JP4679787B2 - 地盤注入用材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高モル比のシリカ溶液を基盤とし、広範囲にわたってゲル化時間を調整し得る地盤注入用材に係り、特に液状化防止注入工事で長時間連続注入による大容量土地盤改良を可能にし、しかも比較的高強度、低収縮性でかつ、水質保全性に優れた地盤注入用材に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱地盤等を固結する地盤注入用材として、従来、水ガラスを主材とした注入用材、水ガラスと酸からなる酸性シリカゾルを主材とした注入用材等が知られている。これらの注入用材は浸透性、収縮性の面から、さらには環境保全面から改良の余地が残されている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
本発明は水ガラス系グラウトの出発点を根本的に見直して高モル比のシリカ溶液を基盤とすることによって、従来技術の欠点を極力軽減せんとするものである。すなわち、本発明は従来の水ガラスをそのまま利用するのではなく、水ガラス中の陽イオンを極力除去して高モル比とした「シリカ溶液」なるものに主眼をおき、水ガラス中の陽イオンの除去の程度、除去の方法、pHの調整、他の反応剤の作用等を勘案しながらシリカ溶液を利用して地盤注入用液を得るものである。
【0004】
そこで、本発明の目的は高モル比のシリカ溶液を基盤として広範囲にわたってゲル化時間を調整し得、特に、液状化防止注入工事で長時間連続注入による大容量土地盤改良を可能にし、しかも、比較的高強度、低収縮性で、かつ、水質保全性にも優れ、上述の公知技術に存する欠点を改良した地盤注入用材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明によれば、水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液を主材とすることを特徴とし、あるいは水ガラスを脱アルカリ処理して酸性領域のシリカ溶液とし、これにアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域としたシリカ溶液を主材とすることを特徴とする。
【0006】
さらに、上述の目的を達成するため、本発明によれば、水ガラスとコロイダルシリカを混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液からなることを特徴とする。あるいは水ガラスと、コロイダルシリカとを、SiO2 濃度が3〜13%および全SiO2 中のコロイダルシリカに由来するSiO2 量が1〜50%となるように混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液からなることを特徴とする。あるいはさらに、水ガラスと、コロイダルシリカと、水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液とをSiO2 濃度が3〜13%、および全SiO2 中のコロイダルシリカおよび水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液に由来するSiO2 量が1〜50%となるように混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液からなることを特徴とする。
【0007】
さらにまた、上述の目的を達成するため、本発明によれば、水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液、または水ガラスを脱アルカリ処理して酸性領域のシリカ溶液とし、これにアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域としたシリカ溶液を、それぞれ再度脱アルカリ処理して得られる脱アルカリシリカ溶液を主材としてなることを特徴とする。
【0008】
さらに、上述の目的を達成するため、本発明によれば、次の(A)〜(C)に示されるアルカリ性シリカ溶液を脱アルカリ処理して得られる脱アルカリシリカ溶液を主材としてなることを特徴とする。
【0009】
(A)水ガラスと、コロイダルシリカとを混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液。
【0010】
(B)水ガラスとコロイダルシリカとを、SiO2 濃度が3〜13%となるように、かつ全SiO2 中のコロイダルシリカに由来するSiO2 量が1〜50%となるように混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液。
