JP3881649B2 - 親綱支柱 - Google Patents
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Description
上記従来の親綱支柱の下端に設けられているクランプ金具は、支柱本体の下端両側面に固着された2枚のコ字形側板と、2枚のコ字形側板間に固着された横板と、この横板を支柱本体と平行に上下方向に螺合貫通する2本のクランプ用ねじとからなっており、この2本のクランプ用ねじの締め付けによって、このクランプ用ねじの下端面とコ字形側板の下顎部上面とで鉄骨梁のフランジ部を上下から挟持して固着させていた。
また、従来の親綱支柱に用いられている支柱本体は、上端に係止される親綱を通して支柱本体に繰り返し作用する外力によって、支柱本体のクランプ金具の取付部位付近に曲げ応力が集中し、屈曲する場合があった。
また、前記支柱本体は、金属パイプで構成され、内部に補強部材が挿入されていてもよい。
前記支柱本体の補強部材は、金属パイプ、木材、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチックのいずれか1つ又はそれらの組み合わせで構成されていてもよい。
図1〜図6は本発明の親綱支柱1の第1実施形態を示すもので、支柱本体2と、支柱本体2の下部に嵌合された取付用パイプ12の両側に対称的に取付けられたクランプ金具4とを主たる構成部材としている。
上記支柱本体2は、図6に示すように、金属製の主パイプ2aと、該主パイプ2a内に二重に嵌合された金属製の第1及び第2の補強パイプ2b、2cとからなっている。第1の補強パイプ2bの外径は、主パイプ2aの内径より僅かに小さい。また、第1の補強パイプ2bの長さは、主パイプ2aの全長の約60%程度の長さとされている。この第1の補強パイプ2bは、主パイプ2a内にその下端付近から上方に向けて嵌合され、下端側で主パイプ2aに溶接固定されている。前記取付用パイプ12は、主パイプ2aにボルト14とナット15とによって結合されている。そのために、取付用パイプ12と主パイプ2aと第1の補強パイプ2bには、貫通孔13がパイプ軸線を横切って形成されている。また、第2の補強パイプ2cの外径は、第1の補強パイプ2bの内径より僅かに小さい。そして、第2の補強パイプ2cの長さは、主パイプ2aの全長の約20%程度の長さとされている。この第2の補強パイプ2cは、第1の補強パイプ2b内にその下端付近から上方に向けて嵌合され、その下端側において第1の補強パイプ2bに溶接固定されている。
前記各パイプ2a、2b、2cは、その下端側で溶接により結合されており、その他の部分では結合されておらず僅かな環状隙間をもって嵌合されている。その結果、主パイプ2aに対する負荷を第1の補強パイプ2b及び第2の補強パイプ2cに広く分散させて主パイプ2aが弯曲はするが、屈曲はしないようにしている。特に、第1の補強パイプ2bは、主パイプ2aの大部分を補強させるために用いられており、第2の補強パイプ2cは、取付用パイプ12を介して取付けられたクランプ金具4付近の主パイプ2aをさらに補強させて該クランプ金具4付近に作用する応力を広く分散させるために用いられている。
連結部材6は、図3に示すように、支柱本体2の上下方向に平行に形成されたねじ孔6aを有し、本実施形態においては、六角ナットで構成した場合を例示しているが、四角ナット又は一連の連続ブロック体に前記ねじ孔6aを設けたものでもよい。連結部材7は、クランプ金具4の両側2枚のコ字形側板5、5間を連結する板材で構成している。
取付用パイプ12は、支柱本体2の外径よりも若干大きい内径の金属製パイプが使用され、長さは、クランプ金具4のコ字形側板5、5’の上下方向寸法より若干長くされている。
本発明に係る親綱支柱1の第1実施形態の構成は、以上の通りであって、次に、該親綱支柱1の使用状態の動作機能を説明する。
図7及び図8は本発明の親綱支柱の第2実施形態を示す要部拡大縦断側面図及び要部拡大正面図である。
