JP5158390B2 - 液状化防止工法 - Google Patents

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Description

本発明は液状化防止工法に関し、コロイダルシリカ系またはシリカゾル系の溶液型注入材に微細な気泡(マイクロバブル)を混入した薬液を注入材として地盤中に注入することにより、地盤の固結化と恒久的な不飽和化を実現することにより地盤の液状化を防止する。
一般に砂地盤は、地震などでせん断されると体積変化を引き起こし(ダイレタンス現象)、特に飽和したゆるい砂地盤は、排水等が良好な条件のもとでは排水して体積が減少する。一方、排水等が好ましくない条件のもとでは過剰間隙水圧が上昇し、これに伴い砂粒子間の有効応力が減少して砂の抵抗力が低下し、液状化が発生する。
従来、砂地盤の液状化防止工法としては、例えば、セメントミルクや恒久性に優れたシリカ系の水溶液型注入材を地盤中に注入して地盤を固結する方法 (特許文献1) や、微細な気泡を混入した水を地盤中に注入して砂の飽和度を低下させて液状化を防止する方法 (特許文献2) 等が提案されている。
前者の地盤を固結する方法は、恒久性にすぐれた溶液型注入材を地盤中に注入して地盤を固結する方法であり、特に既設構造物の周辺や直下での施工性にすぐれている。
また、後者の微細な気泡を混入した水を注入する方法は、水と空気を利用することから経済性にすぐれ、また充分な液状化強度を有する研究成果も示されている。
特開平11−279552号公報 特開平2−125013号公報
恒久グラウト注入工法、米倉亮三、島田俊介、木下吉友:山海堂,2000.8 気泡混入工法における原位置不飽和度評価法の検討:岩崎靖、諏訪裕哉、末政直晃、片田敏行
しかし、前者の地盤を固結する方法は、一軸圧縮強度によって液状化の判定を行うため、注入する薬液のシリカ濃度が重要になり、つまり特殊な材料を用いるため経済性が課題である。
一方、後者の微細な気泡を混入した水を注入する方法は、河川の堤防直下などのような地下水流がある場所では、注入された気泡が流出や拡散することにより、期待したほどの品質を確保、保持することができないことがある。
また、気泡を混入した注入材を注入する工法も提案されているが、既往の方では大気圧状態で混入するため薬液の空気溶存量が低く、所定の注入量を施工しても液状化防止効果を発揮する飽和度にすることは困難であった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、気泡を混入したシリカ系の薬液注入材を注入することにより、地盤の浸透性を恒久的に難透水化すると共に、不飽和を維持して液状化を防止できるようにした液状化防止工法を提供することを目的とするものである。
本発明の液状化防止工法は、長期耐久性を有するコロイダルシリカ系またはシリカゾル系の溶液型の薬液または当該薬液の希釈水に高濃度の気泡を高圧で混入することによりシリカ濃度1〜3%程度に調製されたシリカグラウトを作製し、当該シリカグラウトを地盤中に注入することにより地盤を不飽和化および固結化する液状化防止工法において、気泡を混入したシリカグラウトまたは気泡を混入しないシリカグラウトと、気泡を混入したマイクロバブル水を注入することにより地盤を不飽和化および固結化することを特徴とするものである。
本発明は、地盤中にシリカ系の薬液を注入して地盤を難透水化すると共に、微細な気泡(マイクロバブル)を混入することにより、地盤の飽和化を抑制して恒久的に液状化を防止しようとするものであり、特に既設構造物の周辺や直下、あるいは地下水流のある地盤の液状化防止策として適している。
本発明によれば、地盤中の砂粒子間に人工的に気泡をつくり不飽和化することにより、地震時などの繰り返しせん断荷重を受けても過剰間隙水圧の発生を防止することができ、これにより液状化を未然に防止することができる。
また、長期耐久性を有するコロイダルシリカまたはシリカゾル系の薬液を注入材として用いることにより地盤を難透水化することで、液状化を防止することができる。
地盤中に気泡を混入する方法としては、例えば、水に気泡を混入してバブル水を形成し、これを薬液と混合して薬液を所定のシリカ濃度に希釈して微細な気泡を混入した薬液注入材を作製し、これを地盤中に注入管を介して注入する方法や、薬液に気泡を直接混入して気泡を混入した薬液注入材を作製し、これを地盤中に注入管を介して注入する方法などがある。
