JP5868829B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法に関する。
一般に電子写真法では、感光体ドラムの表面を、コロナ放電等を用いて帯電させた後にレーザー等を用いて露光することで静電潜像を形成する。形成された静電潜像が、トナーを用いて現像されトナー像が形成される。さらに、形成されたトナー像が被記録媒体に転写され、高品質な画像が得られる。通常トナー像の形成に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂のような結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性材料のような成分を混合した後、混練、粉砕、分級工程を経て得られる、平均粒径5μm以上10μm以下のトナー粒子(トナー母粒子)が用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーに好適な帯電性能を付与したり、トナーの感光体ドラムの表面からのクリーニングを容易にする目的で、シリカや酸化チタンのような無機微粉末がトナー母粒子に外添されている。
しかし、中間転写体を使用するカラー画像形成装置においては、潜像坦持体上の静電潜像上に対して他色の現像の際に押圧力が付与され、さらに転写工程が増えることから静電潜像のトナーと潜像坦持体間に密着力の強い部分が生じ転写されにくくなり、画像に欠損が生じてしまう問題(いわゆる転写抜け)が生じてしまう問題がある。また、シリカのような外添剤を増量すると流動性は添加量と共にある程度までは向上するが、重ねて転写を行うカラー画像形成方法においては、外添剤が増量することでトナーが飛び散るいわゆる転写チリが発生し、形成画像の解像力の低下、画質の劣化を招くという問題がある。
このような形成画像における転写抜け、転写チリの発生を抑制できる画像形成方法としては、特許文献1に記載の方法が提案されている。特許文献1に記載の方法は、具体的には、
イエロー、シアン、マゼンタ及び黒の各色についての静電潜像を像坦持体上に形成する潜像形成工程と、
該像坦持体上に形成された静電潜像を前記4色のそれぞれのカラートナーで現像する現像工程と、
この現像された像坦持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写工程と、
該中間転写体上のトナー像を一括して転写部材に転写する二次転写工程と、
転写部材上のトナー像を定着する定着工程と、を有し、
フルカラーの再現を、イエロー、シアン及びマゼンタの3色重ねで行い、黒のみを単色で行うフルカラー画像形成方法であって、
(1)フルカラトナーが、少なくとも結着樹脂と着色材とを含有し、シアンとマゼンタのうち現像順の早いトナーをA、現像順の遅いトナーをBとしたとき、下記式(a)〜(c):
ふるい目75μmのふるいに残ったトナーの重量%×1・・・(a)
ふるい目45μmのふるいに残ったトナーの重量%×0.6・・・(b)
ふるい目22μmのふるいに残ったトナーの重量%×0.2・・・(c)
で求められる計算値の和として定義されるトナーの凝集度が5%以上30%以下であり、
該トナー凝集度がA<Bであり、
(2)前記二次転写工程において、転写バイアスが印加された転写装置を3g/cm以上で当接させてトナー像を転写部材へ転写することを特徴とする、フルカラー画像形成方法である。
特開2002−278125号公報
しかし、特許文献1に記載の画像形成方法では、特許文献1で規定されるトナーの凝集度に従ってトナーの現像順を決定しても転写チリが発生する場合があったり、トナーの凝集度次第では、現像部でのトナーの搬送不良が生じたりする。このため、特許文献1に記載の画像形成方法では、複数のトナー像を重ね合わせて転写する場合に、所望する量のトナーを転写できない問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、複数のトナー像を重ね合わせて転写する場合に所望する量のトナーを転写可能な、画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成する画像形成方法について、2以上のトナー像の形成に使用される複数のトナーとして、平均粒子径が6μm以上8μm以下であり、且つ所定の工程に従って測定される第一凝集度Aと第二凝集度Bとが所定の関係を満たし、第一凝集度Aと第二凝集度Bとから所定の式に従って算出される流動性指数Sが所定の範囲内の値であるトナーを用い、2以上のトナー像を流動性指数Sに基づいて定められる所定の順番で被記録媒体に転写することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成する画像形成方法であって、
前記2以上のトナー像の形成に使用される複数のトナーは、いずれも、
平均粒子径が6μm以上8μm以下であり、
下記工程1)及び2):
1)目開き45μmの篩上に目開き75μmの篩を重ねた後、目開き75μmの篩に、Tgのトナー試料を載せ、トナー試料を篩分けする、篩別工程、及び
2)篩分け後、目開き75μmの篩上に残ったトナーの質量Taと、目開き45μmの篩上に残ったトナーの質量Tbとを秤量し、TaのTに対する比率(質量%)である第一凝集度Aと、TbのTに対する比率(質量%)である第二凝集度Bと、を算出する、凝集度測定工程、
に従って測定される、第一凝集度Aと第二凝集度Bとについて、下式(i)〜(iii):
10質量%<A<30質量%・・・(i)
10質量%<B<50質量%・・・(ii)
30質量%<A+B<60質量%・・・(iii)
の関係を満たし、且つ、
下式(iv):
S=(A×B)/(A+B)
に従って算出される、流動性指数Sが5超15未満であり、
最初に転写されるトナー像が、最後に転写されるトナー像を形成するトナーよりも前記流動性指数Sが大きなトナーを用いて形成され、
先に転写されるトナー像を形成するトナーの前記流動性指数Sが、次順に重ねて転写されるトナー像を形成するトナーの前記流動性指数S以上である、画像形成方法に関する。
本発明によれば、複数のトナー像を重ね合わせて転写する場合に所望する量のトナーを転写可能な、画像形成方法を提供することができる。
画像形成装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明は、それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成する画像形成方法に関する。2以上のトナー像の形成に使用される複数のトナーは、平均粒子径が6μm以上8μm以下であり、所定の工程に従って測定される第一凝集度Aと第二凝集度Bとが所定の関係を満たし、第一凝集度Aと第二凝集度Bとから算出される流動性指数Sが、所定の範囲内の値である。本発明の画像形成方法では、最初に転写されるトナー像が、最後に転写されるトナー像を形成するトナーよりも流動性指数Sが大きなトナーを用いて形成される。先に転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数Sは、次順に重ねて転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数S以上である。