【0011】
(C)水ガラスと、コロイダルシリカと、水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液とを、SiO2 濃度が3〜13%になるように、かつ、全SiO2 中のコロイダルシリカおよび水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液に由来するSiO2 量が1〜50%となるように混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に詳述する。
【0013】
本発明において、脱アルカリ処理とは、例えば水ガラス中の陽イオン(Naイオン)を除去する処理であって、具体的には陽イオン交換樹脂による処理および電解透析処理が用いられる。
【0014】
前者の陽イオン交換樹脂による処理は縦長塔式の中に陽イオン交換樹脂を充填し、この中に溶液を通過させ、溶液と樹脂とを接触させることにより溶液中の陽イオンを除去する処理である。この他に、攪拌機の稼動、加圧空気の圧入等により樹脂との接触を図る方式も多く採用されている。
【0015】
後者の電解透析処理は陰、陽イオン交換膜を交互に配列し、両端に一対の電極を挿入した電解透析槽に溶液を充填し、直流電流を通電することにより溶液中の陽イオンを除去する処理である。
【0016】
本発明の特徴は上述脱アルカリ処理された水ガラスを基盤とした地盤注入用材であって、以下、これら注入用材をそれぞれ個々に具体的に詳述する。
【0017】
(1)水ガラスを脱アルカリ処理してNaイオンを除去し、広範囲にわたるpH値とする。
【0018】
このシリカ溶液はpH値が大きいほど、かつ、SiO2 含有量が少ない(水ガラス濃度が薄い)ほど、ゲル化時間は長く浸透性に優れるが、固結強度は比較的弱くなる。一方、pH値が小さく、SiO2 含有量が多くなるほど、当然前述と逆の現象を呈する。
【0019】
(2)水ガラスを脱アルカリ処理して酸性領域とし、これにアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域としたシリカ溶液を主材とする。
【0020】
水ガラスを脱アルカリ処理して得られるシリカ溶液において、高強度のシリカ溶液を得るためには、当然、SiO2 濃度を高くすることが必要である。SiO2 濃度を高くすれはゲル化は早まり、また、高アルカリ、すなわち、Naイオンを少量除去した高pH値の場合には、脱アルカリの効果は少なく、逆に、Naイオンを多量に除去した低pH値の場合には、ゲル化が早まる。
【0021】
上述の本発明にかかるシリカ溶液は水ガラスを脱アルカリ処理して酸性に至らしめた、それ自体では比較的ゲル化の早い酸性シリカ溶液にアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域とし、これにより比較的低pH値で、しかも比較的高濃度の安定化されたシリカ溶液である。
【0022】
このようにして得られるシリカ溶液はSiO2 が比較的高濃度であって、しかも、中性付近でゲル化時間が長く、安定である。これは酸性シリカ溶液とアルカリ材の反応によって均質なオリゴマーを形成して安定な状態が保たれるためと考えられる。
【0023】
(3)水ガラスと、コロイダルシリカ、あるいは、水ガラスと、コロイダルシリカと、シリカ溶液を混合して得られるそれ自体ゲル化しないアルカリ性シリカ溶液。
【0024】
上述コロイダルシリカは水ガラスを脱アルカリ処理して酸性シリカ溶液とし、これにアルカリ類を添加してpH8.5〜10程度のアルカリ性に調整の後、加熱、造粒、濃縮して得られる半永久的に安定化されたコロイド状物質である。
【0025】
本発明者らは上述のコロイダルシリカと水ガラス、あるいは上述コロイダルシリカと、水ガラスと、上述(1)で得られたシリカ溶液をそれぞれ混合してこれら混合液がゲル化しない安定な状態を維持する条件について検討し、次の結果を得た。
【0026】
まず、コロイダルシリカと、水ガラスの混合液、あるいはコロイダルシリカと、水ガラスと、上記(1)で得られたシリカ溶液との混合液を、これら混合液のSiO2 濃度が3〜13%程度に希釈することである。
【0027】
さらに、コロイダルシリカと、水ガラスの混合液の場合、全SiO2 のうち、コロイダルシリカに由来するSiO2 量が1〜50%、好ましくは3〜50%の範囲になるように調整することである。
【0028】
これは水ガラス量に対するコロイダルシリカ量が少ない場合であるが、逆に、水ガラス量に対するコロイダルシリカ量が多い場合にも安定化領域が存在する。この領域は水ガラスやコロイダルシリカの種類によって左右されるので一義的には決められないが、全SiO2 量中のコロイダルシリカに由来するSiO2 量がほぼ90%以上であるように思われる。
