JP5145788B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、ビードコアのタイヤ径方向内方に、応力緩和部材であるリムクッションゴムが設けられた空気入りタイヤに関するものである。
従来の空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向における両側にビードコアを有するビード部が設けられており、このビード部にリムホイールを嵌合することにより、空気入りタイヤをリムホイールにリム組みすることが可能となっている。また、ビード部では、空気入りタイヤの骨格の役割を果たすカーカス層がビードコアで折り返されており、これによりタイヤ幅方向における両端付近が固定されている。また、このようにビードコアで折り返されるカーカス層の周囲には、ビードコアとリムホイールとの間に位置し、空気入りタイヤをリム組みした際に弾性変形をすることにより空気入りタイヤとリムホイールとの気密性を確保したり、ビードコアとリムホイールとの間で発生する応力を緩和したりする応力緩和部材であるリムクッションゴムが設けられている。これにより、空気入りタイヤをリムホイールにリム組みした際には、ビードコアとリムクッションゴムとの作用により嵌合力と気密性とを共に確保していた。
しかし、空気入りタイヤの骨格として設けられるカーカス層はビードコアで折り返されているため、カーカス層に大きな張力が作用した際には、ビードコアとカーカス層との接触部分に大きな負荷が作用する虞がある。この場合、カーカス層を形成するカーカスコードに破断損傷が生じる虞がある。そこで、従来の空気入りタイヤでは、カーカス層に張力が作用した際におけるカーカスコードの破断損傷を抑制しているものがある。
例えば、特許文献1に記載の重荷重用タイヤでは、ビードコアのうち、カーカス層の折り返しによって接触する接触領域を、短線維を配合した保護ゴム層により被覆している。これにより、カーカス層に大きな張力が作用してビードコアとカーカス層との接触部分に大きな負荷が作用した場合でも、保護ゴム層によってカーカス層の局所的に大きな負荷が作用することを抑制できる。この結果、カーカスコードの破断損傷を抑制することができる。
特開2000−85322号公報
しかしながら、従来の空気入りタイヤでは、ビード部に上記のようなリムクッションゴムが設けられているが、このリムクッションゴムは弾力性を有しているため、荷重が作用した際に撓み易くなっている。このため、車両走行時におけるレーンチェンジ時やコーナリング時などに、タイヤ径方向やタイヤ幅方向に大きな荷重が作用した場合に、リムクッションゴムが撓むことによりビード部に撓み変形が発生し易くなっている。このようなビード部の撓み変形は、ビードコアにねじり回転力が働く原因にもなり、このねじり回転力に起因して収束感の悪化といったビードフィッティング性不足の原因になっていた。また、ビードフィッティング性不足は、耐リムずれ性の悪化の原因にもなり、制動性の悪化の原因にもなっていた。
このようなビードフィッティング性を向上させる為の手段としては、ビードコア形状の変更やビードコアを形成するビードワイヤーの巻本数の増加、ビードコア内周長の変更等により、嵌合力を増大させることが有効である。しかし、これらの手法によりビードフィッティング性を向上させた場合、製造コストの上昇や重量の増加などの不具合が発生する虞がある。このため、これらの不具合が発生することなく、ビードフィッティング性を向上させることは大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コスト及び重量増を抑えつつ、ビードフィッティング性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ赤道面のタイヤ幅方向における両側に配設されるビード部と、タイヤ幅方向両側のそれぞれの前記ビード部に設けられるビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向内方側に設けられると共に弾力性を有するゴム材料からなる応力緩和部材と、タイヤ幅方向の両側に配設される前記ビード部のうち一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にかけて設けられると共に前記ビードコアのタイヤ径方向内方を通って前記ビードコア周りに折り返される少なくとも1枚のカーカス層と、を備える空気入りタイヤにおいて、前記ビード部には、前記ビードコアと前記応力緩和部材との間で、且つ、前記ビードコアのタイヤ径方向内方側に位置する前記カーカス層と前記ビードコアとの間に、弾力性を有するゴム材料からなると共に硬度が前記応力緩和部材の硬度よりも高くなって形成される嵌合力調整部材が設けられており、前記嵌合力調整部材は、タイヤ径方向内方側の形状が、タイヤ幅方向内方側からタイヤ幅方向外方側に向かうに従って径が大きくなる方向に傾斜していることによりタイヤ幅方向における外方側における位置よりもタイヤ幅方向における内方側の位置の方がタイヤ径方向における高さが高くなっており、且つ、前記傾斜の度合いがタイヤ幅方向における途中で変化し、タイヤ幅方向における外方側の位置よりもタイヤ幅方向における内方側の位置の方が、タイヤ幅方向に対するタイヤ径方向の変化の度合いが大きくなっていることを特徴とする。
