JP5143688B2 - 圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯用通信機器や電子機器などに数多く組み込まれている圧電デバイスの製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴って前記圧電振動子の小型化も急速に進められてきている。中でも、表面実装にも対応した圧電振動子の開発が行われてきており、その実現のために圧電振動片と前記実装基板との電気的接続のために、前記圧電振動子に貫通電極を形成する事が知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)
前記貫通電極を用いた圧電デバイスパッケージの中にはパッケージ母体としてシリコン基板を用いたものが挙げられる。以下に従来のシリコン基板を用いた圧電デバイスの製造方法と全体構造について説明する。
図3は圧電デバイスの全体構造を示す図である。圧電デバイス41は、励振電極(不図示)を形成した圧電振動素子42を、圧電振動素子搭載パッド43に搭載し、貫通電極44を通じて外部端子45と電気的に接続している。前記圧電振動素子42を収納する前記圧電デバイスパッケージ46内に前記圧電振動素子42を搭載した後、前記圧電デバイスパッケージ46上部に蓋47を接合して圧電デバイスパッケージ内部48を気密封止している。
前記貫通電極44は、前記圧電デバイスパッケージ46に貫通孔49を形成し、当該貫通孔49内面に絶縁膜50を形成して絶縁処理をした上、その内面に導電性部材53を充填して形成されるものである。ここで、前記圧電振動素子搭載パッド43と導電性部材53は、同一部材で一体的に形成できる。
また、前記外部端子45と前記圧電デバイスパッケージ46との電気的接続を防ぐために、両者の間に絶縁膜51および有機絶縁膜52が形成されている。前記有機絶縁膜52を形成する目的は、前記圧電デバイスパッケージ46のパッケージ静電容量を低減させるためである。
図4−1、図4−2は従来技術による圧電デバイスの製造方法を説明する図で、(a)〜(j)は、各工程におけるパッケージ形成の状態を示す断面図である。以下、図4−1、図4−2を参照して従来技術の圧電デバイスの製造方法を説明する。
(a)は前記圧電振動素子42を収容するキャビティー(凹部)を形成する工程である。
61はシリコン基板であり、前記キャビティー62の形成にはフォトリソグラフィー手法、エッチング手法を用いる。不図示ではあるが、前記シリコン基板61の表面にレジストをスピンコート法やスプレーコート法等で塗布した後、フォトマスクを前記シリコン基板61に被せて紫外線露光を行い、現像液によって不要な部分を取り除いてパターンを形成後、エッチングプロセスによって、基板表面が露出した部分をエッチングし、その後、前記レジストをアセトンなどの有機溶剤等を用いて剥離してキャビティー62を形成する。本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型・ネガ型両者とも同様に用いることができる。
(b)は前記シリコン基板61の裏面に絶縁膜63を形成する工程および、フォトリソグラフィー手法によって成膜された貫通孔形成用のレジストマスクを示す図である。前記絶縁膜63は、後の工程で外部端子が形成される際に母体である前記シリコン基板と前記外部端子との間の電気的絶縁を取るためである。さらに次の工程である貫通孔をエッチングにより形成する際のエッチングストップ層としての役割も兼ね備えている。前記絶縁膜63は例えばシリコン酸化膜(SiO)であり、スパッタリング法やCVD法もしくはスピンコート法等によって形成される。
貫通孔形成用の前記レジストパターンは、スピンコート法やスプレーコート法によって
前記シリコン基板61および前記キャビティー62上部にレジストを成膜した後、フォトマスクを被せ、露光・現像を行ってレジストマスク64を形成する。
(c)は前記キャビティー62内に搭載する圧電振動素子と外部端子とを接続するための貫通電極用の貫通孔65を形成する工程を示す図である。前記レジストマスク64によって前記キャビティー内に露出したシリコンをドライおよびウェットエッチングによって前記絶縁膜63までテーパー状にエッチングを行い貫通孔65を形成する。ここで前記貫通孔65の断面形状は、前記絶縁膜63までエッチングを行えばテーパー形状でなくとも、例えば垂直形状でもよい。
