JP5162975B2 - 紡績装置 - Google Patents

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Description

この発明は紡績装置に関し、特に旋回気流を利用して紡績糸を製造する紡績装置に関するものである。
旋回気流を利用して紡績糸を製造する紡績装置は、繊維束から紡績糸が製造される糸送り方向に沿って、ニードルを有するニードルブロックと、空間部が形成されたノズルブロックと、その空間部に挿入されたスピンドルとを備えている。ニードルブロックには、ドラフト装置から送られてきた繊維束が導入される導入通路が形成されている。ニードルはその先端が上記空間部に突出した状態で取り付けられている。上記導入通路は、例えば特許文献1に開示されているように旋回気流の旋回方向に緩やかにひねられて形成されている。ノズルブロックには、上記中空部に開口する出口を有するエアーノズルが形成されている。スピンドルには、その軸方向に中空の糸通過孔が形成されている。このように構成される紡績装置では、エアーノズルからスピンドルの先端部に向かってエアーが噴射され、ノズルブロックとスピンドルとの間に形成されたスペースである旋回気流発生室に旋回気流が生じる。この旋回気流により、繊維束が、上記導入通路を介してニードル先端に巻き付きながら旋回気流発生室に導入される。そして、旋回気流発生室に導入された繊維束の一部の繊維、即ち巻付き繊維が反転し、上記空間部の周壁面であるノズルブロックの内周壁に沿って旋回する。そして、その巻付き繊維は糸通過孔に導入され続けている繊維束の中心の繊維、即ち芯繊維に巻き付き、糸通過孔を介して紡績糸が製造される。
特開平7−82612号公報
上記のような従来の紡績装置では、繊維束はニードルブロック内を緩やかにひねられて形成された導入通路に沿って徐々に移送される。導入通路の繊維束が沿って移送される面が緩やかにひねられて形成されているため、繊維束は徐々に拘束される。繊維束が徐々に拘束されていくと、拘束されない繊維も発生する。したがって、導入通路の途中で拘束されていない繊維は、繊維の糸送り方向下流側の端部が糸通過孔に導入され続けている芯繊維から剥離して、紡績糸になることなく破棄されてしまう、いわゆるファイバーロスを増加させてしまう場合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、繊維束導入部材の導入通路に導入された繊維束を確実に拘束して、繊維束を構成する繊維を剥離しにくくさせ、ファイバーロスの少ない紡績装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、繊維束の一部の繊維を旋回気流により旋回させて紡績糸を製造する紡績装置であって、空間部が形成され、その空間部に前記旋回気流を発生させるためのエアーノズルが形成されたノズルブロックと、前記空間部に挿入されると共に前記紡績糸が通過する糸通過孔が形成されたスピンドルと、前記空間部に接続されると共に前記繊維束が前記糸通過孔の入口に向かうように案内される導入通路が形成された繊維束導入部材と、を備え、前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、前記導入通路の入口から前記導入通路の出口側へと至る第1面と、前記第1面から糸送り方向の下流側に接続されると共に前記導入通路の入口側から前記導入通路の出口へと至る第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との接続部分における前記第1面と前記第2面とのなす角度が90°〜120°に設定されたものである。
このように構成すると、導入通路に導入された繊維束の収束性が向上する。また、導入通路に導入された繊維束が90°〜120°に屈曲して繊維束導入部材に確実に拘束される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、前記第2面から前記糸送り方向の下流側に接続されると共に前記導入通路の入口側から前記導入通路の出口へと至る第3面を更に含み、 前記第2面と前記第3面とのなす角度がほぼ直角に設定されたものである。
このように構成すると、繊維束が再びほぼ直角に屈曲して繊維束導入部材に更に確実に拘束される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、一体成形により形成されたものである
