JP5149975B2 - クラッチ装置 - Google Patents
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Description
この場合、第2レリーズ軸受が、第1レリーズ軸受の内周側において、第1レリーズ軸受に支持されている。言い換えると、第2レリーズ軸受は、第1レリーズ軸受を介して、入力回転体に設けられた位置決め部材に支持されている。これにより、トランスミッションの精度に依存することなく、第2レリーズ軸受の位置精度を確保することができる。
<クラッチ装置の全体構成>
図1に示すように、本クラッチ装置1は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。クラッチ装置1は、クラッチカバー2(位置決め部材)と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート組立体37と、第2プレッシャプレート組立体47と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。入力回転体10(より詳細には第1フライホイール3)、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10(より詳細には第2フライホイール4)、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより、第2クラッチC2が構成されている。第1クラッチC1および第2クラッチC2は、いわゆるノーマルオープンタイプのクラッチである。第1クラッチC1が第1速、第3速および第5速において動力を伝達し、第2クラッチC2が第2速および第4速において動力を伝達する。
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。具体的には、クラッチカバー2は、環状のクラッチカバー本体2aと、クラッチカバー本体2aの外周側に形成された装着部2bと、クラッチカバー本体2aの内周側に形成された支持部2cとを、有している。クラッチカバー2は、装着部2bにおいて、第2フライホイール4の外周部、例えば第2円板部43の外周部に、固定される。クラッチカバー2の支持部2cは、円筒状に形成されており、軸方向トランスミッション側に延びている。クラッチカバー2の支持部2cには、後述する第1レリーズベアリング71(第1レリーズ軸受)が装着される。
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート(図示せず)やダンパー(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。入力回転体10は回転軸Xを中心に回転する。入力回転体10は、主に、第1フライホイール3と、第2フライホイール4と、を有している。
第1プレッシャプレート組立体37は、第1プレッシャプレート39を、有している。第1プレッシャプレート39は、第1クラッチディスク組立体5を第1フライホイール3に押し付けるための環状の部材であり、第1円板部33と第2円板部43との軸方向間に配置されている。第1プレッシャプレート39は、第1円板部33に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第1プレッシャプレート39は、第1ストラッププレート(図示せず)を介して、第1フライホイール3に連結されている。
第2プレッシャプレート組立体47は、第2プレッシャプレート49を、有している。第2プレッシャプレート49は、第2クラッチディスク組立体6を第2フライホイール4に押し付けるための環状の部材であり、第1円板部33と第2円板部43との軸方向間に配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2円板部43に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第2プレッシャプレート49は、第2ストラッププレート(図示せず)を介して、第2フライホイール4に連結されている。
第1クラッチディスク組立体5は、第1プレッシャプレート39の押付力によって、第1入力軸91にエンジンの動力を伝達する。第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10(より詳細には第1フライホイール3)から、第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第1クラッチディスク組立体5は、第1入力軸91に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第2クラッチディスク組立体6は、第2プレッシャプレート49の押付力によって、第2入力軸92にエンジンの動力を伝達する。第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10(より詳細には第2フライホイール4)から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第2クラッチディスク組立体6は、第2入力軸92に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1における動力伝達のオンオフを切り換える。第1駆動機構7Aは、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、クラッチカバー2と、第1ダイヤフラムスプリング70(第1レバー部材)と、第1レリーズベアリング71(第1レリーズ軸受)と、第1中間部材72とから、構成されている。
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2とスリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
クラッチ装置1の動作について説明する。図1に示す状態は、駆動機構7により第1クラッチC1および第2クラッチC2に押付力が付与されていない状態であり、第1クラッチC1および第2クラッチC2で動力伝達が行われていない状態である。この状態では、第1プレッシャプレート39は、図1に示す軸方向位置に保持されており、第2プレッシャプレート49も、図1に示す軸方向位置に保持されている。
以下に、本クラッチ装置1の特徴を示す。図1に示したように、本クラッチ装置1では、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めしている。
〔第2実施形態〕