(d)は、前記シリコン基板61の表面、前記キャビティー62および前記貫通孔65の内面に絶縁膜66を形成する工程を示す図であり、後の工程で前記キャビティー底面の一部や前記貫通孔65内に電解メッキをする際に、前記シリコン基板61と電気的絶縁を取るために形成される。前記絶縁膜66は、スパッタリング法やCVD法によって成膜されたものであり、例えばシリコン酸化膜(SiO)である。
続いて、前記貫通孔65内に導電性部材を充填する工程を実施する。導電性部材として種々のものが選択可能であるが、小径の孔内を充填させるには電解メッキが適している。(e)は前記絶縁膜66上に共通電極膜67を形成する工程を示す図である。共通電極膜67の形成は、貫通孔65内に電解メッキを行うための前処理であり、まず前記シリコン基板61上の前記絶縁膜66上にスパッタリング法や真空蒸着法によって形成する。前記共通電極膜67の材料は、例えば金(Au)や銅(Cu)である。
図4−2(f)は前記貫通孔65内および前記圧電振動素子搭載パッド68を同時に電解メッキによって充填および形成し、不要な前記共通電極膜67を除去する工程を示す図である。不図示ではあるが、前記共通電極膜67上に電解メッキ用レジスト膜を塗布し、フォトマスクを被せ、紫外線露光を行い、現像液によって、前記圧電振動素子搭載パッド部68および前記貫通孔65内および両者を結ぶ接続配線部69に成膜されている前記電解メッキ用レジスト膜を除去し、パターンを形成する。本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型であってもネガ型であっても同様に形成可能である。その後、電解メッキを行い貫通孔65内に導電性部材71を充填し貫通電極部70を形成し、前記圧電振動素子搭載パッド部68および接続配線部69上に電解メッキ膜を堆積させる。ここで前記導電性部材は前記共通電極膜と同様に金(Au)や銅(Cu)である。
尚、前記圧電振動素子の振動領域の確保と、前記圧電デバイスパッケージ内部の気密性を十分にするため、再度フォトリソグラフィーによって、前記圧電振動素子搭載パッド部68および貫通電極部70にのみ電解メッキが行われるようにパターン化し、両者に同時に電解メッキを行う事によって、前記圧電振動素子搭載パッド部68に電解メッキ膜がさらに厚く形成され、前記圧電振動素子搭載パッド68が完成する。そして同時に前記貫通電極部70にもさらに電解メッキ膜が充分に充填されるため、前記圧電デバイスとしての気密性も向上する事になる。ここでの前記導電性部材も前記電解メッキ時と同様に金(Au)や銅(Cu)である。
電解メッキ後は、前記電解メッキ用レジスト膜を有機溶剤等やアッシングによって剥離し、次に前記共通電極膜67の不要部(前記圧電振動素子搭載パッド68、前記貫通電極70および両者を結ぶ接続配線部69以外の部分)をエッチングによって剥離を行う。尚、この際に前記共通電極膜の剥離は、前工程で電解メッキによって前記圧電振動素子搭載パッド68、前記貫通電極70および両者を結ぶ配線接続部69が前記共通電極膜67に比べて厚膜に形成されているため、特にフォトリソグラフィー手法によって前記共通電極膜67のエッチング用のレジストパターンを形成しなくともよい。
(g)は前記貫通孔65直下の前記シリコン基板61の裏面に形成されている絶縁膜63と、前記シリコン基板61の表面で前記貫通孔65内の絶縁膜66を開口させる工程を示す図である。この工程においてもフォトリソグラフィーとエッチングによって行われる。不図示ではあるが、前記シリコン基板61の裏面の絶縁膜63上にレジスト膜を塗布し、フォトマスクを被せ、紫外線露光を行い、現像液によって光の照射された部分の除去を行い、前記絶縁膜63開口用のパターンを形成する。本工程で使用するフォトレジストはポジ型であってもネガ型であっても同様に形成可能である。その後、ウェットおよびドライエッチングによって前記シリコン基板61の表面と裏面に形成された絶縁膜66および絶縁膜63を同時にエッチングし、前記導電性部材71(貫通電極部70)を露出させる。
(h)は、前記キャビティー62面の対向面の絶縁膜63上に有機絶縁膜72を形成する工程を示す図である。前記有機絶縁膜は例えばポリイミド等であり、前記圧電デバイスが持つパッケージ静電容量を小さくする事を目的としている。