このように構成すると、導入通路の繊維束導入部材の軸側の内壁面に製造上発生する継ぎ目がなくなる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、前記繊維束導入部材は、前記糸通過孔の入口に向かうように前記空間部の一部に先端が突出した針状のガイド部材を備え、前記導入通路の出口の前記ガイド部材に近い側の端部は、前記ガイド部材の軸回りに屈曲して形成されているものである。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、導入通路に導入された繊維束の収束性が向上するため、繊維束を構成する繊維が繊維束から剥離しにくくなり、ファイバーロスとなる繊維を減少させることができる。また、導入通路に導入された繊維束が90°〜120°に屈曲して繊維束導入部材に確実に拘束されるため、繊維束を構成する繊維が繊維束から剥離しにくくなり、ファイバーロスとなる繊維を更に減少させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、繊維束が再びほぼ直角に屈曲して繊維束導入部材に更に確実に拘束されるため、繊維束を構成する繊維が繊維束から剥離しにくくなり、ファイバーロスとなる繊維を更に減少させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、導入通路の繊維束導入部材の軸側の内壁面に製造上発生する継ぎ目がなくなるため、導入通路内において繊維束をひっかかりなく滑らかに移動させることができる。
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1はこの発明の第1の実施の形態による紡績装置を備えた紡績機の概略構成を示した斜視図である。
図1を参照して、紡績機10は、繊維束17から紡績糸18が製造される糸送り方向に沿って上流側から、ケンス11と、ドラフト装置12と、紡績装置13と、糸送り装置14と糸欠点検出装置15と、巻取り装置16とを備えている。ケンス11には、練条機で生成された繊維束17が収容されている。
ドラフト装置12は、ケンス11から引き出された繊維束17をローラで挟み込んで延伸する装置であり、糸送り方向上流側から、バックローラ対19、サードローラ対20、セカンドローラ対21及びフロントローラ対22の4組のローラを備えている。セカンドローラ対21の各ローラにはエプロンベルト26が装着されている。
紡績装置13は、ドラフト装置12のフロントローラ対22から送られてきた繊維束17に旋回気流を与えて紡績糸18を製造する装置であり、詳細については後述する。
糸送り装置14は、紡績装置13で製造された紡績糸18を、糸送り方向下流側に配置された巻取り装置16へ送り出す装置である。糸送り装置14は、デリベリローラ23と、デリベリローラ23に接触・離反自在に設けられたニップローラ24とを備え、デリベリローラ23とニップローラ24との間に挟持された紡績糸18が、デリベリローラ23の回転駆動により巻取り装置16へ送られる。
糸欠点検出装置15は、巻取り装置16へ送られる途中の紡績糸18の糸欠点を検出する装置である。この糸欠点検出装置15による糸欠点検出情報に基づいて、紡績糸18の欠点部分が除去され、不良な糸のパッケージ25への巻取りが防止される。尚、糸欠点検出装置15は、糸欠点の検出に応じて紡績糸18を切断する図示しない切断装置を備え、紡績機10は、一旦切断された紡績糸18の両端を繋ぐ図示しない糸継ぎ装置を備えている。
巻取り装置16は、紡績装置13で製造された紡績糸18を図示しないボビンホルダーに支持されたボビン27に巻き取って、パッケージ25を製造する装置である。
次に、上述した紡績装置13について説明する。
図2は図1で示した紡績装置のスピンドル先端付近の概略構成を示した縦断面図である。
図2を参照して、紡績装置13は、繊維束17から紡績糸18が製造される糸送り方向に沿って、繊維束導入部材30と、空間部55が形成されたノズルブロック33と、上記空間部55に糸送り方向下流側からその先端42側が挿入されたスピンドル38とを備えている。空間部55は、具体的には、円柱状に形成された円柱状空間部43と、円柱状空間部43の下流側に接続されると共に、接続される上流側の面の径が円柱状空間部43の径と同一で下流側にむかって拡大する円錐台状空間部49とから構成されている。ノズルブロック33とスピンドル38とは同軸に配置されている。スピンドル38は、繊維束導入部材30及びノズルブロック33の双方と接触しないように離間して配置されている。繊維束導入部材30には、ドラフト装置12から送られてきた繊維束17が導入される導入通路32が糸送り方向に貫通して形成されている。この導入通路32の詳細については後述する。又、繊維束導入部材30とスピンドル38の先端42との間に円柱状のスペース、即ち反転室36が形成され、ノズルブロック33の内周壁44とスピンドル38の外周壁45との間に円筒状のスペース、即ち旋回気流発生室37が形成されている。スピンドル38には、スピンドル38の軸方向に貫通して軸心位置に糸通過孔39が形成されている。上記の導入通路32、旋回気流発生室37及び糸通過孔39は、反転室36を介して互いに連通している。