さらに、改良範囲をあらかじめ水に気泡を混入したマイクロバブル水により不飽和化し、目標の飽和度になったことを確認した上で、気泡を混入した薬液を注入する方法もある。
なお、気泡の混入には、マイクロバブル発生装置(渦流ターボミキサー等) (例:(株)ニクニ、MBG20ND07ZE-1BE033)を利用し、加圧状態で行うことにより薬液または薬液を希釈するための希釈水に効率的に混入することができる。
特に、渦流ターボミキサーは、液体と気体を効率良く撹拌・混合・溶解させることができ、また、一台で吸引から混合・溶解〜圧送が可能であり、しかも非常に高圧なため、撹拌・混合によるシリカ溶液希釈水または希釈水のいずれか一方、または両方、或いは両者の混合液に微細気体を充分に溶解させることができる。
さらに、長距離輸送の後地盤中で解放することにより地盤中で微細気泡を発生させることができる。
また、薬液にはSiO2濃度が0.1〜4.0%に調整されたもの、非アルカリ性好ましくはさらにpHが8以下に調整されたものを使用するのが望ましい。又上記水に気泡を混入したマイクロバブル水において電解質を加えて、気泡を消滅しにくくすることもできる。
なお、薬液注入材は、シリカ濃度が調整された薬液にマイクロバブル発生装置において気泡を混入した希釈水を合流させることにより薬液に気泡を混入することにより製造することができる。
また、A液とB液の二液にそれぞれマイクロバブル発生装置において気泡を混入し、次にA液とB液を合流させることにより薬液に気泡を混入することもできる。さらに、高圧下で薬液に気泡を混入することにより、微細気体を充分に溶解させることができる。
本発明は、既設構造物の周辺や直下、あるいは地下水流のある地盤において、地盤中の砂粒子間に人工的に気泡をつくり不飽和化することにより、地震時などの繰り返しせん断荷重を受けても過剰間隙水圧の発生を防止することができ、液状化を未然に防止することができる。
また、長期耐久性にすぐれたコロイダルシリカまたはシリカゾル系の薬液を用いることにより地盤を難透水化することで、液状化を防止することができる。
気泡を混入した薬液注入材を注入した砂地盤の概念図である。 (a),(b)は、水の中と薬液の中にそれぞれ混入された気泡の状態を示す概念図である。 希釈式による薬液注入材の製造工程を示す概念図である。 (a)は、気泡混入式による薬液注入材の製造工程を示す概念図、(b)は二液混合式の薬液注入材の製造工程を示す概念図である。 加圧状態で薬液に気泡を混入する工程を示す概念図である。 シリカゾル製造プラントの概念図である。 活性複合シリカ製造プラントの概念図である。 ここで活性複合シリカとはコロイダルシリカと水ガラスと酸からなる非アルカリ性シリカ溶液をいう。 相対密度60%程度の豊浦砂に非アルカリ性シリカを注入したときのシリカ濃度と透水係数との関係を示すグラフである。 相対密度40%程度に調整した豊浦砂を98kPaの拘束圧下で繰返し非排水三軸試験を行った結果得られた繰返し回数とせん断応力比との関係を示すグラフである。 相対密度40%程度に調整した豊浦砂にシリカ濃度4%の非アルカリ性シリカを注入したときの養生期間と一軸圧縮強度との関係を示すグラフである。 φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、1回当たり800mlマイクロバブル水を注入した時の飽和度の分布を示すグラフである。 φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、1回当たり80mlマイクロバブル水を注入した時の注入回数と飽和度および液状化強度の関係を示すグラフである。 φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、様々な圧力下で製造したマイクロバブルを240ml注入した時の製造圧力と飽和度および液状化強度の関係を示すグラフである。 φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、様々なシリカ濃度の薬液に気泡を混入した場合としない場合のシリカ濃度と液状化強度の関係を示すグラフである。 シリカ溶液をゲル化させ、28日養生後のシリカ濃度と破壊ひずみの関係を示すグラフである。 マイクロバブル発生装置の概念図である。 供試体の固化後7日経過時の液状化実験を行った結果を示すグラフである。 供試体の作製後28日養生した後の液状化実験を行った結果を示すグラフである。 加圧された供試体の作製後28日養生した後の液状化実験を行った結果を示すグラフである。 水溶液中に溶解する二酸化炭素の溶解量を示す二酸化炭素吸収係数を示すグラフである。