以下、本発明の画像形成方法と、本発明の画像形成方法に用いられるトナーついて説明する。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法において用いる画像形成装置としては、それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成できる画像形成装置である限り特に限定されない。このような画像形成装置としては、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が好ましい。以下、タンデム方式のカラー画像形成装置を用いる画像形成方法について説明する。
なお、以下に説明するタンデム方式のカラー画像形成装置は、複数の潜像担持部の表面上に、それぞれ異なるトナーを用いてトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の潜像担持部と、現像部とを備える。現像部は、潜像担持部に対向して配置され、表面にトナーを担持して搬送し、搬送されたトナーを、各潜像担持部の表面にそれぞれ供給する。
図1は、本発明の画像形成方法に用いる、好適な画像形成装置の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置として、カラープリンター1を例に挙げて説明する。
このカラープリンター1は、図1に示すように、箱型の機器本体1aを有している。この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像データに基づくトナー像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙P上に転写された未定着トナー像を用紙Pに定着する定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、機器本体1aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
給紙部2は、給紙カセット121、ピックアップローラー122、給紙ローラー123,124,125、及びレジストローラー対126を備えている。給紙カセット121は、機器本体1aから挿脱可能に設けられ、用紙Pを貯留する。ピックアップローラー122は、給紙カセット121の図1に示す左上方位置に設けられ、給紙カセット121に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラー123,124,125は、ピックアップローラー122を用いて取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。レジストローラー対126は、給紙ローラー123,124,125を用いて用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給する。
また、給紙部2は、機器本体1aの図1に示す左側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラー127とをさらに備えている。このピックアップローラー127は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。ピックアップローラー127を用いて取り出された用紙Pは、給紙ローラー123,125を用いて用紙搬送路に送り出され、レジストローラー対126を用いて、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7を用いてその表面(接触面)にコンピューターのような装置から電送された画像データに基づくトナー像が1次転写される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31上のトナー像を給紙カセット121から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラー32とを備えている。
画像形成ユニット7は、中間転写ベルト31の移動方向の上流側(図1では右側)から下流側に向けて順次配設された第1トナー用ユニット7aと、第2トナー用ユニット7bと、第3トナー用ユニット7cと、第4トナー用ユニット7dとを備えている。
本発明の画像形成方法では、最初に転写されるトナー像を、最後に転写されるトナー像を形成するトナーよりも流動性指数Sが大きなトナーを用いて形成する。また、先に転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数Sは、次順に重ねて転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数S以上である。このように、本発明では、後述する所定の方法で求められるトナーの流動性指数Sに基づいて、トナー像の転写順を決定する。
このため、各ユニット7a,7b,7c及び7dには、トナー像の転写順が上記の順になるように、それぞれ異なるトナーが充填される。各ユニット7a,7b,7c及び7dは、それぞれの中央位置に像担持体であるドラム型の潜像担持部37が矢符(時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各潜像担持部37の周囲には、帯電部39、露光部38、現像部71、クリーニング部8、及び除電器が、潜像担持部37の回転方向上流側から順に各々配置されている。
帯電部39は、矢符方向に回転されている潜像担持部37の周面を均一に帯電させる。帯電部39は、潜像担持部37の周面を均一に帯電させることができれば特に制限されず、非接触方式であっても、接触方式であってもよい。帯電部の具体例としては、コロナ帯電装置、帯電ローラー、帯電ブラシが挙げられる。
潜像担持部37の表面電位(帯電電位)は、現像性と潜像担持部37の帯電能力とのバランスを考慮すると+200V以上+500V以下であるのが好ましく、+200V以上+300V以下であるのがより好ましい。表面電位が低すぎる場合、現像電界が不十分となり、形成画像の画像濃度を確保し難くなる。表面電位が高すぎる場合、感光層の膜厚次第では、帯電能力の不足、潜像担持部37の絶縁破壊、オゾンの発生量の増加のような問題が起こりやすくなる。
潜像担持部37としては、アモルファスシリコンのような無機感光体;導電性基体上に電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂のような成分を含有する単層又は積層の感光層が形成された有機感光体のような感光体が挙げられる。
