JP5240913B2 - 電子部品用容器体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に使用される電子部品の電子部品用容器体の製造方法に関する。
電子機器が小型化されるにつれ、電子部品も小型化されている。その電子部品は、振動および衝撃に耐えうるように平面全体で支持する表面実装型が増加している。
このような電子部品には、例えば、圧電振動子や圧電発振器などがある。ここで、従来の圧電振動子について説明する。従来の圧電振動子は、電子部品用容器体と圧電振動素子と蓋とから主に構成されている。この圧電振動子の構造は、圧電振動素子を電子部品用容器体と蓋とで完全に包囲した状態で、封止された構造となっている。
電子部品用容器体は、一方の主面に凹部を有し、その内部に圧電振動素子を電気的に接続するための接続用端子と、他方の主面に外部接続端子とを備えている。また、前記接続用端子と前記外部接続端子とが電気的に接続された構造となっている。
また、電子部品用容器体は、セラミック、樹脂、水晶、ガラス、シリコンなどの絶縁材料から主に構成されている。
ここで、電子部品用容器体がセラミックから主に構成されている場合について説明する。
電子部品用容器体は、所定の位置に2つ一対の貫通孔を有した基板部と、基板部の一方の主面に圧電素子と電気的に接続させるための接続用端子と、基板部の一方の主面の周囲に設けられた壁部と、基板部の一方の主面と平行となる壁部の面に設けられた蓋を接合するための金属層と、基板部の他方の主面に複数設けられた外部接続端子とから構成されている。また、基板部の他方の主面に複数設けられている外部接続端子の2つは、前記貫通孔を介して接続用端子と電気的に接続される構造となっている(例えば特許文献1参照)。
電子部品用容器体が、水晶、ガラス、シリコンのいずれか一つから選択された材料で主に構成されている場合について説明する。
電子部品用容器体は、基板部と壁部と接続用端子と外部接続端子とから構成されている。接続用端子は、基板部の一方の主面に形成されており、圧電振動素子と電気的に接続される。外部接続端子は、基板の他方の主面に複数設けられている。壁部は、基板の一方の主面の周囲に設けられている(例えば特許文献2参照)。
特開2001−285011 特開2008−141315
しかしながら、小型化・薄型化に伴い次の様な問題があった。
電子部品容器体をセラミックで形成する場合、焼成によって収縮するため焼成前と焼成後では、寸法にばらつきが生じてしまう。そのため、セラミックから主に構成される電子部品用容器体は、水晶、ガラス、シリコン、樹脂などのいずれか一つから選択された材料からなる電子部品用容器体と比較して、外形の寸法精度が悪くなる。焼成の際に収縮するため、水晶、ガラス、シリコンや樹脂などのいずれか一つから選択された材料で主に構成されている電子部品用容器体の外形寸法精度と比較して、外形寸法が悪くなる。
電子部品用容器体の外形の寸法精度が悪い場合、電子部品用容器体の外形寸法と蓋の外形寸法にずれが生じる。そのため、電子部品用容器体の壁部と蓋の重なる面積が小さくなり、封止が完全になされなくなる。従って、セラミックからなる電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、外部の温度や湿度の影響を受けやすくなり、圧電振動子の電気的特性の悪化や、圧電振動子の周波数の安定度を悪化させることがあった。
水晶、ガラス、シリコンのいずれか一つから選択された材料から構成されている電子部品用容器体を用いた場合には、次の問題があった。
水晶、ガラス、シリコン、その他圧電材料のいずれか一つから選択された材料から主に構成されている電子部品用容器体は、非金属からなる基板部と基板部と同一の材料からなる壁部とから構成されている。この電子部品用容器体を用いて圧電振動子に用いた場合、圧電振動素子は、絶縁材料で完全に包囲される。そのため圧電振動子は、外部の電磁波等のノイズを防ぐことができない。
このため、水晶、ガラス、シリコン、その他圧電材料のいずれか一つから選択した材料から構成されている電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、セラミックから構成される電子部品用容器体を用いた圧電振動子と比較して、圧電振動子の電気的特性の悪化や、圧電振動子の周波数の安定度の悪化という問題があった。