以下、本発明を具体的に説明する。薬液には水ガラス系グラウト好ましくは恒久性にすぐれたコロイダルシリカ系またはシリカゾル系の溶液型薬液を用いる。
本発明に用いられる薬液は水ガラス、水ガラスの酸で除去した非アルカリ性水ガラス(シリカゾル)、コロイダルシリカ、或いはこれらを有効成分とする混合物である。上記におけるシリカコロイドは、粒径が5〜50mmの粒径の弱アルカリ性に安定させてなるコロイドである。また、水ガラス、あるいは水ガラスと酸を混合してなる酸性水ガラスをイオン交換樹脂やイオン交換膜で処理して得られる活性シリカでもよい。この活性シリカコロイドに水ガラス、酸あるいは塩を加えてなる活性シリカコロイド等である。
本発明におけるシリカコロイドは、液状のアルカリ金属シリカ塩水溶液(水ガラス)からアルカリ金属イオンのほとんどを除去して得られるものであって、例えば、ゼオライト系陽イオン交換体、アンモニウム系イオン交換体のイオン交換樹脂に水ガラスを通過させ、生成したシリカコロイドを80℃〜90℃の温度でさらに水ガラスに加え、再び上記イオン交換樹脂に通過してイオン交換を行って得られるものであり、比較的純粋な(希薄な)シリカコロイド(活性シリカコロイド)が得られる。
さらに、純粋なシリカコロイドを得るには、前述の希薄なシリカコロイドを微アルカリ性に調製し、これにさらに前述のシリカコロイドを加えながら蒸発し、安定化と濃縮を同時に行う方法、あるいはイオン交換後の活性シリカコロイドを適当なアルカリの下に加熱し、これにさらに活性シリカコロイドを加えて安定化する方法が用いられる。
本発明におけるシリカコロイド溶液は、Naイオンがほとんど分離除去されているため、通常pHが10以下の弱アルカリ性を示しており、Na2Oは0.2質量%〜4.0質量%の範囲にある。Na2Oは4質量%以上になるとシリカコロイドは溶けてしまい、ケイ酸塩の水溶液となってしまう。
一方、Na2Oが0.2質量%より少なくなるとシリカコロイドは安定して存在し得ず、凝集してしまう。すなわち、Na2Oが0.2質量%〜4.0質量%の範囲で、Naイオンがシリカコロイドの表面に分布して安定したコロイド状に保ち得る。
このようにして調製されたシリカコロイドは、ほとんど中性に近く、かつ、半永久的に安定しており、これを注入液として用いる場合、工場から現場への搬入ならびに注入操作の際にゲル化する心配がない。
このシリカのコロイド溶液をそのまま地盤中に注入してもそれ自体実用時間内にゲル化することはないので実用上の固結効果は得られない。
また、本発明の地盤注入剤は、さらにこれらの注入材を併用することもできる。水ガラスはシラノール基を多く含み、反応性が早いため、初期の強度発現が早い。しかし、シリカコロイドに比べNaを多く含み、ゲル化後、ゲル化物の収縮が起こる。
希釈式の場合、SiO2濃度が0.2〜8.0%に調整された薬液に気泡を混入した水を希釈水として用い、SiO2濃度が0.1〜4.0%となるように調整して注入する。
上記にて希釈水やシリカグラウトには塩等の電解質を含有させることができる。非アルカリ性シリカ溶液においては、塩が存在しても白濁して不均質なシリカを析出する必要はない(アルカリ性水ガラス溶液では塩はシリカと反応して不均質なシリカを析出する)このため塩によって気泡消滅を低減する事ができる。
また気泡を混入した水に電解質を含有せしめることにより気泡を長時間保持しやすくすることができる。シリカグラウトの主剤である水ガラスやコロイダルシリカ等のシリカ溶液もナトリウムを多く含む為、同様の働きをする。
また、気泡混入式では、SiO2濃度が0.1〜4.0%に調整された薬液に気泡を混入し、これを地盤中に注入する。注入材のpHが非アルカリ性、特に酸性領域に調整されたものを用いることにより、混入された気泡が安定した状態で保持される。
なお、薬液の気泡混入量は、いずれの方式においても注入された地盤の飽和度が97%以下となるように気泡の量を調節して作製する。
図1は、気泡を混入した薬液注入材を注入した砂地盤の概念図であり、砂地盤中において各砂粒子1と気泡2はシリカ皮膜3によって被服され、これらの粒子間は間隙水4で満たされている。