図2に示すように、本クラッチ装置101は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置101は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。クラッチカバー2は、第2レリーズベアリング81を保持するための保持部材2d(第2延長部)を、さらに有している。保持部材2dは、クラッチカバー本体2aから第2ダイヤフラムスプリング80へと延びる部材である。保持部材2dは、クラッチカバー2に装着されている。具体的には、保持部材2dは、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置されている。保持部材2dの一端部は、クラッチカバー本体2aに装着されており、保持部材2dの他端部22dは、後述する、第2レリーズベアリング81の内輪に設けられるフランジ部85(第1延長部)に、当接している。ここでは、保持部材2dが、クラッチカバー2と別体に設けられる場合の例を示したが、保持部材2dを、クラッチカバー2と一体に形成してもよい。
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
以下に、本クラッチ装置101の特徴を示す。図2に示したように、本クラッチ装置101では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、第2レリーズベアリング81のフランジ部85を、クラッチカバー2の保持部材2dに当接させることによって、クラッチ装置101からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、クラッチカバー2によって規制することができる。
〔第3実施形態〕
図3に示すように、本クラッチ装置201は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置201は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。クラッチカバー2は、レバーストッパ2e(第3延長部)を、さらに有している。レバーストッパ2eは、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢を維持するためのものである。レバーストッパ2eは、クラッチカバー本体2aから第2ダイヤフラムスプリング80へと延びる部分である。レバーストッパ2eは、クラッチカバー2に設けられている。具体的には、レバーストッパ2eは、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置されている。レバーストッパ2eの軸方向先端部22eは、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。ここでは、レバーストッパ2eが、クラッチカバー2に一体である場合の例を示したが、レバーストッパ2eを、クラッチカバー2と別体に形成し、クラッチカバー2に装着するようにしてもよい。
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。また、第2レリーズベアリング81においても、前記実施形態と同じ構成に関する部分については、説明を省略している。
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
以下に、本クラッチ装置201の特徴を示す。図3に示したように、本クラッチ装置201では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スリーブ90に設けられた突出部90aを、第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、クラッチ装置201からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、規制することができる。
〔第4実施形態〕
図4に示すように、本クラッチ装置301は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置301は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。また、第2レリーズベアリング81においても、前記実施形態と同じ構成に関する部分については、説明を省略している。
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
以下に、本クラッチ装置301の特徴を示す。図4に示したように、本クラッチ装置301では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、第2レリーズベアリング81に設けられたフランジ部85を、第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、クラッチ装置301からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、規制することができる。
〔第5実施形態〕
前記第1から第4の実施形態では、入力回転体10が、2つの円板部例えば第1円板部33及び第2円板部43から構成される場合の例を示したが、第5実施形態では、入力回転体が1つの円板部から構成される場合の例を示す。ここでは、第1から第4の実施形態に示したクラッチ装置1と説明が重複する部分については、詳細な説明を省略した部分がある。ここで省略された説明は、前記実施形態の記載に準ずる。なお、第1から第4の実施形態と同じ構成については、同じ番号を用い、本実施形態の説明において登場しない番号は、図5では省略している。
図5に示すように、クラッチ装置1は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート組立体37と、第2プレッシャプレート組立体47と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより、第2クラッチC2が構成されている。
クラッチカバー2は、入力回転体10に固定される。具体的には、クラッチカバー2は、環状のクラッチカバー本体2aと、クラッチカバー本体2aの外周側に形成された装着部2bと、クラッチカバー本体2aの内周側に形成された支持部2cとを、有している。クラッチカバー2は、装着部2bにおいて、入力回転体10の外周部に、固定される。クラッチカバー2の支持部2cは、円筒状に形成されており、軸方向トランスミッション側に延びている。クラッチカバー2の支持部2cには、後述する第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81が装着される。
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート(図示せず)やダンパー(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。入力回転体10は回転軸Xを中心に回転する。