【0029】
また、コロイダルシリカと、水ガラスと、上記(1)で得られたシリカ溶液との混合液の場合、全SiO2 量のうち、コロイダルシリカとシリカ溶液に由来するSiO2 量を1〜50%、好ましくは3〜50%の範囲になるように調整することであり、これにより混合液はほぼ安定化される。この場合、コロイダルシリカとシリカ溶液の配合比率はコロイダルシリカやシリカ溶液の種類によって左右されるが、シリカ溶液に由来するSiO2 量をほぼ50%以下に保つことが望ましい。
【0030】
上述の条件を満たした混合液はそれ自体ほとんど半永久的にゲル化しない安定なアルカリ性シリカ溶液となる。このようにして得られるアルカリ性シリカ溶液はコロイダルシリカやシリカ溶液の一部が水ガラスのアルカリによって溶解し、これを構成するシリカの粒径がコロイダルシリカの粒径から、水ガラスのシリカのようにほとんど珪酸分子の粒径までに分布したシリカ溶液となる。さらに、このアルカリ性シリカ溶液は高モル比のシリカ溶液であって、モル比が水ガラスのそれよりも高く、コロイダルシリカよりも低い。
【0031】
水ガラスと、コロイダルシリカの混合液、あるいは水ガラスと、コロイダルシリカと、シリカ溶液の混合液の場合、前者のコロイダルシリカに由来するSiO2 量あるいは後者のコロイダルシリカとシリカ溶液に由来するSiO2 量が50%よりも多いと、ゲル化による固結物の初期強度が小さく、また、1%よりも小さいと、固結物の初期強度は大きいものの、長期強度が低く、かつ耐久性も劣る。また、土中ゲル化時間も短縮される。
【0032】
水ガラス量に対してコロイダルシリカ量を多くして安定化を図った場合には、ゲル化による固結物は初期強度が非常に低く、通常のグラウトとしては好ましくないが、土中ゲル化時間は長く維持することができ、液状化防止用グラウトとしては充分に使用できる。
【0033】
(4)上述(1)および(2)で得られたシリカ溶液、あるいは上述(3)で得られたアルカリ性シリカ溶液を、それぞれ、さらに脱アルカリ処理して得られる脱アルカリシリカ溶液を主材とする。
【0034】
上述(1)〜(3)におけるシリカ溶液あるいはアルカリ性シリカ溶液の調整に際し、脱アルカリ処理は通常比較的大きな生産設備を必要とし、操業、生産管理が充分に行き届きにくく、トラブルの原因ともなる。また多量の陽イオン交換樹脂や陰・陽イオン交換膜ならびにその再生、洗浄処理を必要とし、このため、工事現場での操業はいささか困難で、かつ非能率的であることを免れない。したがって、この脱アルカリ処理は生産工場で行うことが望ましい。
【0035】
しかし、この脱アルカリ処理された上記(1)、(2)のシリカ溶液、および水ガラスとコロイダルシリカまたは水ガラスとコロイダルシリカと上記(1)のシリカ溶液の混合からなる上記(3)のアルカリ性シリカ溶液はすでに大半のアルカリが除去されているので、これらの再度の脱アルカリ処理は少量の陽イオン交換樹脂、陰・陽イオン交換膜の使用で、比較的簡単に、小規模に工事現場で製造、管理することが充分可能である。
【0036】
一般に、水ガラスのpHを低下させるには、水ガラスに酸を加えて中和反応を起こし、pHをアルカリ〜中性〜酸性にする。この場合水ガラスはアルカリ〜中性領域でも極めて不安定で部分ゲルや急激なゲル化が生じ易い。これに対して上記の方法はゲル化しにくい安定したシリカ溶液が得られるところに特徴がある。
【0037】
その理由は前者は水ガラス中のアルカリ金属塩や酸根等の反応生成物がイオンとして多く残存しているのに対して、上記の方法では酸根、Naイオン共に大幅に低減しているためと考えられる。また、Na2 Oの含有量が少ないので耐久性に富み、SiO2 の溶出は殆どなく、環境負荷の小さい公害の心配のない理想的な注入材である。
【0038】
(5)上記(1)および(2)のシリカ溶液、さらにこれらをそれぞれ再度脱アルカリ処理して得られる脱アルカリ溶液に反応剤を添加する。
【0039】
上述(1)および(2)の処理により得られるシリカ溶液にさらに反応剤を加えてゲル化時間の調整、強度の増強等をはかることもできる。反応剤としては通常の酸、アルカリ、塩の他にコロイダルシリカ、セメント、スラグ等の一種または複数種から選択して添加する。なお、反応剤として酸性反応剤を用いて溶液を酸性〜中世に調整すると、種々の著しい効果を発揮する場合がある。
【0040】
(6)コロイダルシリカを含む混合液を脱アルカリ処理して得られる脱アルカリシリカ溶液を主材とする。
【0041】
