JP4135345B2 - 自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る自動クラッチレリーズ装置とクラッチ装置は、自動車の変速操作を行なう際に、クラッチの断接を自動で行なう為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
手動変速機車(MT車)に付属のクラッチ装置は、エンジンのクランクシャフトと共に回転するフライホイールと、このフライホイールに対向する状態で設けたクラッチディスクと、このクラッチディスクを上記フライホイールに向けて押圧するプレッシャープレートと、このプレッシャープレートを上記クラッチディスクに向けて押圧するダイヤフラムばねと、トランスミッションの入力軸に沿って移動自在で、移動に伴ってこのダイヤフラムばねの傾斜角度を変化させ、上記フライホイールと入力軸との断接を制御するレリーズ軸受と、このレリーズ軸受を移動させるレリーズフォークを有する駆動機構とから構成している。
【0003】
自動車の運転者がクラッチペダルを踏み込むと、この踏み込みに伴ってレリーズフォークが揺動し、この揺動により上記レリーズ軸受が、上記入力軸の軸方向に沿って移動する。そして、このレリーズ軸受を構成する外輪と内輪とのうちの一方の軌道輪が、上記ダイヤフラムばねの中央部を押したり、或は引っ張る事で、上記フライホイールと入力軸との断接を切り換える。
【0004】
ところで、近年、一般的なMT車と同等の動力性能及び燃費性能を確保しつつ、運転者の運転操作の負担軽減を図る為に、自動変速機車(AT車)で一般的に使用されているトルクコンバータを使用する事なく、シフトレバーの変速操作に伴って、或は速度変化に基づく自動変速に伴ってクラッチの断接を自動で行なう、自動クラッチ装置が考えられている。例えば、従来構造の第1例として、シフトレバーが操作された場合や、発進時等に、制御部から出される信号に基づいて電動油圧ポンプを作動させ、レリーズシリンダ内に所定の圧油を送り込む事により、レリーズ軸受を油圧で軸方向に移動させ、クラッチを断接する構造が考えられている。又、従来構造の第2例として、特開2001−50300号公報に記載された構造の場合には、電動モータと角ねじ同士の送りねじ装置とを組み合わせている。そして、シフトレバーが操作された場合等に、上記電動モータに通電する事により、レリーズ軸受を軸方向に移動させて、クラッチを断接する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
但し、上述した従来構造の場合には、それぞれ次の様な問題がある。先ず、電動油圧ポンプを用いてレリーズシリンダ内に圧油を送り込み、レリーズ軸受を油圧で軸方向に移動させる従来構造の第1例の場合、レリーズシリンダや複雑な油圧回路を設ける必要がある為、製造コストが嵩む原因となる。又、特開2000−50300号公報に記載された従来構造の第2例の場合には、電動モータの回転力を軸方向の力に変換する為に、それぞれ断面が台形状である角ねじ同士を螺合させている。この為、この角ねじ同士の螺合部でのエネルギ損失が大きくなる。このエネルギ損失によるクラッチ装置の性能低下を補う為に、電動モータを大型化すると、クラッチ装置全体の大型化を招く。
【0006】
又、上記従来構造の第2例の場合、角ねじ同士が不可逆的に螺合しているので、当該螺合部で、回転方向の力を軸方向の力に変換する事はできるが、逆に軸方向の力を回転方向の力に変換する事はできない。この為、クラッチの断接を実現する為に、電動モータに正転及び逆転の回転駆動が自在なものを使用する必要がある。そして、クラッチの接続状態を切り換えるべく、レリーズ軸受の軸方向に関する移動方向を切り換える瞬間には、このレリーズ軸受を支持した部材が有するねじ部と、相手部材が有するねじ部とが押し付け合う方向が変化する。この結果、これら両ねじ部同士の間や動力伝達の為の各継手間に存在する不可避的な隙間(バックラッシュ)の分、がたつきを生じる。この為、上記レリーズ軸受の軸方向の移動量がこのがたつきの影響を受けて、この移動量を上記電動モータの回転量で厳密に規制する事が難しくなる。従って、従来構造の第2例の場合には、上記レリーズ軸受の軸方向の移動を高精度に行なう事が難しくなる。特に、半クラッチ状態を実現するのに必要な滑り制御は、単なるクラッチの断接制御に比べて、上記レリーズ軸受の軸方向の移動を、より高精度に行なう必要がある為、半クラッチ状態の実現が難しくなる。
本発明の自動クラッチレリーズ装置とクラッチ装置は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動クラッチレリーズ装置は、前述した従来構造と同様に、エンジンのクランクシャフトと共に回転するフライホイールとトランスミッションの入力軸とを断接する為のものである。そして、上記エンジンとトランスミッションとの間部分を覆うケースの内側にこのケースに支持された、ダイヤフラムばね又はピストン等の押圧部材に対向する状態で、上記入力軸の軸方向の移動を自在に設けられたレリーズ軸受と、上記ケースの内側に上記入力軸の軸方向の移動のみを自在に設けられた、外周面に断面が円弧形で全体が螺旋状の雄ボールねじ溝を有する内筒と、上記ケースの内側にこのケースに対する回転のみを自在に設けられた、内周面に断面が円弧形で全体が螺旋状の雌ボールねじ溝を有し、上記雄ボールねじ溝と複数のボールを介し、動力の伝達を可逆的にして螺合する外筒と、上記ケースに固定されてこの外筒を回転駆動する電動モータとを備える。そして、上記内筒の内径側に上記レリーズ軸受を構成する外輪を、この内筒の径方向に関する変位を許容する状態で支持すると共に、上記電動モータにより上記外筒を、この外筒の外周面に外嵌固定されたウォームホイールとこの電動モータの駆動軸に結合されたウォームとから成り、動力の伝達を可逆的にした歯車減速機構を介して回転駆動する。
【0008】
又、請求項2に記載した自動クラッチレリーズ装置は、内筒の内周面で軸方向に離隔した2個所位置から全周に亙り内径側に突出する状態で設けられた1対の鍔状部と、これら両鍔状部の間部分に設けられた第一の弾性部材とを備える。そして、これら両鍔状部同士の間に、この第一の弾性部材と上記レリーズ軸受を構成する外輪とを弾性的に挟持している。
【0009】
又、請求項3に記載した自動クラッチレリーズ装置は、上記ケースの一部で、上記トランスミッションの入力軸の周囲に設けられた円筒状保持部の外周面と、上記内筒の内周面との間に、全体を円筒状に形成した支持部材を設けている。更に、好ましくは、上記支持部材の内周面で、上記円筒状保持部の外周面と当接する部分の少なくとも一部を、合成樹脂製としている。
【0010】
又、請求項4に記載した自動クラッチレリーズ装置は、上記内筒の軸方向両側面のうちで上記トランスミッション側の側面と上記ケースの一部側面との間に、第二の弾性部材を設けている。
【0011】
更に、上述した自動クラッチレリーズ装置に、以下の(1) (8) の構成を適宜組み合わせる事もできる。
(1) 上記外筒の端部内周面と内筒の端部外周面との間を密封する為の、第一の密封部材を設ける。更に、好ましくは、この第一の密封部材は、円輪部と、この円輪部の径方向両端縁からそれぞれこの円輪部の軸方向同方向に連続する状態で設けた内径側筒部及び外径側筒部とを備える。そして、この内径側筒部を上記内筒の端部外周面に外嵌支持すると共に、上記外径側筒部の内周面を上記外筒の端部外周面に、微小隙間を介して近接対向させる。又、他の好ましい構成として、上記外径側筒部の内周面に全周に亙り弾性材を結合すると共に、この弾性材の先端縁を上記外筒の端部外周面に、全周に亙り摺接させる。
【0012】
(2) 上記レリーズ軸受を構成する外輪の端部内周面と内輪の端部外周面との間に第二の密封部材を設ける。
【0013】
(3) 前記ケースの一部で、前記トランスミッションの入力軸の周囲に設けられた円筒状保持部の一部外周面と、上記外筒の端部内周面との間に、玉軸受を設ける。更に、好ましくは、この玉軸受を構成する外輪の端部内周面と内輪の端部外周面との間に、第三の密封部材を設ける。
