JP5151609B2 - ポリブチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、安定して優れた品質を維持し、ポリブチレンテレフタレートを生産性よく直接エステル化し、かつ、重縮合することができるポリブチレンテレフタレートの製造方法に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は優れた物理的、化学的性質を有するため、繊維、フィルム、その他の成形品など、種々の用途に広く用いられている。また、強度や弾性率等の機械特性、耐熱性等に優れているため、特にエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。
このようなポリブチレンテレフタレート樹脂の製造方法の中で、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとのエステル化反応によりビスヒドロキシブチルテレフタレートおよびその低重合物を得るエステル化工程とビスヒドロキシブチルテレフタレートおよびその低重合物を高温、高真空下で過剰の1,4−ブタンジオールを留出させつつ高重合度ポリブチレンテレフタレートを得る重縮合工程とからなる直接連続重合を用いた製造方法は、従来の生産性を著しく向上させる技術として、現在主流になりつつある。この製造方法では、触媒にチタン化合物やスズ化合物を用いて反応を促進し、かつ分解抑制剤にリン化合物などを添加剤として用いる技術が好適に用いられている。特にチタン化合物は、原料の1,4−ブタンジオールが分解して副生するテトラヒドロフランの発生量を低減し、高粘度品を得る場合の重合反応を効率化できるため、添加量の増加が望まれる。
チタン化合物は、過剰に添加すると異物の原因となり物性を悪くするため、精度良く添加する必要がある。精度良く添加させるためには、直接チタン化合物を少量添加するより、溶媒を用いて希釈または溶解し一定量を添加した方が、定量ポンプの仕込み精度が向上しているので、高品質な製品を得ることができる。そのため、チタン化合物は濃度調整した希釈液が触媒として用いられている。
しかし、チタン化合物は触媒として調整する際、調整条件によっては、不溶化して白濁する場合があり、仕込みラインが閉塞し仕込み精度が悪くなる。また、不溶化して白濁化した異物が反応系内へ供給されると、ヘイズ(溶融ポリマーの濁りを表す指標)の上昇原因となる。そしてその結果、最終的には成型品とした時に引張破断強度の低下、フィルムとした際の表面異物の増加といった、物性低下を引き起こす。
特許文献1では、触媒調整する任意の段階で水を添加しこの白濁を防止することが記載されている。しかし、この方法では水が反応を遅延させるため、反応槽を増やさねばならない。そのため、経済性を損ね、反応槽内の滞留時間が長期となり、温度が高くなることにより副反応速度も上昇し、末端二重結合の増加や、色調の悪化、更には粘度の低下などの問題が生じることがあった。また、水を添加しているためチタン化合物の一部が失活し異物化するため、生成したポリブチレンテレフタレートを濾過した際に濾圧が上昇することで、フィルター詰まりを誘発しトラブルの原因となることもあった。また、失活した一部の触媒が原因となってヘイズが上昇するため、引張破断強度の低下や、フィルムとした際の表面異物の増加といった、成型品とした時に物性低下を引き起こす問題も指摘されている。
特許文献2では、チタン化合物を調整した溶液中に、ヒンダードフェノール系化合物を加熱溶解させる方法が記載されている。しかし、この方法は、ヒンダードフェノールの取扱が煩雑となり、連続にて定量供給した場合、供給する配管内やフィルターまたは、圧力調節弁などに一部の不溶解物が堆積し閉塞する。従って、安定して連続的に供給することができなくなるため、設備ならびに品質トラブルの原因となっていた。
特許文献3では、チタン化合物と有機酸から選ばれる金属塩とを1,4−ブタンジオール溶液として調整し、出発原料へ添加し反応させることが記載されている。しかし、これも金属塩の取扱が煩雑となる。また、金属塩を添加することで重合反応を著しく遅延させ、目標とする粘度を得ることができなくなり、添加した金属塩が核となる異物が発生し、ギヤポンプ詰まりや品質トラブルなど新たな問題まで指摘されるに至っている。
特開昭58−206625号公報(特許請求の範囲) 特開平3−153731号公報(特許請求の範囲) 特開平5−230201号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、生産性や反応効率、さらには品質安定を目的に用いている有機チタン化合物を触媒として調整する際に、失活や不溶化して白濁化することを防止することで、機械的強度や色調に優れ、ヘイズや異物を低減でき、成型品、フィルム、モノフィラメント、繊維等に好適に使用することができる高品位のポリブチレンテレフタレート樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを連続式にて、エステル化反応させた後、次いで重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する方法に際して、有機チタン化合物を触媒として調整する際、水を任意に添加することなく、水分率250ppm以下の溶液として調整し、調整する有機チタン化合物の濃度は1重量%〜20重量%にて調整され、調整ならびに反応系内へ供給する温度は、70℃〜120℃とする。調整触媒を反応系内へ供給する際の流速は、送液配管の最大口径部分で秒速0.01m以上とすることで、触媒が不溶化することを防止する本発明に至った。
