JP2013083979A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】低温定着性、帯電安定性および色再現性に優れ、且つ混練粉砕時の製造性にも優れた電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】本実施形態の電子写真用トナーは、C.I.ピグメントレッド48およびC.I.ピグメントレッド122を重量比率30:70〜80:20で含有する着色材、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂、ワックス、及び帯電制御剤を含み、且つガラス転移点(Tg)が30〜45℃、酸価が10〜17mgKOH/gであるトナー粒子を備える。
【選択図】図1
【解決手段】本実施形態の電子写真用トナーは、C.I.ピグメントレッド48およびC.I.ピグメントレッド122を重量比率30:70〜80:20で含有する着色材、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂、ワックス、及び帯電制御剤を含み、且つガラス転移点(Tg)が30〜45℃、酸価が10〜17mgKOH/gであるトナー粒子を備える。
【選択図】図1
Description
本実施形態は、低温定着性および色再現性に優れ、且つ混練粉砕時の製造性にも優れる電子写真用トナーに関する。
静電潜像をカラートナーにより現像し、可視画像を形成する方法として電子写真法が知られている。この方法では、一般に、光導電性感光体上に静電潜像を形成し、イエロー、マゼンタ、シアン等のカラートナーを順次付着させて各トナー像を重ね合わせるように転写媒体へ転写した後、加圧、加熱定着させることで可視画像が得られる。
上記方法に用いられるトナーには、読み取った画像の色を正確に再現するべく広範囲にわたる色再現性や、可視画像が退色しないよう優れた耐光性等が要求される。また、近年、環境配慮による省エネの動きからトナーには低温定着性が要求される。
このような中、色再現性、耐光性等の優れるトナーとして、例えば着色材にアゾレーキ顔料とキナクリドン顔料を併用し、バインダー樹脂のガラス転移点(Tg)などを規定したトナーが知られている。しかしながら、このトナーは、低温定着性、帯電安定性および着色力が不十分という欠点を有している。また、良好な色再現性を得るために着色材へのフラッシング処理や高濃度せん断力の混練により作成したマスターバッチが必要であるなど製造工程数が多くなるため、トナーの製造コストが高くなってしまう。
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、低温定着性、帯電安定性および色再現性に優れ、且つ混練粉砕時の製造性にも優れたトナーを提供することを目的とする。
本実施形態の電子写真用マゼンタトナーは、C.I.ピグメントレッド48およびC.I.ピグメントレッド122を重量比30:70〜80:20で含有する着色材と、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂と、ワックスと、帯電制御剤を含み、且つガラス転移点(Tg)が30〜45℃、酸価が10〜17mgKOH/gであるトナー粒子を備えることを特徴とする。
以下、本実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の電子写真用マゼンタトナーは、C.I.ピグメントレッド48およびC.I.ピグメントレッド122を重量比30:70〜80:20で含有する着色材と、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂と、ワックスと、帯電制御剤を含み、且つガラス転移点(Tg)が30〜45℃、酸価が10〜17mgKOH/gであるトナー粒子を備えることを特徴としている。
一般に、アゾレーキ顔料の一つであるC.I.ピグメントレッド48は、発色性がよく着色力が高いが、赤味が強く耐光性が悪い。一方、キナクリドン顔料の一つであるC.I.ピグメントレッド122は、彩度が高く耐光性がよいが、青味が強く着色力が低い。これに対し、本実施形態では、C.I.ピグメントレッド48とC.I.ピグメントレッド122を共存させ、C.I.ピグメントレッド48とC.I.ピグメントレッド122の含有量の含有比率(重量比)を30:70〜80:20とすることで、着色力および耐光性を維持しつつ、色相を適切な領域に制御することができる。
一方、トナーのガラス転移点(Tg)を単に30〜45℃の範囲とした場合、低温定着性は良化するものの、混練時に低粘度になりやすく、配合する着色材の分散性が悪化し、着色力が低下してしまう。これに対し、本実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂を含有させると共に、トナー酸価を10〜17mgKOH/gとすることで、ガラス転移点(Tg)が上記範囲であっても、C.I.ピグメントレッド48とC.I.ピグメントレッド122の分散性を良化することができ、これら2つの顔料の性能を十分発揮し、着色力の高いトナーとすることができる。これにより、混練粉砕法によるトナーの製造において、良好な色再現性のために必要であったフラッシング処理や高濃度高せん断力の混練などによるマスターバッチの作成等の煩雑な工程を経ることなく色再現性の良好なトナーを得ることが可能となる。さらには、結晶性ポリエステル樹脂およびトナー酸価の効果で、トナー粒子表面への顔料の析出が抑えられて帯電安定性が向上するため、高品質画像を長期にわたって実現することができる。