第2実施形態の親綱支柱1は、図7及び図8に示すように、支柱本体2と、支柱本体2の下部に鉄骨梁3のフランジ部3aへ挟持固着方式で取り付けるためのクランプ金具4を左右両側に突出させて対称に配置している。
連結部材6は、図7に示すように、支柱本体2の上下方向に平行に形成されたねじ孔6aを有する。連結部材7は、クランプ金具4の長くされた下顎部5bの前後方向のほぼ全長に亘る幅で左右2枚のコ字形側板5、5間を連結する板材で構成している。
締結部材8は、ねじ杆部を主体とし、上部に角形頭部8aが一体成形され、下端に押圧脚部8bが溶接で固着してあり、前記クランプ金具4の上顎部5a側の連結部材6のねじ孔6aに螺合貫通させてある。支柱本体2は、金属製の主パイプ2aで構成され、クランプ金具4が固着された下半部(本実施形態では図9に示すように、下端から約1/3の高さまで)に金属製の補強パイプ2dが圧入固着されている。この支柱本体2の上部には、図9に示すように、親綱の係止金具10が取り付けられている。この係止金具10は、支柱本体2の上部の左右両側及び前後両側に設けられている。
第2実施形態の構成は、以上の通りであって、次に、該親綱支柱1の使用状態の動作機能を説明する。
本発明の親綱支柱1は、支柱本体2の左右両側のクランプ金具4の締結部材8を緩めてねじ孔6aの上方へ移動させ、締結部材8の押圧脚部8bの下端面と下顎部5bの上面との間を大きく開口させておく。この状態で親綱11を張設しようとする作業現場の鉄骨梁3のフランジ部3aに上下顎部5a、5b間の開口最奥部が当接するまで嵌合し、締結部材8を強固に締め込んで、図7及び図8に示すように、締結部材8の押圧脚部8bの下端面と下顎部5bの上面とで該フランジ部3aを上下方向から挟持固着させて支柱本体2を鉄骨梁3のフランジ部3aに取り付ける。この支柱本体2の上部の係止金具10に親綱11を係止させ、図10の実線又は鎖線に示すように親綱11を張設する。
図11〜図13は本発明の親綱支柱の第3実施形態を示す要部拡大縦断側面図、正面図及び横断平面図である。
この第3実施形態の親綱支柱1は、図11及び図12に示すように、支柱本体2と、支柱本体2の下部に鉄骨梁3のフランジ部3aに挟持固着方式で取り付けるためのクランプ金具4を左右両外側に突出させて対称に配置している。
クランプ金具4は、図11及び図12に示すように、支柱本体2の下部両外側に溶接付け等で取り付けられている。このクランプ金具4は、図11及び図12に示すように、鉄骨梁3のフランジ部3aの肉厚寸法よりも大きい間隔で上下に対向する上下顎部5a、5bを有する内外2枚のコ字形側板5、5’と、これら両側の内外2枚のコ字形側板5、5’間の上顎部5a、5a間及び下顎部5b、5b間にそれぞれ固着された連結部材6、7とで構成されている。このクランプ金具4の上顎部5a側の連結部材6に鉄骨梁3のフランジ部3aの幅方向にずらせて複数本(図11は2本の場合を例示している)の締結部材8がそれぞれ螺合貫通して装着され、前記下顎部5bがこの締結部材8と対応する位置までフランジ部3aの幅方向に延長されている。
連結部材6は、図11に示すように、支柱本体2の上下方向に平行に形成されたねじ孔6aを有し、本実施形態においては、図13に示すように、円筒体で構成した場合を例示しているが、六角ナットや四角ナットで構成してもよい。連結部材7は、図11に示すように、クランプ金具4の長くされた下顎部5bの前後方向のほぼ全長に亘る幅で内外のコ字形側板5、5’間を連結する板材で構成した場合を例示している。
本発明の第3実施形態の親綱支柱1の構成は、以上の通りであって、該親綱支柱1の使用状態の動作機能は第2実施形態と同様であるが、支柱本体2を金属製の主パイプ2aで構成すると共に、該主パイプ2aの下端からクランプ金具4の取付部位より上方までの該主パイプ2a内に金属製補強パイプ2eと共に強靭で弾性変形可能な補強用芯材2fを設けてあるため、各方向の外力が作用した場合、補強用芯材2fがしなって曲げ応力を広く分散させて支持させることができ、支柱本体2が湾曲はするが屈曲はしないようにすることができる。