上記(3)により得られる水ガラスとコロイダルシリカの混合、または水ガラスとコロイダルシリカと上記(1)のシリカ溶液の混合からなるアルカリ性シリカ溶液、およびこれらのアルカリ性シリカ溶液を再度脱アルカリ処理した脱アルカリシリカ溶液はそのまま地盤注入用材として地盤に注入できる。
【0042】
これらの脱アルカリシリカ溶液にさらに反応剤を加えてゲル化時間の調整、強度の増強等をはかることもできる。
反応剤としては、硫酸、リン酸、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、有機酸(クエン酸、コハク酸、酢酸等)等、水溶液中で酸性を呈する各種酸性反応剤、アルカリ金属塩、アルカリ土金属塩等の無機塩類、セメント、スラグ、石灰類、石膏等が挙げられる。
【0043】
例えば、アルカリ性シリカ溶液に酸性反応剤を添加して該溶液を酸性〜中性領域に調整して所定のゲル化時間を有するグラウトとすることができる。この場合、酸性反応剤として硫酸のような強酸を使わなくても、リン酸、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、有機酸等を用い、これにより、土中におけるゲル化時間の短縮が非常に小さく、かつ固結強度にも優れ、広範囲にわたる地盤注入用固結材として、特に液状化防止用固結材として優れたものを得ることができる。
【0044】
さらに、アルカリ性シリカ溶液、あるいは脱アルカリシリカ溶液に比較的少量の各種反応剤を添加することにより、広範囲にわたるゲル化時間、特にゲル化時間が長く、しかも土中でゲル化時間の短縮の少ない固結材とすることができる。この場合、得られる固結材は浸透性に優れ、かつ、固結物の耐久性にも優れ、シリカ濃度が希薄なわりには強度が高く、強度発現が早い。
【0045】
反応剤の添加量は、従来の水ガラスや酸性シリカゾルに対して添加する添加量よりも極端に少量ですむという利点がある。以上のシリカ溶液を主材とした地盤固結材は浸透性が良く、高強度で、広範囲にわたる地盤への注入に適し、かつNaイオン、酸根の含有量が非常に少ないので環境保全面からも好ましい。
【0046】
【発明の実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0047】
1.使用材料
(1)水ガラス
通常の水ガラスとして次の(a)のJIS3号水ガラス、高モル比水ガラスとして次の(b)の5号水ガラスを使用。
(a)JIS3号水ガラス:比重(20℃)1.39、SiO2 29.2%、Na2 O9.5%、モル比3.17。
(b)5号水ガラス:比重(20℃)1.32、SiO2 25.5%、Na2 O7.03%、モル比3.75。
【0048】
(2)酸性シリカ溶液
17.5%及び22.1%のJIS3号水ガラス水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製、アンバーライトIR−120B)の充填された塔に通液して脱アルカリされた次の(a)及び(b)に示す酸性シリカ溶液を使用。
(a)SiO2 4.6%、pH2.7、ゲル化時間(20℃)50〜60時間。
(b)SiO2 5.8%、pH3.0、ゲル化時間(20℃)25〜30時間。
【0049】
(3)コロイダルシリカ
上記酸性シリカ溶液(b)をアルカリ水中に投入してSiO2 濃度4%、pH9に調整の後、90℃の温度に加熱しながら2時間攪拌してコロイダルシリカ母液を得た。この母液を濃縮してSiO2 の含量が20%(No.1)と30.1%(No.2)のコロイダルシリカを得た。これらコロイダルシリカの平均粒径は4ミリミクロンおよび15ミクロンであり、半永久的にゲル化することはない。その性状を次に示す。
【0050】
コロイダルシリカNo.1
比重 1.20、SiO2 30.1%、pH9.8、平均粒子径15μm。
【0051】
コロイダルシリカNo.2
比重 1.13、SiO2 20.0%、pH10.1、平均粒子径4μm。
【0052】
(4)反応剤
(a)リン酸:75%工業用リン酸 H3 PO4
(b)炭酸水素ナトリウム:試薬一級 NaHCO3
(c)硫酸水素ナトリウム:試薬一級 NaHSO4
(d)リン酸水素二ナトリウム:Na2 HPO4 ・12H2 O
(e)リン酸二水素ナトリウム:NaH2 PO4 ・2H2 O
(f)ピロリン酸ナトリウム:Na4 P2 O7 ・10H2 O
(g)ヘキサメタリン酸ナトリウム:(NaPO3)6
【0053】
(5)セメント:ポルトランンドセメント
【0054】
(6)スラグ:高炉スラグ
【0055】
(7)硫酸:75%工業用硫酸 H2 SO4
【0056】
(8)酸性シリカゾル
3号水ガラス24g、硫酸5g、水71gからなるpH2.3、ゲル化時間(20℃)25〜30時間の酸性シリカゾル