本実施形態では、マゼンタトナーに用いる着色材として、C.I.ピグメントレッド48とC.I.ピグメントレッド122を、含有比率(重量比)30:70〜80:20で配合する。C.I.ピグメントレッド48の含有比率が30重量%未満であると、十分な耐光性が得られない上に、青みが強くなりイエロートナーとの重ね合わせで再現するレッドの色再現領域が狭まる。一方、C.I.ピグメントレッド48の含有比率が80重量%を超えると、十分な着色力を得られない上に、赤みが強くなりシアントナーとの重ね合わせで再現するブルーの色再現領域が狭まる。
本実施形態に用いるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂を使用することができる。ポリエステル樹脂は、2価以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分を用いて、例えば特開平7−175260号公報に記載の方法を参考に製造できる。
2価アルコール成分としては、具体的には、例えばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を挙げることができる。
これら2価のアルコール及び3価以上のアルコールから単独で、或いは複数を併用して用いることができる。特にビスフェノールA−アルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパンを主成分として使用することが好ましい。
2価のカルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、もしくはn−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルキルコハク酸、又はこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等を挙げることができる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができる。
これら2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸等から単独であるいは複数を併用して用いることができる。特に2価のカルボン酸成分であるマレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、及び炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上のカルボン酸成分である1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等を主成分として用いることが好ましい。
なお、上記アルコール成分とカルボン酸成分を重合させる際に、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫、チタン化合物、ジアルコキシ錫(II)、酸化錫(II)、脂肪酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)等の通常使用されている触媒を適宜使用してもよい。
また、バインダー樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂を含有することで、トナー粒子のガラス転移点(Tg)を下げることができ、低温定着性のよいトナーとなる。さらに、結晶性ポリエステル樹脂は、分散性に優れるとともに、C.I.ピグメントレッド122と親和性が高い。このため、結晶性ポリエステル樹脂を配合することでC.I.ピグメントレッド122の分散性を良化する。
結晶性ポリエステル樹脂の酸成分としては、例えばアジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びその酸無機物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等を挙げることができ、これらの中ではフマル酸が好ましい。アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、グリセリン、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらの中では1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の配合量は、トナー粒子中に5〜13重量%であることが好ましい。添加量が5重量%未満の場合、低温定着が不十分となる他、トナー粒子中のピグメントレッド122の分散性への寄与が小さくなる。一方、添加量が13重量%より多い場合、Tgが下がりすぎて粉砕性や保存性が悪化する。なお、本実施形態における結晶性ポリエステル樹脂とは、軟化点と融解温度の比(軟化点/融解温度)が0.9〜1.1であるものとする。
本実施形態のトナーのガラス転移点(Tg)は、30〜45℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)を上記範囲とすることで、低温定着性や粉砕性が良化する。ガラス転移点(Tg)が30℃未満の場合、粉砕性や保存性が悪化する。一方、45℃を超えると、低温定着性が悪化する。
また、本実施形態のトナーの酸価は、10〜17mgKOH/gとする必要がある。トナー酸価を上記範囲とすることで、トナー粒子中のピグメントレッド48の分散性を良化することができる。トナー酸価が10mgKOH/g未満であると、着色材の分散向上の効果を得ることができない。一方、17mgKOH/gを超えると、高温多湿時の帯電能力が低下する。
トナー酸価は、トナー粒子の構成材料、例えばバインダー樹脂、ワックス等の酸価により変動し、特に構成材料比率の大部分を占めるバインダー樹脂の酸価に依存する。従って、トナー酸価を調整する方法として、例えば上記範囲の酸価を有するバインダー樹脂を配合するか、或いは異なる酸価を有するバインダー樹脂を複数配合することで上記範囲の酸価に調整することができる。