すなわち、本発明は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、有機チタン化合物触媒の存在下、連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する方法において、前記有機チタン化合物触媒をジオールに溶解させた触媒溶液の水分率を250ppm以下として反応系内へ供給し、触媒溶液の調整温度および反応系への供給温度を80〜110℃とすることを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法である。
本発明によれば、不溶化することなく活性の高い触媒を用いて製造されているため、反応槽の数や滞留時間を少なくでき、反応温度が低く生産できるばかりでなく、不溶化物による送液ラインやバルブなどが詰まること無く連続的に運転できるため、工程トラブルを原因から解消するにとどまらず、機械的強度や色調に優れ、ヘイズや異物が低減され、成形品、フィルム、モノフィラメント、繊維等に好適に使用することができる高品位のポリブチレンテレフタレートを安定して得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において製造されるポリブチレンテレフタレートとは、酸性分にテレフタル酸を、ジオール成分に1,4−ブタンジオールを用いた重合反応によって得られた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルである。他の酸成分および/または他のジオール成分を共重合成分として一部用いることもできる。この場合、酸性分の例としてイソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸等が、ジオール成分の例としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールなどがあげられる。これらの共重合成分はそれぞれテレフタル酸または1,4−ブタンジオールに対して40モル%以下であることが好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレートは直列連続槽型反応器を用いて連続的に重合することにより好ましく製造される。具体的にはジオール成分とジカルボン酸成分を主体とする原料をスラリー調整し、そのスラリーをエステル化反応槽に供給しエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物であるオリゴマーを予備重縮合反応槽及び最終重合機を経て重縮合反応させることができる。得られたポリブチレンテレフタレートは、最終重合機の底部よりダイを経てストランド状に抜き出し、冷却水にて水冷した後、ペレタイザーでカッティングし、ペレット状などの粒状体とすることが好ましい。
本発明の好ましい形態としては、ジカルボン酸成分に対するジオール成分の仕込みモル比は1.4〜2.0が好ましく、1.6〜1.9がより好ましい。
本発明に用いるエステル化反応槽の型式としては特に限定されるものではないが、例えば、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、棚段型反応槽などを用いることができ、複数の反応槽を用いる場合はこれら同種または異種の複数基の槽を直列する複数槽とすることができる。本発明においては、好ましくは縦型撹拌完全混合槽である。
エステル化反応槽の留出口には精留塔をつけることが好ましく、精留塔により留出する水及びテトラヒドロフランと1,4−ブタンジオールを分離することができる。精留塔の塔頂からは水及びテトラヒドロフランを主成分とする留出物が留出され、コンデンサーで凝縮され、回収工程へ送液される。1,4−ブタンジオールを主成分とする留出物は精留塔の底部で凝縮し、エステル化反応槽へ返送される。また、その際に、エステル化反応槽中でのモル比を調整するため、エステル化反応槽へ返送される1,4−ブタンジオールの一部を系外へ留出させてもよい。この場合、留出させた1,4−ブタンジオールを主成分とする留出物は再度、原料として用いることができ、精留して使用してもよいし、そのまま使用してもよい。
本発明で用いられるエステル化反応触媒としては有機チタン化合物が用いられる。本発明で好ましく用いられる有機チタン化合物は、
(RO)nTi(OR4−n
(ただし、R、Rは炭素数1〜10の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基、nは0〜4の数(小数含む)である。)
で表されるチタン酸エステルおよび縮合物で代表される。