この発明では、ビードコアと応力緩和部材との間に、応力緩和部材よりも硬度が高い嵌合力調整部材を設けている。これにより、リムホイールにリム組みした際における嵌合力を増加させることができ、この嵌合力の増加により、ビードフィッティング性を向上させることができる。また、嵌合力調整部材は、ゴム材料により形成されているので、製造コストの上昇を抑えることができ、また、重量が増加することを抑えることができる。これらの結果、コスト及び重量増を抑えつつ、ビードフィッティング性を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記嵌合力調整部材は、前記ビードコアのタイヤ径方向内方側に位置する前記カーカス層と前記ビードコアとの間に配設されていることを特徴とする。
この発明では、嵌合力調整部材をビードコアとカーカス層との間に配設しているので、嵌合力調整部材をビードコアに接触させ、ビードコアと一体に配設することができる。これにより、カーカス層に張力が作用した際におけるビード部の剛性を、より確実に確保することができ、嵌合力を効果的に増加させることができる。この結果、より確実にビードフィッティング性を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記嵌合力調整部材は、タイヤ幅方向の両側に配設される前記ビード部のうち車両幅方向における外側に位置する前記ビード部のみに設けられていることを特徴とする。
この発明では、車両幅方向における外側に位置するビード部のみに嵌合力調整部材を設けているので、より確実に製造コストを抑えることができる。また、空気入りタイヤには、車両の旋回走行時に車両幅方向における外側に大きな荷重が作用し易くなっている。このため、車両幅方向における外側に位置するビード部には大きな荷重が作用し易くなっているが、このビード部に嵌合力調整部材を設けることにより、大きな荷重が作用し易いビード部の嵌合力を増加させることができる。この結果、より確実にコストを抑えつつ、効果的にビードフィッティング性を向上させることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、コスト及び重量増を抑えつつ、ビードフィッティング性を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内方とはタイヤ径方向において回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外方とは、タイヤ径方向において回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。
図1は、この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部10が設けられており、このトレッド部10の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)が走行した場合に、路面と接触する部分は、トレッド面11として形成されている。また、トレッド部10のタイヤ幅方向の端部から、タイヤ径方向における内方側の所定の位置までは、サイドウォール部15が設けられている。つまり、サイドウォール部15は空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、タイヤ幅方向における両側に位置している。
さらに、それぞれのサイドウォール部15のタイヤ径方向内方側には、ビード部30が設けられている。このビード部30は、サイドウォール部15と同様に当該空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、タイヤ赤道面5を対称にしてタイヤ赤道面5の反対側にも設けられている。即ち、ビード部30は、タイヤ赤道面5を対称にしてタイヤ幅方向における両側に設けられている。このビード部30にはビードコア31が設けられており、ビードコア31のタイヤ径方向外方にはビードフィラー32が設けられている。
また、トレッド部10のタイヤ径方向内方には、2層のベルト層20が設けられている。このベルト層20は、タイヤ周方向に対して傾斜して延在する補強コード(図示省略)を有しており、この補強コードを、層間ではその傾斜方向を逆向きにして互いに交差させて形成されている。このように形成されるベルト層20のタイヤ径方向内方、及びサイドウォール部15のタイヤ赤道面5側には、ラジアルプライのテキスタイルコードを内包するカーカス層21が連続して設けられている。このカーカス層21は、タイヤ幅方向における両側に設けられるビード部30のうち、一方のビード部30から他方のビード部30にかけて配設されている。また、カーカス層21の内側、或いは、当該カーカス層21の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ25がカーカス層21に沿って形成されている。