【0014】
(4) 上記円筒状保持部の外周面と内筒の内周面との間に設けた支持部材の外周縁部と、上記内筒の内周縁部との間に、これら支持部材と内筒との相対回転を阻止する為の第一の係合部を設ける。これと共に、上記支持部材の内周縁部と上記円筒状保持部の外周面との間に、これら支持部材と円筒状保持部との相対回転を阻止すると共に、上記円筒状保持部に対する上記支持部材の軸方向の変位を自在とする第二の係合部を設ける。
【0015】
(5) 上記外筒の内周面に設けた雌ボールねじ溝と上記内筒の外周面に設けた雄ボールねじ溝との間に連続した状態で設けるボールを、巻き数を1.5以下とした螺旋状に配置する。
【0016】
(6) 歯車減速機構を構成する少なくとも一部の歯車(ウォーム又はウォームホイール)で、少なくとも相手歯車(ウォームホイール又はウォーム)と当接する部分を合成樹脂製とする。
【0017】
(7) 前記ケースと上記内筒とのうちの一方の部材の軸方向に固定した杆状部材の一部を、これらケースと内筒とのうちの他方の部材の一部に、軸方向の摺動自在に係合させる。
【0018】
(8) 上記ケースの一部に設けた円筒状保持部の外周面に設けられた雄スプライン部と、上記内筒の一部内周面に設けられた雌スプライン部とをスプライン係合させる。
【0019】
又、本発明のクラッチ装置は、フライホイールと共に回転する状態で設けられたクラッチケースと、このクラッチケースの内側に設けられたクラッチディスクと、このクラッチディスクに直接又は他の部材を介して対向する状態で設けられたダイヤフラムばね又はピストン等の押圧部材と、上記自動クラッチレリーズ装置とを備える。そして、上記押圧部材に対向する状態で設けたレリーズ軸受を、上記トランスミッションの入力軸の軸方向に沿って移動させる事により、上記フライホイールと上記入力軸との断接を自在としている。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する本発明の自動クラッチレリーズ装置とクラッチ装置によれば、雄ボールねじ溝と雌ボールねじ溝との、複数のボールを介しての螺合部で、電動モータの回転力を、レリーズ軸受を移動させる為の軸方向の力に変換する事ができる。この為、電動油圧ポンプを使用した、前述した従来構造の第1例の場合と異なり、レリーズシリンダや複雑な油圧回路を設ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。又、本発明によれば、角ねじ同士の螺合部で電動モータの回転力を軸方向の力に変換する、前述した従来構造の第2例の場合に比べて、内部でのエネルギ損失を低減できる。この為、上記電動モータの消費電力を低減できると共に、この電動モータの小型化を図れる。
【0021】
更に、本発明の場合、上記螺合部に可逆性を持たせている為、この螺合部で、内筒の軸方向に加わった力を、外筒を回転させる力に変換できる。この為、クラッチの接続状態を切り換える場合に、電動モータの作動を停止したり、この電動モータのトルクをダイヤフラムばねや皿ばね等の弾力に見合う大きさよりも小さくするのみで、このダイヤフラムばねや皿ばね等の弾力に基づいて、上記レリーズ軸受をトランスミッション側に移動させる事ができる。従って、通電に基づく上記電動モータの回転駆動方向を一方向のみとする事ができる。そして、クラッチの接続状態を切り換える瞬間にも、上記弾力に基づいて、上記螺合部を含む動力伝達部の各構成部材同士が同じ方向に押し付け合ったままに維持される。この為、これら各構成部材間に不可避的に存在する軸方向の隙間(バックラッシュ)に拘らず、上記電動モータの回転量と上記レリーズ軸受の軸方向の移動量とを、厳密に関連付ける事ができる。この様に、本発明によれば、このレリーズ軸受の軸方向移動を高精度に行なえる為、クラッチの断接制御及び滑り制御を容易に行なえる。特に、クラッチの滑り制御は、上記レリーズ軸受の軸方向移動を特に高精度に行なう事が必要とされる為、本発明は、滑り制御を必要とする半クラッチ状態を実現するのに特に有効である。
【0022】
又、上記レリーズ軸受を、内筒の内径側に支持している為、このレリーズ軸受を含んで構成するクラッチ装置全体の軸方向の寸法を小さくできる。更に、上記レリーズ軸受を、上記内筒の径方向に関する変位を許容する状態で支持している為、製造上不可避な寸法誤差により、押圧部材の回転中心と内筒の回転中心とがずれた場合でも、この押圧部材と上記レリーズ軸受との間に作用する力により、このレリーズ軸受の回転中心を上記押圧部材の回転中心に一致させる、自動調心機能を持たせる事ができる。従って、このレリーズ軸受を構成する各部品の当接部に不均一な荷重が加わって、早期に軸受損傷が生じる事を防止できると共に、上記当接部に著しい摩耗が生じる事を防止できる。
更に、本発明によれば、電動モータのトルクを外筒に、ウォームとウォームホイールとから成り、動力の伝達を可逆的にした歯車減速機構を介して伝達自在としている。この為、上記電動モータのトルクを増大させつつ(減速させつつ)、上記外筒に伝達できる為、レリーズ軸受の軸方向への移動をより高精度に行なえる。しかも、上記電動モータの駆動軸の軸方向と上記外筒の回転軸の軸方向とをねじれ方向に異ならせる事ができる為、上記ケースに対する上記電動モータの設置位置の自由度を向上させる事ができる。
【0023】
又、請求項2に記載した自動クラッチレリーズ装置によれば、内筒に対するレリーズ軸受の軸方向のずれを防止できると共に、上記内筒に対しこのレリーズ軸受を、この内筒の径方向に関して容易に変位させる事ができ、上記レリーズ軸受と押圧部材とを容易に調心させる事ができる。
【0024】
又、請求項3に記載した自動クラッチレリーズ装置によれば、支持部材により、円筒状保持部に対する内筒の径方向に関する変位を容易に規制できる。この為、上記雄ボールねじ溝と上記雌ボールねじ溝との、複数のボールを介しての螺合部でのがたつき発生を抑える事ができる。更に、好ましい構成によれば、上記支持部材と円筒状保持部との当接部に潤滑油やグリース等の潤滑剤を介在させる事なく、この円筒状保持部に対し上記支持部材を、容易に摺動させる事ができる。
【0025】
又、請求項4に記載した自動クラッチレリーズ装置によれば、上記内筒を弾性部材により、軸方向に弾性的に押圧できる。この為、上記雄ボールねじ溝と上記雌ボールねじ溝と複数のボールとの螺合部でのがたつき発生を、より効果的に抑える事ができる。
【0026】
又、前記(1) の構成によれば、上記雄ボールねじ溝と雌ボールねじ溝と複数のボールとの螺合部に、粉塵等の異物が進入するのを防止して、耐久性を確保できる。更に、好ましい構成によれば、上記内筒の端部外周面と上記外筒の端部内周面との間の径方向に関する寸法を小さくできる。
【0027】
又、前記(2) の構成によれば、レリーズ軸受の内部に粉塵等の異物が進入するのを防止して、耐久性を確保できる。
【0028】
又、前記(3) の構成によれば、摩擦損失を小さくできる構造で、ケースに対し外筒を回転自在に支持できる。更に、好ましい構成によれば、玉軸受の内部に粉塵等の異物が進入するのを防止して、耐久性を確保できる。
【0029】
又、前記(4) の構成によれば、内筒をケースに対し、このケースに対する回転を阻止すると共に、このケースの軸方向に関する変位を自在とした状態で支持する事ができる。
【0030】
又、前記(5) の構成によれば、軸方向長さを小さくして、設置空間を小さくできる。
【0031】
又、前記(6) の構成によれば、歯車減速機構部分に発生する、騒音の低減を図ると同時に、この歯車減速機構を構成するウォームとウォームホイールとの噛合部を潤滑する為に潤滑油やグリース等の潤滑剤を使用する事なく、噛合部での摩擦力を低減して、電動モータの消費電力を低減できる。
【0032】