露光部38は、いわゆるレーザー走査ユニットであり、帯電部39を用いて均一に帯電された潜像担持部37の周面に、上位装置であるパーソナルコンピューター(PC)から入力された画像データに基づくレーザー光を照射し、潜像担持部37上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像部71は、静電潜像が形成された潜像担持部37の周面に後述のトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。現像部71を用いて潜像担持部37の周面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31に1次転写される。
現像部71は、静電潜像が形成された潜像担持部37の周面にトナーを供給し、画像データに基づくトナー像を形成させる。現像部71は、撹拌装置(不図示)、現像ローラー72、及び、現像ローラー表面に形成される現像剤層の層厚を規制する規制ブレード(不図示)等を備える。現像ローラー72は、マグネットローラーと、マグネットローラーの外周面を覆うように配置される現像スリーブとから構成される。マグネットローラーは、1又は複数の磁極が埋設されると共に、円柱状に形成されている。
現像部71では、撹拌装置を用いて撹拌された帯電された現像剤(トナー)が、現像ローラー72に供給される。現像ローラー72の表面に供給される帯電されたトナーは、現像ローラー表面に付着した後、規制ブレードを用いて摺擦されて、層厚が規制された現像剤層を形成する。このようにして形成される現像剤層から、現像ローラー72は、潜像担持部37の表面に非接触の状態で、潜像担持部37表面の静電潜像にトナーを供給して、トナー像を形成させる。
本発明の画像形成方法では、後述する方法に従って測定される、第一凝集度Aと第二凝集度Bが所定の範囲であるトナーを用いるため、現像部71でトナーが良好に流動し、現像部71でのトナーの搬送不良が抑制される。
中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写が終了した後、潜像担持部37の周面に残留しているトナーはクリーニング部8を用いて清掃される。クリーニング部が備えるクリーニング装置は特に限定されないが、ここでは、クリーニング装置として弾性ブレード81を備えるクリーニング部について説明する。クリーニング部8に備えられる弾性ブレード81は、潜像担持部37の表面を摺擦して、潜像担持部37の周面に残留するトナーを除去する。弾性ブレード81はウレタン系ゴムやエチレン−プロピレン系ゴムで構成されるのが好ましい。
除電器は、1次転写が終了した後、潜像担持部37の周面を除電する。クリーニング部8及び除電器を用いて清浄化処理された潜像担持部37の周面は、新たな帯電処理のために帯電部39へ向かい、新たな帯電処理が行われる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各潜像担持部37の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラー33、従動ローラー34、バックアップローラー35及び1次転写ローラー36のような複数のローラーに架け渡されている。また、中間転写ベルト31は、各潜像担持部37と対向配置された1次転写ローラー36を用いて潜像担持部37に押圧された状態で、複数のローラーを用いて無端回転するように構成されている。駆動ローラー33は、不図示のステッピングモータのような駆動源を用いて回転駆動され、中間転写ベルト31に無端回転させるための駆動力を与える。従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36は、回転自在に設けられ、駆動ローラー33を用いる中間転写ベルト31の無端回転に伴って従動回転する。これらのローラー34,35,36は、駆動ローラー33の主動回転に応じて中間転写ベルト31を介して従動回転すると共に、中間転写ベルト31を支持する。
1次転写ローラー36は、1次転写バイアスを中間転写ベルト31に印加する。そうすることで、各潜像担持部37上に形成されたトナー像は、各潜像担持部37と1次転写ローラー36との間で、駆動ローラー33の駆動で矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト31に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。つまり、ユニット7aから供給されるトナーで形成されるトナー像、ユニット7bから供給されるトナーで形成されるトナー像、ユニット7cから供給されるトナーで形成されるトナー像、及びユニット7dから供給されるトナーで形成されるトナー像が、この順で、中間転写ベルト31上に重ねて1次転写される。
ここで、転写チリは、中間転写ベルト31への重ね塗り状態での1次転写の際に、前順に転写されたトナー像を構成するトナーが、次順に転写されるトナーと静電気的に反発することで生じる。このため転写チリは、前順に転写されたトナー像を構成するトナーの流動性が高いほど生じやすい。
また、本発明の画像形成方法では、前述の通り、先に転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数Sは、次順に重ねて転写されるトナー像を形成するトナーの流動性指数S以上である。そして、トナーは、流動性指数Sが小さいほど流動性に優れる。さらに、本発明の画像形成方法で用いるトナーは、後述する方法に従って測定される、第一凝集度Aと第二凝集度Bが所定の範囲であるため、その流動性が過度に高くない。
つまり、本発明の画像形成方法では、画像形成に使用されるトナーの流動性が過度に高くないことと、前順に転写されたトナー像を構成するトナーの流動性を、次順に転写されるトナー像を構成するトナーの流動性と、同等であるかそれよりも低くすることとで、前順に転写されたトナー像を構成するトナーの、次順に転写されるトナー像を構成するトナーとの静電気的な反発による転写チリの発生が抑制される。
2次転写ローラー32は、2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることで、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラー32とバックアップローラー35との間で用紙Pに2次転写され、用紙Pにカラーの転写画像(未定着トナー像)が転写される。
定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体を用いて加熱される加熱ローラー41と、この加熱ローラー41に対向配置され、周面が加熱ローラー41の周面に押圧当接される加圧ローラー42とを備えている。
そして、画像形成部3で2次転写ローラー32を用いて用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラー41と加圧ローラー42との間を通過する際の加熱及び加圧からなる定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙される。また、本実施形態のカラープリンター1では、定着部4と排紙部5との間の適所に複数の搬送ローラー対6が配設されている。