図2は、図1のA部詳細図である。また、ビード部30のタイヤ径方向内方側の面、即ちビード部30の内周面は、ビードベース33となっている。このビードベース33は、ビードコア31のタイヤ径方向内方側に位置しており、タイヤ幅方向内方側からタイヤ幅方向外方側に向かうに従って、タイヤ径方向外方に向かう方向、つまり、径が大きくなる方向に傾斜している。詳しくは、ビードベース33は、傾斜の度合いがビードベース33の途中で変化しており、タイヤ幅方向における外方側の位置よりも、タイヤ幅方向における内方側の位置の方が、タイヤ幅方向に対するタイヤ径方向の変化の度合いが大きくなっている。このビードベース33は、空気入りタイヤ1を、車両等に接続可能に形成されるリムホイール(図示省略)にリム組みした場合、リムホイールのリム(図示省略)と接触可能に形成されている。
また、タイヤ幅方向の両側に位置するビード部30間にかけて配設されるカーカス層21は、ビード部30でビードコア31周りに、ビードコア31のタイヤ幅方向における内側から外側に折り返されており、このカーカス層21は、いわゆるターンナップ構造になっている。つまり、カーカス層21は、サイドウォール部15方向からビード部30に向かう際に、ビードコア31のタイヤ幅方向内方側からビード部30に配設されており、ビードコア31のタイヤ幅方向内方からビードコア31のタイヤ径方向内方を通り、さらに、ビードコア31のタイヤ幅方向外方を通ってビードコア31周りに折り返されている。カーカス層21は、このように形成されるが、カーカス層21におけるビードコア31のタイヤ幅方向外方に位置する部分は、ターンナップ部22となっている。このターンナップ部22は、当該ターンナップ部22におけるタイヤ径方向外方側の端部がビードコア31よりもタイヤ径方向外方に位置している。
また、ビードコア31のタイヤ径方向外方に配設されるはビードフィラー32は、ビードコア31周りに折り返されるカーカス層21とビードコア31とにより覆われている。このため、カーカス層21のターンナップ部22におけるタイヤ径方向外方側の端部は、ビードフィラー32よりもタイヤ径方向外方に位置している。
また、ビードコア31のタイヤ径方向内方側には、弾力性を有するゴム材料からなる応力緩和部材であるリムクッションゴム38が設けられている。このリムクッションゴム38は、詳しくは、ビードコア31で折り返されるカーカス層21におけるビードコア31側の反対側に設けられている。つまり、ビードコア31のタイヤ径方向内方側では、リムクッションゴム38は、ビードコア31のタイヤ径方向内方に位置するカーカス層21のさらにタイヤ径方向内方に設けられており、ビードコア31のタイヤ幅方向内方側では、リムクッションゴム38は、ビードコア31のタイヤ幅方向内方に位置するカーカス層21のさらにタイヤ幅方向内方に設けられている。
さらに、リムクッションゴム38のタイヤ径方向内方側には、フィニッシング層35が設けられている。このフィニッシング層35は、ビードコア31のタイヤ径方向内方側では、リムクッションゴム38のタイヤ径方向内方に位置しており、ビードコア31のタイヤ幅方向内方側では、リムクッションゴム38のタイヤ幅方向内方に位置している。また、ビードコア31のタイヤ幅方向外方側では、カーカス層21のターンナップ部22のタイヤ幅方向外方に位置し、ターンナップ部22に沿って形成されている。これにより、フィニッシング層35は、リムクッションゴム38を保護している。
また、タイヤ幅方向の両側に配設されるビード部30には、ビードコア31とリムクッションゴム38との間に、弾力性を有するゴム材料からなり、硬度がリムクッションゴムの硬度よりも高くなって形成される嵌合力調整部材であるコア下フィラー40が設けられている。詳しくは、このコア下フィラー40は、ビードコア31のタイヤ径方向内方側に位置するカーカス層21とビードコア31との間に配設されている。このため、ビードコア31のタイヤ径方向内方を通って折り返されるカーカス層21は、コア下フィラー40のタイヤ径方向内方を通って折り返されている。
また、コア下フィラー40は、タイヤ径方向内方側の形状が、ビードベース33に沿って形成されている。つまり、コア下フィラー40は、ビードベース33と同様に、タイヤ幅方向内方側からタイヤ幅方向外方側に向かうに従って径が大きくなる方向に傾斜している。さらに、傾斜の度合いが、ビードベース33と同様にタイヤ幅方向における途中で変化しており、タイヤ幅方向における外方側の位置よりも、タイヤ幅方向における内方側の位置の方が、タイヤ幅方向に対するタイヤ径方向の変化の度合いが大きくなっている。換言すると、コア下フィラー40は、ビード部30においてリムホイールに接触するビードベース33のプロファイル、即ちテーパ部のプロファイルに沿って形成されている。