また、図2(a),(b)は、水の中と薬液の中にそれぞれ混入された気泡の状態を示す概念図であり、水の中の気泡は浮上すると共に容易に消滅してしまうが、薬液中の気泡は図1に図示するようにシリカ皮膜によって被覆されていることにより浮上しても容易に消滅することはない。このことは、シリカ溶液がゲル化することにより気泡2を保持しているものと考えられる。
図3と図4は、薬液注入材の製造工程を示し、このうち図3はシリカ濃度が調整された薬液にマイクロバブル発生装置5において気泡を混入した希釈水を薬液と合流させることにより薬液に気泡を混入する方式になっている。
この場合、希釈水は貯水タンク6からマイクロバブル発生装置5に送液ポンプ7によって送液され、マイクロバブル発生装置5において気泡が混入された後、薬液タンク8より送液ポンプ7によって送液された薬液としてのシリカ溶液(+反応剤)と合流し、注入管9を介して地盤中に注入される。
また、図4は、希釈式による薬液注入材の製造工程を示し、シリカ濃度が調整された薬液としてのシリカ溶液(+反応剤)にマイクロバブル発生装置5において気泡を混入する方式になっている。
さらに、図4(b)は、特に二液混合式の薬液注入材の製造工程を示し、A液とB液にそれぞれマイクロバブル発生装置5において気泡を混入する方式になっている。
この場合、シリカ溶液(A液)と反応剤(B液)の二つの薬液はそれぞれ薬液タンク8からマイクロバブル発生装置5に送液ポンプ7によって送液され、マイクロバブル発生装置5において気泡が混入されかつ合流した後、注入管9を介して地盤中に注入される。
また、図5は特に、高圧下(静水圧以上)で薬液注入材に気泡を混入する工程を示し、高圧タンク10内に薬液または水と気泡を送り込んで気泡を混入する方式になっている。図6はシリカゾル製造プラントの概念図であり、図7は、活性複合シリカの製造プラントの概念図である。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
図8は、相対密度60%程度の豊浦砂に非アルカリ性シリカを注入したときのシリカ濃度と透水係数との関係を示している。これよりある程度のシリカ濃度(0.1%以上)のシリカが充填されていれば充分な不透水性を示すといえる。
図9は、相対密度40%程度に調整した豊浦砂を98kPaの拘束圧下で繰返し非排水三軸試験を行った結果得られた繰返し回数とせん断応力比との関係を示している。なお、液状化強度は軸ひずみ両振幅が5%に達した時の値を用いている。図9並びに図12より、飽和度が97%以下であれば、高い液状化強度比を示す傾向にあるといえる。
図10は、相対密度40%程度に調整した豊浦砂にシリカ濃度4%の非アルカリ性シリカを注入したときの養生期間と一軸圧縮強度との関係を示している。これより、非アルカリ性シリカは充分な長期耐久性を保持するといえる。
図11は、φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、1回当たり800mlマイクロバブル水を注入した時の飽和度の分布を示している。マイクロバブル水を数回注入することにより目標の飽和度以下となることが確認できた。また図11より2回注入以上になると飽和度が97%以下になることが判る。
これは、一般的に知られている懸濁型注入材と同様に空気の粒子が砂によってフィルタリングしたためである。これより、従来の薬液注入の設計による注入量を注入しただけでは目標の飽和度に改良することは困難といえる。
図12と表-1は、φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、1回当たり80mlマイクロバブル水を注入した時の注入回数と飽和度および液状化強度の関係を示している。注入回数を増やすごとに飽和度は低下し、これに伴い液状化強度が増加する傾向を示すことが確認できた。
また、この図より飽和度が97%以下になれば液状化強度が大きくなることが判る。
Figure 0005158390
図13は、φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、様々な圧力下で製造したマイクロバブルを240ml注入した時の製造圧力と飽和度および液状化強度の関係を示している。バブル製造圧力を増やすほど飽和度は低下しやすく、これに伴い液状化強度が増加する傾向にあることが確認できた。
図14は、φ5cm×h100cmのカラムに間隙率が40%になるように豊浦砂を詰め、様々なシリカ濃度の薬液に気泡を混入した場合としない場合のシリカ濃度と液状化強度の関係を示している。なお、シリカバブルの製造圧力は400kPa、注入回数は3回とした。