前記圧電デバイスパッケージ自体の持つ静電容量は、前記圧電振動素子搭載パッド68と前記シリコン基板61の間と、前記貫通電極部70と前記シリコン基板61の間、および後述する外部端子と前記シリコン基板61の間、さらに前記圧電振動素子搭載パッド部68と前記貫通電極70を結ぶ前記接続配線部69と前記シリコン基板61の間の静電容量値の合成値で算出される。中でも、前記外部端子と前記シリコン基板61との間の静電容量は、電極面積(前記外部端子)が他と比べて大きくなるため静電容量も大きくなってしまう事から電極間距離すなわち絶縁膜の厚さはできるだけ厚くする事が望ましい。よって厚膜形成可能な有機絶縁膜を使用している。
前記有機絶縁膜は、スピンコート法などにより前記絶縁膜63上に例えば感光性ポリイミドであればその前駆体を塗布後、プリベークを行い、露光・現像を行って前記感光性ポリイミドのパターンを形成する。パターンは前記絶縁膜63と同様に、前記貫通電極部70直下の部位以外に前記有機絶縁膜が残るように形成する。その後、イミド化の熱処理を行いパターン化されたポリイミド膜すなわち有機絶縁膜72を成膜する。尚、この場合には感光性の有機材料を例にして説明したが、非感光性の有機材料の場合においても、スピンコート法などによって前記非感光性の有機材料の前駆体の溶液を塗布および熱処理後によって有機絶縁膜を形成し、再度フォトリソグラフィーによって前記有機絶縁膜上に、レジストパターンを形成し、酸素プラズマによるアッシングによって、前記貫通電極直下の部位のみの開口を行ってもよい。
(i)は前記有機絶縁膜72および絶縁膜63の開口部73に電解メッキを行い、開口部を導電性部材で充填すると共に、外部端子74を形成する工程を示す図である。
まず、不図示ではあるが、前記絶縁膜上に共通電極膜をスパッタリング法や真空蒸着法によって形成する。前記共通電極の材料は、例えば金(Au)や銅(Cu)である。その後、フォトリソグラフィーによってレジストパターンを形成し、電解メッキを行い前記レジストが成膜されていない前記開口部73および前記外部端子部74に電解メッキ膜を成長させ、前記導電性部材71と電気的接続を行う。この時、前記導電性部材71は前記共通電極膜と同様に金(Au)や銅(Cu)である。最後に共通電極膜をエッチングによって剥離を行い、前記外部端子74以外の共通電極膜を除去する。
(j)は圧電振動素子75を前記キャビティー62内の前記圧電振動素子搭載パッド68に搭載し、前記キャビティー62上部(前記シリコン基板61上部)に蓋を形成し、前記キャビティー内部を気密封止する工程を示す図である。前記圧電振動素子搭載パッド68上に、導電性接着剤を塗布し、その上に前記圧電振動素子を搭載する。その後、前記キャビティー62内を気密封止するための蓋76を前記シリコン基板上部に設置し、両者を接合する。尚、前記蓋76は例えばシリコンである。
その後、不図示ではあるが、接合された前記蓋と前記シリコン基板を前記キャビティー間で同時にダイシングを行い、個々の製品毎に分割して一つの圧電デバイスが完成する。
特開2004−214787号公報 特開2007−267101号公報
しかしながら、前述の従来技術による圧電デバイスの製造方法には、一部工程において以下のような問題点がある。
貫通孔形成時のフォトリソ工程において、前記キャビティー側壁の上面と前記シリコン基板の接合面の角部には、レジストが成膜しにくく膜厚も薄くなってしまう(図4−1(b)参照)。このため、前記貫通孔が形成される前に、ドライエッチングによって薄膜の角部のレジストが先になくなってしまい、それによって露出した角部のシリコンが削られ、蓋との接合面積を減少させてしまう。これは接合精度の低下を招くことなり、リーク等の不良原因にもなる。
これを防ぐために、前記レジストと前記シリコン基板(前記キャビティー)の間に金属膜や絶縁膜などのエッチングバリア膜を形成しておくことも考えられるが、工程が多くなり生産性を著しく低下させてしまう。さらに電着レジストによる形成方法も考えられるが、やはりこれも金属膜の成膜が不可欠となるため多工程の要因となる。さらにエッチング時にレジストがなくならないように、厚膜にレジストを形成すると、前記貫通孔形成用のレジストパターンが形成しにくくなる。
また、角部にフォトレジストを成膜させるためには、スピンコート法に比べてスプレーコート法が角部にレジストが成膜しやすいため適しているものの、成膜時間がスピンコート法に比べて多くかかってしまう。
