JP5161352B2 - 親綱支柱 - Google Patents

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Description

本発明は、建設中の建造物等の鉄骨梁上や鉄骨梁間に渡された仮設通路上等を歩行する作業者の落下防止用として、該作業者の命綱を繋留するための親綱を通路沿いに張設するのに使用される親綱支柱に関する。
この種の親綱支柱は、角筒状の金属製の支柱本体と、該支柱本体の下端部に設けられるクランプ手段と、該支柱本体の上端部に設けられる親綱保持金具とを備えており、鉄骨梁を構成するH型鋼の水平張出エッジ等に前記クランプ手段を介して支柱本体を所定間隔を置いて立設し、これら支柱本体の上端部の親綱保持金具を利用して親綱を張り渡すようになっている。そして、前記クランプ手段には、支柱本体の下端部に外嵌してねじ止め固定される枠体に、支柱本体の前方へ突出する上下の顎部が一体形成され、その上側顎部に左右一対の締付ボルトが上下方向に螺挿され、これら締付ボルトの下端部と下側顎部との間で前記H型鋼の水平張出エッジ等を挟持するものが一般的に採用されている。また、近年においては、作業者の歩行幅を広くするために、クランプ手段と支柱本体下部との連結構造により、支柱本体を鉄骨梁の外側へ傾斜するように立設するようにしたものが一般化している(例えば、特許文献1〜3)。
このような親綱支柱の基本的な機能は、命綱を繋留した作業者が誤って落下した際に、その落下途上で作業者の体を親綱を介して支えて空中で落下停止させることにあり、そのために該親綱支柱そのものが大きな支持強度を有する必要がある。因みに、仮設工業会による親綱支柱の落下阻止性能試験では、水平に接地したH型鋼上に2本の親綱支柱を10mの間隔で立設し、両親綱支柱の親綱保持金具間に直径9mmのワイヤロープを緊張状態に張設し、このワイヤロープの中点に安全帯ロープを介して親綱治具に取り付けた85kgの重錘を自由落下させた際に、支柱各部の折損や亀裂、離脱、支柱の過度な変形(高さが70%以下に縮小する変形)を生じないことを認定条件としている。
加えて、この種の親綱支柱に要求される性能として、上記の支持強度にも関連するが、作業者の落下停止に伴う衝撃の吸収能に優れることが挙げられる。すなわち、この衝撃吸収能が低ければ、落下停止時に作業者が大きなダメージを受けることは勿論、衝撃で親綱支柱の各部の損傷や折損等を生じると、落下距離の拡大によって作業者の蒙るダメージが増し、著しい場合は鉄骨梁から親綱支柱が外れたり倒れたりして作業者の落下を止めることもできなくなる。しかして、この衝撃吸収については、親綱保持金具の基部にコイルスプリングを介在させたり(特許文献4)、親綱保持金具の金属線材をアーチ形に曲げて中間部で180度捩った形態として、その屈曲や引き延ばしによる変形量を大きくしたり(特許文献5)、親綱保持金具の台座部を一枚の金属板からハット型に成形して変形し易くする(特許文献6)等の提案がなされている。
特開平11−30043号公報 特開2000−34838号公報 特開2001−303770号公報 特開平6−58044号公報 特開平8−100535号公報 特開2004−211402号公報
しかるに、前記従来の親綱支柱における衝撃吸収は、専ら親綱保持金具部分の変形に依存しているため、親綱が張設方向に引っ張られる力には充分に作用しても、衝撃力の方向や負荷位置によっては効果的に作用しないことがある。すなわち、通行中の作業者が誤って落ちる際の状況は様々であるから、その体勢や落下方向によって親綱を介して支柱本体に加わる力の方向が変わる上、支柱本体に作業者の身体や持ち運んでいる器材が衝突したり、倒れ掛かった作業者がしがみつくこともあり、もって支柱本体に捩じれ方向の力が加わる場合も多々あるが、この捩じれ方向の力には親綱保持金具部分の変形では対応できない。また、従来の親綱支柱では、上記の捩じれ方向の力等でクランプ手段の一部が損傷した場合に、該クランプ手段の全体の交換を余儀なくされて保全コストが高くつくという問題もあった。
