JP5162585B2 - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、CDやDVDの光ピックアップ用として使用される光学素子及びその製造方法に関する。
例えば下記の特許文献1には、光ピックアップ用の光学素子の凸部(山部)表面及び凹部(谷部)表面に反射防止構造が形成された発明が開示されている。
従来では、特許文献1の[0003]欄にも記載されているように、誘電体膜を光学素子に成膜して反射防止コーティングを行っていたが、特に凹部底面に前記誘電体膜を所定膜厚にて成膜することが困難となってきており、特許文献1では、特許文献1の図8に示すように、凸部(山部)の上面、及び凹部(谷部)の底面にレジストを塗布し、例えば電子ビーム(EB)露光により前記レジストに所定パターンを形成し、エッチングを施すことで前記凸部上面及び凹部底面にナノ構造の反射防止構造を形成している(特許文献1の[0029]欄〜[0032]欄)。
特開2006−185562公報 特開2003−75602号公報 特開2003−315521号公報
ところで光ピックアップ機器の小型化・高分解能化を実現するには、波長ごとにコントラストのある回折格子が必要であり、特定波長で高い回折効率を得るには、回折パターンにおける前記凸部と凹部間の段差を大きくすることが望ましい。
しかしながら従来の技術では、前記凸部と凹部間の段差が1μmを超える深溝構造に対して凸部上面及び凹部底面の双方に適切に反射防止構造を施すことができなかった。そして、上記した特許文献には、このような深溝構造に対して適切に反射防止構造を形成する具体的製法が開示されていない。
また、前記深溝構造の回折パターンを備える成形品を型から製造する際、前記凸部上面と前記凹部底面間の側面が傾斜面で形成されるようにして、離型性を向上させることが必要であるが、上記した特許文献には、前記傾斜面を備える光学素子の好ましい反射防止構造は開示されておらず、また当然に、その製造方法も開示されていない。
また上記した特許文献には、曲率半径が10mm未満のレンズに対する好ましい反射防止構造は開示なく、また当然に、その製造方法も開示されていない。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、1.5μm以上の深溝の回折パターン、あるいは高さが50μm以上で、曲率半径が10mm未満の急峻に突出する曲面状の凸部を備えた形態に対して、適切に反射防止効果を向上させた光学素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における光学素子は、
表面に凹凸形状から成る回折パターンが形成され、前記回折パターンの凸部と凹部間の段差は1.5μm以上であり、
前記凸部の上面と、前記凹部の底面間に位置する側面は、少なくとも前記底面に近い部分に前記凸部の幅寸法が前記凹部の底面方向に向けて徐々に広がる傾斜面を有し、
前記凸部の上面、前記凹部の底面、及び、傾斜面の表面に、微細な凹凸形状から成る反射防止構造が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の光学素子では、離型性を向上させるための傾斜面が少なくとも前記凹部底面に近い部分に設けられているので、1.5μm以上の深溝の回折パターンが高精度に形成されるとともに、凸部上面、凹部底面及び前記傾斜面にも前記反射防止構造が形成されているので、より適切に反射防止効果を向上させることができ、回折格子としての性能を適切に向上させることが可能である。
上記のような曲面状に突出する凸部表面にも適切に反射防止構造を形成でき、反射防止効果を適切に向上させることが可能である。
本発明では、前記微細な凹凸形状中の微細凸部のピッチ間隔は250nm以下であると、より適切に反射防止効果を向上させることができ好適である。
本発明における光学素子の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a) 基板表面に凹凸形状の回折パターンを形成し、このとき、前記回折パターンの凸部と凹部間の段差を1.5μm以上で形成する工程、
(b) 前記凸部の上面から前記凹部の底面にかけてレジストを蒸着する工程、
(c) 電子ビーム露光の際の電子銃を、前記凸部の上面から前記凹部の底面への段差形状に沿って駆動させて露光し、前記レジストに、微細な凹凸形状から成る反射防止構造のパターンを形成する工程、
(d) 前記レジストに覆われていない前記基板表面をエッチングして、前記凸部の上面、及び、前記凹部の底面面に前記反射防止構造を形成する工程、
(e) 前記レジストを除去する工程。
上記した(b)工程により、段差が1.5μm以上ある深溝構造の凸部上面から凹部底面を、適切に蒸着レジストにて覆うことができ、(c)工程での露光を、電子ビーム露光の際の電子銃を段差形状に沿って駆動させることで、反射防止構造のパターンを、凸部上面及び凹部底面の双方に適切に形成でき、したがって、深溝構造の凸部上面及び凹部底面に適切且つ容易に反射防止構造を形成することが出来る。
