JP2012077307A - 地盤注入用グラウト材及び地盤注入工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、350〜750m2/gの範囲内の比表面積を有するシリカ粒子のゾルであって、50〜100%の範囲内のS値、5〜40cPの範囲内の粘度及びシリカとアルカリ金属のモル比がSiO2/M2O(式中、Mはアルカリ金属である)として10〜80の範囲内であるゾルを含有することを特徴とする地盤注入用グラウト材及び地盤注入工法である。また、この地盤注入用グラウト材には、ポリアクリル酸等の水溶性高分子を添加することが好ましい。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、350〜750m2/gの範囲内の比表面積を有するシリカ粒子のゾルであって、50〜100%の範囲内のS値、5〜40cPの範囲内の粘度及びシリカとアルカリ金属とのモル比がSiO2/M2Oとして10〜80の範囲内であるゾルを含有し、水溶性高分子を更に含有する地盤注入用グラウト材である。
ゾルは、少なくとも10重量%のシリカ粒子を含有することが好ましい。また、このゾルは、30〜65℃に加熱したアルカリ剤に活性珪酸水溶液を添加して粒子成長させ、30〜65℃の温度を保ったまま、溶液中のアルカリ金属の30〜70モル%がアルカリ金属塩となる量の無機酸を添加して得られるものであることが好ましい。
地盤注入用グラウト材に含まれる水溶性高分子は、ポリアクリル酸、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロックポリマー、ポリエチレンイミン及びスチレン−マレイン酸共重合体からなる群から選択されることが更に好ましく、重合度1,000〜20,000のポリアクリル酸であることが最も好ましい。地盤注入用グラウト材におけるポリアクリル酸の添加量は、ゾルに対して5〜30重量%であることが望ましい。また、シリカ粒子及び水溶性高分子は、地盤注入用グラウト材の総重量に対して、少なくとも10重量%含まれることが好ましい。
また、本発明は、上記地盤注入用グラウト材を地盤に注入する地盤注入工法である。
本発明の地盤注入用グラウト材に含有されるゾルは50〜100%、好適には70〜100%、望ましくは80〜100%の範囲内のS値を有し得るものがよい。このS値はIler & DaltonによりJ. Phys. Chem. 60(1956), 955-957に記載されており、以下の式に従って計算される。
S=P/{(0.00566P+C(1−0.00566P)}
P:シリカゾル100g当たりのSiO2含量(g)
C:分散相の容積率、無水SiO2粒子とその表面に固定された水の合計
なお、分散相の容積率(C)は以下の式に従いオストワルドピペットで測定した比粘度(Nr)を用いて計算される。
lnNr=2.5C/(1−1.43C)
Nr=d×t/(dw×tw)
(Nr:オストワルドピペットを用い25℃で測定した比粘度、d:コロイドの密度、t:コロイドの流出時間、dw:水の密度、tw:水の流出時間)
350〜750m2/gの範囲内の比表面積を有するシリカ粒子のゾルは安定性があり、このゾルは1ヶ月にわたって常温での貯蔵でも、粘度はごく小さい上昇を示すだけである。
本発明に使われるシリカ粒子のゾルは、ナトリウム水ガラス、すなわち珪酸ソーダのような通常のケイ酸塩水溶液を原料として製造される。珪酸ソーダは予めシリカ濃度3〜7重量%に希釈して、強酸性カチオン交換樹脂に接触させてナトリウムを除去して活性珪酸水溶液とする。活性珪酸水溶液はpH約2〜4であり、活性珪酸水溶液にアルカリ剤を添加してpH9〜10.5とし、30〜65℃に加熱して粒子成長(熟成)を行うか、又は、30〜65℃に加熱したアルカリ剤に活性珪酸水溶液を添加してpH9〜10.5とし、30〜65℃の温度を保持して粒子成長(熟成)を行う。アルカリ剤に活性珪酸水溶液を添加する場合は、活性珪酸水溶液の添加は1〜10時間かけてゆっくり行い、添加終了後も1時間以内の30〜65℃の加熱を続けて粒子成長(熟成)を行うことが好ましい。また、活性珪酸水溶液の添加によりpHが9〜10.5の範囲を外れることのないよう、活性珪酸水溶液の添加と並行してアルカリ剤をさらに添加することもできる。熟成終了後に30〜65℃の温度を保ったまま無機酸を添加して溶液を中和する工程を行う。この工程では、溶液中のアルカリ金属の30〜70モル%がアルカリ金属塩を生成するような量の無機酸を添加することが好ましい。無機酸添加後、1時間以内の30〜65℃の加熱を更に続けて熟成を行うことが好ましい。最後に限外ろ過を行って、ゾルの粘度が5〜40cPの範囲となるように濃縮を行い、シリカ濃度を10〜30重量%の範囲内で、本発明で使用するゾルを得る。ここで、アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、珪酸ソーダあるいはアルミン酸ソーダが使用でき、無機酸としては硫酸、塩酸、硝酸等が使用できる。
安定性のより高いゾルが得られるという理由から、30〜65℃に加熱したアルカリ剤に活性珪酸水溶液を添加して粒子成長させ、30〜65℃の温度を保ったまま、溶液中のアルカリ金属の30〜70モル%がアルカリ金属塩となる量の無機酸を添加する製法が好ましい。