排紙部5は、カラープリンター1の機器本体1aの頂部が凹没されることで形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ51が形成されている。
カラープリンター1は、以上のような画像形成動作で、4種の異なるトナー像を、以上説明した順で転写して、用紙Pに対して画像形成を行うことで、転写チリの発生を抑制できる。
[トナー]
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、平均粒子径が6μm以上8μm以下である。本発明の画像形成方法では、所定の工程に従って測定される第一凝集度Aと第二凝集度Bとが所定の関係を満たすトナーを用いる。本発明の画像形成方法で用いるトナーは、第一凝集度Aと第二凝集度Bとから所定の式に従って算出される流動性指数Sが、5超15未満である。
本発明の画像形成方法に用いられる好適なトナーの例としては、結着樹脂と着色剤と、所望により、電荷制御剤、離型剤、及び磁性粉のような成分とを含有するトナーが挙げられる。また、トナーは、所望によりその表面が、外添剤を用いて処理されたものであってもよい。さらに、トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。以下、本発明の画像形成方法に用いられる好適なトナーの、第一凝集度A及び第二凝集度Bと、流動性指数Sと、トナーの必須、又は任意の成分である、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉、及び外添剤と、トナーを2成分現像剤として使用する場合に用いるキャリアと、トナーの製造方法とについて順に説明する。
〔第一凝集度A及び第二凝集度B〕
本発明の画像形成方法に用いられるトナーの第一凝集度A及び第二凝集度Bは、下記工程1)及び2)に従って測定される。
1)目開き45μmの篩上に目開き75μmの篩を重ねた後、目開き75μmの篩に、Tgのトナー試料を載せ、トナー試料を篩分けする、篩別工程、及び
2)篩分け後、目開き75μmの篩上に残ったトナーの質量Taと、目開き45μmの篩上に残ったトナーの質量Tbとを秤量し、TaのTに対する比率(質量%)である第一凝集度Aと、TbのTに対する比率(質量%)である第二凝集度Bと、を算出する、凝集度測定工程。
1)篩別工程では、トナー試料の篩別の際、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、振幅1mm、振動時間10秒の条件で篩を振動させるのが好ましい。また、篩別工程で使用するトナー試料の質量(T)は、1g以上10g以下であるのが好ましい。
2)凝集度測定工程で測定された第一凝集度Aと、第二凝集度Bとは、下式(i)〜(iii):
10質量%<A<30質量%・・・(i)
10質量%<B<50質量%・・・(ii)
30質量%<A+B<60質量%・・・(iii)
の関係を満たす。
Aが過小であり、Bが30質量%未満であるとき、現像部71からトナーがすり抜けやすく、機器本体1a内でのトナー飛散が発生しやすい。また、Aが過小であり、Bが30質量%以上であるとき、転写チリが発生しやすい。一方、Aが過大である場合、現像部71内でトナー同士が凝集しやすく、潜像担持体37にトナーが供給されにくい。この場合、被記録媒体に転写されるトナー量も減少しやすくなるため、所望の濃度の画像を形成しにくい。
Bが過小であり、Aが30質量%未満であるとき、転写チリが発生しやすい。また、Bが過小であり、Aが30質量%以上であるとき、現像部71内でトナー同士が凝集しやすく、潜像担持体37にトナーが供給されにくい。この場合、被記録媒体に転写されるトナー量も減少しやすくなるため、所望の濃度の画像を形成しにくい。一方、Bが過大であり、Aが10質量%未満であるとき、転写チリが発生しやすい。また、Bが過大であり、Aが10質量%以上であるとき、現像部71内でトナー同士が凝集しやすく、潜像担持体37にトナーが供給されにくい。この場合、被記録媒体に転写されるトナー量も減少しやすくなるため、所望の濃度の画像を形成しにくい。
第一凝集度A及び第二凝集度Bを調整する方法としては、これらに限定されないが、トナーを調製する際の外添剤の使用量を調整する方法や、トナーに含まれる離型剤の含有量を調整する方法や、トナーの平均円形度を調整する方法が挙げられる。一般的には、トナー調製時の外添剤の使用量を増やしたり、トナーに含まれる離型剤の含有量を減らしたり、トナーの円形度を高めたりする場合に、第一凝集度A及び第二凝集度が低くなる傾向がある。
〔流動性指数S〕
本発明の画像形成方法で用いるトナーは、第一凝集度Aと、第二凝集度Bとから、下式(iv)に従って算出される、流動性指数Sが5超15未満である。
S=(A×B)/(A+B)・・・(iv)
流動性指数Sは、トナーの流動性を評価する指標であり、流動性指数Sが小さいほどトナーの流動性が優れ、流動性指数Sが大きいほどトナーの流動性が劣ることを示す。本発明の画像形成方法に用いるトナーについて、流動性指数Sを5超15未満の範囲内とすることで、転写チリの発生を抑制しつつ、現像部でのトナーの搬送不良を抑制することで、複数のトナー像を重ね合わせて転写する場合に所望する量のトナーを転写できる。
流動性指数Sが過小である場合、現像部71からトナーがすり抜けやすく、トナーが機器本体1a内に飛散しやすい。流動性指数Sが過大である場合、トナーが画像形成装置の部品や、トナー同士で付着しやすい。この場合、被記録媒体に転写されるトナー量も減少しやすくなるため、所望の濃度の画像を形成しにくい。本発明の画像形成方法に用いられるトナーについて、流動性指数Sを調整する方法としては、流動性指数Sを5超15未満に調整できる限り特に限定されないが、後述するシリカのような外添剤の添加量を調整する方法、トナー中の離型剤の含有量を調整する方法、及びトナーの平均円形度を調整する方法、が挙げられる。
トナーの流動性指数Sを5超15未満の範囲内に調整する場合、トナーの平均円形度は、0.93以上0.97以下が好ましく、0.94以上0.96以下がより好ましい。トナーの平均円形度は、サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製)のような熱処理装置や、ハイブリダイザーNHS−1(株式会社奈良機械製作所製)のような表面改質装置を用いて、処理時間、処理温度、処理回転数のような処理条件を適宜変更して、トナー粒子を処理することで調整できる。
〔結着樹脂〕