本発明は、上述の情況に鑑み、親綱支柱として、作業者の落下に伴って支柱本体に捩じれ方向の力が作用しても、その力を効果的に吸収でき、もって作業者が受けるダメージを軽減できると共に、落下衝撃で支柱本体が外れたり倒れたりする懸念がない上、保全コストを低減できるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る親綱支柱は、金属製の支柱本体1と、該支柱本体1の下端部に取り付けられる左右一対のクランプ金具2,2と、該支柱本体1の上端部に取り付けられる親綱保持金具3とを備え、親綱保持金具3は、支柱本体の上端部にねじ止めされる取付枠31と、一本の金属線材よりアーチ形に曲成され、その両側脚部32a,32aの下端側を該取付枠31に固着した係止枠32とからなり、該係止枠32が支柱本体1の上端部に跨嵌し、その両側脚部32a,32aの取付枠31に対する固着部33が支柱本体1の頂端から離間した低位に配置すると共に、これら両側脚部32a,32aの上端間を繋ぐ橋架部32bが該支柱本体1の頂端から離間した高位に配置する構造としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の親綱支柱において、各クランプ金具2は、支柱本体1の側面部に片面側を接合してねじ止めされる板状の取付片21と、該取付片21に固設され、支柱本体1への取付状態で当該支柱本体1から前方へ突出する上下の顎部22,23と、その上側顎部21に上下方向に螺挿貫通する締付ねじ軸24とからなり、両クランプ金具2,2の締付ねじ軸24,24の下端部と下側顎部23との間で支柱取付基体(鉄骨梁H)の水平部(上側張出エッジh1)を挟持することにより、該支柱取付基体に支柱本体1を立設するように構成されてなる。
請求項3の発明は、上記請求項1の親綱支柱において、親綱保持金具3は、係止枠32の両側脚部32a,32aと取付枠31との間に、親綱4及びその末端の繋留金具41が入り込み得る隙間を有しないものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1の親綱支柱において、親綱保持金具3は、取付枠31が一枚の金属帯板よりアーチ形に曲成され、その両側脚部31a,31aに係止枠32の両側脚部32a,32aの下端側が固着されると共に、該取付枠31の両側脚部31a,31aの上端間を繋ぐ橋架部31bと係止枠32の上部側とで環形を構成し、支柱本体1の上端部に跨嵌した取付枠31の両側脚部31a,31aで当該支柱本体1にねじ止めするように構成されてなる。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの親綱支柱において、支柱本体1は、略角筒状をなし、その四隅部11…が各々当該支柱本体1の全長にわたって横断面L字形に内側へ凹陥してなる構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれかの親綱支柱において、支柱本体1の下端部にパイプ状スペーサー5,5が内嵌され、該スペーサー5内部を通して支柱本体1と両クランプ金具2,2の取付片21とを貫通した取付ボルト6に、ナット7を螺合緊締することにより、両クランプ金具2,2が支柱本体1にねじ止めされるように構成されてなる。