繊維束導入部材30は、糸通過孔39の入口に向かうように円柱状空間部43の一部である反転室36内に先端が突出した針状のガイド部材31を備えている。このガイド部材31により、反転室36に導入された繊維束17の一部、即ち繊維束17の中心に位置する芯繊維が糸通過孔39に誘導される。尚、ガイド部材31の糸通過孔39側への突出量は調整自在である。
ノズルブロック33には、円柱状空間部43に向かって糸送り方向下流側に少し傾斜して断面が円形を有する複数のエアーノズル34・34・・・が形成されている。そのエアーノズル34・34・・・の出口35・35・・・の各々は、円柱状空間部43の周壁であるノズルブロック33の内周壁44に開口して形成されている。エアーノズル34・34・・・の各々は、ノズルブロック33の内周壁44が構成する円の接線方向に向かって形成されている。図示しないエアー供給手段により、このエアーノズル34・34・・・の各々から均一にエアーが噴射されると、反転室36や旋回気流発生室37に図2の矢印で示したスピンドル38の軸回り方向に一定の速さで旋回する旋回気流が発生する。又、エアーノズル34・34・・・は糸送り方向下流側に少し傾斜しているため、エアーの流れは旋回成分だけではなく、糸送り方向へ向かう成分も有している。
スピンドル38は、ノズルブロック33の円柱状空間部43の外形を僅かに小さくして、先端42の角が面取りされた円柱部40と、糸送り方向上流側の接続される面の径が円柱部40の径と同一で下流側に向かって拡大する円錐台部41とを備え、紡績糸18が通過する上述の糸通過孔39が形成されている。スピンドルの先端42から円錐台部41の中間部分までがノズルブロック33の空間部55に挿入されている。
次に、繊維束導入部材30に形成された導入通路32について説明する。
図3は図1で示した紡績装置の繊維束導入部材の概略構成を示した斜視図である。図4は図1で示した紡績装置の繊維束導入部材の概略構成を示した図であって、その(1)が正面図であり、その(2)が背面図であり、その(3)が側面図である。図5は、その(1)が図4で示したV−Vラインの断面図であり、その(2)が図4で示したVI−VIラインの断面図である。
図3、図4及び図5を参照して、繊維束導入部材30は、例えばセラミックの一体成形により形成され、側面視において糸送り方向上流側の上下のコーナーが大きく斜めに削られた円柱状に構成されている。ガイド部材31が、その先端が糸送り方向下流側に突出するように円柱部分の軸芯位置に取り付けられている。糸送り方向上流側の面には導入通路32の入口70が形成され、糸送り方向下流側の面には導入通路32の出口71が形成されている。入口70は、水平方向を長手方向とした矩形形状を有し、ガイド部材31の上方、かつ直線に形成された繊維束導入部材30の上辺に沿って配置されている。一方、出口71は、入口70と直交する垂直方向を長手方向とした矩形形状を一部変形した形状を有し、ガイド部材31の近傍かつ、ガイド部材31の先端側からみて右側に配置されている。出口71のガイド部材31に近い側の端部は、ガイド部材31の軸回りに旋回気流の旋回方向に屈曲して形成されている。出口71のもう一方の外方側の端部75は、ガイド部材31の軸方向からみて入口70と重なる位置、即ちガイド部材31の軸方向からみて入口70の外方側の端縁より突出しない位置に配置されている。
導入通路32は、図3の矢印で示した旋回気流の旋回方向にガイド部材31の軸回りに屈曲するようにして、上記入口70と上記出口71を結ぶように構成されている。又、導入通路32は、繊維束17がスピンドルの糸通過孔の入口に向かって案内されるように形成されている。具体的には、導入通路32は、入口70の長手方向に空間が広がる第1導入部72と、第1導入部72の下面かつガイド部材31の先端側からみて右側に接続して出口71の長手方向に空間が広がる第2導入部73と、第2導入部73の出口側かつガイド部材31の先端側からみて左側に下方に接続する第3導入部74とから構成されている。第1導入部72は、長手方向の幅が出口71側にむかうに連れて狭くなっており、下面である第1面78は水平で上面76が下方にむかってやや傾斜している。第2導入部73は、短手方向の幅はほぼ一定で長手方向の幅が出口71側にむかうに連れて広くなっている。
