JP5162543B2 - トナーセット、現像剤セット及び画像形成装置 - Google Patents

トナーセット、現像剤セット及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナーセット、現像剤セット及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等の電子写真方式を利用した画像形成装置は、像担持体、像担持体の表面を均一に帯電するための帯電装置、像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置、像担持体上の静電潜像をトナー像に現像するための現像装置、及び像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写するための転写装置等を備える。前記画像形成装置は、上記各装置によって、上述のようにトナー像を記録媒体上に転写することによって、画像を記録媒体上に形成する。
このような画像形成装置としては、モノクロ印刷だけではなく、カラー画像を形成するカラー印刷機能を備えたものが利用されてきている。具体的には、例えば、1つの感光体ドラムからなる1ドラム方式のカラー複写機や複合機(MFP)等の画像形成装置が用いられている。しかしながら、このような1ドラム方式の画像形成装置は、1枚の用紙にカラー印刷する際、ブラック、イエロー、シアン、及びマゼンタ等の各色の、用紙に対する現像毎に、像担持体である感光体ドラムに画像形成する必要がある。よって、カラー印刷を行う際の印刷速度は、モノクロ印刷を行う際の印刷速度に比べ、約1/4に低下するという問題があった。すなわち、カラー印刷は、モノクロ印刷に比べ、約4倍の時間を要するという問題があった。そこで、カラー印刷機能を備えた画像形成装置は、印刷時間の短時間化、すなわち、印刷の高速化が求められていた。このような要求を満たすものとして、タンデム方式のカラー画像形成装置等が挙げられる。
タンデム方式のカラー画像形成装置とは、具体的には、例えば、電子写真方式で像担持体上に形成されたトナー像を1次転写した後、用紙等の被転写材に2次転写するための中間転写ベルトを備え、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)等の複数色のトナー像を中間転写ベルト上で重ね合わせることでカラー画像を形成する画像形成装置である。このようなカラー画像形成装置は、複数色のトナー像を重ね合わせるために、中間転写ベルトに沿って各色に対応する現像装置が並設されている。そして、中間転写ベルト上には、前記現像装置の各感光体ドラムによるYMCK4色のトナー像が互いに重ね合わされるように順次転写(1次転写)されてカラー画像が形成される。そして、この中間転写ベルト上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルトに対向して設置された2次転写ローラによって用紙等の被転写材上に転写(2次転写)される。このように、各色に対応するトナー像を、それぞれの像担持体上に形成し、さらに、それらのトナー像を重ね合わせることによって、カラー画像を形成することによって、タンデム方式のカラー画像形成装置は、高速印刷を実現している。
一方、電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられるトナーとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のトナー等が挙げられる。
特許文献1には、ポリエステル樹脂からなるバインダ樹脂(結着樹脂)中に、ポリオレフィンワックスと、2,9−ジメチルキナクリドンからなるマゼンタ顔料及びスチレン系樹脂又はスチレン−アクリル系共重合体樹脂を混練して得られる加工顔料とが分散含有されてなるカラートナーが記載されている。
また、特許文献2には、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有してなるレッドトナーであって、前記結着樹脂の主成分としてポリエステル樹脂を含有してなり、前記着色剤としてナフトールAS系顔料を含有してなり、前記離型剤としてカルナバワックス等のエステルワックスを含有してなるレッドトナーが記載されている。
特開平3−107869号公報 特開2004−70005号公報
画像形成装置に用いられるトナーは、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性等が良好であることが求められる。なお、トナー保存性が良好であるとは、トナーを保存、例えば、比較的高温の状態で保存したときであっても、内添したワックスのブリードが少ない等のトナー変質が少ないことをいう。定着性が良好であるとは、記録媒体上に形成されたトナー像を定着ローラで定着させる際、定着ローラにトナー像のトナーが付着しにくく、トナー像が記録媒体に好適に定着することをいう。分離性が良好であるとは、定着後の記録媒体が、定着ローラへ付着しにくく、前記記録媒体と前記定着ローラとが好適に分離すること、すなわち、定着ローラへの巻き付きによるジャムの発生が少ないことをいう。また、耐付着性が良好であるとは、画像形成後の感光体上に残存しているトナーが少なく、いわゆるフィルミングの発生が少ないことをいう。
特許文献1によれば、色相に優れるマゼンタ顔料として知られているキナクリドン系顔料を用いたトナーであり、優れた耐オフセット性(定着性)及び耐巻付き性(分離性)が発揮されることが開示されている。
しかしながら、高速印刷や低温定着等を行うと、定着性及び分離性が不充分になるという問題があった。
また、特許文献2によれば、トナー保存性(耐ブリード性)、定着性、耐付着性に優れるワックスとして知られるカルナバワックスを内添したトナーであって、色彩に優れ、さらに、安定した画質を維持することができることが開示されている。
しかしながら、トナーに内添するワックスとして、カルナバワックスのみを用いると、結着樹脂として用いられる、例えば、ポリエステル樹脂等との相溶性が高く、結着樹脂への分散性が高くなりすぎ、ワックスの滲み出しが不充分となって、定着性及び分離性が低下する傾向がある。さらに、ナフトールAS系顔料の代わりに、マゼンタ顔料であるキナクリドン系顔料を用いてマゼンタトナーとした場合、高速印刷等を行うと、定着性及び分離性が低下するという問題があった。
そして、上記のような定着性や分離性等が低下する問題は、複数色のトナー像を重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法、例えば、タンデム方式のカラー画像形成装置等に用いた場合において、特に顕著に発生する傾向があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性に優れた、複数色のトナーからなるトナーセットを提供することを目的とする。また、前記トナーセットの各トナーとキャリアとを含む現像剤セット、及び前記現像剤セットの現像剤を用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、着色剤として、キナクリドン系顔料を用い、ワックスとして、カルナバワックスのみを用いた場合において、定着性が低下する原因としては、カルナバワックスがキナクリドン系顔料に取り込まれ、結着樹脂へのワックスの分散性がさらに高まる、すなわち、ワックスがより微分散されることによると推察した。