次に、本発明の効果について図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る親綱支柱では、該親綱支柱の親綱保持金具3は、取付枠31に一本の金属線材よりアーチ形に曲成された係止枠32が固着一体化され、その取付枠31に対する係止枠32の両側脚部32a,32aの固着部が支柱本体1の頂端から離間した低位に配置すると共に、その上端の橋架部32bが該支柱本体1の頂端から離間した高位に配置しているから、該係止枠32が橋架部32bに沿う方向とこれに直交する方向のいずれにも大きく変形可能であり、作業者が誤って落下した際に、その落下停止に伴う衝撃を係止枠32の変形によって効率よく吸収し、もって作業者が受けるダメージを大幅に軽減でき、また取付枠31を介して支柱本体1にねじ止めするから、上記の衝撃吸収等で係止枠32が変形しても容易に新品と交換できる。
請求項2の発明によれば、上記親綱支柱のクランプ手段が左右一対のクランプ金具2,2より構成され、各クランプ金具2が支柱本体1の側面1b,1b部に板状の取付片21の片面側を接合してねじ止めされているから、作業者が誤って落下した際に支柱本体1に捩れ方向の力が加わった場合、その衝撃を各クランプ金具2における取付片21の曲がり変形によって吸収でき、もって落下停止に伴って作業者が受けるダメージを軽減できると共に、落下衝撃で支柱本体1が支柱取付基体(鉄骨梁H)から外れたり倒れたりする懸念がなく、それだけ安全性に優れる上、一方のクランプ金具2が損傷しても、それのみを新品と交換して他方のクランプ金具2を継続使用できるから、従来の親綱支柱に比較して保全コストを大幅に低減できるという利点がある。
請求項3の発明によれば、上記親綱支柱の親綱保持金具3は、係止枠32の両側脚部32a,32aと取付枠31との間に親綱4及びその末端の繋留金具41が入り込み得る隙間を有しないから、該親綱4の繋留位置が支柱本体1の頂端位置よりも高位になり、そのために作業者が誤って落下した際の該脚部32aの変形度合が大きくなって、それだけ衝撃吸収能が増す。
請求項4の発明によれば、上記親綱支柱の親綱保持金具3は、共にアーチ形に曲成された取付枠31と係止枠32を溶接一体化したものであるから、支柱本体1の上端部への取り付けに際し、該上端部に内側の取付枠31を跨嵌して簡単に位置決めでき、それだけ取付操作が容易になると共に、当該親綱保持金具3の製作も容易である。
請求項5の発明によれば、上記親綱支柱の支柱本体1は、略角筒状で四隅部11…が各々全長にわたって横断面L字形に内側へ凹陥しているから、補強リブ効果で耐曲げ強度が大きく、支柱としての支持強度に優れる一方、各隅部11が横断面L字形の角度を拡縮するように変形し易いため、側方から圧迫されたり、親綱4を介して過度な引張り力が作用した際、撓むように変形して衝撃を吸収できる。
請求項6の発明によれば、支柱本体1を貫通する取付ボルト6とナット7によって左右の両クランプ金具2,2を同時に取付固定できるから、親綱支柱の組立を能率よく行えると共に、該取付ボルト6を支柱本体1に内嵌したパイプ状スペーサー5に通すことから、該取付ボルト6とナット7を強く螺合緊締しても支柱本体1の下端側の変形を防止できるという利点がある。
以下、本発明に係る親綱支柱の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は親綱支柱P1の平行型の取付形態、図2及び図3は同じく直交型の取付形態、図4は同親綱支柱P1の側方及び正面からの外観、図5は同親綱支柱P1の下端側の側面、図6は同親綱支柱P1の底面、図7は同親綱支柱P1の組立状態及び分解状態の外観、図8は落下停止時の親綱保持金具の変形状態、図9は支柱本体の横断面とその変形状態、図10は捩じれ方向の衝撃によるクランプ金具の変形状態、図11は他の実施形態に係る親綱支柱P2の上部、をそれぞれ示す。