本発明では、前記(c)工程時、前記凸部と前記凹部との段差近傍に形成された前記レジスト層に対する露光幅を、前記段差近傍から離れた位置での前記レジスト層に対する露光幅に比べて細く設定ことが好ましい。
段差近傍で生じる電荷チャージによる過露光状態を露光幅にて補正でき、これにより、段差近傍においても適切に反射防止構造を形成できる。また例えば特許文献2や特許文献3にはドーズ量の調整による露光方法が開示されているが、このような露光方法では露光時間が長くなるのに対し、本発明のように露光幅を調整する露光方法では露光時間をドーズ量の調整による露光方法に比べて短くでき、製造方法を容易化できる。
また本発明では、前記(c)工程では、凸部上面、あるいは凹部底面のどちらか一方の領域に形成されたレジストを先に電子ビーム露光し、次に、他方の領域に形成されたレジストを電子ビーム露光することが効率良く露光できて好適である。
また本発明では、前記(a)工程時に、前記回折パターンの凸部上面と凹部底面間に位置する側面を、少なくとも前記底面に近い部分が、前記凸部の幅寸法が前記凹部底面方向に向けて徐々に広がる傾斜面となるように形成し、
前記(b)工程では、前記凸部の上面から、前記傾斜面の表面、及び前記凹部の底面にかけてレジストを蒸着し、
前記(d)工程では、前記凸部の上面、前記凹部の底面、及び、前記傾斜面の表面に、前記反射防止構造を形成することが好ましい。
上記により傾斜面にも適切に反射防止構造を形成でき、反射防止効果が高い光学素子を適切且つ簡単に製造することが出来る。このように本発明では、前記傾斜面に反射防止構造を形成できるので、従来に比べて、前記傾斜面の傾き角度を離型性の観点から自由に設定しやすく、製造方法を容易化できる。
また本発明では、前記(a)工程から前記(e)工程を経て形成された基板を母型として前記基板から型を形成し、前記型から光学素子材料の表面に、前記回折パターン及び前記反射防止構造を転写して、光学素子を製造してもよい。
また本発明では、前記(a)工程から前記(e)工程を経て形成された基板を型として、前記型から光学素子材料の表面に、前記回折パターン及び前記反射防止構造を転写して、光学素子を製造してもよい。
本発明では上記により、型から、回折パターンの段差が1.5μm以上の深溝構造で、しかも凸部上面、凹部底面、及び傾斜面表面に反射防止構造が形成された光学素子を適切且つ容易に製造できる。しかも型の凸部上面と凹部底面間の少なくとも前記底面に近い部分に傾斜面が形成されるので、型から成形品を離型性良く製造できる。
また、前記反射防止構造の微細凸部のピッチ間隔を250nm以下で形成することが好適である。
本発明の光学素子は、回折パターンの凸部上面と凹部底面間の少なくとも前記底面に近い部分に、離型性を向上させるための傾斜面が設けられているので、1.5μm以上の深溝の回折パターンを高精度に形成できるとともに、凸部上面、凹部底面及び前記傾斜面にも前記反射防止構造を形成できるので、より適切に反射防止効果を向上させることができ、回折格子としての性能を適切に向上させることが可能である。
また本発明の光学素子では、高さが50μm以上で、且つ曲率半径が10mm未満である曲面状の凸部表面にも適切に反射防止構造を形成でき、反射防止効果を適切に向上させることが可能である。
また本発明の光学素子の製造方法によれば、段差が1.5μm以上の深溝構造の凸部上面から凹部底面、あるいは、高さが50μm以上で、且つ曲率半径が10mm未満である曲面状の凸部表面を、蒸着レジストにて覆う工程と、電子ビーム露光の際の電子銃を段差形状に沿って駆動させて露光する工程とを有することで、深溝構造の凸部上面及び凹部底面や、前記曲面状の凸部表面に適切且つ容易に反射防止構造を形成することが出来る。
図1は、本実施形態の光学素子(回折格子)を膜厚方向から切断した部分断面図である。
図1に示す回折格子1は、第1の成形体2と、支持体3と、第2の成形体4とで構成される。第1の成形体2は前記支持体3の一方の面3aに固着され、第2の成形体4は前記支持体2の他方の面3bに固着されている。
前記第1の成形体2、支持体3及び第2の成形体4は夫々、樹脂やガラス等で形成される。
図1に示すように前記第1の成形体2の表面には、凹凸形状から成る回折パターン5が形成されている。
前記回折パターン5の凸部6と凹部7間の段差H1は、1.5μm以上である。また前記凸部6間の最小間隔T1は、5〜20μm程度である。
また図1に示すように、前記凸部6の上面6a、及び前記凹部7の底面7aには、夫々、微細な凹凸形状から成る反射防止構造8が形成されている。ここで上記した前記回折パターン5の凸部6と凹部7間の段差H1は、例えば、前記凸部6の上面6aに形成された前記反射防止構造8の微細凸部9の頂点と、前記凹部7の底面7aに形成された前記反射防止構造8の微細凸部9の頂点間の高さ寸法で規定される。
