JP5149975B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンからトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置に関する。
近年では、MTの伝達効率を確保しつつクラッチ操作を不要とすることを目的とした自動変速機(AMT)が、提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このタイプのクラッチ装置は、デュアルタイプのクラッチ装置と呼ばれ、エンジンからの動力を、2本のシャフトを介してトランスミッションへと伝達する。ここで、エンジンからの動力を各シャフトに伝達するためには、2本のシャフトに連結される第1クラッチ及び第2クラッチそれぞれに押圧力を付与する必要がある。この押圧力は、トランスミッションのスリーブに配置されたレリーズベアリングによって、付与される。
仏国特許出願公開第2859773号明細書
従来のデュアルタイプのクラッチ装置では、レリーズベアリングが、トランスミッションに設けられたスリーブに配置されていた。そして、このスリーブにおいて、クラッチに押圧力を付与する方向へのレリーズベアリングの移動が、ガイドされていた。しかしながら、レリーズベアリングをトランスミッション側に配置した場合、トランスミッションをクラッチ装置に装着したときに、レリーズベアリングの回転中心が、クラッチ装置のクラッチの回転中心から偏心してしまうおそれがある。このため、従来の構造では、レリーズベアリングの回転中心を調節するための調芯構造を、用意することによって、この調芯構造によって、上記の偏心を調節する必要があった。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、トランスミッションの精度に依存することなく、レリーズ軸受の位置精度を確保することにある。
請求項1に係るクラッチ装置は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸及び第2入力軸へと、動力を伝達するためのクラッチ装置である。このクラッチ装置は、入力回転体と、第1及び第2プレッシャプレートと、第1及び第2レバー部材と、第1及び第2レリーズ軸受と、第1及び第2クラッチディスク組立体と、位置決め構造とを、備えている。第1プレッシャプレートは、入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレートは、入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。
第1レバー部材は、第1プレッシャプレートに押付力を伝達するためのものである。第2レバー部材は、第2プレッシャプレートに押付力を伝達するためのものである。第1レリーズ軸受は、第1レバー部材を押圧可能な部材である。第2レリーズ軸受は、第2レバー部材を押圧可能な部材である。第1クラッチディスク組立体は、第1プレッシャプレートの押付力によって、第1入力軸に動力を伝達する。第2クラッチディスク組立体は、第2プレッシャプレートの押付力によって、第2入力軸に動力を伝達する。位置決め構造は、第1及び第2入力軸から離れた位置において第1及び第2レリーズ軸受を入力回転体に対して位置決めする。
このクラッチ装置では、たとえば、車両を奇数速で発進させる場合、第1レバー部材が第1レリーズ軸受によって押圧される。これにより、第1プレッシャプレートが入力回転体に当接し、エンジンの動力が、第1クラッチディスク組立体を介して、入力回転体から第1入力軸へと伝達される。一方で、車両を偶数速で発進させる場合、第2レバー部材が第2レリーズ軸受によって押圧される。これにより、第2プレッシャプレートが入力回転体に当接し、エンジンの動力が、第2クラッチディスク組立体を介して、入力回転体から第2入力軸へと伝達される。
このようなクラッチ装置では、第1及び第2入力軸から離れた位置において、第1及び第2レリーズ軸受を入力回転体に対して位置決めしているので、トランスミッションの精度に依存することなく、レリーズ軸受の位置精度を確保することができる。すなわち、レリーズ軸受の位置精度を、クラッチ装置が持つ誤差の範囲内に収めることができる。また、調芯構造や調芯構造を配置するためのスペースが不用となるので、コストの低減及び省スペース化も同時に図ることができる。
請求項2に係るクラッチ装置では、請求項1に記載のクラッチ装置において、位置決め構造が、位置決め部材を、有している。位置決め部材は、第1レリーズ軸受を半径方向で位置決めするためのものであり、入力回転体に設けられている。
この場合、入力回転体に設けられた位置決め部材によって、第1レリーズ軸受が半径方向において位置決めされる。これにより、トランスミッションの精度に依存することなく、第1レリーズ軸受の位置精度を確保することができる。
請求項3に係るクラッチ装置では、請求項2に記載のクラッチ装置において、第2レリーズ軸受が、第1レリーズ軸受の内周側において、第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持されている、
この場合、第2レリーズ軸受が、第1レリーズ軸受の内周側において、第1レリーズ軸受に支持されている。言い換えると、第2レリーズ軸受は、第1レリーズ軸受を介して、入力回転体に設けられた位置決め部材に支持されている。これにより、トランスミッションの精度に依存することなく、第2レリーズ軸受の位置精度を確保することができる。
請求項4に係るクラッチ装置では、請求項3に記載のクラッチ装置において、位置決め構造が、係合部材を、さらに有している。係合部材は、第2レリーズ軸受の外周側に固定されている。係合部材は、第1レリーズ軸受の内周側に係合し、第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持されている。
この場合、第2レリーズ軸受が、係合部材を介して、第1レリーズ軸受の内周側で第1レリーズ軸受に支持されている。これにより、第2レリーズ軸受と第1レリーズ軸受とが離れていても、係合部材によって、第2レリーズ軸受を第1レリーズ軸受の内周側で確実に支持させることができる。
請求項5に係るクラッチ装置では、請求項2から4のいずれかに記載のクラッチ装置において、位置決め部材が、第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第1規制部を、有している。
この場合、位置決め部材の第1規制部によって、第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。すなわち、クラッチ装置からの第1レリーズ軸受の抜け出しを規制することができる。これにより、クラッチ装置をモジュール化することができる。また、クラッチ装置のモジュール化によって、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項6に係るクラッチ装置では、請求項5に記載のクラッチ装置において、第1規制部が、第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する規制部材と、規制部材と第1レリーズ軸受との間に配置され第1レバー部材の姿勢を調節するための調節部材とを、有している。
この場合、規制部材によって、第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、規制部材と第1レリーズ軸受との間に配置された調節部材によって、第1レバー部材の姿勢を調節することができる。また、このような構成をとることによって、第1レリーズ軸受をクラッチ装置の外方から容易に組み付けることができる。また、クラッチ装置をモジュール化することができるので、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項7に係るクラッチ装置では、請求項1から6のいずれかに記載のクラッチ装置において、位置決め構造が、第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第2規制部を、さらに有している。
この場合、位置決め構造の第2規制部によって、第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。すなわち、クラッチ装置からの第2レリーズ軸受の抜け出しを規制することができる。これにより、クラッチ装置をモジュール化することができる。また、クラッチ装置のモジュール化によって、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項8に係るクラッチ装置では、請求項7に記載のクラッチ装置において、第2規制部が、第2レリーズ軸受に設けられる第1延長部と、位置決め部材に設けられる第2延長部とを、有している。第1延長部は、第2レリーズ軸受において、位置決め部材と第2レバー部材との間で半径方向に延びる部分である。第2延長部は、位置決め部材から第2レバー部材へと延びる部分であり、第1延長部に当接する。
この場合、第2レリーズ軸受の第1延長部を、位置決め部材の第2延長部に当接させることによって、クラッチ装置からの第2レリーズ軸受の抜け出しを、位置決め部材によって規制することができる。また、第1延長部及び第2延長部は、位置決め部材と第2レバー部材との間のスペースを利用して配置されているので、第1延長部及び第2延長部を配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズ軸受の抜け出しを規制することができる。また、クラッチ装置をモジュール化することができるので、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項9に係るクラッチ装置では、請求項7に記載のクラッチ装置において、位置決め構造が、係合部材をさらに有している。係合部材は、第2レリーズ軸受の外周側に固定されている。また、係合部材は、第1レリーズ軸受の内周側に係合し、第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持されている。第2規制部は、突出部を、有している。突出部は、第1レリーズ軸受と第2レバー部材との間において、係合部材の外周側に設けられている。
この場合、係合部材に設けられた突出部が、第1レリーズ軸受に当接することによって、クラッチ装置からの第2レリーズ軸受の抜け出しを、規制することができる。また、突出部は、第1レリーズ軸受と第2レバー部材との間のスペースを利用して配置されているので、突出部を配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズ軸受の抜け出しを規制することができる。さらに、クラッチ装置をモジュール化することができるので、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項10に係るクラッチ装置では、請求項7に記載のクラッチ装置において、第2規制部が、第2レリーズ軸受に設けられる第4延長部を、有している。第4延長部は、第2レリーズ軸受において、第1レリーズ軸受と第2レバー部材との間で半径方向に延びる部分である。