実施形態に用いるワックスは、バインダー樹脂に使用するポリエステル樹脂との相容性のよいエステル系のワックスを使用するのが好ましい。エステル系のワックスとしては、天然エステルワックス、合成エステルワックスを挙げることができる。天然エステルワックスとしては、例えばキャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等を挙げることができる。合成エステルワックスとしては、長鎖アルキルカルボン酸と長鎖アルキルアルコール成分から合成されるワックスを使用することができる。ワックスの配合量については特別な制約は無いが、バインダー樹脂100重量部に対し、3〜17重量部であることが好ましい。
帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられる。含金属アゾ化合物は、金属元素が鉄、コバルト、及びクロムから選択される金属の錯体、錯塩、あるいはその混合物を挙げることができる。また、含金属サリチル酸誘導体化合物、金属酸化物疎水化処理物も用いられ、例えばジルコニウム、亜鉛、及びクロムから選択される金属の錯体、錯塩、及びその混合物、この金属とホウ素との錯体、錯塩、及びその混合物、アルミニウムとマグネシウムを含むポリサッカライドの包接化合物を挙げることができる。これらの中でも、アルミニウムとマグネシウムを含むポリサッカライドの包接化合物が好ましい。帯電制御剤の配合量は、バインダー樹脂100重量部に対し、0.5〜2重量部にすることができる。
本実施形態のトナー粒子は、混練粉砕法により製造するのが好ましい。本実施形態のトナー粒子は、混練粉砕法による製造において、フラッシング処理や高濃度高せん断力の混練などによるマスターバッチの作成等の煩雑な工程を必要とせず良好な色再現性を得ることができるため、トナーの製造コストを抑えることができる。
本実施形態のトナー粒子の製造としては、具体的には、上記材料を乾式混合した後、溶融混練し、次いで粉砕、分級することでトナー粒子を製造する。これらの材料を混合、分散させる手段としては、例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)を挙げることができ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)を挙げることができる。
また、混合物を粗粉砕する手段としては、例えばハンマーミル、カッターミル、ジェットミル、ローラーミル、ボールミルなどを挙げることができる。また、粗粉砕物を微粉砕する手段としての粉砕機としては、例えばカウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)を挙げることができる。
また、微粉砕物を分級する分級機としては、例えばクラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)を挙げることができる。
上記した混合、分散、粉砕および分級等を経て得られたトナー粒子に対して、流動性や帯電性、保管特性を安定させるために、トナー粒子の表面に微粒子外添剤を添加することができる。微粒子外添剤としては、例えばシリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、酸化錫等の無機酸化物微粒子を挙げることができる。微粒子外添剤は、少なくとも平均一次粒子径の異なる無機酸化物微粒子を2種以上混合して添加するのが好ましい。具体的には平均一次粒子径80nm未満の無機酸化物微粒子と、平均一次粒子径80〜200nmの無機酸化物微粒子を添加するのがよい。このような粒子径の微粒子外添剤を添加することで、得られる帯電特性を維持することができる。これら無機酸化物微粒子は環境安定性向上の観点から疎水化剤で表面処理されたものを使用することが好ましい。また、このような無機酸化物微粒子以外に、さらに1μm以下の樹脂微粒子を添加することができる。
微粒子外添剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対し、2〜10重量部を添加することができる。なお、微粒子外添剤を混合する装置としては、上述の混合機が用いられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等を挙げることができる。
また、本実施形態においては、以下の方法でトナー粒子を作成してもよい。
少なくともバインダー樹脂および着色材を含有する粗く粒状化された混合物を水系媒体と混合して混合液を得る。この混合液を機械的せん断に供し、粗く粒状化された混合物を微細に粒状化する。ここで得られた微粒子を凝集させ、凝集粒子を形成することでトナー粒子を得る。なお、必要に応じて、凝集粒子を形成後に、凝集粒子どうしを融着させる工程を入れてもよい。
また、本実施形態において、現像剤を構成するトナーのうち、マゼンタトナー以外の、例えばイエロートナー、シアントナー、黒トナー等の各トナーについては、マゼンタトナーと同様の温度条件により転写媒体への定着が可能であれば、特に制限されない。例えばこれらトナーに、各トナーに対応した着色材に替えて、上記した材料を用いることもできる。このような場合、これらに用いる着色材には、例えばカラートナー用途で用いられるカーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料等を使用することができる。カーボンブラックとしては、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどを挙げることができる。また、顔染料としては、例えばファーストイエローG、ベンジジンイエロー、インドファストオレンジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントボルドーFRR、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レーキレッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーンB、フタロシアニングリーン、キナクリドン等を挙げることができる。これらは色に応じて単独で、あるいは混合して使用することもできる。