液状化強度は、気泡の有無にかかわらずシリカ濃度の増加に伴い強くなる傾向にあり、また、特に低濃度においては同程度のシリカ濃度でも気泡を混入した供試体の方が大きな液状化強度を発揮する傾向にあることが確認できた。
次に、シリカ濃度の違いによるゲル性状(形状)の違いについて、シリカ濃度6%の薬液注入材を作製した後、水を希釈させて溶液中の薬液のシリカ濃度を変えてゲル化させ、その形状を観察した。
図15は、シリカ溶液をゲル化させ、28日養生後のシリカ濃度と破壊ひずみの関係を示し、表-2,表-3はシリカ濃度とゲルの状態について示している。これより、シリカゲルはシリカ濃度が低くなるほどホモゲル自体の強度は低くなるが、破壊ひずみが大きくなるか、あるいは、ゼリー状のゲルとなり、破壊を示すピークが現れることなくひずみが増大することが確認できた。
このような場合でもゲルが析出するシリカ濃度であれば、シリカ粒子の接着力が作用して、土粒子の骨格構造が維持される。シリカゲルはシリカ濃度2%程度でゆるいゲル状になり、0.1wt%以上で全量の水を包含する能力はないが、シリカゲルが析出し、土粒子間を結合するのに有効にはたらく。
Figure 0005158390
Figure 0005158390
また、希釈していない薬液注入材では固結したが、薬液1:水3で希釈されたものについては、水に近いゼリー状のゲルが形成された。薬液のシリカ濃度によってゲルの形状が異なった。
これより荷重に対して破壊することなく追随するためには、固結状態よりも粘性のあるゼリー状のゲルのほうが望ましい。また、シリカ濃度を1〜4%程度にすることにより、変形に追随するゼリー状のゲルを形成することができる。
図15は、ゲルに自立性のあるシリカ濃度3%と6%のホモゲルにおいて、養生28日後に行った一軸圧縮試験の結果を示している。これより、シリカ濃度6%では圧縮ひずみが3%で破壊し、強度低下がみられたが、シリカ濃度が3%では圧縮ひずみが12%程度のときに最大値を示し、その後も強度はほぼ一定となることが確認できた。
電解質濃度による気泡の保持時間の実験
純水、3%塩化カリウム水溶液、低濃度シリカ溶液(0.1%)、中濃度シリカ溶液(1%)において気泡を発生させ、気泡の保持時間を観察した。
配合液は工業用塩化カリウムおよびJIS3号水ガラス(比重1.4)、75%硫酸を希釈して調整した。それぞれの溶液中においてプロペラを旋回させてマイクロバブルを発生させた。上記において水ガラスも本発明の電解質とみなす。
旋回停止後において、液体の白濁がなくなるまでの時間を計測した。
比較例1-1;純水では気泡保持時間がほとんどなく、旋回停止後において液体の白濁がなくなったのに対し、比較例1-2;3%塩化カリウム水溶液、実施例1-1;低濃度シリカ溶液(0.1%)では白濁は5分以上維持し、実施例1-2;中濃度シリカ溶液(1%)において白濁は10分程度維持した。
これより、液体中に電解質や、水ガラス等のイオン価のあるものを多く含むものが気泡保持時間を長くできることが確認できた。ここで中濃度シリカとは1%〜4%、低濃度シリカは1%〜0.1%としている。
Figure 0005158390
気泡混入注入材の改良効果の実験
注入材として実施例1-2で使用したシリカ濃度(1%)溶液を用い、pH調整剤として硫酸pH7に調整し、ゲルタイムを30分に調整した。図16に示す装置において装置内の供試体11に豊浦砂をDr=60%となるようにタンクからそれぞれ注入した。注入時に気泡発生装置12により注入口13において気泡を発生させ、注入材内に気泡を混入した。そして、固化後7日経過時の液状化強度を測定した。
比較例2-1;として純水、比較例2-2;として気泡の混入していないシリカ濃度(1%)溶液、比較例2-3;として気泡水のみを同様の方法で実験した。結果を図15に示す。
Figure 0005158390
比較例2-1;純水に比べ比較例2-2;シリカ濃度(1%)溶液、比較例2-3;気泡水は液状化強度が大きく、実施例2-1;シリカ濃度(1%)溶液+気泡はそれらの相乗効果によりさらに液状化強度が上昇したことがわかる。さらに、供試体作製後28日養生した後の液状化実験を行った結果を図17に示す。
一般的に気泡は、長期においては、気泡と周辺の水との界面には水の表面張力が作用し、気泡の表面を小さくするように作用し、内部の気体を圧縮する力として機能する。その結果、気泡は圧縮されて消滅してしまう。