この場合、第2規制部の第4延長部が、第1レリーズ軸受に当接することによって、第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を、規制することができる。また、第4延長部は、第1レリーズ軸受と第2レバー部材との間のスペースを利用して配置されているので、第4延長部を配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズ軸受の抜け出しを規制することができる。さらに、クラッチ装置をモジュール化することができるので、クラッチ装置を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。
請求項11に係るクラッチ装置では、請求項2から9のいずれかに記載のクラッチ装置において、位置決め部材が、第2レバー部材の姿勢を維持するための第3延長部を、さらに有している。第3延長部は、第2レバー部材に向かって延びる部分であり、第2レバー部材に当接している。
この場合、第3延長部を第2レバー部材に当接させることによって、第2レバー部材の姿勢が維持されている。すなわち、第3延長部によって、第2レバー部材の姿勢を調節することができる。また、第3延長部は、位置決め部材と第2レバー部材との間のスペースを利用して配置されているので、第3延長部を配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レバー部材の姿勢を調節することができる。
本発明では、第1及び第2入力軸から離れた位置において、第1及び第2レリーズ軸受を入力回転体に対して位置決めしているので、トランスミッションの精度に依存することなく、レリーズ軸受の位置精度を確保することができる。また、調芯構造や調芯構造を配置するためのスペースが不用となるので、コストの低減及び省スペース化も同時に図ることができる。
クラッチ装置の断面図(第1実施形態) クラッチ装置の断面図(第2実施形態) クラッチ装置の断面図(第3実施形態) クラッチ装置の断面図(第4実施形態) クラッチ装置の断面図(第5実施形態) 第1規制部の拡大断面図
〔第1実施形態〕
<クラッチ装置の全体構成>
図1に示すように、本クラッチ装置1は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。クラッチ装置1は、クラッチカバー2(位置決め部材)と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート組立体37と、第2プレッシャプレート組立体47と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。入力回転体10(より詳細には第1フライホイール3)、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10(より詳細には第2フライホイール4)、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより、第2クラッチC2が構成されている。第1クラッチC1および第2クラッチC2は、いわゆるノーマルオープンタイプのクラッチである。第1クラッチC1が第1速、第3速および第5速において動力を伝達し、第2クラッチC2が第2速および第4速において動力を伝達する。
なお、ここでは、ノーマルオープンタイプのクラッチは、アクチュエータから駆動力が付与されていない状態で、エンジンからトランスミッションへ必要動力を伝達していないクラッチと定義している。必要動力とは、車両を駆動するために必要な動力であり、アクセルを踏むことなく車両を微速走行させる程度の動力(例えば、クリープ動力)は含まれていない。
また、図示はしていないが、図1〜図6において、クラッチ装置1の右側にエンジン、クラッチ装置1の左側にトランスミッションがそれぞれ配置されている。したがって、図1〜図6においてエンジン側は右側、トランスミッション側は左側となる。
<クラッチカバー>
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。具体的には、クラッチカバー2は、環状のクラッチカバー本体2aと、クラッチカバー本体2aの外周側に形成された装着部2bと、クラッチカバー本体2aの内周側に形成された支持部2cとを、有している。クラッチカバー2は、装着部2bにおいて、第2フライホイール4の外周部、例えば第2円板部43の外周部に、固定される。クラッチカバー2の支持部2cは、円筒状に形成されており、軸方向トランスミッション側に延びている。クラッチカバー2の支持部2cには、後述する第1レリーズベアリング71(第1レリーズ軸受)が装着される。
<入力回転体>
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート(図示せず)やダンパー(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。入力回転体10は回転軸Xを中心に回転する。入力回転体10は、主に、第1フライホイール3と、第2フライホイール4と、を有している。
第1フライホイール3は、環状の第1円板部33を有している。第1フライホイール3は、第2フライホイール4に固定されており、第2フライホイール4と一体回転する。第2フライホイール4は、環状の第2円板部43を有している。第2円板部43は第1円板部33と軸方向に空間を隔てて配置されている。第2フライホイール4は、第1フライホイール3に固定されており、第1フライホイール3と一体回転する。第2フライホイール4は、ベアリング34を介して、第2入力軸92に対して回転可能に支持されている。
ベアリング34は、第2フライホイール4の内周部に固定されている。ベアリング34は、第2フライホイール4を介して、第1フライホイール3も回転可能に支持している。また、ベアリング34は、支持部材35に固定されている。支持部材35は、第2入力軸92に固定されている。詳細には、支持部材35は、第2フライホイール4とでベアリング34を挟持している。第2入力軸92にはスナップリング36が装着されており、このスナップリング36によって支持部材35のエンジン側への移動が、規制されている。
<第1プレッシャプレート組立体>
第1プレッシャプレート組立体37は、第1プレッシャプレート39を、有している。第1プレッシャプレート39は、第1クラッチディスク組立体5を第1フライホイール3に押し付けるための環状の部材であり、第1円板部33と第2円板部43との軸方向間に配置されている。第1プレッシャプレート39は、第1円板部33に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第1プレッシャプレート39は、第1ストラッププレート(図示せず)を介して、第1フライホイール3に連結されている。
<第2プレッシャプレート組立体>
第2プレッシャプレート組立体47は、第2プレッシャプレート49を、有している。第2プレッシャプレート49は、第2クラッチディスク組立体6を第2フライホイール4に押し付けるための環状の部材であり、第1円板部33と第2円板部43との軸方向間に配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2円板部43に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第2プレッシャプレート49は、第2ストラッププレート(図示せず)を介して、第2フライホイール4に連結されている。
<第1クラッチディスク組立体>
第1クラッチディスク組立体5は、第1プレッシャプレート39の押付力によって、第1入力軸91にエンジンの動力を伝達する。第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10(より詳細には第1フライホイール3)から、第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第1クラッチディスク組立体5は、第1入力軸91に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第1クラッチディスク組立体5は、第1摩擦部57と、第1入力部材52と、を有している。第1摩擦部57は、第1円板部33と第1プレッシャプレート39との軸方向間に配置されている。第1摩擦部57は、第1円板部33および第1プレッシャプレート39と摺動可能に設けられている。第1摩擦部57は、クッショニングプレート(図示せず)を含んでいる。このため、第1プレッシャプレート39と第1円板部33との間に第1摩擦部57が挟み込まれると、クッショニングプレートが軸方向に圧縮され、クッション力が第1プレッシャプレート39および第1円板部33に作用する。第1入力部材52は、第1摩擦部57から動力が伝達される部材であり、第1摩擦部57と連結されている。第1入力部材52は、第1入力軸91に連結されている。
<第2クラッチディスク組立体>
第2クラッチディスク組立体6は、第2プレッシャプレート49の押付力によって、第2入力軸92にエンジンの動力を伝達する。第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10(より詳細には第2フライホイール4)から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第2クラッチディスク組立体6は、第2入力軸92に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第2クラッチディスク組立体6は、第2摩擦部67と、第2入力部材62と、を有している。第2摩擦部67は、第2円板部43と第2プレッシャプレート49との軸方向間に配置されている。第2摩擦部67は、第2円板部43および第2プレッシャプレート49と摺動可能に設けられている。第2摩擦部67は、クッショニングプレート(図示せず)を含んでいる。このため、第2プレッシャプレート49と第2円板部43との間に第2摩擦部67が挟み込まれると、クッショニングプレートが軸方向に圧縮され、クッション力が第2プレッシャプレート49および第2円板部43に作用する。第2入力部材62は、第2摩擦部67から動力が伝達される部材であり、第2摩擦部67と連結されている。第2入力部材62は第2入力軸92に連結されている。
<駆動機構>
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1における動力伝達のオンオフを切り換える。第1駆動機構7Aは、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、クラッチカバー2と、第1ダイヤフラムスプリング70(第1レバー部材)と、第1レリーズベアリング71(第1レリーズ軸受)と、第1中間部材72とから、構成されている。
第1ダイヤフラムスプリング70は、第1クラッチC1に対して弾性力を付与可能なように予め圧縮された状態で配置されている。具体的には、第1ダイヤフラムスプリング70は、第1中間部材72を介して、弾性変形可能に第1プレッシャプレート39に支持されている。より具体的には、第1ダイヤフラムスプリング70では、外周部が、クラッチカバー2と、第1プレッシャプレート39に装着された第1中間部材72との間に配置され、クラッチカバー2と第1中間部材72とに挟持されている。また、第1ダイヤフラムスプリング70では、内周部のトラスミッション側が、第1レリーズベアリング71に当接して支持されている。これにより、第1ダイヤフラムスプリング70は、第1中間部材72を介して、第1プレッシャプレート39に軸方向の押付力を付与可能になっている。
