JP5145264B2 - ゴム補強用繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明はゴム補強用繊維の製造方法に関し、さらに詳しくはゴム繊維複合体に好適に用いられる、高温耐熱性に優れたゴム補強用繊維の製造方法に関する。
ゴム補強用として、たとえばより具体的にはタイヤ、ホース、ベルト等の補強用として繊維材料が広く用いられてきている。このように補強用途に繊維を用いる場合、各種材料と繊維間の接着が重要課題であり、各種接着剤が開発されてきた。しかし、特に優れた物理的特性を有する合成繊維などを使用する場合、まだまだその繊維の強力に比して接着性が不足しているという問題があった。ことにポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート繊維で代表されるポリエステル繊維や、芳香族ポリアミド繊維等は、高強度、高ヤング率等の優れた物理的特性を有しており、補強用の繊維としては最適であるが、これら繊維はその表面が比較的不活性であるので、通常の接着剤ではゴムマトリックスとの接着性が不十分となるという問題があった。
このため、繊維の表面を種々の薬品で処理する化学処理法、例えば、脂肪族エポキシ化合物や、エチレン尿素、ブロックドイソシアネート化合物等の反応性の強い化学薬品で処理して繊維表面の接着性を向上させた後に、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)接着剤で処理する、2浴処理方法が提案され実用化されている(例えば特許文献1など)。さらに例えば特許文献2などのようにビニルハライド基を有する化合物を一浴目に含有させるなどして、接着剤付着量を減少させる処理方法など、各種の方法が知られている。
しかしなお接着性の向上は十分ではなく、特に100℃以上の高温での接着性において十分な技術が市場からは強く要求されている。
特開昭54−73994号公報 特開2000−234275号公報
本発明は特に高温の厳しい環境下にあっても、十分にゴムを補強しうる強い接着性を持続するゴム補強用繊維を提供することにある。
本発明のゴム補強用繊維の製造方法は、繊維を前処理液及び接着処理液にて2浴処理するゴム補強用繊維の製造方法であって、前処理液が架橋剤と乳化剤のみからなり、架橋触媒が存在しておらず、該架橋剤が多価アルコールまたは多価フェノールと塩素含有エポキシド類との反応生成物であり、該架橋剤が100%濃度の粘度が4000mPa・s以上と200mPa・s以下の2以上の架橋剤の混合物であり、該接着処理液がレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)接着剤と架橋触媒からなり、前処理液を繊維に付着した後に220〜260℃の温度にて、30秒〜4分間の熱処理を行い、さらに引き続き接着処理液を用いた処理を行うことを特徴とする。
さらには、該塩素含有エポキシド類がエピクロルヒドリンであることや、該多価アルコールがソルビトール、グリセリン、エチレングリコールのいずれかであることが好ましい。また、該架橋剤のエポキシ当量が200g/eq以下であり、塩素含有量が10重量%以上であることや、架橋触媒が、アミン、エチレン尿素、またはブロックポリイソシアネート化合物であることが好ましく、繊維がポリエステル繊維であることや、架橋触媒がブロックポリイソシアネートであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、高温の厳しい環境下にあっても、十分にゴムを補強しうる強い接着性を持続するゴム補強用繊維が提供される。
本発明に使用される繊維としては特に制限はないが、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維などの合成繊維に特に好ましく用いられる。より具体的には、例えばポリエステル繊維としては、テレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、またはテトラメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルからなる繊維を挙げることが出来る。また、芳香族ポリアミド繊維の代表例としては、ポリパラアミノベンズアミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラアミノベンズヒドラジドテレフタルアミド、ポリテレフタル酸ヒドラジド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等、もしくはこれらの共重合体からなる繊維を挙げることができる。