このような現像剤は、例えば以下のような画像形成装置に用いられる。
図1は、本実施形態の現像剤を適用可能な電子写真装置の一例を表す概略図である。図1に示すように、4連タンデム方式のカラー複写機MFP(Multi-Function Peripheral)1は上方にスキャナ部2及び排紙部3を備える。
カラー複写機MFP1は、中間転写ベルト(中間転写媒体)10の下側に沿って並列に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4組の画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kを有する。
各画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kは、それぞれ感光体ドラム(像担持体)12Y、12M、12C及び12Kを有している。感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kの周囲には、その矢印m方向の回転方向に沿って帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13K、現像装置14Y、14M、14C及び14K、及び感光体クリーニング装置15Y、15M、15C及び15Kを配置している。
感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kの周囲の帯電チャージャ13Y、13M、13C及び13Kから現像装置14Y、14M、14C及び14Kに至る間には、レーザ露光装置(潜像形成装置)16による露光々が照射され、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上に静電潜像を形成する。
現像装置14Y、14M、14C及び14Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を有し、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上の静電潜像にトナーを供給する。
中間転写ベルト10は、バックアップローラ21、従動ローラ20及び第1〜第3のテンションローラ22〜24により張架される。中間転写ベルト10は、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kに対向し接触する。中間転写ベルト10の感光体ドラム12Y、12M、12C及び12Kに対向する位置には、感光体ドラム12Y、12M、12C及び12K上のトナー像を中間転写ベルト10に1次転写するための、一次転写ローラ17Y、17M、17C及び17Kが設けられる。一次転写ローラ17Y、17M、17C及び17Kはそれぞれ導電ローラであり、これら各一次転写部に一次転写バイアス電圧を印加する。
中間転写ベルト10のバックアップローラ21により支持される転写位置である二次転写部には、二次転写ローラ27が配置される。二次転写部では、バックアップローラ21が導電ローラであり、所定の二次転写バイアスが印加されている。印刷対象物のシート紙(最終転写媒体)が、中間転写ベルト10と二次転写ローラ27間を通過すると、シート紙上に、中間転写ベルト10上のトナー像が二次転写される。二次転写終了後、中間転写ベルト10はベルトクリーナ10aによりクリーニングされる。
レーザ露光装置16の下方には二次転写ローラ27方向にシート紙P1を供給する給紙カセット4を備えている。カラー複写機1の右側には手差しによりシート紙P2を給紙する手差し機構31を備える。給紙カセット4から二次転写ローラ27に到る間には、ピックアップローラ4a、分離ローラ28a、搬送ローラ28b及びレジストローラ対36が設けられ、これらにより給紙機構を構成している。
手差し機構31の手差しトレイ31aからレジストローラ対36に到る間には、手差しピックアップローラ31b、手差し分離ローラ31cが設けられる。更に、給紙カセット4或いは手差しトレイ31aから二次転写ローラ27方向にシート紙を搬送する縦搬送路34上には、シート紙の種類を検知するメディアセンサ39が配置される。カラー複写機1は、メディアセンサ39による検知結果から、シート紙の搬送速度、転写条件、定着条件等を制御可能となっている。又、縦搬送路34方向に沿って、二次転写部の下流には定着装置30が設けられる。給紙カセット4から取り出され、あるいは手差し機構31から給紙されるシート紙は、縦搬送路34に沿って、レジストローラ対36、二次転写ローラ27を経て、定着装置30に搬送される。
定着装置30は、一対の加熱ローラ51及び駆動ローラ52に巻かれた定着ベルト53と、定着ベルト53を介して、加熱ローラ51に対向して配置された対向ローラ54とを有する。定着ベルト53及び対向ローラ54間に、二次転写部にて転写されたトナー像をもつシート紙を導入し、加熱ローラ51にて加熱を行うことにより、シート紙に転写されたトナー像を熱処理して定着する。定着装置30の下流には、ゲート33が設けられ、排紙ローラ41方向或いは、再搬送ユニット32方向に振り分ける。排紙ローラ41に導かれたシート紙は、排紙部3に排紙される。又再搬送ユニット32に導かれたシート紙は、再度二次転写ローラ27方向に導かれる。
画像形成ステーション11Yは、感光体ドラム12Yとプロセス手段を一体的に有し、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられている。プロセス手段とは、帯電チャージャ13Yと現像装置14Yと感光体クリーニング装置15Yの少なくとも1つを言う。画像形成ステーション11M、11C及び11Kも画像形成ステーション11Yと同様な構成である。各画像形成ステーション11Y、11M、11C及び11Kは、画像形成装置に対して各々着脱自在であっても良いし、一体の画像形成ユニット11として画像形成装置に対して着脱自在であっても良い。