本発明に用いる有機チタン化合物は具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトライソプロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステル、テトラ−2エチルヘキシルエステル、テトラオクチルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステルあるいはこれらの混合エステルなどがある。これらの中でも安価に入手できることからチタン酸のテトラ−n−プロピルエステル(テトラ−n−プロピルチタネート)、テトライソプロピルエステル(テトラ−イソプロピルチタネート)、テトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が好ましく、チタン酸のテトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が特に好ましく用いられる。これらの有機チタン化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することができる。また、エステル化反応および重縮合時に同一種を用いてもよく、異種の有機チタン化合物を用いてもよい。
上記、有機チタン化合物はジオールに溶解させた触媒溶液として反応系内へ供給される。この場合のジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられるが、高純度のポリブチレンテレフタレートを得るためには、1,4−ブタンジオールが好ましく用いられる。
有機チタン化合物の有機溶媒中での有機チタン化合物の濃度は1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。20重量%より高い場合は、粘度が高くなり安定的に添加できないだけでなく、有機チタン化合物/1,4−ブタンジオールを添加する際、添加ライン等で熱負荷を受け反応し、異物化する可能性があるため好ましくない。また、有機チタン化合物の濃度の下限値については、1重量%以上である。1重量%未満の場合は、添加する量が多くなり反応槽の温度が下がるなどの不都合が発生する場合がある。
この有機チタン化合物をジオールに溶解させた触媒溶液中の水分率は、250ppm以下であり、200ppm以下であることが好ましい。250ppmを越えると、触媒活性が下がり反応速度が遅延するため好ましくない。具体的に250ppm以下とするためには、原料ブタンジオールの水分管理を行い、及び触媒調整時に水を添加しない方法を用いる。触媒の調整および供給温度は70〜120℃であることが好ましく、80〜110℃がより好ましい。特に好ましくは90〜100℃である。調整および供給温度が120℃を越えると、触媒調整中または、調整後の触媒を保温させ貯留させている間および供給している間に、エステル交換反応が促進され、生成したアルコールが濃縮し、最終的には回収工程にて回収されたテトラヒドロフランの品質を悪化させる原因となる可能性があるため好ましくない。また、70℃未満の場合は不溶化して白濁しやすくなることで、連続的に安定供給することができなくなることがあるため好ましくない。反応系内へ触媒を供給する速度は、送液配管サイズの最大口径場所で秒速0.01m以上が好ましく、秒速0.03m以上がより好ましい。特に好ましくは秒速0.05m以上である。供給速度が最大口径場所で秒速0.01m未満の場合は、曲管部やドレン抜き口などにて偏流し流速が落ちた箇所に触媒が長期滞留することで、不溶化しやすくなったり、閉塞しやすくなったりすることがあり、安定的に供給することができなくなることがある。
この有機チタン化合物をエステル化槽へ添加する量は、Ti原子換算でポリマー総重量に対して25〜75ppmであることが好ましく、30〜70ppmがより好ましい。添加量が25ppmよりも少ないとエステル化速度が遅くなり、テトラヒドロフランの副生が多くなる場合があり、また、75ppmよりも多くなるとポリマーのヘイズが高くなる等の問題が発生する場合がある。
また、特に高粘度品を生産する際、重合効率を上げるために、予備重縮合反応槽にも有機チタン化合物を添加する必要があり、その添加量はエステル化同様25〜75ppm追添加することが好ましく、30〜70ppmがより好ましい。エステル化反応槽のみに有機チタン化合物を一括添加した場合は、ヘイズや濾過圧力上昇速度が悪化する場合がある。
また、有機チタン化合物を添加する場合、ジカルボン酸成分のエステル化反応率を95〜98%でエステル化反応槽に添加する必要があり、好ましくは96〜97%である。また、その後さらに予備重縮合反応槽に有機チタン化合物を追加添加することが好ましい。エステル化反応槽に添加する際、ジカルボン酸成分のエステル化反応率が95%未満で重合触媒を添加するとテレフタル酸の残存が多く、また、98%を越えて添加すると、テレフタル酸の残存と有機チタン化合物が反応し、ポリマーの溶液ヘイズが高くなる傾向にある。
本発明におけるエステル化反応は有機チタン化合物の存在下で、反応温度は好ましくは210〜260℃、より好ましくは220〜250℃で、圧力は好ましくは13.3〜93kPa以下、より好ましくは20〜87kPaの減圧下で行うことが好ましい条件として挙げられる。
本発明において使用する予備重縮合反応槽について、その型式は特に制限されるものではないが、例えば、縦型攪拌重合槽、横型攪拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽などを用いることができる。
予備重縮合反応槽は1基または同種または異種の複数基の槽を直列する複数槽とすることができる。予備重縮合反応の反応温度は好ましくは210〜270℃、より好ましくは220〜260℃で圧力は好ましくは7kPa以下、より好ましくは1〜6kPaの減圧下で行うことが好ましい条件として挙げられる。
本発明において最終重合機を用いる場合、その型式は特に制限されるものではないが、例えば、横型1軸反応機、横型2軸反応機などを用いることができる。
最終重合機の反応温度は好ましくは220〜260℃、より好ましくは230〜250℃で圧力は好ましくは1.3kPa以下、より好ましくは0.67kPa以下の減圧下で行うことが好ましい条件として挙げられる。
また、本発明においては予備重合槽および/または最終重合機から留出されるジオール成分を主成分とする留出物はコンデンサーあるいはスクラバー(湿式コンデンサー)で凝縮させた後、精留することなく原料として用いることができる。また、スクラバーから一部排出される液も精留することなく原料として用いることができる。
エステル化反応槽、予備重合槽、最終重合機にて減圧下で反応させる場合、減圧装置が必要であるが、減圧装置としては特に制限がなく、具体的には真空ポンプ、エゼクターなどが挙げられる。エゼクターとしてはスチームエゼクター、エチレングリコールエゼクター、1,4−ブタンジオールエゼクターが好ましく用いられる。1,4−ブタンジオールエゼクターを使用する場合、エゼクターに使用した1,4−ブタンジオールは本発明のポリブチレンテレフタレートの原料としてそのまま使用することもできる。
また、本発明に用いる各反応槽を結ぶ配管あるいは最終重合機から吐出口までの間の配管にはポリマー中の異物を濾過する目的でフィルターを1基あるいは複数基取り付けることができ、好ましい位置としては予備重合槽間の配管、予備重合槽と最終重合機との間の配管、最終重合機から吐出口までの間の配管が挙げられる。また、フィルターの形式としては特に限定されるものではないが、プリーツ型円筒タイプ、フラット型円筒タイプ、チューブタイプ、バケットタイプなどが挙げられ、目開きは1〜100μmのものが好ましく、2〜50μmのものがより好ましく用いられる。また、フィルターは交換の容易さから1カ所あたり、2基以上並列に取り付けることが好ましい。
本発明の方法でPBTを製造するに際し、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤などの1種または2種以上を添加することができる。
本製造法でPBTを製造した場合、従来の方法で製造した場合よりも色調、滞留安定性に優れ、靱性が高い成型品が得られるので各種の自動車部品や電気・電子部品などに有用に用いることができる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、各測定値は下記のとおり求めた。
(1)色調(色座標b値)
反射法によりスガ試験機社製カラーテスターSC−3−CH型を用いて、JIS Z 8730の参考1に記載されるLab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値を測定した。測定は電源投入後4時間以上放置し、予め装置を十分安定させた後、内径60mm、深さ30mm、受光部が石英ガラス製である測定セルに試料ペレットをすり切り位置まで充填し、測定セルの向きを90度ずつ4方向変えて測定し、その平均値をもって値とした。
(2)固有粘度
ウベローデ型粘度計とo−クロロフェノールを用い、25℃において、ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/g及び0.25dl/gの溶液粘度を測定し、粘度数を濃度0に外挿し求めた。
(3)カルボキシル末端基
反応物2.0gをo−クレゾール/クロロホルム溶媒(2/1)50mlに加熱溶解し、冷却後、クロロホルム30mlを加え、さらに、12%メタノール性塩化リチウム溶液を5ml添加する。得られた溶液をエタノール性水酸化カリウムで電位差滴定を行い、カルボキシル末端量(eq/t)を得る。
(4)溶液ヘイズ
試料ポリマー5.4gをフェノール/四塩化エタン(60:40wt%)の混合溶媒40mlに100℃で2時間加熱溶解し、この溶液を光路長30mmのセルに入れて積分式ヘーズメーター(スガ試験機:HZ−2)でヘイズを測定した。
(5)異物含有量
濾過試験終了後のポリマーが付着した焼結繊維フィルターを取り出し、O−クロロフェノール20ml、100℃で2時間撹拌・溶解させ、それを50μmのミリポア社製テフロン(登録商標)メンブレンフィルターで濾過した。更にその濾液を5μmのミリポア社製のテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで再濾過し、それらを50℃で一晩真空乾燥した後、重量を測定し、フィルター濾上物の重量を濾過したポリマー量で割ることで異物含有量を算出した。また、異物の大きさについては、上記単離した異物をSEM観察して、得られた画像はイメージアナライザーを用いて、異物の粒径分布を測定した。SEMには、キーエンス社製(VE−8800)を用いた。