さらに、前述した、前記圧電デバイスが持つパッケージ静電容量の観点から考えた場合には、前記導電性部材が充填される前記貫通孔の表面積は小さくなる方が望ましいが、従来方式においては前記キャビティー上部の前記シリコン基板上にフォトマスクを被せるため、前記貫通孔形成用のレジスト成膜後の露光時にプロキシミティ露光となり、フォトマスクと同様な形状のレジストパターンを形成する事ができなくなる。つまりプロキシミティ露光であるため、フォトマスクのパターン設計値に比べて、ポジレジストであればパターンの拡大が起こってしまい、前記貫通孔の表面積も大きくなってしまうため、前記圧電デバイスのパッケージ静電容量を増加させてしまい、発振不良の原因となってしまう。
さらに前工程の前記キャビティーを形成する際に、前記キャビティーをドライエッチングによって形成する場合には、前記キャビティーの深さに分布があるため、前述した貫通孔形成時のプロキシミティ露光によるレジストパターンの収縮の影響も大きくなり、貫通孔形成後の6インチや8インチの大口径のシリコンウェハの場所による貫通孔の表面積のバラつきも大きくなってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑み、製造が容易且つ安価で安定な圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とするものである。
圧電振動素子をパッケージ内に収納して成る圧電デバイスの製造方法であって、
少なくとも、平板基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、前記平板基板のキャビティー形成面との対向面にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をパターニングして、貫通孔形成用のレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクをエッチングマスクとしてキャビティー形成面との対向面からドライエッチングによって貫通孔を形成する工程と、前記平板基板表面や前記キャビティー内面および前記貫通孔内面に絶縁膜を形成する工程と、前記貫通孔に導電性部材を充填して貫通電極を形成する工程と、圧電振動素子搭載パッドと、該圧電振動素子搭載パッドと前記貫通電極とを接続する接続配線部を形成する工程と、前記キャビティーと対向面の前記絶縁膜上に有機絶縁膜を形成する工程と、前記貫通電極直下および前記有機絶縁膜上に前記貫通電極と接続される外部端子を形成する工程と、前記圧電振動素子を前記圧電振動素子搭載パッドに固定する工程と、前記キャビティーの上方に蓋部材を接合して前記圧電振動素子をパッケージ内に気密封止する工程と、を有することを特徴とする。
前記平板基板表面や前記キャビティー内面および前記貫通孔内面に絶縁膜を形成する工程は、熱酸化法によって各面同時に形成できる。
前記貫通孔内に導電性部材を充填し、貫通電極を形成する工程と、圧電振動素子搭載パッドと、該圧電振動素子搭載パッドと前記貫通電極とを接続する接続配線部を形成する工程は、電解メッキによって一括で行う事ができる。
本発明によれば、前記貫通孔の形成を前記キャビティーの対向面からエッチングガスを照射して形成するため、角部にエッチングガスが直接照射されることがないので前記キャビティー側壁の上面と前記シリコン基板の接合面の角部のシリコンエッチングによる接合面積の減少を防ぎ、リーク等の不良を大幅に抑制する事ができる。
また、接合面積の減少を防ぐためのエッチングバリアの成膜の必要がないため、生産性が向上する。さらに成膜に時間のかかるスプレーコーターではなく、スピンコーターで安定に前記貫通孔形成用のレジストパターンを形成できるため、これもまた生産性の向上につながる。
前記貫通孔の形成を前記キャビティーの対向面から形成するため、プロキシミティ露光とならずに前記貫通孔形成用のレジストパターンを形成する事ができるため、フォトマスクと同様のパターンが形成でき、それに加えて貫通孔の径も小さく出来るため、前記圧電デバイスパッケージの静電容量もより小さくする事ができ、発振不良を大幅に抑制する事ができる。
さらに前記貫通孔の径を小さく形成できる事によって、後の工程で前記貫通孔内を電解メッキによって導電性部材で充填して貫通電極を形成する際に、前記導電性部材の充填がよりしやすくなり、リーク不良も抑制する事が可能となる。
図1は、本実施例に係る圧電デバイスの全体構造を示す図である。図のように圧電デバイス1は、励振電極(不図示)を形成した圧電振動素子2を、圧電振動素子搭載パッド3に搭載し、貫通電極4を通じて外部端子5と電気的に接続している。圧電振動素子2を収納する前記圧電デバイスパッケージ6内に前記圧電振動素子2を搭載した後、前記圧電デバイスパッケージ6上部に蓋7を接合して圧電デバイスパッケージ内部8を気密封止している。