【0057】
(9)砂
細砂として豊浦砂、シルト質砂として千葉県産海砂を使用。
【0058】
2.測定法
(1)サンドゲル一軸圧縮強度
豊浦砂によるサンドゲルをポリ塩化ビニリデンに密閉養生(20℃)して土質工学会基準「土の一軸圧縮試験方法」により測定。
【0059】
(2)ゲル化時間
(a)ホモゲルのゲル化時間
20℃の温度でカップ倒立法により測定。
(b)土中ゲル化時間
20℃の温度でグラウト液を砂と混合、静止し、上澄を捨て、砂に竹串を刺して引き抜き、跡が残ったときを土中ゲル化時間として測定。
【0060】
(3)pH
ガラス電極pH計で測定。
【0061】
(4)粘性
B型粘度計で粘度が100cpsを越えるまで測定。
【0062】
(5)ホモゲルの収縮率(%)
密閉容器中で1ヶ月後の離漿水の量から算出した。
【0063】
3.実施例および比較例
(1)水ガラスを脱アルカリしたシリカ溶液
(a)陽イオン交換樹脂処理
JIS3号水ガラスの水溶液を陽イオン交換樹脂と接触処理して得られる。水ガラス水溶液の濃度と陽イオン交換樹脂量に対応する混合処理液(シリカ溶液)のpH、ゲル化時間、SiO2 濃度を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1からSiO2 が濃厚な場合(水ガラス濃度が濃いとき)ではpHを中性近辺まで低下せしめると(実施例NO.4) ゲル化時間は速く不安定となる。しかし、SiO2 濃度が希薄になれば中性から酸性にかけてかなり安定している。(実施例NO.9,10)即ち、一定量の陽イオン交換樹脂に対して水ガラス濃度が濃厚な場合は被処理量は少なく、アルカリ領域では安定であるが、中性に近づくにしたがって不安定となる。水ガラス濃度を希薄にすれば被処理量は多くなり、中性近辺でもさらに酸性領域においてもかなり安定化してくる。
【0066】
(b)電解透析処理
陰・陽両イオン交換膜を4枚づつ交互に配置した電解透析槽を用い、各種濃度の水ガラス水溶液について3A/dm2の直流電流を通電し、適当なpHに達したところで透析を中止した。処理された水ガラス水溶液(シリカ溶液)のpH、ゲル化時間、SiO2 濃度を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
水ガラスの濃度、処理後のpH、ゲル化時間の相互関係は陽イオン交換樹脂処理の場合と大差なく、ほぼ類似した傾向をとっていることがわかる。
【0069】
(2)水ガラスを脱アルカリ処理した酸性領域の酸性シリカ溶液にアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域としたシリカ溶液。
【0070】
アルカリ材として3号水ガラス、コロイダルシリカ、炭酸水素ナトリウムおよび水ガラス中の一部を脱アルカリ処理したアルカリ性のシリカ溶液を使用して酸性シリカ溶液(a)に添加した。pH、ゲル化時間およびSiO2 濃度を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
表3から一般にSiO2 濃度をもとの酸性シリカ溶液より大きくして、しかも弱アルカリ〜中性領域で充分安定したシリカ溶液とすることが可能である。
【0073】
(3)水ガラスとコロイダルシリカ或いは水ガラスとコロイダルシリカと上記(1)の水ガラスを脱アルカリした酸性シリカ溶液を混合してなるアルカリ性シリカ溶液。
【0074】
混合割合と混合液のSiO2 濃度、コロイダルシリカ或いはコロイダルシリカと酸性シリカ溶液に由来するSiO2 量(%)と安定性を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】
表4からアルカリ性シリカ溶液中のSiO2 濃度が約13%を境として、これ以下ではゲル化せず半永久的に安定である。従って、これらアルカリ性シリカ溶液は長期間保存が可能でグラウト原料と同様に取り扱うことができ、工場から注入現場へ搬入することも可能である。
【0077】
13%以上の比較例3では、4〜5ヶ月後には半ゲル化状態を呈するようになる。また、比較例3では、コロイダルシリカに由来するSiO2 量も本発明の範囲を越えており、反応剤によってゲル化させた場合、強度発現が遅いという欠点が現れる。したがって、SiO2 濃度がほぼ13%以下であればほとんどの場合、安定したアルカリ性シリカ溶液を得ることができる。
【0078】
比較例1、2ではコロイダルシリカに由来するSiO2 濃度が1%以下、また、比較例1ではさらに全SiO2 量も3%以下で、本発明の範囲外の値となっている。これらは勿論ゲル化することなく安定である。しかし後述する如く、反応剤の添加によって得られる固結物は極めて軟弱となり、SiO2 濃度が3%近辺を境として、それ以下では著しく強度が低下する。