第1レリーズベアリング71は、軸方向に移動自在且つ第1ダイヤフラムスプリング70を押圧可能に、位置決め構造8(後述する)に支持されている。第1レリーズベアリング71の内輪は、トランスミッションに設けられた第1フォークF1によって、支持されている。より具体的には、第1レリーズベアリング71と第1フォークF1との間には、第1押圧部材88が配置されている。この第1押圧部材88を介して、第1レリーズベアリング71の内輪は、第1フォークF1によって軸方向エンジン側に押圧される。すると、第1ダイヤフラムスプリング70が、第1レリーズベアリング71の外輪によって、軸方向エンジン側に押圧される。また、第1フォークF1による押圧が解除されると、第1ダイヤフラムスプリング70の反力によって、第1レリーズベアリング71は、軸方向トランスミッション側へと移動する。
第1中間部材72は、第1プレッシャプレート組立体37に装着されている。第1中間部材72は、第1レリーズベアリング71によって第1ダイヤフラムスプリング70に駆動力が付与された場合に、第1ダイヤフラムスプリング70の弾性力を、第1ダイヤフラムスプリング70から第1プレッシャプレート組立体37へと伝達する。これにより、第1プレッシャプレート39に対して、軸方向の押付力例えば軸方向エンジン側への押付力を、発生させている。
第2駆動機構7Bは、第2クラッチC2における動力伝達のオンオフを切り換える。第2駆動機構7Bは、第2プレッシャプレート49に軸方向の押し付け力を伝達する。第2駆動機構7Bは、第2フライホイール4(より詳細には第2円板部43)と、第2ダイヤフラムスプリング80(第2レバー部材)と、第2レリーズベアリング81(第2レリーズ軸受)と、第2中間部材82とから、構成されている。
第2ダイヤフラムスプリング80は、第2クラッチC2に対して弾性力を付与可能なように予め圧縮された状態で配置されている。具体的には、第2ダイヤフラムスプリング80は、第2中間部材82を介して、弾性変形可能に第2プレッシャプレート49に支持されている。より具体的には、第2ダイヤフラムスプリング80では、外周部が、第2フライホイール4の第2円板部43と、第2プレッシャプレート49に装着された第2中間部材82との間に配置され、第2円板部43と第1中間部材72とに挟持されている。また、第2ダイヤフラムスプリング80では、内周部のトラスミッション側が、第2レリーズベアリング81に当接して支持されている。これにより、第2ダイヤフラムスプリング80は、第2中間部材82を介して、第2プレッシャプレート49に軸方向の押付力を付与可能になっている。
第2レリーズベアリング81は、軸方向に移動自在且つ第2ダイヤフラムスプリング80を押圧可能に、位置決め構造8(後述する)に支持されている。第2レリーズベアリング81は、第1レリーズベアリング71の内周側に配置されている。また、スリーブ90(係合部材)が、第1レリーズベアリング71と第2レリーズベアリング81との間に配置されている。スリーブ90は、第2レリーズベアリング81の外周に装着されている。具体的には、スリーブ90は、第2レリーズベアリング81の外輪に、かしめ固定されている。
第2レリーズベアリング81の外輪は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第2ダイヤフラムスプリング80が、第2レリーズベアリング81の内輪によって、軸方向エンジン側に押圧される。また、第2レリーズベアリング81は、第2フォークF2による押圧が解除されると、第2ダイヤフラムスプリング80の反力によって、軸方向トランスミッション側へと移動する。
第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側は、半径方向に屈曲して形成され、この屈曲部85aが第2ダイヤフラムスプリング80のトランスミッション側に当接している。第2レリーズベアリング81の外輪は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、支持されている。より具体的には、第2レリーズベアリング81と第2フォークF2との間には、第2押圧部材89が配置されている。この第2押圧部材89を介して、第2レリーズベアリング81の外輪は、第2フォークF2によって軸方向エンジン側に押圧される。また、第2フォークF2による押圧が解除されると、第2ダイヤフラムスプリング80の反力によって、第2レリーズベアリング81は、軸方向トランスミッション側へと移動する。
第2中間部材82は、第2プレッシャプレート組立体37に装着されている。第2中間部材82は、第2レリーズベアリング81によって第2ダイヤフラムスプリング80に駆動力が付与された場合に、第2ダイヤフラムスプリング80の弾性力を、第2ダイヤフラムスプリング80から第2プレッシャプレート組立体37へと伝達する。これにより、第2プレッシャプレート49に対して、軸方向の押付力例えば軸方向トランスミッション側への押付力を、発生させている。
<位置決め構造>
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2とスリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
位置決め構造8では、クラッチカバー2は、第1レリーズベアリング71を半径方向で位置決めするための部材である。第1レリーズベアリング71は、円筒状に形成されたクラッチカバー2の支持部2cの内周に支持されている。具体的には、第1レリーズベアリング71の外輪外周面は、クラッチカバー2の支持部2cに対して、一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向エンジン側は、第1ダイヤフラムスプリング70のトランスミッション側に当接している。第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向トランスミッション側は、トランスミッションに設けられた第1フォークF1によって、支持されている。具体的には、第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向トランスミッション側は、第1押圧部材88を介して、第1フォークF1によって、支持され押圧される。
また、位置決め構造8では、第2レリーズベアリング81が、第1レリーズベアリング71の内周側において、第1レリーズベアリング71に対して軸方向に移動可能に支持されている。具体的には、第2レリーズベアリング81の外輪に固定されたスリーブ90が、第1レリーズベアリング71の内周側に配置されている。このスリーブ90を介して、第2レリーズベアリング81が、第1レリーズベアリング71の内周側において、第1レリーズベアリング71に対して軸方向に移動可能に支持されている。
<本クラッチ装置の動作>
クラッチ装置1の動作について説明する。図1に示す状態は、駆動機構7により第1クラッチC1および第2クラッチC2に押付力が付与されていない状態であり、第1クラッチC1および第2クラッチC2で動力伝達が行われていない状態である。この状態では、第1プレッシャプレート39は、図1に示す軸方向位置に保持されており、第2プレッシャプレート49も、図1に示す軸方向位置に保持されている。
ここで、エンジンから動力が入力回転体10に伝達されると、入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第2プレッシャプレート49および駆動機構7は一体回転する。
例えば、車両が第1速で発進する際、トランスミッションの第1入力軸91側が第1速に切り替えられ、第1アクチュエータ(図示せず)によって第1フォークF1が、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第1押圧部材88を介して第1レリーズベアリング71が、軸方向エンジン側に移動する。すると、第1ダイヤフラムスプリング70が、第1レリーズベアリング71によって、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第1プレッシャプレート39が、第1中間部材72を介して、軸方向エンジン側に移動する。この結果、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が、第1プレッシャプレート39と第1フライホイール3(第1円板部33)との間に挟み込まれる。すると、エンジンからの動力が、第1クラッチディスク組立体5を介して、第1入力軸91に伝達される。これらの動作により、車両は、第1速で発進を開始する。
第1速から第2速への変速時には、まず、トランスミッションの第2入力軸92側が第2速に切り替えられる。トランスミッションが第2速の状態で、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に第2クラッチC2が連結状態に切り替えられる。具体的には、第1駆動機構7Aに付与されている駆動力、例えば第1レリーズベアリング71に付与されている駆動力が、解放される。すると、第1駆動機構7Aの状態が、図1に示す状態に戻り、第1クラッチC1を介した動力伝達が解除される。
次に、第2アクチュエータ(図示せず)によって第2フォークF2が、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第2押圧部材89を介して第2レリーズベアリング81が、軸方向エンジン側に移動する。すると、第2ダイヤフラムスプリング80が、第2レリーズベアリング81によって、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第2プレッシャプレート49が、第2中間部材82を介して、軸方向トランスミッション側に移動する。この結果、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が、第2プレッシャプレート49と第2フライホイール4(第2円板部43)との間に挟み込まれる。すると、エンジンからの動力が、第2クラッチディスク組立体6を介して、第2入力軸92に伝達される。これらの動作により、車両は、第2速で発進を開始する。
第2速から第3速への変速時には、トランスミッションの第1入力軸91側が第3速に切り替えられる。トランスミッションが第3速の状態で、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に第1クラッチC1が連結状態に切り替えられる。具体的には、第2駆動機構7Bに付与されている駆動力、例えば第2レリーズベアリング81に付与されている駆動力が、解放される。すると、第2駆動機構7Bの状態が図1に示す状態に戻り、第2クラッチC2を介した動力伝達が解除される。