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、圧電振動子の電気的特性の悪化を防ぎ、周波数を安定させる圧電振動子を可能とする、電子部品用容器体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、圧電デバイス用容器体の製造方法であって、複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるグラウンドに接続されためっき用金属層と前記めっき用金属層の内側であって2つ一対で設けられる配線パターンとを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子を他方の主面に有したウエハの一方の主面に、レジストを後述する壁部と同じ厚みまで付着させるレジスト付着工程と、前記めっき用金属層と重なる部分の前記レジストを除去する第一のレジスト除去工程と、電解めっき又は無電解めっきにより、前記めっき用金属層に所定の金属からなり且つ前記レジストと同じ厚みとなるめっき形成壁部を設けるめっき工程と、前記ウエハの一方の主面に付着しているレジストを全て除去する第二のレジスト除去工程と、前記めっき形成壁部の前記ウエハと平行となる面を平滑にする平滑工程と、前記ウエハを基板ごとに個片化し、各基板の一方の主面に壁部を有する電子部品用容器体を得る個片化工程と、からなることを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、本発明は、圧電デバイス用容器体の製造方法であって、複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるめっき用金属層と前記めっき用金属層の内側であって2つ一対で設けられる配線パターンとを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子を他方の主面に有したウエハの前記一方の主面に、レジストを後述する壁部と同じ厚みまで付着させるレジスト付着工程と、前記めっき用金属層と重なる部分の前記レジストを除去する第一のレジスト除去工程と、電解めっき又は無電解めっきにより、前記めっき用金属層に所定の金属からなり且つ前記レジストと同じ厚みとなるめっき形成壁部を設けるめっき工程と、 前記ウエハの一方の主面に付着しているレジストを全て除去する第二のレジスト除去工程と、前記めっき形成壁部の前記ウエハと平行となる面を平滑にする平滑工程と、前記ウエハを基板ごとに個片化し、各基板の一方の主面に壁部を有する電子部品用容器体を得る個片化工程と、前記壁部と前記外部接続端子のうちグラウンドとなる前記外部接続端子とを電気的に接続する導電部を、前記電子部品用容器体の外側面に形成する導電部形成工程と、からなることを特徴とする。
また本発明は、レジストがドライフィルムレジストであっても良い。
このような電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、セラミックを焼成して形成する電子部品用容器体を用いた圧電振動子と比較して、電子部品用容器体の外形寸法精度がよくなるため、電子部品用容器体と蓋の重なる面積が大きくなる。このため、このような電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、気密性を保った状態で封止されるため、外部の温度や湿度の影響による圧電振動子の電気的特性の悪化や圧電振動子の周波数の悪化を防ぐことができる。
さらに、このような電子部品用容器体を使用した圧電振動子は、水晶、ガラス、シリコンのいずれか一つから選択された材料から主に構成された電子部品用容器体を使用した圧電振動子と比較して、圧電振動子の電気的特性の悪化や圧電振動子の周波数の悪化を防ぐことができる。このような電子部品用容器体を使用した圧電振動子は、壁部が金属から構成されているので、電磁波等の外部のノイズによる影響を防ぐことができる。このとき、金属から構成される蓋を用いることで、さらに外部のノイズによる影響を防ぐことができる。
このような圧電振動子の構造は、壁部と外部接続端子の所定の一つを介してグラウンドに電気的に接続する構造となっている。そのため、このような電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、壁部で発生した浮遊容量をグラウンドに放出でき、浮遊容量による圧電振動子の電気的特性の悪化や圧電振動子の周波数の安定度の悪化を防ぐことができる。
従って、このような電子部品用容器体を用いることによって、圧電振動子の電気的特性の悪化を防ぎ、圧電振動子の周波数の安定している圧電振動子を得ることができる。
本発明の製造方法は、めっき形成壁部を形成する際にめっき法を用いる。めっき法を用いた場合は、めっき形成壁部の形成にスパッタまたは蒸着を用いた場合と比較して、壁部の外形寸法が良くなる。また、リードタイムも短縮できるため、生産コストも安くなる。
このように本発明の製造方法を用いることにより、壁部の外形寸法精度がよく、生産コストの安い電子部品用容器体を製造することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。また、各構成要素について状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る電子部品用容器体の斜視図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の一方の主面から見た場合の概念図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の他方の主面から見た場合の概念図である。図4は、図2のA−A断面の概念図である。図5は、図2のB−B断面の概念図である。