なお、このように形成されるコア下フィラー40の硬度は、JIS Hsが100以上であるのが好ましい
また、このように形成される空気入りタイヤ1は、乗用車に装着可能に形成された乗用車用の空気入りタイヤ1であるのが好ましい。乗用車用の空気入りタイヤ1とは、例えば、上述したようにラジアルプライのテキスタイルコードを内包するカーカス層21を有し、2層のベルト層20を有する空気入りタイヤ1であるが、カーカス層21及びベルト層20は、これら以外の構成でもよい。
この実施の形態に係る空気入りタイヤ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施の形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する場合、まず、車両に装着可能に形成されたリムホイールに空気入りタイヤ1をリム組みするが、空気入りタイヤ1をリム組みする際には、ビード部30をリムホイールにリム組みする。
ここで、このビード部30は、ビードコア31とリムクッションゴム38との間に、リムクッションゴム38を形成するゴム材料よりも硬度が高いゴム材料により形成されているコア下フィラー40が設けられている。このため、ビード部30は、コア下フィラー40が設けられていない場合よりも剛性が高くなっており、ビード部30にリムホイールをリム組みした場合におけるリムホイールに対する嵌合力も、コア下フィラー40が設けられていない場合と比較して高くなる。
これにより、ビードフィッティング性が向上するため、車両走行時におけるレーンチェンジ時やコーナリング時など、空気入りタイヤ1に対してタイヤ径方向及びタイヤ幅方向の大きな荷重が作用する場合でも、ビード部30は変形し難くなる。このように、ビード部30が変形し難くなることにより、レーンチェンジやコーナリングをする場合における車両の応答性が向上し、また、直進状態に戻る場合の収束感も向上する。さらに、ビードフィッティング性が向上することにより、急制動をした場合でも、ビード部30とリムホイールとがタイヤ周方向に、ずれ難くなる。即ち、耐リム性が向上する。
また、ビードフィッティング性は、ビードコア31とリムクッションゴム38との間にコア下フィラー40を設けることにより向上させている。このため、空気入りタイヤ1をインフレートによってリムホイールに嵌合させる場合、リムクッションゴム38が弾性変形することによりビード部30はリムホイールに嵌合するので、インフレート時の嵌合圧をあまり高くすることなく、リム組みすることができる。
以上の空気入りタイヤ1は、ビードコア31のリムクッションゴム38との間に、リムクッションゴム38よりも硬度が高いコア下フィラー40を設けている。これにより、ビード部30の剛性を高めることができるので、ビード部30は変形し難くなり、リムホイールにリム組みした際における嵌合力を増加させることができる。このため、この嵌合力の増加により、ビードフィッティング性を向上させることができる。また、コア下フィラー40は、ゴム材料により形成されているので、低コストで、且つ、容易に設けることができる。このため、製造コストの上昇を抑えることができる。また、コア下フィラー40は、ゴム材料により形成されているので、コア下フィラー40を設けた場合における重量が増加することを抑えることができる。これらの結果、コスト及び重量増を抑えつつ、ビードフィッティング性を向上させることができる。
また、コア下フィラー40は、ビードコア31とリムクッションゴム38との間に配設しているので、空気入りタイヤ1をインフレートによりリムホイールに嵌合させる際には、コア下フィラー40の硬度よりも硬度が低いリムクッションゴム38の弾性変形により嵌合させることができる。このため、インフレート時の嵌合圧をあまり高くすることなく、リム組みすることができる。つまり、インフレート時の嵌合圧を、コア下フィラー40を設けない場合の嵌合圧と比較してあまり高くすることなく嵌合させることができ、嵌合圧を高くすることなく、ビードフィッティング性を向上させることができる。この結果、リム組み性を悪化させることなく、ビードフィッティング性を向上させることができる。
また、コア下フィラー40をビードコア31とカーカス層21との間に配設しているので、コア下フィラー40をビードコア31に接触させ、ビードコア31と一体に配設することができる。このため、カーカス層21に張力が作用した場合にカーカス層21からビードコア31に対して作用するねじり回転力を、ビードコア31とコア下フィラー40とが一体となって抑えることができる。これにより、カーカス層21に張力が作用した際におけるビード部30の剛性を、より確実に確保することができ、嵌合力を効果的に増加させることができる。この結果、より確実にビードフィッティング性を向上させることができる。
また、コア下フィラー40は、タイヤ径方向内方側の形状が、ビードベース33に沿って形成されているため、ビードベース33のタイヤ幅方向における全域に渡って、均等に嵌合力を向上させることができる。この結果、より確実にビードフィッティング性を向上させることができる。