又、前記(7) の構成によれば、径方向に関する寸法を小さくしつつ、ケースに対し内筒を、回転を阻止した状態で、軸方向の変位のみを自在に支持する事ができる。又、前記(8) の構成によれば、部品点数を削減しつつ、ケースに対し内筒を、回転を阻止した状態で、軸方向の変位のみを自在に支持する事ができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明のクラッチ装置の場合、図示しないエンジンのシリンダブロックの壁面と、やはり図示しないトランスミッションケースの壁面との間にケース1を設けている。そして、このケース1の内側に、エンジンのクランクシャフトの端部に固定したフライホイール(図示せず)と、トランスミッションの入力軸2の端部とを設けている。この入力軸2の端部は、上記ケース1の一端部(図1〜3の右端部)に設けた壁部3の中心部を貫通する中心孔4と、この壁部3の内面(図1〜3の左面)の一部で、上記中心孔4の周縁部から軸方向に突出する状態で設けた円筒状保持部5の内側とに挿通している。そして、上記中心孔4の内周面と上記入力軸2の外周面の一部との間にシールリング6を設けて、上記トランスミッション内の潤滑油が、上記ケース1内に入り込む事を防止している。尚、上記入力軸2の回転は、上記トランスミッションのケース側に回転自在に支持している。又、上記円筒状保持部5は、基端部(図1〜3の右端部)に大径筒部7を、先半部(図1〜3の左半部)に小径筒部8を、それぞれ設けると共に、これら両筒部7、8同士を円輪部9により連結している。
【0034】
そして、上記フライホイールに隣接してクラッチディスク組立体10を設けると共に、このクラッチディスク組立体10に隣接する状態で設けた押圧部材である、ダイヤフラムばね11の片側(図1〜3の右側)に、自動クラッチレリーズ装置12を設けている。このうちのクラッチディスク組立体10は、上記フライホイールと共に回転する状態で設けたクラッチケース13と、このクラッチケース13の内側に設けた第一クラッチ14及び第二クラッチ15と、遊星歯車機構16とを備える。
【0035】
又、上記第一クラッチ14は、第一クラッチケース17と、この第一クラッチケース17の内側にそれぞれ複数枚ずつ設けた第一クラッチディスク18、18及び第一摩擦プレート19、19とから成る。上記第一クラッチケース17は、断面クランク形で、全体を円環状に形成して成る。そして、この第一クラッチケース17の外径側部分を構成する外径側筒部20の内周面に上記各第一クラッチディスク18、18の外周縁部をスプライン係合させる事により、上記外径側筒部20に対し上記各第一クラッチディスク18、18を、軸方向の変位を自在に支持している。又、上記各第一摩擦プレート19、19の内周縁部を、断面L字形で全体を円環状に形成した、第二クラッチケース21の外周面にスプライン係合させる事により、この第二クラッチケース21に対し上記各第一摩擦プレート19、19を、軸方向の変位を自在に支持している。そして、上記各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とを、1枚ずつ交互に配置している。又、上記第一クラッチケース17の外径側部分を構成する外径側円輪部22の側面と、上記複数枚の第一クラッチディスク18、18のうち、軸方向一端(図1、2の左端)に位置する1枚の第一クラッチディスク18の側面との間に皿ばね23を設けて、これら各第一クラッチディスク18、18と上記各第一摩擦プレート19、19とに、図1〜3の右方に向かう方向の弾力を付与している。上記皿ばね23の弾力は、前記ダイヤフラムばね11の外周縁部に設けた第一の突き当て部48の弾力よりも少しだけ小さい程度の、大きな値としている。又、上記第一クラッチケース17を構成する外径側筒部20の先端部(図1、2の右端部)内周面に、第一スナップリング24の外周縁部を係止している。そして、この第一スナップリング24により、上記各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とを押圧する為の上記第一の突き当て部48の、図1、2の右方への変位を制限している。
【0036】
又、上記第二クラッチ15は、前記第二クラッチケース21と、この第二クラッチケース21の内側にそれぞれ複数枚ずつ設けた第二クラッチディスク26、26及び第二摩擦プレート27、27とから成る。即ち、上記第二クラッチケース21を構成する筒部25の内周面に上記各第二クラッチディスク26、26の外周縁部をスプライン係合させる事により、上記筒部25に対しこれら各第二クラッチディスク26、26を、軸方向の変位を自在に支持している。又、上記各第二摩擦プレート27、27の内周縁部を、断面L字形で全体を円筒状に形成した中間部材28を構成する筒部42の外周面にスプライン係合させる事により、この筒部42に対し上記各第二摩擦プレート27、27を、軸方向の変位を自在に支持している。そして、上記各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とを、1枚ずつ交互に配置している。又、上記第二クラッチケース21を構成する筒部25の内周面の両端部に、1対の第二スナップリング29、29の外周縁部を、それぞれ係止している。そして、これら両第二スナップリング29、29により、上記各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27との軸方向の変位を、所定の範囲に規制している。
【0037】
そして、前記遊星歯車機構16は、リングギヤ31と、キャリア39と、プラネタリギヤ40、40と、サンギヤ41とから成る。このうちのリングギヤ31は、外周面を、上記第二クラッチケース21を構成する円輪部30の内周縁とスプライン係合させている。又、上記キャリア39は、内周面を、前記トランスミッションの入力軸2の端部にスプライン係合させると共に、上記中間部材28に設けた円輪部32の内径寄り部分と複数の枢軸34、34により連結している。そして、これら各枢軸34、34の中間部に、上記各プラネタリギヤ40、40を回転自在に支持している。そして、これら各プラネタリギヤ40、40を、上記リングギヤ31の内周面と上記サンギヤ41の外周面との間部分に配置すると共に、これらリングギヤ31とサンギヤ41とに噛合させている。
【0038】
又、上記中間部材28を構成する筒部42の内径側に、第一の一方向クラッチ43を介して、内径側部材44を設けている。この内径側部材44は、断面が略コ字形で、全体を円環状に形成している。そして、前記ケース1に設けた円筒状保持部5の小径筒部8の先端部外周面に、上記内径側部材44の内径側端部に設けた内径側筒部45の内周面をスプライン係合させている。従って、この内径側部材44は、上記ケース1に対し回転しない。又、上記内径側部材44に設けた内径側筒部45の外周面と、上記サンギヤ41の外径側端部に設けた外径側筒部46の内周面との間に、第二の一方向クラッチ47を設けている。そして、上記サンギヤ41及び上記中間部材28を、上記リングギヤ31の回転方向にのみ、それぞれ回転自在としている。上記第一、第二の一方向クラッチ43、47は、上記入力軸2から上記リングギヤ31に、正規の方向の逆方向の回転力が伝わるのを防止する為に設けている。
【0039】
又、上記円筒状保持部5を構成する小径筒部8の外周面の一部で、上記内径側部材44と係合する部分から図1〜3の右方に外れた部分に、前記ダイヤフラムばね11の内周縁部を、軸方向の移動を可能に外嵌している。このダイヤフラムばね11は、外径寄り部分に第一の突き当て部48を、前記第一クラッチ14を構成する複数枚の第一クラッチディスク18、18のうち、軸方向他端(図1、2の右端)に位置する1枚の第一クラッチディスク18の側面に対向する状態で設けている。又、上記ダイヤフラムばね11の径方向中間部に第二の突き当て部49を、前記第二クラッチ15を構成する複数枚の第二クラッチディスク26、26のうち、軸方向他端(図1、2の右端)に位置する1枚の第二クラッチディスク26の側面に対向する状態で設けている。そして、上記ダイヤフラムばね11の一部で、上記第一、第二の両突き当て部48、49の間部分に外径側円輪部50を、同じく上記第二の突き当て部49よりも内径側に外れた部分に傾斜部51及び内径側円輪部52を、それぞれ設けている。尚、上記ダイヤフラムばね11の内周縁部を後述するレリーズ軸受61により押圧しない状態(クラッチ装置の接続時の状態)で、上記第一、第二の各突き当て部48、49の軸方向一端縁(図1、2の左端縁)が、互いに軸方向に関してほぼ同位置に存在する様に、各部の寸法及び形状を規制している。