図1に示すように前記凸部6の上面6aと、前記凹部7の底面7a間に位置する側面は、前記凸部6の上面6aの両側から下方向(凹部7の底面7a方向)に向けて形成された垂直面12と、前記垂直面12の下端部と前記凹部7の底面7aとの間(前記側面の裾部)に形成された傾斜面10とで構成される。前記幅寸法T2の最小値、すなわち前記凸部6の上面6aでの幅寸法は5〜20μm程度である。前記傾斜面10は、前記凹部7の底面7aから、上方に向けて前記垂直面12の下端部と接する位置まで高さ寸法H4で形成されている。前記高さ寸法H4は、0.1〜0.5μmである。
前記傾斜面10の膜厚方向(支持体3表面に対する垂直方向)からの傾きθ1は、図にあるように裾野部にだけ形成する場合は、1〜45°の広い範囲で設定できる。傾斜面10は凸部の上面から凹部の底面までの全体に形成することも可能で、その場合のθ1は1〜10°の範囲内であることが好適である。
前記傾斜面10は、例えば、型から第1の成形体2の表面に回折パターン5及び反射防止構造8を転写した後、前記第1の成形体2を型から抜き易くするために設けられている。例えば、前記凹部7の底面7aの近い部分に傾斜面10が形成されず、前記側面全体が垂直面12であると、離型性が悪化するため、1.5μm以上の深溝の回折パターン5が精度良く形成されず、1.5μmよりも小さい浅溝の回折パターンしか形成出来なくなる。これに対して本実施形態では、傾斜面10を設けたことにより離型性が向上したため、1.5μm以上の深溝の回折パターン5が高精度に形成される。
前記傾斜面10は図1に示す膜厚方向からの断面形状で直線状あるいは曲面状に現れる。
図1に示すように前記傾斜面10にも微細な凹凸形状の反射防止構造8が形成されている。
このように図1に示す実施形態では、前記反射防止構造8は、凸部6の上面6a、凹部7の底面7a、及び傾斜面10の表面に形成されている。なお前記反射防止構造8は前記垂直面12には形成されない。ここで、前記反射防止構造8は、凸部6の上面6a、凹部7の底面7a、及び傾斜面10の表面の全体に施される形態のほか、各面の一部に施される形態も含む。
また前記反射防止構造8は、前記微細凸部9がピッチ間隔T3を空けて紙面垂直方向に長く延ばされて成る波状で形成された構成、あるいは前記微細凸部9が多数のドット状で形成された構成であってもよい。前記微細凸部9は、図1に示す膜厚方向からの断面形状で、矩形状、台形状、半円状等であってもよいが、先端が尖った三角形状であることが反射防止効果を向上できて好適である。
前記反射防止構造8の微細凸部9のピッチ間隔T3(微細凸部9の頂点間距離)は、250nm以下に設定されている。なお、前記ピッチ間隔T3は50nm以上で250nm以下であることが好適である。これにより反射防止効果を向上させることが出来る。
図1に示す実施形態では、前記第2の成形体4の表面にも反射防止構造8が形成されている。
図1に示す回折格子1では、凸部6の上面6aと凹部7の底面7a間に、離型性を向上させるための傾斜面10が設けられているので、1.5μm以上の深溝の回折パターン5が高精度に形成されるとともに、凸部6の上面6a及び凹部7の底面7aのみならず前記傾斜面10にも微細凸部9のピッチ間隔T3が250nm以下の反射防止構造8が形成されているので、より適切に反射防止効果を向上させることができ、回折格子としての性能を適切に向上させることが可能である。
図1に示す回折格子1では、特定波長で高い回折効率を得ることが出来るため、例えば光ピックアップの機器に前記回折格子1を搭載した場合、前記機器の小型化・高分解能化を実現することが可能である。
図1に示す回折格子1は、第1の成形体2のみで、あるいは、第1の成形体2と支持体3とで、又は、第1の成形体2と第2の成形体4とで構成される形態であってもよい。
また前記傾斜面10は、前記凸部6の上面6aと凹部7の底面7a間の側面全体に形成されてもよいが、図1に示すように、前記底面7aに近い部分のみ前記傾斜面10が形成される形態であることが回折格子1の性能を適切に維持でき好適である。
図2は、参考例の光学素子(レンズ)を膜厚方向から切断した部分断面図である。
図2に示すレンズ15は、例えばSi(シリコン)で形成されている。図2に示すように前記レンズ15の表面15aには、曲面状に突出する凸部16が形成されている。前記凸部16の裾部16aから前記凸部16の頂点16bまでの高さ寸法H2は50μm以上で形成される。また前記凸部16は曲率半径が10mm未満である。
図2に示すように前記凸部16の表面には、微細な凹凸形状の反射防止構造17が形成されている。ここで上記した凸部16の高さ寸法H2は、前記凸部16も最も高い位置に形成された前記反射防止構造17を構成する微細凸部18の頂点から前記裾部16a(最も前記凸部16の幅寸法が広がる位置での端部)までの高さ寸法で規定される。