親綱支柱はP1は、アルミニウム押出型材の如き金属型材からなる支柱本体1と、該支柱本体1の下端部に取り付けられる左右一対のクランプ金具2,2と、該支柱本体1の上端部に取り付けられる親綱保持金具3とで構成されている。しかして、支柱本体1は、略角筒状で、その四隅部11…が当該支柱本体1の全長にわたって横断面L字形に内側へ凹陥して支柱内面側でリブ12…(図6,図9参照)を形成し、これによって断面形状が略十字形をなしており、その前側側面1aの下部寄り位置には幅広U字形に曲成した金属線材からなる把手13が縦向きに溶接固着されている。
各クランプ金具2は、略横向き凹字形の鋼板からなる取付片21の凹部側に、上下の顎部22,23を一体形成した側面視略横向きU字形の鉄鋼製の顎枠20が嵌合して溶接固着され、その上側顎部22に締付ねじ軸24が上下方向に螺挿貫通されてなる。しかして、上下の顎部22,23は、平面視略円形をなすが、取付片21の凹部側とは反対側の後端縁2aを垂直基準として、水平方向よりも先端側が低くなるように角度10°程度に緩傾斜している。また、締付ねじ軸24は、上側顎部22の緩傾斜した上面に対して垂直方向(取付片21の後端縁2aに対しては傾斜方向)に螺挿すると共に、その下端には円盤状の鉄鋼製皿板25が同心状にビス止めされている。
両クランプ金具2,2を支柱本体1の下端部に取り付けるには、図7(A)(B)に示すように、支柱本体1にパイプ状スペーサー5,5を内嵌させた上で、上下の顎部22,23を前向きとした両クランプ金具2,2の取付片21,21の片面側を、その各後端縁2aが支柱本体1の長手方向に沿う姿勢で支柱本体1の左右側面1b,1bにそれぞれ接合し、側方から取付ボルト6,6をパイプ状スペーサー5,5内を通るようにして両取付片21,21及び支柱本体1に貫通させ、その突出端にナット7,7を螺合して締め付ければよい。しかして、この取付状態において、各クランプ金具2は、取付片21の後端縁2aが支柱本体1の長手方向に沿う配置で、上下の顎部22,23が支柱本体1から前方へ突出すると共に、各締付ねじ軸24の軸方向が支柱本体1の長手方向に対して10°程度の角度をなしている。
親綱保持金具3は、略下向き開放コ字形に曲成した鉄鋼帯板からなる取付枠31に、一本の鉄鋼線材より下向き開放コ字形に曲成した係止枠32が外嵌した状態で、該係止枠32の両側脚部32a,32aの下端部が取付枠31の両側脚部31a,31aの下部に溶接固着されており、その固着部33,33が支柱本体1の頂端から離間した低位に配置している。また、係止枠32は、その橋架部32bが取付枠31の橋架部31bから離間した高位に配置することにより、上部側で矩形環30を構成すると共に、両側脚部32a,32aが該矩形環30より下部側で取付枠31の脚部31a,31aに隙間なく接している。一方、取付枠31は、その橋架部31bが中央側でやや凹んだ形で支柱本体1の上端開口の内側に適嵌し得る略十字形をなすと共に、両側脚部31a,31aの下端部が係止枠32の溶接固着した両側脚部32a,32aの下端よりも下方へ延出している。
親綱保持金具3を支柱本体1の下端部に取り付けるには、図7(A)(B)に示すように、その取付枠31を橋架部31bが左右方向に沿う向きで支柱本体1の上端部に跨嵌し、該取付枠31の脚部31a,31aの下方へ延出した下端部において、側方から取付ボルト8を両側脚部31a,31a及び支柱本体1に貫通させ、その突出端にナット9を螺合して締め付ければよい。