【0040】
そして、前記各第一クラッチディスク18、18と第一摩擦プレート19、19との軸方向の変位を規制する為の第一スナップリング24を、前記各第二クラッチディスク26、26と第二摩擦プレート27、27との軸方向の変位を規制する為の第二スナップリング29、29のうち、一方(図1、2の右方)の第二スナップリング29よりも、図1、2の右方に設けている。そして、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が、図1、2の右方に弾性変形するのに伴って、上記第二の突き当て部49が軸方向他端(図1、2の右端)に位置する1枚の第二クラッチディスク26の側面から離れた後でも、上記第一の突き当て部48が、前記皿ばね23により図1の右方に押される、軸方向他端(図1、2の右端)に位置する1枚の第一クラッチディスク18の側面に、或る程度迄当接した状態のままになる様にしている。
【0041】
一方、前記クラッチケース13を構成する底板部54の内側面(図1、2の右側面)の外径寄り部分に、第一の支持リング53の内径寄り部分を固定している。又、上記第一クラッチケース17の外径寄り部分に第二の支持リング55を固定している。そして、上記第一の支持リング53の外径寄り部分で、円周方向複数個所に設けた切り欠き部111と、上記第二の支持リング55の外径寄り部分で、円周方向複数個所に設けた切り欠き部112とに圧縮ばね56を、それぞれ掛け渡している。そして、上記第一の支持リング53から第二の支持リング55にトルクを伝達自在とすると共に、この第一の支持リング53にエンジン側から急激なトルク変動が伝わった場合には、上記第二の支持リング55にこのトルク変動を緩和して伝える様にしている。
【0042】
又、上記クラッチケース13を構成する底板部54の内側面の径方向中間部と上記第一クラッチケース17の内径側円輪部33の側面との間部分、及び上記底板部54の内側面の内径寄り部分と前記リングギヤ31の軸方向一端面(図1、2の左端面)との間部分に、それぞれニードル軸受57、57を設けている。又、本例の場合、前記遊星歯車機構16の各噛合部及び第一、第二クラッチ14、15の当接部に、潤滑油を供給している。本例の場合には、この為に、図示しない潤滑油供給装置を設けているが、この潤滑油供給装置を構成する油圧回路は、比較的単純に構成できる。
【0043】
又、前記自動クラッチレリーズ装置12は、電動モータ58と、歯車減速機構59と、ボールねじ機構60と、レリーズ軸受61とを備える。このうちの電動モータ58は、前記ケース1の一部に、図1〜3の表裏方向に固定している。そして、この電動モータ58への通電に基づくこの電動モータ58の駆動軸62の回転駆動を、一方向のみ行なえる様にしている。又、本例の場合、この電動モータ58に、ステッピングモータを使用している。そして、この電動モータ58のトルクの大きさを調節自在としている。
【0044】
そして、上記歯車減速機構59は、上記電動モータ58の駆動軸62に結合したウォーム63と、このウォーム63に対し捩れの方向で噛合させた鋼製のウォームホイール64とから成る。このウォーム63のリードは大きくして、上記歯車減速機構59に、動力の伝達方向に可逆性を持たせている。又、本例の場合、上記ウォーム63の全体を、合成樹脂製としている。そして、上記ウォームホイール64を、上記ボールねじ機構60を構成する外筒65の外周面に外嵌固定している。又、この外筒65の先半部(図1〜3の左半部)内周面に、断面が円弧形で螺旋状の雌ボールねじ溝66を形成している。そして、上記ケース1に設けた円筒状保持部5の基端部を構成する大径筒部7の外周面と、上記外筒65の基端部(図1〜3の右端部)内周面との間に、深溝型の玉軸受67を設けて、上記外筒65を上記ケース1に対し、回転のみを自在に支持している。この構成により、摩擦損失を小さくできる構造で、上記ケース1に対し上記外筒65を、回転自在に支持している。又、本例の場合、上記玉軸受67を構成する外輪68の両端部内周面と上記内輪69の両端部外周面との間に、それぞれが第三の密封部材である、1対のシールリング70、70を設けている。
【0045】
そして、上記外筒65の内径側に内筒71を設けている。この内筒71は、外周面に、断面が円弧形で全体が螺旋状の雄ボールねじ溝72を形成している。又、この内筒71の軸方向一端部(図1〜3の右端部)内周面に内向鍔部73を、全周に亙り内径側に突出する状態で形成している。そして、上記外筒65の内周面に形成した雌ボールねじ溝66と上記雄ボールねじ溝72との間に複数のボール74、74を、隣り合うボール74、74同士を近接若しくは当接させた状態で介在させている。本例の場合、これら各ボール74、74を、巻き数を1.5以下(好ましくは1以下)とした螺旋状に配置している。又、これら各ボール74、74を循環させる為に、上記外筒65の一部にボールチューブを設けている。本例の場合には、上記雄ボールねじ溝72と雌ボールねじ溝65との間に複数のボール74、74を、巻き数が1.5以下と小さい螺旋状に配置している為、自動クラッチレリーズ装置12の軸方向長さを小さくして、この自動クラッチレリーズ装置12の設置空間を小さくできる。
【0046】
又、上記内筒71の軸方向他端部(図1〜3の左端部)外周面に、第一の密封部材である、断面がコ字形で全体を円環状に形成した防塵カバー75の内周縁部を外嵌固定している。この防塵カバー75は、合成樹脂製で、円輪部76と、この円輪部76の径方向両側端縁からそれぞれ軸方向同方向に連続する状態で設けた内径側筒部77及び外径側円筒部78とを備える。そして、このうちの内径側筒部77を、上記内筒71の他端部外周面に、締り嵌め等により外嵌固定している。又、上記外径側筒部78の内径側に上記外筒65の軸方向片端部(図1〜3の左端部)を緩く進入させている。この為、この外径側筒部78の内周面と上記外筒65の軸方向片端部外周面との間に、微小隙間が形成される。又、上記内筒71が上記ダイヤフラムばね11側に最大限変位した状態でも、上記外径側筒部78の内径側に上記外筒65の軸方向片端部が、常に進入した状態のままになる様にしている。
【0047】
そして、上記内筒71に設けた内向鍔部73の片面(図1〜3の右面)と前記円筒状保持部5の基端部に設けた大径筒部7の軸方向片面(図1〜3の左面)との間に、第二の弾性部材である、コイルばね79を設けている。そして、このコイルばね79により上記内筒71を、前記ダイヤフラムばね11側に弾性的に押圧している。又、上記内筒71の内周面で、上記内向鍔部73よりも軸方向に関して上記ダイヤフラムばね11側の内径側に、前記レリーズ軸受61を支持している。このレリーズ軸受61は、内周面に断面が円弧形の外輪軌道80を有する外輪81と、外周面に断面が円弧形の内輪軌道82を有する内輪83と、この内輪軌道82と上記外輪軌道80との間に転動自在に設けた複数の玉84、84とを備える。又、上記レリーズ軸受61を構成する内輪83の軸方向一端部(図1〜3の左端部)を、上記外輪81の軸方向一端面(図1〜3の左端面)よりも大きく突出させる事により、この突出させた部分を、上記ダイヤフラムばね11の一部側面に突き当てる為の突き当て部85としている。そして、この突き当て部85の軸方向先端部を、全周に亙り外径側に曲げ形成している。
【0048】