実施例1
スラリー化槽、スラリー貯槽、エステル化反応槽1基、予備重合槽1基、最終重合機1基、ペレタイザーを直列に配した製造装置を用いた。この製造装置を用いて、まず、テレフタル酸754重量部に対して1,4−ブタンジオール692重量部の割合で両原料をスラリー化槽に供給し、攪拌混合を行い、スラリーを調整した後、50℃の定温にしたスラリー貯槽に移し、スラリー貯槽からスラリーをポンプにより1446重量部/時の一定速度で精留塔を有する完全混合槽型エステル化反応槽に供給し、併せて6%濃度テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)の1,4−ブタンジオール溶液を7重量部/時でエステル化反応槽に連続的に供給した。TBTの添加量はTi原子換算でポリマー総重量に対して59ppmである。
この触媒は、1,4−ブタンジオール溶液にて、テトラ−n−ブチルチタネート濃度6%に調整され、90℃に保たれた状態でエステル化反応槽へ最大口径部で秒速0.05m、供給ポンプ出口圧力0.5MPaにて連続的に供給した。調整触媒中の水分率は200ppmであった。
エステル化反応槽の反応条件は、温度230℃、圧力は78kPaに維持し、滞留時間1.8hrとし、精留塔の塔頂からはテトラヒドロフラン及び水を留出させ、1,4−ブタンジオールについては精留塔の塔底から還流させた。また、このエステル化反応槽においてジカルボン酸成分の反応率96%のオリゴマーを得た。
引き続いてこのオリゴマーをギヤポンプにて予備重合槽に供給し、エステル化反応で用いた触媒を同様に用いて7重量部/時で最大口径部で秒速0.05m、供給ポンプ出口圧力0.5MPaにて添加した(TBTの添加量はTi原子換算でポリマー総重量に対して59ppm)。温度245℃、圧力3.3kPaで維持し、滞留時間2hrで反応させ、ジカルボン酸成分の反応率99.2%、固有粘度0.30のオリゴマーを得た。
このオリゴマーは最終重合機(横型2軸反応機)に供給され、温度240℃、圧力200Pa、滞留時間1.5時間反応させ、ポリマーを得た。このポリマーはギヤポンプによりダイを経て系外にストランド状に吐出され、冷却水により冷却され、ペレタイザーによりペレット化した。
上記条件にて得られたペレットは固有粘度1.0dl/g、末端カルボキシル基濃度15eq/t、溶液ヘイズ1%、b値5、チタンカルボン酸塩を含有する異物(粒径10μm、100μmにピークを有する)含有量5ppmであった。成型品やフィルムに適したポリマーであった。その結果を表1に示す。
実施例2〜
実施例1において触媒調整濃度、調整ならびに供給温度、供給速度を変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、触媒調整する際に水を添加し、触媒溶液中の水分率を300ppmとし触媒調整条件を表1となるように変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、触媒調整する際に水を添加し、触媒溶液中の水分率を1000ppmとし触媒調整条件を表1となるように変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、触媒調整する際に水を添加し、触媒溶液中の水分率を3000ppmとし、触媒調整条件を表1となるように変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005151609
本発明によれば、触媒活性が高い触媒を用いて製造されているため、反応槽の数と滞留時間を少なくでき、反応温度を低くすることができるため、副反応による末端二重結合を少なくでき、品質の優れたPBTを得ることができる。本発明で得られたPBTは品質に優れるので各種の自動車部品や電気・電子部品などに有用に用いることができる。

Claims (4)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、有機チタン化合物触媒の存在下、連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する方法において、前記有機チタン化合物触媒をジオールに溶解させた触媒溶液の水分率を250ppm以下として反応系内へ供給し、触媒溶液の調整温度および反応系への供給温度を80〜110℃とすることを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 触媒溶液中での有機チタン化合物の濃度が1重量%〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 触媒溶液を反応系内へ供給する配管内の流速が、送液配管の最大口径部分で秒速0.01m以上であることを特徴とする請求項1または2記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  4. 有機チタン化合物がテトラ−n−ブチルチタネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
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