また図2に示す形態では、前記微細凸部18のピッチ間隔T3は、図1と同様に、250nm以下で形成され、好ましくは50nm以上で250nm以下で形成される。
図2に示す形態では、前記レンズ15の裏面15bであって前記凸部16と膜厚方向で対向する位置にも反射防止構造19が形成されている。
図2に示す形態においても、曲面状に突出する凸部16の表面に適切に反射防止構造17を形成でき、反射防止効果を適切に向上させることが可能である。
図1の回折格子1を構成する第1の成形体2の製造方法について説明する。図3ないし図5は、第1の成形体2の製造途中の形態を図1と同様に膜厚方向から切断して示した断面図である。
図3に示す符号20は例えばSiで形成された基板である。図3に示すように前記基板20の表面20aの全面にスピンコートで第1のレジスト層21を塗布する。そして、前記第1のレジスト層21を露光現像して前記第1のレジスト層21を回折パターン形状に残す。
前記第1のレジスト層21の両側側面21aは、垂直面である。続いて前記第1のレジスト層21に覆われていない基板20の部分を例えばリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)によって削る。図3に示す点線部分に沿って基板20が削られる。
これによって前記基板20の表面20aには、凸部22と凹部23とが交互に繰り返して成る回折パターンが形成される。
図3に示す工程では、前記凸部22と前記凹部23間の段差H3が1.5μm以上となるように基板20をエッチングする。
このとき、前記凸部22の上面と凹部23の底面間に位置する側面には、前記凹部23の底面に近い部分に、前記凸部22の幅寸法が前記凹部23の底面方向に向けて徐々に広がる傾斜面24が形成される。また、前記凸部22の上面から前記傾斜面23の上端部までの前記側面は垂直面26で形成される。
例えば、RIEで前記凸部22と前記凹部23間の段差を1μm以上形成した後、60℃の20%KOH水溶液に一分間浸漬させると、約0.5μm程度、エッチングが進行し、このとき、前記凹部23底面に近いSi基板の[111]面が出ている箇所に傾斜面24を形成できる。また、前記前記凸部22と前記凹部23間の段差H3は1.5μm以上と深溝であるため、例えばドライエッチングでは、前記前記凸部22の上面と凹部23の底面間に位置する側面が影になり(シャドー効果)、前記凹部23の底面に近い部分は削られにくく前記凹部23の底面に近い部分が傾斜面24となって形成される。
前記傾斜面24は、基板20の膜厚方向(基板20の表面20aに対する垂直方向)に対し、1〜45°の広い範囲で設定できる。この角度は、傾斜面24が始まる側面上の点が高く(凹部としては浅く)なるほど小さくなり、側面全体を傾斜面とする場合は、1〜10°の傾き角度θ1で形成されることが好適である。
続いて前記第1のレジスト層21を除去した後、図4に示す工程では、前記凸部22の上面22a、凹部23の底面23a、垂直面26及び傾斜面24の表面に、ポリスチレン、α−メチルスチレン、カリックスアーレン、ステロール類等の芳香族系の低分子量高分子材料を蒸着して第2のレジスト層25を形成する。この実施形態では、前記第2のレジスト層25は例えばネガ型である。
このように前記第2のレジスト層25を蒸着にて形成することで、凸部22と凹部23間の段差H3が1.5μm以上の深溝構造であっても、凸部22の上面22a、垂直面26の表面、傾斜面24の表面、及び、凹部23の底面23a全体を前記第2のレジスト層25にて適切に覆うことが可能である。前記第2のレジスト層25の平均膜厚は0.05〜0.2μm程度である。なお前記垂直面26の表面に形成される前記第2のレジスト層25の膜厚は他の部位よりも薄くなる。また第2のレジスト層25は、前記垂直面26の表面に形成されなくてもよい。
次に電子ビーム露光装置を用いて、前記第2のレジスト層25に、微細な凹凸形状から成る反射防止構造のパターンを形成する。
図5に示すように、前記電子ビーム露光装置の電子銃30を基板20の表面の上方で駆動させて前記第2のレジスト層25を露光する際、前記電子銃30の高さをZ軸ステージにて調整し、前記電子銃30が、凸部22の上面22aから凹部23の底面23aの段差形状に合わせて駆動するように、前記電子銃30を、図5の(1)〜(9)の各空間領域での軌跡Aに沿って駆動させる。なお(1)〜(9)の各空間領域での電子銃30の駆動の順番は、(1)〜(9)の順であってもよいし、違っていても良い。好ましい駆動の順番は後述する。
図5に示す(1)、(5)、(9)の各領域では、いずれも電子銃30が凹部23の底面23aの上方に位置し、(2)、(4)、(6)、(8)の各領域では、いずれも電子銃30が傾斜面24の上方に位置し、(3)、(7)の各領域では、いずれも電子銃30が凸部22の上面22aの上方に位置し、各領域において、電子銃30と基板20の表面間の距離はほぼ一定に保たれている。