一方、本発明者は、ワックスとして、カルナバワックス以外のワックスのみを用いた場合、現像ローラや感光体への耐付着性が著しく低下するという問題があることを見出している。そして、このことは、結着樹脂とワックスとの相溶性が低下しすぎるため、トナー母粒子からワックスが滲み出し、分離したワックスによると推察した。
そこで、本発明者は、ワックスとして、カルナバワックスと、カルナバワックス以外の他のワックスとを併用することに着目した。そうすることによって、結着樹脂へのワックスの分散性を適度に低下させ、ワックスのドメイン径をある程度大きくし、その結果、良好な耐付着性を維持しつつ、定着性や分離性を高めることができると推察した。
さらに、本発明者は、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いた場合に、定着性等がより低下する原因として、例えば、単色のトナーで画像形成を行う場合、定着温度等の定着条件等を調整することによって、多少改善しうるが、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を定着させる際には、重ね合わせた全ての色のトナーに適切な定着条件等に設定することが困難であることによると推察した。すなわち、例えば、キナクリドン系顔料を含有したマゼンタトナーの定着性に定着条件等を合わせようとすると、他のトナーの定着性が悪化してしまい、また、他のトナーの定着性に定着条件等を合わせようとすると、キナクリドン系顔料を含有したマゼンタトナーの定着性が悪化してしまうと推察した。このことから、定着性のバランスと取ることが困難であることによると考えられる。
そこで、本発明者は、各トナーの定着性等を優れたものとし、さらに、各トナー間の定着性のバランスをとることに着目し、ワックスとして、カルナバワックスと、カルナバワックス以外の他のワックスとを併用し、各トナーのワックス含有率を規定した、以下のような本発明に想到するに至った。
本発明の一態様にかかるトナーセットは、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いられる複数色のトナーからなるトナーセットであって、前記複数色のトナーが、第1トナーと、前記第1トナーとは異なる色の第2トナーとを備え、前記第1トナー及び前記第2トナーが、それぞれ結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナー母粒子を含有し、前記第1トナーの着色剤として、キナクリドン系顔料を含有し、前記ワックスが、カルナバワックスとカルナバワックス以外の他のワックスとを含有し、前記第1トナー中のカルナバワックス、前記第1トナー中の他のワックス、前記第2トナー中のカルナバワックス、及び前記第2トナー中の他のワックスの、前記各トナーのトナー母粒子における含有量を、それぞれWq1質量%、Wq2質量%、Wo1質量%、Wo2質量%としたときに、下記式(1)及び下記式(2)を満たすことを特徴とするものである。
q1/(Wq1+Wq2) < Wo1/(Wo1+Wo2) (1)
3 ≦ Wo1+Wo2 < Wq1+Wq2 ≦ 10 (2)
上記のような構成によれば、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いたとしても、各トナーが、優れた、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性を発揮することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、ワックスとして、カルナバワックスと他のワックスとを併用することによって、上述したように、結着樹脂へのワックスの分散性を好適にし、良好な耐付着性を維持しつつ、定着性及び分離性を高めることができると考えられる。
そして、上記のように、キナクリドン系顔料を含有した第1トナー中のカルナバワックスの割合を、第2トナーと比較して少なくし、かつ、第1トナーのワックス総量を、第2トナーと比較して多くすることによって、定着性のバランスをとることができると考えられる。
さらに、第1トナー及び第2トナーの、ワックス総量が、上記範囲内であることによって、定着性、分離性、及び耐付着性を良好にしつつ、良好なトナー保存性を確保することができると考えられる。トナー保存性が悪いと、例えば、長時間連続して印刷する耐久印刷等を行った際に、トナーのワックスがキャリアに移行して、帯電不良による現像性の低下等が発生するおそれがある。
また、前記第2トナーが、前記第1トナーの前又は後に重ね合わせするトナーであることが好ましい。このような構成によれば、第1トナーと第2トナーとの定着性のバランスがより取れ、各トナーが、より良好な定着性を発揮できる。
また、前記他のワックスが、合成エステルワックスであることが好ましい。このような構成によれば、各トナーが、より優れた、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性を発揮することができる。
また、本発明の他の一態様にかかる現像剤セットは、複数色の現像剤からなり、前記複数色の現像剤が、前記トナーセットの第1トナー及びキャリアを含有する現像剤と、前記トナーセットの第2トナー及びキャリアを含有する現像剤とを備えることを特徴とするものである。
上記のような構成によれば、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いたとしても、各トナーが、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性の優れたトナーである現像剤セットを提供することができる。
また、本発明の他の一態様にかかる画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、現像剤に含まれるトナーを、前記各像担持体の表面にそれぞれ供給する、複数の現像装置とを備え、前記複数の現像装置に用いる各現像剤として、前記現像剤セットの現像剤をそれぞれ用いることを特徴とするものである。
上記のような構成によれば、長時間連続して印刷する耐久印刷を行ったとしても、定着ローラ等に巻き付くことによって発生する、ジャムの発生等を抑制しつつ、良好な画質で印刷することができる。
本発明によれば、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性に優れた、複数色のトナーからなるトナーセットを提供することができる。また、前記トナーセットの各トナーとキャリアとを含む現像剤セット、及び前記現像剤セットの現像剤を用いる画像形成装置が提供される。
画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[トナーセット]