本発明の画像形成方法に用いるトナーは、結着樹脂を含む。トナーに含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、及びスチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、着色剤のトナー中での分散性、トナーの帯電性、トナーの用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、本実施形態で用いるスチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレンのような単量体が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合で得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコールが挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体としたものを用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上140℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することも可能である。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することで、トナーの定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂のような熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以上65℃以下が好ましく、50℃以上60℃以下がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、トナーの保存安定性の低下に起因して、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部にトナーが付着しやすい。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着されにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、結着樹脂の吸熱曲線を測定することで結着樹脂のガラス転移点を求めることができる。測定試料としての結着樹脂10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/min、常温常湿下という条件で測定して得られた結着樹脂の吸熱曲線を用いて結着樹脂のガラス転移点を求めることができる。
〔着色剤〕
トナーは、必要に応じて着色剤を含んでいてもよい。トナーに含むことができる着色剤は、トナーの色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加可能な好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラックのような黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モノアゾイエロー、ジアゾイエローのような黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGKのような橙色顔料;キナクリドン、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、モノアゾレッドのような赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキのような紫色顔料;フタロシアニンブルー、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、フタロシアニンブルーのような青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGのような緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛のような白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトのような体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下が好ましい。
〔電荷制御剤〕
トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。また、電荷制御剤をカラートナーに用いる場合、これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、白色である点で、4級アンモニウム塩が好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレンアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレンアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレンアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレンアクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレンアクリル系樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのようなヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナーの全質量に対し、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上0.8質量%以下が好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させにくいため、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったり、画像濃度を長期にわたって維持することが困難になったりすることがある。また、トナー中に電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化にともなう、高温高湿下での帯電不良に起因する形成画像における画像不良や、潜像担持部の汚染が起こりやすくなる。
〔離型剤〕
本発明のトナーは、必要に応じて、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、通常、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で使用される。離型剤の種類は、従来からトナー用の離型剤として使用されているものであれば特に限定されない。
好適な離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、及び鯨ろうのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、及びベトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部、又は全部を脱酸化したワックス;テフロン(登録商標)系ワックスがあげられる。