又、本例の場合には、上記レリーズ軸受61を構成する外輪81の外径を、上記内筒71の軸方向他半部(図1〜3の左半部)の内径よりも少し小さくしている。又、この内筒71の軸方向他端部内周面に形成した係止溝110に欠円環状の止め輪86を係止している。そして、上記外輪81の軸方向他端面(図1〜3の右端面)を前記内向鍔部73の他面(図1〜3の左面)に突き当てると共に、上記外輪81の軸方向一端面と上記止め輪86との間に、第一の弾性部材である、板ばね87を設けている。この構成により、上記外輪81は、上記内筒71の軸方向他半部の内径側に、径方向に関する若干の変位を許容する状態で支持されている。尚、本例の場合、上記止め輪86の内径寄り部分と上記内向鍔部73とが、請求項2に記載した1対の鍔状部に相当する。又、上記レリーズ軸受61を構成する外輪81の両端部内周面と、同じく上記内輪83の両端部外周面との間に、それぞれが第二の密封部材である1対のシールリング88、88を設けて、上記各玉84、84が設置された空間を外部から密封している。
【0049】
更に、上記内筒71に設けた内向鍔部73の内径寄り部分に支持部材89を、上記内筒71に対する回転を阻止した状態で支持している。この支持部材89は、全体を円筒状に形成しており、合成樹脂製で略円筒状のスリーブ90と、このスリーブ90の外周面から全周に亙り外径側に突出する状態で設けた、軟鋼板等の金属板製の係止リング91とから成る。このうちの係止リング91は、断面がL字形で全体を円環状に形成すると共に、その外周縁部の円周方向複数個所に、それぞれが外径側に突出する係合突部92、92を形成している。そして、上記スリーブ90の軸方向一端部(図1〜3の右端部)に上記係止リング91に設けた、円輪部93の内周縁部及び筒部94を包埋支持している。
【0050】
又、上記係止リング91の外周縁部に形成した各係合突部92、92を、上記内向鍔部73の他面内径寄り部分の円周方向複数個所に形成した係止溝95、95に係合させつつ、上記内向鍔部73の他面内径寄り部分と前記レリーズ軸受61を構成する外輪81の軸方向他端面(図1〜3の右端面)との間で、上記係止リング91の外周縁部を挟持している。従って、この係止リング91は、上記内筒71に対する軸方向の変位及び回転を阻止した状態で、この内筒71に対し支持されている。尚、本例の場合、上記係止リング91の円輪部93に設けた各係合突部92、92と、上記内向鍔部73の片面に設けた各係止溝95、95との係合部が、第一の係合部を構成している。
【0051】
又、上記支持部材89を構成するスリーブ90の軸方向他端部(図1〜3の左端部)内周面の円周方向複数個所に突部96、96を形成すると共に、これら各突部96、96を、前記円筒状保持部5の先半部を構成する小径筒部8の外周面の円周方向複数個所で、軸方向の広い範囲に形成した係合溝98、98に係合させている。そして、上記小径筒部8に対し上記スリーブ90を、軸方向に摺動自在としている。この構成により、前記内筒71は、前記ケース1に対し、このケース1に対する回転を阻止すると共に、このケース1の軸方向に関する変位を自在とした状態で支持される。尚、本例の場合、上記スリーブ90の内周面に設けた各突部96、96と、上記小径筒部8の外周面に設けた各係合溝98、98との係合部が、第二の係合部を構成している。
【0052】
上述の様に構成する本発明の自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置で、クラッチの作動状態を変える場合、次の表1に示す様に、第一クラッチ14及び第二クラッチ15を接続、切断、摺動の何れかの状態に切り換える。尚、この表1に於いて、○印は第一クラッチ14又は第二クラッチ15が接続している事を、△印は同じく摺動している事を、×印は同じく切断している事を、それぞれ表している。
【0053】
【表1】
Figure 0004135345
【0054】
先ず、本発明で、クラッチを、完全作動の状態(接続状態)から、半作動の状態(半クラッチ状態)を経て、完全非作動の状態(非接続状態)に変える場合には、電動モータ58に通電する事で、この電動モータ58の駆動軸62を、所定値以上のトルクで一方向に回転駆動する。そして、このトルクを、ウォーム63を介してウォームホイール64に減速しつつ伝達して、外筒65を所定方向に回転させる。そして、この外筒65と複数のボール74、74を介して螺合した内筒71を、図1〜3の左方に移動させる。これに伴って、レリーズ軸受61が図1〜3の左方に移動し、このレリーズ軸受61を構成する内輪83の端部に設けた突き当て部85の先端部が、ダイヤフラムばね11の内径寄り部分の片側面を、このダイヤフラムばね11の弾力に抗して、図1〜3の左方に押圧する。この押圧により、上記ダイヤフラムばね11は、前記第二の突き当て部49よりも更に内径側に存在する図示しない枢支部を中心として、断面形状が揺動する如く弾性変形し、結果として上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が、図1、2の右方に変位する。
【0055】
そして、この様な、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分の変位に伴って、先ず、上記各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが接続状態から摺動状態になった後、これら第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが互いに離れる。この様にこれら各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが互いに離れた状態で、エンジン側からクラッチケース13に伝わったトルクは、上記各第二摩擦プレート27、27の内周縁部を支持した中間部材28には伝達されなくなる。これに対して、上記エンジン側から上記クラッチケース13に伝わったトルクは、第二クラッチケース21に伝達される。この為、上記トルクは、遊星歯車機構16で増大されつつ(回転速度が低下しつつ)、トランスミッションの入力軸2に伝達される。この状態でクラッチは半作動状態になる。
【0056】
又、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が、図1、2の右方に更に弾性変形すると、第一クラッチケース17を構成する外径側円輪部22と上記ダイヤフラムばね11との間で、各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが摺動状態となる。この場合にも、クラッチは、半作動状態になる。そして、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が、図1、2の右方に更に弾性変形すると、上記各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが互いに離れる。従って、上記エンジンからのトルクが上記中間部材28だけでなく、上記第二クラッチケース21にも伝達されなくなり、クラッチが完全非作動状態になる(切断される)。
【0057】