本発明の実施形態に係る電子部品用容器体は、基板部11と壁部12と配線パターン13と外部接続端子15とから主に構成される。
基板部11は、水晶、ガラス、シリコン、焼成後のセラミックのいずれか一つから選択され複数のスルーホール14を有している。基板部11の板厚は、圧電振動子として強度が保てる板厚となっている。
ここで、基板部11が水晶からなる場合について説明する。
水晶からなる基板部11を用いた電子部品用容器体は、セラミックから主に構成された電子部品用容器体と比較して、焼成による伸縮がないため外形寸法精度がよい。そのため、この電子部品用容器体を用いた圧電振動子は、気密性の高い状態で封止され、圧電振動子の特性の悪化および圧電振動子の周波数の安定度の悪化を防ぐことができる。
配線パターン13は、前記基板部11の一方の主面に後述する壁部12より内側に位置し2つ一対で設けられる。配線パターン13は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成されている。また、配線パターン13は、圧電振動素子との電気的に接続させる接続用端子に相当している。配線パターン13は、圧電振動素子を電子部品容器体に表面実装する際に、圧電振動素子の電気的信号の取り出しパターンに合わせて電子部品用容器体内に配置されている。
外部接続端子15は、前記基板部11の他方の主面に複数設けられている。外部接続端子15の所定の1つは、後述する壁部12と前記貫通孔14を介して電気的に接続しつつグラウンドと接続されている。また、外部接続端子15の所定の他の2つは、前記他の貫通孔14を介して前記配線パターン13と電気的に接続されている。外部接続端子15は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、前記基板部11の他方の主面の4隅に形成されている。
壁部12は、金属からなり、基板部11の一方の主面の縁にそって形成されている金属層12M上に枠状に形成されている。壁部12の高さは、圧電振動素子を基板部11と壁部12と蓋(図示せず)で完全に包囲できる高さとなっている。例えば、壁部12の高さは、0.1〜0.3mmとなっている。壁部12の幅は、電子部品用容器体として強度が保てる幅となっている。
また、この電子部品用容器体は、金属からなる壁部12と金属層12Mとが用いられているので、電磁波等の外部のノイズの影響を回避することができる。このため、この電子部品用容器体を使用した圧電振動子は、電磁波等の外部のノイズの影響による圧電振動子の電気的特性の悪化および圧電振動子の周波数の安定度の悪化を防ぐことができる。
壁部12は、グラウンドと電気的に接続されている。つまり、壁部12は、所定の外部接続端子15とグラウンドに接続されているので、電子部品容器体自身で発生した浮遊容量による影響を回避することができる。このため、この電子部品用容器体を使用した圧電振動子は、浮遊容量による圧電振動子の電気的特性の悪化および圧電振動子の周波数の安定度の悪化を防ぐことができる。
この電子部品用容器体の製造方法は、壁部12が金属によって形成されているので電気的特性の悪化と周波数の安定した圧電振動子を提供することができる。
次に本発明の電子部品用容器体の製造方法の実施形態について説明する。
本発明の電子部品用容器体は、レジスト付着工程と第一のレジスト除去工程とめっき工程と第二のレジスト除去工程と平滑工程と個片化工程とを経て製造されている。
図6〜図9は、第一の実施形態の電子部品用容器体の製造工程時の部分的な形態の概念図を示したものである。
レジスト付着工程は、複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるグラウンドに接続されためっき用金属層12MWと前記めっき用金属層12MWの内側であって2つ一対で設けられる配線パターン13とを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子15を他方の主面に有したウエハ11Wの一方の主面にレジストRを付着させる工程である。
まず、ウエハ11Wについて説明する。
前記ウエハ11Wは、複数の前記基板をマトリックス状に配列された状態となっている。この基板は、電子部品用容器体の基板部11に相当する。
この基板は、複数の貫通孔14を有している。この貫通孔14は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術等により形成される。この貫通孔14を導電ペーストで塞ぐことにより、基板の一方の主面と他方の主面とが、電気的に接続される。
前記ウエハ11Wの一方の主面には、めっき用金属層12MWがフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成されている。また、このめっき用金属層12MWは、基板ごとに個片化する際の切り代分を含んでいるため、第一の実施形態に係る電子部品用容器体の壁部の厚みよりも厚くなっている。このめっき用金属層12MWは、前記ウエハ11Wの他方の主面の外部接続端子15と貫通孔14を介して電気的に接続されている。