また、コア下フィラー40は、JIS Hsが100以上のゴム材料により形成されているため、より確実にリムクッションゴム38の硬度よりも、硬度を高くすることができる。これにより、より確実にビード部30の剛性を高めることができ、リムホイールにリム組みした際における嵌合力を増加させることができる。この結果、より確実にビードフィッティング性を向上させることができる。
なお、上記の説明では、コア下フィラー40は、タイヤ幅方向の両側に配設される双方のビード部30に設けられているが、コア下フィラー40は、タイヤ幅方向の両側に配設されるビード部30のうち、車両幅方向における外側に位置するビード部30のみに設けてもよい。このように車両幅方向における外側に位置するビード部30のみにコア下フィラー40を設けた場合、コア下フィラー40を設ける部分が減少するので、より確実に製造コストを抑えることができる。また、空気入りタイヤ1には、車両の旋回走行時に車両幅方向における外側に大きな荷重が作用し易くなっている。このため、車両幅方向における外側に位置するビード部30には大きな荷重が作用し易くなっているが、このビード部30にコア下フィラー40を設けることにより、大きな荷重が作用し易いビード部30の嵌合力を増加させることができる。この結果、より確実にコストを抑えつつ、効果的にビードフィッティング性を向上させることができる。
図3は、実施の形態に係る空気入りタイヤの変形例の要部を示す説明図である。また、上記の説明では、コア下フィラー40はビードコア31とカーカス層21との間に配設しているが、コア下フィラー40は、ビードコア31とカーカス層21との間以外の部分に配設してもよい。例えば、図3に示すように、コア下フィラー40は、カーカス層21とリムクッションゴム38との間に配設してもよい。コア下フィラー40を、カーカス層21とリムクッションゴム38との間に配設した場合でも、空気入りタイヤ1をインフレートによりリムホイールに嵌合させる場合に、リムクッションゴム38の弾性変形により嵌合させることができる。これにより、インフレート時の嵌合圧をあまり高くすることなくリム組みすることができるので、リム組み性を悪化させることなく、ビードフィッティング性を向上させることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、本発明の空気入りタイヤ1と、この本発明の空気入りタイヤ1と比較する従来例の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、室内試験及び実車走行試験により行なった。
試験方法は、225/45R17サイズの空気入りタイヤ1を、JATMAで規定する標準リムにリム組みし、内圧をJATMAで規定する最高空気圧に設定して行なった。各試験項目の評価方法は、室内試験では、ホフマン社製ビード部拡張力試験機を用いてホフマン嵌合力を測定することにより行なった。また、この試験は、原則として新品の空気入りタイヤ1で行なった。この試験によるホフマン嵌合力の測定結果はkNで表し、測定結果の数値が大きい程、空気入りタイヤ1をリム組みした際における嵌合力が大きくなっている。
また、実車走行試験では、試験を行なう空気入りタイヤ1を車両に装着し、この車両でテスト走行を行なうことにより行なった。この実車走行試験では、100km/hで走行した際の高速操安性と、DRY路面で制動をした際における制動性能であるDRY制動についての評価試験を行なった。
このうち、高速操安性は、手応え感とレーンチェンジ収束感とについて評価した。これらの手応え感とレーンチェンジ収束感は、共にテストドライバーの官能評価により行なった。この手応え感とレーンチェンジ収束感の官能評価は、共に後述する従来例の手応え感とレーンチェンジ収束感とをそれぞれ100%とする指数で示している。この指数が大きいほど手応え感またはレーンチェンジ収束感がよくなっており、これらに対する性能が優れている。
また、DRY制動は、試験を行なう空気入りタイヤ1を装着した車両でDRY路面を走行し、初速100km/hで制動を開始した際における制動距離を測定することにより行なった。DRY制動についての性能は、測定した制動距離が短い程、制動性能が優れている。
さらに、これらの評価試験を行なった際の総合判定は、ホフマン嵌合力、手応え感、レーンチェンジ収束感、制動距離を総合的に評価し、従来例の総合評価よりも性能が上回っている場合には○とし、従来例の総合評価と比較して性能が大幅に上回っている場合には◎として示した。
これらの試験は、従来の空気入りタイヤ1の一例である従来例と、本発明に係る空気入りタイヤ1である本発明2、3とを、それぞれ上記の方法で試験する。これらの空気入りタイヤ1は、全てビードフィラー32のタイヤ径方向における高さ、及びビードフィラー32を形成するゴム材料の硬度が同じになっている。また、これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤ1では、ビード部30にはコア下フィラー40が設けられておらず、ビード部30の形状は従来の空気入りタイヤ1のビード部30の形状である従来形状になっている。