これに対して、クラッチを、完全非作動状態から完全作動状態に変える場合には、電動モータ58の駆動軸62のトルクを前記所定値よりも小さくするか、この電動モータ58の作動を停止する。そして、この駆動軸62のトルクを小さくする場合には、このトルクに基づいてレリーズ軸受61に加わる力を、上記ダイヤフラムばね11の弾力に基づいて上記レリーズ軸受61に逆方向に加わる力よりも小さくする。本発明の場合、このレリーズ軸受61を支持した内筒71と、この内筒71の周囲に設けた外筒65との間に、複数のボール74、74を使用した、可逆性を有する螺合部を設けている。又、前記ウォーム式の歯車減速機構59も、動力の伝達に関して可逆性を有する。この為、上記駆動軸62のトルクを小さくする事により、上記電動モータ58が逆方向に回転して、上記内筒71及びレリーズ軸受61が、図1〜3の右方に移動する。そして、この移動に伴って、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が、図1、2の左方に弾性復帰する。この状態では、上記各第一クラッチディスク18、18と上記各第一摩擦プレート19、19とが、前記皿ばね23の弾力により、図1、2の右方に変位している。従って、上記ダイヤフラムばね11の外径寄り部分が図1、2の左方に弾性復帰すると、先ず、このダイヤフラム11の外径寄り部分に設けた第一の突き当て部48が、上記各第一クラッチディスク18、18のうち、軸方向他端に位置する1枚の第一クラッチディスク18の側面に押し付けられる。そして、上記第一クラッチケース17の外径側円輪部22と上記第一の突き当て部48の間で、上記各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが摺動状態となった後、これら各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが互いに接続される。この状態で、エンジンからクラッチケース13に伝わったトルクは、上記遊星歯車機構16で増大されつつ(回転速度が低下しつつ)、上記トランスミッションの入力軸2に伝達されて、クラッチは半作動状態になる。
【0058】
そして、上記レリーズ軸受61が図1〜3の左方に、更に移動すると、上記ダイヤフラムばね11の径方向中間部に設けた第二の突き当て部49と、第二クラッチケース21に固定した1対のスナップリング29のうち、他方(図1、2の左方)のスナップリング29との間で、各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが摺動状態となった後、これら各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが互いに接続される。この状態で、上記エンジンから上記クラッチケース13に伝わったトルクは、そのまま(トルクを増大させる事なく)上記トランスミッションの入力軸2に伝達されて、クラッチは完全作動状態になる。
【0059】
前述の様に構成し、上述の様にクラッチの作動状態を変化できる本発明の自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置によれば、雄ボールねじ溝72と雌ボールねじ溝66との、複数のボール74、74を介しての螺合部で、電動モータ58の回転力を、レリーズ軸受61を移動させる為の軸方向の力に変換する事ができる。この為、電動油圧ポンプを使用する、前述した従来構造の第1例の場合と異なり、レリーズシリンダや複雑な油圧回路を設ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。又、本発明によれば、角ねじ同士の螺合部で電動モータの回転力を軸方向の力に変換する、前述した従来構造の第2例の場合に比べて、内部でのエネルギ損失を低減できる。この為、上記電動モータ58の消費電力を小さく抑える事ができると共に、この電動モータ58の小型化を図れる。
【0060】
更に、本発明の場合、上記螺合部及び歯車減速機構59に可逆性を持たせている為、この螺合部で、内筒71の軸方向に加わった力を、外筒65を回転させる力に変換し、更にこの力を上記電動モータ58の駆動軸62を回転させる力に変換できる。この為、クラッチの接続状態を切り換える場合に、電動モータ58の作動を停止したり、この電動モータ58のトルクを所定値よりも小さくするのみで、ダイヤフラムばね11の弾力に基づいて、上記レリーズ軸受61をトランスミッション側に移動させる事ができる。従って、本例の様に、通電に基づく上記電動モータ58の回転駆動方向を一方向のみとする事ができる。そして、クラッチの接続状態を切り換える瞬間にも、上記弾力に基づいて、上記螺合部を構成する雌ボールねじ溝66及び雄ボールねじ溝72と複数のボール74、74とが軸方向に関してそれぞれ同じ方向に押し付け合ったままにすると共に、上記歯車減速機構59を構成するウォーム63とウォームホイール64とが、同じ側の面で当接したままにする事ができる。この為、上記螺合部を構成する上記各構成部材71、65、74同士の間や、上記歯車減速機構59を構成するウォーム63とウォームホイール64との間に不可避的に存在する軸方向或は回転方向の隙間(バックラッシュ)に拘らず、上記電動モータ58の回転量と上記レリーズ軸受61の軸方向の移動量とを、厳密に関連付ける事ができる。この様に、本発明によれば、このレリーズ軸受61の軸方向移動を高精度に行なえる為、クラッチの断接制御及び滑り制御を容易に行なえる。特に、クラッチの滑り制御は、上記レリーズ軸受61の軸方向移動を特に高精度に行なう事が必要とされる為、本発明は、滑り制御を必要とする半クラッチ状態を実現するのに特に有効である。
【0061】
又、上記レリーズ軸受61を、上記内筒71の内径側に支持している為、このレリーズ軸受61を含んで構成するクラッチ装置全体の軸方向の寸法を小さくできる。更に、上記レリーズ軸受61を、上記内筒71の径方向に関する変位を許容する状態で支持している為、製造上不可避な寸法誤差により、ダイヤフラムばね11の回転中心と内筒71の回転中心とがずれた場合でも、このダイヤフラムばね11と上記レリーズ軸受61との間に作用する力により、このレリーズ軸受61の回転中心を上記ダイヤフラムばね11の回転中心に一致させる、自動調心機能を持たせる事ができる。従って、このレリーズ軸受61を構成する各部品の当接部に不均一な荷重が加わって、早期に軸受損傷が生じる事を防止できると共に、上記当接部に著しい摩耗が生じる事を防止できる。
【0062】
更に、本例の場合には、上記内筒71の一部に支持した板ばね87によりレリーズ軸受61を構成する外輪81の軸方向一端面を弾性的に押圧すると共に、この外輪81の軸方向他端面を上記内筒71の内周面の一部に設けた内向鍔部73の片面に突き当てている。この為、上記内筒71に対する上記レリーズ軸受61の軸方向のずれを防止できると共に、上記内筒71に対しこのレリーズ軸受61を、上記内筒71の径方向に関して容易に変位させる事ができ、上記レリーズ軸受61とダイヤフラムばね11とを容易に調心させる事ができる。
【0063】
又、本例の場合には、エンジンとトランスミッションとの間部分を覆うケース1の一部に設けた円筒状保持部5を構成する大径筒部7の外周面と、上記内筒71の内周面との間に、全体を円筒状に形成した支持部材89を設けている。この為、この支持部材89により、上記円筒状保持部5に対する上記内筒71の径方向に関する変位を容易に規制(防止)できる。この為、上記雄ボールねじ溝72と上記雌ボールねじ溝66との、複数のボール74、74を介しての螺合部でのがたつき発生を抑える事ができる。更に、本例の場合には、上記支持部材89の一部で、上記円筒状保持部5の外周面と当接する部分を有するスリーブ90を、合成樹脂製としている為、当該当接部に潤滑油やグリース等の潤滑剤を介在させる事なく、上記円筒状保持部5に対し上記スリーブ90を容易に摺動させる事ができる。
【0064】
更に、本例の場合には、上記ケース1の一部に設けた円筒状保持部5の基端部に設けた大径筒部7の側面と、上記内筒71の内周面に設けた内向鍔部73の片面との間に、コイルばね79を設けている為、上記内筒71をこのコイルばね79により、軸方向に関してダイヤフラム11側に弾性的に押圧できる。この為、上記雄ボールねじ溝72と上記雌ボールねじ溝66と複数のボール74、74との螺合部でのがたつき発生を、より効果的に抑える事ができる。
【0065】
又、上記内筒71の軸方向他端部外周面に防塵カバー75の内周縁部を固定すると共に、この防塵カバー75の外周縁部に設けた外径側筒部78の内周面を上記外筒71の端部外周面に、微小隙間を介して近接対向させている。この為、上記螺合部に粉塵等の異物が進入するのを防止して、耐久性を確保できる。更に、上記内筒71の軸方向他端部外周面と上記外筒65の先端部内周面との間に上記防塵カバー75の内周縁部のみを設けている為、この間部分の径方向に関する寸法を小さくできる。尚、本例の場合とは別に、上記外径側筒部78の内周面に弾性材の外周縁部を全周に亙り結合すると共に、この弾性材の先端縁を上記外筒65の端部外周面に、全周に亙り摺接させる事もできる。この場合には、上記螺合部に異物が進入するのを、より確実に防止できる。