上記の内容をまとめると、本クラッチ装置1では、奇数速での走行時には、動力は、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。また、走行時に奇数速から偶数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第1入力軸91へと伝達されている状態において、偶数のギアが第2入力軸92にセットされる。そして、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に、第2クラッチC2が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、偶数のギアがセットされた第2入力軸92へと伝達される。さらに、走行時に偶数速から奇数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第2入力軸92へと伝達されている状態において、奇数のギアが第1入力軸91にセットされる。そして、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に、第1クラッチC1が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、本クラッチ装置1の特徴を示す。図1に示したように、本クラッチ装置1では、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めしている。
具体的には、本クラッチ装置1では、入力回転体10に設けられたクラッチカバー2によって、第1レリーズベアリング71が半径方向において位置決めされる。また、第2レリーズベアリング81が、スリーブ90を介して、第1レリーズベアリング71の内周側で第1レリーズベアリング71に支持されている。これにより、トランスミッションの精度に依存することなく、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の位置精度を確保することができる。すなわち、レリーズベアリング71,81の位置精度を、クラッチ装置1が持つ誤差の範囲内に収めることができる。また、調芯構造や調芯構造を配置するためのスペースが不用となるので、コストの低減及び省スペース化も同時に図ることができる。また、第1レリーズベアリング71と第2レリーズベアリング81とが離れていても、スリーブ90によって、第2レリーズベアリング81を第1レリーズベアリング71の内周側で確実に支持させることができる。
〔第2実施形態〕
図2に示すように、本クラッチ装置101は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置101は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
図2に示したクラッチ装置101の構成は、クラッチカバー2、第2レリーズベアリング81、及び位置決め構造8の部分を除けば、基本構成は、第1実施形態に示したクラッチ装置1と同じである。ここでは、第1実施形態に示したクラッチ装置1と構成が同じ部分についての説明は、省略する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ番号を用い、本実施形態の説明において登場しない番号は、図2では省略している。また、ここで省略された説明は、前記実施形態の記載に準ずる。
<クラッチカバー>
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。クラッチカバー2は、第2レリーズベアリング81を保持するための保持部材2d(第2延長部)を、さらに有している。保持部材2dは、クラッチカバー本体2aから第2ダイヤフラムスプリング80へと延びる部材である。保持部材2dは、クラッチカバー2に装着されている。具体的には、保持部材2dは、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置されている。保持部材2dの一端部は、クラッチカバー本体2aに装着されており、保持部材2dの他端部22dは、後述する、第2レリーズベアリング81の内輪に設けられるフランジ部85(第1延長部)に、当接している。ここでは、保持部材2dが、クラッチカバー2と別体に設けられる場合の例を示したが、保持部材2dを、クラッチカバー2と一体に形成してもよい。
<駆動機構>
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。
第2レリーズベアリング81は、軸方向に移動自在且つ第2ダイヤフラムスプリング80を押圧可能に、位置決め構造8(後述する)に支持されている。第2レリーズベアリング81の外輪は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第2ダイヤフラムスプリング80が、第2レリーズベアリング81の内輪によって、軸方向エンジン側に押圧される。また、第2レリーズベアリング81は、第2フォークF2による押圧が解除されると、第2ダイヤフラムスプリング80の反力によって、軸方向トランスミッション側へと移動する。
具体的には、第2レリーズベアリング81には、フランジ部85が設けられている。フランジ部85は、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側から半径方向に屈曲して半径方向に延びる部分である。フランジ部85には、屈曲部85aが形成されている。屈曲部85aは、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側が、半径方向に屈曲して形成された部分である。フランジ部85は、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置される。また、フランジ部85すなわち屈曲部85aは、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。これにより、上記のように、第2レリーズベアリング81の外輪が第2フォークF2によって軸方向エンジン側に押圧されると、第2ダイヤフラムスプリング80が、フランジ部85の屈曲部85aによって、軸方向エンジン側に押圧される。
<位置決め構造>
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
位置決め構造8は、第1規制部18と第2規制部28とを、さらに有している。第1規制部18は、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制するためのものである。第1規制部18は、クラッチカバー2に設けられている。具体的には、第1規制部18は、クラッチカバー2の円筒状の支持部2cに、設けられている。第1規制部18は、図6に示すように、スナップリング18a(規制部材)と、スペーサスペーサ18b(調節部材)とを、有している。スナップリング18aは、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制する部材である。スナップリング18aは、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に形成された環状溝2fに、装着される。スペーサ18bは、第1ダイヤフラムスプリング70の姿勢を調節するための部材である。スペーサ18bは、スナップリング18aと第1レリーズベアリング71との間に配置されている。
第2規制部28は、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制するためのものである。具体的には、第2規制部28は、第2レリーズベアリング81に設けられるフランジ部85と、クラッチカバー2に設けられる保持部材2dとを、有している。フランジ部85は、上述したように、第2レリーズベアリング81の内輪から半径方向に延びる部分であり、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置される。保持部材2dは、上述したように、クラッチカバー本体2aから第2ダイヤフラムスプリング80へと延びる部材であり、クラッチカバー本体2aに装着されている。保持部材2dの先端部22d(上述した他端部)は、フランジ部85例えばフランジ部85の外周端部85bに、当接している。
ここでは、フランジ部85すなわち屈曲部85aを第2ダイヤフラムスプリング80に当接させ、保持部材2dの先端部22dをフランジ部85の外周端部85bに当接させることによって、第2レリーズベアリング81の抜け止めと、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢の維持とを、同時に行っている。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、本クラッチ装置101の特徴を示す。図2に示したように、本クラッチ装置101では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、第2レリーズベアリング81のフランジ部85を、クラッチカバー2の保持部材2dに当接させることによって、クラッチ装置101からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、クラッチカバー2によって規制することができる。
これにより、クラッチ装置101からの第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができるので、クラッチ装置101をモジュール化することができる。そして、クラッチ装置101のモジュール化することよって、クラッチ装置101を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。また、第2レリーズベアリング81のフランジ部85、及びクラッチカバー2の保持部材2dは、クラッチカバー2と第2ダイヤフラムスプリング80との間のスペースを利用して配置されているので、フランジ部85及び保持部材2dを配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができる。
また、スナップリング18aと第1レリーズベアリング71との間に配置されたスペーサ18bによって、第1ダイヤフラムスプリング70の姿勢を調節することができる。すなわち、スペーサ18bの軸方向の長さを調節することによって、第1ダイヤフラムスプリング70の反力の調整と、第1クラッチC1の切れ代の調整(詳細には、第1プレッシャプレート39と第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。また、このような構成をとることによって、第1レリーズベアリング71を、クラッチ装置101の外方から容易に組み付けることができる。さらに、第2レリーズベアリング81のフランジ部85を、クラッチカバー2の保持部材2dに当接させることによって、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢も維持することができる。すなわち、保持部材2dの軸方向の長さを調節することによって、第2ダイヤフラムスプリング80の反力の調整と、第2クラッチC2の切れ代の調整(詳細には、第2プレッシャプレート49と第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。なお、前記実施形態と同じ構成を有する部分については、第2実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