【0079】
実施例28は実施例27までとは逆に、コロイダルシリカが多量で安定化している例である。実施例29は酸性シリカ溶液を少量混入せしめて安定化している例である。この場合、コロイダルシリカと酸性シリカ溶液に由来するSiO2 量は21.4%で50%以下となっている。
【0080】
(4)上記(1)の水ガラスを脱アルカリしたシリカ溶液および上記(2)の水ガラスを脱アルカリ処理して酸性領域にしたシリカ溶液にアルカリ材を添加して中性〜アルカリ性領域としたシリカ溶液を再度脱アルカリ処理した脱アルカリシリカ溶液。
【0081】
水ガラスを脱アルカリ処理したシリカ溶液、またはこのシリカ溶液にアルカリ材を添加したシリカ溶液を陽イオン交換樹脂処理またはイオン交換膜を隔膜とした電解透析処理によって再度脱アルカリ処理を行う。
【0082】
(a)陽イオン交換樹脂処理
陽イオン交換樹脂の一定量に対して被処理シリカ溶液の一例についてその処理量と処理後のpH、ゲル化時間、SiO2 濃度を表5に示す。
【0083】
【表5】
【0084】
被処理シリカ溶液のpH、SiO2 濃度によって処理量は当然変化するが、表1と比較して処理量は非常に多量である。被処理シリカ溶液において中性近辺の実施例NO.9(pH7.3、SiO2 2.6%)の他にSiO2 量の多い実施例NO.21(pH7.1、SiO2 5.93%)の場合は、特に多量処理できる。また、コロイダルシリカ(pH9.8、SiO2 30.1%)の2倍希釈液の場合でもNaが少ないのでSiO2 の濃度は大きいにもかかわらず、実施例NO.2,12 の被処理シリカ溶液の場合に比敵する以上の多量が処理できていることがわかる。このようにイオン交換樹脂量に対して処理できる量が非常に多量であることは、処理装置が小規模で済むことである。したがって、樹脂の再生は行わず、生産工場で再生処理したカートリッジの交換で単純に工事現場で実施することが可能である。
【0085】
(b)電解透析処理
陰・陽両イオン交換膜をそれぞれ2枚ずつ交互に配置した電解透析槽により、表5で用いた被処理シリカ溶液について電流密度3A/dm2で透析を行い、適当なpHに達したときに透析を中止した。透析処理後の処理液のpH、ゲル化時間、SiO2 濃度を表6に示す。
【0086】
【表6】
【0087】
陽イオン交換樹脂処理の表5と比較して同じような傾向を示すが、全般にゲル化時間は若干長いようである。前回のイオン交換樹脂処理と同様、処理装置は小規模でイオン交換膜数も少なくて充分な処理能力が得られる。また、生産工場で洗浄済のイオン交換膜を装備したカートリッジの交換で単純に工事現場で実施することも可能である。
【0088】
(5)上記(3)の水ガラスとコロイダルシリカ、あるいは水ガラスとコロイダルシリカと上記(1)の水ガラスを脱アルカリ処理した酸性シリカ溶液を混合してなるアルカリ性シリカ溶液を再度脱アルカリ処理して脱アルカリシリカ溶液を得る。
【0089】
表4の実施例25で得たアルカリ性シリカ溶液5,000mlを陽イオン交換樹脂900mlで混合処理してpH3.5の脱アルカリシリカ溶液を得た。この脱アルカリシリカ溶液はSiO2 濃度7.1%で、約30〜35時間でゲル化した。また、陽イオン交換樹脂処理に代えて陰・陽イオン交換膜を用いて電流密度3A/dm2で電解透析を行い、pH3.5に達したところで透析を中止し、上記イオン交換樹脂処理の場合とほぼ同じような脱アルカリシリカ溶液を得た。ほぼ同一のSiO2 濃度を持つ単なる水ガラス水溶液を直接陽イオン交換樹脂によりpHを3.5程度まで下げるには、上記の約数倍量の陽イオン交換樹脂を要する。また、イオン交換膜法ではイオン交換膜数を多くし、透析時間は長時間を要する。
【0090】
SiO2 濃度がさらに濃厚な実施例27のアルカリ性シリカ溶液を同じような処理によりpHを3.5程度にまで低下せしめるとゲル化時間は早くなり、20〜24時間程度となる。これら脱アルカリシリカ溶液はそれ自体浸透性に優れた地盤注入用固結材となり得る。また、Naイオンがさらに除去されているため環境保全面からも一層好ましい。
【0091】
(6)上記(1)〜(2)のシリカ溶液は何れも比較的ゲル化時間が長く安定し、しかも土中では確実に固結することから浸透効果は著しく期待がもてる。注入対象地盤によっては、さらにゲル化を早めて強度増加、ゲル収縮の減少等をはかりたい場合がある。そのために、さらに反応剤を添加して目的を達成せんとするものである。これらの配合並びに配合液のpH、ゲル化時間、サンドゲルの一軸圧縮強度、ホモゲルの収縮率を従来の水ガラス−反応剤系グラウトを対照として表7に示す。
【0092】
【表7】
【0093】