本実施形態では、前記凹部23の底面23aの段差近傍から、傾斜面24、及び凸部22の上面22aの段差近傍に形成された第2のレジスト層25に対する露光幅を、前記凹部23の底面23aの中央部や前記凸部22の上面22aの中央部に形成された第2のレジスト層25に対する露光幅に比べて細く設定する。
図6には、図5に示す基板20の表面に形成された第2のレジスト層25の各領域を電子ビーム露光装置によって露光する際に、段差等を加味して計算により求めた露光幅(計算値)が示されている。ここで前記露光幅(計算値)は、凹部23、傾斜面24及び凸部22の各面上の第2のレジスト層25に対して実際に露光した際の幅を示しているわけではないので注意されたい。前記露光幅(計算値)は、電子ビーム露光装置に設定され、この露光幅(計算値)により電子銃30にて第2のレジスト層25に対して露光を行うが、後述するように段差近傍では過露光状態となるため、実際には段差近傍での露光幅は計算値よりも広がる。以下の露光領域31,32の幅寸法T6,T7は、いずれも上記した計算値である。
図6に示すように前記凹部23の底面23aの段差近傍に位置する側部上の第2のレジスト層25に対する露光領域31の幅寸法T6は、前記凹部23の底面23aの中央部上の第2のレジスト層25に対する露光領域32の幅寸法T7に比べて細く設定される。
同様に、前記凸部22の上面22aの段差近傍に位置する側部上の第2のレジスト層25に対する露光領域31の幅寸法T6は、前記凸部22の上面22aの中央部上の第2のレジスト層25に対する露光領域32の幅寸法T7に比べて細く設定される。
前記傾斜面24上のレジスト層25に対する露光領域31は、前記凸部22及び凹部23の側部上での露光領域31と同様に細く設定されている。
露光領域31,32の幅寸法T6,T7は、露光領域31,32内での電子銃30による露光走査回数にて自由に設定できる。前記電子銃30のビーム径は、露光領域31の幅寸法T6以下であり、露光領域32の幅寸法T7よりも小さい。電子銃30を図示Y方向に駆動させて前記ビーム径にて露光した後、電子銃30を図示X方向に微小送りして再び図示Y方向に駆動させて前記ビーム径にて露光する。これを繰り返すことで、幅方向に露光領域が広がっていく。例えば、太い幅寸法T7の露光領域32を形成する際の電子銃30の露光走査回数を3回とした場合、細い幅寸法T6の露光領域31を形成するには、電子銃30の露光走査回数を2回とする。
例えば、細い露光領域31の幅寸法T6は、太い露光領域32の幅寸法T7を1としたとき、0.5〜0.7の比率で設定される。
段差近傍は、電荷チャージによる過露光状態となり、よって第2のレジスト層25に対する実際の露光領域31の幅寸法はT6よりも広がる。しかしながら本実施形態では、電子銃30による露光領域31の幅寸法T6を予め細く設定しているので、幅寸法T6が広がって第2のレジスト層25を露光しても、凹部23の底面23aの側部、傾斜面24の表面及び凸部22の上面22aの側部での過露光状態を補正でき、凹部23の底面23aの側部、傾斜面24の表面及び凹部22の上面22aの側部に適切に反射防止構造のパターンを形成することが可能である。
またドーズ量で調整する露光方法ではプログラムが非常に複雑化し、第2のレジスト層25に対する露光時間が非常に長くなってしまうのに対して本実施形態では、例えば上記したように露光領域31,32に対する電子銃30の露光走査回数を変えるだけで簡単に露光幅を所定幅に調整でき、露光時間を短く出来る。
また蒸着レジストによって形成された第2のレジスト層25の露光感度は低いため、予め、第2のレジスト層25の全面に弱く電子線照射を行って前記第2のレジスト層25の電子線架橋をある程度進めてから、図6に示す本格的な露光領域31,32の形成を行ってもよい。これにより図6に示す露光の際の電子銃30による照射量を下げることができ、露光時間を短縮することが出来る。
また、例えば、図5の(3)、(7)の領域に電子銃30を移動させて、凸部22の上面22aに形成された第2のレジスト層25を露光し、続いて、図5の(1)(5)(9)の領域に電子銃30を移動させて、凹部23の底面23aに形成された第2のレジスト層25を露光し、続いて、図5の(2)(6)の領域に電子銃30を移動させて、傾きが同じ方向である傾斜面24に形成された第2のレジスト層25を露光し、最後に、図5の(4)(8)の領域に電子銃30を移動させて、傾きが同じ方向である傾斜面24に形成された第2のレジスト層25を露光する。
このように同じ高さの面、あるいは同じ傾斜方向の面上に形成された第2のレジスト層25毎に露光を行うことで電子銃30のZ軸方向の駆動を少なくでき、効率良く露光でき露光時間の短縮に繋がるとともに、高精度に露光することが可能になる。
あるいは図6のように露光幅(計算値)が異なるように設定されている場合、同じ露光幅で設定されている領域毎に露光を行ってもよい。