本発明の処理に供される繊維の形態としては、ヤーン、コード、不織布、織編物等種々の繊維集合形態が含まれるが、特には撚糸を行ったコードであることが、その繊維の持つ強度をより有効に発揮するためには好ましい。繊維のデニール、フィラメント数、断面形状、繊維物性、微細構造や、ポリマー性状(末端カルボキシル基濃度、分子量等)、ポリマー中の添加剤の有無等には、特に限定は無く、さまざまな形状のものが含まれるが、強度を有効に活用するためには円形の断面形状を有することが好ましい。
また、本発明の二浴処理に供される繊維は、あらかじめ紡糸の段階などで接着前処理を行っているものであることが好ましい。
さて、本発明のゴム補強用繊維の製造方法は、上記のような繊維を前処理液及び接着処理液にて2浴処理するゴム補強用繊維の製造方法である。
そしてここで、前処理液が架橋剤と乳化剤のみからなり、前処理液にて用いる架橋剤が、多価アルコールまたは多価フェノールと塩素含有エポキシド類との反応生成物であることを必須とするものである。
より具体的に前処理液にて用いる架橋剤について述べると、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンの如き塩素含有エポキシド類との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と前記塩素含有エポキシド類との反応生成物を例示することができる。これらのうち、特にエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類並びにこれらの重合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物、即ち多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が優れた性能を発現するので好ましい。
さらに前処理液に用いられる架橋剤のエポキシ当量としては200g/eq以下であることが好ましく、さらには50〜200の範囲にあることが好ましい。エポキシ当量が大きすぎる場合にはエポキシの分子中での反応性が低いため十分な架橋構造を形成しにくく、接着力が弱くなる傾向にある。逆にエポキシ当量が小さすぎる場合には、分子間での反応を効率よく行うことが出来ず、特に高温での接着性が低下する傾向にある。また、架橋剤は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましい。
また架橋剤の全塩素量としては10%以上であることが好ましく、さらにはせいぜい20%以下であることが好ましい。全塩素量が少ない場合には、架橋剤の繊維に対する熱拡散能が十分ではなく、結果として接着性が低下する傾向にある。逆に多すぎた場合には熱分解により生じる成分により繊維の物性が劣化し、接着性ばかりか、補強用繊維を用いた構造体の物性をも低下する傾向にある。
さらに本発明で用いる前処理液は2種類以上の架橋剤を用いた処理液であるが好ましく、その各架橋剤が100%濃度の粘度が4000mPa・s以上の架橋剤と200mPa・s以下の架橋剤の2以上の架橋剤の混合物であることが好ましい。ここで架橋剤の粘度は分子量と相関するが、高粘度成分の架橋剤は高分子であるために一分子中に多数のエポキシ等の官能基を有し、接着剤層中にて高い架橋構造を形成することとなる。高粘度の架橋剤の存在により、高温雰囲気下における接着皮膜の物性低下を抑制し、高い接着性を維持することに寄与するのである。
逆に低粘度の架橋剤は低分子量であるために、他の接着剤構成成分や被接着成分であるポリマーへの相溶性に優れる。特に合成繊維を構成するポリエステル等のポリマーは表面が不活性であり、高い接着性を得るためにも接着剤として相溶性の高いエポキシ等の架橋剤からなる成分は有効である。相溶性の高い架橋剤は、例えば接着剤を繊維にディッピングした後に乾燥、加熱処理する工程にて、ポリマー中への熱拡散を起こしやすく、高い接着性を得るための繊維表面への官能基の付与や、繊維表面の活性化に寄与するのであると考えられる。
本発明の製造方法においては、前処理液としてこのように2種以上の架橋剤を併用することが好ましい。複数の成分を併用することにより、ポリマー中への熱拡散能と凝集エネルギーの両面から接着性能を向上させることが可能となるのである。
また本発明で用いられる前処理液には、上記の架橋剤とともに乳化剤が併用されるが、乳化剤としては公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。前処理液としては上記の架橋剤をそのままあるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、乳化剤を用いて乳化または分散すればよい。
