 壁放熱部
He3 天井放熱部
He4 窓放熱部
ac 冷気(コールドドラフト)
ah 暖気
Ac 押出成形セメント
C LGS天井下地(天井)
FP 押出法ポリスチレンフォーム
N 長寸ねじ
P ピット
PL,PR,PS,PS´ ピット側面
Pb ピット底部
S 床スラブ(床スラブコンクリート)
Wa 壁(軽量壁下地、LGS壁下地、間仕切壁)
Wb コンクリート壁(壁)
Wi 窓
WF 窓枠(木製枠)

Claims (9)

  1. 1個所の熱源機(1)で温めた温水を、循環ポンプ(2)により、合成樹脂製で可撓性の温水パイプ(3)を介して、室内に配置した、窓に沿う形態で床スラブ(S)に設けた長方形ピット(P)内で床に隠蔽埋設形態の床放熱部(He1)、壁に隠蔽埋設形態の壁放熱部(He2)、及び天井に隠蔽埋設形態の天井放熱部(He3)に流入循環して、輻射熱、伝導熱、対流熱によって室内を暖める隠蔽温水暖房システム。
  2. 窓(Wi)の落下防止手摺(10)を、温水の流入循環する窓放熱部(He4)とした請求項1の温水暖房システム。
  3. 各放熱部(He1,He2,He3,He4)が合成樹脂管からの放熱である、請求項1又は2の温水暖房システム。
  4. 床放熱部(He1)が、窓(Wi)に沿う形態で床スラブ(S)に設けた長方形ピット(P)に、手前側上半に床放熱器(5)を配置し、放熱器(5)の全長に沿って、放熱器(5)の後側に、誘導板(8a)をピット底部(Pb)近くまで垂下し、ピット(P)上面にグレーチング蓋(4a)を配置した、請求項1乃至3のいずれか1項の温水暖房システム。
  5. 床放熱器(5)は、基端の温水流入及び温水流出用の上下2段の合成樹脂製ヘッダー(5a,5a´)と、他端の流路確保用の上下2段の合成樹脂製ヘッダー(5b,5b´)とを備え、各上側ヘッダー(5a,5b)間、及び各下側ヘッダー(5a´,5b´)間を複数の合成樹脂製放熱パイプ(5e)で接続した、請求項4の温水暖房システム。
  6. 温水流入及び流出用の上下2段のヘッダー(5a,5a´)が、共に、中間を仕切板(5h)で流路閉塞し、該2段ヘッダー(5a,5a´)が、仕切板(5h)の一方側では、流入用接続部(5d)及び流出用接続部(5d´)を備え、仕切板(5h)の他方側では、上下ヘッダー(5a,5a´)を通路パイプ(5g´)で連通した、請求項5の温水暖房システム。
  7. 壁放熱部(He2)及び天井放熱部(He3)は、合成樹脂製断熱材(22)の一面に複数の溝(22G)を平行配列し、該溝(22G)に符号する溝(20G)を備えたアルミ板(21)を断熱材(22)に層着した放熱パネル(20)の溝(20G)に温水パイプ(3)を配置した、請求項1乃至6のいずれか1項の温水暖房システム。
  8. 壁放熱部(He2)では、放熱パネル(20)を、アルミ板(21)の両側の突出縁(21E)を介して間仕切壁(Wa)内に取付け、アルミ板(21)上に仕上材(23)を配置した、請求項7の温水暖房システム。
  9. 窓放熱部(He4)が、合成樹脂製パイプ(10a)にステンレス管(10d)を挿入した上部手摺管(10a)と下部手摺管(10a´)とを平行配置し、上下各手摺管(10a,10a´)間を複数の平行手摺子(10b)で接続し、上下手摺管(10a,10a´)は、一端側では、一方の手摺管には温水流入パイプ(3a)を、他方の手摺管には温水流出パイプ(3b)を接続すると共に、他端側では、手摺子(10b)で、上下手摺管(10a,10a´)を温水連通可能とした、請求項2乃至8のいずれか1項の温水暖房システム。
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