前記ウエハ11Wの一方の主面には、配線パターン13がフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成されている。この配線パターン13は、めっき用金属層12MWの内側であって2つ一対で設けられており、圧電振動素子を表面実装できるように配置されている。また、配線パターン13は、特定の貫通孔14を介して所定の外部接続端子15と電気的に接続されている。
付着させるレジストRの厚みは、例えば、電子部品用容器体の壁部12の高さと同じ厚みとする。例えば、壁部12の高さが0.1〜0.3mmの場合は、レジストRの厚みを0.1mm〜0.3mmとする。
このレジストは、ポジ型フォトレジストだけでなく、ネガ型フォトレジストを使用しても構わない。
またこのレジストは、ドライフィルムレジストのようなドライレジストだけでなく、液状のレジストを使用しても構わない。
ウエハ11Wの一方の主面にレジストRが付着されている状態のウエハを、レジスト付着工程後ウエハとする。レジスト付着工程後ウエハの概念図を図6(b)に示す。
第一のレジスト除去工程は、前記レジストRの前記めっき用金属層12MWと重なる部分を除去する工程である。
第一のレジスト除去工程には、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いる。
レジスト付着工程後ウエハは、前記めっき用金属層12MWと重なる部分を除去できるように露光マスクを合わせた状態で、前記レジストRに合わせた一定時間露光され、その後、前記レジストRに合わせた現像液で現像される。現像されたレジスト付着工程後ウエハは、前記めっき用金属層12MWと重なっている部分のレジストRを除去される。
前記レジストRが液状のものを使用した場合には、第一のレジスト工程後に乾燥を行う。
めっき用金属層12MWと重なっている部分のレジストRのみ除去されたレジスト付着工程後のウエハを、第一のレジスト除去工程後ウエハとする。第一のレジスト除去工程後ウエハの概念図を図7に示す。
めっき工程は、電解めっき又は無電解めっきにより、前記めっき用金属層12MWに所定の金属からなるめっき形成壁部12Wを設ける工程である。
めっき形成壁部12Wは、電気化学反応を利用して、露出されためっき用金属層12MW上に、所定の金属で形成される。そのめっき形成壁部12Wの厚みは、レジスト付着工程で付着させた前記レジストRの厚みと同等とする。めっき形成壁部12Wの厚みは、例えば、0.1〜0.3mmとなる。
めっき方法は、電解めっき、無電解めっきのいずれか一つの方法を使用する。
めっき形成壁部12Wを形成する金属は、特に指定しない。電磁波等のシールド効果の高い金属の使用により、圧電振動子の電気的特性の悪化を防ぎ、圧電振動子の周波数の安定度の悪化を防ぐ効果を上げることができる。めっき形成壁部12Wを構成する金属の例として、銅、ニッケルなどが挙げられる。
めっき工程後のウエハの概念図を図8に示す。
第二のレジスト剥離工程は、前記ウエハの一方の主面に付着しているレジストを全て除去する工程である。第二のレジスト除去工程では、所定の金属からなるめっき形成壁部12Mの形成されている第一のレジスト除去工程後ウエハに付着しているレジストRを全て除去する。
所定の金属からなるめっき形成壁部12Wの形成されている第一のレジスト除去工程後ウエハに付着しているレジストRを除去した第二のレジスト除去工程後のウエハの概念図を図9に示す。
平滑工程は、前記めっき形成壁部12Wの前記ウエハ11Wと平行となる面を平滑にする工程である。平滑工程は、研磨または研削を用いて行う。
本発明の電子部品用容器体を使用した圧電振動子は、めっき形成壁部12Wの前記ウエハと平行となる面はと蓋を接合し封止される構造となっている。そのため、前記めっき形成壁部12Wの前記ウエハ11Wと平行となる面が平滑になっていないと、気密性のとれない状態での封止となってしまうため、圧電振動子の電気的特性の悪化や圧電振動子の周波数の安定度の悪化を引き起こす原因となる。
めっき形成壁部12Wの前記ウエハ11Wと平行となる面を平滑にしためっき工程後ウエハを、平滑工程後ウエハとする。
個片化工程は、基板ごとに個片化する工程である。個片化工程は、平滑工程後ウエハをダイシングやレーザー等を用いて個片化される。
個片化工程では、複数の基板からなるウエハ11Wとめっき形成壁部12Wが切断される。切断後の基板を基板部11、めっき形成壁部12Wを壁部12とする。
この個片化された基板が、本発明の電子部品用容器体となる。この個片化された基板の斜視図を図1に示す。
この電子部品用容器体の製造方法を用いることによって、ウエハ状態で主な工程を処理できるので、生産コストの電子部品用容器体を製造することができる。
この電子部品用容器体の製造方法は、壁部12が金属によって形成されているので電気的特性の悪化と周波数の安定した圧電振動子を提供することができる。
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態に係る電子部品用容器体について説明する。