本発明で用いられる接着処理液は、RFL(レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス)接着剤と架橋触媒からなるものである。
ここでRFL接着剤としては、従来公知のゴム繊維補強用に用いられているものが使用されるが、好ましくは、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が、1:0.8〜1:5の範囲にあるものが好ましく、さらには1:1〜1:4の範囲であることがより好ましい。ホルムアルデヒドの添加量が少なすぎるとレゾルシン・ホルマリンの縮合物の架橋密度が低下すると共に分子量の低下を招くため、接着剤層の凝集力が低下することにより接着性が低下するおそれがあり、また、ホルムアルデヒドの添加量が多すぎると架橋密度上昇によりレゾルシン・ホルマリン縮合物が硬くなり、被着体ゴムとの共加硫時にRFLとゴムとの相溶化が阻害され、接着性が低下すると共に処理後の繊維が著しく硬くなり、強力及び疲労性が低下する問題が出てくる傾向にある。
このRFL接着剤におけるレゾルシン・ホルマリンとゴムラテックスとの最適な配合比率は、後述の架橋触媒の添加割合によっても変化するが、固形分量比で、レゾルシン・ホルマリン:ゴムラテックス(RFL)が1:3〜1:16の範囲にあるものが好ましく、特には1:4〜1:10の範囲にあるものが好ましい。ゴムラテックスの比率が少なすぎると処理された繊維が硬くなって耐疲労性が低下する傾向に有り、また被着体であるゴムとの共加硫が不十分となり、接着性が低くなるおそれがある。逆に、接着剤中のゴムラテックスの比率が多すぎると接着剤皮膜として十分な強度を得ることができないため、接着力やゴム付着率が低下する傾向にある。また接着処理繊維の粘着性が高くなりディッピング処理工程での汚れや最終製品製造工程での汚れの原因となりやすい傾向にある。
本発明で用いる接着処理液は上述のRFL接着剤とともに架橋触媒を必須とする。この架橋触媒としては、アミン、エチレン尿素、ブロックポリイソシアネート化合物などを例示することができ、処理液の経時安定性、環境などへの負荷の点からはブロックドポリイソシアネート化合物が特に好ましい。
二浴目の接着処理液における架橋触媒の添加率としては、RFL(レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス)接着剤全量に対して0.5〜40重量%の範囲にあるもの、特に、10〜30重量%の範囲にあるものが好ましく使用される。添加量が少なすぎると、一浴目の前処理液中の架橋剤の架橋反応を引き起こすことができないだけでなく、RFL接着剤の凝集エネルギーを十分に高めることが困難となる傾向にある。逆に添加量が多すぎる場合には接着剤の被着用のゴムに対する相溶性が低下し、ゴムと処理繊維との接着力が低下するとともに、処理後の繊維が著しく硬くなり、強力及び疲労性が低下する傾向にあり好ましくない。
本発明の二浴目の接着処理液として処理される溶液は、総固形分濃度としては、1〜30重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、10〜25重量%となるようにして使用することが出来る。接着処理剤の溶液の総固形分濃度が、前記の範囲よりも低い場合には、接着剤溶液の表面張力が増加し、繊維表面に対する均一付着性が低下すると共に、固形分付着量が低下することにより接着性が低下し、逆に、総固形分濃度が前記の範囲よりも高い場合には、処理液の粘度が高くなるため固形分付着量が多くなりすぎ、ディッピング処理工程や製品の製造工程において汚れの原因になるだけでなく、処理した繊維が硬くなり、耐疲労性が低下しやすい傾向にある。
本発明のゴム補強用繊維の製造方法は、前述した前処理液を繊維に付着した後に220〜260℃の温度にて、30秒〜4分間の熱処理を行い、さらに引き続き接着処理液を用いた処理を行うことを必須工程とするものである。
前処理液を繊維に付着させるには、ローラーとの接触、若しくはノズルからの噴霧による塗布、または溶液中への繊維の浸漬などの手段が採用できる。また、繊維に対する固形分付着量は、0.1〜2重量%の範囲が好ましい。繊維に対する固形分付着量を制御するためには、圧接ローラーによる絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけによる吹き飛ばし、吸引、ビーターの手段により行うことが出来、付着量を多くするためには複数回付着させてもよい。
