JPH11158819A - 構築物のケーブル補強構造 - Google Patents

構築物のケーブル補強構造

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JPH11158819A
JPH11158819A JP32299797A JP32299797A JPH11158819A JP H11158819 A JPH11158819 A JP H11158819A JP 32299797 A JP32299797 A JP 32299797A JP 32299797 A JP32299797 A JP 32299797A JP H11158819 A JPH11158819 A JP H11158819A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強部材の軽減化を図り低改善コストの下で
上部構造物の撓み耐久性を確立し、かつ向上させること
ができる構築物のケーブル補強構造の提供。 【解決手段】 立設される下部構造物2と、その上に横
設される上部構造物3と、上部構造物3の下面側に長手
方向に延在して付設され張力が導入されるケーブル5を
備える引張材4とにより構成される構築物1において、
ケーブル5の両端部を支持する定着金具8の前後両端部
に、ケーブル5に対する張力導入に伴って生じる応力を
上部構造物3の桁部材と定着金具8の軸板9との間にお
いてスムーズなベクトル変化で流動可能とするための緩
衝部13が一体に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋脚等の下部構造
物とその上に横設される橋桁等の上部構造物と、この上
部構造物の下面側に長手方向に延在して付設され張力が
導入されてなるケーブルを備える引張材とを含む構築物
に対する耐荷重性能を高めるケーブル補強構造に関し、
更に詳しくは、上部構造物に上方に反らせる内部圧縮力
を発生させ、かつ、この圧縮力に基づいて定着領域に生
じる集中応力をスムーズに分散させて、該定着領域での
補強部材を軽減しながら設計荷重に対する耐久性を向上
することができる構築物のケーブル補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種構築物の典型的な先行技術
が図9に図示される。この図に示される構築物1は、高
架道路であって、地盤18上に間隔をとって立設される
橋脚で実現される複数の下部構造物2と、それら下部構
造物2の上に単純に分割支持されて水平に配設されてな
る橋桁で実現される複数の上部構造物3とからなり、上
部構造物3は設計荷重である水平・垂直外力によって撓
み変位することが知られている。この設計荷重は、図1
0に示されるように供用期間中において例えば20ton
車両が限界であったものが、25ton 車両にまで範囲を
広げる等の変更を余儀なくされて増加することがあり、
また、上部構造物3が劣化・損傷したりして、その結
果、設計荷重が上部構造物3の耐力許容値を超えてしま
うことがあった。
【0003】このように、増加した設計荷重に対して現
実に対応させようとすると、上部構造物3をこの増加に
見合った新しいものに架け替えればよいが、これでは改
良のためのコストが非常に高くつく問題があるところか
ら、図11において左側の図面に示されるように、現状
の上部構造物3の耐久性を向上させるためとして、上部
構造物3の損傷補強用部材に引張材4を配設することに
よって、上部構造物3に上方に反らせる内部圧縮力を発
生させて撓み変位を低減させるようにした改良工法がと
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような引
張材4を配設した場合、図11乃至図13を参照して、
上部構造物3における定着金具8を中心としたその前後
に隣接する区域である定着金具領域S(図11参照)で
は、ケーブル張力導入に伴い生じる応力の流れA(図1
2(イ)参照)が、上部構造物3の桁部材と定着金具8
との間で上下方向に急角度に変化することになって、前
記桁部材の定着部と定着金具8前後端部には高い応力が
集中するために新たな補強構造を必要とし、従来は図1
2に示されるように複数のボルトが溶接固着されてなる
補強板20の数枚を桁部材に添設させており、従って、
この補強板20を取付けるための時間と工数の増大や、
また上部構造物3の重量増加の問題があった。
【0005】更に、図12(ロ)に示されるように、定
着金具8の断面斜線を付して示す軸板と前記桁部材の同
じく断面斜線を付して示す軸板とは、面がずれていて不
一致であることが殆どであるために、応力の流れB(図
12(ロ)参照)が左右幅方向にも急変することにな
り、これに対応する分の補強構造を必要として、補強板
20を更に増加する必要が生じる結果、具体的には、図