かくして、組み立てた親綱支柱P1は、その使用に際し、平行型と直交型の両方の取付形態に共用できる。まず、平行型の取付形態では、図1(A)(B)で示すように、支柱取付基体である水平配置した鉄骨梁Hの上下の張出エッジh1,h2の内、上側張出エッジh1に対してクランプ金具2,2の各々上下の顎部22,23間の凹部を横から嵌合し、2本の締付ねじ軸24,24を締め付けて、その下端の皿板25,25と下側顎部23,23との間で上側張出エッジh1を挟着固定する。これにより、支柱本体1は、クランプ金具2,2の各締付ねじ軸24との角度に対応して、図示の如くの垂直方向に対して10°程度に後傾した立設状態となる。かくして、同じ鉄骨梁H上に適当間隔を置いて親綱支柱P1…を同様にして立設し、これら親綱支柱P1…の親綱保持金具3…に親綱4の末端の繋留金具41を係止し、また中継点とし該親綱保持金具3に親綱4を通すことにより、該親綱4を鉄骨梁Hから外側(後方)へ少し離れた位置で当該鉄骨梁Hに沿って所定間隔を置いて高さに張設する。
一方、直交型の取付形態では、図2及び図3に示すように、並列する鉄骨梁H,H同士の通路をかけ渡す位置において、各鉄骨梁Hの上側張出エッジh1を既述同様にクランプ金具2,2で挟着固定して親綱支柱P1を立設し、これら親綱支柱P1,P1の親綱保持金具3,3間に親綱4を張設する。なお、親綱4を3カ所以上の親綱支柱P1…間にわたって張設する場合、中間の親綱支柱P1は中継点として該親綱4を親綱保持金具3に通す形になる。
しかして、各親綱支柱P1における親綱保持金具3は矩形環30よりも下位側で取付枠31と係止枠32の両側の脚部31a,32a同士が密接しているため、平行型と直交型のいずれの取付形態においても、親綱保持金具3に掛止した親綱4の繋留金具41ならびに中継点として該親綱保持金具3に通した親綱4は矩形環30部分つまり支柱本体1の頂端より上位に止まっている。なお、通路構成によっては、親綱4の一方又は両方の末端の繋留金具41を建物躯体側の柱等に設けた適当な親綱保持部に掛止する場合がある。
上記構成の親綱支柱P1によれば、平行型と直交型のいずれの取付形態においても、張設した親綱4に命綱を繋留した作業者が誤って落下した際に、その落下途上で作業者の身体が親綱4を介して空中で支えられて停止することになるが、この落下停止に伴う衝撃が当該親綱支柱P1の各部の変形によって吸収される結果、作業者の受けるダメージが軽減されると共に、支柱本体1が落下衝撃で鉄骨梁Hから外れたり倒れたりする懸念がなく、高い安全性が確保される。
すなわち、平行型の取付形態とした親綱支柱P1では、平常時には図8(A)の仮想線で示すように、親綱4の繋留金具41が親綱保持金具3の係止枠32の片側脚部32aに係止している。しかるに、誤って落下する作業者が空中で支えられて停止する際、同図の実線で示すように、親綱4が矢印a方向に引っ張られることにより、係止枠32は、片側脚部32aにおける下端の固着部33より上側部分が取付枠31の脚部31aから離れる形でく字形に屈曲すると共に、反対側の脚部32aの上部側も引張り方向に倒れるように屈曲し、もって矩形環30が崩れて引張り方向に大きく張り出すように変形し、この変形によって落下停止の衝撃が吸収される。また、直交型の取付形態とした親綱支柱P1では、平常時には図8(B)の仮想線で示すように親綱4の繋留金具41が親綱保持金具3の係止枠32の頂部、あるいは片側脚部32aの上部側に係止しているが、落下する作業者が空中で停止する際、親綱4が矢印b方向に引っ張られることにより、同図の実線で示すように係止枠32の全体が固着部33の上側で屈曲して引張り方向に張り出すように大きく変形し、もって同様に落下停止の衝撃が吸収される。
なお、このように親綱保持金具3における係止枠32の大きな変形を生じるのは、その両側脚部32a,32aが支柱本体1の頂端から離間した低位で取付枠31に固着し、且つ両側脚部32a,32aの上端が該支柱本体1の頂端から離間した高位にあるため、両側脚部32a,32aが長いことに加え、その両側脚部32a,32aと取付枠31との間に親綱4及びその末端の繋留金具41が入り込み得る隙間を有さず、該親綱4の繋留位置が支柱本体1の頂端位置よりも高位になることによる。