本発明の一態様にかかるトナーセットは、複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いられる複数色のトナーからなるトナーセットである。
そして、そのトナーセットとしては、第1トナーと、前記第1トナーとは異なる色の第2トナーとを少なくとも備える。前記第1トナー及び前記第2トナーが、それぞれ結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナー母粒子を含有する。そして、前記第1トナーの着色剤としては、キナクリドン系顔料を含有する。すなわち、前記第1トナーは、マゼンタトナーである。
前記ワックスが、カルナバワックスとカルナバワックス以外の他のワックスとを含有し、前記第1トナー中のカルナバワックス、前記第1トナー中の他のワックス、前記第2トナー中のカルナバワックス、及び前記第2トナー中の他のワックスの、前記各トナーのトナー母粒子における含有量を、それぞれWq1質量%、Wq2質量%、Wo1質量%、Wo2質量%としたときに、下記式(1)及び下記式(2)を満たす。
q1/(Wq1+Wq2) < Wo1/(Wo1+Wo2) (1)
3 ≦ Wo1+Wo2 < Wq1+Wq2 ≦ 10 (2)
<第1トナー(マゼンタトナー)>
前記第1トナーは、前述したように、結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナー母粒子を含有するものである。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等が挙げられる。この中でも、ポリエステル系樹脂が、低温定着性に優れ、非オフセット温度範囲が広い点から好ましく用いられる。また、前記結着樹脂としては、上記各結着樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるもの等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
前記アルコール成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのアルコールとして使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記アルコール成分としては、分子内に水酸基が2個以上のアルコール(2価以上のアルコール)が含まれている必要がある。前記アルコール成分として用いられるもののうち、2価のアルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類等が挙げられる。また、前記アルコール成分として用いられるもののうち、3価以上のアルコールとしては、具体的には、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。また、前記アルコール成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記カルボン酸成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのカルボン酸として使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸だけではなく、カルボン酸の、酸無水物や低級アルキルエステル等も含まれる。そして、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸が分子内に水酸基が2個以上であるもの(2価以上のカルボン酸)が含まれている必要がある。前記カルボン酸として用いられるもののうち、2価のカルボン酸としては、具体的には、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルコハク酸、及びアルケニルコハク酸等が挙げられる。アルキルコハク酸としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等が挙げられ、アルケニルコハク酸としては、例えば、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等が挙げられる。また、前記カルボン酸として用いられるもののうち、3価以上のカルボン酸としては、具体的には、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等が挙げられる。また、前記カルボン酸成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着樹脂としては、定着性の観点から、上記のような熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂のみである必要はなく、架橋剤や熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に組み合わせて用いてもよい。このように結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性の低下を抑制しつつ、トナーの保存安定性、形態保持性及び耐久性等を向上させることができる。
(着色剤)
前記着色剤としては、上述したように、キナクリドン系顔料を含有すれば、特に限定されない。具体的には、キナクリドン系顔料以外の着色剤が含有されていてもよいが、前記マゼンタトナーに含有される着色剤としては、キナクリドン系顔料のみからなるものが好ましい。
前記キナクリドン系顔料は、色相に優れており、マゼンタトナーの着色剤として好適であることが知られているが、一般的に、着色剤として、キナクリドン系顔料のみを用いたマゼンタトナーを備えるトナーセットとした場合、高速印刷等を行うと、定着性及び分離性等が低下するという傾向があった。それにもかかわらず、本発明にかかる本実施形態では、キナクリドン系顔料のみを用いたマゼンタトナーを備えていても、定着性及び分離性等が優れたトナーセットが得られる。よって、キナクリドン系顔料のみを用いたマゼンタトナーを備えていても、定着性及び分離性等の低下が充分に抑制され、さらに、キナクリドン系顔料は、マゼンタトナーの着色剤として好適であるので、マゼンタトナーに含有される着色剤として、キナクリドン系顔料のみを用いることが好ましい。
また、前記キナクリドン系顔料とは、キナクリドン及びその誘導体であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、下記一般式(3)で表される化合物を含有するもの等が挙げられる。
Figure 0005162543

(一般式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子を示す。)
また、前記着色剤として、キナクリドン系顔料以外の着色剤を含有する場合であっても、前記キナクリドン系顔料が、全着色剤100質量部に対して、少なくとも10質量部以上であることが好ましい。なお、キナクリドン系顔料以外の着色剤を含有する場合、そのキナクリドン系顔料以外の着色剤としては、特に限定されず、公知の顔料や染料等が挙げられる。