【0066】
更に、本例の場合には、上記外筒65の基端部をケース1に対し回転自在に支持する為の玉軸受67の両端部と、上記レリーズ軸受61の両端部とに、それぞれシールリング70、88を設けている為、これら玉軸受67及びレリーズ軸受61の内部空間を密封できて、耐久性をより確保できる。更に、上記玉軸受67の両端部にシールリング70、70を設けている為、上記雄ボールねじ溝72と雌ボールねじ溝66と複数のボール74、74との螺合部に、図1〜3の右方から粉塵等の異物が進入する事も防止でき、耐久性をより確保できる。
【0067】
更に、本例の場合、電動モータ58のトルクを上記外筒65に、ウォーム63とウォームホイール64とから成る、歯車減速機構59を介して伝達自在としている。この為、上記電動モータ58のトルクを増大させつつ(減速させつつ)、上記外筒65に伝達できる為、上記レリーズ軸受61の軸方向への移動をより高精度に行なえる。しかも、上記電動モータ58の駆動軸62の軸方向と上記外筒65の回転軸の軸方向とをねじれ方向に異ならせている為、上記ケース1に対する上記電動モータ58の設置位置の自由度を向上させる事ができる。更に、この電動モータ58の駆動軸62に結合したウォームホイール64を合成樹脂製としている為、上記歯車減速機構59部分に発生する騒音の低減を図ると同時に、この歯車減速機構59を構成するウォームホイール64とウォーム63との噛合部を潤滑する為に潤滑油やグリース等の潤滑剤を使用する事なく、この噛合部での摩擦力を低減して、上記電動モータ58の消費電力を低減できる。尚、本例の場合とは別に、上記ウォームホイール64を合成樹脂製とすれば、上記ウォーム63を鋼製とする事もできるし、これら両部材64、63の何れも合成樹脂製とする事もできる。
【0068】
次に、図5は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した第1例の構造で、ケース1の一部に設けた円筒状保持部5を構成する小径筒部8の外周面と、支持部材89を構成するスリーブ90の内周面との間に設けていた第二の係合部を省略している。即ち、上述した第1例の構造で、上記スリーブ90の一部内周面に設けていた突部96(図1〜4参照)と、上記小径筒部8の外周面に設けていた係止溝98(図1〜4参照)との、何れも省略している。そして、上記小径筒部8の外周面に対し上記スリーブ90の内周面を摺動自在としている。
【0069】
又、上記内筒71の内周面に設けた内向鍔部73の片面(図5の右面)と上記円筒状保持部5を構成する大径筒部7の側面との間に設けていた、コイルばね79(図1〜3参照)も省略している。そして、本例の場合には、上記内向鍔部73の片面の円周方向1個所又は複数個所に第一円孔99を、上記大径筒部7の軸方向片面の円周方向1個所又は複数個所で、上記第一円孔99と整合する位置に第二円孔100を、それぞれ形成している。そして、上記内向鍔部73の片面に設けた上記第一円孔99に杆状部材101の軸方向片半部(図5の左半部)を内嵌固定すると共に、この杆状部材101の軸方向他半部(図5の右半部)を上記第二円孔100の内側に、軸方向の摺動自在に係合させている。
【0070】
上述の様に構成する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様に、ケース1に対し内筒71を、回転を阻止した状態で、軸方向の変位のみを自在に支持する事ができる。しかも、本例の場合には、支持部材89を構成するスリーブ90の内周面と小径筒部8の外周面との間に、これらスリーブ90と小径筒部8との相対回転を防止する為の第二の係合部を設ける必要がなくなる為、自動クラッチレリーズ装置12の径方向に関する寸法を小さくできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示ならびに説明は省略する。
【0071】
次に、図6は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、上述した各例の構造で、ケース1の一部に設けた円筒状保持部5を構成する小径筒部8の外周面と内筒71の一部内周面との間に設けていた、支持部材89(図1等参照)を省略している。又、上記ケース1を構成する壁部3の内側面の一部で、上記円筒状保持部5よりも径方向外側に外れた部分に円環状突部102を、全周に亙り形成している。そして、この円環状突部102の内周面と、外筒65の基端部(図6の右端部)外周面との間に玉軸受67を設けて、この玉軸受67により上記外筒65の基端部を、上記円環状突部102に対し回転のみを自在に支持している。又、上記外筒65の内径側に設けた内筒71の軸方向一端部(図6の右端部)を、上記外筒65の内周面と上記大径筒部7の外周面との間部分に迄突出させると共に、この突出させた部分の内周面に雌スプライン部103を形成している。そして、この雌スプライン部103と、上記大径筒部7の外周面に形成した雄スプライン部104とをスプライン係合させる事により、上記大径筒部7に対し上記内筒71を、回転を阻止した状態で、軸方向の変位のみを自在に支持している。
【0072】
又、本例の場合には、上述した各例の構造で、上記内筒71の内周面に形成していた内向鍔部73(図1等参照)を省略している。そして、上記内筒71の軸方向他半部(図6の左半部)内周面に形成した大径部105と、上記雌スプライン部103を形成した、上記内筒71の軸方向片半部(図6の右半部)内周面との間部分に設けた段差面106に、レリーズ軸受61を構成する外輪81の軸方向一端面(図6の右端面)を突き当てている。本例の場合には、上記内筒71の軸方向片半部が、請求項2に記載した1対の鍔状部のうちの一方の鍔状部に相当する。
【0073】
上述の様に構成する本例の場合も、上述した各例の場合と同様に、ケース1に対し内筒71を、回転を阻止した状態で、軸方向の変位のみを自在に支持する事ができる。特に、本例の場合には、支持部材89や杆状部材101(図5等参照)を省略できる為、部品点数を削減して、コスト低減を図り易くなる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜4に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示ならびに説明は省略する。
【0074】
尚、上述した各例では、クラッチ装置を湿式多板型とした場合に就いて説明したが、本発明はこの様な構造に限定するものではない。例えば、従来から一般的なMT車で使用されている乾式単板型の構造で、本発明を実施する事もできる。
【0075】
又、上述した各例では、レリーズ軸受61を軸方向に移動させ、押圧部材であるダイヤフラムばね11を弾性変形させる事により、第一、第二各クラッチ14、15を断接する場合に就いて説明した。但し、本発明の対象となる自動クラッチレリーズ装置は、この様な構造に限定するものではなく、上記ダイヤフラムばね11の代わりに、このダイヤフラムばね11とほぼ同形状を有するが、実質的に弾性変形しないピストンを、押圧部材として使用する事もできる。この様なピストンを使用する場合には、電動モータ58への通電により、レリーズ軸受61をエンジン側に移動させると、このレリーズ軸受61に設けた突き当て部85が上記ピストンの内径寄り部分を押圧する。この状態で、このピストンの全体が、エンジン側に移動する。従って、この場合には、このピストンの一部を別の部分に枢支して、このピストンの外径側部分を、枢支部を中心として揺動させる事はしない。そして、この場合には、上記レリーズ軸受61が移動する方向と、クラッチの断接状態との関係が、上述した各例の場合とは逆になる。
【0076】