導入通路32の繊維束17が沿って移送される繊維束案内面は、導入通路32の入口70から導入通路32の出口71側へと至る第1面78と、第1面78から旋回気流の旋回方向下流側に接続されると共に入口70側から出口71へと至る第2面79と、第2面から旋回方向下流側に接続されると共に入口70側から出口71へと至る第3面80とから構成されている。繊維束案内面は、ガイド部材31の軸側の内壁面である。繊維束導入部材30は一体成形により形成されているため、上記繊維束案内面には、製造上発生する継ぎ目がない。図4の(1)に示したように、第1面78と第2面79とのなす角度θ1及び第2面79と第3面80とのなす角度θ2は、各々ほぼ直角になるように設定されている。即ち、繊維束案内面には、繊維束17を拘束する急激な屈曲部が形成されている。繊維束17を拘束する急激な屈曲部が形成されるには、第1面78と第2面79とのなす角度θ1は90°から120°までの範囲、好ましくは90°であればよい。上記急激な屈曲部は、第1面78と第2面79との接続部分及び第2面79と第3面80との接続部分である。第2面79の上部は、ガイド部材31に対して外方に向かって僅かに膨らんだ形状に構成されている。尚、面が平面でない場合は、その面を全体的にみて面と面とのなす角度、即ちほぼ直角であるかどうかを判断する。よって、第1面78,第2面79及び第3面80の各々が必ずしも平面である必要はない。又、第1面78と第2面79とのなす角度θ1及び第2面79と第3面80とのなす角度θ2は、導入通路32側とは反対側の、即ちガイド部材31の軸側の角度である。このように構成される導入通路32に、ドラフト装置12から送られてくる繊維束17が旋回気流により導入される。
次に、紡績糸18の製造工程について説明する。
図2に戻って、先ず、ドラフト装置12のフロントローラ対22から送り出された繊維束17が、繊維束導入部材30に形成された上記導入通路32を介して反転室36に導入される。導入通路32内での繊維束17の移動に関する詳細は後述する。繊維束17はガイド部材31に半周程度巻き付けられている。この反転室36や反転室36の糸送り方向下流側に接続される旋回気流発生室37には、図2の矢印で示された方向に旋回気流が発生している。この旋回気流は上述のように糸送り方向に向かう成分を有しているため、導入通路32から外気が吸引され、繊維束17が反転室36に導入され易くなっている。
次に、反転室36に導入された繊維束17の中心の繊維、即ち芯繊維はガイド部材31に巻き付きながら、糸通過孔39に導入される。一方、繊維束17のその他の繊維、即ち巻付き繊維46・46・・・は、糸送り方向下流側の端部が上記芯繊維に巻き付いた状態で、糸通過孔39に導入される。そして、巻付き繊維46・46・・・は、糸送り方向上流側の端部がフロントローラ対22から外れて、旋回気流の糸送り方向へ向かう成分により図2の2点鎖線で示したように反転して、旋回気流発生室37に導入される。
次に、反転した巻付き繊維46・46・・・はノズルブロック33の内周壁44に沿って旋回気流の旋回成分により旋回し、糸通過孔39に導入され続けている芯繊維に巻き付く。
次に、巻付き繊維46・46・・・が巻き付いた芯繊維が糸通過孔39を介して紡績装置13から送り出される。このようにして、紡績糸18は製造される。
ここで、導入通路32内での繊維束17の移動に関する詳細について説明する。
図5を中心に参照して、繊維束17は、全体の移動としては図5の(1)及び(2)の矢印で示したように、第1導入部72、第2導入部73、第3導入部74の順に移動する。先ず、旋回気流により入口70から導入される繊維束17は、第1導入部72の下面を構成する第1面78に沿って移動する。第1導入部72は出口71に向かうに連れて水平方向の幅が狭くなっているため、繊維束17も、それに合わせて収束されながら移動する。
次に、ほぼ直角に接続される第1面78と第2面79との接続部分において繊維束17は急激に屈曲して第2導入部73の側面を構成する第2面79に沿って移動する。このとき、繊維束17は急激に屈曲するため、繊維束17の収束性が向上すると共に繊維束17は繊維束導入部材30に確実に拘束される。それと同時に、第2導入部73の下面を構成する傾斜面77に沿ってガイド部材31の先端に近づく方向に移動する。
次に、ほぼ直角に接続される第2面79と第3面との接続部分において繊維束17は屈曲して第3導入部74の上面を構成する第3面に沿って移動する。ここで、繊維束17は再び急激に屈曲するため、繊維束17は繊維束導入部材30に更に確実に拘束される。又、繊維束17は、出口71でガイド部材31の先端に更に近づく。ところで、導入通路32を移動中に繊維束17を構成する繊維が糸通過孔39に導入される繊維束17から剥離する場合がある。この場合、旋回気流の影響と導入通路の形状とにより繊維束17がガイド部材31の先端側へ移動させられるため、一度剥離した上記繊維も再び拘束され糸通過孔39に導入されやすくなる。
次に、繊維束17は出口71から出てガイド部材31に巻きつきながら、糸通過孔39に導入される。このようにして、繊維束17は導入通路32内を移動する。