また、前記着色剤の添加量としては、好適な画像濃度を達成するためにも、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが一般的であり、3〜8質量部であることが好ましい。
(ワックス)
前記ワックスとしては、カルナバワックスとカルナバワックス以外の他のワックスとを含有する。そうすることによって、結着樹脂へのワックスの分散性を好適にし、良好な耐付着性を維持しつつ、定着性及び分離性を高めることができると考えられる。
そして、前記第1トナー中のカルナバワックス、前記第1トナー中の他のワックス、前記第2トナー中のカルナバワックス、及び前記第2トナー中の他のワックスの、前記各トナーのトナー母粒子における含有量を、それぞれWq1質量%、Wq2質量%、Wo1質量%、Wo2質量%としたときに、下記式(1)及び下記式(2)を満たす。
q1/(Wq1+Wq2) < Wo1/(Wo1+Wo2) (1)
3 ≦ Wo1+Wo2 < Wq1+Wq2 ≦ 10 (2)
そうすることによって、定着性、分離性、及び耐付着性を良好にしつつ、良好なトナー保存性を確保することができると考えられる。
上記式(1)を満たさなければ、前記第1トナーと前記第2トナーとの定着性のバランスを取ることが困難になり、定着温度等の定着条件等を調整しても、前記第1トナー及び前記第2トナーの少なくともいずれかの定着性が低下する傾向がある。
また、前記第1トナー及び前記第2トナーの、カルナバワックスと他のワックスとの合計量(トータルワックス量)は、上記式(2)を満たすことが必要であり、さらに、下記式(4)を満たすことが好ましい。
4 ≦ Wo1+Wo2 < Wq1+Wq2 ≦ 8 (4)
また、前記トータルワックス量は、少なすぎると、ワックスの効果が充分に得られず、定着性が低下する傾向がある。また、多すぎると、耐ブロッキング性が低下し、トナーからのワックスの脱離が生じ、よって、トナー保存性が低下する傾向がある。トナー保存性が悪いと、例えば、長時間連続して印刷する耐久印刷等を行った際に、トナーのワックスがキャリアに移行して、帯電不良による現像性の低下等が発生するおそれがある。また、前記第1トナーのトータルワックス量が前記第2トナーのトータルワックス量より少ないと、良好な定着性が確保できない傾向がある。
また、前記他のワックスとしては、従来からトナー母粒子のワックスとして用いられているものであれば特に限定なく用いられる。具体例としては、例えば、多価アルコールとカルボン酸とからなる合成エステルワックス;フィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス;サトウキビワックス、木ワックス等の植物性ワックス;蜜ワックスや昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス等が挙げられる。この中でも、合成エステルワックスが、前記結着樹脂中での分散性に優れている点から好ましい。
また、前記合成エステルワックスとしては、多価アルコールとカルボン酸とからなる。前記多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ラウリルアルコール及びミリステルアルコール等が挙げられる。また、前記カルボン酸としては、例えば、ベヘン酸、カプロン酸、ラウリン酸及び酢酸等が挙げられる。この中でも、前記合成エステルワックスとしては、例えば、ペンタエリスリトールとベヘン酸とからなるペンタエリスリトールテトラべへネートが、トナー定着性に対する所望の熱特性適合性を有する点から特に好ましい。
(電荷制御剤)
前記トナー母粒子には、帯電性等を向上させるために、電荷制御剤を含有させることが一般的である。前記電荷制御剤としては、従来からトナー母粒子の電荷制御剤として用いられているものであれば、特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、ニグロシン化合物、4級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤、及び電荷制御樹脂等が挙げられる。また、前記電荷制御剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜20質量部添加することが好ましく、さらに1〜5質量部添加することがより好ましい。前記電荷制御剤の添加量が少なすぎる場合、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となり、かぶりが発生しやすくなる傾向がある。また、前記電荷制御剤の添加量が多すぎる場合、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
(製造方法)
また、前記トナー母粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上記の、結着樹脂及び着色剤等のトナー母粒子の各成分を混合機等で混合する。前記混合機としては、公知のものを使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル等のヘンシェルタイプの混合装置、オングミル、ハイブリダイゼーションシステム、コスモシステム等が挙げられる。
次に、得られた混合物を混練機等で溶融混練する。前記混練機としては、公知のものを使用でき、例えば、2軸押出機、三本ロールミル、ラボブラストミル等が挙げられ、2軸押出機が好適に用いられる。また、溶融混練時の温度としては、前記結着樹脂の軟化点以上であって、前記結着樹脂の熱分解温度未満の温度であることが好ましい。
次に、得られた溶融混練物を冷却して固形物とし、その固形物を粉砕機等で粉砕する。前記粉砕機としては、公知のものを使用でき、例えば、フェザーミル等が挙げられる。
最後に、得られた粉砕物を分級機等で分級する。分級することによって、過粉砕物や粗粉を除去することができ、所望のトナー母粒子を得ることができる。前記分級機としては、公知のものを使用でき、例えば、エルボージェット等が挙げられる。
<外添剤>
前記第1トナーは、ワックス含有量が上記式(1)及び上記式(2)を満たすトナー母粒子を含有していればよく、例えば、前記トナー母粒子のみからなるものであってもよいし、前記トナー母粒子に外添剤を外添して得られるものであってもよい。すなわち、前記トナー母粒子に外添剤を外添して得られたトナーの場合、前記トナー母粒子に外添工程を施す。
前記外添工程としては、従来公知の外添工程であれば、限定なく用いることができる。具体的には、例えば、前記トナー母粒子に外添剤を添加し、攪拌機等で攪拌させることによって、前記トナー母粒子の表面に外添剤を付着又は固着させる工程である。