表7において、実施例と比較例は、ともに、SiO2 濃度がほぼ等しい。比較例NO.4の水ガラス−リン酸系、比較例NO.5の水ガラス−硫酸水素ナトリウム系に比べて、実施例NO.40,41および42,43 の水ガラスを脱アルカリしたシリカ溶液と、リン酸からなる系、および酸性シリカ溶液にアルカリを添加したシリカ溶液と硫酸水素ナトリウムからなる系では、使用する反応剤(この場合はリン酸と硫酸水素ナトリウム)の量が極めて少量で足りる。また、固結強度および収縮率の減少の両方とも、はるかに優れている。実施例NO.40 〜43のように酸性反応剤で酸性〜中性領域に調整した系では特に効果が著しい。反応剤としてセメントを用いた場合、従来の水ガラス−セメント系(比較例NO.6)に比べて本発明のセメントからなる系(実施例NO.44,45)でははるかに固結強度に優れる。
【0094】
(7)水ガラスとコロイダルシリカ或いは水ガラスとコロイダルシリカと水ガラスの脱アルカリシリカ液からなるアルカリ性シリカ溶液と酸性反応剤とからなる系。
【0095】
表4の実施例23のアルカリ性シリカ溶液と酸性反応剤としてリン酸を混合して中性〜酸性領域に調整した結果を一例として表8に示した。
【0096】
【表8】
【0097】
表8から本発明固結材では、ゲル化時間、特に長時間でのゲル化時間の調整が可能なことがわかる。同じ3号水ガラスを用い、SiO2 濃度、pHをほぼ同一にした実施例48,49 と比較例7(3号水ガラス−リン酸系)を比べてみると、実施例ではリン酸量は非常に少なく、約半量で足りている。また、ゲル化時間は非常に長くなっているにもかかわらず、強度的には全く遜色のない固結体が得られている。リン酸以外の酸性反応剤においても程度の差はあれこのような傾向が見られる。
【0098】
(8)アルカリ性シリカ溶液−反応剤系、脱アルカリシリカ溶液−反応剤系
表4のアルカリ性シリカ溶液は、比較例3を除いては全くゲル化することなく安定である。これに反応剤を添加してゲル化を調整することもできる。
【0099】
アルカリ性シリカ溶液−反応剤系および脱アルカリシリカ溶液−反応剤系のゲル化時間と固結強度を表9に一括して示す。
【0100】
【表9】
【0101】
表9の全般を観察して、ゲル化時間は短時間から長時間に及んでおり、特に長いゲル化時間の調整が容易である。また、コロイダルシリカ由来のSiO2 量が比較的多い実施例51、52では2日強度は低いが、28日強度はかなり上昇している。SiO2 濃度が本発明の範囲よりも低い比較例9では、固結強度が極めて低い。本発明の範囲よりも高い比較例10ではSiO2 が濃厚であるにもかかわらず、固結強度の増加はみられず、むしろ低下気味にある。
【0102】
実施例58の脱アルカリシリカ溶液の場合は、同程度のSiO2 をもつ実施例54と比較すると、ゲル化時間は著しく長引くが、強度はほとんど差がみられない。セメントやスラグを混入した懸濁型の実施例(実施例53,55,57)では、従来の水ガラス−セメント系の比較例12に比べて初期強度は若干劣るものの、長期強度では格段に強化されている。また、SiO2 の濃厚な比較例11ではゲル化が瞬時に起こって不均一な固結体になりやすい欠点がある。
【0103】
(9)ゲル化時間
ホモゲルのゲル化時間はもちろん、さらに液状化防止には、土中におけるゲル化時間が長く保持できることが望ましい。
【0104】
(a)シリカ溶液の一例
上述のシリカ溶液またはシリカ溶液と反応剤からなる系の一例を従来の酸性シリカゾルと比較して表10に示す。
【0105】
【表10】
【0106】
表10から、比較例NO.13 の従来からの酸性シリカゾルは、土中におけるゲル化時間の短縮が極めて大きい。それに比べて実施例NO.61 〜64では、ゲル化時間は短縮するものの、短縮幅が小さく、土中においても長いゲル化時間を保持することが容易である。特に、リン酸系化合物を含んだ実施例NO.62 〜64はリン酸系化合物を含まない実施例NO.61 より顕著で、土中ゲル化時間の短縮は少なくなっている。これは明らかに浸透性が向上し、地盤の液状化防止に極めて有効であることがうかがえる。
【0107】
(b)アルカリ性シリカ溶液の一例
水ガラスとコロイダルシリカ系からなるアルカリ性シリカ溶液、さらに反応剤からなる系の一例を従来の酸性シリカゾルと比較して表11に示す。
【0108】
【表11】
【0109】
表11から、従来の酸性シリカゾル(比較例14)のホモゲルは非常に長いゲル化時間を示すが、土中では著しく短縮されることがわかる。特に、千葉県産海砂ではこれが甚だしい。これに対して、本発明の実施例65〜72では土中におけるゲル化時間の短縮は非常に少なく、依然としてかなりのゲル化時間を保持していることがわかる。このことは液状化防止用注入材として広範囲への浸透を可能にする。