また、親綱支柱P1の支柱本体1は、図9(A)で示すように、略角筒状で四隅部11…が内側へ凹陥して内面側でリブ12…を形成しているから、耐曲げ強度が大きく支柱としての支持強度に優れるが、側方からの圧迫によって各隅部11が横断面L字形の角度を拡縮する形で変形し易くなっている。従って、作業者が倒れ掛かったり、器材が衝突したりして側方から圧迫された場合や、作業者の落下停止で親綱4を介して過度な引張り力が作用した場合に、同図(B)に示すように、矢印c方向を撓み方向として、圧縮側で隅部11,11の角度が狭まると同時に伸長側で同角度が拡がる形で、支柱本体1が撓み変形して衝撃を吸収する。
更に、支柱本体1を支持する各クランプ金具2は、該支柱本体1の側面に対して板状の取付片21の片面側を接合してねじ止めされているから、誤って落下する作業者が空中で支えられて停止する際、その落下方向や位置、作業者の体勢等により、例えば図10に示すように、該支柱本体1に矢印dの如く捩れ方向の力が加わると、各取付片21が曲がり変形して衝撃を吸収する。
加えて、この親綱支柱P1では、これを鉄骨梁H上に安定に立設するのに必要な2本の締付ねじ軸24,24が各々左右一対の独立したクランプ金具2に設けてあるから、一方のクランプ金具2の締付ねじ軸24や顎部22,23等が損傷しても、そのクランプ金具のみを新品と交換して他方のクランプ金具2を継続使用でき、もって従来の親綱支柱に比較して保全コストを大幅に低減できる。また、親綱保持金具3についても、取付枠31を介して支柱本体1にねじ止めする独立部材であるから、上記の衝撃吸収等で係止枠32が変形しても容易に新品と交換できる。そして、このように親綱支柱P1を構成する支柱本体1と、左右一対のクランプ金具2,2と、親綱保持金具3とが各々独立部材であることにより、これらを分離して嵩張らない状態で輸送や保管を行える。
一方、この親綱支柱P1の親綱保持金具3は、共にアーチ形に曲成された取付枠31と係止枠32を溶接一体化したものであるから、支柱本体1の上端部への取り付けに際し、該上端部に内側の取付枠31を跨嵌して簡単に位置決めでき、取付操作が容易になると共に、当該親綱保持金具3の製作も容易である。また、特に実施形態の構成では、支柱本体1を貫通する取付ボルト6とナット7によって左右の両クランプ金具2,2を同時に取付固定できるから、親綱支柱の組立を能率よく行えると共に、該取付ボルト6を支柱本体1に内嵌したパイプ状スペーサー5に通すことにより、該取付ボルト6とナット7を強く螺合緊締しても支柱本体1の下端側の変形を防止できる。
なお、親綱保持金具3の係止枠32は、前記実施形態では下向き開放コ字形をなすが、両側脚部32a,32aとその上端間を繋ぐ橋架部32bとでアーチ形になっておればよく、橋架部32bを非直線状としてもよい。従って、前記実施形態で該係止枠32が構成する矩形環30も種々の環形に変更できる。例えば、図11で示す親綱支柱P2では、親綱保持金具3の係止枠32が橋架部32bの中央にV字状の曲がり部34を有するから、誤って落下する作業者が空中で支えられて停止する際、親綱4が矢印a方向に引っ張られることにより、同図の仮想線で示すように、係止枠32が曲がり部34の引き伸ばしを伴ってより大きく張出変形し、もって落下停止の衝撃がいっそう効果的に吸収されることになる。
また、親綱保持金具3の取付枠31は、実施形態として例示したような下向き開放コ字形を含むアーチ形に限らず、支柱本体1の頂端に被冠させるキャップ形、同支柱本体1に外嵌する筒形やリング形等、種々の形状に設定できる。その他、本発明の親綱支柱の細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