13を参照して歪曲、座屈等が起こらないようにするた
めに、補強板20をヒ字形状に添設させており、補強コ
ストの増加、上部構造物3の重量増加がより問題となっ
ていた。
【0006】一方、図14、15を参照して、上部構造
物3の下面側に付設した引張材4は、上部構造物3にお
ける重心を結ぶ長手方向の線との間の距離、即ち、偏心
距離が、撓み変形前ではe0 であったものが、設計荷重
Wが加わった際は、上部構造物3の撓み変形により、前
記偏心距離がe1 (<e0 )となり、その結果、上部構
造物3の撓み耐久性が低減する問題もあった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解消
するべく成されたものであり、従って本発明の目的は、
特に引張材に関係する定着金具領域における追加補強部
材の省略を含んだ軽減化を図り、また、上部構造物の変
形に対しても引張材の偏心距離の一定化を図って、低改
善コストの下で上部構造物の撓み耐久性を確立し、かつ
向上させることができる構築物のケーブル補強構造を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明における請求項1の発明に関しては、立設さ
れる下部構造物と、その上に横設される上部構造物と、
この上部構造物の下面側に長手方向に延在して付設され
張力が導入されてなるケーブルを備える引張材とを含む
構築物において、前記ケーブルの両端部を支持する定着
金具の前後両端部に、前記ケーブルに対する張力導入に
伴って生じる応力を上部構造物の桁部材と定着金具の軸
板との間においてスムーズなベクトル変化で転移可能と
するための緩衝部が一体に設けられてなることを特徴と
する構築物のケーブル補強構造である。
【0009】また、本発明における請求項2の発明は、
上記請求項1の発明に関して、前記定着金具が、その軸
板を前記上部構造物の桁部材の軸板を包含する垂直面に
合致させた配置で上部構造物の下面に取付けられてなる
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明における請求項3の発明は、
上記請求項1又は2の発明に関して、前記緩衝部が、前
記定着金具の軸板を包含する垂直面に合致させて該軸板
に一体に設けられた金属板から成り、前記軸板との境界
部分を底辺とし、前記上部構造物の桁部材の下面部に当
接させる辺縁部を直交辺とする略不等辺台形状に形成さ
れることを特徴とする。
【0011】また、本発明における請求項4の発明は、
上記請求項1、2又は3の発明に関して、前記引張材
が、前記定着金具間の中間位置において前記ケーブルの
中間部を支持するために前記上部構造物の下面に取付け
られる中間支持金具を備え、この中間支持金具により支
持されるケーブルが上部構造物の桁の重心に対する垂直
方向の偏心距離を所要値に確保し得るように形成される
ことを特徴とする。
【0012】このような本発明によれば、引張材を設け
て上部構造物に上方に反らせる内部圧縮力を発生させる
ようにしているために、上部構造物の撓み耐久性を向上
させて、損傷補強や変位低減のために有効に作用する。
【0013】請求項1の発明は、引張材の定着金具に緩
衝部を設けたことにより、引張材に関係する定着金具領
域における集中外力が緩衝部を介してスムーズに分散さ
れ、従って、定着金具領域の集中応力を緩和することが
できる。
【0014】請求項2の発明は、上記定着金具の軸板と
上部構造物の軸板とを共通の垂直面に合致させることに
より、集中外力が上部構造物の桁部材と定着金具の軸板
との間でスムーズに流れるようになって、定着金具領域
の集中応力をより一層緩和する作用を成す。
【0015】請求項3の発明は、緩衝部を略不等辺台形
状の金属板により形成したことにより、簡単な構造の定
着金具をベースとして単純構造になる緩衝部を付加する
だけの簡易な手段で効果的な集中応力緩和作用を発揮す
ることができ、上部構造物の軽重量を維持しながら改善
工事を短期間で迅速に施工することが可能である。
【0016】請求項4の発明は、上部構造物が荷重の負
荷によって撓み変形したとしても中間支持金具が偏心距
離を一定に保持するので、撓み耐久性を常時安定的に確
保する作用が成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1、図2及び図3には、本発明の実施形態に係る構築
物における定着金具取付け部の概要構造、ケーブルの構
造及び定着金具の構造がそれぞれ示される。
【0018】図1を参照して、図示しない地盤上に適宜
間隔を存して直立に設けられる各橋脚で実現される複数
の下部構造物2と、それらの上に水平に亘らせて直列に
配設される各橋桁で実現される複数の上部構造物3とか
らなる構築物としての高架道路1において、橋桁3に対
しその耐久性能向上のための損傷補強用部材として引張