本発明の製造方法では、この付着段階やその直後の熱処理工程では、架橋が行われていないことをその特徴としている。つまり前処理液で用いる剤のみでは凝集しないのであり、あくまで二浴目の接着処理液に含まれる架橋触媒の存在により架橋されるのである。したがって前処理液の付着量が多くなり膜厚が厚くなると架橋反応が不十分になる傾向にあり接着性を発現しにくい状態となる。したがって付着量としては2重量%以下であることが好ましい。逆に付着量が少なく繊維コード表面を十分に覆うことができなった場合、前処理液の接着性向上効果は減少する。そのため付着量としては0.1重量%以上であることが好ましい。
さらに本発明においては、前処理液を繊維に付着した後に220〜260℃の温度にて、30秒〜5分間の熱処理を行うことが必要である。さらに好ましくは温度としては230〜250℃が好ましく、時間としては1〜3分乾燥・熱処理を行うことが好ましい。このように高温処理を十分に行うことによって、前処理液中の水分を除去し、繊維表面に均一に付着させることができ、2浴目の接着処理液付与の段階において不均一になることを防止することができるのである。
さらにこの熱処理段階としては、繊維を前処理液にて処理した後、50℃以上100℃以下の温度にて、予備乾燥を行うことが好ましい。予備乾燥を行うことにより、マイグレーションをより有効に防止し均一な前処理を行うことが可能となる。
乾燥・熱処理の温度や時間が少なすぎると最終製品であるゴム補強用繊維のゴムとの接着力が不十分になりやすく、また乾燥・熱処理温度が高すぎると繊維自体が溶融、融着を起こすことにより強度低下を引き起こすため好ましくない。
このように前処理された本発明の繊維は、さらに引き続き前述の接着処理液を用いた処理が行われる。接着処理液を繊維に付着せしめるには、ローラーとの接触、若しくは、ノズルからの噴霧による塗布、又は、溶液への浸漬などの手段が採用できる。また、繊維に対する固形分付着量は、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0〜5.0重量%の範囲にあるものがよい。繊維に対する固形分付着量を制御するためには、前記と同様に、圧接ローラーによる絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけによる吹き飛ばし、吸引、ビーターの手段により行うことが出来、付着量を多くするためには複数回付着させてもよい。
さらに接着処理液付着後の熱処理条件としては、二液目の接着処理液を使用して繊維を処理した後、50℃以上で、合成繊維の融点より10℃以上低い温度の範囲で乾燥・熱処理する。より好ましくは、220〜270℃の温度範囲で0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥・熱処理する。この乾燥・熱処理温度が、低すぎるとゴム類との接着が不十分となりやすく、また、該乾燥・熱処理温度が高すぎると合成繊維が溶融、融着するなどにより、繊維の強度低下を起こす場合が有る。
このような本発明の製造方法にて得られたゴム補強用繊維は、耐熱接着性に極めて優れた繊維となる。
通常、ゴム・繊維複合材料が100℃以上の高温にさらされた場合、ゴム・接着剤層が軟化し、繊維・接着剤層の間に応力が集中するのであると考えられる。つまり繊維・接着剤層の界面を強固に固定すれば高温時の接着性は向上すると本発明者らは考えた。しかし、繊維、中でもポリエステルや芳香族ポリアミドなどからなる合成繊維はその表面が化学的に不活性であり、高度に高分子が配向した繊維においては特にポリマー内部への接着剤成分の拡散は困難であった。繊維接着剤層間での剥離が発生し十分な接着性能が得られていなかったのである。
また、従来の二浴処理では、繊維表面に処理する一浴目の処理剤として、ポリエポキシ化合物とこれを反応させる架橋触媒を併用することが多い。そうすることにより接着剤層の凝集エネルギーを増加させ、接着力を発現させるのである。しかし、このように架橋触媒を併用した場合、繊維へのディッピング工程直後の加熱時にポリマー内部への熱拡散が発生するのであるが、そのとき同時に架橋反応が進行しているのである。このような従来の全処理剤組成では、架橋反応により分子量が増大し、ポリマー内部への熱拡散能が急激に低下し、結果として十分な接着力を得ることができなかったのであると推測される。
しかし、本発明においては、前処理液中には架橋剤のみで架橋触媒が存在していないため、前処理液後の熱処理工程では、架橋剤が重合をしない状態のまま加熱され、繊維内部に十分な時間をかけて熱拡散することが可能となり、結果としてこのような高い界面補強能が発現したのであると考えられる。そして本発明では前処理後に二浴目の接着処理液中に架橋触媒が加えられているため、二浴目の接着処理液をディッピング処理、加熱処理することにより一浴目の前処理液の皮膜物性が飛躍的に高まったのであろう。一浴目の前処理剤は未硬化の状態で加熱されているために繊維中に十分に拡散するばかりではなく、二浴目の接着処理液との反応性が高く、結果として高い接着性能を発揮するようになったのである。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(1)高温剥離接着力