前記外添剤としては、トナーの外添剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、具体的には、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機酸化物、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸等が挙げられる。この中でも、シリカ粒子及び酸化チタン粒子が、流動性、帯電性、及び研磨性に優れる点から好ましく、シリカ粒子と酸化チタン粒子との併用がより好ましい。また、前記無機微粒子としては、上記無機微粒子を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記外添剤の含有量は、前記トナー母粒子100質量部に対して、0.2〜3質量部であることが好ましい。
前記攪拌機としては、従来公知の攪拌機を限定なく使用できる。具体的には、例えば、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ等の一般的な攪拌機等が挙げられる。
<第2トナー(マゼンタトナー以外の他のトナー)>
前記第2トナーは、前述したように、結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナー母粒子を含有するものである。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、前記第1トナーでの結着樹脂と同様のもの等が挙げられる。そして、その含有量も前記第1トナーと同様である。
(着色剤)
前記着色剤としては、トナーとして所望の色になるように、公知の顔料や染料を用いることができる。具体的には、例えば、色に応じて、以下のような着色剤が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15−3等が挙げられる。緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等が挙げられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
より具体的には、例えば、前記第2トナーがシアントナーである場合、C.I.ピグメントブルー15−3等のフタロシアニン系顔料等が挙げられる。そして、その含有量は、前記第1トナーと同様である。
(ワックス)
前記ワックスとしては、前記第1トナーでのワックスと同様、カルナバワックスとカルナバワックス以外の他のワックスとを含有する。そして、ワックス含有量は、上記式(1)及び上記式(2)を満たす。
(電荷制御剤)
前記電荷制御剤としては、従来からトナー母粒子の電荷制御剤として用いられているものであれば、特に限定なく用いられる。具体的には、例えば、前記第1トナーでの電荷制御剤と同様のもの等が挙げられる。そして、その含有量も前記第1トナーと同様である。
(製造方法)
また、前記トナー母粒子の製造方法としては、特に限定されない。具体的には、例えば、前記第1トナーのトナー母粒子と同様にして製造することができる。
<外添剤>
前記第2トナーは、ワックス含有量が上記式(1)及び上記式(2)を満たすトナー母粒子を含有していればよく、例えば、前記トナー母粒子のみからなるものであってもよいし、前記トナー母粒子に外添剤を外添して得られるものであってもよい。すなわち、前記トナー母粒子に外添剤を外添して得られたトナーの場合、前記トナー母粒子に外添工程を施す。
前記外添工程及び前記外添剤としては、従来公知の外添工程及び外添剤であれば、特に限定されない。具体的には、前記第1トナーの場合と同様のもの等が挙げられる。そして、その含有量も前記第1トナーと同様である。
そして、前記第2トナーは、前記第1トナーの色とは特には関係ないが、前記第2トナーが、前記第1トナーの前又は後に重ね合わせするトナーであることが好ましい。そうすることによって、前記第1トナーと前記第2トナーとの定着性のバランスがより取れ、各トナーが、より良好な定着性を発揮できる。
[現像剤セット]
前記トナーセットの各トナーを含む現像剤セットは、複数色の現像剤からなる。そして、前記複数色の現像剤としては、それぞれ前記トナーセットの各トナーを含み、キャリアを含まない1成分現像剤であってもよいし、前記各トナーとキャリアとを含む2成分現像剤であってもよいが、2成分現像剤が好適に用いられる。2成分現像剤の場合、現像剤セットとしては、例えば、前記第1トナー及びキャリアを含有する現像剤と、前記第2トナー及びキャリアを含有する現像剤とを少なくとも備える。ここでは、複数色の2成分現像剤からなる現像剤セットについて説明する。なお、本発明の他の実施形態に係る現像剤セットは、複数色の現像剤からなり、前記複数色の現像剤が、それぞれ前記トナーセットの各トナーとキャリアとを含有することを特徴とする。
(キャリア)
前記キャリアとしては、現像剤のキャリアとして用いられるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、フェライトキャリアや、キャリアコア材である磁性体粒子の表面を樹脂で被覆したもの等が挙げられる。キャリアコア材として、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属、これらの合金、希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物、これらの混合物等の磁性体材料を、焼結及びアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子が挙げられる。
上述のようにして得られたキャリアコア材の表面を被覆する表面コート剤として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系結着樹脂が挙げられる。
キャリアの粒子径は、一般に電子顕微鏡法による粒径で表して20〜200μmの範囲内であることが好ましく、30〜150μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に3000〜8000kg/mの範囲内であることが好ましい。
前記トナーとキャリアとを含む2成分現像剤中のトナー濃度は、1〜20重量%である。好ましくは3〜15重量%である。トナー濃度が1重量%未満の場合には、画像濃度が薄くなりすぎる。一方、トナー濃度が20重量%を超える場合には、現像装置内でトナー飛散が発生し、機内汚れや転写紙等の背景部分にトナーが付着する不具合が生じる虞がある。
本実施形態にかかる現像剤セットの現像剤は、前記トナーを前記キャリアと適切な割合で混合した2成分現像剤であり、例えば、後述の画像形成装置で使用することができる。
[画像形成装置]
前記トナーセットや前記現像剤セットを用いる画像形成装置としては、電子写真方式の画像形成装置であって、複数色のトナーや現像剤を前記画像形成動作で用いるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、後述するような、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が挙げられる。ここでは、タンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。なお、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、現像剤に含まれるトナーを、前記各像担持体の表面にそれぞれ供給する、複数の現像装置とを備え、前記複数の現像装置に用いる各現像剤として、請求項4に記載の現像剤セットの現像剤をそれぞれ用いることを特徴とする。