本発明の一実施形態に係る親綱支柱の平行型の取付形態を示し、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 同親綱支柱の直交型の取付形態を示す斜視図である。 同直交型の取付形態の正面図である。 同親綱支柱の外観を示し、(A)は側面図、(B)は正面図である。 同親綱支柱の下端側の側面図である。 同親綱支柱の底面図である。 同親綱支柱のの外観を示し(A)は組立状態の斜視図、(B)は分解状態の斜視図である。 同親綱支柱による落下停止時の親綱保持金具の変形状態を示し、(A)は平行型の取付形態における上部の正面図、(B)は直交型の取付形態における上部の側面図である。 同親綱支柱の支柱本体の横断面を示し、(A)は変形前の横断面図、(B)は変形時の横断面図である。 同親綱支柱における捩じれ方向の衝撃によるクランプ金具の変形状態を示す底面図である。 本発明の他の実施形態に係る親綱支柱の上部の正面図である。
1 支柱本体
1a 前側側面
1b 左右側面
11 隅部
2 クランプ金具
21 取付片
22 上側顎部
23 下側顎部
24 締付ねじ軸
3 親綱保持金具
30 矩形環(環形)
31 取付枠
32 係止枠
32a 脚部
32b 橋架部
33 固着部
4 親綱
41 繋留具
H 鉄骨梁(支柱取付基体)
h1 上側張出エッジ(水平部)
P1,P2 親綱支柱

Claims (6)

  1. 金属製の支柱本体と、該支柱本体の下端部に取り付けられる左右一対のクランプ金具と、該支柱本体の上端部に取り付けられる親綱保持金具とを備え、
    前記の親綱保持金具は、支柱本体の上端部にねじ止めされる取付枠と、一本の金属線材よりアーチ形に曲成され、その両側脚部の下端側を該取付枠に固着した係止枠とからなり、該係止枠が支柱本体の上端部に跨嵌し、その両側脚部の前記取付枠に対する固着部が支柱本体の頂端から離間した低位に配置すると共に、これら両側脚部の上端間を繋ぐ橋架部が該支柱本体の頂端から離間した高位に配置する構造である親綱支柱。
  2. 前記の各クランプ金具は、支柱本体の側面部に片面側を接合してねじ止めされる板状の取付片と、該取付片に固設され、支柱本体への取付状態で当該支柱本体から前方へ突出する上下の顎部と、その上側顎部に上下方向に螺挿貫通する締付ねじ軸とからなり、
    両クランプ金具の締付ねじ軸の下端部と下側顎部との間で支柱取付基体の水平部を挟持することにより、支柱取付基体に支柱本体を立設するように構成されてなる請求項1に記載の親綱支柱。
  3. 親綱保持金具は、前記係止枠の両側脚部と前記取付枠との間に、親綱及びその末端の繋留金具が入り込み得る隙間を有しない請求項1に記載の親綱支柱。
  4. 親綱保持金具は、前記取付枠が一枚の金属帯板よりアーチ形に曲成され、その両側脚部に前記係止枠の両側脚部の下端側が固着されると共に、該取付枠の両側脚部の上端間を繋ぐ橋架部と前記係止枠の上部側とで環形を構成し、支柱本体の上端部に跨嵌した取付枠の両側脚部で当該支柱本体にねじ止めするように構成されてなる請求項1に記載の親綱支柱。
  5. 支柱本体は、略角筒状をなし、その四隅部が各々当該支柱本体の全長にわたって横断面L字形に内側へ凹陥してなる請求項1〜4のいずれかに記載の親綱支柱。
  6. 支柱本体の下端部にパイプ状スペーサーが内嵌され、該スペーサー内部を通して支柱本体と両クランプ金具の取付片とを貫通した取付ボルトに、ナットを螺合緊締することにより、両クランプ金具が支柱本体にねじ止めされるように構成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の親綱支柱。
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