以下、実施例を示し、本実施形態についてより具体的に説明する。
[1]マゼンタトナーの調製
実施例1
顔料 6重量部
(C.I.ピグメントレッド48.3 3重量部)
(C.I.ピグメントレッド122 3重量部)
バインダー樹脂 90重量部
(非晶性ポリエステル樹脂 80重量部)
(結晶性ポリエステル樹脂 10重量部)
エステルワックス(融点;70℃) 3重量部
帯電制御剤(Al+Mgを含むポリサッカライド化合物) 1重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練し、得られた溶融混練物を冷却した。冷却後の溶融混練物をハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均粒径7μmのトナー粒子を得た。
実施例1
顔料 6重量部
(C.I.ピグメントレッド48.3 3重量部)
(C.I.ピグメントレッド122 3重量部)
バインダー樹脂 90重量部
(非晶性ポリエステル樹脂 80重量部)
(結晶性ポリエステル樹脂 10重量部)
エステルワックス(融点;70℃) 3重量部
帯電制御剤(Al+Mgを含むポリサッカライド化合物) 1重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練し、得られた溶融混練物を冷却した。冷却後の溶融混練物をハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均粒径7μmのトナー粒子を得た。
なお、非晶性ポリエステル樹脂には樹脂B(酸価;19.4mgKOH/g)と樹脂D(酸価;11.3mgKOH/g)を50:50の重量比で配合したものを使用した。
このトナー粒子100重量部に対し、下記の添加剤をヘンシェルミキサーにより添加混合して添加剤が表面に添加されたトナー粒子を作成した。
添加剤:
平均一次粒子径が100nmの単分散無機微粒子化合物
疎水性シリカ 1重量部
平均一次粒子径が30nmの疎水性シリカ 1重量部
平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタン 0.5重量部
上記トナー粒子に平均粒径40μmのシリコーン樹脂を表面コートしたフェライトキャリア100重量部に対し、7重量部の割合でターブラミキサーにて攪拌し、マゼンタトナーを得た。
平均一次粒子径が100nmの単分散無機微粒子化合物
疎水性シリカ 1重量部
平均一次粒子径が30nmの疎水性シリカ 1重量部
平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタン 0.5重量部
上記トナー粒子に平均粒径40μmのシリコーン樹脂を表面コートしたフェライトキャリア100重量部に対し、7重量部の割合でターブラミキサーにて攪拌し、マゼンタトナーを得た。
実施例2〜実施例17、比較例1〜比較例16
顔料およびバインダー樹脂を、表1に示す配合成分、配合比率とし、実施例1と同様の方法で、各マゼンタトナーを得た。
顔料およびバインダー樹脂を、表1に示す配合成分、配合比率とし、実施例1と同様の方法で、各マゼンタトナーを得た。
なお、トナーTg(ガラス転移点)については、以下の方法により測定した。
DSC「DSC Q2000(ティー・エイ・インスツルメント社製)」を使用し、試料:5mg、蓋及びパン:アルミナ、昇温速度:10℃/min、測定温度:20〜200℃の条件で行い、200℃まで加熱した試料を20℃以下まで冷却し、もう一度加熱して測定したものをデータとし、30〜60℃付近で発生する曲線の低温側と高温側の接線を引き、その延長線上の交点をTgとした。
また、トナー酸価については、JISK0070に沿って測定を行なった。
[2]品質特性評価
実施例1〜17、比較例1〜16の各トナーについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1〜17、比較例1〜16の各トナーについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
評価項目:
粉砕性
カウンタージェット型ミルおよび100TTSP(ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕及び分級を行った。コールターマルチサイザーIIIを用いて測定した体積50%粒子の目標粒径を7μmとして、3.17μm(個数%)以下の粒子が10%以下になるように分級した後の収率が70%以上を○とし、70%未満を×とした。
粉砕性
カウンタージェット型ミルおよび100TTSP(ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕及び分級を行った。コールターマルチサイザーIIIを用いて測定した体積50%粒子の目標粒径を7μmとして、3.17μm(個数%)以下の粒子が10%以下になるように分級した後の収率が70%以上を○とし、70%未満を×とした。
保存性
トナー15gをポリ容器に密閉し、55℃に設定した恒温槽に10時間放置した後、恒温槽から取り出し、12時間以上自然冷却させた。その後、冷却したトナーを、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて、目開き42メッシュの篩い上に乗せ、目盛り:4で10秒間振動させ、篩い上のトナー残量が3g未満である場合を○とし、3g以上を×とした。