図10は、本発明の第二の実施形態に係る電子部品用容器体の斜視図である。図11は、本発明の第二の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の一方の主面から見た場合の概念図である。図12は、本発明の第二の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の他方の主面から見た場合の概念図である。図13は、図11のC−C断面の概念図である。図14は、D−D断面の概念図である。
本発明の実施形態になる電子部品容器体は、壁部12と外部接続端子15とが、電子部品用容器体の側面で接続されている点で、第一の実施形態と異なる。
本発明の実施形態に係る電子部品用容器体は、基板部11と壁部12と配線パターン13と外部接続端子15と導電部16から主に構成される。
外部接続端子15は、前記基板部11の他方の主面に複数設けられている。外部接続端子15の所定の一つは、金属膜等の導電物質からなる導電部16を介して電気的に接続されている。外部接続端子15の他の所定の2つは、他の前記貫通孔14を介して前記配線パターン13と電気的に接続されている。
導電部16は、金属膜や導電接着剤といった導電性の物質から構成されており、所定の一つの外部接続端子15と壁部12とを電気的に接続させている。
壁部12と外部接続端子とを金属膜等の導電物質を介して電気的に接続させることによって、第一の実施形態と同様の浮遊容量による圧電振動子の電気的特性および周波数の安定度への影響を防ぐことができる。
また、壁部12と外部接続端子15とを電気的に接続させる方法として、金属膜や導電接着剤を例として挙げているが、はんだ等の導電物質を使用しても構わない。
従って、この電子部品用容器体は、電気的特性の悪化を防ぎ、かつ、周波数の安定度の悪化を防ぐことのできる圧電振動子を提供することが可能となる。
次に本発明の電子部品用容器体の製造方法の実施形態を示す。
本発明の電子部品用容器体の製造方法において、第一の実施形態の製造方法と異なる点は、導電部形成工程を追加する点である。第二の実施形態の製造方法では、第一の実施形態と異なる製造方法の箇所のみについて説明する。
本発明の電子部品用容器体は、レジスト付着工程と第一のレジスト除去工程とめっき工程と第二のレジスト除去工程と平滑工程と個片化工程と導電部形成工程とを経て製造されている。
レジスト付着工程は、複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるグラウンドに接続されためっき用金属層12MWと前記めっき用金属層12MWの内側であって2つ一対で設けられる配線パターン13とを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子15を他方の主面に有したウエハ11Wの一方の主面にレジストRを付着させる工程である。
第二の実施形態で使用するウエハ11Wについて説明する。
前記ウエハ11Wは、複数の前記基板をマトリックス状に配列された状態となっている。この基板は、電子部品用容器体の基板部11に相当する。
この基板は、2つ一対の貫通孔14を有している。貫通孔14は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術当により形成されている。この貫通孔14を導電ペーストで塞ぐことによって、基板の一方の主面と他方の主面とが、電気的に接続される。
前記ウエハ1Wの一方の主面には、めっき用金属層12MWがフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成されている。また、このめっき用金属層12MWは、基板ごとに個片化する際の切り代分を含んでいるため、第一の実施形態に係る電子部品用容器体の壁部の厚みよりも厚くなっている。このめっき用金属層12MWは、前記ウエハ1Wの他方の主面の外部接続端子15とは、電気的に接続されていない。
前記ウエハ11Wの一方の主面には、配線パターンがフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成されている。この配線パターン13は、めっき用金属層12MWの内側であって2つ一対で設けられており、圧電振動素子を表面実装できるように配置されている。また、配線パターン13は、特定の貫通孔14を介して所定の外部接続端子15と電気的に接続されている。
導電部形成工程は、前記めっき形成壁部12Wとグラウンドを電気的に接続させる工程である。
導電部形成工程は、基板ごとに個片化した状態で行う。個片化工程では、めっき形成壁部12Wと複数の基板からなるウエハ11Wは、切断されている。切断されたときの形態を図19に示す。切断後のめっき形成壁部12Wを壁部12、切断後の基板を基板部11とする。
導電部形成工程は、めっき形成壁部12Wとグラウンドを電気的に接続させるため、壁部12と基板の他方の主面の外部接続端子15の所定の一つと電気的に接続させる工程である。
電気的に接続させる方法として、スパッタリング法・蒸着法といった金属膜により導電させる方法、導電性のワイヤーを用いて導電させる方法、導電性接着剤やシール等を用いて導電させる方法などが挙げられる。電気的に接続させる方法については、指定しない。