前記貫通電極4は、前記圧電デバイスパッケージ6に貫通孔9を形成し、当該貫通孔9内面に絶縁膜10を形成して絶縁処理をした上、その内面に導電性部材を充填して形成されるものである。ここで、圧電振動素子搭載パッド3と前記導電性部材は、同一部材で一体的に形成できる。
また、前記圧電振動素子搭載パッド3と電気的に接続されている前記外部端子5は、前記圧電デバイスパッケージの母体であるシリコンとの電気的接続を防ぐために絶縁処理を行わなくてはならない。そのために、前記外部端子5と前記圧電デバイスパッケージ6の間に、絶縁膜10および有機絶縁膜11が形成されている。
以下、本発明の圧電デバイスの製造方法について、図面に基づいて詳細に説明する。図2−1、図2−2は、本発明の圧電デバイスの製造方法を説明する図で、(a)〜(j)は各工程における圧電デバイスの状態を示す断面図である。
図2−1(a)は、シリコン基板21の表面の所定位置に配列されるキャビティー22(凹部)を形成する工程である。不図示ではあるが、前記シリコン基板21の表面にレジストをスピンコート法やスプレーコート法等で塗布した後、フォトマスクを前記シリコン基板21の上部に被せて紫外線露光を行い、現像液によって不要な部分を取り除いてパターンを形成後、エッチングプロセスによってシリコン基板面が露出した部分をエッチングし、その後前記レジストをアセトンなどの有機溶剤等を用いて剥離し、キャビティー22が形成される。尚、本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型でもネガ型でも同様に形成可能である。
(b)は前記シリコン基板21の裏面(前記キャビティー22の対向面)に前記貫通孔形成用のレジストマスク23を形成する工程である。不図示ではあるが、前記シリコン基板21の対向面にレジストをスピンコート法によって塗布した後、フォトマスクを前記レジスト上に被せて紫外線露光を行い、現像液によって不要な部分を取り除いてレジストパターンを形成する。また次工程の前記貫通孔形成のためのエッチングをドライプロセスで行う場合に、エッチング装置内の台座に前記シリコン基板を設置し、エッチングによって前記貫通孔が形成された直後に、前記台座にエッチングガスが照射され、前記台座を傷付くのを防ぐためには、前記レジストをディップコート法によって前記キャビティー22面および前記キャビティー22面の対向面の両面に一括で形成し、前記キャビティー22面の対向面のレジストを前記台座のエッチングバリア膜としてもよい。
(c)は前記貫通孔用レジストマスク23に伴ってエッチングを行い、前記キャビティー22内に搭載する圧電振動素子と外部端子とを電気的に接続をするための貫通孔24を形成する工程を示す図である。前記レジストマスク23のパターンの無いシリコンの露出した開口部分をドライエッチングによってエッチングを行う。従来の方式とは異なり、前記キャビティー22面の対向面からエッチングを行っており、前記キャビティー側壁の上面と前記シリコン基板の接合面の角部にエッチングガスが直接あたらないので、従来の問題点のシリコンエッチングによる蓋との接合面積の減少を防ぐ事ができる。エッチングが完了して前記貫通孔が形成された後は、有機溶剤等を用いて、前記レジストマスク23を剥離する。
(d)は前記シリコン基板21の表面および前記キャビティーの対向面の両面および前記貫通孔24の内面に絶縁膜25を一括で形成する工程を示す図であり、後の工程で前記貫通孔24内を導電性部材で充填する際、および前記キャビティーの対向面に外部端子を形成する際に、前記シリコン基板21と電気的絶縁を取るために形成される。前記絶縁膜25はシリコン酸化膜(SiO)であり、熱酸化法によって形成する事で、各面同時に絶縁膜を形成できるため生産性が向上すると同時に、前記キャビティー内や小径な前記貫通孔内の確実な絶縁処理が可能となる。
続いて、前記貫通孔24内に導電性部材を充填する工程を実施する。導電性部材として種々のものが選択可能であるが、小径の孔内を充填させるには電解メッキが適している。(e)は前記絶縁膜25上に共通電極膜26を形成する工程を示す図である。共通電極膜26の形成は、貫通孔24内に電解メッキを行うための前処理であり、まず前記シリコン基板21上の前記絶縁膜25上にスパッタリング法や真空蒸着法によって形成する。前記共通電極膜26の材料は、例えば金(Au)や銅(Cu)である。