以上から紡績装置13にあっては、導入通路32に導入された繊維束17はほぼ直角に屈曲して、繊維束17の収束性が向上すると共に繊維束17が繊維束導入部材30に確実に拘束されるため、繊維束17を構成する繊維が繊維束から剥離しにくくなる。具体的には、巻付き繊維46・46・・・の糸送り方向下流側の端部が糸通過孔39に導入され続けている芯繊維から剥離しにくくなる。したがって、紡績糸18になることなく破棄される繊維いわゆるファイバーロスを減少させることができる。又、導入通路32の繊維束案内面に製造上発生する継ぎ目がなくなるため、導入通路32内において繊維束をひっかかりなく滑らかに移動させることができる
尚、上記の実施の形態では、繊維束導入部材の導入通路の出口に第3導入部が構成されているが、第3導入部はなくてもよい。
又、上記の実施の形態では、ガイド部材の軸側における第1面と第2面とのなす角度がほぼ直角に構成されているが、90°から120°までの範囲であればいずれの角度であってもよい。
更に、上記の実施の形態では、第1面が平面で、第2面及び第3面が平面と曲面の組合せになっているが、各面のなす角度が全体として90°から120°までの範囲、好ましくは90°に設定されていれば、第1面、第2面及び第3面は平面、曲面又はそれらの組合せのいずれであってもよい。
更に、上記の実施の形態では、繊維束導入部材全体が一体成形されているが、少なくとも第1面、第2面及び第3面が一体成形されていればよい。又、ガイド部材を含めて繊維束導入部材全体を一体成形してもよい。
更に、上記の実施の形態では、繊維束導入部材とノズルブロックは別々の部材で構成されているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、一体的に構成されてもよい。
更に、上記の実施の形態では、繊維束導入部材にガイド部材が取り付けられているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、ガイド部材はなくてもよい。
この発明の第1の実施の形態による紡績装置を備えた紡績機の概略構成を示した斜視図である。 図1で示した紡績装置のスピンドル先端付近の概略構成を示した縦断面図である。 図1で示した紡績装置の繊維束導入部材の概略構成を示した斜視図である。 図1で示した紡績装置の繊維束導入部材の概略構成を示した図であって、その(1)は正面図であり、その(2)は背面図であり、その(3)は側面図である。 その(1)は図4で示したV−Vラインの断面図であり、その(2)は図4で示したVI−VIラインの断面図である。
符号の説明
13 紡績装置
17 繊維束
18 紡績糸
30 繊維束導入部材
32 導入通路
33 ノズルブロック
34 エアーノズル
38 スピンドル
39 糸通過孔
70 入口
71 出口
78 第1面
79 第2面
80 第3面

Claims (4)

  1. 繊維束の一部の繊維を旋回気流により旋回させて紡績糸を製造する紡績装置であって、
    空間部が形成され、その空間部に前記旋回気流を発生させるためのエアーノズルが形成されたノズルブロックと、
    前記空間部に挿入されると共に前記紡績糸が通過する糸通過孔が形成されたスピンドルと、
    前記空間部に接続されると共に前記繊維束が前記糸通過孔の入口に向かうように案内される導入通路が形成された繊維束導入部材と、
    を備え、
    前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、前記導入通路の入口から前記導入通路の出口側へと至る第1面と、前記第1面から糸送り方向の下流側に接続されると共に前記導入通路の入口側から前記導入通路の出口へと至る第2面とを含み、
    前記第1面と前記第2面との接続部分における前記第1面と前記第2面とのなす角度が90°〜120°に設定された、
    紡績装置。
  2. 前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、前記第2面から前記糸送り方向の下流側に接続されると共に前記導入通路の入口側から前記導入通路の出口へと至る第3面を更に含み、
    前記第2面と前記第3面とのなす角度がほぼ直角に設定された、請求項1記載の紡績装置。
  3. 前記導入通路の前記繊維束導入部材の軸側の内壁面は、一体成形により形成された、請求項1又は請求項2項に記載の紡績装置。
  4. 前記繊維束導入部材は、前記糸通過孔の入口に向かうように前記空間部の一部に先端が突出した針状のガイド部材を備え、
    前記導入通路の出口の前記ガイド部材に近い側の端部は、前記ガイド部材の軸回りに屈曲して形成されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の紡績装置。
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