*1.ゾル1;品名:シリカドール30、日本化学工業株式会社製、
*2.ゾル2;品名:シリカドール30S、日本化学工業株式会社製、
*3.ゾル3;高いS値を有するシリカ粒子ゾル
*4.ゾル4;低いS値を有するシリカ粒子ゾル
*5.水溶性高分子;試薬:ポリアクリル酸ナトリウム、和光純薬工業株式会社製
*6.リン酸;品名:75%リン酸、日本化学工業株式会社製
*7.水ガラス;品名:N特殊珪酸ソーダ、シリカ濃度23.6重量%、比重1.28、日本化学工業株式会社製
(ゾル3の調製)
水ガラス(SiO2/Na2Oのモル比3.23、シリカ濃度は27.1重量%)を水で希釈して、シリカ濃度3.5重量%の水ガラス希釈溶液600gを作製した。この水ガラス希釈溶液を攪拌下に加熱して50℃に保った。別途、上記と同様にしてシリカ濃度3.5重量%の水ガラス希釈溶液を作成し、予め水素型にしたカチオン交換樹脂(オルガノ株式会社製アンバーライトIR120B)を充填したカラムに流下させて、シリカ濃度3.0重量%でpH2.9の活性珪酸水溶液4400gを作成した。この活性珪酸水溶液を上記の水ガラス希釈溶液へ50℃を保ちつつ、一定流量で6時間を掛けて添加した。添加終了後、50℃を1時間保って熟成を行った。次いで、50℃を保ちつつ、5.0重量%の硫酸86.6gを一定流量で1時間を掛けて添加した。添加終了後、50℃を1時間保って熟成を行った。室温まで放冷後、ポンプ循環によりポリスルフォン製中空糸限外ろ過モジュール(旭化成株式会社製マイクローザUF SLP−1053型)に通過させて濃縮を行い、シリカ濃度20.0重量%のシリカ粒子のゾル3を作製した。
このゾル3は、原子吸光法でNa2Oを測定し、SiO2/Na2Oのモル比は45であり、B型粘度計による25℃の粘度は6.5cPであり、シアーズ法による比表面積は716m2/gであった。S値計算のため、pH2にした試料の粘度をオストワルドピペットを用いて測定し比粘度1.596という値を得た。比粘度とシリカ濃度よりS値を算出し、81.9%となった。
ゾル3の調製工程における、「5.0重量%の硫酸86.6gを一定流量で1時間を掛けて添加し、添加終了後、50℃を1時間保って熟成を行う」工程を行わずにシリカ粒子のゾルを作製した。
このゾル4は、原子吸光法でNa2Oを測定し、SiO2/Na2Oのモル比は45であり、B型粘度計による25℃の粘度は6.0cPであり、シアーズ法による比表面積は430m2/gであった。また、S値は30.9%となった。
圧縮強度の測定は、JIS−A−1216に準じた方法による一軸圧縮試験を行い、試料の作製は、薬液注入材の38.5〜40.5vol%と豊浦標準砂の59.5〜61.5vol%を均一混合させ、気泡が入らないようにしてモールド成型容器に詰めて固結させた後、養生し、脱型して半径50mm、高さ100mmの円柱状のサンドゲル硬化体を得る。そのサンドゲル硬化体の一軸圧縮強度の値を圧縮強度とし、材令7日で測定した。
Claims (7)
- 350〜750m2/gの範囲内の比表面積を有するシリカ粒子のゾルであって、50〜100%の範囲内のS値、5〜40cPの範囲内の粘度及びシリカとアルカリ金属とのモル比がSiO2/M2O(式中、Mはアルカリ金属である)として10〜80の範囲内であるゾルを含有し、水溶性高分子を更に含有することを特徴とする地盤注入用グラウト材。
- 前記ゾルが、少なくとも10重量%のシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の地盤注入用グラウト材。
- 前記ゾルが、30〜65℃に加熱したアルカリ剤に活性珪酸水溶液を添加して粒子成長させ、30〜65℃の温度を保ったまま、溶液中のアルカリ金属の30〜70モル%がアルカリ金属塩となる量の無機酸を添加して得られるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤注入用グラウト材。
- 前記水溶性高分子が、ポリアクリル酸、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロックポリマー、ポリエチレンイミン及びスチレン−マレイン酸共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の地盤注入用グラウト材。
- 前記シリカ粒子及び前記水溶性高分子の合計含有量が、前記地盤注入用グラウト材の総重量に対して、少なくとも10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の地盤注入用グラウト材。
- 前記水溶性高分子が、重合度1,000〜20,000のポリアクリル酸であり、前記ポリアクリル酸の添加量が、前記ゾルに対して5〜30重量%であることを特徴とする請求項1に記載の地盤注入用グラウト材。
- 請求項1〜6の何れか一項に記載の地盤注入用グラウト材を地盤に注入することを特徴とする地盤注入工法。
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