図2−2(f)は、前記貫通孔24内および前記圧電振動素子搭載パッド27、接続配線部28を同時に電解メッキによって充填および形成し、不要な前記共通電極膜26を除去する工程を示す図である。
不図示ではあるが、前記共通電極膜26上に電解メッキ用レジスト膜を塗布し、フォトマスクを被せ、紫外線露光を行い、現像液によって光の照射された部分の除去を行い、前記圧電振動素子搭載パッド部27および前記貫通孔24内および両者を結ぶ接続配線部28に成膜されている前記電解メッキ用レジスト膜を除去し、パターンを形成する。本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型であってもネガ型であっても同様に形成可能である。その後、電解メッキを行い貫通孔24内に導電性部材30を充填して貫通電極部29を形成し、前記圧電振動素子搭載パッド27および接続配線部28上に電解メッキ膜を堆積させる。ここで前記導電性部材30は前記共通電極と同様に金(Au)や銅(Cu)である。
尚、前記圧電振動素子の振動領域の確保と、前記圧電デバイスパッケージ内部の気密性を十分にするため、再度フォトリソグラフィーによって、前記圧電振動素子搭載パッド部27および貫通電極部29のみ電解メッキが行われるようにパターン化し、両者を同時に電解メッキを行う事で、前記キャビティー底面と比べて段差の付いた前記圧電振動素子搭載パッド27が形成され、前記貫通孔24内にはさらに電解メッキ膜が成長し、これによって圧電デバイスパッケージとしての気密性が保たれる。ここで前記導電性部材30は前記電解メッキ時と同様に金(Au)や銅(Cu)である。
電解メッキ後は、前記電解メッキ用レジスト膜を有機溶剤等を用いて除去し、前記共通電極膜26の不要部を剥離する工程となる。この際に前記共通電極膜の剥離は、前工程で電解メッキによって前記圧電振動素子搭載パッド27、前記貫通電極29および両者を結ぶ接続配線部28が前記共通電極膜26に比べて厚く形成されているため、特にフォトリソグラフィー手法によって前記共通電極膜26のエッチング用のレジストパターンを形成しなくともよい。
(g)は、前記キャビティー22面の対向面の絶縁膜25上に有機絶縁膜31を形成する工程を示す図である。前記有機絶縁膜は例えばポリイミド等であり、前記圧電デバイスパッケージ自体が持つパッケージ静電容量を小さくする目的を持っている。
前述でも示したように、安定な励振状態の確保のための前記圧電デバイスパッケージの静電容量を低減するために、前記有機絶縁膜は厚膜に形成することが望ましい。
前記有機絶縁膜31は、スピンコート法などにより前記絶縁膜25上に感光性ポリイミド等の前駆体を塗布後、プリベークを行い、露光・現像を行って前記感光性ポリイミドのパターンを形成する。その後、イミド化の熱処理を行いパターン化された前記有機絶縁膜31を形成する。前記有機絶縁膜31のパターン化によって、前記貫通電極部29の直下以外に膜が形成されている事になる。前記貫通電極部29の直下は開口部35である。
尚、この場合には感光性の有機材料を用いたが、非感光性の有機材料の場合においても、前記非感光性の有機絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィーによって前記貫通電極部29の直下以外にレジスト膜を形成し、酸素プラズマによるアッシングによって前記有機絶縁膜の開口を行ってもよい。
(h)は前記有機絶縁膜31の開口部35に電解メッキを行い、前記開口部35を導電性部材で充填し、前記貫通電極29と電気的に接続すると共に、外部端子32を形成する工程を示す図である。
まず、不図示ではあるが、前記絶縁膜上に共通電極膜をスパッタリング法や真空蒸着法によって形成する。前記共通電極膜の材料は、例えば金(Au)や銅(Cu)である。その後、フォトリソグラフィーによってレジストパターンを形成し、電解メッキを行い前記レジストが成膜されていない前記開口部35および前記外部端子部32に電解メッキ膜を成長させ、前記導電性部材30と電気的接続を行う。この時、前記導電性部材30は前記共通電極と同様に金(Au)や銅(Cu)である。最後に共通電極膜をエッチングによって剥離し、前記外部端子部32以外の電極膜を除去する。この場合においても、前記外部端子32が電解メッキによって厚膜に形成されているため、前記共通電極膜のエッチング用のレジストパターンを形成しなくともよい。