【0110】
(10)粘性
本発明にかかる系と、比較例としての水ガラス−反応剤系及び酸性シリカゾルについて、配合後の経過時間(ゲル化時間に対する割合)に対する粘性の変化の関係を図1のグラフに示す。図1において、本発明にかかる系ではほぼ曲線(a)の斜線を施した範囲に集中している。比較例の酸性シリカゾルでは、ほぼ曲線(b)近辺、比較例の水ガラス−反応剤系では、ほぼ曲線(c)近辺に集中しており、本発明にかかる(a)の斜線を施した部分は比較例(b)、さらに(c)に比べて低粘性で、ゲル化に至ることがわかる。
【0111】
(11)浸透試験
上記試験の結果から明らかなように、本発明の地盤注入用固結材は広範囲のゲル化時間、特に長時間のゲル化時間の調整が容易で、しかも土中においてもゲル化時間の短縮が少ないことから優れた浸透性が期待できるが、念のため図2に示す実験室での浸透注入試験装置を用いて浸透試験を行った。図2において、圧力計2、3を介して、コンプレッサー1に連結された攪拌器4を備えた水槽5の中に注入材6を充填する。7は内径50mm、高さ1.5mのアクリル製パイプであって、この中に標準砂8を九層に分けて詰め、各層毎に水平打撃により60%の相対密度になるように締め固める。次いで、水槽5の中に充填された注入材6はコンプレッサー1の注入圧0.5kgf/cm2 でパイプ7中の標準砂8に圧入される。注入材は標準砂8中に浸透され、浸透距離を観察した。図1中、9、10は切り換えコック、11、12は金網、13はメスシリンダーである。
【0112】
試験に使用した固結材および試験結果を表12に示す。表12において、浸透試験NO.1〜7は本発明にかかる固結材であり、浸透試験NO.8,9は比較例としてあげた固結材で、NO.8は本発明の範囲外の系であり、NO.9は従来の酸性シリカゾルである。
【0113】
【表12】
【0114】
表12より浸透試験NO.1〜6の本発明にかかる系では、アクリル製パイプ7の標準砂8の全長によく浸透して全体が均一に固結した。浸透試験NO.7は本発明にかかる系であるが、水ガラス含有量が非常に多い系で、上記の浸透試験NO.1〜6に比べると若干見劣りがあった。これに対して、比較例の浸透試験NO.8はかなりの浸透を示したが、1.5mの全長にまでは浸透できなかった。即ち、本発明にかかる浸透試験NO.2と比較例の浸透試験NO.8を比べてみると、ホモゲルのゲル化時間は後者の方が長いにもかかわらず浸透性は逆に劣っている。また、比較例の浸透試験NO.9はホモゲルのゲル化時間は著しく長いが、浸透性には極めて劣る。このように、本発明の固結材は浸透性に極めて優れていることが実証された。
【0115】
【発明の効果】
以上のとおり、水ガラスのイオン交換樹脂処理またはイオン交換膜処理によって脱アルカリして得られるシリカ溶液を中心とした地盤注入用材は、従来の水ガラス系に比べて次のような効果を奏しうるものである。
【0116】
1.広範囲のゲル化時間、特に長時間のゲル化時間調整が可能であり、かつ土中においてもゲル化時間の短縮が少ない。従って、浸透性も良く、地盤の液状化防止用の注入用固結材として極めて優れている。
【0117】
2.低シリカ濃度の割には固結強度が高く、収縮性が少ない。
【0118】
3.ゲル化に要する反応剤の量が少量で足りる。
【0119】
4.アルカリ含有量が少なく、水質保全性に優れる。
【0120】
5.自硬性がないため、保存あるいは工場から注入現場への搬入が可能である。
【0121】
6.カートリッジ等の小規模なイオン交換樹脂装置やイオン交換膜装置を用いて容易に脱アルカリ処理が可能である。
【0122】
7.セメントやスラグ等を使用しても均質にゲル化し、高強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配合後の経過時間に対する粘性の変化を示したグラフである。
【図2】実験室用注入試験装置の略図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサー
5 水槽
6 固結材
8 豊浦標準砂
9 切換コック
10 切換コック
12 金網
13 メスシリンダー
Claims (1)
- 水ガラスを脱アルカリ処理して酸性領域とし、これにコロイダルシリカと反応剤を添加してアルカリ領域でゲル化するシリカ溶液を主材として、前記シリカ溶液、水ガラス、前記コロイダルシリカおよび前記反応剤を含有し、SiO2濃度が3〜13%であり、さらに全SiO2中のコロイダルシリカおよび前記シリカ溶液に由来するSiO2量が1〜50%である地盤注入用材。
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