図3に示すように、本クラッチ装置201は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置201は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
図3に示したクラッチ装置201の構成は、クラッチカバー2、第2レリーズベアリング81、及び位置決め構造8の部分を除けば、基本構成は、第1実施形態に示したクラッチ装置1と同じである。このため、ここでは、第1実施形態に示したクラッチ装置1と構成が同じ部分についての説明は、省略する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ番号を用い、本実施形態の説明において登場しない番号は、図3では省略している。また、ここで省略された説明は、前記実施形態の記載に準ずる。
<クラッチカバー>
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、入力回転体10例えば第2フライホイール4に固定される。クラッチカバー2は、レバーストッパ2e(第3延長部)を、さらに有している。レバーストッパ2eは、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢を維持するためのものである。レバーストッパ2eは、クラッチカバー本体2aから第2ダイヤフラムスプリング80へと延びる部分である。レバーストッパ2eは、クラッチカバー2に設けられている。具体的には、レバーストッパ2eは、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置されている。レバーストッパ2eの軸方向先端部22eは、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。ここでは、レバーストッパ2eが、クラッチカバー2に一体である場合の例を示したが、レバーストッパ2eを、クラッチカバー2と別体に形成し、クラッチカバー2に装着するようにしてもよい。
<駆動機構>
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。また、第2レリーズベアリング81においても、前記実施形態と同じ構成に関する部分については、説明を省略している。
第2レリーズベアリング81は、軸方向に移動自在且つ第2ダイヤフラムスプリング80を押圧可能に、位置決め構造8(後述する)に支持されている。第2レリーズベアリング81は、第1レリーズベアリング71の内周側に配置されている。また、スリーブ90が、第1レリーズベアリング71と第2レリーズベアリング81との間に配置されている。スリーブ90は、第2レリーズベアリング81の外周に装着されている。具体的には、スリーブ90は、第2レリーズベアリング81の外輪に、かしめ固定されている。
スリーブ90は、突出部90aを有している。突出部90aは、第1レリーズベアリング71と、第2ダイヤフラムスプリング80との間において、スリーブ90の外周面に形成されている。具体的には、複数の突出部90aが、スリーブ90の外周面において周方向に間隔を隔てて形成されている。ここでは、複数の突出部90aがスリーブ90の外周面に形成される場合の例を示すが、環状の突出部90aを、スリーブ90の外周面上に形成してもよい。
また、初期状態では、スリーブ90の突出部90aと第1レリーズベアリング71の内輪との軸方向の間隔が、第1レリーズベアリング71の軸方向移動距離より大きくなるように、設定されている。これにより、第1レリーズベアリング71と突出部90aとの干渉を回避している。ここでは、第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側が、第1規制部18例えばスペーサ18bに当接した状態を、初期状態としている。
第2レリーズベアリング81には、屈曲部85aが設けられている。屈曲部85aは、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側が、半径方向に屈曲して形成された部分である。屈曲部85aは、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置され、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。より具体的には、屈曲部85aは、スリーブ90と第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置され、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。これにより、上記のように、第2レリーズベアリング81の外輪が第2フォークF2によって軸方向エンジン側に押圧されると、第2ダイヤフラムスプリング80が、フランジ部85の屈曲部85aによって、軸方向エンジン側に押圧される。
<位置決め構造>
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
位置決め構造8は、第1規制部18と第2規制部28とを、さらに有している。第1規制部18は、図6に示すように、前記第2実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。第2規制部28は、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制するためのものである。第2規制部28は、上述したような、スリーブ90の外周側に設けられた突出部90aを、有している。第2レリーズベアリング81の外輪側に形成された突出部90a、例えばスリーブ90に形成された突出部90aを、第1レリーズベアリング71に当接させることによって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。ここでは、第2レリーズベアリング81がトランスミッション側に移動したときに、突出部90aを第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、第2レリーズベアリング81を抜け止めしている。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、本クラッチ装置201の特徴を示す。図3に示したように、本クラッチ装置201では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スリーブ90に設けられた突出部90aを、第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、クラッチ装置201からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、規制することができる。
これにより、クラッチ装置201からの第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができるので、クラッチ装置201をモジュール化することができる。そして、クラッチ装置201のモジュール化することよって、クラッチ装置201を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。また、突出部90aは、第1レリーズベアリング71と第2ダイヤフラムスプリング80との間のスペースを利用して配置されているので、突出部90aを配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができる。
また、スナップリング18aと第1レリーズベアリング71との間に配置されたスペーサ18bによって、第1ダイヤフラムスプリング70の姿勢を調節することができる。すなわち、スペーサ18bの軸方向の長さを調節することによって、第1ダイヤフラムスプリング70の反力の調整と、第1クラッチC1の切れ代の調整(詳細には、第1プレッシャプレート39と第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。また、このような構成をとることによって、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、クラッチ装置201の外方から容易に組み付けることができる。さらに、クラッチカバー2のレバーストッパ2eを第2ダイヤフラムスプリング80に当接させることによって、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢を維持することができる。すなわち、レバーストッパ2eの軸方向の長さを調節することによって、第2ダイヤフラムスプリング80の反力の調整と、第2クラッチC2の切れ代の調整(詳細には、第2プレッシャプレート49と第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。なお、前記実施形態と同じ構成を有する部分については、第3実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
図4に示すように、本クラッチ装置301は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置である。本クラッチ装置301は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。
図4に示したクラッチ装置301の構成は、第2レリーズベアリング81、及び位置決め構造8の部分を除けば、基本構成は、第3実施形態に示したクラッチ装置301と同じである。このため、ここでは、第3実施形態に示したクラッチ装置301と構成が同じ部分についての説明は、省略する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ番号を用い、本実施形態の説明において登場しない番号は、図4では省略している。また、ここで省略された説明は、前記実施形態の記載に準ずる。
<駆動機構>
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。第2実施形態における駆動機構7は、第2レリーズベアリング81を除いて、第1実施形態の駆動機構7と同じである。このため、ここでは、第2レリーズベアリング81を除いた構成については、説明を省略する。また、第2レリーズベアリング81においても、前記実施形態と同じ構成に関する部分については、説明を省略している。
第2レリーズベアリング81には、フランジ部85(第4延長部)が設けられている。フランジ部85は、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側から半径方向に屈曲して半径方向に延びる部分である。フランジ部85の外周端部85bが軸方向において第1レリーズベアリング71の内輪に対向するように、フランジ部85は形成されている。すなわち、フランジ部85の外周端部85bは、スリーブ90の内周側からスリーブ90の外周面を越えた位置にまで延びている。また、フランジ部85とスリーブ90との間には、所定の隙間が設けられている。