第2のレジスト層25に対する露光後、現像することにより図5の点線部分の第2のレジスト層25が除去されて、前記第2のレジスト層25が反射防止構造のパターン形状に残される。なお本実施形態では、反射防止構造の微細凸部間のピッチ間隔が250nm以下となるように反射防止構造のパターン間の間隔が調整されている。
なお上記したようにこの実施形態では第2のレジスト層25はネガ型であるため、露光現像により、露光された箇所がパターンとして残り、露光されていない箇所が除去される。
続いて、例えば、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)によって、前記第2のレジスト層25に覆われていない基板20表面を削る。これにより、前記凸部22の上面22a、凹部23の底面23a、及び傾斜面24の表面に、図1と同様の微細な凹凸形状の反射防止構造8を形成できる。またこのとき、前記反射防止構造8の微細凸部間のピッチ間隔T3を250nm以下に出来る。そして前記第2のレジスト層25を除去する。なお前記垂直面26の表面が前記第2のレジスト層25で覆われていないと、前記垂直面26も前記リアクティブ・イオン・エッチングの影響を受ける可能性があるが、そもそも反射防止構造を形成するためのリアクティブ・イオン・エッチングはわずかに行われるだけであり、また異方性エッチングのため、他の部位に比べてエッチングの影響は非常に小さく、前記垂直面26に対する削除量はわずかである。
以上により本実施形態では、図4に示す蒸着レジストによって、1.5μm以上の深溝構造の凸部22の上面22aから凹部23の底面23a、及び傾斜面24上を、適切に第2のレジスト層25にて覆うことができ、さらに図5の工程での露光を、電子ビーム露光の際の電子銃30を段差形状に沿って駆動させて行うことで、深溝構造の凸部22の上面22a、傾斜面24の表面、及び凹部23の底面23aに適切且つ容易に反射防止構造を形成することが出来る。
特に、本実施形態では、図6で説明したように、段差近傍に対する露光領域31を予め細く設定することで、段差近傍で生じる電荷チャージによる過露光状態を適切に補正でき、これにより、段差近傍においても適切に反射防止構造を形成できる。
また図6のように露光幅(計算値)を調整する際には、例えば凸部22側から凹部23側に向けて露光幅(計算値)が徐々に細くなるように設定してもよい。また前記反射防止構造8の微細凸部9をドット状とする場合には、段差近傍での露光径(=露光幅)を、前記段差近傍から離れた領域での露光径に比べて小さく設定すればよい。
図3ないし図6に示す工程を経て形成された基板20を、そのまま図1に示す第1の成形体2としてもよいし、あるいは、前記基板20を母型として、図7に示すように、例えばNi電鋳やSiCにて表面に回折パターン及び反射防止構造が形成された型40を形成する。前記基板20を型40から除去した後、図8に示すように、型40を、軟化状態にあるガラスや熱可塑性樹脂等の光学素子材50の表面にプレスして回折パターン及び反射防止構造を転写する。そして温度を降下させていき、前記光学素子材50を固体化した後、前記光学素子材50を前記型40から取り外す。これにより図1に示す第1の成形体2を形成できる。
前記光学素子材50の表面に回折パターン及び反射防止構造を転写してなる第1の成形体2を型40から抜くとき、図1に示す形態と同様に回折パターン5の凸部6の上面6aと凹部7の底面7a間の側面のうち前記底面7aに近い部分が傾斜面10で形成されるため、離型しやすい。
前記傾斜面10の傾き角度θ1を緩やかにすれば離型性は向上するが、従来では、回折パターンの段差が1.5μm以上の深溝構造において、前記底面7aに近い部分に形成された傾斜面10に反射防止構造を形成できた例はなく、このため、前記傾斜面10の傾き角度θ1を緩やかにすると、前記傾斜面10に反射防止構造が形成されないことによる反射防止効果の悪化が問題となった。よって従来では、前記傾斜面10の傾き角度θ1を緩やかにできず、そうすると離型性が悪くなるから、回折パターンの段差を1.5μm以上の深溝構造で形成できなくなり、したがって、従来では、回折パターンの段差が1.5μm以上の深溝構造において、凸部22の上面22a、凹部23の底面23a、及び傾斜面24の表面に反射防止構造を形成した光学素子は存在しなかった。
これに対して、本実施形態では、回折パターンが1.5μm以上の深溝構造において、前記底面7aに近い部分に形成された傾斜面10上にも反射防止構造8を形成できるから、前記傾斜面10の傾き角度θ1を1〜45°の範囲で緩やかにすることが可能になり、これにより離型性を向上させるとともに反射防止効果に優れた回折格子を製造できる。
なお図3ないし図6の工程により形成された基板20を型にして、図8に示す工程と同様に光学素子材50の表面に回折パターン及び反射防止構造をプレス加工にて転写して回折格子を製造してもよい。