好適に使用できる離型剤としては、さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、及びさらに長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類のような飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、及びバリナリン酸のような不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、及びさらに長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールのような飽和アルコール;ソルビトールのような多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、及びラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、及びヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、及びN,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーをグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することで得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、トナーの全質量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、形成画像でのオフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着に起因してトナーの保存安定性が低下する場合がある。
〔磁性粉〕
トナーは必要に応じて、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がより好ましい。このような範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉の使用量はトナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全質量に対して、30質量%以上60質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、長期間にわたり画像を形成する際に所望の画像濃度を維持しにくかったり、定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、形成画像にかぶりが発生しやすくなることに起因して所望の画像濃度を維持できなくなる場合がある。
〔外添剤〕
トナーは、所望によりその表面を、外添剤を用いて処理されていてもよい。なお、本出願の明細書では、外添処理される粒子を「トナー母粒子」と称する。トナーに使用可能な外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
また、これらの外添剤は、疎水化、帯電制御のような目的で、シランカップリング剤、アミノシラン、シリコーンオイル、及びチタネートカップリング剤のような表面処理剤を用いて表面処理して使用することもできる。表面処理された外添剤を用いる場合、高温高湿下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすく、また、流動性に優れるトナーを得やすい。外添剤を、表面処理剤を用いて処理する場合、その表面処理剤の使用量は、外添剤100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下が好ましい。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01μm以上0.5μm以下が好ましい。
外添剤の使用量は、典型的には、トナー母粒子の質量に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。トナー母粒子の表面を、外添剤を用いて処理する場合、外添剤の使用量を調整することで、トナーの流動性指数Sを調整することができる。トナーの流動性指数Sを5超15未満の範囲内に調整するための、好適な外添剤の使用量の範囲は、1.2質量%以上2.2質量%以下が好ましい。
〔キャリア〕
本発明の画像形成方法に好適に用いられるトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂を用いて被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルトのような粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウムとの合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金のような粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウムのようなセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩のような高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリアが挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は電子顕微鏡を用いて測定される粒子径で、20μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましい。
キャリアの見掛け密度、キャリアの組成や表面構造で異なるが、典型的には、2400kg/m以上3000kg/m以下が好ましい。
本発明の方法を用いて製造されるトナーを2成分現像剤として用いる場合、2成分現像剤中のトナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をこのような範囲内の量とすることで、形成画像の画像濃度を適度な水準に維持しやすく、現像装置からのトナー飛散が原因で生じる画像形成装置内部の汚染や、転写紙へのトナーの付着を抑制できる。
〔トナーの製造方法〕
以上説明した本発明の画像形成方法に用いられるトナーの製造方法は、結着樹脂中に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉のような成分を良好に分散させることができれば特に限定されず、従来知られるトナーの製造方法から適宜選択できる。好適な製造方法としては、例えば、結着樹脂と、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉のような成分とを、混合機を用いて混合した後、溶融混練し、得られた混練物を粉砕・分級することで製造できる。トナーの製造に用いる溶融混練装置は特に限定されず、熱可塑性樹脂の溶融混練に使用される装置から適宜選択できる。溶融混練装置の具体例としては、一軸又は二軸の押出機等が挙げられる。