これに対し、本発明2、3に係る空気入りタイヤ1では、ビード部30のビードコア31とリムクッションゴム38との間にコア下フィラー40が設けられており、ビード部30の形状は、本発明に係る空気入りタイヤ1のビード部30の形状である本発明形状になっている。さらに、本発明2、3に係る空気入りタイヤ1では、コア下フィラー40を形成するゴム材料の硬度が異なっている。
これらの従来例、本発明2、3の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1に示す。
Figure 0005145788
表1に示した上記の試験結果で明らかなように、ビードコア31とリムクッションゴム38との間に、リムクッションゴム38よりも硬度が高いコア下フィラー40を設けることにより、リムホイールにリム組みした際における嵌合力を増加させることができる。また、このように嵌合力を増加させることにより、ビードフィッティング性を向上させることができるため、高速操安性や制動性能の向上を図ることができる。さらに、コア下フィラー40は、ゴム材料により形成されているので、製造コストの上昇を抑えることができ、重量の増加も抑えることができる。これらにより、コスト及び重量増を抑えつつ、ビードフィッティング性を向上させることができる(本発明2、3)。
さらに、コア下フィラー40を、JIS Hsが100以上のゴム材料により形成することにより、より適度に嵌合力を上昇させることができる。これにより、リム組み性を確保しつつ、ビードフィッティング性を向上させることができる(本発明3)。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、ビードコアのタイヤ径方向内方にリムクッションが配設された空気入りタイヤに有用であり、特に、乗用車用の空気入りタイヤに適している。
この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図1のA部詳細図である。 実施の形態に係る空気入りタイヤの変形例の要部を示す説明図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
5 タイヤ赤道面
10 トレッド部
11 トレッド面
15 サイドウォール部
20 ベルト層
21 カーカス層
22 ターンナップ部
25 インナーライナ
30 ビード部
31 ビードコア
32 ビードフィラー
33 ビードベース
35 フィニッシング層
38 リムクッションゴム
40 コア下フィラー

Claims (2)

  1. タイヤ赤道面のタイヤ幅方向における両側に配設されるビード部と、
    タイヤ幅方向両側のそれぞれの前記ビード部に設けられるビードコアと、
    前記ビードコアのタイヤ径方向内方側に設けられると共に弾力性を有するゴム材料からなる応力緩和部材と、
    タイヤ幅方向の両側に配設される前記ビード部のうち一方の前記ビード部から他方の前記ビード部にかけて設けられると共に前記ビードコアのタイヤ径方向内方を通って前記ビードコア周りに折り返される少なくとも1枚のカーカス層と、
    を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ビード部には、前記ビードコアと前記応力緩和部材との間で、且つ、前記ビードコアのタイヤ径方向内方側に位置する前記カーカス層と前記ビードコアとの間に、弾力性を有するゴム材料からなると共に硬度が前記応力緩和部材の硬度よりも高くなって形成される嵌合力調整部材が設けられており、
    前記嵌合力調整部材は、タイヤ径方向内方側の形状が、タイヤ幅方向内方側からタイヤ幅方向外方側に向かうに従って径が大きくなる方向に傾斜していることによりタイヤ幅方向における外方側における位置よりもタイヤ幅方向における内方側の位置の方がタイヤ径方向における高さが高くなっており、且つ、前記傾斜の度合いがタイヤ幅方向における途中で変化し、タイヤ幅方向における外方側の位置よりもタイヤ幅方向における内方側の位置の方が、タイヤ幅方向に対するタイヤ径方向の変化の度合いが大きくなっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記嵌合力調整部材は、タイヤ幅方向の両側に配設される前記ビード部のうち車両幅方向における外側に位置する前記ビード部のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
JP2007164252A 2007-06-21 2007-06-21 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5145788B2 (ja)

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