材4が付設される。この引張材4は、橋桁3の長手方向
両端部において橋脚2により支承される個所に近い橋桁
下面部にそれぞれ固定された定着金具8と、この両定着
金具8に両端部分が支持されて橋桁3の下面側にその長
手方向に延在して張設されたケーブル5とを要素部材に
備える。
【0019】ケーブル5は、例えばPC鋼より線の複数
本を集束して形成される線束の両端に、キャップ6がそ
れぞれ固着一体化されてなる構造であって、引張荷重が
大きいケーブルが形成されており、通常、PC(Prestre
ssed Concrete)緊張材として使用されるケーブルに類似
した構造を有する。前記キャップ6は外周にねじが螺刻
されていて、該ねじにアンカーヘッド7を螺合させるよ
うになっている。
【0020】定着金具8は、取付け座部としての長方形
を成す鋼板製の取付基板10と、この取付基板10の長
手中心線に沿って直角方向に溶接等により一体に固着し
てT字状に突設させた同じく鋼板製の軸板9と、この軸
板9の取付基板10とは反対側の端縁部に接して溶接等
により一体に固着させた鋼管製の筒体11と、軸板9及
び筒体11の同じ側の一端部に固着させた端板12と、
詳細は後述するが軸板9の長手側両端部に一体的に張出
させてそれぞれ設けた鋼板製の緩衝部13とにより形成
される。
【0021】上記定着金具8は、前述のとおり橋桁3の
長手方向両端寄り部の下面側にそれぞれ固定されるが、
ケーブル5の両端のキャップ6を筒体11に挿通して、
図1に示されるようにこのキャップ6にアンカーヘッド
7を螺合し締め込ませることによって、ケーブル5は橋
桁3の下面側においてその長手方向に延在し、かつ、張
力が付与されて緊張する。この場合、複数本のケーブル
5を橋桁3幅方向に適宜間隔を存する並列に配置して緊
張状態下に張設することによって、橋桁3を全幅に亘り
均等に上方へ僅かに反らせることが可能であり、このよ
うに各ケーブル5に張力が導入されることによって橋桁
3には内部圧縮力が発生して、自重や活荷重の垂直方向
外力に対する撓み変形を小さくさせる橋桁を構成するこ
とができる。
【0022】定着金具8に一体に設けてなる前記緩衝部
13は、本発明に関して特徴を成す要素部材であり、図
1及び図3を参照して明らかな通り、定着金具8の長手
方向両端部において軸板9に連接して前・後方に延ばさ
れて設けられる。この緩衝部13は、軸板9の成形時に
同一鋼板によって一体に成形加工することが好ましく、
即ち、軸板9を包含する垂直面に合致して前後方に耳状
に延びる配置形態をとらせるものであって、定着金具8
を橋桁3の下面側にボルト締め等の固着手段によって取
付けた状態では、緩衝部13は軸板9と橋桁3の下面と
に当接して垂下する配置をとって、丁度ブラケットの筋
交いに似た形態となって配設されることになる。なお、
この緩衝部13の具体的な形態としては、軸板9との境
界部分を底辺とし、橋桁3の下面に当接させる辺縁部を
前記底辺に対し直交辺とする略不等辺台形状を成してい
る。
【0023】次に図1に基づき、本発明に係る上記実施
形態の作用について以下説明する。先ず、定着金具8を
橋桁3に取付けるに際して、図1(ロ)に示すように前
記軸板9が橋桁3の軸板19を包含する垂直面に合致し
た配置をとるように設けるものである。このようにして
定着金具8を取付けるとともに、これに支持されるケー
ブル5に所定の張力を加えると、橋桁3にはこれを上方
に僅かに反らせる内部圧縮力が働き、自重や活荷重の垂
直方向外力に対する撓み変形を小さくさせる橋桁が形成
される。この張力導入に伴って、橋桁3の定着金具領域
Sには応力が発生することは前述の通りである。この応
力は、軸板19内をケーブル5の緊張方向に平行に流れ
た後、方向を転じて定着金具8の軸板9内に流れ、次い
で軸板9内をケーブル5の緊張方向に平行に流れて、再
び方向を転じて軸板19内に流れるようになる。
【0024】この応力の流れの動態に対して本発明の実
施形態では、橋桁3と定着金具8の端部とに亘って前記
緩衝部13が配設されているため、軸板19内をケーブ
ル5の緊張方向に平行に流れる応力が下方向に急角度に
転向することなく、筋交い状の緩衝部13を通って変化
角度が小さいスムーズなベクトル変化で軸板9内に流
れ、また、軸板9内をケーブル5の緊張方向に平行に流
れる応力も筋交い状の緩衝部13を経て変化角度が小さ
いスムーズなベクトル変化で流れて軸板19内に転向す
る(図1のC参照)。その結果、定着金具領域Sでの応
力集中が緩衝されて、軸板19に局部的な歪曲や座屈が
発生するのを防止でき、追加補強部材が不要又は最小限
のもので済むことになる。なお、図1を参照して、略不
等辺台形状を成す前記緩衝部13における斜辺部と橋桁
3取付け面とが成す角度θは、45°以下の鋭角である
ことが好ましく、最適条件としては30°前後である。
【0025】更にこの実施形態では、橋桁3の軸板19