図1は、画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図である。ここでは、画像形成装置1としては、カラープリンタ1を例に挙げて説明する。
前記カラープリンタ1は、図1に示すように、箱型の機器本体1aを有している。この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙Pに転写された画像に対して定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、前記機器本体1aの上面には、前記定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
前記給紙部2は、給紙カセット21、ピックアップローラ22、給紙ローラ23,24,25、及びレジストローラ対26を備えている。前記給紙カセット21は、前記機器本体1aから挿脱可能に設けられ、各サイズの用紙Pを貯留する。前記ピックアップローラ22は、前記給紙カセット21の図1に示す右上方位置に設けられ、前記給紙カセット21に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。前記給紙ローラ23,24,25は、前記ピックアップローラ22によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。前記レジストローラ対26は、前記給紙ローラ23,24,25によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで前記画像形成部3に供給する。
また、前記給紙部2は、前記機器本体1aの図1に示す右側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラ27とをさらに備えている。このピックアップローラ27は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。前記ピックアップローラ27によって取り出された用紙Pは、前記給紙ローラ23,25によって用紙搬送路に送り出され、前記レジストローラ対26によって、所定のタイミングで前記画像形成部3に供給される。
前記画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にトナー像が1次転写される中間転写ベルト11と、この中間転写ベルト11上のトナー像を前記給紙カセット21から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラ12とを備えている。
前記画像形成ユニット7は、上流側(図1では左側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット7Kと、イエロー用ユニット7Yと、シアン用ユニット7Cと、マゼンタ用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K,7Y,7C及び7Mは、それぞれの中央位置に像担持体としての感光体ドラム71が矢符(反時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各感光体ドラム71の周囲には、帯電器75、露光装置76、現像装置72、クリーニング装置73及び除電器74等が、回転方向上流側から順に各々配置されている。なお、感光体ドラム71としては、例えば、感光層がアモルファスシリコンを含有するアモルファスシリコン感光体等が挙げられる。
前記帯電器75は、矢符方向に回転されている感光体ドラム71の周面を均一に帯電させる。前記帯電器75としては、例えば、スコロトロン帯電器等が挙げられる。
前記露光装置76は、いわゆるレーザ走査ユニットであり、前記帯電器75によって均一に帯電された感光体ドラム71の周面に、画像読取装置等から入力された画像データに基づくレーザ光を照射し、前記感光体ドラム71上に画像データに基づく静電潜像を形成する。前記現像装置72は、現像剤を収容する現像剤収容部を備える。そして、前記現像装置72は、静電潜像が形成された感光体ドラム71の周面に、前記現像剤収容部に収容されている現像剤のトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。そして、このトナー像が中間転写ベルト11に1次転写される。なお、前記現像装置72の現像剤収容部には、画像形成ユニット7毎に、異なる色のトナーを備える現像剤を収容している。前記クリーニング装置73は、中間転写ベルト11へのトナー像の1次転写が終了した後、前記感光体ドラム71の周面に残留しているトナーを清掃する。前記除電器74は、1次転写が終了した後、前記感光体ドラム71の周面を除電する。前記クリーニング装置73及び前記除電器74によって清浄化処理された感光体ドラム71の周面は、新たな帯電処理のために帯電器75へ向かい、新たな画像形成に備える。
前記中間転写ベルト11は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各感光体ドラム71の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラ13、ベルト支持ローラ14、バックアップローラ15、及び1次転写ローラ16等の複数のローラに架け渡されている。また、前記中間転写ベルト11は、各感光体ドラム71と対向配置された1次転写ローラ16によって感光体ドラム71に押圧された状態で、前記複数のローラによって無端回転するように構成されている。
前記駆動ローラ13は、ステッピングモータ等の駆動源によって回転駆動し、前記中間転写ベルト11を無端回転させるための駆動力を与える。前記ベルト支持ローラ14、及び前記バックアップローラ15は、回転自在に設けられ、駆動ローラ13による前記中間転写ベルト11の無端回転に伴って回転する従動ローラである。これらの従動ローラ14,15は、前記駆動ローラ13の主動回転に応じて中間転写ベルト11を介して従動回転するとともに、前記中間転写ベルト11を支持する。
前記1次転写ローラ16は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を前記中間転写ベルト11に印加する。そうすることによって、各感光体ドラム71上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム71と前記1次転写ローラ16との間で、前記駆動ローラ13の駆動により矢符(時計回り)方向に周回する中間転写ベルト11に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。なお、前記1次転写ローラ16は、前記感光体ドラム71を回転させる駆動モータから駆動力を得て回転するものである。