比較例2-3;の気泡水のみでは一ケ月後において気泡が消滅したことにより液状化強度が低下したことがわかる。
実施例2-1;シリカ濃度(1%)溶液+気泡は、液状化強度の低下はみられず、シリカ溶液がゲル化することにより気泡を保持していると考えられる。
気泡の圧力による調整
図16の気泡(マイクロバブル)発生装置を薬液タンク内に設置し、レギュレーター14により供試体12に作用する上載圧100kPa(10m相当)より高い圧力の400kPa で加圧しタンク内に気泡を発生させた後、供試体11中に注入した。
本実施例においては改良地盤中に所定の体積の二酸化炭素を発生させ不飽和化した。
本発明に用いられるマイクロバブル形成の為の気体は酸素、チッソ、空気、二酸化炭素等の様々な気体を用いることができる。その場合、気体の種類によって圧力、温度、体積の関係が異なる。また水溶液への溶解度も異なることを留意しなければならない。空気等の気体の混合物の場合、成分の気体ごとに圧力と体積の関係は異なる。
本実施例では取り扱いが比較的容易である二酸化炭素を使用した。
地盤の飽和度を下げる為には不飽和度に相当する量の二酸化炭素を発生させる必要がある。
二酸化炭素は可溶性である。水溶液中への二酸化炭素の溶解量(ガスボリューム)は温度と圧力により影響する。図20に二酸化炭素吸収係数表を示す。
20℃において上載圧が100kPaの地盤中においては地下水1Lあたり1.745Lの二酸化炭素が溶解する。
・体積 (L) = 水の体積 (L) × GV = 1 × 1.745= 1.745 L
20℃において400kPa加圧下のタンクにおいては水1Lあたり4.388Lの二酸化炭素が溶解する。
・体積 (L) = 水の体積 (L) × GV = 1 × 4.388= 4.388L
タンク内で溶解した二酸化炭素が地盤中に浸透することにより、圧力が下がり溶解している二酸化炭素が気体化したとかんがえられる。
配合は表-5の通りとし、実施例2の実施例2-1、及び比較例2-3の加圧しないで供試体を作成した場合と比較を行った。
Figure 0005158390
実施例2の実験結果より実施例2-1と比較すると実施例3-1において加圧することにより液状化強度が上がることがわかった。実施例2の実験結果、気泡混入のみの場合でも比較例2-3と比較すると比較例3-1において加圧することにより液状化強度が上がることがわかった。
これにより加圧することによりタンク内で気泡に作用していた圧力が供試体内部に注入することで、低下し内部圧力が低下することで気泡の保持時間を長くすることができたためと考えられる
本発明は、低濃度シリカによる固結化と気泡混入による不飽和化によって、特に大規模工事となる河川堤防、その周辺の既設構造物直下や周辺地盤等を経済的かつ恒久的に改良し液状化を防止することができる。

Claims (6)

  1. 長期耐久性を有するコロイダルシリカ系またはシリカゾル系の溶液型の薬液または当該薬液の希釈水に高濃度の気泡を高圧で混入することによりシリカ濃度1〜3%程度に調製されたシリカグラウトを作製し、当該シリカグラウトを地盤中に注入することにより地盤を不飽和化および固結化する液状化防止工法において、気泡を混入したシリカグラウトまたは気泡を混入しないシリカグラウトと、気泡を混入したマイクロバブル水を注入することにより地盤を不飽和化および固結化することを特徴とする液状化防止工法。
  2. 請求項1記載の液状化防止工法において、あらかじめ改良範囲をマイクロバブル水により不飽和化することを特徴とする液状化防止工法。
  3. 請求項1または2記載の液状化防止工法において、気泡を混入したシリカグラウトを複数回注入することを特徴とする液状化防止工法。
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の液状化防止工法において、シリカ濃度1%に調製されたシリカグラウトとマイクロバブル水を注入することを特徴とする液状化防止工法。
  5. 請求項1〜4のいずれかひとつに記載の液状化防止工法において、気泡を混入したマイクロバブル水は電解質を含有することを特徴とする液状化防止工法。
  6. 請求項1〜5のいずれかひとつに記載の液状化防止工法において、マイクロバブル発生装置は、渦流ターボミキサーであることを特徴とする液状化防止工法。
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