なお図3ないし図6に示す回折格子の製造方法では、図1に示す凸部6の上面6aと凹部7の底面7a間に位置する側面全体を垂直面で形成することも可能である。またその一方、前記側面全体を傾斜面で形成することも可能であるが、高性能な回折格子1を得るには、前記傾斜面の凸部6の上面6aに近い側を垂直面で、前記凹部23の底面23aに近い側を傾斜面で形成することがより好ましい。
図2に示すレンズ15は、図3ないし図6に示す回折格子の製造方法に準じて製造される。図9ないし図11は、製造工程中のレンズの形態を図2と同様に膜厚方向から切断して示した断面図である。
まず図9に示す形状のレンズ15を用意する。前記レンズ15は例えばSi(シリコン)で形成されている。
図9に示すように前記レンズ15の表面15aには、曲面状に突出する凸部16が形成されている。前記凸部16の裾部16aから前記凸部16の頂点16bまでの高さ寸法H2は50μm以上で形成される。また前記凸部16の曲率半径は10mm未満である。
続いて、図10に示す工程では、図4工程と同様に、前記レンズ15の表面15aに、レジスト層51を蒸着にて形成する。これにより前記凸部16の表面からその両側に広がる平面全体にわたって適切にレジスト層51を付着することが出来る。
続いて、図11に示す工程では、図5工程と同様に、前記レジスト層51に反射防止構造のパターンを電子ビーム露光装置を用いて描画する。
このとき前記電子ビーム露光装置の電子銃をレンズ表面15aの上方で駆動させて前記レジスト層51を露光する際、前記電子銃の高さをZ軸ステージにて調整しながら、前記電子銃を、凸部16の曲面形状に沿って駆動させる。
また、電子ビーム露光の際、前記凸部16表面の頂点16b近傍に形成されたレジスト層51に対する露光幅に比べて、前記裾部16a近傍に形成されたレジスト層51に対する露光幅を小さく設定することが、前記裾部16a近傍での電荷チャージによる過露光状態を補正でき、前記凸部16の頂点16bから裾部16aにわたって適切に反射防止構造を形成できる。
電子ビーム露光後、現像工程により、残されたレジスト層51にて、図11に示すように凸部16の表面に反射防止構造のパターンを形成し、前記レジスト層51に覆われていない前記凸部16の表面を、例えばリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)にて削ることで、図2に示すように、前記凸部16の表面に、微細な凹凸形状から成り、微細凸部18のピッチ間隔T3が250nm以下の反射防止構造17を形成できる。
そして前記レジスト層51を除去すると図2に示す凸部16表面に反射防止構造17が形成されたレンズ15が完成する。
上記のように、図9から図11に示す工程に基づき、最終生成品であるレンズ15を形成してもよいし、あるいは図9ないし図11に示す工程により、まず図2と同じ形状の母型を形成し、図7で説明したのと同様に、前記母型から型を形成して、図8で説明したのと同様に、前記型を、軟化状態にあるガラスや熱可塑性樹脂等の光学素子材50の表面にプレスして回折パターン及び反射防止構造を転写して、前記レンズ15を形成してもよい。
また図9ないし図11に基づき、まず母型を形成するには、例えばCuによる基板を機械加工等によって図9の形態に形成し、続いて、前記基板の表面に例えばSi膜を形成し、前記Si膜に対して、図10〜図11工程により反射防止構造を形成してもよい。
図12は、回折パターンの段差が1.5μmで形成されたSi基板の凸部上面及び凹部底面に反射防止構造を、蒸着レジストに対する露光幅(計算値)を段差近傍で細く設定した場合のFIB(集束イオンビーム)に基づく断面画像である。中央部の露光幅(計算値)を1としたとき、段差近傍の露光幅(計算値)を、0.5の比率で形成した。
図12に示すように凸部の上面、及び凹部の底面の段差近傍にも適切に微細凹凸形状の反射防止構造が形成されていることがわかった。
[比較例]
図13は、回折パターンの段差が1.5μmで形成されたSi基板の凸部上面及び凹部底面に反射防止構造を、蒸着レジストに対する露光幅(計算値)を段差近傍にかかわらず一定に設定した場合のFIB(集束イオンビーム)に基づく断面画像である。
図13の丸で囲った部分に示すように凹部底面の段差近傍には反射防止構造が形成されないことがわかった。