また、初期状態では、フランジ部85の外周端部85bと第1レリーズベアリング71の内輪との軸方向の間隔が、第1レリーズベアリング71の軸方向移動距離より大きくなるように、設定されている。これにより、第1レリーズベアリング71とフランジ部85の外周端部85bとの干渉を回避している。ここでは、第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側が、第1規制部18例えばスペーサ18bに当接した状態を、初期状態としている。
フランジ部85には、屈曲部85aが形成されている。屈曲部85aは、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向エンジン側が、半径方向に屈曲して形成された部分である。フランジ部85は、クラッチカバー本体2aと第2ダイヤフラムスプリング80との間に配置される。また、フランジ部85すなわち屈曲部85aは、第2ダイヤフラムスプリング80に当接している。これにより、上記のように、第2レリーズベアリング81の外輪が第2フォークF2によって軸方向エンジン側に押圧されると、第2ダイヤフラムスプリング80が、フランジ部85の屈曲部85aによって、軸方向エンジン側に押圧される。
<位置決め構造>
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2と、スリーブ90とから、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10例えば第2フライホイール4に位置決めする。
位置決め構造8は、第1規制部18と第2規制部28とを、さらに有している。第1規制部18は、図6に示すように、前記第2実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。第2規制部28は、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制するためのものである。第2規制部28は、上述したような、第2レリーズベアリング81に設けられたフランジ部85を、有している。このフランジ部85の外周端部85bを、第1レリーズベアリング71の内輪に当接可能に形成することによって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。ここでは、第2レリーズベアリング81がトランスミッション側に移動したときに、フランジ部85の外周端部85bを第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、第2レリーズベアリング81を抜け止めしている。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、本クラッチ装置301の特徴を示す。図4に示したように、本クラッチ装置301では、クラッチカバー2の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、スナップリング18aによって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、第2レリーズベアリング81に設けられたフランジ部85を、第1レリーズベアリング71の内輪に当接させることによって、クラッチ装置301からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、規制することができる。
これにより、クラッチ装置301からの第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができるので、クラッチ装置301をモジュール化することができる。そして、クラッチ装置301のモジュール化することよって、クラッチ装置301を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。また、フランジ部85は、第1レリーズベアリング71と第2ダイヤフラムスプリング80との間のスペースを利用して配置されているので、フランジ部85を配置するための特別なスペースを用意しなくても、第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができる。
また、スナップリング18aと第1レリーズベアリング71との間に配置されたスペーサ18bによって、第1ダイヤフラムスプリング70の姿勢を調節することができる。すなわち、スペーサ18bの軸方向の長さを調節することによって、第1ダイヤフラムスプリング70の反力の調整と、第1クラッチC1の切れ代の調整(詳細には、第1プレッシャプレート39と第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。また、このような構成をとることによって、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、クラッチ装置301の外方から容易に組み付けることができる。さらに、クラッチカバー2のレバーストッパ2eを第2ダイヤフラムスプリング80に当接させることによって、第2ダイヤフラムスプリング80の姿勢を維持することができる。すなわち、レバーストッパ2eの軸方向の長さを調節することによって、第2ダイヤフラムスプリング80の反力の調整と、第2クラッチC2の切れ代の調整(詳細には、第2プレッシャプレート49と第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67との間隔の調整)とを、容易に行うことができる。なお、前記実施形態と同じ構成を有する部分については、第4実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第5実施形態〕
前記第1から第4の実施形態では、入力回転体10が、2つの円板部例えば第1円板部33及び第2円板部43から構成される場合の例を示したが、第5実施形態では、入力回転体が1つの円板部から構成される場合の例を示す。ここでは、第1から第4の実施形態に示したクラッチ装置1と説明が重複する部分については、詳細な説明を省略した部分がある。ここで省略された説明は、前記実施形態の記載に準ずる。なお、第1から第4の実施形態と同じ構成については、同じ番号を用い、本実施形態の説明において登場しない番号は、図5では省略している。
<クラッチ装置の全体構成>
図5に示すように、クラッチ装置1は、クラッチカバー2と、入力回転体10と、第1プレッシャプレート組立体37と、第2プレッシャプレート組立体47と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、位置決め構造8とを、備えている。入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより、第2クラッチC2が構成されている。
<クラッチカバー>
クラッチカバー2は、入力回転体10に固定される。具体的には、クラッチカバー2は、環状のクラッチカバー本体2aと、クラッチカバー本体2aの外周側に形成された装着部2bと、クラッチカバー本体2aの内周側に形成された支持部2cとを、有している。クラッチカバー2は、装着部2bにおいて、入力回転体10の外周部に、固定される。クラッチカバー2の支持部2cは、円筒状に形成されており、軸方向トランスミッション側に延びている。クラッチカバー2の支持部2cには、後述する第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81が装着される。
<入力回転体>
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート(図示せず)やダンパー(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。入力回転体10は回転軸Xを中心に回転する。
入力回転体10は、ベアリング34を介して、第2入力軸92に対して回転可能に支持されている。ベアリング34の外輪は、入力回転体10の内周部に固定されている。また、ベアリング34の内輪は、第2入力軸92に固定されている。詳細には、ベアリング34は、入力回転体10と第2入力軸92との間で挟持されている。第2入力軸92にはスナップリング36が装着されており、このスナップリング36によってベアリング34のエンジン側への移動が、規制されている。
<第1プレッシャプレート組立体>
第1プレッシャプレート組立体37は、第1プレッシャプレート39を、有している。第1プレッシャプレート39は、第1クラッチディスク組立体5を入力回転体10に押し付けるための環状の部材である。第1プレッシャプレート39は、入力回転体10を基準として軸方向エンジン側に配置されている。第1プレッシャプレート39は、入力回転体10に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第1プレッシャプレート39は、第1ストラッププレート(図示せず)を介して、入力回転体10に連結されている。
<第2プレッシャプレート組立体>
第2プレッシャプレート組立体47は、第2プレッシャプレート49を、有している。第2プレッシャプレート49は、第2クラッチディスク組立体6を入力回転体10に押し付けるための環状の部材である。第2プレッシャプレート49は、入力回転体10を基準として軸方向トランスミッション側に配置されている。第2プレッシャプレート49は、入力回転体10に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置されている。具体的には、第2プレッシャプレート49は、第2ストラッププレート(図示せず)を介して、入力回転体10に連結されている。
<第1クラッチディスク組立体>
第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10から、第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第1クラッチディスク組立体5は、第1入力軸91に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第1クラッチディスク組立体5は、第1摩擦部57と、第1入力部材52と、を有している。第1摩擦部57は、入力回転体10と第1プレッシャプレート39との軸方向間に配置されている。第1摩擦部57は、入力回転体10および第1プレッシャプレート39と摺動可能に設けられている。第1摩擦部57は、クッショニングプレート(図示せず)を含んでいる。このため、第1プレッシャプレート39と入力回転体10との間に第1摩擦部57が挟み込まれると、クッショニングプレートが軸方向に圧縮され、クッション力が第1プレッシャプレート39および入力回転体10に作用する。第1入力部材52は、第1摩擦部57から動力が伝達される部材であり、第1摩擦部57と連結されている。第1入力部材52は、第1入力軸91に連結されている。
<第2クラッチディスク組立体>