と定着金具8の軸板9とが同じ垂直面に合致するように
配置されることから、応力の流れD(図1(ロ)参照)
は一平面内での二次元的なしかも変化角度が小さいスム
ーズなベクトル変化で、軸板19→軸板9、軸板9→軸
板19に転移するようになり、かくして定着金具領域S
での応力集中がより一層緩衝され、追加補強部材が殆ど
不要となる。
【0026】次に図4に基づき本発明の今一つの実施形
態を説明する。この実施形態に係る引張材4には、橋桁
3の長手方向両端部に取付けられた定着金具8に加えて
中間支持金具14が備えられている。この中間支持金具
14は両定着金具8間の中間に、好ましくは等分する中
央に位置して橋桁3の下面に取付けられて、ケーブル5
の中間部を支持するように設けられる。中間支持金具1
4は、図15についての前述説明によって理解されると
ころであるが、橋桁3が設計荷重Wの負荷によって下向
きに湾曲した場合、両定着金具8の間で緊張しているケ
ーブル5と橋桁3の下面との間隔が橋桁3中央部で著し
く狭くなり、その結果、内部圧縮力の作用が減殺され撓
み耐久性能が低下するという問題があることに対処して
設けられたものである。
【0027】図7及び図8に本発明の各実施形態に係る
中間支持金具14の構造が示されるが、この中間支持金
具14は、厚鋼板製の軸板15と、この軸板15に直交
して一体に設けられる厚鋼板製のリブ板16と、軸板1
5の下端縁部に接して一体に設けられる鋼製の支持部1
7とにより形成されて、前記支持部17によりケーブル
5の中間部分を支承するようになっている。なお、図7
図示のものは、支持部17が緩やかな湾曲面の半円溝状
を成すケーブル受け部を持つ鞍座状に形成されて、例え
ば支持するケーブル5に対する曲げ角度が10°程度に
なるように支持金具の実効高さを設定しており、また、
図8図示のものは、支持部17が鋼管製で管内にケーブ
ル5が挿通されるようになっていて、例えば支持するケ
ーブル5に対する曲げ角度が0.5°程度になるように
支持金具の実効高さを設定している。
【0028】このように構成される実施形態では、図4
に示されるように橋桁3に設計荷重Wが作用して下向き
に撓んでも、橋桁3の中間部に取付けられた中間支持金
具14がケーブル5を下方に押し下げて、橋桁3の重心
を結ぶ長手方向の重心線Lとケーブル5との偏心距離e
2 を、常時e2 =e0 の一定に確保することが可能であ
り、従って、橋桁3の撓みには関係なく撓み耐久性能を
安定的に維持させることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面に基
づき説明する。図5及び図6には、本発明に係る他の実
施形態の構築物が立面図及び断面図で示される。両図を
参照して、上部構造物としての橋桁3は、橋長35m
で、全幅員9mである。従来の設計荷重20ton 車両を
限界としていたものが、新しく25ton 車両にまで増加
することに基づいて、橋桁3には桁下方に設計張力10
0ton を導入した引張材4を幅方向に中心と両端の3列
で張設している。この引張材4の導入によって、桁を下
から上方に押上げて撓み耐久性能面で補強している。こ
の場合、中間支持金具14の実効高さを適当値に選定す
るとともに、これに合わせて定着金具8におけるケーブ
ル支持角度を適宜設定することによって、ケーブル5を
橋桁3に対して任意の角度、方向に張設することがで
き、しかもケーブル5に無理な曲げを与えないようにす
ることができる。
【0030】なお、ケーブル5は、安全率ν=3とし
て、引張荷重Pu =322tfで、降伏荷重276tf
である。ケーブル5の構成は、PC鋼より線19.3mm
の7本束である。その断面積は、1706mm2 で、単重
が15.8kg/mで、弾性係数が19000kg/mm2であ
る。このケーブル5は、厚さ5mmのポリエチレン樹脂で
被覆されており、内部にグリース系防錆材を封入してい
る。また、ケーブル両端のキャップ6としては、圧着グ
リップが取付けられている。
【0031】一方、定着金具8は、材質SS400で厚
み28mmの一般構造用圧延鋼板と190mmの鋼管とによ
り形成し、その端部に水平方向長さ190mmの緩衝部1
3を設けている。また、定着金具8の軸板9は橋桁3の
軸板と共通面で合致するように中央部に取付けている。
【0032】以上のような補強構造を設けてなることに
よって、設計荷重5ton 増加に対して補強板の軽量化が
図れて、充分な撓み耐久性能を確保することができた。
即ち、本実施例の場合は、取付け寸法が1300mm×2
00mm×12mmの垂直補強材を4枚使用するだけで良く
て、重量増分100kgであるのに対して、図13に示さ
れる従来例では、取付け寸法が1300mm×200mm×
12mmの補強材を4枚と同じく1200mm×300mm×
12mmの補強材を6枚と10枚(重量増分300kg)を
必要としていて、この両者の比較から明らかなように本