図10は、第二の実施形態の圧電デバイス用容器体の製造工程の一部である導電部形成工程後の形態の概略図である。
この壁部12と外部接続端子15と電気的に接続されている個片化された基板が、本発明の電子部品用容器体となる。
この電子部品用容器体の製造方法を用いることによって、主な工程をウエハ状態で処理することができるようになるため、生産コストの安い電子部品用容器体を製造することができる。
この電子部品用容器体の製造方法は、壁部12が金属によって形成されているので電気的特性の悪化と周波数の安定した圧電振動子を提供することができる。
第一の実施形態に係る電子部品用容器体の斜視図である。 第一の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の一方の主面から見た場合の概念図である。 第一の実施形態の係る電子部品用容器体を基板部の他方の主面からみた場合の概念図である。 図2のA−A断面の概念図である。 図2のB−B断面の概念図である。 (a)は、ウエハにレジストを付着させる前の状態を示す概念図であり、(b)は、ウエハにレジストを付着させた後の状態を示す概念図である。 めっき用金属層の上のレジストを除去した一例を示す概念図である。 めっき形成壁部を設けた状態を示す概念図である。 残りのレジストを除去した状態を示す概念図である。 第二の実施形態の係る電子部品用容器体の斜視図である。 第二の実施形態に係る電子部品用容器体を基板部の一方の主面から見た場合の概念図である。 第二の実施形態の係る電子部品用容器体を基板部の他方の主面から見た場合の概念図である。 図11のC−C断面の概念図である。 図11のD−D断面の概念図である。 (a)ウエハにレジストを付着させる前の状態を示す概念図であり、(b)ウエハにレジストを付着させた後の状態を示す概念図である。 めっき用金属層上のレジストを除去した一例を示す概念図である。 めっき形成壁部を設けた状態を示す概念図である。 残りのレジストを除去した状態を示す概念図である。 基板ごとに個片化した状態を示す概念図である。
符号の説明
11 水晶基板部
12 壁部
13 配線パターン
14 貫通孔
15 外部接続端子
16 導電部
11W 複数の基板からなる水晶ウエハ
12W 水晶ウエハの一方の主面に形成されためっき形成壁部
12MW 水晶ウエハの一方の主面に形成されためっき用金属層
R レジスト

Claims (3)

  1. 複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるグラウンドに接続されためっき用金属層と前記めっき用金属層の内側であって2つ一対で設けられる配線パターンとを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子を他方の主面に有したウエハの一方の主面に、レジストを後述する壁部と同じ厚みまで付着させるレジスト付着工程と、
    前記めっき用金属層と重なる部分の前記レジストを除去する第一のレジスト除去工程と、
    電解めっき又は無電解めっきにより、前記めっき用金属層に所定の金属からなり且つ前記レジストと同じ厚みとなるめっき形成壁部を設けるめっき工程と、
    前記ウエハの一方の主面に付着しているレジストを全て除去する第二のレジスト除去工程と、
    前記めっき形成壁部の前記ウエハと平行となる面を平滑にする平滑工程と、
    前記ウエハを基板ごとに個片化し、各基板の一方の主面に壁部を有する電子部品用容器体を得る個片化工程と、
    からなることを特徴とする電子部品用容器体の製造方法
  2. 複数の基板となる部分が設けられ、前記基板となる部分の縁に沿って設けられるめっき用金属層と前記めっき用金属層の内側であって2つ一対で設けられる配線パターンとを一方の主面に有し、前記基板となる部分の4隅に設けられる外部接続端子を他方の主面に有したウエハの前記一方の主面に、レジストを後述する壁部と同じ厚みまで付着させるレジスト付着工程と、
    前記めっき用金属層と重なる部分の前記レジストを除去する第一のレジスト除去工程と、
    電解めっき又は無電解めっきにより、前記めっき用金属層に所定の金属からなり且つ前記レジストと同じ厚みとなるめっき形成壁部を設けるめっき工程と、
    前記ウエハの一方の主面に付着しているレジストを全て除去する第二のレジスト除去工程と、
    前記めっき形成壁部の前記ウエハと平行となる面を平滑にする平滑工程と、
    前記ウエハを基板ごとに個片化し、各基板の一方の主面に壁部を有する電子部品用容器体を得る個片化工程と、
    前記壁部と前記外部接続端子のうちグラウンドとなる前記外部接続端子とを電気的に接続する導電部を、前記電子部品用容器体の外側面に形成する導電部形成工程と、
    からなることを特徴とする電子部品用容器体の製造方法。
  3. 前記レジストは、ドライフィルムレジストからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品用容器体の製造方法。
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