処理コードとゴムとの接着力を示すものである。コードを30本/2.54cm(1inch)で引きそろえ、0.5mm厚の天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴムシートで挟みつける。これらのシートを直行するように重ねあわせ、150℃の温度で、30分間、50kg/cmのプレス圧力(初期値)で加硫し、次いで、コード方向に沿って短冊状に切り出す。作成したサンプルを、150℃(高温)の雰囲気下にて、短冊に沿った方のシートをゴムシート面に対し90度の方向へ200mm/分の速度で剥離するのに要した力をN/2.54cm(1inch)で示したものである。
[実施例1]
エポキシ当量が173g/eqであり、100%の粘度が5000mPa・sであり、かつ全塩素量が10.1%であるソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX614B)、及びエポキシ当量が144g/eqであり、100%の粘度が170mPa・sであり、かつ全塩素量が11.5%であるグリセロール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX314)、2−エチル−ヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウムをそれぞれ固形分で60重量%、25重量%、15重量%の割合で混合した、総固形分量:5重量%の配合液を得た(前処理液(1))。
また、レゾルシン/ホルマリン(R/F)のモル比が1/0.6、固形分濃度が65重量%である初期縮合物をアルカリ条件下溶解し9重量%水溶液とする。これを、41%ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテックス(日本エイアンドエル株式会社製 Pyratex)と水を上記9%レゾルシン・ホルマリン水溶液57重量部に対し、それぞれ99重量部、104重量部添加する。この液にホルマリン3重量部、33重量%アセトキシムブロックドジフエニルメタンジイソシアネート分散体(明成化学工業株式会社製 DM6011)を30重量部添加し、48時間熟成した固形分濃度20重量%のRFL接着剤を得た(接着処理液(1))。
固有粘度が0.95のポリエチレンテレフタレートからなる1670dtex/384フィラメントのマルチフィラメント糸を使用し、該マルチフィラメント糸に40T/10cmで下撚りを施し、これを2本合わせて40T/cmで上撚りを施して3340dtex/768フィラメントの合成繊維コードを得た。
該コードをコンビュートリーター処理機(CAリッツラー株式会社製、タイヤコード処理機)を用いて、前記の前処理液(1)に浸漬した後、130℃の温度で2分間乾燥し、引き続き240℃の温度で1分間の熱処理を行い、続いて接着処理液(1)に浸漬した後に、170℃の温度で2分間乾燥し、引続いて240℃の温度で1分間の熱処理を行った。得られたタイヤコードには、各処理液の固形分付着量として、前処理液(1)により1.5重量%、接着処理液(1)により3.7重量%の付着がみられた。得られた処理コードを、天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴム中に埋め込み、加硫後に前記の方法により高温剥離接着力を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の前処理液(1)の代わりに、ソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX614B)、グリセロール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX314)、2−エチル−ヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウムの配合比をそれぞれ固形分で35重量%、35重量%、30重量%の割合に変更して混合した、総固形分量:5重量%の配合液を得た(前処理液(2))を用いて、実施例1と同様に接着処理を行った。