(i)は圧電振動素子33を前記キャビティー22内の前記圧電振動素子搭載パッド27に搭載し、前記キャビティー22上部(前記シリコン基板21上部)に蓋34を形成し、前記キャビティー内部を気密封止する工程を示す図である。前記圧電振動素子搭載パッド27上に、導電性接着剤を塗布し、その上に前記圧電振動素子33を搭載する。その後、前記キャビティー22内を気密封止するための蓋34を前記シリコン基板上部に設置し、両者を接合する。尚、前記蓋34は例えばシリコンである。
その後、不図示ではあるが、接合された前記蓋と前記シリコン基板を前記キャビティー間で同時にダイシングを行い、個々の製品毎に分割して一つの圧電デバイスが完成する。
本発明の圧電デバイスを示す図。 本発明の圧電デバイスの製造工程を示す図。 本発明の圧電デバイスの製造工程を示す図。 従来の圧電デバイスを示す図。 従来の圧電デバイスの製造工程を示す図。 従来の圧電デバイスの製造工程を示す図。
符号の説明
1 圧電デバイス
2 圧電振動素子
3 圧電振動素子搭載パッド
4 貫通電極
5 外部端子
6 圧電デバイスパッケージ
7 蓋
8 圧電デバイスパッケージ内部
9 貫通孔
10 絶縁膜
11 有機絶縁膜
21 シリコン基板
22 キャビティー
23 レジストマスク
24 貫通孔
25 絶縁膜
26 共通電極膜
27 圧電振動素子搭載パッド
28 接続配線部
29 貫通電極
30 導電性部材
31 有機絶縁膜
32 外部端子
33 圧電振動素子
34 蓋
35 開口部
41 圧電デバイス
42 圧電振動素子
43 圧電振動素子搭載パッド
44 貫通電極
45 外部端子
46 圧電デバイスパッケージ
47 蓋
48 圧電デバイスパッケージ内部
49 貫通孔
50 絶縁膜
51 絶縁膜
52 有機絶縁膜
53 導電性部材
61 シリコン基板
62 キャビティー
63 絶縁膜
64 レジストマスク
65 貫通孔
66 絶縁膜
67 共通電極膜
68 圧電振動素子搭載パッド
69 接続配線部
70 貫通電極
71 導電性部材
72 有機絶縁膜
73 開口部
74 外部端子
75 圧電振動素子
76 蓋

Claims (3)

  1. 圧電振動素子をパッケージ内に収納して成る圧電デバイスの製造方法であって、
    少なくとも、平板基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、
    前記平板基板のキャビティー形成面との対向面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜をパターニングして、貫通孔形成用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記レジストマスクをエッチングマスクとしてキャビティー形成面との対向面からドライエッチングによって貫通孔を形成する工程と、
    前記平板基板表面、前記キャビティー内面および前記貫通孔内面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記貫通孔に導電性部材を充填して貫通電極を形成する工程と、
    圧電振動素子搭載パッドと、該圧電振動素子搭載パッドと前記貫通電極とを接続する接続配線部を形成する工程と、
    前記キャビティーと対向面の前記絶縁膜上に有機絶縁膜を形成する工程と、
    前記貫通電極直下および前記有機絶縁膜上に前記貫通電極と接続される外部端子を形成する工程と、
    前記圧電振動素子を前記圧電振動素子搭載パッドに固定する工程と、
    前記キャビティーの上方に蓋部材を接合して前記圧電振動素子をパッケージ内に気密封止する工程と、
    を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  2. 前記平板基板表面、前記キャビティー内面および前記貫通孔内面に絶縁膜を形成する工程は、熱酸化法によって各面同時に形成する事を特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
  3. 前記貫通孔内に導電性部材を充填し、貫通電極を形成する工程と、圧電振動素子搭載パッドと、該圧電振動素子搭載パッドと前記貫通電極とを接続する接続配線部を形成する工程は、電解メッキによって一括で行う事を特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイスの製造方法。
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