第1プレッシャプレート組立体37は、第1プレッシャプレート39を、有している。第1プレッシャプレート39は、第1クラッチディスク組立体5を入力回転体10に押し付けるための環状の部材である。第1プレッシャプレート39は、入力回転体10を基準として軸方向エンジン側に配置されている。第1プレッシャプレート39は、入力回転体10に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第1プレッシャプレート39は、第1ストラッププレート(図示せず)を介して、入力回転体10に連結されている。
第2プレッシャプレート組立体47は、第2プレッシャプレート49を、有している。第2プレッシャプレート49は、第2クラッチディスク組立体6を入力回転体10に押し付けるための環状の部材である。第2プレッシャプレート49は、入力回転体10を基準として軸方向トランスミッション側に配置されている。第2プレッシャプレート49は、入力回転体10に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第2プレッシャプレート49は、第2ストラッププレート(図示せず)を介して、入力回転体10に連結されている。
第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10から、第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第1クラッチディスク組立体5は、第1入力軸91に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第2クラッチディスク組立体6は、第2入力軸92に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1における動力伝達のオンオフを切り換える。第1駆動機構7Aは、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、クラッチカバー2と、第1ダイヤフラムスプリング70と、第1レリーズベアリング71と、第1中間部材72とから、構成されている。
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2から、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に位置決めする。
第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向エンジン側は、すなわち屈曲部75aは、第1ダイヤフラムスプリング70のトランスミッション側に当接している。第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側は、トランスミッションに設けられた第1フォークF1によって、支持されている。具体的には、第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側は、第1押圧部材88を介して、第1フォークF1によって、支持され押圧される。
クラッチカバー2は、第1規制部18を有している。第1レリーズベアリング71は、第1規制部18によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制される。第1規制部18は、クラッチカバー2の支持部2cの外周面に設けられている。第1規制部18は、溝部2gと抜け止め部材136とから、構成されている。溝部2gは、クラッチカバー2の支持部2cの外周面に設けられている。この溝部2gには、抜け止め部材例えばスナップリング136が装着されている。第1レリーズベアリング71は、このスナップリング136と第1ダイヤフラムスプリング70との間に配置されている。第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向トランスミッション側は、スナップリング136に当接している。このように、第1レリーズベアリング71は、スナップリング136によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。すなわち、第1レリーズベアリング71は、スナップリング136と第1ダイヤフラムスプリング70との間において軸方向に支持されている。このようにして、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への抜け出しが、規制されている。
クラッチカバー2は、第2規制部28をさらに有している。第2レリーズベアリング81は、第2規制部28によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制される。第2規制部28は、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に設けられている。第2規制部28は、抜け止め部2hから構成されている。抜け止め部2h、例えば抜け止め突起は、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に一体に形成されている。抜け止め突起2hは、第2レリーズベアリング81の外輪の軸方向トランスミッション側に、当接している。このように、第2レリーズベアリング81は、抜け止め突起2hによって、軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。すなわち、第2レリーズベアリング81は、抜け止め突起2hと第2ダイヤフラムスプリング80との間において軸方向に支持されている。このようにして、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への抜け出しが、規制されている。
本クラッチ装置401の動作は、基本的には、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作と同じである。本クラッチ装置401の動作と、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作との違いは、次の部分である。本クラッチ装置401では、クラッチ装置401では、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が、第1プレッシャプレート39と入力回転体10との間に挟み込まれる。また、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が、第2プレッシャプレート49と入力回転体10との間に挟み込まれる。この点を除くと、本クラッチ装置401の動作と、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作とは同じであるため、ここでは説明を省略する。
以下に、本クラッチ装置401の特徴を示す。図5に示したように、本クラッチ装置401では、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めしている。
〔他の実施形態〕