第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第2クラッチディスク組立体6は、第2入力軸92に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第2クラッチディスク組立体6は、第2摩擦部67と、第2入力部材62と、を有している。第2摩擦部67は、入力回転体10と第2プレッシャプレート49との軸方向間に配置されている。第2摩擦部67は、入力回転体10および第2プレッシャプレート49と摺動可能に設けられている。第2摩擦部67は、クッショニングプレート(図示せず)を含んでいる。このため、第2プレッシャプレート49と入力回転体10との間に第2摩擦部67が挟み込まれると、クッショニングプレートが軸方向に圧縮され、クッション力が第2プレッシャプレート49および入力回転体10に作用する。第2入力部材62は、第2摩擦部67から動力が伝達される部材であり、第2摩擦部67と連結されている。第2入力部材62は第2入力軸92に連結されている。
<駆動機構>
駆動機構7は、第1クラッチC1および第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構である。駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1における動力伝達のオンオフを切り換える。第1駆動機構7Aは、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、クラッチカバー2と、第1ダイヤフラムスプリング70と、第1レリーズベアリング71と、第1中間部材72とから、構成されている。
第1ダイヤフラムスプリング70は、第1クラッチC1に対して弾性力を付与可能なように予め圧縮された状態で配置されている。具体的には、第1ダイヤフラムスプリング70は、第1中間部材72を介して、弾性変形可能に第1プレッシャプレート39に支持されている。より具体的には、第1ダイヤフラムスプリング70は、外周側において、クラッチカバー2と、第1プレッシャプレート39に装着された第1中間部材72との間に配置され、クラッチカバー2と第1中間部材72とに挟持されている。また、第1ダイヤフラムスプリング70では、内周部のトラスミッション側が、第1レリーズベアリング71に当接して支持されている。これにより、第1ダイヤフラムスプリング70は、第1中間部材72を介して、第1プレッシャプレート39に軸方向の押付力を付与可能になっている。
第1レリーズベアリング71は、軸方向に移動自在且つ第1ダイヤフラムスプリング70を押圧可能に、位置決め構造8に支持されている。例えば、第1レリーズベアリング71は、クラッチカバー2の支持部2cの外周側に配置されている。詳細には、第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向エンジン側は、半径方向に屈曲して形成され、この屈曲部75aが第1ダイヤフラムスプリング70のトランスミッション側に当接している。
第1レリーズベアリング71の外輪は、トランスミッションに設けられた第1フォークF1によって、支持されている。より具体的には、第1レリーズベアリング71と第1フォークF1との間には、第1押圧部材88が配置されている。この第1押圧部材88を介して、第1レリーズベアリング71の外輪は、第1フォークF1によって軸方向エンジン側に押圧される。すると、第1ダイヤフラムスプリング70が、第1レリーズベアリング71の内輪すなわち屈曲部75aによって、軸方向エンジン側に押圧される。また、第1フォークF1による押圧が解除されると、第1ダイヤフラムスプリング70の反力によって、第1レリーズベアリング71は、軸方向トランスミッション側へと移動する。
第1中間部材72は、第1プレッシャプレート組立体37に装着されている。第1中間部材72は、第1レリーズベアリング71によって第1ダイヤフラムスプリング70に駆動力が付与された場合に、第1ダイヤフラムスプリング70の弾性力を、第1ダイヤフラムスプリング70から第1プレッシャプレート組立体37へと伝達する。このようにして、第1プレッシャプレート39に対して、軸方向の押付力例えば軸方向トランスミッション側への押付力を、発生させている。
第2駆動機構7Bは、第2クラッチC2における動力伝達のオンオフを切り換える。第2駆動機構7Bは、第2プレッシャプレート49に軸方向の押し付け力を伝達する。第2駆動機構7Bは、クラッチカバー2と、第2ダイヤフラムスプリング80と、第2レリーズベアリング81と、第2プレッシャプレート49とから、構成されている。
第2ダイヤフラムスプリング80は、第2クラッチC2に対して弾性力を付与可能なように予め圧縮された状態で配置されている。具体的には、第2ダイヤフラムスプリング80は、弾性変形可能に第2プレッシャプレート49に支持されている。より具体的には、第2ダイヤフラムスプリング80は、クラッチカバー2と第2プレッシャプレート49との間に配置され、外周側において、クラッチカバー2と第2プレッシャプレート49とに挟持されている。また、第2ダイヤフラムスプリング80では、内周部のトラスミッション側が、第2レリーズベアリング81に当接して支持されている。このようにして、第2ダイヤフラムスプリング80は、第2プレッシャプレート49に軸方向の押付力を付与可能になっている。
第2レリーズベアリング81は、軸方向に移動自在且つ第2ダイヤフラムスプリング80を押圧可能に、位置決め構造8に支持されている。第2レリーズベアリング81は、第1レリーズベアリング71の内周側に配置されている。詳細には、クラッチカバー2の支持部2cが、第1レリーズベアリング71と第2レリーズベアリング81との間に配置されている。第2レリーズベアリング81は、クラッチカバー2の支持部2cの内周側に配置されている。
第2レリーズベアリング81の内輪は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、軸方向エンジン側に押圧される。すると、第2ダイヤフラムスプリング80が、第2レリーズベアリング81の外輪によって、軸方向エンジン側に押圧される。また、第2レリーズベアリング81は、第2フォークF2による押圧が解除されると、第2ダイヤフラムスプリング80の反力によって、軸方向トランスミッション側へと移動する。
詳細には、第2レリーズベアリング81の外輪の軸方向エンジン側は、内周側に屈曲して形成され、この屈曲部85aが第2ダイヤフラムスプリング80のトランスミッション側に当接している。第2レリーズベアリング81の内輪は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、支持されている。より具体的には、第2レリーズベアリング81と第2フォークF2との間には、第2押圧部材89が配置されている。この第2押圧部材89を介して、第2レリーズベアリング81の内輪は、第2フォークF2によって軸方向エンジン側に押圧される。これにより、第2プレッシャプレート49に対して、軸方向の押付力例えば軸方向エンジン側への押付力を、発生させている。また、第2フォークF2による押圧が解除されると、第2ダイヤフラムスプリング80の反力によって、第2レリーズベアリング81は、軸方向トランスミッション側へと移動する。
<位置決め構造>
位置決め構造8は、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めする。位置決め構造8は、クラッチカバー2から、構成されている。位置決め構造8では、クラッチカバー2を介して、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に位置決めする。
位置決め構造8では、クラッチカバー2が、第1レリーズベアリング71を半径方向で位置決めする。第1レリーズベアリング71は、円筒状に形成されたクラッチカバー2の支持部2cの外周面において支持されている。具体的には、第1レリーズベアリング71の内輪は、クラッチカバー2の支持部2cの外周面に対して、一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向エンジン側は、すなわち屈曲部75aは、第1ダイヤフラムスプリング70のトランスミッション側に当接している。第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側は、トランスミッションに設けられた第1フォークF1によって、支持されている。具体的には、第1レリーズベアリング71の外輪の軸方向トランスミッション側は、第1押圧部材88を介して、第1フォークF1によって、支持され押圧される。
クラッチカバー2は、第1規制部18を有している。第1レリーズベアリング71は、第1規制部18によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制される。第1規制部18は、クラッチカバー2の支持部2cの外周面に設けられている。第1規制部18は、溝部2gと抜け止め部材136とから、構成されている。溝部2gは、クラッチカバー2の支持部2cの外周面に設けられている。この溝部2gには、抜け止め部材例えばスナップリング136が装着されている。第1レリーズベアリング71は、このスナップリング136と第1ダイヤフラムスプリング70との間に配置されている。第1レリーズベアリング71の内輪の軸方向トランスミッション側は、スナップリング136に当接している。このように、第1レリーズベアリング71は、スナップリング136によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。すなわち、第1レリーズベアリング71は、スナップリング136と第1ダイヤフラムスプリング70との間において軸方向に支持されている。このようにして、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への抜け出しが、規制されている。
また、位置決め構造8では、第2レリーズベアリング81が、第1レリーズベアリング71の内周側において、第1レリーズベアリング71に対して軸方向に移動可能に支持されている。ここでは、クラッチカバー2が、第2レリーズベアリング81を半径方向で位置決めする。第2レリーズベアリング81は、円筒状に形成されたクラッチカバー2の支持部2cの内周面において支持されている。具体的には、第2レリーズベアリング81の外輪外周面は、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に対して、一体回転可能且つ軸方向に移動可能に連結されている。
第2レリーズベアリング81の外輪の軸方向エンジン側、すなわち屈曲部85aは、第2ダイヤフラムスプリング80のトランスミッション側に当接している。第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向トランスミッション側は、トランスミッションに設けられた第2フォークF2によって、支持されている。具体的には、第2レリーズベアリング81の内輪の軸方向トランスミッション側は、第2押圧部材89を介して、第2フォークF2によって、支持され押圧される。
クラッチカバー2は、第2規制部28をさらに有している。第2レリーズベアリング81は、第2規制部28によって、軸方向トランスミッション側への移動が規制される。第2規制部28は、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に設けられている。第2規制部28は、抜け止め部2hから構成されている。抜け止め部2h、例えば抜け止め突起は、クラッチカバー2の支持部2cの内周面に一体に形成されている。抜け止め突起2hは、第2レリーズベアリング81の外輪の軸方向トランスミッション側に、当接している。このように、第2レリーズベアリング81は、抜け止め突起2hによって、軸方向トランスミッション側への移動が規制されている。すなわち、第2レリーズベアリング81は、抜け止め突起2hと第2ダイヤフラムスプリング80との間において軸方向に支持されている。このようにして、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への抜け出しが、規制されている。