このようにして調製されるトナーは、平均粒子径が6μm以上8μm以下である。トナーの平均粒子がこのような範囲内であれば、トナーの機器本体1a内への飛散や、転写チリの発生が抑制され、被記録媒体にトナーを効率よく転写することができる。トナーの平均粒子径が過小である場合、現像部71からトナーがすり抜けやすく、トナーが機器本体1a内に飛散しやすい。一方、トナーの平均粒子径が過大である場合、現像部71から供給されるトナーの量が多くなりやすい。
また、このようにして得られるトナーは、必要に応じて、その表面を、外添剤を用いて処理してもよい。外添剤を用いるトナーの処理方法は特に限定されず、従来知られる外添剤を用いる処理方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機を用いて、トナー母粒子に対する外添剤を用いる処理が行われる。
以下、実施例で本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例に基づいて何ら限定されるものではない。
[調製例1]
実施例、及び比較例の画像形成方法に用いる、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを、以下の方法に従って調製した。
〔ブラックトナーK−1〜K−5の調製〕
(トナー母粒子の調製)
ポリエステル樹脂(酸価:5.6mgKOH/g、融点:120℃)100質量部、カーボンブラック(MA−100(三菱化学株式会社製))5質量部、カルナバワックス(離型剤、カルナバワックス1号(加藤洋行株式会社製))5質量部、及び4級アンモニウム塩化合物(電荷制御剤、ボントロンP−51(オリヱント化学工業株式会社製))10質量部を、ヘンシェルミキサー(FM20C/I型(三井鉱山株式会社製))を用いて、回転速度2,500rpm、50℃、5分間混合した。次いで、得られた混合物を、2軸押出機(PCM−30(株式会社池貝製))を用いて、溶融混錬温度(シリンダー温度)100℃、回転数120rpm、処理速度100g/分の条件にて溶融混練した。得られた混練物を冷却後、機械式粉砕機(ターボミル(フロイント・ターボ株式会社製))を用いて粉砕した後、気流式分級機(エルボージェット(日鉄鉱業株式会社製))を用いて分級して、体積平均粒子径(D50)7.0μm、5μm以下の粒子が10個数%以下、平均円形度が0.93のトナー母粒子を得た。なお、トナー母粒子の平均円形度は、下記方法に従って測定した。
<平均円形度測定方法>
フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000(シスメックス株式会社製))を用いてトナー母粒子の平均円形度を測定した。23℃、60%RHの環境下において、円相当径0.60μm以上400μm以下の範囲のトナー母粒子について、トナー母粒子の粒子像と同じ投影面積を持つ円の円周の長さ(L)と、トナー母粒子の粒子投影像の外周の長さ(L)とを測定し、下式に従って円形度を求めた。測定したトナー母粒子の円形度の総和を、測定したトナー母粒子の粒子数で除した値を平均円形度とした。
(円形度算出式)
円形度a=L/L
(平均円形度の調整)
得られたトナー母粒子を、ハイブリダイザーNHS−1(株式会社奈良機械製作所製)を用い、表1に記載の処理条件で処理して、表1に記載の平均円形度のトナー母粒子を調製した。
(トナーの調製)
次いで、平均円形度が異なるそれぞれのトナー母粒子について、トナー母粒子100質量部と、外添剤として、シリカ微粒子(RA200(日本アエロジル株式会社製))1.5質量部とを、ヘンシェルミキサー(FM20C/I型(三井三池工業株式会社製))を用いて、回転数2,800rpmの条件で、5分間混合してブラックトナーK−1〜K−5を得た。
<第一凝集度A及び第二凝集度Bの測定>
得られたトナーは、下記工程に従って、第一凝集度Aと、第二凝集度Bとを測定した。第一凝集度A及び第二凝集度Bの測定結果を表1に記す。
1)篩別工程:
目開き45μmの篩上に目開き75μmの篩を重ねた後、目開き75μmの篩に、5g(T)のトナー試料を載せ、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、振幅1mm、振動時間10秒の条件で篩を振動させて、トナー試料を篩分けした。
2)凝集度測定工程:
篩分け後、目開き75μmの篩上に残ったトナーの質量Taと、目開き45μmの篩上に残ったトナーの質量Tbとを秤量し、TaのTに対する比率(質量%)である第一凝集度Aと、TbのTに対する比率(質量%)である第二凝集度Bとを算出した。
<流動性指数Sの算出>
測定した第一凝集度Aと、第二凝集度Bとから、下記式(iv)に従って流動性指数Sを算出した。算出した流動性指数Sを表1に記す。
S=(A×B)/(A+B)・・・(iv)
Figure 0005868829
〔イエロートナーY−1〜Y−5の調製〕
(トナー母粒子の調製)
カーボンブラック5質量部に変えて、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)5質量部を用いた他は、ブラックトナーと同様にしてイエロートナーY−1〜Y−5を得た。またブラックトナーと同様にして、第一凝集度A及び第二凝集度Bの測定と、流動性指数Sの算出とを行った。第一凝集度A、第二凝集度B、及び流動性指数Sを表2に記す。
Figure 0005868829
〔シアントナーC−1〜C−5の調製〕
(トナー母粒子の調製)
カーボンブラック5質量部に変えて、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)5質量部を用いた他は、ブラックトナーと同様にしてシアントナーC−1〜C−5を得た。またブラックトナーと同様にして、第一凝集度A及び第二凝集度Bの測定と、流動性指数Sの算出とを行った。第一凝集度A、第二凝集度B、及び流動性指数Sを表3に記す。
Figure 0005868829
〔マゼンタトナーM−1〜M−5の調製〕
(トナー母粒子の調製)
カーボンブラック5質量部に変えて、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)5質量部を用いた他は、ブラックトナーと同様にしてマゼンタトナーM−1〜M−5を得た。またブラックトナーと同様にして、第一凝集度A及び第二凝集度Bの測定と、流動性指数Sの算出とを行った。第一凝集度A、第二凝集度B、及び流動性指数Sを表4に記す。
Figure 0005868829
表1〜4によれば、トナー母粒子の平均円形度を調整することで、トナーの流動性指数Sを調整できることが分かる。トナー母粒子の平均円形度を大きくすれば、トナーの流動性指数Sを小さくすることができ、トナー母粒子の平均円形度を小さくすれば、トナーの流動性指数Sを大きくすることができた。
[参考例]
(外添剤の添加量を変更したトナーの調製)
上記調製例1のブラックトナーの調製の際に得られた、トナー母粒子(体積平均粒子径(D50)7.0μm、5μm以下の粒子が10個数%以下、平均円形度が0.93)100質量部と、外添剤として、表5に記載の量のシリカ微粒子(RA200(日本アエロジル株式会社製))とを、ヘンシェルミキサー(FM20C/I型(三井三池工業株式会社製))を用いて、回転数2,800rpmの条件で、5分間混合して、外添剤の添加量を変更したトナーを得た。