前記2次転写ローラ12は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、前記中間転写ベルト11上に1次転写されたトナー像は、前記2次転写ローラ12と前記バックアップローラ15との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーの転写画像が形成される。
前記定着部4は、前記画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に対向配置され、周面が加熱ローラ41の周面に押圧当接される加圧ローラ42とを備えている。
そして、前記画像前記部3で前記2次転写ローラ12により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが前記加熱ローラ41と前記加圧ローラ42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、前記排紙部5へ排紙されるようになっている。また、前記カラープリンタ1では、前記定着部4と前記排紙部5との間に適所に搬送ローラ6が配設されている。
前記画像形成装置1は、以上のような画像形成動作によって、用紙P上に画像形成を行う。そして、上記のようなタンデム方式の画像形成装置において、前記マゼンタ用ユニット7Mの現像装置72には、前記現像剤セットのうち、前記第1トナー(マゼンタトナー)を含む現像剤が供給され、他のユニット7の現像装置72には、前記第2トナーを含む現像剤が供給される。そうすることによって、前記第1トナーと前記第2トナーとの定着性のバランスを取ることができ、高画質な画像を形成することができる。また、前記第1トナー及び前記第2トナーは、それぞれトナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性に優れているので、例えば、定着ローラへの巻き付きによるジャムの発生を抑制しつつ、画像形成を行うことができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(マゼンタトナー:第1トナーの製造)
まず、結着樹脂として、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製のアルマテックスP645)100質量部、着色剤として、キナクリドン顔料(BASF社製のPaliogen Pink L 4790)5質量部、ワックスとして、カルナバワックス(東亜化学工業株式会社製)2質量部、合成エステルワックス(日油株式会社製のWEP−5、ペンタエリスリトールとベヘン酸とからなるペンタエリスリトールテトラべへネート)4質量部、電荷制御剤として、電荷制御樹脂(藤倉化成株式会社製のFCA−1001−NG)10重量部を、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)で混合した。その後、得られた混合物を2軸押出機(株式会社池貝製のPCM−30型)で溶融混練し、得られた混練物を、ドラムフレーカ(日本コークス工業株式会社製のベルトドラムフレーカ)を用いて、チップ状になるように冷却した。そして、チップ状に冷却された混練物を、フェザーミル(ホソカワミクロン株式会社製の350×600型)で粗粉砕し、さらに、気流式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製のジェットミルIDS−2型)で微粉砕し、エルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製のEJ−LABO)で分級処理した。そうすることによって、体積平均粒子径8μmのトナー母粒子が得られた。なお、トナー母粒子の体積平均粒子径は、粒度計(ベックマンコールター株式会社製のマルチサイザー3)によって、測定した。
次に、得られたトナー母粒子100質量部に対して、外添剤として、シリカ粒子(ワッカーケミー社製のHVK−2150)1質量部、酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製のSTT−65C)1質量部を添加し、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)で混合した。そうすることによって、マゼンタトナー(外添剤が外添されたトナー母粒子)が得られた。
なお、前記マゼンタトナー(第1トナー)中のカルナバワックスの、トナー母粒子における含有量Wq1は、約1.65質量%であり、前記マゼンタトナー(第1トナー)中の合成エステルワックス(他のワックス)の、トナー母粒子における含有量Wq2は、約3.31質量%であった。
(シアントナー:第2トナーの製造)
着色剤として、キナクリドン顔料の代わりに、フタロシアニン顔料(BASF社製のHeliogen Blue D 7079)を用い、ワックスとして、カルナバワックス2質量部、合成エステルワックス4質量部を含有させる代わりに、カルナバワックス2.5質量部、合成エステルワックス2.5質量部を含有させたこと以外、上記マゼンタトナーと同様にして、製造した。
そうすることによって、シアントナー(外添剤が外添されたトナー母粒子)が得られた。
なお、前記シアントナー(第2トナー)中のカルナバワックスの、トナー母粒子における含有量Wo1は、約2.08質量%であり、前記シアントナー(第2トナー)中の合成エステルワックス(他のワックス)の、トナー母粒子における含有量Wo2は、約2.08質量%であった。
(現像剤の製造)
上記のようにして得られた各トナーをそれぞれ、体積平均粒子径60μmのフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製のEF−60B)に、トナー濃度が8質量%となるように配合した。そして、ヤマト科学株式会社製のユニバーサルボールミルで均一になるまで攪拌した。そうすることによって、現像剤が得られた。
[実施例2〜6及び実施例1〜6]
実施例2〜6及び実施例1〜6の各マゼンタトナー(第1トナー)及び各シアントナー(第2トナー)は、カルナバワックス及び合成エステルワックスの各含有量を、表1に示す含有量に代えたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。なお、表1には、実施例1〜6及び実施例1〜6の各マゼンタトナー(第1トナー)及び各シアントナー(第2トナー)の、カルナバワックス及び合成エステルワックスの各含有量を示す。
Figure 0005162543

また、表1に示す、実施例1〜6及び実施例1〜6の各マゼンタトナー(第1トナー)及び各シアントナー(第2トナー)の、カルナバワックス及び合成エステルワックスの各含有量から、以下の数値を計算し、表2に示す。具体的には、まず、各マゼンタトナー(第1トナー)中のカルナバワックスの、トナー母粒子における含有量Wq1(質量%)、各マゼンタトナー(第1トナー)中の合成エステルワックス(他のワックス)の、トナー母粒子における含有量Wq2(質量%)、各シアントナー(第2トナー)中のカルナバワックスの、トナー母粒子における含有量Wo1(質量%)、各シアントナー(第2トナー)中の合成エステルワックス(他のワックス)の、トナー母粒子における含有量Wo2(質量%)を算出し、表2に示す。