実施例では、補強部材に関し取付け寸法で0.5まで縮
小し、重量で0.3まで軽量化が果たされる利点がある
ことを表している。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、
引張材の定着金具領域の集中応力が緩衝部によって分散
され緩和されるので、新たに設けられる緩和用の補強部
材を軽減し得る効果がある。さらに、定着金具の軸板を
前記上部構造物の桁部材の軸板が包含される垂直面に合
致させるように設けることによって、定着金具の集中応
力が軸板の軸心上で伝達されることから、緩和用の補強
部材をより一層軽減することができる。また、中間支持
金具を設けてなることによって、桁部材が設計荷重の負
荷によって湾曲するようなことがあっても、それに影響
されることなく桁部材の重心に対する偏心距離を常時一
定に保たせることができて、上部構造物の対荷重抵抗耐
力を安定的に確保し得る効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る構築物の定着金具取付
け部の概要構造を示し、(イ)は立面図、(ロ)は側面
図である。
【図2】本発明の実施形態に用いられるケーブルの平面
図である。
【図3】図1図示の実施形態に係る定着金具の構造図
で、(イ)は正面図、(ロ)は左側面図、(ハ)は右側
面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る構築物の撓み状態にお
ける立面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る構築物の立面図で
ある。
【図6】図5図示の構築物のE−E矢視線に沿う断面図
である。
【図7】図4図示の実施形態に係る中間支持金具の構造
図で、(イ)は正面図、(ロ)は右側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る中間支持金具の構
造図で、(イ)は正面図、(ロ)は右側面図である。
【図9】高架道路の略示立面図である。
【図10】高架道路の撓み現象の説明図である。
【図11】従来の高架道路における上部構造物の立面図
である。
【図12】従来の構築物における定着金具取付け部の概
要構造を示し、(イ)は立面図、(ロ)は側面図であ
る。
【図13】図11図示の上部構造物に用いられる補強部
材の取付け態様を示す立面図である。
【図14】従来の高架道路における上部構造物の非荷重
負荷時の立面図である。
【図15】従来の高架道路における上部構造物の荷重負
荷時の立面図である。
【符号の説明】
1…構築物 2…下部構造物 3…上
部構造物 4…引張材 5…ケーブル 6…キ
ャップ 7…アンカーヘッド 8…定着金具 9…軸
板 10…取付基板 11…筒体 12…
端板 13…緩衝部 14…中間支持金具 15…
軸板 16…リブ板 17…支持部 18…
地盤 19…軸板 20…補強板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立設される下部構造物と、その上に横設
    される上部構造物と、この上部構造物の下面側に長手方
    向に延在して付設され張力が導入されてなるケーブルを
    備える引張材とを含む構築物において、前記ケーブルの
    両端部を支持する定着金具の前後両端部に、前記ケーブ
    ルに対する張力導入に伴って生じる応力を上部構造物の
    桁部材と定着金具の軸板との間においてスムーズなベク
    トル変化で転移可能とするための緩衝部が一体に設けら
    れてなることを特徴とする構築物のケーブル補強構造。
  2. 【請求項2】 前記定着金具が、その軸板を前記上部構
    造物の桁部材の軸板を包含する垂直面に合致させた配置
    で上部構造物の下面に取付けられてなる請求項1記載構
    築物のケーブル補強構造。
  3. 【請求項3】 前記緩衝部が、前記定着金具の軸板を包
    含する垂直面に合致させて該軸板に一体に設けられた金
    属板から成り、前記軸板との境界部分を底辺とし、前記
    上部構造物の桁部材の下面部に当接させる辺縁部を直交
    辺とする略不等辺台形状に形成される請求項1又は2に
    記載の構築物のケーブル補強構造。
  4. 【請求項4】 前記引張材が、前記定着金具間の中間位
    置において前記ケーブルの中間部を支持するために前記
    上部構造物の下面に取付けられる中間支持金具を備え、
    この中間支持金具により支持されるケーブルが上部構造
    物の桁の重心に対する垂直方向の偏心距離を所要値に確
    保し得るように形成される請求項1、2又は3に記載の
    構築物のケーブル補強構造。
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