Figure 0005868829
表5によれば、外添剤の添加量を調整することで、トナーの流動性指数Sを調整することができることが分かる。外添剤の添加量を少なくすれば、トナーの流動性指数Sを大きくすることができ、外添剤の添加量を多くすれば、トナーの流動性指数Sを小さくすることができた。
[実施例1〜3、及び比較例1〜144]
実施例1〜3、及び比較例1〜144では、調製例1で調製したトナーと、図1に記載される画像形成ユニット7として、トナー像の転写順に、第1トナー用ユニット7a、第2トナー用ユニット7b、第3トナー用ユニット7c、第4トナー用ユニット7dを備える複合機(TASKalfa500ci(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)、印刷速度:40枚/分(カラー印刷時)、タッチダウン現像法)とを用いた。ユニット7a、7b、7c、及び7dに充填するトナーを、表6〜11に記載する。
≪評価≫
実施例1〜3、及び比較例1〜144に関して、以下の方法に従って、転写性の評価を行った。評価結果を表6〜11に記す。なお、転写性の評価については、以下の調製例3に従って調製された2成分現像剤を用いて評価を行った。
[調製例3]
〔2成分現像剤の調製〕
2成分現像剤中のトナーの含有量が10質量%となるように、トナーと、キャリア(EF96−45(パウダーテック株式会社製)、フェライトキャリア、飽和磁化:68Am/kg、平均粒子径:45μm)とを、ロッキングミキサ(RM10−2(愛知電機株式会社製))を用いて、60rpmの条件で、30分間混合し、2成分現像剤を得た。
<転写性>
ユニット7a、7b、7c、及び7dに、表6〜11に記載のトナーを用いて調製した2成分現像剤をそれぞれ充填し、ユニット7a、7b、7c、及び7dの各トナーコンテナに、表6〜11に記載のトナーをそれぞれ充填した。その後、100枚の被記録媒体について、ユニット7a、7b、7c、及び7dから転写されるソリッド画像のトナー像を、重ねて被記録媒体に転写して画像形成した。100枚の被記録媒体に画像形成した後、複合機の中間転写ベルト31に、ユニット7a、7b、7c、及び7dから重ねて転写されたソリッド画像のトナー像について、トナー載り量を測定した。このように、100枚の被記録媒体に画像形成した後、中間転写ベルト31に重ねて転写したトナー像のトナー載り量の測定を10回繰り返し、トナー載り量の平均値を求めた。転写性の評価は、下記基準に従い評価した。
○:トナー載り量の平均値が0.5mg/cm以上。
△:トナー載り量の平均値が0.4mg/cm以上、0.5mg/cm未満。
×:トナー載り量の平均値が0.4mg/cm未満。
Figure 0005868829
Figure 0005868829
Figure 0005868829
Figure 0005868829
Figure 0005868829
Figure 0005868829
実施例1〜3によれば、それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成する画像形成方法について、2以上のトナー像の形成に使用される複数のトナーとして、平均粒子径が6μm以上8μm以下で有り、且つ所定の工程に従って測定される第一凝集度Aと第二凝集度Bとが所定の関係を満たし、第一凝集度Aと第二凝集度Bとから所定の式に従って算出される流動性指数Sが所定の範囲内であるトナーを用い、2以上のトナー像を流動性指数Sに基づいて定められる所定の順番で被記録媒体に転写することで、中間転写ベルトに十分な量のトナーを供給できることが分かる。
1 カラープリンター
1a 機器本体
2 給紙部
3 画像形成部
31 中間転写ベルト
37 潜像担持部
38 露光部
39 帯電部
4 定着部
6 搬送ローラー
5 排紙部
7 画像形成ユニット
71 現像部
72 現像ローラー
8 クリーニング部
81 弾性ブレード
P 用紙

Claims (3)

  1. それぞれ異なるトナーを用いて形成される2以上のトナー像を、被記録媒体に重ねて転写して画像を形成する画像形成方法であって、
    前記2以上のトナー像の形成に使用される複数のトナーは、いずれも、トナー母粒子と、前記トナー母粒子に付着する外添剤とからなり、
    前記複数のトナーの平均粒子径は、いずれも、6μm以上8μm以下であり、
    前記複数のトナーにおける前記外添剤の含有量は、いずれも、前記トナー母粒子の質量100に対して1.2質量%以上2.2質量%以下であり、
    下記工程1)及び2):
    1)目開き45μmの篩上に目開き75μmの篩を重ねた後、目開き75μmの篩に、Tgのトナー試料を載せ、トナー試料を篩分けする、篩別工程、及び
    2)篩分け後、目開き75μmの篩上に残ったトナーの質量Taと、目開き45μmの篩上に残ったトナーの質量Tbとを秤量し、TaのTに対する比率(質量%)である第一凝集度Aと、TbのTに対する比率(質量%)である第二凝集度Bと、を算出する、凝集度測定工程、
    に従って測定される、第一凝集度Aと第二凝集度Bとについて、下式(i)〜(iii):
    10質量%<A<30質量%・・・(i)
    10質量%<B<50質量%・・・(ii)
    30質量%<A+B<60質量%・・・(iii)
    の関係を満たし、且つ、
    下式(iv):
    S=(A×B)/(A+B)
    に従って算出される、流動性指数Sが5超15未満であり、
    最初に転写されるトナー像が、最後に転写されるトナー像を形成するトナーよりも前記流動性指数Sが大きなトナーを用いて形成され、
    先に転写されるトナー像を形成するトナーの前記流動性指数Sが、次順に重ねて転写されるトナー像を形成するトナーの前記流動性指数S以上である、画像形成方法。
  2. 前記トナーの平均円形度が0.94以上0.96以下である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 画像形成に使用される画像形成装置が、
    潜像担持部と、
    前記潜像担持部の表面を帯電させるための帯電部と、
    帯電された前記潜像担持部の表面を露光して、前記潜像担持部の表面に静電潜像を形成する露光部と、
    それぞれ異なるトナーが充填されている、2以上の現像部と、
    前記トナー像を前記潜像担持部から被記録媒体へ転写するための転写部と、を備え、
    前記現像部が、前記潜像担持部の表面に非接触の状態で、前記潜像担持部の表面にトナーを供給する現像ローラーを備え、
    前記2以上のトナー像を形成するために使用されるトナーの種類の数と同数の前記現像部を用いて、前記2以上のトナー像を形成する、請求項1又は2に記載の画像形成方法。
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