なお、得られたタイヤコードには、各処理液の固形分付着量として、前処理液(2)により1.7重量%、接着処理液(1)により3.4重量%の付着がみられた。得られた処理コードを、実施例1と同様にして高温剥離接着力を評価した。その結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
実施例1の前処理液(1)に用いられているソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX614B)の代わりに、同じソルビトール系ではあるが、エポキシ当量が167g/eqであり、100%の粘度が11800mPa・sであり、かつ全塩素量が13.6%であるソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX611)を用いた。そして前処理液として、ソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX611)、グリセロール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX314)、2−エチル−ヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウムの配合比をそれぞれ固形分で40重量%、17重量%、43重量%の割合で混合した、総固形分量:5重量%の配合液を(前処理液(3))得た。そしてこの前処理液(3)を用いて、実施例1と同様に接着処理を行った。
なお、得られたタイヤコードには、各処理液の固形分付着量として、前処理液(3)により1.9重量%、接着処理液(1)により3.2重量%の付着がみられた。得られた処理コードを、実施例1と同様にして高温剥離接着力を評価した。その結果を表1に併せて示す。
[実施例4]
実施例1の前処理液(1)の総固形分濃度を5重量%から3重量%に変更した前処理液(4)を用いた以外は、実施例1と同様の接着処理を行い高温剥離接着力を評価した。得られたタイヤコードには、各処理液の固形分付着量として、前処理液(4)により1.0重量%、接着処理液(1)により4.1重量%の付着がみられた。その結果を表1に併せて示す。
[実施例5]
実施例1の接着処理液(1)の代わりに、ブロックイソシアネートの添加量30重量部から15重量部に変更した接着処理液(2)を作成した。
すなわち接着処理液(2)を得るために、まずレゾルシン/ホルマリン(R/F)のモル比が1/0.6、固形分濃度が65重量%である初期縮合物をアルカリ条件下溶解し9重量%水溶液とする。これを、41%ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテックス(日本エイアンドエル株式会社製 Pyratex)と水を上記9%レゾルシン・ホルマリン水溶液57重量部に対し、それぞれ99重量部、124重量部添加する。この液にホルマリン3重量部、33重量%アセトキシムブロックドジフエニルメタンジイソシアネート分散体(明成化学工業株式会社製 DM6011)を15重量部添加し、48時間熟成した固形分濃度20重量%のRFL接着剤を得た(接着処理液(2))。
この接着処理液(2)を用いた以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に併せて示す。
[実施例6]
実施例1のポリエチレンテレフタレート繊維に代えて、ポリエチレンナフタレート繊維を用いた以外は実施例1と同様の接着処理を行った。
すなわち繊維としては、固有粘度が0.76のポリエチレンナフタレートからなる1670dtex/384フィラメントのマルチフィラメント糸を使用し、該マルチフィラメント糸に35T/10cmで下撚りを施し、これを2本合わせて35T/cmで上撚りを施して3340dtex/768フィラメントの合成繊維コードを得た。
該コードをコンビュートリーター処理機(CAリッツラー株式会社製、タイヤコード処理機)を用いて、実施例1で用いた前処理液(1)に浸漬した後、130℃の温度で2分間乾燥し、引き続き240℃の温度で1分間の熱処理を行い、続いて接着処理液(1)に浸漬した後に、170℃の温度で2分間乾燥し、引続いて240℃の温度で1分間の熱処理を行った。得られたタイヤコードには、各処理液の固形分付着量として、前処理液(1)により1.5重量%、接着処理液(1)により3.8重量%の付着がみられた。得られた処理コードを、天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴム中に埋め込み、加硫後に前記の方法により高温剥離接着力を評価した。その結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