<本クラッチ装置の動作>
本クラッチ装置401の動作は、基本的には、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作と同じである。本クラッチ装置401の動作と、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作との違いは、次の部分である。本クラッチ装置401では、クラッチ装置401では、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が、第1プレッシャプレート39と入力回転体10との間に挟み込まれる。また、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が、第2プレッシャプレート49と入力回転体10との間に挟み込まれる。この点を除くと、本クラッチ装置401の動作と、前記第1から第4の実施形態のクラッチ装置1,101,201,301の動作とは同じであるため、ここでは説明を省略する。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、本クラッチ装置401の特徴を示す。図5に示したように、本クラッチ装置401では、第1入力軸91及び第2入力軸92から離れた位置において、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81を、入力回転体10に対して位置決めしている。
具体的には、本クラッチ装置1では、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81が、入力回転体10に設けられたクラッチカバー2によって、半径方向において位置決めされる。より具体的には、第1レリーズベアリング71は、入力回転体10に設けられたクラッチカバー2の支持部2cの外周側において、位置決めされる。また、第2レリーズベアリング81は、入力回転体10に設けられたクラッチカバー2の支持部2cの内周側において、位置決めされる。これにより、トランスミッションの精度に依存することなく、第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の位置精度を確保することができる。すなわち、レリーズベアリング71,81の位置精度を、クラッチ装置1が持つ誤差の範囲内に収めることができる。また、調芯構造や調芯構造を配置するためのスペースが不用となるので、コストの低減及び省スペース化も同時に図ることができる。
また、位置決め構造8の第1規制部18によって、第1レリーズベアリング71の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、抜け止め部材例えばスナップリング136によって、クラッチ装置401からの第1レリーズベアリング71の抜け出しを、クラッチカバー2によって規制することができる。また、位置決め構造8の第2規制部28によって、第2レリーズベアリング81の軸方向トランスミッション側への移動を規制することができる。詳細には、抜け止め部例えば抜け止め突起2hによって、クラッチ装置401からの第2レリーズベアリング81の抜け出しを、クラッチカバー2によって規制することができる。
これにより、クラッチ装置401からの第1レリーズベアリング71及び第2レリーズベアリング81の抜け出しを規制することができるので、クラッチ装置401をモジュール化することができる。そして、クラッチ装置401のモジュール化することよって、クラッチ装置401を他の装置や部材に容易に取り付けることができる。なお、前記実施形態と同じ構成を有する部分については、第5実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
(a)前記第1実施形態では、第1規制部18及び第3延長部が設けられてない場合の例を示したが、第1規制部18及び第3延長部の少なくともいずれか一方を設けるようにしてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(b)前記第2から第4実施形態では、位置決め構造8の第1規制部18が、スナップリング18aと、スペーサスペーサ18bとから構成される場合の例を示したが、第1規制部18を、クラッチカバー2の支持部2cに一体に形成してもよい。具体的には、第1規制部18が、クラッチカバー2の支持部2cのトランスミッション側において内周側に突出した環状の突出部としてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(c)前記第5実施形態では、位置決め構造8の抜け止め部2h(抜け止め突起)が、クラッチカバー2の内周面に一体に形成される場合の例を示したが、抜け止め突起2hに代えて、抜け止め部材をクラッチカバー2の内周面に装着するようにしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸及び第2入力軸へと、動力を伝達するためのクラッチ装置に、利用可能である。
1,101,201,301,401 クラッチ装置
2 クラッチカバー
2e レバーストッパ
2d 保持部材
2g 抜け止め部材(スナップリング)
2h 抜け止め突起
3 第1フライホイール
4 第2フライホイール
5 第1クラッチディスク組立体
6 第2クラッチディスク組立体
7 駆動機構
7A 第1駆動機構
7B 第2駆動機構
8 位置決め構造
10 入力回転体
18 第1規制部
22d 保持部材の先端部
22e レバーストッパの軸方向先端部
28 第2規制部
33 第1円板部
39 第1プレッシャプレート
43 第2円板部
49 第2プレッシャプレート
70 第1ダイヤフラムスプリング
71 第1レリーズベアリング
80 第2ダイヤフラムスプリング
81 第2レリーズベアリング
85 フランジ部
85a 屈曲部
85b フランジ部の外周端部
90 スリーブ
90a 突出部
91 第1入力軸
92 第2入力軸
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ

Claims (11)

  1. エンジンから、トランスミッションの第1入力軸及び第2入力軸へと、動力を伝達するためのクラッチ装置であって、
    入力回転体と、
    前記入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置された第1プレッシャプレートと、
    前記入力回転体に対して一体回転可能且つ軸方向に移動可能に配置された第2プレッシャプレートと、
    前記第1プレッシャプレートに押付力を伝達するための第1レバー部材と、
    前記第2プレッシャプレートに押付力を伝達するための第2レバー部材と、
    前記第1レバー部材を押圧可能な第1レリーズ軸受と、
    前記第2レバー部材を押圧可能な第2レリーズ軸受と、
    前記第1プレッシャプレートの押付力によって、前記第1入力軸に動力を伝達する第1クラッチディスク組立体と、
    前記第2プレッシャプレートの押付力によって、前記第2入力軸に動力を伝達する第2クラッチディスク組立体と、
    前記第1及び第2入力軸から離れた位置において前記第1及び第2レリーズ軸受を前記入力回転体に対して位置決めする位置決め構造と、
    を備えたクラッチ装置。
  2. 前記位置決め構造は、前記入力回転体に設けられ前記第1レリーズ軸受を半径方向で位置決めするための位置決め部材を、有している、
    請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記位置決め構造では、前記第2レリーズ軸受が、前記第1レリーズ軸受の内周側において、前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持されている、
    請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記位置決め構造は、前記第1レリーズ軸受の内周側に係合し前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持される係合部材を、さらに有しており、
    前記係合部材は、前記第2レリーズ軸受の外周側に固定されている、
    請求項3に記載のクラッチ装置。
  5. 前記位置決め部材は、前記第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第1規制部を、有している、
    請求項2から4のいずれかに記載のクラッチ装置。
  6. 前記第1規制部は、前記第1レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する規制部材と、前記規制部材と前記第1レリーズ軸受との間に配置され前記第1レバー部材の姿勢を調節するための調節部材とを、有している、
    請求項5に記載のクラッチ装置。
  7. 前記位置決め構造は、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する第2規制部を、さらに有している、
    請求項2から6のいずれかに記載のクラッチ装置。
  8. 前記第2規制部は、前記第2レリーズ軸受に設けられ位置決め部材と第2レバー部材との間において半径方向に延びる第1延長部と、前記位置決め部材から前記第2レバー部材へと延びる部分であり前記第1延長部に当接する第2延長部とを有している、
    請求項7に記載のクラッチ装置。
  9. 前記位置決め構造は、前記第2レリーズ軸受の外周側に固定され前記第1レリーズ軸受の内周側に係合し前記第1レリーズ軸受に対して軸方向に移動可能に支持される係合部材を、さらに有しており、
    前記第2規制部は、前記第1レリーズ軸受と前記第2レバー部材との間において前記係合部材の外周側に設けられた突出部を有しており、前記突出部が前記第1レリーズ軸受に当接することによって、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する、
    請求項7に記載のクラッチ装置。
  10. 前記第2規制部は、前記第2レリーズ軸受に設けられ前記第1レリーズ軸受と前記第2レバー部材との間において半径方向に延びる第4延長部を有しており、前記第4延長部が前記第1レリーズ軸受に当接することによって、前記第2レリーズ軸受の軸方向トランスミッション側への移動を規制する、
    請求項7に記載のクラッチ装置。
  11. 前記位置決め部材は、前記第2レバー部材の姿勢を維持するために前記第2レバー部材に向かって延び記第2レバー部材に当接する第3延長部を、さらに有している、
    請求項2から9のいずれかに記載のクラッチ装置。
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