この第4実施形態では、支柱本体2の下部の左右両外側に内外2枚のコ字形側板5、5’を配置し、これら内外2枚のコ字形側板5、5’間及び内側2枚のコ字形側板5’、5’間にそれぞれ1本ずつ締結部材8を設けたものである。
上記内側2枚のコ字形側板5’、5’間の締結部材8は、図16に示すように、前記両側の内外2枚のコ字形側板5、5’間の締結部材8よりも支柱本体2から遠ざけて鉄骨梁3のフランジ部3aの幅方向にずらせて平面視で左右対称な二等辺三角形の頂点位置に配置してあり、これによって、支柱本体2に作用する左右方向の外力に対して、支柱本体2を鉄骨梁3のフランジ部3aに挟持固着させているクランプ金具4の支点・作用点間スパンを支柱本体2の左右両外側に拡大し、かつ、挟持点を鉄骨梁3のフランジ部3aの幅方向及び長手方向の3点としていることによって、支柱本体2に作用する鉄骨梁3の長手方向及びこれに直交する方向に親綱を張設した場合の外力に対しても、支点・作用点間スパンが拡大されており、クランプ金具4の支持力を増大することができ、部品点数及び着脱手数を必要最少限とした合理的な支持構造を提供することができる。特に、3本の締結部材8の配置を、図16に示すように、二等辺三角形の頂点位置に配置することによって、最少限の部品点数と着脱手数で、支柱本体2に作用するあらゆる方向の外力に対して、クランプ金具4の支持力を大幅に増大させることができ、極めて合理的である。
本発明の親綱支柱1の第4実施形態は以上の構成からなり、その動作は、第2、第3実施形態と大略同様であり、構造上では、部品点数の削減と着脱手数の削減が図れるため、第2、第3実施形態よりも合理的である。
2 支柱本体
3 鉄骨梁
3a フランジ部
4 クランプ金具
5、5’ コ字形側板
5a、5b 上下顎部
6、7 連結部材
8 締結部材
Claims (5)
- 上部に親綱の係止金具を設けた支柱本体と、該支柱本体の下部に設けられていて鉄骨梁のフランジ部へ締結部材によって挟持固着方式で取り付けるためのクランプ金具とからなり、
前記クランプ金具は、支柱本体の下部で該支柱本体を挟む両側に2枚を一対として固着されていて前記フランジ部に上下から対向する上下顎部を有する両側各一対のコ字形側板と、これら両側の各一対のコ字形側板間及び両側各対間のコ字形側板間の上顎部間及び下顎部間にそれぞれ固着された連結部材とで構成されており、前記上顎部側の各連結部材に前記締結部材がそれぞれ螺合貫通して装着され、かつ、前記両側各対間のコ字形側板間の締結部材を両側の各一対のコ字形側板間の締結部材よりも支柱本体から遠ざけて配置し、これによって、前記締結部材を平面視で二等辺三角形の各頂点位置に配置してあることを特徴とする親綱支柱。 - 前記クランプ金具は、支柱本体の下部に嵌合した取付用パイプに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の親綱支柱。
- 前記支柱本体は、金属パイプで構成され、内部に補強部材が挿入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の親綱支柱。
- 前記支柱本体の補強部材は、金属パイプ、木材、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチックのいずれか1つ又はそれらの組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の親綱支柱。
- 前記支柱本体の上部には、鉄骨梁の長手方向両側及び該方向と直交する方向両側のすくなくとも一方に親綱係止金具が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親綱支柱。
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