本実施形態の光学素子(回折格子)を膜厚方向から切断した部分断面図、 参考例の光学素子(レンズ)を膜厚方向から切断した部分断面図、 図1に示す回折格子を構成する第1の成形体の製造方法を示す一工程図(部分断面図)、 図3の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図4の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図5に示す基板の表面に形成された第2のレジスト層の各領域に反射防止構造のパターンを形成する際に、段差等を加味して計算により求めた露光幅(計算値)を示す模式図、 図3ないし図5の工程を経て形成された基板を母型として、前記基板から型を形成する工程を示す断面図、 図7により形成された型を用いて光学素子材の表面に回折パターン及び反射防止構造をプレス加工する際の工程を示す断面図、 図2に示すレンズの製造方法を示す一工程図(部分断面図)、 図9の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 図10の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、 段差近傍にも適切に反射防止構造が形成されたことを示すFIB(集束イオンビーム)に基づく断面画像(実施例)、 段差近傍に反射防止構造が形成されなかったことを示すFIB(集束イオンビーム)に基づく断面画像(比較例)、
符号の説明
1 回折格子
2 第1の成形体
5 回折パターン
6、16、22 凸部
6a (凸部の)上面
7、23 凹部
7a (凹部の)底面
8、17 反射防止構造
9、18 微細凸部
10、24 傾斜面
12、26 垂直面
15 レンズ
16a 裾部
16b 頂点
20 基板
21 第1のレジスト層
25 第2のレジスト層
30 電子銃
31、32 露光領域
40 型
50 光学素子材
51 レジスト層
H1、H3 段差

Claims (9)

  1. 表面に凹凸形状から成る回折パターンが形成され、前記回折パターンの凸部と凹部間の段差は1.5μm以上であり、
    前記凸部の上面と、前記凹部の底面間に位置する側面は、少なくとも前記底面に近い部分に前記凸部の幅寸法が前記凹部の底面方向に向けて徐々に広がる傾斜面を有し、
    前記凸部の上面、前記凹部の底面、及び、前記傾斜面の表面に、微細な凹凸形状から成る反射防止構造が形成されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記微細な凹凸形状中の微細凸部のピッチ間隔は250nm以下である請求項1記載の光学素子。
  3. (a) 基板表面に凹凸形状の回折パターンを形成し、このとき、前記回折パターンの凸部と凹部間の段差を1.5μm以上で形成する工程、
    (b) 前記凸部の上面から前記凹部の底面にかけてレジストを蒸着する工程、
    (c) 電子ビーム露光の際の電子銃を、前記凸部の上面から前記凹部の底面への段差形状に沿って駆動させて露光し、前記レジストに、微細な凹凸形状から成る反射防止構造のパターンを形成する工程、
    (d) 前記レジストに覆われていない前記基板表面をエッチングして、前記凸部の上面、及び、前記凹部の底面に前記反射防止構造を形成する工程、
    (e) 前記レジストを除去する工程、
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  4. 前記(c)工程時、前記凸部と前記凹部との段差近傍に形成された前記レジスト層に対する露光幅を、前記段差近傍から離れた位置での前記レジスト層に対する露光幅に比べて細く設定する請求項記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記(c)工程では、凸部上面、あるいは凹部底面のどちらか一方の領域に形成されたレジストを先に電子ビーム露光し、次に、他方の領域に形成されたレジストを電子ビーム露光する請求項に記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記(a)工程時に、前記回折パターンの凸部上面と凹部底面間に位置する側面を、少なくとも前記底面に近い部分が、前記凸部の幅寸法が前記凹部底面方向に向けて徐々に広がる傾斜面となるように形成し、
    前記(b)工程では、前記凸部の上面から、前記傾斜面の表面、及び前記凹部の底面にかけてレジストを蒸着し、
    前記(d)工程では、前記凸部の上面、前記凹部の底面、及び、前記傾斜面の表面に、前記反射防止構造を形成する請求項に記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記(a)工程から前記(e)工程を経て形成された基板を母型として、前記基板から型を形成し、前記型から光学素子材料の表面に、前記回折パターン及び前記反射防止構造を転写する請求項記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記(a)工程から前記(e)工程を経て形成された基板を型として、前記型から光学素子材料の表面に、前記回折パターン及び前記反射防止構造を転写する請求項記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記反射防止構造の微細凸部のピッチ間隔を250nm以下で形成する請求項に記載の光学素子の製造方法。
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