トナー15gをポリ容器に密閉し、55℃に設定した恒温槽に10時間放置した後、恒温槽から取り出し、12時間以上自然冷却させた。その後、冷却したトナーを、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて、目開き42メッシュの篩い上に乗せ、目盛り:4で10秒間振動させ、篩い上のトナー残量が3g未満である場合を○とし、3g以上を×とした。
低温定着性
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用いて、130℃の温度でのベタ画像を10枚取得後に僅かでもオフセットや未定着による画像剥がれが発生しない場合を○、発生する場合を×とした。
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用いて、130℃の温度でのベタ画像を10枚取得後に僅かでもオフセットや未定着による画像剥がれが発生しない場合を○、発生する場合を×とした。
色再現域
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用いて、紙上のトナー付着量が0.45mg/cm2付近のベタ画像を取得した。取得したベタ画像をX−Rite938分光濃度計(X−Rite社製)にて測定し、L*a*b*表色系のb*の値が−10〜15を○とし、−10未満及び15より大を×とした。なお、−10未満ではレッドの色再現領域が狭まり、15より大ではブルーの色再現領域が狭まる。
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用いて、紙上のトナー付着量が0.45mg/cm2付近のベタ画像を取得した。取得したベタ画像をX−Rite938分光濃度計(X−Rite社製)にて測定し、L*a*b*表色系のb*の値が−10〜15を○とし、−10未満及び15より大を×とした。なお、−10未満ではレッドの色再現領域が狭まり、15より大ではブルーの色再現領域が狭まる。
耐光性
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、マクベス19I型で測定した画像濃度が0.7となるベタ画像を取得した。取得したベタ画像をサンテストCPS+(アトラス社製)にて照度550W/m2で100時間光照射した。光照射前後の画像濃度維持率を算出し、画像濃度維持率が90%以上を○、未満を×とした。
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、マクベス19I型で測定した画像濃度が0.7となるベタ画像を取得した。取得したベタ画像をサンテストCPS+(アトラス社製)にて照度550W/m2で100時間光照射した。光照射前後の画像濃度維持率を算出し、画像濃度維持率が90%以上を○、未満を×とした。
着色力
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、紙上のトナー付着量が0.45mg/cm2付近のベタ画像を取得した。取得したベタ画像をマクベス19I型で測定し、測定値が1.4以上を○、未満を×とした。
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、紙上のトナー付着量が0.45mg/cm2付近のベタ画像を取得した。取得したベタ画像をマクベス19I型で測定し、測定値が1.4以上を○、未満を×とした。
ロングライフ性(画像濃度)
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、温度20〜25℃、湿度40〜60%に調整した試験環境内で、印字率8%のチャートで150000枚使用後にベタ画像を取得した。取得したベタ画像をマクベス19I型で測定し、測定値が1.3以上を○、未満を×とした。
東芝製複合機e−STUDIO4520Cを用い、温度20〜25℃、湿度40〜60%に調整した試験環境内で、印字率8%のチャートで150000枚使用後にベタ画像を取得した。取得したベタ画像をマクベス19I型で測定し、測定値が1.3以上を○、未満を×とした。
本実施形態のトナーでは、粉砕性、保存性、低温定着性、色再現域、耐光性、着色力、およびロングライフ性の特性評価について、いずれも良好な結果であることがわかる。
一方、顔料比率が本実施形態の範囲外では色再現域が狭くなり、さらに、ピグメントレッド48の配合比率が少ない場合では着色力が弱く、ピグメント122の配合比率が少ない場合では耐光性が不十分であった。また、結晶性ポリエステル樹脂を含有しない場合では低温定着性が悪くなる傾向にあり、トナーTgが低い場合では保存性が悪く、また粉砕性も悪かった。また、トナー酸価が本実施形態の範囲外となるとロングライフ性が悪くなる傾向となることがわかる。
Claims (5)
- C.I.ピグメントレッド48およびC.I.ピグメントレッド122を、重量比率30:70〜80:20で、含有する着色材、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂、ワックス、及び帯電制御剤を含み、且つガラス転移点(Tg)が30〜45℃、酸価が10〜17mgKOH/gであるトナー粒子
を備える電子写真用トナー。 - 前記結晶性ポリエステル樹脂は、トナー粒子中に5〜13重量%含有する請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記トナー粒子の表面に微粒子外添剤が添加される請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記微粒子外添剤は、平均一次粒子径80〜200nmの無機酸化物微粒子である請求項3に記載の電子写真用トナー。
- 前記トナー粒子の表面に、さらに平均一次粒子径が80nm未満の無機酸化物微粒子が添加される請求項4に記載の電子写真用トナー。
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