即ち、上記電動モータ58に通電する事により、上記ピストンの全体がエンジン側に平行移動すると、先ず、このピストンの外径寄り部分に設けた第一の突き当て部(図1、2に48で示した部分に相当する。)と第一クラッチケース17を構成する外径側円輪部22との間で、各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが摺動状態になった後、これら各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが互いに接続される。この状態で、クラッチは半作動状態になる。
【0077】
そして、上記レリーズ軸受61がエンジン側に更に移動すると、上記ピストンの径方向中間部に設けた第二の突き当て部(図1、2に49で示した部分に相当する。)と、第二クラッチケース21に固定した1対の第二スナップリング29、29のうち、他方(図1、2の左方)の第二スナップリング29との間で、各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが互いに接続される。この状態で、クラッチは完全作動状態になる。
【0078】
これに対して、クラッチを完全作動状態から完全非作動状態に変える場合には、前記電動モータ58のトルクを所定値よりも小さくするか、この電動モータ58の作動を停止する事により、上記レリーズ軸受61をトランスミッション側に移動させる。この状態では、第一クラッチ14を構成する皿ばね23の弾力に基づいて、上記ピストンの全体がトランスミッション側に移動する。そして、先ず、上記各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが摺動状態になった後、これら各第二クラッチディスク26、26と各第二摩擦プレート27、27とが互いに離れて、クラッチが半作動状態になる。
【0079】
そして、上記レリーズ軸受61を更にトランスミッション側に移動させる事により、上記ピストンの全体が更にトランスミッション側に移動すると、前記各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが摺動状態になった後、これら各第一クラッチディスク18、18と各第一摩擦プレート19、19とが互いに離れて、クラッチが完全非作動状態になる(切断される)。
この様に、本発明の場合には、実質的に弾性変形しないピストンを押圧部材として使用して、クラッチ装置を構成する事もできる。
【0080】
【発明の効果】
本発明の自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、高性能で且つ小型な構造を、安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】 図1の上半部の拡大断面図。
【図3】 図2のA部拡大断面図。
【図4】 一部を省略して示す、図3のB−B断面図。
【図5】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の図。
【図6】 同第3例を示す、図3と同様の図。
【符号の説明】
1 ケース
2 入力軸
3 壁部
4 中心孔
5 円筒状保持部
6 シールリング
7 大径筒部
8 小径筒部
9 円輪部
10 クラッチディスク組立体
11 ダイヤフラムばね
12 自動クラッチレリーズ装置
13 クラッチケース
14 第一クラッチ
15 第二クラッチ
16 遊星歯車機構
17 第一クラッチケース
18 第一クラッチディスク
19 第一摩擦プレート
20 外径側筒部
21 第二クラッチケース
22 外径側円輪部
23 皿ばね
24 第一スナップリング
25 筒部
26 第二クラッチディスク
27 第二摩擦プレート
28 中間部材
29 第二スナップリング
30 円輪部
31 リングギヤ
32 円輪部
33 内径側円輪部
34 枢軸
37 内径側筒部
39 キャリア
40 プラネタリギヤ
41 サンギヤ
42 筒部
43 第一の一方向クラッチ
44 内径側部材
45 内径側筒部
46 外径側筒部
47 第二の一方向クラッチ
48 第一の突き当て部
49 第二の突き当て部
50 外径側円輪部
51 傾斜部
52 内径側円輪部
53 第一の支持リング
54 底板部
55 第二の支持リング
56 圧縮ばね
57 ニードル軸受
58 電動モータ
59 歯車減速機構
60 ボールねじ機構
61 レリーズ軸受
62 駆動軸
63 ウォーム
64 ウォームホイール
65 外筒
66 雌ボールねじ溝
67 玉軸受
68 外輪
69 内輪
70 シールリング
71 内筒
72 雄ボールねじ溝
73 内向鍔部
74 ボール
75 防塵カバー
76 円輪部
77 内径側筒部
78 外径側筒部
79 コイルばね
80 外輪軌道
81 外輪
82 内輪軌道
83 内輪
84 玉
85 突き当て部
86 止め輪
87 板ばね
88 シールリング
89 支持部材
90 スリーブ
91 係止リング
92 係合突部
93 円輪部
94 筒部
95 係止溝
96 突部
97 段部
98 係合溝
99 第一円孔
100 第二円孔
101 杆状部材
102 円環状突部
103 雌スプライン部
104 雄スプライン部
105 大径部
106 段差面
110 係止溝
111 切り欠き部
112 切り欠き部

Claims (5)

  1. エンジンのクランクシャフトと共に回転するフライホイールとトランスミッションの入力軸とを断接する為の自動クラッチレリーズ装置であって、上記エンジンとトランスミッションとの間部分を覆うケースの内側にこのケースに支持された押圧部材に対向する状態で、上記入力軸の軸方向の移動を自在に設けられたレリーズ軸受と、上記ケースの内側にこの入力軸の軸方向の移動のみを自在に設けられた、外周面に断面が円弧形で全体が螺旋状の雄ボールねじ溝を有する内筒と、上記ケースの内側にこのケースに対する回転のみを自在に設けられた、内周面に断面が円弧形で全体が螺旋状の雌ボールねじ溝を有し、上記雄ボールねじ溝と複数のボールを介し、動力の伝達を可逆的にして螺合する外筒と、上記ケースに固定されてこの外筒を回転駆動する電動モータとを備え、上記内筒の内径側に上記レリーズ軸受を構成する外輪を、この内筒の径方向に関する変位を許容する状態で支持すると共に、上記電動モータにより上記外筒を、この外筒の外周面に外嵌固定されたウォームホイールとこの電動モータの駆動軸に結合されたウォームとから成り、動力の伝達を可逆的にした歯車減速機構を介して回転駆動する自動クラッチレリーズ装置。
  2. 内筒の内周面で軸方向に離隔した2個所位置から全周に亙り内径側に突出する状態で設けられた1対の鍔状部と、これら両鍔状部同士の間部分に設けられた第一の弾性部材とを備え、これら両鍔状部同士の間に、この第一の弾性部材とレリーズ軸受を構成する外輪とを弾性的に挟持している、請求項1に記載した自動クラッチレリーズ装置。
  3. ケースの一部で、トランスミッションの入力軸の周囲に設けられた円筒状保持部の外周面と、内筒の内周面との間に、全体を円筒状に形成した支持部材を設けている、請求項1又は請求項2に記載した自動クラッチレリーズ装置。
  4. 内筒の軸方向両側面のうちでトランスミッション側の側面とケースの一部側面との間に、第二の弾性部材を設けている、請求項1〜3のうちの何れかに記載した自動クラッチレリーズ装置。
  5. フライホイールと共に回転する状態で設けられたクラッチケースと、このクラッチケースの内側に設けられたクラッチディスクと、このクラッチディスクに直接又は他の部材を介して対向する状態で設けられた押圧部材と、請求項1〜4に記載した自動クラッチレリーズ装置とを備え、上記押圧部材に対向する状態で設けたレリーズ軸受を、上記トランスミッションの入力軸の軸方向に沿って移動させる事により、上記フライホイールと上記入力軸との断接を自在としたクラッチ装置。
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