そして、さらに、算出されたWq1、Wq2、Wo1、及びWo2を用いて、各マゼンタトナー(第1トナー)のトータルワックス量(Wq1+Wq2)、及び各シアントナー(第2トナー)のトータルワックス量(Wo1+Wo2)を算出し、表2に示す。
そして、さらに、算出されたWq1、Wq2、Wo1、Wo2、Wq1+Wq2、及びWo1+Wo2を用いて、各マゼンタトナー(第1トナー)のトータルワックス量に対するカルナバワックスの比率(Wq1/Wq1+Wq2)、及び各シアントナー(第2トナー)のトータルワックス量に対するカルナバワックスの比率(Wo1/Wo1+Wo2)を算出し、表2に示す。
Figure 0005162543

[評価]
得られたトナー及び現像剤については、以下のような方法で評価した。
(保存性)
まず、得られた各トナーを10g秤量して、50cmのサンプル瓶中に密閉した。密閉したサンプル瓶を恒温槽(エスペック株式会社製のPS−212)内に入れ、槽内を、乾燥状態の50℃にして、100時間放置する熱処理を施した。
その後、熱処理したサンプル瓶からトナーを取り出した。そして、取り出したトナーを篩にかけた。具体的には、140メッシュ(目開き106μm)の篩をセットしたパウダーテスタ(ホソカワミクロン株式会社製)で、レオスタット目盛5の条件で30秒間、取り出したトナーに振動を与えることによって、トナーを篩にかけた。
その際、篩を通過したトナーの重量と篩上に残存したトナーの重量とを測定した。そして、測定した重量を用いて、下記式(I)により、通過率(%)を算出した。
通過率(%) = 篩を通過したトナーの重量(g) / (篩を通過したトナーの重量(g) + 篩上に残存したトナーの重量(g)) ×100 (I)
そして、得られた通過率が95%以上であれば、「○」と評価し、得られた通過率が95%未満であれば、「×」と評価した。
(定着性)
まず、京セラミタ株式会社製のカラーMFP(KM−3232)の、プロセススピードを線速で250mm/秒、定着温度を140℃になるように改造した改造機を評価機として用い、得られた各現像剤をスタート現像剤として用い、さらに、得られた各トナーを補給用トナーとして用いて、温度20〜23℃、相対湿度50〜65%RHの、常温常湿環境下で画像形成して、下記の評価を行った。
具体的には、まず、前記スタート現像剤を、前記評価機の各色に応じた現像剤収容部にセットし、前記評価機の電源を入れて安定させた。その後、混色ブルーソリッド(マゼンタ100%とシアン100%との混色)で、印字率25%(横帯)の画像を用紙1000枚出力させた。
その後、定着ローラにトナーが付着しているか否かを目視で確認した。そして、トナーの付着を確認できなければ、定着性の評価としては「○」と評価し、トナーの付着を確認できれば、定着性の評価としては「×」と評価した。
(分離性)
上記画像形成(1000枚出力)させたときに、用紙が定着ローラへ巻き付くことによるジャムが発生したか否かを確認した。そして、前記ジャムが発生しなければ、分離性の評価としては「○」と評価し、前記ジャムが発生すれ、分離性の評価としては「×」と評価した。
(耐付着性)
上記画像形成(1000枚出力)させた後、感光体ドラムにトナーが付着しているか否かを目視で確認した。そして、トナーの付着を確認できなければ、耐付着性の評価としては「○」と評価し、トナーの付着を確認できれば、耐付着性の評価としては「×」と評価した。
(総合評価)
上記各評価の全てが「○」と評価されれば、「○」と評価し、上記各評価のうち、1つでも「×」と評価されれば、「×」と評価した。
各評価結果は、表3に示す。
Figure 0005162543

表3からわかるように、第1トナー(マゼンタトナー)及び第2トナー(シアントナー)のワックス含有量が、上記式(1)及び上記式(2)を満たす場合(実施例1〜6)は、上記式(1)及び上記式(2)のいずれか一方でも満たさない場合(比較例1〜6)より、トナー保存性、定着性、分離性、及び耐付着性に優れていた。
1 画像形成装置(カラープリンタ)
2 給紙部
3 画像形成部
4 定着部
5 排紙部
6 搬送ローラ
7 画像形成ユニット
11 中間転写ベルト
12 2次転写ローラ
13 駆動ローラ
14 ベルト支持ローラ
15 バックアップローラ
16 1次転写ローラ
21 給紙カセット
22 ピックアップローラ
23,24,25 給紙ローラ
26 レジストローラ
27 ピックアップローラ
41 加熱ローラ
42 加圧ローラ
71 感光体ドラム
72 現像装置
73 クリーニング装置
74 除電器
75 帯電器
76 露光装置

Claims (5)

  1. 複数色のトナーを重ね合わせて複数層からなるトナー像を形成させ、形成させたトナー像を記録媒体上に定着させることによって、画像を形成する画像形成方法に用いられる複数色のトナーからなるトナーセットであって、
    前記複数色のトナーが、第1トナーと、前記第1トナーとは異なる色の第2トナーとを備え、
    前記第1トナー及び前記第2トナーが、それぞれ結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナー母粒子を含有し、
    前記第1トナーの着色剤として、キナクリドン系顔料を含有し、
    前記ワックスが、カルナバワックスとカルナバワックス以外の他のワックスとを含有し、
    前記第1トナー中のカルナバワックス、前記第1トナー中の他のワックス、前記第2トナー中のカルナバワックス、及び前記第2トナー中の他のワックスの、前記各トナーのトナー母粒子における含有量を、それぞれWq1質量%、Wq2質量%、Wo1質量%、Wo2質量%としたときに、下記式(1)及び下記式(2)を満たすことを特徴とするトナーセット。
    q1/(Wq1+Wq2) < Wo1/(Wo1+Wo2) (1)
    3 ≦ Wo1+Wo2 < Wq1+Wq2 ≦ 10 (2)
  2. 前記第2トナーが、前記第1トナーの前又は後に重ね合わせするトナーである請求項1に記載のトナーセット。
  3. 前記他のワックスが、合成エステルワックスである請求項1又は請求項2に記載のトナーセット。
  4. 複数色の現像剤からなり、
    前記複数色の現像剤が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーセットの第1トナー及びキャリアを含有する現像剤と、前記トナーセットの第2トナー及びキャリアを含有する現像剤とを備えることを特徴とする現像剤セット。
  5. 各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、
    各像担持体に対向して配置され、現像剤に含まれるトナーを、前記各像担持体の表面にそれぞれ供給する、複数の現像装置とを備え、
    前記複数の現像装置に用いる各現像剤として、請求項4に記載の現像剤セットの現像剤をそれぞれ用いることを特徴とする画像形成装置。
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