実施例1の前処理液(1)の代わりに、エポキシ当量が450g/eqであり、100%の粘度が240mPa・sであり、かつ全塩素量が0%であるクレゾールノボラック系ポリエポキシド化合物の50%固形分濃度分散品(ナガセケムテックス株式会社製 EM−150)をさらに水で希釈し、総固形分量:5重量%の配合液(前処理液(5))を得た。そしてこの前処理液(5)を用いて、実施例1と同様の処理を行った。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
実施例1の前処理液(1)の代わりに、ソルビトール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX614B)、グリセロール系ポリエポキシド化合物(ナガセケムテックス株式会社製 EX314)、εカプロラクタムブロックドMDI(明成化学工業株式会社製 S3)、2−エチル−ヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウムの配合比をそれぞれ固形分で55重量%、23重量%、14重量%、8重量%配合した総固形分量:5重量%の配合液を得た(前処理液(6))。そしてこの架橋触媒であるブロックドイソシアネートが添加された前処理液(6)を用いて、実施例1と同様の処理を行った。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
実施例1の接着処理液(1)の代わりに、ブロックイソシアネートを添加しない接着処理液(3)を作成した。
すなわち接着処理液(3)を得るために、まずレゾルシン/ホルマリン(R/F)のモル比が1/0.6、固形分濃度が65重量%である初期縮合物をアルカリ条件下溶解し9重量%水溶液とする。これを、41%ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテックス(日本エイアンドエル株式会社製 Pyratex)と水を上記9%レゾルシン・ホルマリン水溶液57重量部に対し、それぞれ99重量部、124重量部添加する。この液にホルマリン3重量部を添加し、48時間熟成した固形分濃度20重量%のRFL接着剤を得た(接着処理液(3))。
この接着処理液(3)を用いた以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に併せて示す。
Figure 0005145264
このような本発明の補強用繊維の製造方法によって得られた補強用繊維は、耐熱性に優れるためタイヤ、ホース、ベルト等のゴム補強用合成繊維として、特に熱的にシビアな状態でも高い性能を維持するので、好ましく用いられる。

Claims (7)

  1. 繊維を前処理液及び接着処理液にて2浴処理するゴム補強用繊維の製造方法であって、前処理液が架橋剤と乳化剤のみからなり、架橋触媒が存在しておらず、該架橋剤が多価アルコールまたは多価フェノールと塩素含有エポキシド類との反応生成物であり、該架橋剤が100%濃度の粘度が4000mPa・s以上と200mPa・s以下の2以上の架橋剤の混合物であり、該接着処理液がレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)接着剤と架橋触媒からなり、前処理液を繊維に付着した後に220〜260℃の温度にて、30秒〜4分間の熱処理を行い、さらに引き続き接着処理液を用いた処理を行うことを特徴とするゴム補強用繊維の製造方法。
  2. 該塩素含有エポキシド類がエピクロルヒドリンである請求項1記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  3. 該多価アルコールがソルビトール、グリセリン、エチレングリコールのいずれかである請求項1または2記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  4. 該架橋剤のエポキシ当量が200g/eq以下であり、塩素含有量が10重量%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  5. 架橋触媒が、アミン、エチレン尿素、またはブロックポリイソシアネート化合物である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  6. 繊維がポリエステル繊維である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  7. 架橋触媒がブロックポリイソシアネートである請求項1〜6のいずれか1項記載のゴム補強用繊維の製造方法。
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