(a)前記第1実施形態では、第1規制部18及び第3延長部が設けられてない場合の例を示したが、第1規制部18及び第3延長部の少なくともいずれか一方を設けるようにしてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(b)前記第2から第4実施形態では、位置決め構造8の第1規制部18が、スナップリング18aと、スペーサスペーサ18bとから構成される場合の例を示したが、第1規制部18を、クラッチカバー2の支持部2cに一体に形成してもよい。具体的には、第1規制部18が、クラッチカバー2の支持部2cのトランスミッション側において内周側に突出した環状の突出部としてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(c)前記第5実施形態では、位置決め構造8の抜け止め部2h(抜け止め突起)が、クラッチカバー2の内周面に一体に形成される場合の例を示したが、抜け止め突起2hに代えて、抜け止め部材をクラッチカバー2の内周面に装着するようにしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
2 クラッチカバー
2e レバーストッパ
2d 保持部材
2g 抜け止め部材(スナップリング)
2h 抜け止め突起
3 第1フライホイール
4 第2フライホイール
5 第1クラッチディスク組立体
6 第2クラッチディスク組立体
7 駆動機構
7A 第1駆動機構
7B 第2駆動機構
8 位置決め構造
10 入力回転体
18 第1規制部
22d 保持部材の先端部
22e レバーストッパの軸方向先端部
28 第2規制部
33 第1円板部
39 第1プレッシャプレート
43 第2円板部
49 第2プレッシャプレート
70 第1ダイヤフラムスプリング
71 第1レリーズベアリング
80 第2ダイヤフラムスプリング
81 第2レリーズベアリング
85 フランジ部
85a 屈曲部
85b フランジ部の外周端部
90 スリーブ
90a 突出部
91 第1入力軸
92 第2入力軸
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
Claims (11)
- エンジンから、トランスミッションの第1入力軸及び第2入力軸へと、動力を伝達するためのクラッチ装置であって、
入力回転体と、
前記入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置された第1プレッシャプレートと、
前記入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置された第2プレッシャプレートと、
前記第1プレッシャプレートに押付力を伝達するための第1レバー部材と、
前記第2プレッシャプレートに押付力を伝達するための第2レバー部材と、
前記第1レバー部材を押圧可能な第1レリーズ軸受と、
前記第2レバー部材を押圧可能な第2レリーズ軸受と、
前記第1プレッシャプレートの押付力によって、前記第1入力軸に動力を伝達する第1クラッチディスク組立体と、
前記第2プレッシャプレートの押付力によって、前記第2入力軸に動力を伝達する第2クラッチディスク組立体と、
前記第1及び第2入力軸から離れた位置において前記第1及び第2レリーズ軸受を前記入力回転体に対して位置決めする位置決め構造と、
を備えたクラッチ装置。 - 前記位置決め構造は、前記入力回転体に設けられ前記第1レリーズ軸受を半径方向で位置決めするための位置決め部材を、有している、
請求項1に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め構造では、前記第2レリーズ軸受が、前記第1レリーズ軸受の内周側において、前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持されている、
請求項2に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め構造は、前記第1レリーズ軸受の内周側に係合し前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持される係合部材を、さらに有しており、
前記係合部材は、前記第2レリーズ軸受の外周側に固定されている、
請求項3に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め部材は、前記第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第1規制部を、有している、
請求項2から4のいずれかに記載のクラッチ装置。 - 前記第1規制部は、前記第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する規制部材と、前記規制部材と前記第1レリーズ軸受との間に配置され前記第1レバー部材の姿勢を調節するための調節部材とを、有している、
請求項5に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め構造は、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第2規制部を、さらに有している、
請求項2から6のいずれかに記載のクラッチ装置。 - 前記第2規制部は、前記第2レリーズ軸受に設けられ位置決め部材と第2レバー部材との間において半径方向に延びる第1延長部と、前記位置決め部材から前記第2レバー部材へと延びる部分であり前記第1延長部に当接する第2延長部とを有している、
請求項7に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め構造は、前記第2レリーズ軸受の外周側に固定され前記第1レリーズ軸受の内周側に係合し前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持される係合部材を、さらに有しており、
前記第2規制部は、前記第1レリーズ軸受と前記第2レバー部材との間において前記係合部材の外周側に設けられた突出部を有しており、前記突出部が前記第1レリーズ軸受に当接することによって、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する、
請求項7に記載のクラッチ装置。 - 前記第2規制部は、前記第2レリーズ軸受に設けられ前記第1レリーズ軸受と前記第2レバー部材との間において半径方向に延びる第4延長部を有しており、前記第4延長部が前記第1レリーズ軸受に当接することによって、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する、
請求項7に記載のクラッチ装置。 - 前記位置決め部材は、前記第2レバー部材の姿勢を維持するために前記第2レバー部材に向かって延び記第2レバー部材に当接する第3延長部を、さらに有している、
請求項2から9のいずれかに記載のクラッチ装置。
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